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ソフトウェア開発の美学 E.Parrishの論文を読んで

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ソフトウェア開発の美学 E.Parrishの論文を読んで
ソフトウェア開発の美学
Parrishの論文を読んで
岸田 孝一
Kiss cedar, Call witch!
SRA
@ SEA 無錫ワークショップ
Self Introduction
- Programming & Moonlight Painting since „60s
- Started SRA in „67
- My own version of structured method
- Introduced Unix in 1980
- Involved in ICSE since „79
- Co-chair in „87, Keynote in „88
- Volunteer Activity
- Jus, SEA, SMSG(現SERC), JASPIC, etc
- Battles against government
- China
- Familiar with many classics since childhood
- 1st visit in ‟86
- Started annual joint meetings since „87
Parrish Paper
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Aesthetic Principles for Instructional Design
「ID のための美学的原理」
Considering learning experience
The importance of aesthetic experience
Sources of aesthetic principles
First principles (Principle 1 – 4)
Guidelines for applying the first principles
The instructor as author and character (Principle 5)
美学的原理とは?
(1) Learning experiences have beginnings,
middles, and endings (i.e., plots)
(2) Learners are the protagonists of their own
learning experiences
(3) Learning activity, not subject matter,
establishes the theme of instruction
(4) Context contributes to immersion in the
instructional situation
(5) Instructors and instructional designers are
authors, supporting characters, and
model protagonists
教育環境の構成要素
パターン・マッチング
• Learning Experience
----------• Learner
• Subject
• Method
--------• Context
• Instructor
• Development Experience
---------• Developer
• Target System
• Method/Tool
---------• Project Situation
• Project Leader
Parrish論文から学ぶこと
• ソフトウェア開発を一種の学習プロセスで
あると考えれば,Parrish 論文に示された
美学的諸原理やガイドラインは,そのまま
ソフトウェア開発の場合に読み替えること
ができるだろう.
第1原理
Learning experiences have beginnings,
middles, and endings (i.e., plots)
• 学習には,始まり・中間・終わりがある.
• ソフトウェア開発の場合は?
– 開発フェイズだけを考えるか?
– それとも,運用,保守(進化)のフェイズまでも
含めてとらえるか?
– やはり M.M.Lehman 先生の進化論的な視
点が必要であろう.
第2原理
Learners are the protagonists of
their own learning experiences
• 教育システムの主役は学習者である.
• ソフトウェア開発の場合も,やはり,開発者
を主役として扱うべきであろう.
• そして、開発者は、開発プロセスを通じて
成長し変身して行く者として扱われなけれ
ばならない.
第3原理
Learning activity, not subject matter,
establishes the theme of instruction
• 学習主題ではなく,学習活動そのものが教
育のテーマをかたちづくる.
• 対象システムではなく,開発活動そのもの
が,開発のテーマをかたちづくる.
第4原理
Context contributes to immersion
in the instructional situation
• 教育システムにおいては,学習の場面設
定などのコンテクストが,学習者を取り込
む上で重要である.
• ソフトウェア開発の場合も,さまざまなプロ
ジェクト・ミーティング,ユーザとのコミュニ
ケーションの場をどのように設定するかが,
成功の鍵を握る.
グローバル開発の問題
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文化論と世代論
コミュニケーション・ギャップの時空構造
背景にある「恐怖感」
世代について語ることは時間に対する
恐怖のあらわれである.
• それでは,文化の差異について語ること
は空間恐怖の発現か?
第5原理
Instructors and instructional designers
are authors, supporting characters,
and model protagonists
• 教育システムにおける教育者,教育設計
者が果たすべき役割とは?
• 同じく、ソフトウェア開発において,プロジェ
クト・マネージャあるいはシステム・アーキ
テクトが本来果たすべき役割とは?
違和感
• Parrish さんのイメージしているアートは,
一般にいわれている近代芸術のように感
じられる.しかも,文学の匂いが濃い.
• わたし個人はそうした流れを否定する違う
種類のアートを追求している.
メッセージ・アートとしての
近代芸術
• 作品は作者の美的感情の「表現」である.
• 作品は,作者と鑑賞者の間に立ち、作者
からのメッセージを媒介するメディアとして
働く.
• 図式的にいえば:
作者 → 作品 → 鑑賞者
鑑賞者の論理
• ヴォリンガーの名言(「抽象と感情移入」岩
波文庫,残念ながら絶版):
美的享受とは
客観化された自己享受である
感情移入から生まれる誤解
の典型的な例
東(ひんがし)の野(ぬ)に
かぎろひ(陽炎)の立つ見えて
かえりみすれば月傾きぬ
-柿本人麻呂
• 「すばらしい变情歌だ」:アララギ派
• あの時代にはまだ「变情」という概念は存
在しなかった: 白川静
これも誤解かな?
「時代はサーカスの象に乗って」
by 頭脳警察作詞: 寺山修司
♪ どこからでもやりなおしはできるだろう
お前は おまえ自身が作り出した一篇の物語の主人公だから
でも せめて聴かせておくれ 悪夢ではないジンタの響きを
時代は ゆっくりとやってくる 臆病者の象にまたがって
せめて その象にサーカスの芸当を教えてやろう
• ソフトウェア開発はサーカスか?
システムはゆっくりとやってくる?
臆病者のコンピュータにまたがって?
現代芸術の
Yet Another Paradigm
• アーティストは何も表現しない.
• 作品は,作者からも,独立した存在である.
• 美術の分野では,抽象表現派の画家たちのマニ
フェストはそう主張している.
• 文学の分野では,現代詩人たちが「ことば」の意
味を剥ぎ取ることを試みている.つまり,コミュニ
ケーションの道具ではない「ことば」とは何かを探
る試み.抽象小説はまだ現われないか?
たとえば「花」
蝶 鳥の 知らぬ花あり 秋の空
松尾芭蕉
(存疑)
さて?
• この新しい芸術のパラダイムから、どのよ
うな美学的原理が導き出されるか?
• ひとつの可能性は:
– アプリケーションの意味とは独立したシステム
あるいはプログラムの「純粋構造」の追及?
Thank you!
Reference
Patrick E. Parrish, “Aesthetic Principles for
Instructional Design”
http://homes.comet.ucar.edu/~pparrish/paper
s/aesthetic%20principles%20final.pdf
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