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コール淡水・大阪 会 報 VOL.3-1 2003年2月28日 男声合唱組曲「柳河風俗詩」 (多田武彦作曲)誕生よもやま話 指揮者 香川 睦 今年の55周年記念東西合同演奏曲に、 「柳河風俗詩」を取り上げていますが、たまたま、現在 小生の所属するアルママータクワイア(T-1氏家氏、B-1高橋氏もメンバー)が、この9月の定演 で多田氏の2作目の組曲「富士山」を歌う事になり、何か今年は多田節のテンコ盛りとなりまし た。これを機に、 「柳河」が作曲された当時の背景や、作曲家多田武彦について少し述べ、皆様の ご参考に供したいと思います。 多田氏は、1930年(昭和5年)大阪に生まれ、今宮中学(旧制) 、大阪高校(旧制)を経て京大 へ進み、1953年(昭和28年)卒業後、富士銀行に入りサラリーマンになりました。その傍ら今日 まで、40組曲を越える多くの男声合唱曲を作曲していますが、氏は若年の15歳頃から作曲を始め、 大阪高校では合唱部に入り、男声合唱とのかかわりの第一歩となりました。 (因みに、今や合唱指 揮では第一人者の東京混声桂冠指揮者の田中信昭氏は、大阪高校合唱部の一年先輩で、その後東 京芸大へ進まれました。 )多田氏は現在もご健在で、藤沢に在住され、作曲ほか合唱指導等で音楽 活動を継続されています。 京大卒業後の28年、全日本合唱コンクール課題曲に応募した「柳河」が佳作に入選、これに「紺 屋のおろく」他2曲を加え組曲「柳河風俗詩」とし、29年暮京大男声が初演した。 多田氏が京大男声の指揮者の時、大阪・朝日会館で清水脩作品発表会があり、押しかけ出演し 「月光とピエロ」を演奏したのがきっかけで、その後、清水脩との師弟関係が生まれた。後日、 多田氏は「柳河」作曲の経緯について、次の様に語っている。 「恩師清水脩先生のアドヴァイスもあって、親しみ易く歌い易い合唱曲を作曲しようと思い立っ た時、昔から好きな北原白秋の生まれ故郷を歌った「柳河風俗詩」に出くわし、ただ無心で書い た。それが今日までこんなに愛唱されようとは夢にも思わなかった。清水先生の評は、 「歌い易く 美しい曲だが、男声合唱としては優しすぎる、もっと音域もたっぷりと使い、壮大な曲想のもの を書くべきだ」ということであった。それで2年後に2番目の作品の組曲「富士山」を書き、今度 は張り切りすぎてグリークラブ泣かせの難曲になってしまったが、草野心平先生の詩の見事さに 助けられ、幸い今日まで精力的に歌い続けられてきた」と。 一方、故福永陽一郎氏は、 「 「柳河」が今日まで歌い続けられてきたのは、組曲としての纏りの 良さと,起承転結の見事さ、それにメロディーの新鮮さによる。また処女作として、蓄えられた創 作欲のエネルギーが結晶し、メロディーやハーモニーに意識的な作為が無く、音楽的に純粋であ る。 」と褒める一方で「同時に、処女作にはつきものの、技法的な未熟さは随所にあり、メロディ ー以外の声部は、なかなか歌い難いところもある。 」と批評しています。 多田武彦氏の「合唱練習の際の留意事項」の中に、我々にとって大変興味深く参考になる事が述 べられていますので、敢えて追加して書きます。 ・日本語のフレージング(成句または文節)には三つの態様があり、歌う時には、言葉の強弱や 間に、充分注意して歌わなければならない。 ・発声の時、邦楽(長唄や清元など)を歌う時は、硬口蓋に息が当っても良いが、合唱曲など西 洋音楽の様式を基調としている楽曲を歌う時は、軟口蓋に息が当るように発声するほうが良い。 この時、 最初は何となく音色が暗く感じられるが、 徐々によく共鳴する発声に変わって行き、 「長 時間の練習に耐えられる持続力」が身につきます。 ・同じパート内の隣の人の声を聴きながら、隣人の声に合せて歌うことを全員が励行すると、パ ート内のピッチが合い「特有の響き」が生まれ音量も増加します。この時、本人側から言って「自 分の声量が隣の人の声量に較べて小さく聴こえる」ような気がします。しかし、これは実は隣の 人の声量ではなくて、ピッチが合った事で生ずる「特有の響き」の影響で、この事に気付かな いで「隣の人に負けてたまるか!」と張り切って歌うと、自分の声が聴こえて来るので本人は 安心しますが、パート内のピッチは乱れてしまいます。 因みに世界の超一流交響楽団の奏者達は、同時に名独奏者でもあるが、一旦オーケストラの一 員となった時は、パート内のピッチを合せる事に努力し、これによって発生する「特有の響き」 を大切にします。 さて、我がオール・コール淡水としては、永原恵三先生指揮の下、全員が「軟口蓋共鳴」を実 行し、コール淡水版・新「柳河風俗詩」を完成し、大向こうの好評を博したいものである。 [今後の練習日程と練習予定曲目] ◎朱色の練習日には定例練習に出席不足の方も必ず参加願います 練 習 日 曜 備 考 練習時間 練 習 場 2月28日 金 定例練習 18:30~21:00 盲人情報文化センター (3)-(b)(C)(d)(a) 3月11日 火 定例練習 18:30~21:00 盲人情報文化センター (3)-(c)(d)、 (2)-(d) 3月15日 土 集中練習 13:00~17:00 うはらホール音楽室 3月28日 金 定例練習 18:30~21:00 盲人情報文化センター (3) 、 (2) 、 (4) 4月 8日 火 定例練習 18:30~21:00 盲人情報文化センター (3) 、 (2) 、 (4) 4月12日 土 集中練習 13:00~17:00 うはらホール音楽室 Voice Training と(3)のピアノ合わせ 4月20日 日 集中練習 13:00~17:00 相愛学園B-34教室 永原Day (1)全曲 4月25日 金 定例練習 18:30~21:00 盲人情報文センター 5月10日 土 定例練習 13:00~17:00 相愛学園D-63教室 全曲の最終仕上げ 5月13日 火 定例練習 18:30~21:00 相愛学園E-25教室 仕上がり不足曲の最終補修 5月17日 土 ステージ・リハーサル 9:00~14:00 [練習曲の番号] 兵庫県民会館 練 習 曲(※) (3)を中心に、 (2) (4)も 仕上がり不足の曲を中心に <大阪><東京><合同>(詳細は追報) ※練習曲目は変更することもありますので、毎回全部の楽譜をご持参願います (1)柳河風俗詩(Ⅰ=柳河、Ⅱ=紺屋のおろく、Ⅲ=かきつばた、Ⅳ=梅雨の晴れ間) (2)黒人霊歌 (a)Lord, I Want To Be A Christian (b)Steal Away (c)Wade in de Water (d)Soon-a will be done (3)ポピュラーソング(ピアノ伴奏付き) (a)港町十三番地、 (b)お祭りマンボ、 (c)いい日旅立ち、 (d)わが人生に悔いなし (4)大きな古時計(アンコール候補曲) 相愛学園:地下鉄御堂筋線本町駅下車、4号出口か ら出て2分。御堂筋と本町筋の交差点北西の角を西 に約10メールの北側に正門があります。教室の場 神戸商大の卒業式と入学式で学歌の応援 卒業式=3月25日(火) 、入学式=4月7日(月) 所は守衛門で聞いて下さい。 県立3大学の合併を来年に控え、神戸商大としては最後 うはらホール(東灘区民センター内) :JR神戸線 の卒業式・入学式となり、今回も応援出演の要請を受け 「住吉駅」を降りて3分。改札口から左側に出て、 ています。 できる限り多数の方の参加をお願い致します。 同センターに繋がる屋根付連絡通路を進むと自然 に入ります。 練習はそれぞれ当日の午前9時よりグリークラブ部室に て行います。 (出演の可否連絡は各パートリーダーまで) 2003年度の前半期会費の納付をお願い致します。2002年度分未納の方も宜しくお願い致します。 会計係:宇賀 弘 会費は,前・後半期各 正会員=6,000円 休会員=2,000円です。 発 行:コール淡水・大阪 発行日:2003年2月28日 事務局:〒658-0025 神戸市東灘区魚崎南町3-3-3-505 TEL・FAX:078-411-8640 e-mail:[email protected] http://www.kokusho.kobeuc.ac.jp/glee/index.htm 振込口座:三井住友銀行普通預金口座 芦屋支店(379)-3788533 コール淡水・大阪