Comments
Description
Transcript
『北海道新幹線「新函館(仮称)駅」開業に関するアンケート調査』 報告書
『北海道新幹線「新函館(仮称)駅」開業に関するアンケート調査』 報告書 平成 19 年 3 月 北海道新幹線開業効果拡大・活用検討会議 (委託先:株式会社 北洋銀行 調査部) はじめに 平成27年度末に予定されている、 北海道新幹線の新函館開業に伴う経済効果を道南地域お よび全道に広く波及させていくためには、 北海道全体で新幹線の活用策を検討することが喫緊 の課題である。 こうした共通認識の中、平成17年7月に、学識経験者・民間団体・行政機関などによる「北 海道新幹線開業効果拡大・活用検討会議」 が設置され、 他県の先行事例などを参考としながら、 新幹線を活かした地域振興策、青函経済圏のさらなる発展方策や北海道と東北・北関東との人 的・物的交流推進などについて、議論が進められてきた。 しかし、より効果的な新幹線活用策を検討するためには、先行事例の調査に加え、実際に北 海道新幹線を利用者する、道外客のニーズを的確に把握する必要がある。 そこで平成18年8月、同検討会議内に「来道客ニーズ調査専門部会」を設置し、新幹線を 利用して来道する旅行客の目的、ニーズ、駅開業後の人の流れなどに関して、アンケートを実 施することとなった。調査は平成18年12月に実施され、本報告書はその結果を簡潔に取り 纏めたものである。 本報告書が、北海道新幹線活用策の検討はもとより、道内の各地域におけるまちづくりや産 業振興策を検討する場合など、様々な場面において活用されることを願っている。 平成19年3月 来道客ニーズ調査専門部会 部会長 1 野 崎 隆 夫 目次 1. アンケート調査の概要・・・・・P3 2. アンケート調査結果・・・・・P5 (1) 北海道新幹線の利用意向について・・・・・5 Q1.いままで何回北海道を訪れたことがありますか。・・6 Q2.北海道を訪れた際、最も多く利用した交通機関は何ですか。・・7 Q3.北海道新幹線が新函館まで開業した場合、北海道を訪れる機会は増えると思いますか。・・8 Q4.どういう目的で北海道を訪ねるケースが増えると思いますか。・・9 Q5.北海道新幹線が新函館まで開業した場合、北海道を訪れる際にはどの交通機関を利用したいですか。・・10 Q6.新幹線を選択された理由は何ですか。・・11 Q7.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、誰と訪れる機会が多くなると思いますか。・・14 Q8.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道を訪れてみたいと思う季節はいつですか。・・15 Q9.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、日程はどの程度になると思いますか。・・16 (2) 北海道新幹線で旅行する場合の訪問希望地について・・・・・17 Q10.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、訪問したい場所を選んでください。・・18 Q11.訪問先を選ぶ際に優先するものは何ですか。・・19 Q12.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、道南での下車駅はどこになると思いますか。・・20 Q13.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、下車見込みの駅前には、どのような施設があれば便利であ ると思いますか。・・21 (3) 北海道新幹線で旅行する場合の道内交通手段について・・・・・23 Q14.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道内での主な移動手段について選んでください。・・24 Q15.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道内での交通費予算はどの程度になると思います か。・・25 (4) 北海道新幹線で旅行する場合の宿泊希望について・・・・・26 Q16.北海道新幹線を利用して旅行する場合の宿泊希望地を選んでください。・・27 Q17.北海道新幹線を利用し、北海道で宿泊する場合、最も泊まる機会が多くなると思う施設を選んでくださ い。・・28 Q18.宿泊施設選定にあたって優先するものはなんですか。・・29 Q19.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道で宿泊する場合の予算はどの程度になると思います か。・・30 (5) 北海道新幹線で旅行する場合のお土産について・・・・・31 Q20.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、おみやげとして購入したいものは何ですか。・・32 Q21.おみやげを選ぶ際に優先することは何ですか。・・33 Q22.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、おみやげを買う場所はどこになると思いますか。・・34 Q23.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道でおみやげを購入する場合の予算はどの程度にな ると思いますか。・・35 3. 提言・・・・・P36 <参考> アンケート調査票 2 1. (1) アンケート調査の概要 調査期間 平成 18 年 12 月 13 日から平成 18 年 12 月 15 日までの 3 日間 (2) 調査方法 インターネット利用による調査(YAHOO!リサーチ登録会員による調査) (3) 回答者属性 ① 標本数・・・・・2,140 人(依頼数 5,278 人・回答率 40.5%) ② 属性 性別 男性 女性 人数 構成比 1,067 49.9 1,073 50.1 年齢 人数 構成比 1.6 20.6 42.6 23.7 9.1 2.5 (男性) (女性) 16 18 184 256 434 477 279 229 120 74 34 19 人数 構成比 674 31.5 123 5.7 58 2.7 133 6.2 90 4.2 34 1.6 5 0.2 14 0.7 9 0.4 23 1.1 4 0.2 1 0.0 6 0.3 103 4.8 23 1.1 228 10.7 10 0.5 349 16.3 108 5.0 20 0.9 74 3.5 51 2.4 (男性) (女性) 461 213 116 7 52 6 37 96 73 17 20 14 4 1 1 13 5 4 14 9 4 1 5 1 84 19 14 9 40 188 10 349 60 48 10 10 43 31 23 28 15∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60歳以上 34 440 911 508 194 53 職業 会社員(管理職以外正社員) 会社員(管理職) 会社役員・経営者 派遣・契約社員 公務員・非営利団体職員 教職員・講師 開業医・勤務医 看護師 薬剤師 その他医療関係者 弁護士・弁理士・行政書士等 会計士・税理士 農林漁業 自営業(農林漁業以外) SOHO パート・アルバイト・フリーター 内職 専業主婦 大学生・大学院生・短大生・予備校生 高校生 無職・定年退職 その他職業 3 地域(都・県) 人数 構成比 1.4 1.6 3.6 1.2 1.1 1.9 3.9 2.2 2.1 12.3 10.8 30.3 19.1 0.9 2.2 5.5 (男性) (女性) 13 17 19 16 39 38 10 15 15 8 24 16 49 34 30 17 29 15 133 130 100 131 297 352 209 200 10 10 26 21 64 53 人数 構成比 1,272 59.4 868 40.6 (男性) (女性) 613 659 454 414 人数 構成比 1,090 50.9 1,050 49.1 (男性) (女性) 553 537 514 536 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 山梨 長野 静岡 30 35 77 25 23 40 83 47 44 263 231 649 409 20 47 117 未既婚の別 既婚 未婚 子供の有無 子供なし 子供あり 4 2. アンケート調査結果 調査結果の見方について (1) ¾ ⇒ アンケートの結果を表示した部分 " ⇒ 分析・提言などを表示した部分 北海道新幹線の利用意向について ¾ 来道経験者は約 7 割。また 2 回以上来道経験のある、いわゆる「リピーター」も約 5 割存在す る。 " 北海道と各地の人的交流を増やすには、来道経験の無い層を取り込むとともに、来道経 験者のリピート回数をいかに増やすかがカギとなる。 ¾ 東北南部および北関東地域では、来道経験の無い人の割合が他地域と比較して高い。しか し、これらの地域では北海道新幹線開業後に「来道する機会が増える」と回答した人が多くな っている。 " 北海道新幹線は特に東北南部・北関東地方との人的交流を増加させる。 ¾ 現状、来道時の交通手段は、飛行機が 8 割と圧倒的。しかし北海道新幹線が新函館まで開 業した後は「往復新幹線を利用する」と回答した人が約 5 割に上る。 " 来道時の交通手段は、北海道新幹線開業によって「新幹線」と「飛行機」を軸とした競 争時代に突入する。 ¾ 新幹線を選ぶ理由としては「旅費が安くなる」ことのほか、「乗換え等が少なく移動が楽にな る」「悪天候に左右されにくい」「新幹線の方が安全だと思う」などの回答も多い。 " 新幹線と飛行機の競合によって、来道時の運賃引下げが起こる事が期待されているほ か、既に新幹線がある地域では、新幹線の持つ特長も評価されている。 5 Q1.いままで何回北海道を訪れたことがありますか。 SA 0回 1回 2回 3回以上5回未満 5回以上 回答数合計 件数 643 476 304 337 380 2,140 (n=2,140) % 30.0 22.2 14.2 15.7 17.8 100.0 3回以上 5回未満 15.7% 5回以上 17.8% 0回 30.0% 1回 22.2% 2回 14.2% 【単純集計結果】 ¾ 来道経験者は全体の 7 割(70.0%)におよぶ。 ¾ このうち、2 回以上来道経験がある、いわゆる「リピーター」が約 5 割(47.8%)となっており、加えて 5 回以上来 道している層も 17.8%存在する。 " したがって、北海道新幹線新函館駅開業後に人的交流を増やす為には、来道経験の無い層を取り込むほ か、来道経験者のリピート回数をいかに多くするかについても検討する必要がある。 " そのためには、道内の各地が観光面で新しい魅力を発信し続けるとともに、産業誘致などによってビジ ネス目的等の来道必然性を生み出す必要がある。 【地域別に見た来道回数】 ¾ 地域別の来道回数を見ると、青森・岩手・宮城・ 来道回数 × 地域 来道回数 秋田といった東北北部の居住者は来道頻度が 高い。 ¾ 一方、福島・栃木・群馬など、東北南部から北 関東地域では、来道経験が無い人(来道回数 0 回)の割合が高いことがわかる。 " これは東北南部や北関東地域と北海道のア クセスが不便であることに起因すると考え られる。 0回 地域 合計 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 山梨 長野 静岡 6 30.0 10.0 20.0 16.9 12.0 30.4 42.5 28.9 42.6 40.9 29.7 30.7 29.7 26.7 25.0 51.1 43.6 (単位:%) 1回 22.2 13.3 14.3 24.7 12.0 21.7 22.5 20.5 25.5 18.2 25.9 24.7 21.1 19.8 40.0 27.7 25.6 2回 14.2 3.3 17.1 18.2 20.0 13.0 15.0 13.3 17.0 13.6 12.2 13.0 13.9 16.6 10.0 10.6 14.5 3回以上 5回以上 5回未満 15.7 17.8 30.0 43.3 34.3 14.3 22.1 18.2 28.0 28.0 21.7 13.0 7.5 12.5 14.5 22.9 8.5 6.4 11.4 15.9 14.8 17.5 13.9 17.7 17.1 18.2 16.6 20.3 5.0 20.0 4.3 6.4 8.5 7.7 Q2.Q1で1回以上北海道を訪れたことがあると答えた方にお聞きします。 北海道を訪れた際、最も多く利用した交通機関は何ですか。 SA 飛行機 JR(海峡線・寝台特急など) 青函連絡船・青函フェリー その他航路のフェリー 回答数合計 件数 1,174 131 109 83 1,497 (n=1,497) % 78.4 8.8 7.3 5.5 100.0 その他航路 青函航路 7.3% 5.5% JR 8.8% 飛行機 78.4% 【単純集計結果】 ¾ 現状、北海道までの交通手段としては飛行機利用が圧倒的であり、約 8 割(78.4%)を占める。 ¾ 一方、鉄道を利用して来道する人は 1 割に満たない。(8.8%) " 北海道までの所要時間は鉄道の方が大幅に長いのに対し、運賃については差異が小さいことによるもの と考えられる。 7 Q3.北海道新幹線が新函館まで開業した場合、北海道を訪れる機会は増えると思いますか。 SA 増える 増えない わからない 回答数合計 件数 503 554 1,083 2,140 (n=2,140) % 23.5 25.9 50.6 100.0 増える 23.5% わからな い 50.6% 増えない 25.9% 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線の開業によって来道機会がどのように変化するかを尋ねたものである。約 5 割(50.6%)は「わ からない」と回答している。 ¾ しかし、「増える」という回答も 23.5%ある。 【来道回数別に見た来道頻度への影響】 ¾ 新幹線開業が来道頻度に与える影響を、これまでの来道 回数別にみると、来道経験が無い層の 26.1%が「増える」と 回答している。 " これは新幹線開業が、初めて北海道へ訪れるための動機 づけになることを示している。 (単位:%) 来道頻度への影響 × 来道回数 来道頻度への影響 増える 増えない わからない 来道回数 合計 23.5 25.9 50.6 0回 26.1 17.0 56.9 1回 20.4 29.0 50.6 2回 22.0 30.9 47.0 3回以上5回未満 21.7 29.7 48.7 5回以上 25.8 29.7 44.5 ¾ 一方で、来道経験が無い層は「わからない」という回答割合も平均より高い。(56.9%) " したがって北海道と各地の人的交流を増やすには、これらの層に対して、観光でもビジネスでも、 「い かに北海道に来る理由をつくるか」という点がカギとなる。 【地域別に見た来道頻度への影響】 ¾ 新幹線開業が来道頻度に与える影響を、地域ごとに見ると、青 森から栃木までの東北・北関東地域で、来道機会が「増える」と 回答した人の割合が平均より高くなっている。 " このことから、北海道新幹線は特に、東北・北関東との人的 交流増加に寄与するものと考えられる。 8 (単位:%) 来道頻度への影響 × 地域 来道頻度への影響 増える 増えない わからない 地域 合計 23.5 25.9 50.6 青森 46.7 20.0 33.3 岩手 40.0 17.1 42.9 宮城 39.0 19.5 41.6 秋田 40.0 8.0 52.0 山形 34.8 17.4 47.8 福島 32.5 20.0 47.5 茨城 24.1 21.7 54.2 栃木 29.8 14.9 55.3 群馬 22.7 18.2 59.1 埼玉 22.1 23.2 54.8 千葉 19.9 29.0 51.1 東京 22.0 27.1 50.8 神奈川 18.6 30.6 50.9 山梨 25.0 35.0 40.0 長野 27.7 27.7 44.7 静岡 24.8 26.5 48.7 Q4.Q3で「増える」と答えた方にお聞きします。どういう目的で北海道を訪れるケースが増える と思いますか。主なものを選んでください。 SA 観光 ビジネス 帰省 その他 回答数合計 件数 461 21 17 4 503 (n=503) % 91.7 4.2 3.4 0.8 100.0 帰省 3.4% ビジネス 4.2% その他 0.8% 観光 91.6% 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線開業によって来道機会が増加すると回答した人のうち、約 9 割(91.7%)は「観光目的」で来道す る機会が増えるとしている。 " このことから、新幹線開業当初は観光関連産業を中心に経済的な効果が生まれると考えられる。 ¾ そのほか、ビジネス目的での来道が増加するとの回答も 4.2%と少数ながら存在する。 " したがって新函館駅周辺などに産業集積が進めば、ビジネスを目的とした来道者も徐々に増加すること が見込まれる。 【「その他」の回答内容】 ○ ○ ○ ○ 函館競馬場での競馬観戦 墓参 研修 親戚宅訪問 9 Q5.北海道新幹線が新函館駅まで開業した場合、北海道を訪れる際にはどの交通機関を利用したい ですか。 SA 往復新幹線 片道新幹線・片道飛行機 往復飛行機 その他 回答数合計 件数 1,048 482 539 71 2,140 (n=2,140) % 49.0 22.5 25.2 3.3 100.0 その他 3.3% 往復飛行 機 25.2% 片道新幹 線・片道 飛行機 22.5% 往復新幹 線 49.0% 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線が新函館まで開業した時点で、約 5 割(49.0%)の人々が「往復新幹線を利用する」と回答してい る。 ¾ また、片道に新幹線を利用すると回答した人も含めると、新幹線の利用希望者は 7 割を超える。(71.5%) " 来道時の交通手段は、北海道新幹線開業によって現在の「飛行機圧倒的優位」の状況から変化し、新幹 線と飛行機を軸とした競争時代に突入すると考えられる。 【現状の来道交通手段と新幹線開業後の利用交通機関】 ¾ 現在、来道時に主に飛行機を利用している層のうち 約 4 割(41.1%)が、北海道新幹線が新函館まで開業 した時点で「往復新幹線」を利用すると回答してい る。 " 新幹線開業後の利用交通機関 × 現在の利用交通機関 (単位:%) 新幹線開業後の利用交通機関 往復新幹線 片道新幹線 往復飛行機 現状 飛行機 JR 青函航路 その他航路 41.1 67.9 54.1 54.2 25.6 22.1 15.6 13.3 31.4 5.3 22.9 9.6 その他 1.8 4.6 7.3 22.9 これは、現状やむなく飛行機を利用しているが、本来であれば鉄道を利用したい層が既に存在すること、 および本州では新幹線の利便性や快適性が高く評価されていること等によると考えられる。 【地域別に見た新幹線開業後の利用交通機関】 ¾ 北海道新幹線開業後の来道時利用交通機関を地域 別に見ると、埼玉以北の東北新幹線沿線地域で、「往 復新幹線を利用する」と回答した割合が高くなってい る。 10 (単位:%) 新幹線開業後の利用交通機関 × 地域 新幹線開業後の利用交通機関 往復新幹線 片道新幹線 往復飛行機 その他 地域 合計 49.0 22.5 25.2 3.3 青森 80.0 20.0 岩手 80.0 8.6 2.9 8.6 宮城 76.6 14.3 7.8 1.3 秋田 72.0 12.0 8.0 8.0 山形 47.8 30.4 21.7 福島 62.5 15.0 22.5 茨城 51.8 15.7 26.5 6.0 栃木 70.2 14.9 12.8 2.1 群馬 56.8 22.7 15.9 4.5 埼玉 58.9 19.8 17.9 3.4 千葉 39.8 26.4 32.0 1.7 東京 43.8 23.4 29.9 2.9 神奈川 40.6 27.9 28.9 2.7 山梨 35.0 15.0 50.0 長野 46.8 25.5 23.4 4.3 静岡 47.9 23.9 23.1 5.1 Q6.Q5で往復あるいは片道に新幹線を利用すると答えた方にお聞きします。 新幹線を選択された理由は何ですか。 MA(複数回答可) 旅費が安くなるから 乗換え等が少なく移動が楽になるから 悪天候に左右されにくいと思うから 新幹線の方が安全だと思うから 時間通りに発着すると思うから 移動中の自由時間が増えると思うから 旅行時間が短縮されるから その他 回答数合計 件数 1,022 678 552 409 377 336 320 118 3,812 (n=1,530) % 66.8 44.3 36.1 26.7 24.6 22.0 20.9 7.7 1 ,0 2 2 旅費が安くなるから 678 乗換え等が少なく移動が楽になる 552 悪天候に左右されにくいと思うから 409 新幹線の方が安全だと思うから 377 時間通りに発着すると思うから 移動中の自由時間が増えると思う 336 旅行時間が短縮されるから 320 その他 118 【単純集計結果】 ¾ 新幹線を選ぶ理由として、全体の 66.8%が「旅費が安くなる」点を挙げている。 ¾ 次いで「乗換え等が少なく移動が楽になる」ことを理由に挙げる声も多い。(44.3%) ¾ そのほか「悪天候に左右されにくいと思うから」(36.1%)「新幹線の方が安全だと思うから」(26.7%)等、新幹線 の特長を評価する回答も多い。 " 新幹線が新函館まで開業しても、そこから先へのアクセスが悪ければ、 「移動が楽になる」ことなどを 理由に新幹線利用を希望する人の期待を裏切ることになる。したがって新幹線整備と同時に、高速道路 や在来線への乗り継ぎ等の 2 次交通網整備が重要になる。 【地域別に見た新幹線選択理由】 ¾ 新幹線を選んだ理由を地域別に見ると、東北新幹線 沿線地域を中心に「旅行時間短縮」や「乗換えが少な く移動が楽になる」ことを挙げる割合が高くなってい る。 ¾ また「旅費が安くなる」点については東北・北関東以外 の地域でも指摘されている。 " 現状、東京∼函館間の飛行機の運賃は繁閑の差が大 きく、特に繁忙期においては割引運賃の設定が無い ケースもある。これに対して新幹線の場合は運賃の 繁閑差が小さい。加えて新幹線開業によって、飛行 機と新幹線は競合し、運賃についても競争が生まれ 新幹線を選択した理由 × 地域 (単位:%) 新幹線を選択した理由 旅行時間が短 旅費が安くな 乗換えが少な 縮されるから るから く移動が楽 地域 合計 20.9 66.8 44.3 青森 66.7 45.8 37.5 岩手 38.7 61.3 51.6 宮城 37.1 60.0 70.0 秋田 33.3 61.9 61.9 山形 27.8 66.7 55.6 福島 19.4 71.0 58.1 茨城 21.4 64.3 35.7 栃木 32.5 75.0 42.5 群馬 28.6 60.0 51.4 埼玉 27.5 68.6 51.7 千葉 8.5 64.7 43.1 東京 15.8 66.7 39.2 神奈川 17.5 70.7 38.9 山梨 10.0 70.0 60.0 長野 26.5 61.8 32.4 静岡 17.9 69.0 45.2 る。 " この結果、現状の飛行機運賃と比較して北海道新幹線の運賃は割安となることが予想され、多くの地域 で「旅費が安い」ことが新幹線選択理由として挙げられる結果になったと考えられる。 11 【「その他」の回答内容】 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ただ乗ってみたいから 旅の時間を楽しめるから 飛行機は一旦事故が起きると全員死亡事故になることも多い。 待ち時間が少ない 違う方が楽しいから 景色がのんびり楽しめる 乗ってみたいから 興味本位 なんとなく気楽そう 一度は乗ってみたい 旅行がたのしいそうだから・・。(新幹線が開通の為) 試しに乗ってみたいから せっかくだから乗ってみたい。 羽田より大宮の方が近い どんなもんだか興味があって 時間がさほど飛行機と変わらないから。 往路、復路で経路を変えたい。 電車が好きだから 旅情が楽しめそうだから 1 回は新幹線に乗ってみたい たばこが吸えるから 景色や旅を楽しみたい 出発時間の選択が増えそうだから 途中下車が可能だから 1度は乗ってみたい 東京駅の方が近く、移動が楽。 途中下車で立ち寄り先を増やせる 帰りが楽そうだから 途中の景色を楽しめるから 羽田まで行くのが面倒 途中下車が出来る 両方乗りたいから。 予約が取りやすいから 飛行機が嫌いだから 一度は試しに乗ってみたいと思うから 景色が楽しめそう 空港に行くのが面倒だから 飛行機は搭乗してから動くまでに時間がかかる 新しい新幹線に乗ってみたいから 新幹線独自の景色を楽しめると思うから 鉄道旅行以外は旅行とは思えないから 北海道新幹線に乗ってみたいから 北海道に新幹線で行くこと自体が面白そうだから 乗りたいから 飲食ができるから 飛行機が嫌い。新幹線は好き 旅を実感できる 飛行機が怖いから・・・ 違った景色を感じられるから 新幹線が好きだから 旅行で行くとしか考えてないので交通機関が違った方が面白そうだから。 開通するなら乗ってみたいから。 飛行場までが遠い 子供が喜ぶから たまには新幹線にも乗ってみたいから 基本的に鉄道旅行が好きだから 12 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 新幹線が好きだから 北海道新幹線に乗ってみたいと思った 途中下車で青森県に帰省できる 景色の楽しみなど 飛行機は狭い。駅弁がない。 飛行機が嫌いだから 試し 風景を楽しむため 羽田空港が遠いので 一度は乗ってみたいから 途中下車の楽しみもあるから 新幹線の駅が自宅から近い為 のんびりと景色を見る 子連れでぐずられると新幹線の方が楽だから 飛行機だと手続きとかが面倒な気がするから 小さい子供がいるので飛行機ではシートベルトなどあって難しいので 新幹線に乗ってみたい 本来が電車好きなので 飛行機は利用できない 仙台から利用 飛行機が苦手だから 空港での待ち時間がなくて済むから。 電車の旅を楽しんでみたいから 景色が楽しめる 風景を見ながら移動できる 飛行機が嫌いだから 楽しそうだから 乗ってみたいから 面白そうだから グリーン車なら飛行機より座席が広いから快適だと思うので 途中下車もできるから 高所恐怖症なので 乗ってみたいから 景色を見るのが楽しいから。 楽しそうだから 空港での待ち時間がなくなる 道中、楽しめる 大宮駅が近いから(羽田に出なくてすむ) 懐かしい気持になれる 途中の景色も楽しみたいから。 ペットを楽に連れて行けそうだから 鉄道が好きだから 新幹線が好きだから 陸の旅と空の旅両方できるから 話のタネに。 ペットと旅行がしやすくなるから 往復、違うものに乗った方が子供が楽しいと思うから。 旅を楽しめる 札幌と函館の観光ができるから 色々な乗り物に乗ってみたいから どちらが快適か比べたいから 電車の旅も味わえるから 新幹線の旅も楽しみ 飛行機の往復より、片道だけでも新幹線なら楽しいそうだから 行きは新幹線、帰りは飛行機と一度に2つを楽しめるから 移動中の景色などを楽しむのも良いと思ったから 話のネタに 13 Q7.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、誰と訪れる機会が多くなると思いますか。 SA 家族 友人 一人で 団体旅行 その他 回答数合計 件数 1,318 452 212 63 95 2,140 (n=2,140) % 61.6 21.1 9.9 2.9 4.4 100.0 団体旅行 2.9% その他 4.4% 一人で 9.9% 友人 21.1% 家族 61.7% 【単純集計結果】 ¾ " " " 北海道新幹線を利用して旅行する場合、「家族」で訪れるケースが最も多くなる。(61.6%) これは北海道新幹線の利用者が観光を目的とするケースが多い(Q4)ためであると考えられる。 またこの結果からも改めて、観光の小グループ化が進んでいることがわかる。 北海道新幹線の利用促進や来道者増加を図るには、 「家族」を中心とする小グループの旅行を意識した 特別運賃などを検討する必要がある。 " 加えて宿泊施設や観光施設についても、小グループ旅行者が利用しやすい、特別料金やサービスを検討 する必要がある。 14 Q8.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道を訪れてみたいと思う季節はいつですか。 MA(複数回答可) 件数 607 1,638 489 609 3,343 春(3・4・5月) 夏(6・7・8月) 秋(9・10・11月) 冬(12・1・2月) 回答数合計 (n=2,140) % 28.4 76.5 22.9 28.5 春(3・4・5月) 607 夏(6・7・8月) 1 ,6 3 8 秋(9・10・11月) 489 冬(12・1・2月) 609 Cf.季節別の観光客入込実績 季節別道外観光客入込割合(延べ人数) 来道季節 春 (3・4・5月) 夏 (6・7・8月) 18.0 (単位:%) 秋 冬 (9・10・11月) (12・1・2月) 41.8 26.1 14.1 ※北海道庁「北海道観光入込客数調査報告書」(平成17年度) 【単純集計結果】 ¾ 「夏」に北海道を訪れたいという回答が 76.5%と最も多い。したがって新幹線開業後も道外旅行者のピークが 夏期となる点に変化は無いと思われる。 " ただし、現状の来道者動向との比較では、他の季節への分散も期待できる。 【来道回数別に見た来道希望季節】 ¾ 来道季節 × 来道回数 春 (3・4・5月) 期・冬期の来道意向が高くなる。 " 特に積雪の多い冬期の来道者増加 を図るには、来道経験者へのPRと 「悪天候に左右されにくい」北海道 (単位:%) 来道季節 来道回数が増えるにしたがって、秋 来道回数 合計 0回 1回 2回 3回以上5回未満 5回以上 新幹線が有用である。 15 28.4 27.8 31.3 28.6 27.0 26.6 夏 (6・7・8月) 76.5 75.6 76.5 77.3 80.1 74.5 秋 冬 (9・10・11月) (12・1・2月) 22.9 15.4 21.2 25.0 29.4 30.0 28.5 22.6 25.0 29.3 30.9 40.0 Q9.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、日程はどの程度になると思いますか。 SA 件数 日帰り 1泊2日 2泊3日 3泊4日 4泊5日以上 回答数合計 10 170 1,027 686 247 2,140 (n=2,140) % 0.5 7.9 48.0 32.1 11.5 100.0 Cf.来道観光客の旅行日程実績 来道客の旅行日程 日帰り 1泊2日 2泊3日 3泊4日 4泊5日以上 日帰り 0.5% 4泊5日 以上 11.5% 1泊2日 7.9% 3泊4日 32.1% 2泊3日 48.0% (単位:%) 0.2 7.9 43.1 29.0 19.6 100.0 ※北海道庁「来道観光客動態調査報告書」(平成14年度) 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線を利用して旅行する場合の日程は、2 泊 3 日が最も多く 48.0%となっている。 ¾ 次いで 3 泊 4 日が 32.1%、4 泊 5 日が 11.5%となっており、現状の来道客の実態と大きな差は無い。 【年齢別に見た旅行日程】 ¾ 旅行日程を年齢別に見ると、4 泊 5 日以上 の長期ステイは年齢が高まるほど増加傾 向となる。 ¾ 日程 × 年齢 一方、日帰りや 1 泊 2 日といった短期旅行 は若年層で多くなる。 年齢 15∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60歳以上 (単位:%) 日程 日帰り 2.9 0.2 0.7 0.2 0.5 - 1泊2日 14.7 8.9 8.9 5.9 5.7 7.5 2泊3日 50.0 50.0 49.4 45.5 43.8 45.3 3泊4日 4泊5日以上 32.4 32.7 8.2 30.5 10.5 34.6 13.8 31.4 18.6 30.2 17.0 【職業別に見た旅行日程】 ¾ 職業別の旅行日程では「自営業」「その 他職業」「無職・定年退職」「パート・アル バイト」などで 4 泊 5 日以上の長期ステ イを希望する層が多い。 " 今後、いわゆる「団塊の世代」が退職 を迎えて自由な時間が生じた頃、ちょ うど新幹線は新青森開業から新函館 開業へと進む。 " 来道者の増加や観光客の長期滞在を 促すには、この「団塊の世代」が道南 地域を始めとした北海道の旅行に対 してどういったニーズを持っている 日程 × 職業 日程 日帰り 職業 合計 0.5 会社員(管理職以外正社員) 0.6 会社員(管理職) 会社役員・経営者 派遣・契約社員 1.5 公務員・非営利団体職員 1.1 教職員・講師 開業医・勤務医 その他医療関係者 弁護士・弁理士・行政書士等 会計士・税理士 農林漁業 自営業(農林漁業以外) SOHO パート・アルバイト・フリーター 内職 専業主婦 大学生・短大生・予備校生 高校生 5.0 無職・定年退職 その他職業 3.9 か、十分に事前調査する必要がある。 16 (単位:%) 1泊2日 2泊3日 3泊4日 7.9 48.0 32.1 9.5 51.3 28.8 8.9 48.8 30.9 6.9 53.4 29.3 12.8 41.4 36.1 5.6 48.9 33.3 2.9 38.2 47.1 60.0 40.0 6.5 37.0 45.7 50.0 50.0 100.0 83.3 16.7 7.8 46.6 25.2 8.7 60.9 17.4 6.6 39.0 37.3 70.0 20.0 5.4 49.9 35.5 4.6 50.9 33.3 15.0 60.0 20.0 12.2 41.9 28.4 7.8 39.2 29.4 4泊5日以上 11.5 9.8 11.4 10.3 8.3 11.1 11.8 10.9 20.4 13.0 17.1 10.0 9.2 11.1 17.6 19.6 (2) 北海道新幹線で旅行する場合の訪問希望地について ¾ 仙台・十和田・青森などの東北地方と北海道をあわせて周遊したいという回答が多い。 " 東北を含めた、広域観光実現にむけた取組みが必要である。 ¾ 道南地域では函館以外の訪問希望が少ない。但し、来道回数が増えるほど、函館以外の道 南の各地を訪問したいという希望は高くなる。 " 道南各地の潜在的なポテンシャルは確認できる。したがって今後の課題は「いかにして 地域の良さをPRするか」という点である。 ¾ 北海道新幹線で道南まで来た後、札幌・小樽などの道央圏をはじめ、遠くは知床や稚内まで 足を伸ばしたいという回答も多い。 " 北海道新幹線の開業によって、道南が全道各地への玄関口になるほか、経済効果も全道 におよぶことが分かる。 ¾ 訪問先選定で重視されるのは「自然」「グルメ」「温泉」である。 ¾ 道南での下車希望駅は、新幹線新函館駅、在来線函館駅の順になっている。また新幹線木 古内駅は青森県内を訪問するケースや松前・江差方面に向かう場合に下車する人が多くな ると考えられる。 ¾ 下車駅前の施設については「レンタカー」「観光案内所」が必須である。また飲食に関しては 「地元食材利用のレストラン」への希望が高い。その他では「コンビニエンスストア」「ATM」な どの設置を希望する声も多かった。 " 食については地元色と「異質性」が求められているが、同時にその他の部分では都市生 活並みの「利便性」も要求されている。 17 Q10.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、訪問したい場所を選んでください。 MA(複数回答可) 仙台 盛岡 八戸 十和田 弘前 青森 その他青森県内 松前・江差・奥尻 木古内(木古内駅) 北斗市(新函館駅) 函館(中心部) 湯の川 大沼 支笏・洞爺・登別 小樽・倶知安・ニセコ 札幌 旭川・富良野・美瑛 帯広・釧路・阿寒 知床・オホーツク 稚内・利尻・礼文 その他北海道 回答数合計 件数 313 155 88 195 147 266 62 181 54 163 1,191 218 162 449 1,000 1,229 896 449 556 363 91 8,228 (n=2,140) % 14.6 7.2 4.1 9.1 6.9 12.4 2.9 8.5 2.5 7.6 55.7 10.2 7.6 21.0 46.7 57.4 41.9 21.0 26.0 17.0 4.3 仙台 313 盛岡 八戸 155 88 十和田 195 弘前 147 青森 その他青森県内 266 62 松前・江差・奥尻 木古内(木古内駅) 181 54 北斗市(新函館駅) 163 函館(中心部) 1 ,1 9 1 湯の川 218 大沼 162 支笏・洞爺・登別 449 小樽・倶知安・ニセコ 1 ,0 0 0 札幌 1 ,2 2 9 旭川・富良野・美瑛 896 帯広・釧路・阿寒 449 知床・オホーツク 556 稚内・利尻・礼文 その他北海道 363 91 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線開業を機に、仙台・十和田・青森など東北地方と道内各地を周遊したいという回答が多い。 " したがって東北を含めた広域観光ルートの作成など、多岐に渡るプラン作りやPR活動が必要である。 ¾ 道南地域については「函館を訪問したい」という回答が 55.7%と多くなっているものの、その他の地域に関して は訪問希望が少ない。 ¾ 北海道新幹線を利用して旅行する場合、道南だけではなく、札幌・小樽などの道央をはじめ、旭川・富良野・ 美瑛や遠くは知床・稚内など、全道各地を訪問したいとの回答が多い。 " このことから北海道新幹線の開業によって、道南が北海道全域観光の玄関口となるほか、経済波及効果 も全道に及ぶことがわかる。 【来道回数別に見た訪問希望地】 ¾ 来道回数別に道南各地への訪 訪問希望地 × 来道回数 訪問希望地 問意向を見ると、回数が増える ほど函館以外の道南各地への 訪問希望は高まることがわか る。 " 来道回数 0回 1回 2回 3回以上5回未満 5回以上 (単位:%) 松前・江 差・奥尻 木古内 北斗市 函館 (中心部) 湯の川 4.7 7.1 6.6 11.6 15.3 1.6 1.5 2.6 2.4 5.5 5.1 6.7 9.5 7.4 11.6 53.8 54.2 57.2 56.7 58.4 3.9 7.8 11.2 12.2 21.3 大沼 2.6 4.6 7.2 11.0 16.8 理由として考えられるのは ① 来道回数の増加とともに、よりディープな北海道の魅力を求めるようになる。 ② 来道回数の増加とともに、アンケートの質問内容に的確に回答できるようになる。 (例えば、 「湯の川」が函館市内にあることが分かる等によって、的確な回答が可能になる。 ) 等々が挙げられる。 " いずれにせよ来道回数が少ない層には、函館以外の道南各地の魅力は正確に伝わっていない。しかし潜 在的なポテンシャルは確認できることから、課題は「いかにして地域をPRするか」という点にある。 18 Q11.訪問先を選ぶ際に優先するものは何ですか。 MA(2つまで回答可) 件数 1,182 980 759 359 207 153 145 60 116 3,961 自然景観 グルメ 温泉 交通アクセス 歴史・文化 宿泊場所からのアクセス 特産品・お土産 体験型観光などの企画 その他 回答数合計 (n=2,140) % 55.2 45.8 35.5 16.8 9.7 7.1 6.8 2.8 5.4 自然景観 1 ,1 8 2 グルメ 980 温泉 759 交通アクセス 359 歴史・文化 207 宿泊場所からのアクセス 特産品・お土産 体験型観光などの企画 その他 153 145 60 116 【単純集計結果】 ¾ 道内観光に関する他の調査同様、訪問先を選定する際には「自然」(55.2%)「グルメ」(45.8%)「温泉」(35.5%)の 3 要素が重要視されるとの結果になった。 【訪問先別に見た選定理由】 訪問先を選ぶ基準 × 訪問希望地 訪問先を選ぶ基準 自然景観 訪問先 合計 松前・江差・奥尻 木古内 北斗市 函館(中心部) 湯の川 大沼 ¾ 55.2 53.6 55.6 52.8 54.7 50.5 71.6 温泉 (単位:%) グルメ 35.5 39.8 44.4 41.7 35.8 58.7 46.9 45.8 40.3 40.7 41.7 50.5 41.7 39.5 特産品 お土産 6.8 3.9 7.4 7.4 2.8 1.2 歴史 文化 9.7 18.2 16.7 13.5 11.5 11.0 11.1 交通 アクセス 16.8 17.7 7.4 14.7 16.5 16.1 14.2 宿泊場所 体験型観 からの 光などの その他 アクセス 企画 7.1 5.5 11.1 9.8 7.3 5.0 4.9 2.8 2.8 1.9 6.1 2.6 1.4 1.2 5.4 7.2 9.3 6.1 3.9 4.1 3.1 道南の訪問希望先と訪問先を選ぶ基準を見比べてみると、例えば「大沼」には自然が期待されていることが わかる。 ¾ そのほかで特徴的な点として、函館(中心部)ではグルメが求められており、また松前・江差・奥尻などでは 歴史や文化に触れたいというニーズがある。 19 Q12.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、道南での下車駅はどこになると思いますか。 SA 件数 北海道新幹線木古内駅 北海道新幹線新函館駅 在来線函館駅 在来線その他駅 道南には立ち寄らない 回答数合計 51 1,119 785 29 156 2,140 (n=2,140) % 2.4 52.3 36.7 1.4 7.3 100.0 在来線 その他駅 1.4% 北海道新 幹線 木古内駅 2.4% 道南に寄 らない 7.3% 在来線 函館駅 36.7% 北海道新 幹線 新函館駅 52.2% 【単純集計結果】 ¾ 道南では、新幹線の新函館駅で下車を希望する人が 52.3%と最も多く、次いで在来線の函館駅が 36.7%となっ ている。 ¾ 新函館駅・函館駅の両駅で約 9 割が下車することになり、新幹線木古内駅の下車希望者は現在のところ 2.4% と少ない。 【訪問希望地別下車駅】 ¾ 訪問希望地 訪問希望地別に下車駅を見 八戸 ていくと、青森県および松 前・江差方面を訪問する場 合には、新幹線木古内駅で 下車を希望する割合が高く 下車駅 合計 新幹線木古内駅 新幹線新函館駅 在来線函館駅 4.1 7.8 4.6 3.9 在来線その他駅 道南に立寄らない 0.6 十和田 9.1 15.7 9.0 10.1 10.3 2.6 弘前 6.9 13.7 6.3 8.3 6.9 1.9 青森 12.4 23.5 12.0 14.3 13.8 2.6 その他 松前・江 木古内 青森県 差・奥尻 内 2.9 8.5 2.5 9.8 25.5 11.8 2.7 7.2 2.5 3.3 10.6 2.3 10.3 6.9 0.6 0.6 - なっている。 " このことから新幹線木古内駅の利用者は、青森県内をまず観光し、一足延ばして木古内から松前・江差 を周遊するケースが多くなると考えられる。 20 Q13.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、下車見込みの駅前には、どのような施設があ れば便利であると思いますか。 MA(5つまで回答可) レンタカー 観光案内所 おみやげ店 地元食材利用のレストラン コンビニエンスストア 都市間高速バス乗り場 ATMコーナー 都市ホテル ビジネスホテル ラーメン店 宅配便 一般的レストラン(ファミリーレストラン等) ファーストフード店・喫茶店 薬局 旅行代理店 病院 そば・うどん店 その他 回答数合計 件数 1,505 994 812 788 732 691 634 554 464 387 260 238 216 101 87 70 52 25 8,610 (n=2,140) % 70.3 46.4 37.9 36.8 34.2 32.3 29.6 25.9 21.7 18.1 12.1 11.1 10.1 4.7 4.1 3.3 2.4 1.2 1 ,5 0 5 レンタカー 994 観光案内所 812 おみやげ店 788 地元食材利用のレストラン 732 コンビニエンスストア 都市間高速バス乗り場 【 691 634 ATMコーナー 単 都市ホテル 純 ビジネスホテル 集 ラーメン店 554 464 387 260 宅配便 計 一般的レストラン(ファミレス等) 238 ファーストフード店・喫茶店 216 結 果 101 薬局 87 旅行代理店 】 ¾ 旅行の小グループ化を反映して、駅前にレンタカー施設を 求める声が約 7 割(70.3%)と最も多くなっている。 ¾ 病院 70 そば・うどん店 52 その他 25 次いで観光案内所が 46.4%、お土産店が 37.9%などとなって いる。 ¾ また飲食店に関しては「地元食材利用のレストラン」を 36.8%の人が必要としているのに対して、一般的レスト ラン(ファミリーレストラン等)・ファーストフード店への回答率は低い。 " このことから「食」に関しては地元色と異質性が求められていることがわかる。 ¾ 一方でコンビニエンスストア(34.2%)やATMコーナー(29.6%)などを求める声は多い。 " よって都市生活並の「利便性」についても意識する必要がある。 ¾ なお、下車希望駅別に見た駅前施設については、各駅間での有意な差は無かった。 【「その他」の回答内容】 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 観光バス 本屋 ソフトクリーム屋 駅弁屋 特にない 食事ならなんでも可 必要不可欠なもの以外はない方がよい 特に要らない 市電 北海道まで行ってファーストフードだらけの景観は見たくない。 不要 ショッピングモール 21 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ お休みどころ サッカースタジアム かに ペンション 立ち寄り湯・スパ カフェ 道の駅、日帰り温泉、温泉旅館、 洋服屋 朝市、海鮮丼店、海鮮販売店 スーパーマーケット デパート 22 (3) 北海道新幹線で旅行する場合の道内交通手段について ¾ 道内での移動手段は「レンタカー」希望者が 6 割を超える。またJRをメインとして旅行を希望 する人も約 2 割存在する。 " " したがって、新幹線から高速道路や国道、JR在来線へのアクセスが重要になってくる。 また、レンタカーでの移動希望が多いことから、道路の案内標識などを整備し、わかり やすいものにする必要がある。 ¾ 道内での交通費予算は大人 1 人/日で、平均 4,000 円∼5,000 円程度である。 23 Q14.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道内での主な移動手段について選んでく ださい。 SA レンタカー JR在来線 観光バス(団体旅行など) 路線バス タクシー その他 回答数合計 件数 1,347 463 164 102 47 17 2,140 (n=2,140) % 62.9 21.6 7.7 4.8 2.2 0.8 100.0 路線バス 4.8% 観光バス (団体旅 行など) 7.7% タクシー 2.2% JR在来 線 21.6% その他 0.8% レンタ カー 62.9% 【単純集計結果】 ¾ 道内での移動手段は、旅行の小グループ化を反映して「レンタカー」を希望する人が 6 割を超える。(62.9%) ¾ ただしJRをメインに旅行を希望する層も約 2 割存在する。(21.6%) " " したがって、新幹線から国道・高速道路・JR在来線へのアクセスが重要となる。 また道路の案内標識もわかりやすい位置に、統一した形式で設置・整備する必要がある。特に道路の管 理者は国、北海道、市町村に分かれているため、それぞれの表示形式がバラバラにならないよう、互い に協議して統一感をもった標識を設置するなどの工夫が必要である。 24 Q15.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道内での交通費予算(大人1人・1日) はどの程度になると思いますか。 SA 件数 1,000円未満 1,000円以上∼2,000円未満 2,000円以上∼3,000円未満 3,000円以上∼5,000円未満 5,000円以上∼7,000円未満 7,000円以上∼10,000円未満 10,000円以上 回答数合計 34 125 449 702 405 230 195 2,140 (n=2,140) % 1.6 5.8 21.0 32.8 18.9 10.7 9.1 100.0 1,000円未満 ∼2,000円未満 34 125 ∼3,000円未満 449 ∼5,000円未満 702 ∼7,000円未満 ∼10,000円未満 10,000円以上 405 230 195 【単純集計結果】 ¾ 道内での交通費予算は大人 1 人/日で 3,000 円以上 5,000 円未満の層が中心(32.8%)となる。 ¾ 平均でも大人 1 人/日で 4,000∼5,000 円程度と推定される。 25 (4) 北海道新幹線で旅行する場合の宿泊希望について ¾ 北海道新幹線が新函館まで開業した場合、新幹線を利用して来道する旅行者の約 6 割が函 館地区(湯の川温泉を含む)での宿泊を考えている。 ¾ そのほか、札幌・小樽などの道央圏や旭川・富良野・美瑛などでの宿泊希望者も多い。さらに 道東・道北での宿泊希望も 1 割前後存在する。 " 北海道新幹線の開業効果は全道に波及する。したがって道東・道北においても、広域観 光の実現に向けて、あらかじめ準備が必要である。 ¾ 宿泊を希望する施設については「温泉ホテル・旅館」が約7割と圧倒的。次いで「都市ホテル」 「ビジネスホテル」の順となった。 ¾ 宿泊施設を選ぶ際に最も重視されるのは「価格」であり、そのほか「料理」「利便性(交通アク セス)」「温泉の有無」という順になっている。 ¾ 但し宿泊施設によって求められるものは異なっており、例えば温泉ホテル・旅館では他の施 設と比較して「料理」「温泉」が重視される。 ¾ 「価格」に関しての中心帯は、大人 1 泊で 10,000 円以上 15,000 円未満の層であり、旅行者は 相応の出費を覚悟している。 " 肝心なのは地域として顧客が目的に応じて宿泊施設を選択できる幅があること、および 個々のホテルや旅館が顧客のニーズに的確に対応できるかという点である。 26 Q16.北海道新幹線を利用して旅行する場合の宿泊希望地を選んでください。 MA(複数回答可) 仙台 盛岡 八戸 十和田 弘前 青森 その他青森県 松前・江差・奥尻 木古内(木古内駅) 北斗市(新函館駅) 函館(中心部) 湯の川 大沼 支笏・洞爺・登別 小樽・倶知安・ニセコ 札幌 旭川・富良野・美瑛 帯広・釧路・根室 知床・オホーツク 稚内・利尻・礼文 その他北海道内 回答数合計 件数 140 73 36 88 63 122 19 63 22 123 1,036 239 105 364 747 1,155 596 315 324 212 54 5,896 (n=2,140) % 6.5 3.4 1.7 4.1 2.9 5.7 0.9 2.9 1.0 5.7 48.4 11.2 4.9 17.0 34.9 54.0 27.9 14.7 15.1 9.9 2.5 仙台 盛岡 八戸 十和田 弘前 140 73 36 88 63 青森 その他青森県 松前・江差・奥尻 木古内(木古内駅) 北斗市(新函館駅) 122 19 63 22 123 函館(中心部) 1 ,0 3 6 湯の川 大沼 239 105 支笏・洞爺・登別 364 小樽・倶知安・ニセコ 747 札幌 1 ,1 5 5 旭川・富良野・美瑛 596 帯広・釧路・根室 315 知床・オホーツク 324 稚内・利尻・礼文 その他北海道内 212 54 【単純集計結果】 ¾ 北海道新幹線を利用して旅行する場合、59.6%が函館地区(湯の川を含む)で宿泊を希望している。 ¾ また札幌・小樽などの道央圏、および旭川・富良野・美瑛での宿泊希望者も多くなっている。 ¾ さらに道東・道北での宿泊希望者も 1 割前後存在する。 " 北海道新幹線の経済効果は全道に波及することがわかる。したがって、道東や道北でも、広域観光の実 現に向けた事前準備が必要である。 ¾ そのほか、訪問希望地同様に仙台・十和田・青森などでの宿泊を希望する層もある。 " このことから、新幹線開業によって東北と北海道の間でも広域観光が実現すると考えられる。 27 Q17.北海道新幹線を利用し、北海道で宿泊する場合、最も泊まる機会が多くなると思う施設を選 んでください。 SA 温泉ホテル・旅館 都市ホテル ビジネスホテル 民宿 知人宅 その他 回答数合計 件数 1,426 339 237 67 43 28 2,140 (n=2,140) % 66.6 15.8 11.1 3.1 2.0 1.3 100.0 ビジネス ホテル 11.1% 民宿 3.1% 知人宅 2.0% 都市ホテ ル 15.8% その他 1.3% 温泉ホテ ル・旅館 66.7% 【単純集計結果】 ¾ 宿泊を希望する施設では「温泉ホテル・旅館」が 66.6%と圧倒的に多くなっている。 " これは来道客が求めるもののうち、重視されるのが「温泉」 「グルメ」である(Q11)ためと考えられ る。 ¾ 次いで人気が高いのは「都市ホテル」(15.8%)、「ビジネスホテル」(11.1%)の順となっている。 【年齢別に見た宿泊希望施設】 ¾ どの年齢層でも「温泉ホテ ル・旅館」の支持率は高い。 ¾ また宿泊施設別に支持率 の高い年齢を見ると、「温泉 ホテル・旅館」では若年層お よび高齢層、「ビジネスホテ 宿泊施設 × 年齢 宿泊施設 温泉ホテル 旅館 年齢 合計 66.6 15∼19歳 76.5 20∼29歳 66.8 30∼39歳 66.3 40∼49歳 65.7 50∼59歳 66.5 60歳以上 73.6 (単位:%) ビジネス 都市ホテル 民宿 知人宅 その他 ホテル 11.1 15.8 3.1 2.0 1.3 11.8 11.8 12.0 13.0 3.6 3.4 1.1 12.0 15.4 3.0 1.8 1.6 10.0 18.7 2.2 2.4 1.0 9.3 18.6 4.6 1.0 3.8 13.2 7.5 1.9 ル」は 20 歳∼39 歳、「都市ホテル」は 40 歳∼59 歳の支持が厚い。 28 Q18.宿泊施設選定にあたって優先するものはなんですか。 MA(2つまで回答可) 件数 1,301 728 629 580 344 320 30 3,932 価格 料理 利便性(交通アクセスのよさ) 温泉の有無 施設の設備(立派さ、清潔感など) 周辺環境・景観 その他 回答数合計 (n=2,140) % 60.8 34.0 29.4 27.1 16.1 15.0 1.4 価格 1 ,3 0 1 728 料理 629 利便性(交通アクセスのよさ) 580 温泉の有無 344 施設の設備(立派さ、清潔感など) 320 周辺環境・景観 その他 30 【単純集計結果】 ¾ 宿泊施設選定にあたって最も重視されるのは「価格」(60.8%)という結果になった。 ¾ 次いで「料理」(34.0%)、「利便性(交通アクセス)」(29.4%)「温泉の有無」(27.1%)の順となっている。 【宿泊施設別に見た選択基準】 ¾ しかし宿泊施設によっ て、求められるものも 当然異なる。 ¾ 温泉ホテル・旅館では 「料理」(43.3%)および 「温泉」(36.3%)が重視 宿泊施設を選ぶ基準 × 宿泊施設 宿泊施設を選ぶ基準 料理 利便性 宿泊施設 合計 34.0 29.4 温泉ホテル・旅館 43.3 20.4 ビジネスホテル 8.0 54.0 都市ホテル 15.3 53.1 民宿 38.8 14.9 知人宅 27.9 34.9 その他 7.1 17.9 (単位:%) 価格 温泉の有無 周辺環境 施設の設備 その他 60.8 27.1 15.0 16.1 1.4 56.9 36.3 15.3 14.5 0.2 84.4 4.6 11.4 10.5 1.3 61.7 8.8 16.5 28.9 0.9 62.7 20.9 17.9 9.0 3.0 65.1 14.0 16.3 11.6 7.0 35.7 7.1 10.7 57.1 されることがわかる。 ¾ またビジネスホテルでは、他の施設対比で「価格」を重視する声がさらに高い(84.4%)ほか、「利便性(交通ア クセス)」の良さも求められている。 ¾ さらに都市ホテルでは特徴的な点として、他の施設対比「施設の設備(立派さ・清潔感など)」を求める声が高 い。(28.9%)そのほかビジネスホテル同様に「利便性」も重視されている。(53.1%) 29 Q19.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道で宿泊する場合の予算(大人1人・1 泊)はどの程度になると思いますか。 SA 件数 5,000円未満 5,000円以上∼8,000円未満 8,000円以上∼10,000円未満 10,000円以上∼15,000円未満 15,000円以上∼20,000円未満 20,000円以上 回答数合計 69 342 662 793 215 59 2,140 (n=2,140) % 3.2 16.0 30.9 37.1 10.0 2.8 100.0 5,000円未満 69 ∼8,000円未満 342 662 ∼10,000円未満 ∼15,000円未満 793 ∼20,000円未満 20,000円以上 215 59 【単純集計結果】 ¾ 北海道での宿泊予算の中心帯は、大人 1 泊で 10,000 円以上 15,000 円未満の層となっている。(37.1%) ¾ 次に大きな差はなく、8,000 円以上 10,000 円未満の層が続く。(30.9%) 【宿泊施設別に見た予算】 ¾ 宿泊施設別の予算では 道内宿泊の予算(大人1人・1泊) × 宿泊施設 道内宿泊の予算(大人1人・1泊) 5,000円 未満 温泉ホテル・旅館に関し ては 10,000 円以上 15, 宿泊施設 合計 ビジネスホテル 000 円未満の層が中心。 都市ホテル 民宿 知人宅 その他 (42.5%) ¾ 3.2 1.5 10.1 1.8 9.0 4.7 35.7 温泉ホテル・旅館 一方ビジネスホテルでは (単位:%) ∼8,000円 ∼10,000円 ∼15,000円 ∼20,000円 20,000円 未満 未満 未満 未満 以上 16.0 10.9 41.8 15.0 26.9 34.9 14.3 30.9 30.0 35.0 33.6 34.3 16.3 25.0 37.1 42.5 11.0 38.3 19.4 30.2 17.9 - 10.0 12.1 1.7 8.3 7.5 11.6 2.8 3.0 0.4 2.9 3.0 2.3 7.1 5,000 円以上 8,000 円未満の層が中心帯である。(41.8%) ¾ また都市ホテルは両者の中間層(8,000 円以上 15,000 円未満)が中心となる。 【宿泊施設選定基準別に見た予算】 ¾ 料理・温泉・周辺環境・施 道内宿泊の予算(大人1人・1泊) × 宿泊施設を選ぶ基準 道内宿泊の予算(大人1人・1泊) 設などが良ければ、旅行 5,000円 未満 者は 1 泊 10,000 円以上 の宿泊費を覚悟してい る。 ¾ また宿泊施設選定にあた って「値段」が重要として 宿泊施設 合計 選択基準 料理 利便性 価格 温泉の有無 周辺環境 施設の設備 その他 3.2 1.4 3.0 3.8 1.0 1.6 1.2 33.3 (単位:%) ∼8,000円 ∼10,000円 ∼15,000円 ∼20,000円 20,000円 未満 未満 未満 未満 以上 16.0 9.9 22.3 19.2 9.1 17.5 11.3 16.7 30.9 27.7 33.9 35.6 29.3 25.6 26.7 23.3 37.1 41.9 32.8 34.1 42.1 40.3 42.2 13.3 10.0 14.4 6.2 5.8 15.3 13.1 14.0 6.7 2.8 4.7 1.9 1.4 3.1 1.9 4.7 6.7 いる人でも、8,000 円程度の出費を考えている。 " 肝心なのは地域として顧客が目的に応じて宿泊施設を選択できる幅があること、また個々の施設がター ゲットを絞って、顧客が求めるものとミスマッチが無いように、適切な対応ができるかという点である。 30 (5) 北海道新幹線で旅行する場合のお土産について ¾ お土産として人気の高い商品は「生鮮海産物」「乳製品」「お菓子」など。 ¾ 特に「乳製品」や「お菓子」は女性が支持している。 ¾ また年齢別に見ると「お菓子」は若い層を中心に支持されている。 " このことから「乳製品」 「お菓子」等のお土産品開発においては、女性を意識する必要 がある。また特に「お菓子」に関しては若い女性がメインターゲットとなる。 ¾ お土産品選択にあたって最も優先されるのは「地元らしさ」である。また「価格」も重要。 ¾ お土産購入の総予算は 5,000 円以上 8,000 円未満の層が中心帯。 " 単価は(商品や内容量にもよるが)1,000 円弱のものが売れ筋になると考えられる。 ¾ お土産は「お土産専門店」で購入したいという層が約 4 割で最も多い。 " いわゆる宿泊施設の「囲い込み」を無くし、まち全体の魅力をアップさせるためには、 宿泊施設でのお土産品販売は一考の余地があると考えられる。 (例えばホテル・旅館な どではプライベートブランドの商品のみを直接販売し、その他一般の商品に関しては専 門店に任せる或は取り次ぐなど) 31 Q20.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、おみやげとして購入したいものは何ですか。 MA(複数回答可) 生鮮海産物 乳製品(チーズなど) お菓子 塩干海産物(珍味・ホッケ開きなど) 畜産加工品(ハム・ソーセージなど) 酒類(地ビール・地酒・ワインなど) 農産物 工芸品(木材を使った工芸品・キーホルダーなど) その他 回答数合計 件数 1,429 1,261 1,207 642 554 496 329 242 73 6,233 (n=2,140) % 66.8 58.9 56.4 30.0 25.9 23.2 15.4 11.3 3.4 生鮮海産物 1 ,4 2 9 乳製品(チーズなど) 1 ,2 6 1 お菓子 1 ,2 0 7 塩干海産物(珍味・ホッケ開きなど) 642 畜産加工品(ソーセージなど) 554 酒類(地ビール・地酒・ワインなど) 496 農産物 329 工芸品(木材を使った工芸品など) その他 242 73 【単純集計結果】 ¾ お土産品として最も人気が高いのは「生鮮海産物」で 66.8%が購入を希望している。 ¾ 続いて乳製品(58.9%)、お菓子(56.4%)の順となっている。 【性別に見たお土産品の購入希望】 ¾ 性別にお土産品の購入希望を見ると、「乳製品」や「お菓 子」は女性を中心に支持されていることがわかる。 ¾ 性別 × お土産で購入したいもの お土産 特に「お菓子」に関しては、女性の購入希望が 62.8%となっ ているのに対して、男性は 37.2%と大きな差が生じている。 " (単位:%) 性別 男性 合計 生鮮海産物 塩干海産物(珍味など) 農産物 乳製品(チーズなど) 畜産加工品(ハムなど) このことから「お菓子」 「乳製品」などのお土産品開発 酒類(地ビール・地酒・など) にあたっては、特に女性を意識した開発を進める必要が 工芸品(木材を使った工芸品など) お菓子 その他 ある。 女性 49.9 50.4 50.5 48.6 45.4 51.6 47.8 37.2 46.3 63 50.1 49.6 49.5 51.4 54.6 48.4 52.2 62.8 53.7 37 【年齢別に見たお土産品の購入希望】 お土産で購入したいもの × 年齢 お土産で購入したいもの 生鮮海産物 塩干海産物 年齢 合計 15∼19歳 20∼29歳 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60歳以上 66.8 50.0 58.2 68.4 71.7 68.6 67.9 30.0 23.5 30.2 27.0 34.8 30.4 35.8 (単位:%) 農産物 15.4 5.9 13.4 16.7 15.6 14.4 17.0 乳製品 畜産加工品 58.9 58.8 59.1 59.7 59.1 57.2 49.1 25.9 29.4 25.9 27.0 24.0 25.3 24.5 酒類 お菓子 工芸品 その他 56.4 76.5 65.2 60.0 49.6 41.2 28.3 11.3 26.5 13.4 8.5 11.0 17.5 13.2 3.4 2.9 3.0 3.4 4.1 3.1 1.9 23.2 14.7 30.9 23.6 20.5 14.9 13.2 ¾ お土産の購入希望を年齢別に見ると、「お菓子」は若い層を中心に支持されていることがわかる。 ¾ 「生鮮海産物」は全般的に支持されているが、30 歳以上の年齢層で購入希望が高い。 ¾ 「乳製品」は全ての年齢層から満遍なく、高い支持を集めている。 32 Q21.おみやげを選ぶ際に優先することは何ですか。 MA(2つまで回答可) 地元らしさ 価格 地域限定商品 鮮度 めずらしさ 持ち運びやすさ 保存期間 知名度 その他 回答数合計 件数 1,422 700 489 401 383 288 173 170 34 4,060 (n=2,140) % 66.4 32.7 22.9 18.7 17.9 13.5 8.1 7.9 1.6 地元らしさ 1 ,4 2 2 価格 700 地域限定商品 489 鮮度 401 めずらしさ 383 288 持ち運びやすさ 173 保存期間 170 知名度 その他 34 【単純集計結果】 ¾ お土産を選択する場合に最も優先されるのは「地元らしさ」である。(66.4%)また「地域限定商品」を求める声 も多い。(22.9%) ¾ 一方で、ここでも「価格」は重視されている。(32.7%) " したがって、お土産品に求められるのは「地域のオリジナリティーが生きている、適当な価格の商品」 ということになる。 33 Q22.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、おみやげを買う場所はどこになると思います か。 SA 観光地のお土産専門店 観光施設などの現地 北海道新幹線などの駅構内 ホテルなどの宿泊施設内 その他 回答数合計 件数 872 849 222 118 79 2,140 (n=2,140) % 40.7 39.7 10.4 5.5 3.7 100.0 北海道新 幹線など の駅構内 10.4% 宿泊施設 内 5.5% その他 3.7% 観光地の お土産専 門店 40.7% 観光施設 などの現 地 39.7% 【単純集計結果】 ¾ お土産購入場所については、「お土産専門店」で購入したいという層が 40.7%で最も多い。 ¾ 次いで「観光施設などの現地」が 39.7%、「北海道新幹線などの駅構内」が 10.4%となっている。 ¾ 「ホテルなどの宿泊施設内」で購入したいという回答は最も少なかった。 " 北海道観光を考える際に、ホテルなどの宿泊施設が食事・酒席・お土産まで全てを提供する、いわゆる 「囲い込み」が問題視され、観光地が「まち」全体として育っていない理由の 1 つともされている。 " 確かにホテルサイドとすれば、お土産品の販売は利益率が高い商売となる可能性がある。しかし観光地 全体の魅力向上や集客を考えた場合、宿泊施設内でお土産品を購入したいという層が少ないことを考え 合わせると、宿泊場所でのお土産販売には一考の余地があるのではないか。 (例えばホテル・旅館など ではプライベートブランドの商品のみを直接販売し、その他一般の商品に関しては専門店に任せる或は 取り次ぐなど) 【来道回数別に見たお土産購入場所】 ¾ 来道回数が増加するにつれ、お土産は 「北海道新幹線などの駅構内」で購入した お土産購入場所 × 来道回数 お土産購入場所 観光施設 観光地の 宿泊施設 等の現地 専門店 内 いという層が増加する傾向にある。 " 北海道旅行に慣れるにしたがって、周遊 が終わってから、帰路に着く前にお土産 (単位:%) 来道回数 合計 0回 1回 2回 3回以上5回未満 を購入するスタイルが増加するのでは 5回以上 ないかと考えられる。 34 39.7 40.3 43.9 40.5 33.5 38.2 40.7 43.7 39.7 40.1 46.0 32.9 5.5 5.9 5.7 4.6 4.2 6.6 駅構内 その他 10.4 6.8 8.2 11.8 12.8 15.8 3.7 3.3 2.5 3.0 3.6 6.6 Q23.北海道新幹線を利用して旅行するとした場合、北海道でおみやげを購入する場合の予算(総 予算)はどの程度になると思いますか。 SA 5,000円未満 5,000円以上∼8,000円未満 8,000円以上∼10,000円未満 10,000円以上∼15,000円未満 15,000円以上∼20,000円未満 20,000円以上 回答数合計 件数 410 602 490 342 185 111 2,140 (n=2,140) % 19.2 28.1 22.9 16.0 8.6 5.2 100.0 5,000円未満 410 602 ∼8,000円未満 ∼10,000円未満 490 342 ∼15,000円未満 ∼20,000円未満 20,000円以上 185 111 【単純集計結果】 ¾ お土産購入の総予算は 5,000 円以上 8,000 円未満が中心帯となっている。(28.1%) ¾ 次いで 8,000 円以上 10,000 円未満が 22.9%、5,000 円未満が 19.2%などとなっている。 【お土産品別に見た購入単価】 ¾ お土産品の単価は、商品種別や内容量などによって当然異なってくる。しかし上記の購入予算から推定する と、旅行者が購入するお土産品の 1 単位あたり平均単価は 1,000 円弱程度と推定される。 " 実際、社団法人北海道観光土産品協会が発表している、 売れてるおみやげベスト 5 で上位にランク されている商品の売価を見ると、次のようになっている。 ① お菓子:内容量の設定が 1 種類の場合は、1 個あたり 600 円∼800 円前後。 数種ある場合は、小 500 円∼中 1,000 円∼大 1,500 円といった価格設定が多い。 ② 乳製品:バター・チーズの平均単価は 1 個あたり約 800 円となっている。 ③ ラーメン:道内有名店のラーメンは 1 食あたり約 500 円程度。 35 3. 提言 前章で今回のアンケート調査結果を示した。そしてその中には「東北・北関東との交流増加」や「観光客 の増加」など、北海道新幹線開業が道内全域に好影響をもたらすことを示唆するデータも多い。 しかし本アンケートの結果は、北海道新幹線の(新函館までの)開業を想定した、いわば「潜在的な願望」 が数字となって表れたものであり、それを「実現」する為には相応の努力と準備が求められる。 そこで以下に、北海道新幹線開業までに取組むべき点などについて整理してみたい。 概念図 STEP1. 地域の「強み」「弱み」を洗いなおす ⇒客観的に地域のポテンシャルを見直す STEP2. 来道者ニーズと実際の対応のズレを減らす ⇒「強み」を活かしつつ来道客ニーズに的確に応える策 を検討する STEP3. 情報をきちんと伝える ⇒サービス内容や「強み」を、メインターゲットの目に 触れやすい媒体を利用して、見える形で伝える リピーターの確保へ 来道する 必然性を つくる 異質性を保つ もてなしの心を磨く 36 (1) 地域の「強み」「弱み」を洗いなおす 北海道新幹線の開業によって、北海道は関東や東北地方と線で結ばれる。この結果、特に北関東や東北 を中心として、来道客が増加する見込みである。しかしそれは同時に東北各地などとの競争が激化するこ とを示すものでもある。 そこで、道南を中心とした北海道の各地でまず取組むべきなのは、自らの地域や経営する企業などの「強 み」と「弱み」を再度把握することではないだろうか。またその際は、極力客観的に分析を行なう必要が ある。自地域外の第三者に分析を委託するのも一案であろう。というのは、地域の本当の魅力は、そこに 住んでいると(それが当たり前になってしまい)気がつかないというケースが多いからである。 そして「強み」と「弱み」を確認できたら、今度は北海道新幹線の開業という「チャンス(機会) 」を 活かし、持っている「強み」をより強化できないか、或は「弱み」を補完できないかという点について検 討し、策を講じていく必要がある。 (2) 来道者ニーズと実際の対応のズレを減らす 本アンケート調査によって、将来北海道新幹線を利用して来道するであろう人々が、北海道に対して抱 いているニーズが明らかになった。 そこで次に検討しなければならないのは、それらの「ニーズと実際の対応のズレを減らしていく方策」 である。 そしてその方策には主に次の2つの方向性が考えられる。 ① 地域全体として、来道者の様々なニーズに応えられるように、多くの選択肢を準備する。 ② 逆に、特定の年齢層などにターゲットを絞り、その層の人々が抱くニーズに的確に応えられるよう な準備を行なう。 しかし特に②の場合、対応を誤ると地域全体が競争力を失うことにもなりかねない。 例えば、ある温泉旅館が「価格」でビジネスホテルに対抗すべく、 「料理」の質を落とし、また「温泉」 などに付随する設備投資を削って、低価格を実現したとする。この場合、1度は宿泊客を獲得できるかも しれない。しかしその旅館がリピーターを確保するのは難しいと思われる。なぜなら、来道者のニーズと 実際の対応にズレが生じているからである。 本アンケート調査で判明したとおり、来道者が温泉旅館に求めるものは「料理」 「温泉」であり、価格 に関しては相応の出費を覚悟している。にもかかわらず、このケースでは逆の施策を実施している。これ では来道者の満足は得られない。そしてこのことは単にその旅館のみでなく、地域全体のイメージも落と してしまうのである。 したがって、自らの「強み」を活かしつつ、来道客のニーズに的確に応える策を、地域を挙げて十分に 検討することが肝要である。 (3) 情報をきちんと伝える さて、ここまで「強み」の確認と来道者ニーズへの的確な対応が必要であることに触れた。しかしそれ でもまだ十分とはいえない。 たとえば、先に触れた温泉旅館が「料理」の質を改善し、 「温泉」も源泉掛け流しの立派なものにグレ ードアップした。その上で 1 泊 13,000 円の価格設定を行ったとする。 本アンケートの結果に照らせば、その温泉旅館の対応策は来道者のニーズを満たすものである。しかし、 その旅館の「料理」や「温泉」のすばらしさが、来道者にきちんと伝わらなかった場合はどうなるか。こ の場合、その旅館は単に宿泊料金が高いだけの旅館と見なされ、最初から宿泊を敬遠されてしまう可能性 37 がある。 そこで次に必要となるのは「情報をきちんと伝える工夫」である。サービス業の場合、製造業と違って 商品を手にとって見ることができない。したがってサービスを目に見えるように示すことが非常に重要と なってくる。そのためにはITなどを活用し、例えばホームページ上で、その日の献立および料理の写真 に料理長の一言を添えて公開すると良いかもしれない。あるいは旅行専門誌の取材を受ける方法もある。 いずれにしても重要なのは、 ① 「強み」を ② 自分たちが対象とするターゲット層に対して ③ 目に触れる媒体を利用して ④ 見えるように視覚化して伝えること 観光情報の入手先 「平成14年来道観光客動態(満足度)調査」(北海道庁調べ) である。 なお、観光の際に来道者がどこから情報を入手 旅行会社 ガイドブック するかについては、北海道庁が平成 14 年に調査 旅行雑誌 インターネット した「来道観光客動態(満足度)調査」に詳しく 692 487 288 新聞 テレビ ポスター 採り上げられており、右表はその一部を抜粋した ものである。同調査では年代別・居住地別・旅行 56 26 特になし その他 形態別・旅行回数別など様々な切り口で情報入手 416 302 7 不明 ルートを分析しているので参考にされたい。 (4) 1,562 987 0 人 500 1,000 1,500 2,000 異質性を保つ 以上の(1)∼(3)によって、来道者から及第点はもらえるようになるかもしれない。しかしリピー ターを確保したり、地域としての魅力を維持するには、また別の工夫が求められる。 新幹線は高速で本州各地と北海道を結ぶ。そのため「遠くまで来た」という感覚やいわゆる「旅情」が 得られにくいのも事実であろう。すると特に都市観光地は、単に本州のどこにでもある都市と同列に見な されるようになる危険性がある。 そこでまず必要とされるのは、自らの地域が他と異なる点、つまり「異質性」がどこにあるのかを再検 証することである。またその際には来道する人々の住む地域についても考慮するべきである。例えば、東 北からの入込みが増えても、三陸海岸周辺の人にイカなどの海産物のみを提供していれば「異質性」は保 てない。三陸沖もイカの産地であるからである。リピートを期待するのであれば、やはり「三陸には無い 何か」を探して提供する必要があるだろう。 このようにして「異質性」を検討した後、今度はそれを「保つ」方策も求められる。例えば他地域と異 なる点が「何もない草原と見晴らし」であったとする。しかしそこに観光客のための宿泊施設や道路など が出来てしまっては、せっかくの差別化ポイントがなくなってしまう。したがって、行政などを中心にし て、地域の差別化ポイントを維持する為の施策を講じる必要があるだろう。 (5) もてなしの心を磨く 昨今、観光業を中心として「もてなしの心(ホスピタリティ) 」の重要性が叫ばれている。確かに道内 のある大手観光業の社長は「食べた料理や見た景色は忘れることがあっても、訪問先で地元の人に受けた 暖かいもてなしは忘れることが無い」として、もてなしの心の重要性を説いている。 また新幹線が既に開業した八戸では、商工会議所が「おんでやぁんせ八戸」と題した、地域の歴史や食・ 自然などを綴ったパンフレットを作成し、これを使って観光関連企業や学校で講習を実施することで、も 38 てなしの心の啓発に努めている。 以上を考えると、道南地域などがリピーターを確保する為には、もてなしの心を磨くための取組みも必 要となるだろう。 幸い函館では、既に官民をあげて「ハコダテスマイルキャンペーン」が実施され、もてなしの心の向上 に向けた取組みが行なわれているほか、この 3 月には函館商工会議所によって「函館歴史文化観光検定」 が実施され、周辺住民の関心を集めている。このような動きが加速され、 「もてなす」という意識が自然 なものになれば、リピーターはさらに多くなるに違いない。 (6) 来道する必然性をつくる リピーターをさらに増やすには「来道する必然性をつくる」ことも重要な要素である。そのための 1 つ の方策としては、産業誘致などによって、ビジネス目的の来道者を増やすことが考えられる。 また観光の面でも何らかの工夫が必要となる。例えば、春に来道した観光客に種まきをしてもらい、秋 になったら収穫の案内を出すなど、一度北海道に来た人々が、また北海道に来なくてはならない、或は来 たくなるような仕掛けづくりが求められる。さらに観光地として常に新しい魅力を発信し、リピーターを 飽きさせないような工夫も必要であろう。 39