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新エネルギーの大量導入に伴う 影響とその対応策について

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新エネルギーの大量導入に伴う 影響とその対応策について
資料4
新エネルギーの大量導入に伴う
影響とその対応策について
平成20年9月8日
資源エネルギー庁
電力・ガス事業部
「長期エネルギー需給見通し」上の太陽光・新エネルギー導入目標量
大幅な太陽光
長期需
給 見 通 しに お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 最 大 導 入 ケ ー ス
発電の導入
6000
1 ,3 0 0
原油換算万kl
5000
4000
3000
太陽光発電
風力発電
350
廃 棄物 発電 +バ イオマ ス 発電
35
バ イオ マ ス 熱 利 用
2000
水力
1000
その他
0
2005
2030
2020
年度
長期エネルギー需給見通しにおける新エネルギーの最大導入ケース
2005年度
2020年度
2030年度
実績
最大導入ケース
最大導入ケース
万kl
35
350
1300
万kW
142
1432
5321
万kl
44
200
269
万kW
108
491
661
万kl
252
393
494
万kW
223
350
440
バイオマス熱利用
万kl
142
330
423
その他※1
万kl
687
763
716
合計
万kl
1160
2036
3202
単位
太陽光発電
風力発電
廃棄物発電+バイオマス発電
2
※1 「その他」には、「太陽熱利用」「廃棄物熱利用」「未利用エネルギー」「黒液・廃材等」が含まれる。
2
太陽光発電の導入シナリオ(最大導入ケース)
住宅用:約1000万戸
2005年の
約40倍
1300万kl(5300万kW)
住宅用:約320万戸
350万kl(1400万kW)
万 (
万
)
2005年の
約10倍
倍
住宅約6割
住宅約8割
2021∼2030
・新築戸建全体約50万戸/年
の8割に導入
・既築約25万戸/年に導入
35万kl(140万kW)
住宅約8割
非住宅約2割
2005
2011∼2020
・新築戸建持家約30万戸/年
の7割に導入
・既築は5万戸/年に導入
・産業用・公共用ポテンシャル
の概ね1割(ストック)に導入
非住宅約4割
非住宅約2割
・産業用、公共用ポテンシャル
の概ね8割(ストック)に導入
2020
2030
3
長期エネルギー需給見通し上の電力需要
最大導入
水力
一般
揚水
火力
石炭
LNG
石油等
地熱
原子力
新エネルギー
合計
努力継続
2020年度
(予測)
846
8%
781
8%
65
1%
4,613
46%
2,006
20%
2,013
20%
560
6%
33
0%
4,374
44%
217
2%
10 050
10,050
(億kWh)
2030年度
(予測)
856
10%
781
9%
75
1%
3,366
38%
1,481
17%
1,463
16%
389
4%
33
0%
4,374
49%
312
4%
8 908
8,908
水力
一般
揚水
火力
石炭
LNG
石油等
地熱
原子力
新エネルギー
合計
水力
一般
揚水
火力
石炭
LNG
石油等
地熱
原子力
新エネルギー
合計
実
現状固定
2020年度
(予測)
896
7%
781
6%
114
1%
7,228
57%
3,064
24%
3,409
27%
722
6%
33
0%
4,374
34%
217
2%
12,715
(億kWh)
2030年度
(予測)
942
7%
781
5%
161
1%
8,617
60%
3,598
25%
4,425
31%
561
4%
33
0%
4,374
31%
312
2%
14,245
水力
一般
揚水
火力
石炭
LNG
石油等
地熱
原子力
新エネルギー
その他
合計
(億kWh)
2030年度
(予測)
924
8%
781
7%
143
1%
5,959
52%
2,543
22%
2,824
24%
558
5%
33
0%
4,374
38%
312
3%
11,569
2020年度
(予測)
866
8%
781
7%
85
1%
5,609
51%
2,395
22%
2,497
23%
683
6%
33
0%
4,374
40%
217
2%
11,066
績
1990年度
2000年度
881
788
93
4,481
719
1,639
2,108
15
2,014
904
779
125
5,249
1,732
2,479
1,004
33
3,219
23
10%
8%
1%
56%
18%
26%
11%
0%
34%
0%
9,396
4
7,376
12%
11%
1%
61%
10%
22%
29%
0%
27%
(億kWh)
2005年度
813
714
99
5,973
2,529
2,339
1,072
32
3,048
56
-44
9,845
8%
7%
1%
61%
26%
24%
11%
0%
31%
1%
0%
4
太陽光大量導入時の課題と系統安定化策
【課題】
①配電網の電圧上昇による逆潮流の困難化
②周波数調整力の不足
③余剰電力の発生(需給バランス)
上記課題への効果
系統安定化対策
(○:効果あり、−:関係なし、×:悪影響)
①
②
③
0 配電や系統対策は何も講じない+
家庭での新規需要創出
−又は×
−
−
1 配電系統の強化(太線化、柱上変
圧器の設置等)
○
×
×
(逆潮流が増加)
(逆潮流が増加)
2 蓄電池の設置(需要家側)
○
○
○
3 蓄電池の設置(系統側)
−
○
○
4 揚水発電の活用
−
○
(可変速)
(基準)
○
5 火力等によるバックアップと調整
−
○
○
6 地域間連系線の活用
−
△
△
5
(参考)課題①:配電網の電圧上昇による逆潮流の困難化
○太陽光発電の出力が設置箇所の消費電力を上回り、系統に電力が逆流した場合、配電系
統の電圧が上昇。
○太陽光発電から逆潮流が生じることにより、連系点の電圧が電事法第26条に基づく適正
値(101±6V)を逸脱しそうな場合、他の需要家の電圧を適正に維持するため、太陽光発
電施設の設置者が逆潮流量を自動的に抑制(出力抑制)。
○このため、今後、太陽光パネル増加に伴い、配電系統への逆潮流が困難化する可能性が
あり、発電電力量が減少する可能性がある。
負荷
負荷
負荷
~ -
~ -
~ -
負荷
100/200V
配電用変電所
出力抑制
負荷
電圧
6600V
潮流(電流)
逆潮流(太陽光発電出力が系統側に逆流)
107V
適正電圧範囲
(101±6V)
逆潮流あり
電圧
逆潮流なし
95V
配電用変電所の変圧器からの距離
6
(参考)課題②:周波数調整力の不足
○太陽光発電の出力は、天候などの影響で変動するため予測困難。
○太陽光の導入量が拡大すると、その変動に対応する周波数調整力が不足するおそれ
(1)電力需要の小刻みな変動(20分程度以内)に、太陽光出力の変動が加わることで、
供給エリアごとに確保している調整力(LFC※1容量)が不足するおそれ。
(2)天候の変化による太陽光出力の大幅な変動に備えて、バックアップ電源が必要。
※1:電力需要の小刻みな変動(20分程度以内)に対しては中央給電指令所から火力・水力などの発電量を自動的に微調整して、周波数を維持する機能
80%
太陽光発電の出力変動
晴れ
晴れ→曇り
雨
70%
60%
周波数は需要と供給のバラン
スが崩れると変動
50%
40%
30%
20%
10%
0%
0時
6時
12時
需要変動
(20分程度以内の成分)
18時
(2) バックアップ電源が必要
(1) LFC容量の不足
※2 総需要の±1∼2%
太陽光出力
電気の使用量の変動と
太陽光の変動の合計
太陽光
増加
LFC
調整
範囲※2
天候の変化に伴う
太陽光の出力変動
に備えてバックアップ
電源が必要
晴れ
雨
時間
7
(参考)課題③:余剰電力の発生
○太陽光発電が増加すると、需要の少ない時期(軽負荷期)に、ベース供給力(原子力、水力、火力最
低出力)等と太陽光による発電量が需要を上回り、電力の余剰が発生するおそれ。
○太陽光発電が増加すると、系統側の電源設備・流通設備とも稼働率が低下し、電源・流通双方でコス
トアップが発生。
需要
火力最低出力
重負荷期
揚水発電
需要
火力最低出力
太陽光発電
太陽光発電
揚水動力
揚水動力
火力発電
火力発電
風力発電
風力発電
水力発電(流込式)
水力発電(流込式)
原子力発電
原子力発電
0時
6時
12時
18時
24時
需要
火力最低出力
揚水発電
太陽光
大量導入
ケース
0時
6時
原子力発電
軽負荷期
18時
揚水
発電
風力発電
水力発電(流込式)
原子力発電
12時
電力の余剰
が発生する。
火力発電
揚水動力
風力発電
水力発電(流込式)
6時
24時
18時
太陽光発電
火力発電
揚水動力
12時
需要
火力最低出力
太陽光発電
0時
揚水発電
24時
0時
6時
12時
18時
24時
8
(参考)オプション0:蓄電池の設置など何ら対策を講じない場合
○長期需給見通しにおいては、1,000万kW程度以上の太陽光が導入されると、太陽光発電
による出力変動を吸収するため、蓄電池の設置が必要としており、これに要する費用を約6
兆円と試算(新エネルギー全体で約12兆円)。
○逆潮による余剰電力については、既存の配電網によって逆潮可能な容量を上限として、
容量を超えた分の余剰電力は活用しない(発電しない)という方法が考えられる。
○需要家側で太陽光による発電電力を有効に活用する仕組み(新規の電力需要)ができれ
ば、CO2排出量を低減しつつ、電圧上昇・地域の電力余剰の問題が緩和。
○逆潮による余剰電力分の発電量は減るものの、配電網の強化や蓄電池の設置、系統安
定化等に係るコストは極小化。
【課題】
発電電力量(余剰電力買取量)が頭打ちとなる
地域(配電網の容量の違い等)によって、余剰電力の買取量に差が生じる
昼間に不在となる家庭の買取量が少なくなるおそれ
太陽光発電によるピーク時の需要削減効果があまり期待できない
この場合でも、太陽光導入量増加に伴う需要変動に対する必要な調整力等の確保は必要。
9
(参考)オプション1:配電系統の強化(太線化、変圧器の分割設置等)
○電圧上昇対策として、電圧調整装置(SVC※約1,500万円/1カ所)の設置や柱上変圧器
(約20万円/1カ所)の分割設置、細い電線の太線化等により、配電網の強化を行った場
合、逆潮可能量が増える効果が期待される。
○広範な範囲で需要が大幅に増加する場合は、系統供給力の強化と併せて、6千V
(6,600V)の配電系統を2万V(22,000V)化することも考えられる。
※SVC:Static Var Compensator(半導体素子を用いた
制御により、無効電力出力を変化させ電圧を調整)
配電用変電所
負荷
100/200V
バンク
6600V
負荷
負荷
∼ −
∼ −
∼ −
負荷
負荷
柱上変圧器新
設(分割設置)
潮流(電流)
(*1)
配電線逆潮流(太陽光発電出力が系統側に逆流)
適正電圧範囲ま
で電圧を下げる
107V
適正電圧範囲
(101±6V)
SVC
高圧系統の
電圧を制御
バンク潮流
逆潮流
SVC新設
電圧
95V
配電用変電所の変圧器からの距離
【課題】
(*)配電系統あたりの太陽光の集中度合いによって変化。
配電系統の強化に伴う関連工事に係る費用(材料代や工事費用等)が発生
6千V受電の需要家設備を2万V受電の設備に変更するための費用等が発生
配電線逆潮流が大きくなり、配電用変電所の変圧器(バンク)潮流も逆潮流になる場合(*1)は、
それに対応した設備対策等が必要
10
(参考)オプション2・3:蓄電池の設置(需要家側・系統側)
○太陽光発電と原子力等のベース供給力の合計が需要を上回った場合、余剰電力を蓄電
池に充電して対応することが考えられる。
○長期需給見通しにおいては、太陽光発電設備が1,000万kWを超える場合には、7時間分
の各種蓄電池を導入することを想定。この時の蓄電池に係る費用は、約6兆円と試算。
【蓄電池の種類とその特徴等】
蓄電池の種類
電池コスト
特 徴
鉛蓄電池
5万円/kWh
○利用実績が豊富(信頼性が高い)
○メンテナンスが容易
×寸法が大きく、重い(低いエネルギー密度)
リチウム蓄電池
40万円/kWh
○小型で高いエネルギー密度
○大電流を放電可能
×電池コストが高い
×大容量化に課題
NaS電池
2.5万円/kWh
○耐久性に優れ、電池コストが安い
○比較的高いエネルギー密度
×高温の温度調整が必要
×危険物としての扱い
出典:NEDO委託業務成果報告書「系統連系円滑化蓄電システム技術開発に関する調査」より資源エネルギー庁作成
11
(参考)オプション2・3:蓄電池の設置(需要家側・系統側)
○蓄電池の設置場所としては、需要家側(蓄電ステーション等)又は系統側(変電所等)に設
置することが考えられる。
○系統側で集中配置を行うことにより蓄電池の設置や維持・管理の効率化が期待。
<電気事業者が系統に設置する場合>
<需要家に設置する場合>
住宅用太陽光発電
1次又は2次
変電所
需要家用蓄電池
(鉛、リチウムなど)
送電線
変電所用蓄電池
(NAS電池など)
配電用
変電所
配電線(高圧)
【需要家側・系統側 共通の課題】
充放電ロスによる追加費用が発生
蓄電池の保守・交換の費用が発生
蓄電池を設置するための十分なスペースの確保が必要(特に、都市部は課題)
特に需要の低い日(GWや正月休みなど)や更に太陽光の導入量が拡大した場合、1日を通じて余剰
電力が発生し、蓄電池に貯蔵した電力分を夕刻以降に放電しきれなくなるため、太陽光の出力そのも
のを抑制する必要。
12
(参考)オプション2:蓄電池の設置(需要家側)
○蓄電池を需要家に設置し、昼間の太陽光による余剰電力を蓄電池に充電、余剰が解消
される夕刻以降に放電することで、太陽光の導入可能量の拡大が可能。
太陽光なしの場合の需給運用
揚水動力
揚水発電
太陽光大量導入後(晴天日)
揚水発電
揚水動力
蓄電池を充放電
総需要
総需要
充電
太陽光
太陽光
火力(*)
火力(*)
(最低出力)
ベース供給力
+
水力
+
原子力他
放電
(最低出力)
ベース供給力
+
水力
+
原子力他
(*)LFC運転ができるなど運用上の最低出力
【課題】
需要家側・系統側の共通の課題は前ページのとおり。
需要家設置の蓄電池が系統全体から見て最適に制御されない場合、系統側で追加的に調整力を確保
することが必要。
単独又は複数の需要家で蓄電池を管理する場合、蓄電池の保守・交換の実施等が課題。
13
(参考)オプション3:蓄電池の設置(系統側)
○大容量蓄電池を系統側に設置し、太陽光とベース供給力の合計が需要を上回った場合
の余剰電力を蓄電池に充電、余剰が解消される夕刻以降に放電することで、太陽光の導
入可能量を拡大可能。
太陽光なしの場合の需給運用
揚水動力
揚水発電
太陽光大量導入後(晴天日)
揚水発電
揚水動力
蓄電池を充放電
総需要
総需要
充電
太陽光
太陽光
火力(*)
火力(*)
(最低出力)
ベース供給力
+
水力
+
原子力他
放電
(最低出力)
ベース供給力
+
水力
+
原子力他
(*)LFC運転ができるなど運用上の最低出力
【課題】
需要家側・系統側の共通の課題は2ページ前のとおり。
系統側で運用するために必要な設備投資等の対策が必要。
14
(参考)オプション4:揚水発電の活用(新増設や可変速化)
○太陽光発電とベース供給力が需要を上回った場合、余剰電力を揚水発電で吸収して対応
することが考えられる。
○揚水機の新増設や動力運転時の動力負荷(揚水量)を調整できるよう(負荷調整運転)に
するため、可変速化等の対応が必要。
<太陽光なしの場合の需給運用(端境期)>
揚水動力
揚水発電
揚水動力
<太陽光大量導入後(晴天日)>
総
総需要
揚水発電
動力運転時に負荷調
整運転できるよう可
変速機で対応
総需要
太陽光太陽光
火力(*)
火力(*)
(最低出力)
ベース供給力
【課題】
+
水力
+
原子力他
(最低出力)
ベース供給力
+
水力
+
原子力他
(*)LFC運転ができるなど運用上の最低出力
揚水発電の立地の確保
調整力の増強のための設備投資や揚水ロスによる追加費用等が発生
特に需要の低い日(GWや正月休みなど)や更に太陽光の導入量が拡大した場合、1日を通じて余
剰電力が発生し、上池に貯蔵した水(電力)分を夕刻以降に発電しきれなくなるため、太陽光の出
力そのものを抑制する必要。
15
(参考)オプション5:火力発電等によるバックアップと調整
○太陽光は日照状況により出力が大きく変動するため、電力系統全体で太陽光発電(自家
消費分を含む)をバックアップすることが必要。
○具体的には、火力発電などを部分負荷運転で待機しておき、太陽光出力が低下した際に
は、火力発電などの出力を増加させて需給バランスを確保(火力発電等の十分な調整力が
必要)。
○このため、太陽光発電の合計出力状況の把握も必要。
太陽光がなくても需要を
賄えるだけの電源・流通
賄えるだけの電源 流通
設備を準備した上で、太
陽光の増減に合わせて火
力等を調整運転
晴
曇
太陽光
太陽光
雨
総需要レベル
火力
(調整可能分)
火力
(最低出力)
系統電源・流通設備の稼
働率が低下
【課題】
+
水力
+
原子力他
十分な火力発電等の容量の確保。また、対応に必要な設備投資等が発生。
低出力で運転する火力発電機の増加によるCO2排出増
系統側の電源設備・流通設備とも稼働率が低下し、電源・流通双方でのコストアップが発生
16
(参考)オプション6:地域間連系線の活用
○太陽光発電が特定の地域に偏在することなく普及する場合は、各エリアでの対応となる。
○しかしながら、特定のエリアに太陽光発電が偏在し、余剰電力が発生した場合は、連系線
を活用し、他エリアに融通することが考えられる。
○余剰電力が発生した場合、受電側に余力があれば、連系線を経由して他エリアに融通す
るのが、有効活用の一手段。
*運用容量は平成20年8月昼間の数値
北海道
エリア
566万kW
*四角内は運用容量制約要因
( 熱 熱容量 周 周波数 安 安定度圧
電圧)
*各エリアの数値は、過去最大電力実績(発電端一日最大)
↑60万kW
↓60 kW
↓60万kW
北海道・本
州間電力連
系設備
関門連系線
→278万kW 熱
← 30万kW 周
九州
エリア
1,762
万kW
越前嶺南線
西播東岡山線、
山崎智頭線 ↑130万kW 周
→400万kW
←270万kW
中国
エリア
1,229万
kW
北陸
エリア
558万
kW
東北
エリア
1,520
万kW
圧 ↓160万kW 安
熱
相馬双葉幹線
南福光BTB
↑30万kW
↓30万kW
本四連系線
↑120万kW
↓120万kW 熱
関西
エリア
3,306万
kW
熱
: 直流設備
↑ 80万kW
↓500万kW 安
→97万kW 熱
←97万kW
新信濃FC1号/2号
佐久間FC
東京エリア
6,430万kW
○しかしながら、太陽光発電が特定の地
域に偏在することなく普及する場合は、
各エリアとも余剰電力が厳しくなるため、
融通は困難となる。
○太陽光の出力が最大となる時間帯は、
どの電力会社もほぼ同等。また、電力余
剰が発生する時期もどの会社も同等。
【課題】
熱
東清水FC
[凡 例]
周
周波数変換設備
中部
四国
エリア
三重東近江線
エリア
2,797
→250万kW
周
593万
万kW
←120万kW
阿南紀北直流幹線
kW
→140万kW
←140万kW
熱
○原子力及び水力がベース電源として、
出力一定運転するのに加えて、太陽光
が大量に導入された場合、太陽光の発
電量が需要を上回り、余剰電力が発生
する可能性。
・連系線活用のための設備投資(連系線・地
内系統)が発生
17
(参考)その他の課題:単独運転の防止と不要解列防止対策の実施
○単独運転とは、事故や緊急停止などの場合、本来停止すべき系統に、太陽光発電等の分
散電源の運転(単独運転)により通電が継続されること。
○単独運転が継続された場合、公衆感電、機器損傷の発生、消防活動への影響、作業員の
感電のおそれ。→現在は太陽光発電設置者に単独運転を検知して解列するリレーの設置
が義務付けられている。
○一方、本来解列すべきでない系統のじょう乱時に、単独運転防止装置が不要動作、あるい
は瞬時電圧低下の影響を受け、太陽光発電が一斉解列し、需給バランス等が崩れるおそ
れ。
【①単独運転防止の必要性】
【②不要解列防止の必要性】
上位系統で
事故が発生
太陽光発電
負荷
配電用変電所
電圧の影響が
伝わる
太陽光発電
太陽光発電
が一斉解列
上位系統
~ -
負荷
~ -
単独運転によ
り事故が継続
負荷
~ -
負荷
~ -
変圧器
CB
(遮断器)
配電線事故検出
→切断
需要と供給の
バランスが崩れる
18
我が国の電力負荷曲線①
将来的に太陽光発電が大量導入された場合の電力負荷曲線の変化に関し、
過去に行われた分析(2004年、NEDO)では以下のようなものが存在。
★前提条件
・太陽光発電の導入量:2030年時点で1億kW(晴天時8000万kW、曇天時2000万kWと想定)
・需給カーブ:現状の需給カーブを、2030年の需給規模に拡大
ケース1:夏季平日・晴天の場合
ピーク時間帯に向けた電力需要増に対応して太陽光パネルからの発電電力が増加することで、電
力の需給バランスが確保される。
ケース2:夏季平日・曇天又は雨天の場合
太陽光パネルによる発電は期待できないことから、太陽光パネルが大量に導入されたとしても、火
力発電の維持 大規模な揚水発電又は大量の蓄電池が必要
力発電の維持、大規模な揚水発電又は大量の蓄電池が必要。
発電量(夏季平日・曇天)の推移
発電量(夏季平日・晴天)の推移
夏季平日・晴天
250
夏季平日・曇天
250
太陽光発電(逆潮分)
200
150
石炭・LNG・石油
貯水式・揚水式
100
電力需要(GW)
電力需要(GW)
200
太陽光発電(逆潮分)
150
石炭・ LNG・石油
貯水式・ 揚水式
100
自流式水力
自流式水力
50
50
原子力
原子力
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
時間
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
時間
出典:「平成19年度NEDO委託調査 次世代の電力供給システム統合化技術に関する先導調査」より経済産業省作成
19
我が国の電力負荷曲線②
ケース3:一日のうちに天気が晴天~曇天・雨天と変化する場合
「電力需要−太陽光パネルの発電出力」の系統の需要曲線の変化に追従する火力、揚水又は蓄
電池が必要となる。
ケース4:春季・秋季
例えば太陽高度が高い5月などは定期検査による原子力の出力減を加味しても、雪解け水による
水力発電出力の増もあり、原子力、水力(自流式水力等)、火力最低出力のベース電源の運転確保
に必要な「最低限の需要」を確保できない恐れあり。
発電量(夏季平日・晴天→曇天)の推移
晴天→曇天
250
春季
250
太陽光発電分
(13時から曇天になると仮定)
200
石炭・ LNG・石油・貯水式・揚水式
(太陽光の急激な出力減に伴い出力急増)
200
150
電力需要(GW)
電力需要(GW)
発電量(春季休日・晴天)の推移
100
太陽光発電分
Peak:43GW
発電量:303GWh
150
石炭・LNG・石油
貯水式・揚水式
100
自流式水力
自流式水力
50
50
原子力
0
原子力
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
時間
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
時間
上述のケース1∼4の分析のいずれにおいても、LFC容量の確保のために、火力、揚
水又は蓄電池の活用が必要となる。
本小委員会では、以上のような要因と変化を一定の仮定に基づき可能な限り定量的に
分析し、太陽光パネルの大量導入に伴い必要となる系統安定化対策に必要なコストを
求めるとともに、費用負担の在り方を検討することとする。
出典:「平成19年度NEDO委託調査 次世代の電力供給システム統合化技術に関する先導調査」より経済産業省作成
20
分散型新エネルギー大量導入促進系統安定化対策事業
平成21年度概算要求額:6億円(新規)
概要: 太陽光発電の大量導入に備え、太陽光発電の出力変動
や需要の変化、太陽光による系統需要、平滑化効果等について、
実測データに基づく分析・評価を行う。
全国200箇所程度で日射量等を測定
[出力/定格出力]
~ -
太陽光発電
合成出力
<系統安定化策事業における実証項目>
実証項目
[時]
内 容
大量導入による平滑化
効果
太陽光の短周期変動(概ね20分程度未満の変動)及び電力需給計画・運用(下げ代、
予備力など)に関係する長周期変動(概ね周期20分以上の変動)の平滑化効果の実
証。
太陽光発電リアルタイム
トータル出力の推定
太陽光発電の出力データのサンプルから太陽光からのリアルタイムトータル出力を精
度よく推定する手法の開発・実証。
21
太陽光パネル設置及び系統安定化対策に係るコスト試算(単価)
2009年∼2010年
2011∼2020年
2021年∼2030年
目的
66
27
15
パネルからの発電
NAS
2.5
2.5
2.5
ニッケル水素
10
10
5
リチウム
40
20
10
5
1.5
1
20
(20)
(20)
電圧調整装置
(SVC)(/1カ所)
1500
(1500)
(1500)
揚水発電(/kW)
20
−
−
太陽光パネル(/kW)
蓄電池
(/kWh)
鉛
柱上変圧器(/1カ所)
バックアップ用火力発電
の維持(/kW)
※括弧書きは推計値なし
15∼30
−
−
①配電網の電圧上昇対策
②周波数調整力不足対策
③余剰電力発生対策
①配電網の電圧上昇対策
②周波数調整力不足対策
③余剰電力発生対策
(単位:万円)
上記数値については、「長期エネルギー需給見通し」(2008年5月)検討の際に用いられたものや現
在の単価を今後の検討の際の一つの目安として示したものであり、上表に掲げられていない対策事
項を含め、一定の仮定の下で検討を行うこととしたい。
今後、電気事業者等の協力を得て、必要な系統安定化対策について、太陽光発電の大量導入に伴
い取り得るシナリオを定量的に分析・検討し、そのシナリオに添って将来的に発生するコストを試算。
また、各コストについて、各々どのような負担とすることが適当か、各種料金による回収の在り方等も
含め、今後具体的に検討(その際には、各コストの性格や償却期間等も踏まえた上で負担の在り方
を具体的に整理)。
出典:「長期エネルギー需給見通し」(2008年5月)における前提条件、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会資料等より作成
22
現行料金制度の考え方(総原価→託送料金・小売料金)
総非アンシラリー
サービス費
原子力発電費
原子力発電費
送電費
変電費
変電費
配電費
一般管理費
8部門への整理
配電費
低圧
配電費
販売費
非NW
給電費
7部門への整理
配電用変電
サービス費
高圧配電費、
需要家費
NW給電費、
需要家費
送電等関連/非関連の抽出・
整理
託送料金
販売費
受電用変電
サービス費
︵
低圧需要︶ ︵
特定規模需要︶
送電費
送電費
送電等関連コスト
総 原 価
原子力発電費
小売料金︵規制部門・自由化部門︶
火力発電費
︵
低圧需要︶ ︵
特定規模需要︶
総非アンシラリー
サービス費
送電等非関連コスト
火力発電費
水力発電費
アンシラリー
サービス費
水力発電費
料金の決定
23
新エネルギー導入促進のための措置
予算
平成21年度概算要求額、括弧内は平成20年度予算額
事業名
概要
予算額
住宅用太陽光発電導入支援対策
費補助金
高い普及効果が見込まれる住宅用太陽光発電
システムの設備を導入する際に、当該整備設置
者に対して定額の補助を実施する。
237.5億円(新規)
クリーンエネルギー自動車等導入
促進対策事業
本格的に市場投入される電気自動車、プラグイ
ンハイブリッド自動車などの導入及び急速充電
設備等の設置に対する補助を行う。
48.9億円(18.9億円)
新エネルギー等導入加速化支援
対策費補助金
地方自治体や民間事業者に対し先進的な設備
の導入等に対する補助等を行う。
400.2億円(378.3億円)
風力発電系統連系対策補助事業
風力系統への影響から風力発電の導入に制約
が生じている地域において、新たに風力発電を
設置しようとする事業者に対し 風力発電の出力
設置しようとする事業者に対し、風力発電の出力
変動による電力系統への影響の緩和に資する
蓄電システムの導入に必要な経費の一部を補
助する。
24.1億円(29.6億円)
億円(
億円)
税
事業名
住宅ローン減税の拡充
概要
太陽光発電等を備えた省エネ新築住宅等の普
及に向けた住宅ローンの減税を行う。
財投
事業名
環境・エネルギー対策貸付
概要
太陽光発電等の石油代替エネルギーを使用す
るために必要な設備を設置する者に対して低利
融資を行う。
24
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