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中1年「衣服の構成」
平成 23 年度「伝統・文化に関する教育」実践事例~技術・家庭科の視点から~ 中1年「衣服の構成」 和装を通して、(伝 1 実践者 柳剛 ひろこ(札幌市立新琴似中学校) 実践のねらい 以前より衣服の構成を取り上げる単元において、洋服と和服の成り立ちの違 統・文化)に触れる いや生地の違いなどを学習したり、繊維について学習したりする機会はあるも のの、実際に着用するまでは至っておらず、世界の民族衣装を扱いながらも自 分の手で日本の民族衣装を着用する機会がないことに物足りなさを感じていた。 今回、平成 24 年度からの新学習指導要領で和装の取り扱いについて、一部 触れてもよいこととなったこともあり、NPO 法人日本時代衣装文化保存会の 力をお借りしながら、実際に浴衣を着用することにより、衣服について深める 時間とした。 2 実践の概要 前時に「衣服の補修」を取り扱い、洋服についての構成や、洗濯の際の注意 事項などを学習し、調理実習時に使用するエプロンの補修(小学校で制作した エプロン)と、布巾を留めるためのスナップ付けを行った。また、日常着用し ているワイシャツのアイロンがけの実習を行った。そこで、晒(綿)ワイシャ ツ(ポリエステル)着物(絹)といった、繊維が異なることで用途が違ったり 手触りや取り扱い方法も全く異なることに気が付く。実際に着用する浴衣は、 よく糊のきいた綿で出来ており、その日本らしい一面に気が付く生徒もいた。 NPO 法人日本時代衣装文化保存会では生徒人数分の浴衣を準備しており、 着用するだけではなく、礼儀作法なども体験しながら日本文化に触れる授業を 展開することができた。 当日は、和装の下着の代わりにTシャツ とハーフパンツ。タオル2本を使用し補正 した。女子は、お端折の扱いに苦戦してい たが、だんだんと形になると自然と笑顔に なっていくようであった。帯を結び終えた 後、アレンジして変わり結びをする様子も (伝統・文化)に対 見られた。男子は、初めて袖を通す生徒が する関心の高まり 多く、帯の結び方を学んだ後は、「今度はぜ ひ自分で浴衣を着てみたい。」という声が多 く、達成感を得た様子であった。 3 実践を終えて 今回は様々な衣服について学ぶ授業の一 つとして、和装の実習を取り入れた。多くの生徒にとっては着物そのものが特 別なものであることが多い。また、着物を持っていても自分で着る機会はなく、 貴重な体験学習にもなったと考えている。和装そのものを授業で取り扱うとい うことではなく、日常的に着用する衣服には、様々な繊維や生地、縫製がある ということを学ぶなかで体験できたことが、今後の授業展開にもつなげること ができると考える。今後は、衣服の歴史を学び直す要素や、成り立ちなどにも 着目しながら、学習指導の展開を工夫したい。