...

カルマン定数のー表現 ( I)

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カルマン定数のー表現 ( I)
3
2
1
カルマン定数のー表現
軸
樹
岡
春
松
AnExpressionofKarman'sConstant
Haruki MATSUOKA
(
R
e
c
e
i
v
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dA
p
r
.16,1968)
(I
) Withtheaimtoc1arifythemeaningofKannan'sconstant,IC,anexpress
i
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) Thevalueoftheexpressioncalculatedusingasetofdatagives0.41.
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v
ev
a
l
u
e
.
1
(,まじ品に
一様な無限平板(又は無限平地〉に平行な一方向の
ζ の法則を理論的に導くには L、ろいろの方法があり
そのーっとして古くから知られた P
r
a
n
d
t
l の混合距
離理論による運動量輸送説がある。何れの方法による
平均流をもっ定常的な乱流境界層の平坂(又は地表面〕
にせよ,そこに現われる所謂カルマン定数 κの数値は
の近くでの平均流速の分布は,熱的に中立な成層条件
不明で,測定によって得られた平均流速の分布に一致
では,所謂対数法則に従うことは,理論的にも実験的
するように約 0.4とL寸値を与えねばならぬ。このよ
にも広く受け入れられている口
うに特定の数値をとるのは,対応する乱流構造が陰に
持助教授
(現在教授〉
3
2
2
に,平均流速が Oになる仮想の点を一つ原点にとり,
含まれているのではなかろうかと想像される。
平均流速の向きを x軸の正の向きにとり,鉛直上方に
この論文では,混合距離の概念を修正してくわしく
軸の正の向きを,両者に垂直に y軸をとる。このと
考察することにより,このような関係が導かれ,その
Z
結果の意味の考察,結果の妥当性の検討を行なう o
き流速の X , Y. z成分をそれぞれU.
V. W
とすると
平均流速は (
u(z),0
,0)であり,単に a
(
z
)と記すo
2
カルマン定数1et1)-褒現の導出
後の節で述べる安定度による
u
,v
,wの変動成分をそれぞれ,u
'
,v
'
,w
'と記すと
u=u+u
'
, v=v'
,w=w'
κの変動のことも考え
・
・ ・,
・(
1
)
H
H
今,参考レベルz上の任意の点における流体素片の時
以下では,気象学の慣用に従って述べる。通常なされ
刻 tにおける u
'(後述の (
7
)の注意参照)を考えると,
ているように,地表面近くで,乱流境界層の下限付「
z
'を適当に選べば
u
'=u(z+z
'
)-u(z)
(
_,~, " du .z
'
2
d2u.
=i
u(
z).
+z
'
一
一
一一+d
.z
.
..・ ・
.~ - a
(
z
)
l
~ ,
,
d
z+一
.一2
2 '
H
d2u. z
'8 d8u
一
一
一
一一一
一
一
ート・ ・・
2+
8
d
z
! 一
d
z
' 3
H
9H
du ,z'2
=ど一一一+
dz . 2
H
この両辺を平均すると
=ar=21
E+
三1EE+Z1EE+
・・・
--z
yf
E+云i2
- d
dz . 2
dz2 ' 3
! dz8 '
z .2
H
ここで,近似
H
2
・・
.
(
剖
du
dz2
は,右辺第 3項以下は近似的に無視できると仮定した,又この際
H
uの分布が, よく知られた
対数法則
す
a(z
〉 =2710g
仇)
(z>zo)
に従うことを考慮した。(この式で,原点を
Zoだけ下へ移してある,以下同様)。とくに右辺第
3項についてい
κ
)(
ー 1)n-lz
r
n/n
!
z
n
うと, z
'8は正と負の値をとって平均で、は打消す傾向にあること,又組数の一般項は (v*1
で,正負の吏項紐数になっているので,残りの無限項全体としては徴小量となるものと推定されることも考慮、し
.
1'-0
(
3
)
から
F
晶
du
z
'2 d2u
一 一 一 一
2
dz -
2
・
・
・
・
・
・
・'
(
5
)
dz
(
2
)の両辺に - w
'をかけて,平均をとると
由
V~* 三三
7
一
-
つ
w
'
U'
τ-.d
u
_.- dz
~f2
1
J
If
d2u
dz2
-Z'w
'ー一一一一二二一二ι一 一
一
一
一
一
・
・
.
.
.
・
2
ここでも .uの対数法則を考慮し,とくに
f2 f
Z W
っ
F百
du
-z
'w'一
一
一
z
- - d
・
・
・
・
・
・
・
・(
6
)
についていうと, ωrは正と負の値を同程度とるので,平均する
と故小になることを考慮し,第 2項以下は近似的に無視できるものとした。
さて,w'とd とは負の相関をもっているのであるが,とくに連結乱子モデル〈井上りの考えを参考し,モデ、ル
的に,運動量輸送にあずかる乱れの z成分を Ul'とし,u
'をu'=u
t
'+u{と分解できるとし,この u{を更めて u
'と
一 えw
'
可
u
'
)
(d
'は近似的に w
'に比例するものと仮定し
かくとき,この u
とおく o ここで,Aは,データの u
'
,w'から
A ---ープ• u
'w
'
W'2
・
・
・
・
・
・
・
・(
8
)
により定めることができる。従って,(7)の u
'は(
1
)の u
'ではなく. (
7
)を充たすモデル乱渦を{&定して,但)以下で
は(
1
)の d から(7)の d を差引し、たものは取りのけて,更めて u
'とか L、たものが用いてある。 (
8
)の d は(
1
)の が を
用いても同じ値になるものと考えている o このようにすると, (
6
)
, (
7
)
, (
2
)より
du
1;
r
;
d
u-,-Z'2一両一一一一 ¥du
.
2=-z'(ー +u') 一一=一;
:
"
"
Z
'
(z
'~ー+一一一一十・・
H ・ H ・-「2 '
え
dz
A
¥ dz . 2 dz
z
}d
3
2
3
1
Iduザ
1
d2u da
1
Iduザ
=一一
-z
'2 (一
一)
z
'8 一
一d
一
(一一)
』 ¥
dz
J+~
.2A'"
dz2
z一.+ … 一 一
A ρ
.-¥
dzJ
ー
ー
……・(叫
ここでも. =には. z
'
8は正負の値を同程度とることなど及び aが対数分布に従うことなどを考慮したロ(剖より
Av
普2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
(
1
0
)
z
'2 = Ida¥2
¥dzJ
これを (
5
)に代入して
d2u
市 一 A
v
*
dz2
2
(da ¥
2
¥dz I
,
-
.
.
.
.
U
l
l
(
1
0
)
.U
l
)
.(
4
)より
d2u
/
c
h
=ー
、
dZ2
...U~
Id
uE
¥dzノ
i
・
•
n
4
u
s
・
z
'
2
=yT〆京
出)が求められた結果で、ある o
3 結果式 (
1
3
)の意時
得られた結果聞は近似式ではあるが,対数法則を維持する乱流構造の概略を反映しているものと思われる。す
言は,参考レベルで‘の平均の混合距離(乱渦の鉛直方向の大きさの尺度。我々の場合,混合の概念
なわち,下/7
は入ってな1,.'が,便宜的にこのように呼ぶことにする〉であり, (日より判るように,〆
72/〆 寸1
1Prandtl
の平均混合距離に相当し, κ
zに等しい o 7 は,上からの混合距離と下からの混合距離が,平均においてそり絶
対値が等しくないこと(乱渦の鉛直方向の平均的な大きさが zと共に増大しているために生ずるその非対称性の
尺度〉を示し .A
は,我々の理論(仮定〉で、は,運動量交換に与かる乱渦によるレイノノレズ応力テ γ ソルの(平
均流の方向をふくむ〉鉛直面内の主軸の方向を示す無次元の指示量であり,これらの総合的な無次元量として表
わされる出)の
K
が一定値 (=0.4)をとるようになっているものと解せられる。
4 結果式 (
1
3
)の妥当性の検討
・
4 1 式(
1
3
)に現帝れる詰量の見積
ーは Prandtlの平均混合距離 Iに当るので, κ=0.4とすると,
既述のように〆子2/yA
〆
三
百f/yT
z
0.
4z
/
c
次に,Aの値 (
(
8
)
で定義〉は未だ確定的でないが,現著者2)が Swinbankめのデータから計算したところでは,
1/〆 A =0.8と推定され,その他に 1/〆 A の値として. 0
.
7(G
ぽ v
ich
町. 0.87(Pereplkina5つ,室内
8
) ある境界層. K
.0
5(パイプ流. Laufer
1
ebanoff7りなどがある o それで中立成層のときの A
実験からは . 1
の値として A=1と仮定すると
〆F=0.4z,
Y z
'2
2A 〆 A
一
τ κ
一一ーァ一
0
.
0
8
z
.
z
; /yZ'2 =0.2
これらは,次のような簡単なモデルの考察から得られるものに殆んど等しい z
簡単なモデ‘ル
1:z
'を各レベルにつき,正負各一つづっで代表できるとし,それぞれど +(>0). z
'
_
(く 0)
とおき
条件
(i) u (
z
) は対数法則に従う
条件
(
i
i
) a(z+z'+)-a(z)=u(z)-u(z+z'-)
条件
(
i
i
i
) (
z
'
+
+
l
z
'
-1
)/
2=1=κz=O.4z
324
を同時に充すようにとくと
z
'
+= κ
( -1+V/
f
,
'
I
.
+了 )z
0
.
4
8z
I
z
'I=(
κ+1Y
I/
f
,
'
I
.+ 1 )z= 0.32z
っ
z
'
z/+z-'
一
三---=0.佃
簡単なモデル
条件
Z
寸
JZ
r
+十
I
z
'
_
1
=0
.
2
z
'/- 2
T
n:z'+とz'_とを前と同様に代表としてとり
(i) u(z)は対数法則に従う
条件
(
i
i
)
立 (z+
z
'+
) - u(
z
)= U
条件
(
i
日
〕
〆(z'2++z'2_)/2 = 1= KZ= 0.4Z
(
z
)- u(
z
+
z
'
_
)
を同時に充すように解くと
ム ニ ( -1 +
〆'
1+五五+〆 -2+ 2
,f/2+2〆1+ 2,f/2)/ 2 = 0.47z
z
'
_= (
ー 1+〆 1+ 2
,f/2-〆-2+ 2,f/2+2y11干 2
,
f
/2)/ 2
z
'+
+
z
'
z
' ~五二= 0.075z
, z
'/〆 (Z'2++どに)/ 2 = 0.19
ー0
.
3
2z
τ
このように,簡単な 2種のモデルから計算した場合と殆んど一致することは,出)の導出にある程度の妥当性の
保証を与えるものであろう o
4-2 実際のデ一指による結果式の験証
次に,実際のデータから計算した闘の右辺の値がカルマン定数の値 0.4にどの程度一致するかをしらべよう O
8
)の提示した,やや不安定とみられる成層のときの
データ源として, Monin
Zニ
とh の値とから計算してみよう伊 =3.1mjs)0 vi
4
-=
O.24m/sは与えられている口
1.5mでのがのヒストグラム
ヒストグラムより読みとった
d の相対頻度分布を Table1にかかげる。
Table 1
ω'(m/s)
相対頻度
却
'(m/s)
相対頻度
-0.7
,
.
.
.
.
.
.
,
ー0
.
6
6
0
.
3
4
0.
1
2
3
-0.6
-0.5
-0.
4
-0.3
-0.2
-0.1
0.0
0
.
1
0.2
.
.
.
.
.
.
.
,
ー0
.
5
42
8
1
2
1
5
3
1
0
432
570
409
3
5
5
274
0
.
4
0
.
5
0
.
6
0.7
0.8
0
.
9
1
.0
1
0
6
.
.
.
.
.
.
.
,
ー0
.
4
.
.
.
,
-0.3
-0.2
-0.1
0
.
0
0
.
1
0
.
2
0
.
3
,
.
.
,
,
.
.
,
,
.
.
,
,
.
.
,
これから,各区間の中央値を用いて計算すると
W
f2
0
.
5
0
.
6
0
.
7
0
.
8 0
.
9
38
20
1
5
6
1
0
=0‘064m2/s2,故に〆T=v*/〆言吉田 0
.
9
60 uの対数法
則を仮定して
Y
I
一
三
言 =zV e p wf -
Z
;= z(
e
ヲWf- 1,
)
(ただし, ρ=κ )
.
/
v
*
1)2
0
.
4)
.
j
v
心 を Table1から,各区間の中央値を用いて計算すると
z
r= 0.080z,Y
Iz' = 0.40z,z
i/Y z'
2
2
=0
.
2
0
となり, 4・
1で初め見積った値と一致している o かくて
j
zA 7 2 0 4 1
これは 0
.
4よりわづかに大きいが,次の節で紹介される Sheppardの結果などよりみて過大又は過小とは思われ
ないロこのことからみて,我々の表現聞は,非常によい近似であるものと推定される。
325
4・
3 平均涜速分布の安定贋による変動からみた何の安定度による変動
4-3・
1 観測結果と理論
我々の表現闘が確からしいことを示すための別の接近として,気層の安定度によるこの表現の変動が,表現仰
の変動と一致することを示した L、
D そのため,まず,安定度による表式仰の変動をここでみておく
oS
heppard
わ
はB田 t (
19
3
5
) のデータについて,平均流速の分布を審法則で近年l
して, Prandtlの仮定を援用し,聞を定義式
とみたときの,熱的安定度による κの変動をしらベ,不安定な程 κが増大することを示 L,中立成層のとき κ =
0.
4
0なるよう調整した較正曲嬢から,例として次の値を示している (Table2)ロここで κは
Table 2
κ骨
(OC/m)
温度勾配
定立定
0.0
不中安
-1.67
0
.
4
0
0
.
2
2
気層の安定性
安
0
.
6
1
る κを吏めて h とか L、たもので, 中立成層の
場合は通常の κ (以後このようにかく〉に等し
くなる口
+0.56
-
k持
中立成層の場合も含めて一般の成層で定義され
ー昔
つまり
d2a
dz2
.
.
.
.
u
品
=一一ーで一一一一
(~~ r
-
であり,我々の表現は次のようになる
4EE-.
FhU
z
'
i
1
••••••••
・
2
k持=~瓦 F子T
ここで,らは一般の成層のときの Aであり,中立成層のときは通常の A (以後このようにかく)に等しくなる o
他方, Monin-Obkhov10) の理論から,この Sheppardの結果と定性的に同ーの結果が得られる:
Monin-Obkhovの理論によれば,小さい /
z
/
L
I に対して
i
a(z)=11(logf-+αそ
L /
κ ¥ Z o
で与えられるから,凶に代入すると,小さい
!
z
/
L
I に対して
¥-2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
(
1
日
K*=κ
¥1+ατj
ここで
a は,無次元定数〈未確定であるが,
4
"
'
'
6程度の値とされているようである ) Lは Monin-Obkhov
の長さの次元をもっパラメータで
L = 一竺型空
κ
gH
で定義される安定度の指示量であって,中立のとき L =∞,不安定のとき Lく 0,安定のとき L>Oである。 H
は鉛直方向の顕熱の流束で,上向が正,下向が負,他の文字は慣用のものである。
4・
3・
2
安定度による
1//
ヨー, 7
"/〆~及び式(15)の変動
上述の結論が,我々の表現 1
(
日についても成立っているかをみよう Q
まず,
1/〆らについてみよう o Munn11)は混合距離の概念を用いて,小さし、
I
z
/
L
/に対して次式を導い
た:
+
a
{
y
2/c
〆五百 = V
*
(1
その導出を検討すると,この cは我々の〆 Aに合致すべき故,小さい /
z
/
L
/ に対して
1/〆
4
+
α
+
r
=(1/〆T)(1
2
.
.
.
(
1
7
)
とかける。 Monin1りの示した観測データ(控の F
i
g
.2) により,この式の検証に当て得るようである。
次に, (1日,聞を1
(
日に代入すると
3部
十パ
7/〆z
r
t
-JE
κ
・
・
・
・
・
帥
0.2
となる。従って, (
1
日についても (
1
6
)が成立つにはど/〆
Z'2は,小さい
I
z
/
L
Iに対して一定値をとることが実際
のデータから示されることが期待され,これの験証が望まれる。その適当なデータが現在手元に得られない。熱
t
2 の一定
の乱流輸送が運動量についてのものと相似に行なわれるものと仮定すると, 熱輸送の場合もど/〆 z
性が期待されるので,文,その験証に必要な一応のデータが得られたので,この場合について以下に行なうこと
にする。
5 熟輸送の場合
5・
1z
'/ y日
熱輸送と運動量輸送との相似性の考察は次節で行なうことにし,先づデータからど / yZl2 を 計 算 Lてみる。
データ源として Longley
l
めのデータを用いる口 Longleyのデータでは,温度変動 B
' (OC) に対し
O(z+z
'
)-
グ
e(z)
なる z
'を用いて,(
1==Y併とおき,気温てい減条件では
-(1品 (Hu) - O(
z
)
+σ= 品(HL) 一面 (z)
気温逆転条件では
+
0
'=
o(Hu) - o(z)
-(1品 (HL) 一面 (
z
)
とおいて,Hu
,HL
を
eの分布の対数法則を仮定して求めている。そこで
:
:
T'"l h'".
,
.
,
.~Hu- z )
どの代り v
:
''
一 (Z-HL)
2
1
1
守
一
Huーめ
z
)
2+(H
〆z'2の代りに
従つて,
z'/〆7干の代りに〈H-〉 j(zfヰ/I~Hu ーペ (HL-z)2 を用いて,安定度による7/ 〆7の変動
を計算した結果を FIg.1に示す。これを見れば,中立成層に近いとき (
L
l
T =-2.20 C
.
.
.
.
.
.
.
.
O
.
70 C)o 7/〆 z
'2 は
z
/
L
'
Iに対して子/〆否τ
が一定なることの験証がなされたことにな
ほぼ一定であるものと推定され,小さ L、I
るo
ただし,数値は闘で期待されるものの 2
.
5倍位になっている o この不一致の原因は詳しく研究する必要がある。
しかし次のようなことが想像される。まずどの代用に用いた式が不適当であるかもしれな L、。しかし,むしろ過
小見積になっているらし L、。このことは
4・
2で計算した Moninのデータをこのような計算法で行なうと 1
5
.
.
.
.
却%小さく計算されることからいえる。第 2に,熱輸送は運動量輸送と完全に相似に行なわれるかどうか(相似
であるとしても,輸送にあずかる卓越乱渦の大きさは等しくないらしい一一事実〆
Z
'
2 の大きさは
2z
程度の値
を示している〉などが考えられる。
5-2 運動量輸送の場合との相似性
運動量輸送の場合と類棋の関係を導いてみる:
v
*
=
u
'
w
'/v
*に対応して,九三-(1記f/ v
*を定義し,相関係数 rを予/ fl2 =(1/r
)(-o
'w
'/〆 Wf2) で
8
)
に対応して .r=1又はー 1とおき, (
8
)のAの代り とした式を用いると .v
o
/
t
o= y
京 / 〆1ー
ム
定義し,とくに, (
ーす子/〆
に対応して,。普 = y
(
y2
/
l
旦 │
d
θ
dz I
dz
同四W
4)a
;
z
〆
U
5
)に対応して
d2θ
HH
U
F
持
K
一
一
〈
〆
A* が得られるので,凶,
3
Zl
.
+
@
凶
究
{
(
H
u
Z
)
+
(
H
L
Z
)ぬ
ぽHuー
か(HL-Z]扱
.
.
;
)
(d
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g
e
O
b同 ec
x
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:
Ii
t
i∞
i
n
v
l
前 i
o
nc
o
n
d
耐∞
xZ=0.25m
02
o z 0.5 m
6 Z =1
.0
ロ z=2.0
vz=4.0
+z=8
.0 1ft
自
。
怖
咽
1
マ
ロ
A
怖
叫ω
l
a
t
凶 什om
l
.
m
g
l
e
y
ちc
bta
00
X
2
3
2
)/
2versus
F
i
g
.
1 ({(Hu-z)+(HL-z)}/2]/〆{(Hu-z)2+(HL-z)
dT(OC). dT i
sthed
i
f
f
e
r
e
n
c
eo
ft
h
etemperaturea
t z =0.2m
fromt
h
a
to
fz= 3.2m
,andi
stakena
sameasureo
fs
t
a
b
i
l
i
t
y
o
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h
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t
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r
i
cl
a
y
e
r,
2
K持
Zl
・
・
・
由
。
Y 4y z
t
2
が同様にして得られる。ここで θ (
z
)は平均温位である。
F
i
g,2,F
i
g,3及び下記回)を参照して〆
f
l
2/
〆 A* ::::,;一定と仮定し, Monin-Obkhov流の温位分布を用 L、
ると,間より,小さい, /
z
/
L
'
I に対して
ぃ
κ(1+dff〉-2
.
.
.
.
.
.
.
.
(
2
1
)
という酬と類似の関係が得られる。
温位〈近似的に温度〉に対しても,
1 / YA* に対して,小さい
〉z
l/Vん=(1/V A ) (1+df7
I
z
/
L
'
I に対して
..
(
2
2
)
が成立つものと仮定すると,聞に対応して,小さい !
z
/
L
'
I に対して
z
'IVZ'2 =一定
・
・
・
・
・
・
・
悶
)
が成立つ白
i
g
.
lによると約0
.
5であるから,もしこれが正しい値であるならば,熱輸送の場合の κは
,
この一定値は, F
3
2
8
& 書 付C
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mm
+
凧同岡剛
g
且
A
r
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o
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1
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h
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=
=
一
一
一
一
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由
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2
3
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F
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g
.
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t
a
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scommont
oF
i
g
.1
.
中立成層の場合への極限値として
κ =1
.0
に近い値
が過小見積になっているらしいことを考慮すると
(
Z
l
κ2
(
五
〉
得られた表現は,運動量交換に与かる乱渦の
鉛直方向の大きさの尺度Y
Zf2
,その乱渦の大きさが
κ の 3倍にもな
高さと共に増大するため,参考レベルで、の上下からの
る)をとるものと,暫定的に,推定される。このように,
混合距離(乱渦の鉛直方向の大きさ)が異るという非対
κ の数値は異るかもしれないが,熱輸送の場合も,運
称性の尺度 Z'及び,運動量交換に与かる乱渦のレイノ
動量輸送の場合と相似な結果が期待し得るので,熱輸
ルズ応力テンソルのー主軸の方向を指示する無次元量
送の場合の Z
'/ Y三百=の一定性の験証は,間接的に,
A とで構成されている口
1
.2 にもなり,運動量の場合の通常の
運動量輸送の場合の Z'/下/ Z
2 の一定性の験証に代用
できる根拠の一部となり得るであろう O
(
i
i
i
) 観測データの一例から,この表現を計算した
ところ, 0.4に近い値が得られた口
(
i
v) 気層の安定度による
B 結
論
(i) 混合距離理論を修正した形でやや詳しく考察
して,カルマン定数に対する,乱流構造を反映した意
味を有する次の表現を得た:
2
fC=
κ の変動をしらベ
t
c
.o 不
充分な調査ではあるが,ある程度の妥当性が支持され
z
'
〆-A- 1
7
亨子
たようである口
(v) 熱交換が運動量交換と相似に行なわれると考
えると同様な式が得られ,熱輸送の場合の Kは,暫定
的に,
1
.2位にもなると推定された。
329
J
すi=OCOC)
.
13E
.+++
ロ
ロ
ロ
O
+
+
口
ロ
O
X
A
争
•• • •
O
.
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I
V
'V
マ
ロ
O
O
X-A
X
+
X
•
E
3
Fig.3
7
8
〆~ (OC) versus z(m).The dataare identical with Fig. 2
.
and
+
.
口
.O
.X.•• 6.v'
r
,白p
ectively correspond to .
lT
-2.920C
. ー2
.
2
00C
. -1.7
2o
c
, -1.開口C, +
0.690C, +1.440C,
+2.09o
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