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快適に走れるホイールの選び方

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快適に走れるホイールの選び方
快適に走れるホイールの選び方
12 班
1.はじめに
松本拓也
シマノ社のロードレーサー用ホイールのラインナップを
私はサイクリングを趣味としており、普段から自転車
参考にして、通常タイプのリム 3 種とディスクタイプの
によく乗っている。ホイールを交換して、自転車の乗り
リム 1 種の計 4 種のリムのモデルを用いることにした。
味が変わったという経験は何度もしてきた。そのことに
各モデルの形状については図 2 の通りである。
ついて友人と話すと、ホイールの性能が自転車の走行性
A,B,C は通常タイプのリムでそれぞれリムハイトが
能に大きく影響を与えるということでは皆意見を一にす
24mm,50mm,75mm のもの、D はディスクタイプのリム
るが、どのようなホイールがよいホイールであるのかと
のモデルである。どのリムも外径は 658mm、厚さは
いうと、各人が自転車に求める性能が違うこともあり、
23mm で統一している。
様々な意見がある。このとき議論の主な対象となるのは
ほとんどの場合でホイールの断面形状である。
今回の研究では、私は比較的長い距離を無理をしない
で快適に走りたいと思っているので疲れにくさ、言い換
えるなら速度の維持のしやすさに焦点を当てて、どのよ
図 2 各モデル図
うな断面形状を持つホイールが快適に走れるホイールな
のかについて考えていくことにした。
4.解析について
2.ホイールについて
図 2 で示した 4 種のモデルを SolidWorks で作成し、
自転車のホイールは図 1 に示されているように、主に
Fluent でメッシング、解析を行った。このとき実物と同
ハブ、スポーク、リムの4つの部品から構成されている。
じサイズだとメッシュの数が膨大になり、計算機の処理
リムはホイールの外周部の部品であり、ホイールの体
能力を超えてしまうため、モデルを 1/2 の寸法に縮小し
積の大半を占め、その形状に大きく影響を与えている。
て解析を行った。解析の際の各種条件は表 1 に、実際の
今回の研究では速度維持のしやすさを空気抵抗の少な
解析モデルとメッシュ形状については図 3 に示した通り
さと捉えて、ホイールの形状、すなわちリムの形状に着
である。流入速度については、モデル同様 1/2 に縮小し
目して、リム形状の違いによる空気抵抗の増減を考えて
た。図 3 の解析モデルの青い面が流入面、赤い面が流出
いくことにした。
面、他の面は滑らない壁面として解析を行った。示され
ていない条件は Fluent のデフォルトの設定とした。
表 1 各種条件
流入気体
空気
流入速度
2.78,4.17,5.56m/s
モデルの回転速度
2.78,4.17,5.56rpm
メッシュ数
26 万個前後
図 1 ホイールの構成部品
3.リム形状の選定について
現在、リムの形状の違いについては、どの企業もリム
ハイト(断面の高さ)に主眼を置いた商品展開をしている。
今回の研究でも主にリムハイトの違いに焦点を当てて、
図 3 解析モデルとメッシュ
5.結果
・粘性抵抗について
結果は以下の表 2 と図 4,5,6 に示した通りである。
表 2 結果
A
20km/h
30km/h
40km/h
B
20km/h
30km/h
40km/h
C
20km/h
30km/h
40km/h
D
20km/h
30km/h
40km/h
圧力
粘性
20km/h,30km/h,40km/h における粘性抵抗値をそれぞ
れ Rv20,Rv30,Rv40 とし、ホイール側面の面積を Sv、と
し、粘性抵抗値を速度で割った値を表 3 にまとめた。
空気抵抗
0.0202
0.0455
0.0808
0.000464
0.000698
0.000932
0.0207
0.0462
0.0818
0.0169
0.0381
0.0679
0.000599
0.000899
0.001201
0.0175
0.0390
0.0691
0.0172
0.0388
0.0690
0.000762
0.001147
0.001530
0.0180
0.0400
0.0706
0.0097
0.0218
0.0389
0.001329
0.002007
0.002683
0.0110
0.0238
0.0416
表 3 粘性抵抗と速度
Rv20/v
Rv30/v
Rv40/v
0.000167 0.000167 0.000168
0.000215 0.000216 0.000216
0.000274 0.000275 0.000275
0.000478 0.000481 0.000482
A
B
C
D
表4
粘性抵抗と面積
数値解析の結果、Sv を 0.74 乗した値が粘性抵抗とほ
ぼ比例していることが分かった。これを Sv”として、粘
性抵抗値を Sv”で割った値を表 4 にまとめた。
A
B
C
D
Sv" Rv20/Sv” RV30/Sv” Rv40/Sv”
0.261 0.001780 0.002678 0.003574
0.361 0.001661 0.002493 0.003329
0.440 0.001731 0.002604 0.003475
0.752 0.001768 0.002670 0.003568
表 3,4 より粘性抵抗値は速度と Sv”にほぼ比例して
いるといえる。
図 4 抵抗と速度のグラフ
・圧力抵抗について
20km/h,30km/h,40km/h における粘性抵抗値をそれぞ
れ Rp20,Rp30,Rp40 とし、ホイール全体の面積から Sv
を引いたものを Sp とし、圧力抵抗値を速度の 2 乗で割
った値を表 5、Sp で割った値を表 6 にまとめた。
表 5 圧力抵抗と速度
図5
40 ㎞/h の条件下でのモデル A と D の流跡線
Rp20/v^2 Rp30/v^2 Rp40/v^2
0.002613 0.002614 0.002615
0.002189 0.002191 0.002197
0.002231 0.002234 0.002233
0.00125 0.001255 0.001259
A
B
C
D
表 6 圧力抵抗と面積
Sp
図6
40km/h の条件下でのモデル A と D の等圧線図
A
B
C
D
0.092
0.0902
0.0883
0.0475
Rp20/Sp
0.219501
0.187561
0.195305
0.203455
Rp30/Sp
0.494103
0.422318
0.439928
0.459604
Rp40/Sp
0.878662
0.752843
0.781816
0.819052
表 5,6 より圧力抵抗は速度の 2 乗と Sp に概ね比例して
6.考察
いるといえる。
結果の図 5,6 よりリムの内周部が外周部に比べて圧力
が高まっていることがわかる。またリム側面に流体がま
7.まとめ
とわりつくように流れていることも図から確認できる。
空気による抵抗が最も少なくなるのはディスクホイー
そのためリム表面をリムの側面と、流体の流れに垂直な
ルであり、ホイールの受ける空気抵抗にのみ着目すれば、
面に分けて、面積、速度と各抵抗値の相関について考察
これが快適に走るのに適したホイールであると言える。
を加えることにした。また、表 2 より空気による抵抗は
ほぼ圧力による抵抗により決定されていることもわかる。
参考文献
・2014 Wheel System カタログ
シマノ株式会社
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