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学生発表スライド(PDF)
東京学芸大学 言語習得と発達(2016秋学期) 10/31 発表スライド バイリンガリズム・ バイリンガルとは リュウ レイカ 発表者:劉磊花 トウゴウ リサ 東郷莉紗 発表の流れ 1.バイリンガリズムとは 2.バイリンガルとは 3.インタビューより 4.疑問点、質問点 1.バイリンガリズムとは 定義(⾔語能⼒) u2つの⾔語を⺟語話者のようにコントロールでき ること(Bloomfield,1935,p.56) uある⾔語の話し⼿がもう⼀つの⾔語で完結し、か つ意味のある発話ができること (Hauge,1969,pp.6-7) 1.バイリンガリズムとは 定義(⾔語使⽤) u2つ⾔語を交互に使⽤することをバイリンガリズ ム(中略)と呼ぶ(Weinreich,1967,p,1) u同⼀⼈物によって2つないし、それ以上の⾔語が 交互に使⽤されること(Mackey,2000,p.27) 1.バイリンガリズムとは 以上の定義から uなぜ定義はそれぞれ違うのか、そもそも何のため に定義が必要になるか。 uどのような⼈達はバイリンガルと呼ばれるか。 u本当のバイリンガリズムとは何だろうか。 1.バイリンガリズムとは 個⼈レベル・社会レベル u0歳から2⾔語環境で育てられて、それらを⺟語と して習得している⼦供はどのような⾔語経験して いるのか。 u異⾔語圏に移住した移⺠は、移⺠先の⾔語を使⽤ しながら、⾃分の⺟語の保存と継承のためにどう すればいいのか。社会からどんな⽀援が必要なの か。 2.バイリンガルとは uどのような⼈をバイリンガルと呼ぶのか(p.6) →モノリンガル的(分割論的)バイリンガリズム観 バイリンガル的(全体論的)バイリンガリズム観 ここでは u 二つの言語の交叉によって生じる言語的諸経験を日 常的にしている人、言語的諸事情と関わる人 2.バイリンガルとは (2)バイリンガルのタイプ u習得時期で区別 →①同時バイリンガル ②継続バイリンガル 2.バイリンガルとは (2)バイリンガルのタイプ u⾔語能⼒で区別 →①⼆重バイリンガル ⺟語話者=A=B ②均衡バイリンガル ⺟語話者≠A=B ③偏重バイリンガル A<B or A>B ④(⼆重)限定バイリンガル ⺟語話者>A,B ⑤産出バイリンガル ⑥受容バイリンガル ⑦付加バイリンガル ⑧減殺バイリンガル 2.バイリンガルとは (2)バイリンガルのタイプ u社会的位置づけで区別 →①主流派バイリンガル ②少数派バイリンガル 3.⾔語習得の過程 バイリンガルへのインタビュー インタビュー協⼒者 名前:Mさん 出⾝地:スウェーデン Mの両親の出⾝地:ルーマニア(ハンガリー⼈の多い地域) 使⽤⾔語:スウェーデン語、ハンガリー語(0歳から) 英語(⼩学校から)、⽇本語(⾼校から)… 3.⾔語習得の過程 インタビューの内容(⼀部) Q:Mさんの⺟語習得経験は?スウェーデン語とハンガリー語はどう習得した? Mさん:⽣まれたその時から、家族とはハンガリー語をしゃべり、外へ出れば、スウェーデ ン語を話さざるをえなかった。 Q:Mさんは2⾔語を同時に習得したということだが、スウェーデン語とハンガリー語の⾔ 語能⼒として、相違はあるのか。 Mさん:スウェーデン語の⽅ができる気がする。 Q:モノリンガルの⾔語能⼒と⽐べると、どうか。 Mさん:スウェーデン語は⺟国語でありモノリンガルと同等の能⼒がある。 ハンガリー語は⺟語だがハンガリーで⽣まれ育ちの⼈と⽐べれば、私の⽅が遅れていると 思われる。家庭内で使われる制限付きのハンガリー語のみを話す。 Q:ハンガリー語は話す、聞くだけか。読む、書くもできるのかか? M:できます。 3.⾔語習得の過程 インタビューの内容(⼀部) Q:ハンガリー語は家族から教えてもらって、勉強したか。 Mさん:教えてもらったのではなく、⾃然と⾝につけた。 Q:読み、書きも? Mさん:読み、書きこそさせられた。話したり、聞いたりするのは別に勉強したわけではな い。中学⽣か⾼校⽣の時から、スウェーデンでは⺟語教育っていうのがあり、⼀定数以上 集まれば、国や市がそれを負担してくれるという制度があるので、親にハンガリー語講座 に通いなさいと⾔われた。 Q:家の中ではスウェーデン語を使うか。 Mさん:使わない。そもそも使う理由がない。 Q:ご両親はスウェーデン語がしゃべれるのか。 Mさん:第⼆⾔語としては、まあさすがにしゃべれる。 ( ……) 4.質問点・疑問点 インタビューから、バイリンガルリズム・バイリンガルを考えよう uMさんのタイプは? uバイリンガルの定義から uバイリンガルのタイプから(習得時期、⾔語能⼒、 ⾔語の社会的位置づけ) 5.キーセンテンス • ①バイリンガルは個⼈のみではなく社会とも深いかかわ りを持ち、バイリンガルを捉える観点は⼀様ではない。 (p.15) • ②⺟語継承や⾔語移⾏は集団ごとに経験の中⾝が違う (p.5) • ③バイリンガルにはバイリンガル独⾃の⾔語の姿があり 、モノリンガルとは異なるが、それは不完全な姿ではな く、それ⾃体申し分のない⾔語体系を備えているもので ある(p.7)