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賃貸経営新聞2015年3月号

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賃貸経営新聞2015年3月号
■発行日:2015.3.1
第9巻1号
■発行所:株式会社高品ハウジング(アパマンショップネットワーク加盟店)
千葉市若葉区高品町1585-1
■TEL:043-232-7342 ■FAX:043-232-0696
■発行人:代表取締役 山中 操 ■http://takashinahousing.com/
今月の
今月のトピックス
●空室対策の一手「お客様に“お得感”を感じていただく工夫」 ●おすすめ賃貸の本 ●オーナー座談会「借
主としての外国人」 ●賃貸Q&A ●無料法律相談・税務相談会のご案内
空室対策の一手
「お客様に“お得感”を感じていただく工夫」
甲乙付けがたい商品を前に迷ったとき、ちょっとした理由で「どちらか」を選ぶことがあります。それは、ほ
んの少しの「お得感」だったりします。オーナー様のお部屋にも、そのような「お得感」を用意しておくのは、
空室対策の一手(ひとて)になるはずです。
実は、このシリーズで紹介した「カスタマイズで
きる部屋」も「家具や家電がセットされている部屋」
も、「お得感」を与えるのが目的のひとつでした。
お客様が「得をする」ということは、その分をオ
ーナー様が「負担する」というのが前提ですが、そ
の負担分は、空室を早期に埋めるための対策費とい
うことになります。対策費を有効に使って一日も早
く部屋を決めよう、という考えですね。では、どの
ような有効的な使い方があるのでしょうか。
まずは「フリーレント」という使い方です。入居
後の最初の1ヶ月から数ヶ月分の家賃をサービスし
ます。最近では、お客様がイン
ターネットで探すときに、最初
から「フリーレント物件」とい
う条件をつけることが出来るよ
うになっていますので、オーナ
ー様の貸室がお客様の目に触れやすくなるという利
点があります。
初期費用か
初期費用か室内設備か
室内設備か
つぎに、お客様は「初期費用を少なくしたい」と
いう要望を持っていますが、アンケートを見ると、
その要望は年々増しているようで
す。お金がない人が増えたという
より、それが部屋を探すときのト
レンドなのかもしれません。初期
費用で思い浮かぶのは「礼金と敷
金」ですが、こちらもアンケートによると「礼ゼロ・
敷ゼロ」で募集する貸室が増えていて、もはや「珍
しい」ものではなくなりました。それ以外の初期費
用には、前家賃(入居時の日割り分)、火災保険料、
保証料(保証会社を使う場合)、鍵交換費用などが必
要ですが、それらを含めて「○○○円パック」で入
居できるとか「ゼロ円」で入居できる、というサー
ビスがあります。そのサービス分に対策費を活用す
るというアイデアです。お客様の立場で見てみると、
少額で計算しやすい費用で入居できる部屋は、他の
物件と比べて魅力的に映ることでしょう。
「そんなこ
とまで家主が面倒をみるのか」と考えるよりも、同
じ対策費を使うなら「お客様はどれに一番“お得感”
を感じるか」という選択の問題です。
最後の活用方法は室内設備です。迷っているお客
様に「好きな室内設備が選べる」という条件を提示
します。どんな設備が選べるかは対策費の予算によ
りますが、エアコン、テレビドアホン、浴室乾燥シ
ステム、壁に据付けの液晶テレビなどは喜ばれるで
しょう。あるいは、ケーブルテレビの使用料(1年
分など)やインターネットサービスの使用料(同じ
く)として活用もできます。
さて いかかでしょう。昔はオーナー様が借主に、
このようなサービスをすることは考えられませんで
した。今でも、お部屋に競争力があるなら必要はあ
りません。しかし競争には限界
がありますし、同じタイプのラ
イバル貸室と遜色ない状態な
ら、これらの「お得感」は迷っ
たお客様の背中を押す決め手と
なるのではないでしょうか。
おすすめ『賃貸の本』
「借家の
借家の立退き
立退きQ&A 74」
74」
住宅新報社 宮崎裕二著
本書は、家主側から退去を求めるときの実務書で
す。実際に起きたときは弁護士や管理会社に任せれ
ばいいのですが、オーナー様も知識として知ってお
いて損はありません。
著者は30年間で200件以上の
明渡しを完了させたという弁護士さ
んで、本書の執筆にあたって225
の判例を調べました。その結果で分
かったのは「家主の正当事由を裁判
所はたやすく認めない」という通説
が間違いである、ということでした。立退き裁判で
は、
「最高裁では8割」が「下級審でも7割」が正当
事由を認めていたのです。ただ判例はほとんどが東
京で、居住用より事業用が圧倒的に多いという特徴
がありますが、だからといって立退き問題が東京の
事業用物件で特に多いということではありません。
実際に起きる立退き交渉には居住用も多いし、地域
にも大きな差はないと思われますが、話し合いや裁
判所の和解の勧告によって解決されているので判例
として残っていない、ということのようです。都心
の居住用や店舗事務所等の交渉は立退き料が高額に
なるので、和解が成立しにくいのですね。
家主が借主に立退きを求めることができるのは
「借主に契約違反があるとき」と「家主に正当事由
オーナー座談会
が認められるとき」です。借主に契約違反がなく、
家主側の都合で退去を求めるときは、まず借主に対
して契約解除を告げることから始まります。契約期
間が決まっているときは契約満了の6ヶ月前までに
「更新しない」と通知し、もし契約期間に定めがな
いときは、いつでも6ヶ月前に通知することになり
ます。そして「話し合い」によって解決を目指すの
ですが、話し合いで解決できないときは、調停や裁
判という手段が使われることになります。そのとき
裁判では「家主の正当事由が認められるかどうか」
が焦点となります。
裁判所が正当事由として最も重要視するのは「家主
と借主のどちらの必要性が強いか」ということです。
それ以外にも重視される要素はありますが、それら
はやや付属的に考慮される傾向があり、さらに「立
退料」が補完要素として登場します。もし家主の正
当事由が認められるとしても、無条件ではなく「立
退料の提供」が条件となることが多いのです。たと
えば、
「家主の自己使用」という理由で解約を希望し
た場合、一概(がい)に、
「認められる」とか「認め
られない」というのではなく、裁判所は双方の事情
を勘案して事案ごとに判断しています。もし認めら
れるときでも、立退き料との引き換えが求められる
事が多いのです。解約の理由が、
「家主の身内が使用
する」とか「家主の経済的理由による」とか「建物
を解体して建て替える」ような場合でも同じです。
225の判例から立退き交渉の現状を分かりやすく
解説していますので、さらに詳しくお知りになりた
いときは、ぜひご購読ください。
「借主としての外国人」
B 建設や介護や飲食店や小売などの現場で「人手
不足」が深刻のようですね。
D そうですね。働く人がいなくて閉店に追い込ま
れたりしていますね。
Y 近所のコンビニにも日本語が片言の店員さんが
見られるようになりました。
T 不足している人手を外国籍の方で補っているん
ですね。
A コンビニで買うお弁当に
も、生産したり加工したり販売
する現場のあらゆるところで
「人手不足」が起きているみた
いです。今や外国の労働力がな
いとお弁当も食べられない。
D 僕らの時代は、店を増やして従業員を多くする
ことが会社発展の証(あかし)
と思っていましたが、今はそれ
がリスクになるなんて価値観は
大きく変化するものですね。
司会 日本人の人口は減り始
めているのですから、足らない
分を外国から補うという傾向は これからも増え続
けるのでしょう。そうなると「住む部屋」が必要に
なります。賃貸物件のオーナーである皆さんの出番
ということになりますね。
T オリンピックも控えているし、外国人の住居の
必要性が増していくワケですね。
A 賃貸住宅の供給が続いているので空室に困って
いるオーナー側の問題があります。一方で、不足し
ている労働力を補う外国人が「住まい探し」で困っ
ているという現実もあります。普通に考えれば両者
の思惑はピッタリと合うはずなのですが。
B できれば外国人には「貸したくない」と考える
方もいるという現実もありますね
司会 外国人に貸すのは問題なのですか?
D そんなことはないと思います。僕は、近くの工
場で働くブラジルとペルーの方に住んでもらってい
ますが、キチンと約束を守る人は多いと思います。
ただ、一部に不良外国人がいるのも事実でしょうが、
それは日本人でも同じことですよね。
A 不法滞在をしたり犯罪行為をするような外国人
は当然に排除しなければなりませんから、在留カー
ドやパスポートをチェックします。でも真面目に日
本で働く外国人が多いですよ。当たり前ですけど。
司会 では何が問題なのですか?
T やはり生活の文化の違いがトラブルになること
がありますよね。ゴミの問題や料理とか友人を招い
て泊まらせたりとか。
D 遠い異国で暮らしていれば同じ境遇の友人を招
きたくなるのは当然ですけどね。
T でも人数や頻度が多かったりします。別に騒ぐ
ワケではなくても、多勢が外国語で話し合えば他の
入居者には気になりますよね、料理の香りも違うし。
それが月に数回の頻度で起こってクレームになった
ことがあります。
司会 ではどうしたらいいのでし
ょう?
A 国土交通省ではガイドラインを
用意していますね。我々のような民
間賃貸住宅に、外国人を円滑に入居
させることを目的に作られていて、
オーナーと仲介業者と管理業者向け
に編集されています。
T どんなことが書かれているのですか?
A 外国人に貸すことに不安を感じるオーナーに対
してアドバイスしています。たとえば、ゴミ出しの
方法や生活騒音についての「住まい方のルール」に
ついては契約時に説明しましょう、とか。日本では、
両隣と上下階の部屋の入居者に挨拶する習慣がある
ので、それを勧めるように、とか。
T へぇー。最近の日本の若者でも挨拶しない人は
増えてるのに(笑)
。
A あるいは、日本では無断転
貸が禁止されていることと そ
の理由を説明しましょう、とか。
家賃支払いが不安なら家賃債務
保証サービスの利用を勧めたりしています。そして、
外国語の入居申込書や賃貸借契約書が用意されてい
ます。
Y 外国語とは?
A 英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガ
ル語の5カ国語ですね。
「外国人向け部屋探しのガイ
ドブック」というのもあり、すべてインターネット
でダウンロードできますよ。
司会 それで解決できますか?
D そんな単純ではないと思いますが、入居前に日
本の「賃貸住宅での住まい方ルール」をしっかり説
明すれば、トラブルはそれなりに防げるのではない
でしょうか。でも、外国人特有の問題はありますか
ら、起こったら解決していくしかありませんよね。
Y 空室を埋めるのに苦労して、入居したあとまで
トラブルで苦労したくないです。
D でもそれが賃貸経営ですよね。部屋があれば必
ず埋まり、部屋が埋まったら手間いらずで家賃が入
ってくるというような、そんな楽な商売ではありま
せんよね。そのために管理会社さんもあるのですし。
Y うーん。僕は外国人の方に貸した経験がないの
ですが、ちょっと慎重になりますね。
司会 オーナーさんによっても色々ですね。日本の
人手不足を外国人が補っていくという現実と、空室
の問題を解決するために外国人というマーケットが
あるのは事実です。そこには外国人向けの「貸し方
の工夫」という課題もあるようですね。有り難うご
ざいました。
賃貸 Q&A
Q.私
Q.私は賃貸マンション
賃貸マンションを
マンションを経営して
経営して青色申告
して青色申告しています
青色申告しています。
しています。息子が
息子が海外赴任することになり
海外赴任することになり、
することになり、自宅としてい
自宅としてい
る区分所有マンション
区分所有マンションを
マンションを貸すことになりました。
すことになりました。税務申告はどのようになりますでしょうか
税務申告はどのようになりますでしょうか。
はどのようになりますでしょうか。他に気を付
けることはありますでしょうか。
けることはありますでしょうか。
A.息子さんは、海外転勤で国内に1年以上「居住」
しないので「非居住者」という扱いになります。
「非
居住者」でも、国内で家賃収入などがあるときは確
定申告する必要がありますので、お父様が「納税管
理人」となって、代わりに申告と納税をされたらよ
いでしょう。そのためには、納税地を所轄する税務
署長に届け出る必要があります。
申告の方法はお父様と同じですが、貸室が1戸な
ので白色申告となりますね。家賃等の収入に対し必
要経費を計上して損益を算出するのも同じです。必
要経費として保険料や不動産
業者への手数料以外に、住宅
ローンの利息や減価償却費用
が計上できますが、特に減価
償却費用は、実際に支出していないのに経費計上が
できるので有利です。原価償却額を計算するために、
まず分譲マンションの購入価格を土地と建物部分に
分けます。その金額は売買契約書を見れば分かるで
しょう。建物部分から更に付属設備を分けます。7
対3の比率
(建物 70%付属設備 30%)でよいでしょう。
そして、建物は定額法で、付属設備は定率法で減価
償却します。定率法の方が最初の償却額(必要経費)
を大きくできるので、その分利益を少なくできます
から有利です。このように申告します。
気を付けるのは法人に貸し付けるときです。自宅を
貸すときは、後々のトラブルを避けるために、賃借
人に法人を指定するケースが多いのですが、海外赴
任している家主の不動産を法人が借りると、支払う
家賃から20.42%を源泉税として預かり、納税
する義務が生ずるのです。これは賃借人の義務なの
ですが、その面倒な手続きを避けたい法人もいます
ので、事前に説明していないとトラブルになってし
まいます。募集する仲介会社さんに相談してくださ
い。そして、一定期間で日本に戻ってくるのでしょ
うから、定期借家で契約することをお勧めします。
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