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第6章 今後の職業能力開発の基本的施策

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第6章 今後の職業能力開発の基本的施策
第6章
今後の職業能力開発の基本的施策
人口減少社会の到来、2007 年問題、技術革新や経済のグローバル化の進展など、経済社会情勢
が大きな変化に直面している中で、職業能力開発の果たすべき役割は、今後更に重要性を増して
くる。
そこで、働く者の職業生活の安定・地位の向上と経済社会の発展に寄与するという職業能力開
発の本来の目的を果たすため、今後、推進していく基本的施策は、雇用・就業の動向、企業活動
の動向を踏まえ、『個人が能力を活かす』、『企業が人材を活かす』、『技能を受け継ぐ』、『体制を
整える』の視点から、次の4つを柱として展開する。
1
働く者の意欲と能力を高める職業能力開発の推進
2
企業の成長につながる人材育成の支援
3
熟練技能の振興と技能を尊ぶ気運の醸成
4
職業能力開発推進体制の整備
1
働く者の意欲と能力を高める職業能力開発の推進
∼「個人が能力を活かす」ための職業能力開発∼
【施策の方向性】
働く者が、職業生活を充実して過ごすためには、各ライフステージに応じて、キャリア・アップ
を図り、職業生涯の全期間を通じて、自らの意欲と能力を十分に活かすことが重要である。
このため、自らの適性や職業能力を的確に把握し、求められる職業能力に対応することができる
よう、職業生活の各段階や状態に応じた、意欲と能力を高める職業能力開発を進め、働く者の円滑
な「職業キャリア」の形成を支援する。
(1)
個人の主体的な職業能力開発の支援
◇
個人の職業能力開発の促進には、自らの職業生活設計に即して、必要な職業訓練等を受け
る機会が確保されるとともに、実務経験を積み重ね、実践的な職業能力を習得するキャリア
形成が重要である。
◇
働く者の職業生活が長期化するとともに、企業が求める能力は多様化しており、個人がそ
の能力、適性、経験などに応じて能力開発に取り組むことが必要となっている。このため、
キャリア・コンサルティングによる相談、助言などを行い、個人の主体的な職業能力開発を
支援する。
◇
また、高い就業意欲を有する女性や高齢者を中心に、自ら創業したり、地域貢献活動を行
うといった雇用以外の就業分野が注目されており、そこで活躍する者も増えている。こうし
たライフスタイルに応じた多様な働き方を支援していく。
○
個人の職業生活を通じたキャリア形成の支援
ヤング・ジョブ・あいち、ハローワークなどにキャリア・コンサルタントを配置し、求
人情報に示された職業能力などに関する相談・助言、訓練の受講を希望する者一人ひとり
に適した訓練コースの相談等を行い能力開発機会のマッチングを図る。
- 25 -
また、個人のライフステージを通じた効果的なキャリア形成を支援するため、キャリ
ア・コンサルタントの養成を行うとともに、キャリア形成支援コーナー等においてキャリ
ア形成についてのアドバイスを行い、これに基づいたキャリアプランの作成等を行う。
さらに、労働者が主体的に能力開発に取り組むことを支援するため、自ら教育訓練を受
けた場合に、その費用の一部を負担する教育訓練給付制度の活用を促進する。
また、中小企業センターの建て替えによる新施設「愛知県産業労働センター(仮称)」
(平
成 24 年全体供用開始予定)における働く者に対するキャリア形成支援施策についての検
討を行う。
・ ヤング・ジョブ・あいち等におけるキャリア・コンサルティングの実施【国、県、機
構】
・
キャリア・コンサルタントの養成【機構】
・
キャリア形成支援コーナー等における働く者のキャリア形成支援【機構】
・
教育訓練給付制度の活用促進【国】
・
「愛知県産業労働センター(仮称)」におけるキャリア形成支援施策の検討【県(検
討主体)
】
○
多様な働き方への支援
ライフスタイルに応じた多様な働き方を支援するため、公共職業訓練の一つのメニュ
ーとして、創業を目指す者等に対して、座学と企業内での実習を組み合わせた創業訓練
を実施する。
また、地域における子育てや介護、障害者の自立支援などの課題に対応するコミュニ
ティ・ビジネスの起業支援を行う。
60 歳台前半層を中心とする高齢者に対しては、臨時的かつ短期的な就業機会を提供し
ているシルバー人材センターにおいて、短時間雇用を中心とした雇用就業のための技能
講習等(シニアワークプログラム事業)を実施する。
また、パートタイム労働者などのいわゆる非正規社員を含む在職者が受講しやすい土
日等、訓練時間や訓練期間に配慮した職業訓練を実施する。
※
・
創業を目指す者に対する創業訓練の実施【県】
・
コミュニティ・ビジネスの起業支援【県】
・
シニアワークプログラム事業の推進【シルバー連合会】
・
訓練時間や訓練期間に配慮した在職者訓練の実施【県、機構】
モデルと表示されている施策は、
「モノづくり人材育成愛知モデル」
(内容はP39に記載)に位置づけられている施策
である。また、
【
】内の略称は、
【機構】は独立行政法人雇用・能力開発機構愛知センター、
【シルバー連合会】は社団法
人愛知県シルバー人材センター連合会、
【雇開協会】は社団法人愛知県雇用開発協会、
【21世紀職業財団】は財団法人21
世紀職業財団愛知事務所、
【障害者協会】は社団法人愛知県障害者雇用促進協会、
【能開協会】は愛知県職業能力開発協
会、
【労働協会】は財団法人愛知県労働協会、
【中小企業大学校】は独立行政法人中小企業基盤整備機構中部支部中小企
業大学校瀬戸校、【OVTA】は海外職業訓練協会名古屋事務所、【技能士会】は社団法人愛知県技能士会連合会を示す。
- 26 -
(2)
若年者の職業的自立の支援
◇
若年者の職業的自立を促進していくためには、若年者自身が職業について考えることがで
きる機会を提供するとともに、自らの希望や適性に合った職業を選択し、円滑に職業生活へ
移行できるよう、企業、学校、地域、NPO、行政などが連携して、適切な助言や教育訓練
機会を提供するなど、きめ細かな支援を行う。
○
不安定な就労状態にある若年者に対する支援
不安定な就労状態にある若年者に対しては、「ヤング・ジョブ・あいち」において、職
業適性診断やキャリア・コンサルティングによる職業選択のための相談援助、職業紹介な
ど、就職するための一連のサービスをワンストップで提供するほか、社会人としての基礎
的な能力を養う講座を開催する。
また、こうした若年者に対する支援の地域展開を図るため、市町や商工会議所などと連
携した取組を進める。
さらに、教育訓練機関における座学と企業における実習とを一体的に組み合わせた日本
版デュアルシステム訓練の充実を図り、不安定な就労状態にある若年者の安定的な就業を
促進する。
また、ニート状態にある者に対しては、「ヤング・ジョブ・あいち」における親等の相
談窓口の利用促進、専門的なノウハウをもつNPOと連携した就労支援事業の実施、合宿
形式による生活訓練、労働体験等を行う若者自立塾と連携を取り、職業的自立に向けた支
援を行う。
・
「ヤング・ジョブ・あいち」における就職支援【国、県、機構、雇開協会】
・
社会人としての基礎的な能力を養う講座の開催【県】
・
市町や商工会議所等と連携した若年者支援の地域展開【県】
・ 企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の実施【県、機構】モデ
ル
○
・
NPOと連携したニート状態にある者の就労支援【県、雇開協会】
・
ニート状態にある若者の自立支援を図る若者自立塾との連携【県】
学校生活から職業生活への円滑な移行のための支援
職業意識啓発を在学中から行うことは重要であり、中学生の職場体験、高校生のインタ
ーンシップの拡大を図るなど、学校教育の中でのキャリア教育を推進し、できるだけ早い
時期からの勤労観、職業観や職業意識を涵養するための取り組みを進める。
また、現在一部の企業等で行われている自分の親が勤める職場見学やモノづくり現場の
作業見学などを普及するとともに、「私のしごと館(京都府)」※を利用したり、様々な職
業の体験機会を提供するための全県的な体制づくりを整え、職場体験等の受け皿確保に努
めるなど、仕事への興味を高める取り組みを進める。
さらに、中学生・高校生の適切な職業選択などキャリア形成を支援するため中学・高校
教師に対して、カウンセリング能力、コーディネート能力の向上を図るセミナー等を開催
する。
- 27 -
公共職業能力開発施設において、新規学卒者を対象とした職業訓練を行うとともに、県
立高等技術専門校において、小中学生に対するモノづくり体験機会の提供を行う。
※
・
職場体験、インターンシップの推進【国、県】モデル
・
親の職場見学、モノづくり現場の作業見学の取組みの普及【県】モデル
・
「私のしごと館」※における職業体験【県、雇開協会】
・
中学、高校におけるキャリア教育推進の支援【県、雇開協会】
・
公共職業能力開発施設における新規学卒者に対する職業訓練の実施【県、機構】
・
県立高等技術専門校における小中学生のモノづくり体験機会の提供【県】
早期離職者や学卒未就職者、フリーターを含めた若年者を中心として、職業意識の形成、適職の選択からその後の職
業生活を含めたキャリア形成を支援するため、様々な職業の体験機会の提供や、仕事の内容や必要な職業能力開発につ
いての情報の提供及び相談の実施等を総合的に行う中核的な施設。独立行政法人雇用・能力開発機構が運営。
- 28 -
(3)
◇
支援が必要な者への職業能力開発機会の確保
求職者が、適性や希望に沿った職業に就くためには、本人の自助努力が重要であるが、本
人の努力だけでは就労が容易に進まない離転職者、女性、障害者等に対しては、職業に必要
な能力開発機会を確保する。
◇
出産・育児を機にいったん退職した女性など、職業キャリアを中断している者の円滑な再
就職・再就業等に向けた職業能力開発の支援を行う。
◇
また、働く意欲と能力を有する障害者が、職業を通じて自立を図ることができるよう、教
育、福祉機関とも連携し、障害の特性に応じたきめ細かな支援を行う。
○
離転職者等の再就職の支援
失業中や転職を希望する者に対しては、公共職業能力開発施設において、新たな職業
に就くために必要な知識や技能を付与する職業訓練を実施し、早期再就職のための支援
を行う。また、専修学校等の民間教育訓練機関、NPO法人などの専門性や実践的なノ
ウハウを活かして、広範な分野の人材ニーズに機動的に対応するため民間への委託訓練
を実施する。
中高年齢離職者に対しては、求人の見込まれる業界団体と連携して、短期講習と就職
面接会をセットにした再就職支援事業を行う。
働くことを希望する女性の社会参加を促進するため、再就職を支援するセミナーを開
催するほか、子育て中の女性に対しては、新たに設置されるマザーズハローワークにお
ける職業訓練情報等の提供、訓練実施時間等に配慮した職業訓練を実施する。さらに、
育児・介護休業者の職業能力の低下を防止・回復を図る事業主への助成などを行う。
また、就労経験がない又は少ない母子家庭の母等に対して、関係福祉機関と連携し、
就職のための準備講習と実際の就職に必要な知識・技能を習得する職業訓練をセットに
した自立支援訓練を実施する。
・
公共職業能力開発施設における離転職者に対する職業訓練の実施【県、機構】
・
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施【県、機構】
・
中高年齢離職者再就職支援事業の実施【県、雇開協会】
・
女性の再就職を支援するセミナーの実施【21 世紀職業財団】
・
マザーズハローワークにおける職業訓練情報等の提供【国、県】
・ 子育て中の女性の再就職を支援する訓練実施時間等に配慮した職業訓練の実施【県】
○
・
育児・介護休業者の能力開発等を行う事業主への助成【21 世紀職業財団】
・
母子家庭の母等に対する職業訓練の実施【県】
障害者の職業的自立を促す支援
障害者に対しては、国立県営の愛知障害者職業能力開発校と県立春日台職業訓練校に
おいて、職業に必要な知識、技能の訓練を行い、職業的自立を促進する。
また、民間教育訓練機関や社会福祉法人、NPO等を活用した委託訓練を機動的に実
施し、障害者の態様に応じたきめ細かな職業訓練を行う。
さらに、障害者の就労機会を増やす有効な手段であるIT(情報通信技術)等を活用
- 29 -
した在宅就労の支援や障害者技能競技大会の開催により、障害者の職域の拡大や技能向
上を促進する。
障害者の職業的自立を促進するため、身近な地域で就業面と生活面の支援を一体的に
行う「障害者就業・生活支援センター」の新たな設置を図っていく。
・
公共職業能力開発施設における障害者の職業訓練の実施【県】
・
民間教育訓練機関等を活用した障害者の態様に応じた委託訓練の実施【県】
・
IT等を活用した障害者の在宅就労の支援【県】
・
愛知県障害者技能競技大会の開催【県、障害者協会】
・
障害者就業・生活支援センターの新たな設置【国、県】
- 30 -
2
企業の成長につながる人材育成の支援
∼「企業が人材を活かす」ための職業能力開発∼
【施策の方向性】
技術革新、グローバル化の進展等の激しい環境変化の中で、企業が発展していく源泉と
なる人材を活かすためには、事業主が従業員の職業能力開発を計画的に長期的な視点に立
って行うことが重要である。
このため、事業主が行う職業能力開発への支援とともに、企業ニーズに対応した人材育
成、適切な能力評価の普及を行い、企業の成長を支える人材育成を推進する。
(1)
事業主が行う職業能力開発の支援
◇
事業主は、企業活力を高めるため、労働者個人の希望、適性、職業経験等を配慮し、社会
経済情勢の動向に対応した適切な職業能力の開発に努めていくことが重要である。このため、
事業主が行う能力開発の取り組みを支援する。
○
企業内の計画的な職業能力開発の推進
従業員の職業能力開発が、企業の中で段階的、体系的に行われるためには、計画的かつ継
続的に実施されることが重要である。
このため、職業能力開発に関する情報提供を行うとともに、企業内の職業能力開発推進者
の選任の促進やそのレベルアップを図りながら、職業能力開発計画の策定を支援する。また、
従業員の能力を把握し、的確な能力開発、教育訓練、研修などに資するため、職業適性検査
の実施及び指導援助を行う。
・
職業能力開発に関する情報提供【能開協会】
・
職業能力開発推進者の選任促進【能開協会】
・
企業内職業能力開発計画の策定支援【能開協会】
・
職業能力開発推進者講習(導入レベルのキャリア・コンサルタント講習等)の実施
【能開協会】
・
○
職業適性検査の実施及び指導援助【労働協会】
中小企業等における職業能力開発の支援
事業主等が法の定める基準に従って、その従業員等の職業訓練を行う認定職業訓練は、段
階的、体系的に人材を育成する上で大きな役割を果たしている。このため、認定職業訓練を
実施する中小企業事業主等に対し、運営費の一部助成や指導を行う。
また、企業内職業能力開発計画に基づき、訓練目標が明確化された職業訓練の実施、キャ
リア・コンサルティングなどの機会を確保する事業主に対し支給されるキャリア形成促進助
成金の活用などにより、企業内における労働者の効果的なキャリア形成の促進を図る。
さらに、事業主がその雇用する労働者の実践的な職業能力の開発及び向上を促進するため
に必要に応じて講ずる措置として、新たに創設される「実践型人材養成システム」※の普及、
定着を図る。
- 31 -
また、中小企業事業主等が職業訓練を行うための施設である地域職業訓練センターや県立
高等技術専門校に設置した人材開発センターの利用促進を図る。
・
認定職業訓練の普及、助成、指導【県】
・
従業員のキャリア形成を促進する事業主の支援【機構】
・
「実践型人材養成システム」※の普及【国】
・ 在職者の教育訓練を行う地域企業等への施設開放(地域職業訓練センター、人材開発
センター)
【県、機構、能開協会】
※
企業が主体となって、教育訓練機関(専修学校等)における理論的な学習と、企業における有期雇用の下で賃金を
払いつつ行う実習(OJT)とを組み合わせることにより、若者に実践的な 職業能力を習得させる制度。法律上
は「実習併用職業訓練」と規定。
- 32 -
(2)
中小企業等のニーズに対応した人材の確保・育成
◇
企業が必要とする人材を確保・育成するための職業訓練を行うとともに、特に中小企業で
は、従業員の教育訓練を独自に行うことが困難な場合が多いため、中小企業の人材ニーズに
即した在職者訓練を進める。
○
企業が必要とする人材の確保・育成
企業が必要とする人材を確保・育成するため、公共職業能力開発施設における新規学卒者
を対象とした職業訓練や座学と企業実習とを組み合わせた日本版デュアルシステム訓練、企
業ニーズに応じた弾力的な離転職者対象の委託訓練を実施する。
また、仕事の教え方、改善の仕方などを訓練メニューとした生産現場等の監督者や経営管
理者などの育成、グローバル化に伴う企業の海外事業の展開に対応した人材の育成を行う。
・
公共職業能力開発施設における新規学卒者に対する職業訓練の実施【県、機構】(再
掲)
・ 企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の充実【県、機構】モデ
ル(再掲)
○
・
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施【県、機構】
(再掲)
・
監督者や経営管理者などの育成【能開協会、中小企業大学校】
・
海外事業の展開に対応した人材の育成【OVTA】
企業ニーズを踏まえた在職者訓練の実施
モノづくり分野を中心に、自ら教育訓練を行うことが困難な中小企業等を支援するため、
公共職業能力開発施設において、民間教育訓練機関では対応が困難となっている分野の訓練
を実施する。
また、従業員のライフステージごとに設定される技能水準への到達や資格の取得、技能検
定試験合格など目標に応じた訓練、高度化、専門化に対応した訓練、さらにきめ細かなオー
ダーメイド型の訓練を行う。
・ 自社や民間教育訓練機関では対応が困難な分野における在職者訓練の実施【県、機構】
・
資格取得や検定試験合格等を支援する在職者訓練の充実【県】
・
高度化、専門化に対応した在職者訓練の実施【機構】
・
オーダーメイド型の訓練の実施【県、機構、能開協会】
- 33 -
(3)
職業能力評価の普及
◇
職業能力評価を適切に行うことは、働く者にとっては、自らの能力を知ることでキャリア
形成の目標を設定し、キャリアアップの取組を行うことができる。一方、企業にとっては、
人材の能力水準が把握でき、優れた人材の確保や人材育成の効果的な投資、適材適所への配
置が可能となり、企業の競争力、生産性の向上につながるものである。
◇
このため、働く者は自ら持っている能力を、企業は働く者に求める能力を、お互いに分か
りやすい形で示せるよう、その「ものさし」としての職業能力評価の普及、定着を進める。
○
職業能力評価の普及
国家検定である「技能検定制度」や本県独自の社内検定等を認定する「愛知県認定技
能評価制度」の普及を図り、企業内の能力評価体制の整備を促進する。
また、国が創設した若年者の就職基礎能力の向上を図るための「YES−プログラム」
や営業・販売職などのホワイトカラー職種に従事する者に必要とされる専門的知識の習
得を支援する「ビジネス・キャリア制度」を普及し、職業能力評価の定着を図る。
さらに、外国人技能実習制度で研修又は実習中の研修(実習)生を対象とした技能検
定基礎級を実施する。
・
技能検定の普及【県、能開協会】
・
愛知県認定技能評価の普及【県】
・
YES−プログラム(若年者就職基礎能力支援事業)の普及【県】
・
ビジネス・キャリア制度の普及【能開協会】
・
外国人研修(実習)生を対象とした技能検定基礎級の普及【県、能開協会】
- 34 -
3
熟練技能の継承と技能を尊ぶ気運の醸成
∼「技能を受け継ぐ」ための職業能力開発∼
【施策の方向性】
若者のモノづくり離れや熟練技能者の高齢化が進む中で、
「2007 年問題」を目前に控え、
本県産業を支える優れた技能を維持・継承、発展させていくことが喫緊の課題となって
いる。
このため、熟練技能を円滑に受け継ぐことができるよう支援するとともに、子どもの
頃からモノづくりへの関心を高めるなど、広く県民が技能の必要性、重要性についての
理解を深め、技能や技能者が尊重される社会を形成していく。
(1)
熟練技能の円滑な継承の支援
◇
技能継承に対する危機意識は、製造業において特に高いという調査結果が示すとおり、モ
ノづくり産業を基盤としてきた本県にとって、技能継承はきわめて重要な課題である。
◇
人材育成の問題点として、指導する人材の不足、人材育成をする時間の不足をあげる企業
が多いことから、円滑な技能継承を支援するため、指導者の派遣や技能継承の方法等の助言、
情報提供を行う。
○
熟練技能の円滑な継承の支援
退職後も自らの技能、経験、知識を活かしたいという意欲をもつ熟練したOB人材を
指導者として活用し、中小企業の技術・技能、ノウハウを円滑に継承するための仕組み
づくりを行う。
同時に、認定された高度熟練技能者の活用促進を図る。
また、企業内で円滑に技能継承を行うための手法を先進事例として情報提供するとと
もに、高年齢者雇用安定法の改正で段階的に 65 歳までの雇用確保が企業に義務付けられ
たことに伴い、企業内で定年退職者を活用するなどして技能継承に取り組む中小企業を
支援する。
さらに、技能継承に係る一元的な相談窓口を設置し、各種アドバイスを行う。
・
企業OBの熟練技能士の派遣による中小企業の人材育成、技能継承の支援【県、
技能士会】モデル
・
高度熟練技能者の活用促進【能開協会】
・
技能継承を行うための手法の情報提供【県】
・
技能継承に取り組む中小企業に対する助成【機構】
・
技能継承に係る一元的な相談窓口の設置【能開協会】
- 35 -
(2)
技能振興と技能尊重気運の醸成
◇
技能検定合格者数で見られるように、本県は、質・量ともに全国一のモノづくり技能士を
擁している。また、裾野が広く、層の厚い多様なモノづくり企業が存在し、多くの製造現場
を有している。
◇
しかし、職住分離が進み、子どもなどが工場等の現場で働く姿に接する機会が減少するな
ど、この地域に根づいてきたモノづくり技能を尊重する風土が揺らいでいくのではないかと
懸念されている。
◇
このため、質・量ともに全国一のモノづくり資源を十分に活かして、技能の振興を図り、
技能者の社会的地位の向上と技能が尊重される社会を醸成していく。
○
技能検定の普及による技能振興
「技能検定」は、労働者の技能の程度を検定し、これを公証する国家検定制度である。
この技能検定は、労働者の能力を評価する側面とともに、技能向上意欲を喚起するとい
う側面も有しており、「技能立県あいち」を支えるために、技能検定の受検を奨励し、
技能の振興を図る。
また、受検資格が緩和された工業高校生など若年者の技能検定の受検を勧奨し、早い
時期から技能習得に取り組む若者の増加を図る。
さらに、企業OB等の熟練技能者と連携し、県立高等技術専門校の施設を利用した、
工業高校生の技能検定合格を目標とする技能実習や、企業の訓練施設を利用した技能実
習を行い、実践的な技能の底上げを図る。
○
・
技能検定の普及【県、能開協会】
(再掲)
・
工業高校生など若年者の技能検定の受検奨励【県、能開協会】
・
工業高校生の技能検定合格を目指した技能実習の実施【県】モデル
・
あいち知と技の探究教育推進事業の実施【県】モデル
モノづくり体験や技能者の表彰等による技能尊重気運の醸成
子どもたちがモノづくりに憧れを抱き、将来の仕事としての興味を高めさせるため、
実際にモノづくりを体験する機会を増やしていくとともに、子どもの進路に大きな影響
を与える親の認識も深めるため、親子によるモノづくり体験や企業の工場等の親子への
開放を進め、年少期における技能への関心を高める。
また、モノづくり産業の在り方を肌で体験できる本県特有の産業文化財(歴史的・文
化的意味を持つ工場、機械器具等)を観光資源とした産業観光施設における体験学習な
どの事例を情報提供し、その活用を促進する。
さらに、優秀技能者等の表彰、技能競技大会への参加促進や全国大会の誘致、モノづ
くり現場で活躍する女性の紹介等により、子どもから大人まで、男性、女性ともに県民
各層がモノづくり技能の素晴らしさを認識し、その必要性、重要性を理解できるよう、
報道機関やホームページなどのメディアも積極的に利用して、技能を尊ぶ気運の醸成を
図る。
また、愛知のモノづくり人材のモデルとなり、目標やあこがれの対象となるような特
- 36 -
に優れた技能者を認定し、後進の人材育成に活用していく「愛知版マイスター制度」の
創設を検討する。
・
モノづくり体験イベントの推進【県】モデル
・
技能士を講師とした小中学校におけるモノづくり体験の実施【能開協会】
・
あいち技能プラザ、職業訓練展の充実【県、能開協会、技能士会】
・
企業の工場等の親子等への開放促進【能開協会】モデル
・
産業観光施設の活用促進【県】モデル
・
優秀技能者表彰、青少年技能顕彰などの表彰の実施【県】モデル
・
モノづくり現場で活躍する女性の紹介【県】モデル
・ 技能五輪全国大会、若年者ものづくり競技大会への参加促進と全国的技能競技大
会の誘致【県、能開協会】モデル
・
愛知版マイスター制度の創設の検討【県】モデル
- 37 -
4
職業能力開発推進体制の整備
∼職業能力開発のための「体制を整える」∼
【施策の方向性】
本県産業の持続的な発展を支える人材の育成を進めるには、産業と結びついた人材育
成を行う関係者(教育訓練機関、企業、学校、NPO、企業OB、商工団体など)が、
それぞれの特長を活かして、職業能力開発にあたることが必要である。
このため、これらの関係者が、それぞれの役割に応じた連携を図り、より効果的な職
業能力開発を推進するための体制を整える。
また、県立高等技術専門校等については、企業ニーズ等に対応した訓練実施体制の整
備を促進する。
(1)
人材育成を行う関係者が連携する仕組みづくり
◇
効果的な人材育成を推進するため、県はその関係者をコーディネートする役割を担い、全
県的な職業能力開発を促進する体制の整備を行う。
◇
また、製造業を中心とした産業構造を持つ本県にとって、モノづくり人材の安定的かつ継
続的な確保は、本県産業の生命線に関わる課題であるため、
「モノづくり人材育成愛知モデル」
を関係機関との連携により進めていく。
○
人材育成を行う関係者が連携する仕組みづくり
産業人材の育成を総合的に支援するため、県庁内の組織として産業労働部に「産業人材
育成室」を新設するとともに、人材育成を効果的に推進するための協議会を組織して、県
内の人材育成を行う関係者を横に繋ぎ、連携する仕組みづくりを進める。
また、この組織を活用して、平成 17 年度策定の「モノづくり人材育成愛知モデル」を推
進していく。
さらに、こうした体制の中で産・学・行政が連携して、将来の成長が期待できる新しい
産業(次世代産業)分野と、それを支える基盤技術分野を支える人材育成の仕組みの整備
を進めていく。
一方、地域における人材育成の推進体制として、県立高等技術専門校と愛知障害者職業
能力開発校に、従来の「意見聴取型」から「協働・参加型」の会議を組織して、地域の実
情に応じた効果的な人材育成の取組を進める。
さらに、県内の教育訓練・研修情報、人材育成支援施策情報、指導人材情報などをネッ
ト化し、働く者、求職者、事業主等に対し、インターネット上でわかりやすい形にして提
供する。
・
人材育成を効果的に推進するための協議会の設置【県】モデル
・
次世代を担う産業分野を支える人材育成の仕組みの整備【県】
・
県立高等技術専門校等の地域職業能力開発推進会議の見直し【県】
・
県内の人材育成情報のネット化【県】モデル
- 38 -
○
モノづくり人材育成愛知モデルの推進
本県特有のモノづくり資源を活かし、小中高校、大学・大学院、社会人といった生涯を
通じて、モノづくりの楽しさ、大切さを知り、そのライフステージに応じて、必要な技術・
技能と働く意欲を身につけることができる人材育成のプログラムとその推進のための施策
の体系を「モノづくり人材育成愛知モデル」と称し、これに基づいて、各機関が連携して、
モノづくりの人材育成に努めていく。
・
モノづくり人材育成愛知モデルの推進【県始め関係機関】
ライフステージに応じた教育プログラムの実施
モノづくりの技術・技能を尊重する気運の醸成
人材育成の仕組みづくり
モノづくり労働力不足対策
※モノづくり人材育成愛知モデルで位置づけられた具体的な施策は、モデルで表示した。
- 39 -
県立高等技術専門校の機能強化
(2)
◇
県立高等技術専門校等(以下「専門校」という。
)は、企業ニーズ等に対応した職業能力開
発を第一義とする。このため、積極的に企業ニーズを把握し、それを直ちに反映できるフレ
キシブルな職業訓練体制の整備を目指す。
◇
加えて、企業が行う職業能力開発に対する人的・物的(施設)支援を行うなど、地域に頼
りにされる「産業人材育成センター」機能を備えた体制を整備する。
◇
以下を「高等技術専門校パワーアップ・プログラム」とし、専門校の機能強化を図る。
○
若年者や女性、障害者の職業的自立及び創業を目指す者への職業訓練の実施
∼多様な訓練機会の提供でパワーアップ∼
フリーター、ニート状態にある者、若年失業者、出産や育児後の再就職を希望する女性や高年
齢者、障害者など就職に様々な課題を抱える者に対し、職業に必要な基礎的な知識や技能が習得
できるよう、施設内における訓練と民間教育訓練機関等への委託訓練により、多様な職業訓練機
会を提供する。
再就職を目指す離転職者に対しては、専門校施設内で行う職業訓練に加え、専修学校等
の民間教育訓練機関を活用した委託訓練を実施し、委託先機関の特性に応じた多様な訓練
コースの設定に努め、職業訓練受講機会の確保を図る。
フリーター、ニート状態にある者など、学校卒業後に不安定な就労を繰り返している若
年者に対しては、座学と企業における実践的な実習とを組み合わせた日本版デュアルシス
テム訓練を実施し、一人前の職業人に育て、安定した就労に導いていく。
出産や育児などで職業キャリアを中断し、再就職を希望する女性に対しては、訓練実施
時間等に配慮し、受講しやすい職業訓練を実施する。就労経験の少ない母子家庭の母等に
対しては、就職のための準備講習と実際に就職に必要な知識・技能を習得する職業訓練を
セットにした自立支援訓練を進める。
障害者に対しては、障害の特性や程度に対応した実践的かつ効果的な職業訓練を推進す
るとともに、企業、社会福祉法人や民間教育訓練機関等の多様な訓練先を開拓し、個々の
障害者の態様に応じた委託訓練を進める。
パートタイム労働者や派遣労働者などのいわゆる非正社員を含む在職者が受講しやすい
訓練時間や訓練期間に配慮した在職者訓練を実施する。
高い就業意欲を有する女性や高年齢者を中心とした創業を目指す者に対しては、座学と
事業所における実習を組み合わせた創業訓練を実施する。
・
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施(再掲)
・
企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の実施(再掲)
・
子育て中の女性の再就職を支援する訓練実施時間等に配慮した職業訓練の実施(再
掲)
・
母子家庭の母等に対する職業訓練の実施(再掲)
・
民間教育訓練機関等を活用した障害者の態様に応じた委託訓練の実施(再掲)
・
訓練時間や訓練期間に配慮した在職者訓練の実施(再掲)
・
創業を目指す者に対する創業訓練の実施(再掲)
- 40 -
○
企業ニーズに対応した職業訓練の推進
∼企業が求める訓練メニューでパワーアップ∼
本県産業の強さを維持し、さらに活性化するためには、産業界のニーズにあった人材の安定的かつ継続的
な育成が必要であり、企業現場において進化する技術・技能を継承し、企業が必要とする人材を育成するた
め、訓練ニーズの的確な把握に努め、多様な訓練メニューを提供する。
事業主に対する企業訪問活動を強化し、企業現場で必要とされている技能や採用者に求
める技能水準などの聞き取りを行い、企業の訓練ニーズに的確に対応した訓練内容とする。
同時に、訓練修了生のフォローアップとしての企業訪問も行い、受講した訓練内容の活用
状況など訓練効果の把握を行う。
訓練規模については、人口減少が見込まれる中で、労働力の確保が必要であるという観
点から、基本的には現行水準を維持するものとし、訓練科目の設定については、企業ニー
ズや様々な社会的要請にフレキシブルに対応するとともに、訓練分野を目標毎に分化し、
教科担任制も取り入れた1科複数コースを積極的に設定し、効果的・効率的に訓練ニーズ
に対応していく。
また、企業のニーズにきめ細かに対応したオーダーメイド訓練を推進し、企業における
現場力の強化に一層の役割を果たしていく。
○
・
企業ニーズ把握のための企業訪問活動の強化
・
修了生のフォローアップによる訓練効果の把握
・
企業ニーズに基づくフレキシブルな訓練科目の設定
・
1科複数コースなど多様な訓練メニューの設定
・
オーダーメイド型の訓練の実施(再掲)
地域の産業人材育成センターとしての体制整備
∼地域の中でパワーアップ∼
専門校は、新規学卒者、在職者、離転職者等を対象とした職業訓練を自ら実施(職業訓練機能)するとと
もに、事業主や事業主団体等が行う職業能力開発を支援(民間支援機能)する役割を担っている。
モノづくり産業を中心とした産業構造を持つ本県産業の発展のためには、モノづくり人材の安定的かつ継
続的な育成が不可欠であることから、モノづくり教育訓練施設としての機能(モノづくり人材育成機能)を
兼ね備えた地域における「産業人材育成センター」機能を備えた体制を整備する。
専門校は、県内全域をカバーするモノづくり教育訓練施設として、小中学生の勤労観、
職業観を醸成するため、職業訓練展などを活用したモノづくり教室や、専門校の機械設備
で現場に近い職業体験を行うことができる環境を活かし、職業体験の一環としてのモノづ
くり体験機会の提供を行う。
また、専門校の機械設備を利用し、工業高校生の技能検定合格を目指した技能実習の実
施など、地域の学校教育機関と連携した人材育成を推進する。
地域における労働者の職業能力開発を推進するため、資格取得や検定試験合格等を支援
する在職者訓練の充実を図る。
- 41 -
また、地域の中小企業事業主等のOFF−JTによる教育訓練を行うため設置した人材
開発センターなどの専門校施設の利用促進を図る。
さらに、地域企業等の技能の向上のため、熟練技能士OB人材バンクと連携した人材や
職業訓練指導員の派遣などに取り組むとともに、従業員の技能継承や職業能力開発に取り
組む企業への情報提供や相談等のコンサルティング機能を充実させる。
各専門校が、地域との連携を一層強め、地域の実情に応じた効果的な人材育成を進める
ため、「地域職業能力開発推進会議」の見直しを行う。
○
・
小中学生のモノづくり体験機会の提供(再掲)
・
工業高校生の技能検定合格を目指した技能実習の実施(再掲)
・
資格取得や検定試験合格等を支援する在職者訓練の充実(再掲)
・
在職者の教育訓練を行う地域企業等への施設開放(再掲)
・
地域企業等における技能向上を図るための人材の派遣
・
地域企業等に対する情報提供、相談等コンサルティング機能の強化
・
地域職業能力開発推進会議の見直し(再掲)
モデル
就職率など目標を明確にした効果的、効率的な職業訓練の実施
∼訓練体制でパワーアップ∼
専門校におけるPDCAサイクルを整備するとともに、訓練生の就職率向上、資格取得、競技大会への参
加など、専門校の存在感を高める取り組みを進める。また、熟練技能者などを講師として活用するなど、フ
レキシブルで質の高い訓練を提供するとともに、企業現場において進化する技術・技能を継承できる職業訓
練を実施する。
入校、就職、訓練の到達度等の項目による総合的な「訓練評価システム」を導入し、こ
れを活用することで、専門校における目標の設定(P)→事業の実施(D)→評価(C)→見直
し(A)→目標の設定(P)・・というPDCAサイクルを構築し、企業の人材ニーズ、労
働者の受講ニーズを踏まえた職業訓練を推進する。なお、評価に当たっては、地域の社会
経済情勢、雇用情勢の動向など具体的数値等で把握しにくい効果も十分勘案しながら実施
する。
また、併せて、今後、計画期間中である5年間で、民間分野との競合や公共訓練として
実施していく必要性を見極め、訓練科目の見直しを行っていくものとする。
企業ニーズや様々な社会的要請に対応し、フレキシブルな訓練科目を設定するため、職
業訓練指導員の資質向上や複数免許取得促進を図るほか、熟練技能者などを講師として活
用するなど、外部人材を積極的に活用していく。
訓練生の募集、就職については、職業安定機関との連携を一層強化するとともに、専門
校独自のルート開拓に努め、高等学校との連携や就職先の新規開拓など無料職業紹介事業
の充実を図る。
訓練生に対しては、訓練修了時の仕上り像を明確に示し、目標をもった技能取得を図る
ため技能検定受検や資格取得の促進、及び技能競技大会への参加を促進する。
また、職業訓練指導員のキャリア・コンサルティング能力向上のための研修等を実施す
- 42 -
るとともに、訓練生の職業相談やキャリア・コンサルティング、就職意識啓発など就職支
援を充実し、就職率の向上を図る。
これらの目に見える訓練成果を積極的に公表・アピールすることを通じて、専門校の存
在感を高める取組みを進める。
地域に頼りにされる「産業人材育成センター」として、地域企業の職業能力開発を支援
する体制を充実するため、名古屋校開発援助課の全県的な事業展開と各校との連携を強化
するとともに、各校に開発援助推進員を配置する。
さらに、企業ニーズにあった実践的な技術・技能を身につけたモノものづくり人材の安
定的、継続的な育成を進めるため、専門校の再編整備を含めた機能の検討を行い、企業現
場において進化する技術・技能を継承できる効果的かつ効率的な職業訓練体制並びに施設
整備を進めていく。
・
「訓練評価システム」を活用したPDCAサイクルの整備
・
フレキシブルな訓練科目設定のための外部人材の活用
・
訓練生の技能検定受検や資格取得の促進及び技能競技大会への参加促進
・
就職先の開拓や訓練生に対するキャリア・コンサルティングなど就職支援の充実
・
指導員のキャリア・コンサルティング能力向上のための研修等の実施
・
就職率や資格取得など訓練成果の積極的な広報
・
開発援助課の機能強化、各校への開発援助推進員の配置
・
企業現場において進化する技術・技能を継承できる施設機能の整備
- 43 -
第8次愛知県職業能力開発計画(案)の施策一覧
※●は重点事業及び新規、拡充施策
∼個人が能力を活かす∼
働く者の意欲と能力を高める職業能力開発の推進
◇
個人の主体的な職業能力開発の支援
●
○
○
○
●
○
○
○
○
◇
ヤング・ジョブ・あいち等におけるキャリア・コンサルティングの実施【国、県、機構】
キャリア・コンサルタントの養成【機構】
キャリア形成支援コーナー等における働く者のキャリア形成支援【機構】
教育訓練給付制度の活用促進【国】
愛知県産業労働センター(仮称)におけるキャリア形成支援施策の検討【県(検討主体)】
創業を目指す者に対する創業訓練の実施【県】
コミュニティ・ビジネスの起業支援【県】
シニアワークプログラム事業の推進【シルバー連合会】
訓練時間や訓練期間に配慮した在職者訓練の実施【県、機構】
若年者の職業的自立の支援
●
○
●
●
○
○
●
●
○
○
○
●
◇
ヤング・ジョブ・あいちにおける就職支援【県、国、機構、雇開協会】
社会人としての基礎的な能力を養う講座の開催【県】
市町や商工会議所等と連携した若年者支援の地域展開【県】
企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の実施【県、機構】
NPOと連携したニート状態にある者の就労支援【県、雇開協会】
若者自立塾と連携したニート状態にある者の自立支援【県】
職場体験、インターンシップの推進【県、国】
親の職場見学、モノづくり現場の作業見学の取組みの普及【県】
私のしごと館における職業体験【県、雇開協会】
高校教師の進路指導の能力向上の支援【県、雇開協会】
公共職業能力開発施設における新規学卒者に対する職業訓練の実施【県、機構】
県立高等技術専門校における小中学生のモノづくり体験機会の提供【県】
支援が必要な者への職業能力開発機会の確保
○
○
○
○
●
●
○
○
○
●
●
○
●
∼企業が人材を活かす∼
企業の成長につながる人材育成の支援
◇
公共職業能力開発施設における離転職者に対する職業訓練の実施【県、機構】
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施【県、機構】
中高年齢離職者再就職支援事業の実施【県、雇開協会】
女性の再就職を支援するセミナーの実施【21 財団】
マザーズハローワークにおける職業訓練情報等の提供【国、県】
子育て中の女性の再就職を支援する訓練実施時間等に配慮した職業訓練の実施【県】
育児・介護休業者の能力開発等を行う事業主への助成【21 財団】
母子家庭の母等に対する職業訓練の実施【県】
公共職業能力開発施設における障害者の職業訓練の実施【県】
民間教育訓練機関等を活用した障害者の態様に応じた委託訓練の実施【県】
IT等を活用した障害者の在宅就労の支援【県】
愛知県障害者技能競技大会の開催【県、障害者協会】
障害者就業・生活支援センターの設置促進【国、県】
事業主が行う職業能力開発の支援
○
○
○
○
○
○
●
○
職業能力に関する情報提供【能開協会】
職業能力開発推進者の選任促進と企業内職業能力開発計画の策定支援【能開協会】
職業能力開発推進者講習の実施【能開協会】
職業適性検査の実施及び指導援助【労働協会】
認定職業訓練の普及、助成、指導【県】
従業員のキャリア形成を促進する事業主の支援【機構】
実践型人材養成システムの普及【国】
在職者の教育訓練を行う地域企業等への施設開放【県、機構、能開協会】
◇
中小企業等のニーズに対応した人材の確保・育成
○
●
○
○
○
●
●
○
○
◇
公共職業能力開発施設における新規学卒者に対する職業訓練の実施【県、機構】(再掲)
企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の実施【県、機構】(再掲)
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施【県、機構】(再掲)
監督者や経営管理者などの育成【能開協会、中小企業大学校】
海外事業の展開に対応した人材の育成【OVTA】
自社や民間教育訓練機関等では対応が困難な分野における在職者訓練の実施【県、機構】
資格取得や検定試験合格等を支援する在職者訓練の充実【県】
高度化、専門化に対応した在職者訓練の実施【機構】
オーダーメイド型の訓練の実施【県、機構、能開協会】
職業能力評価の普及
●
○
○
○
技能検定の普及【県、能開協会】
愛知県認定技能評価の普及【県】
YES-プログラム、ビジネス・キャリア制度の普及【県、能開協会】
外国人研修(実習)生を対象とした技能検定基礎級の実施【県、能開協会】
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∼技能を受け継ぐ∼
熟練技能の継承と技能を尊ぶ気運の醸成
◇
∼体制を整える∼
職業能力開発推進体制の整備
◇
熟練技能の円滑な継承の支援
●
○
●
●
●
◇
企業OBの熟練技能士の派遣による中小企業の人材育成、技能継承の支援【県、技能士会】
高度熟練技能者の活用促進【能開協会】
技能継承を行うための手法の情報提供【県】
技能継承に取り組む中小企業に対する助成【機構】
技能継承に係る一元的な相談窓口の設置【能開協会】
技能振興と技能尊重気運の醸成
●
○
●
○
○
○
○
○
○
○
●
○
技能検定の普及【県、能開協会】(再掲)
工業高校生など若年者の技能検定の受検奨励【県、能開協会】
工業高校生の技能検定合格を目指した技能実習の実施【県】
あいち知と技の探究教育推進事業の実施【県】
モノづくり体験イベントの推進【県】
技能士を講師とした小中学校におけるモノづくり体験の実施【能開協会】
あいち技能プラザ、職業訓練展の充実【県、技能士会】
企業の工場等の親子等への開放促進【能開協会】
産業観光施設の活用促進【県】
優秀技能者表彰、青少年技能顕彰などの表彰の実施【県】
モノづくり現場で活躍する女性の紹介【県】
技能五輪全国大会、若年者ものづくり競技大会への参加促進と全国的技能競技大会の誘致【県、能
開協会】
● 愛知版マイスター制度の創設の検討【県】
人材育成を行う関係者が連携する仕組みづくり
●
●
●
●
●
◇
人材育成を効果的に推進するための協議会の設置【県】
次世代を担う産業分野を支える人材育成の仕組みの整備【県】
県立高等技術専門校等の地域職業能力開発推進会議の見直し【県】
県内の人材育成情報のネット化【県】
モノづくり人材育成愛知モデルの推進【県始め関係機関】
県立高等技術専門校の機能強化
○
●
●
○
●
○
○
●
●
●
●
○
●
●
○
○
○
○
○
●
●
○
○
○
○
●
○
民間教育訓練機関等を活用した多様な委託訓練の実施(再掲)
企業実習と座学を組み合わせた日本版デュアルシステム訓練の実施(再掲)
子育て中の女性の再就職を支援する訓練実施時間等に配慮した職業訓練の実施(再掲)
母子家庭の母等に対する職業訓練の実施(再掲)
民間教育訓練機関等を活用した障害者の態様に応じた委託訓練の実施(再掲)
訓練時間や訓練期間に配慮した在職者訓練の実施(再掲)
創業を目指す者に対する創業訓練の実施(再掲)
企業ニーズ把握のための企業訪問活動の強化
修了生のフォローアップによる訓練効果の把握
企業ニーズに基づくフレキシブルな訓練科目の設定
1科複数コースなど多様な訓練メニューの設定
オーダーメイド型の訓練の実施(再掲)
小中学生のモノづくり体験機会の提供(再掲)
工業高校生の技能検定合格を目指した技能実習の実施(再掲)
資格取得や検定試験合格等を支援する在職者訓練の充実(再掲)
在職者の教育訓練を行う地域企業等への施設開放(再掲)
地域企業等における技能向上を図るための人材の派遣
地域企業等に対する情報提供、相談等コンサルティング機能の強化
地域職業能力開発推進会議の見直し(再掲)
訓練評価システムを活用したPDCAサイクルの整備
フレキシブルな訓練科目設定のための外部人材の活用
訓練生の技能検定受検や資格取得の促進及び技能競技大会への参加促進
就職先の開拓や訓練生に対するキャリア・コンサルティングなど就職支援の充実
指導員のキャリア・コンサルティング能力向上のための研修等の実施
就職率や資格取得など訓練成果の積極的な広報
開発援助課の機能強化、各校への開発援助推進員の配置
企業現場において進化する技術・技能を継承できる施設機能の整備
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