...

UCG LONG TERM TEST

by user

on
Category: Documents
9

views

Report

Comments

Transcript

UCG LONG TERM TEST
P130-131 12*17*2003 21*39 ページ 1
UCG LONG TERM TEST
今月は前回に続き、UCG号が施した新しいタイプのボディコーティング、
UCG中古車長期テスト “クォーツ・ガラスコーティング”のことを中心に話をしていこう。
第10回
12ヵ月 66,140 + 5,360km
UCG LONG TERM TEST
1993年 ランチア・テーマ 8.32
元気に走っています
UCGのテーマ 8.32は、交通量の増えてきた
年末の都心部を元気に走っている。思い起こせ
たりなほどに馴染んできた。エンジンルームに装
着したストラットタワーバーとの相乗効果で、一気
塗装面をガラスの皮膜で覆う
ボディコーティング
ば、購入してから1年の間、毎月のように故障と
修理を繰り返してきた。やはり、信頼性に難のあ
に現代的な乗り味を手に入れたと言っても過言
ではない。ただし、フロアのワナワナ・ブルブル・
さて、先月号で簡単にリポートした“クォーツ・
ガラスコーティング”について詳しく話していこう。
る特殊なモデルの場合、これくらいの時間をかけ
て、トラブルを出し切る必要があるのかもしれな
ミシミシはあきらめるしかないのだろう。なにせ、
80年代のクルマである。それを考えると、ライバ
UCG号が行なったのは、一般的な撥水タイプ
ではなく、最近になり注目され始めた親水タイプ
い。ある程度は覚悟していたし、古いクルマのト
ルだったメルセデス・ベンツの500Eは、やはり
のボディコーティングである。まだ、ほとんど普及
ラブルには慣れている担当者も、さすがにちょっ
とだけ辛かった。でも、こつこつとメインテナン
“バケモノ”だ。新調したARQRAY製ワンオフ・
マフラーの効果(低速トルクのアップ)
も充分に感
していない、塗装面をガラスの皮膜で覆ってしま
うものを試してみた。油脂性の汚れが付きにくい
スを施しながら、ようやくまともに走れる状態に
仕上がったUCG号。
「やれやれ一安心」
といった
じ取れる。リフレッシュ作業に、約50万円という
大金を注ぎ込んだ甲斐があるというものである。
上に、付着しても簡単に洗い流すことができるの
が最大のセールスポイントだ。しかも、耐久性に
こうなると、峠道を走ってみたくなる。早々に、
優れていて通常10年はその効果を維持し続ける
らしい。親水タイプだから、ボディにワックスをか
ところだ。
換装した足まわり
(コニのダンパー+アイバッ
ハのスプリング)
は、走行を重ねるとともにマイル
ド感が増し、
「しっとりしている」
という表現がぴっ
130
UCG_2004_02
いつものコーナーで、サスペンションの粘りぐあ
いなどを試してみたい。
ける必要はなくなる。
今回作業を行なった“ジェイワークス”の価格
P130-131 12*17*2003 21*39 ページ 2
このきれいな仕上がりを見せられ
たときは、けっこう驚いた。まさか
これほどまでに塗装の艶が甦ると
は思っていなかったからだ。グレ
ー・メタリックという色は、決して地
味ではないことを思い知らされる。
化するまで約1ヵ月の時間が必要だ。しかし、そ
A8やBMW 7シリーズと同じセグメントに属して
いるので、けっこう値が張ってくる。お値段は、11
の後は基本的に洗車機はOK、ワックスなどをか
ける必要もない。それどころか、ワックスはウォー
万9600円プラス、消費税5,980円だった。
タースポットを作る原因になるため、逆効果なの
作業は職人さんの手作業で行なう
だそうだ。11万9600円でワックス無用になるわ
けだから、担当者のように自分でワックスをかけ
工場へ足を運び、その内容を取材したので報
告したい。
ない“洗車機依存症”の怠け者には、安い金額
と言えるのかもしれない。1ヵ月に1度のペースで
まずは、洗車してボディの状態を入念にチェッ
ワックス洗車機を利用する人は、2年くらいで元
クした後、鉄粉やウォータースポットを研磨して落
とす下地作りを行なう。これは、通常の撥水タイ
が取れてしまうわけだ。
しかも、ガソリンスタンドなどの機械で行なう
プのポリマー加工と同じ作業だ。UCG号は、ウ
ォータースポットがかなり深刻な状態だったため、
ワックス洗車やコーティング剤の塗布は、かなり
濃い溶剤を使用するため、環境保護の観点から
この行程に通常の2倍の時間を要した。同時に、
塗装面に付着した油分を専用洗剤で落とす脱脂
見ても良くないはずである。10年以上の耐久性
を謳うこのタイプは、優れたエコ商品ともいえる。
処理も行なっている。
3年以上のサイクルで愛車とじっくりつき合いた
その後、ウィンドーなどをマスキングしてコーテ
ィング剤を塗布する。この作業は、溶剤の塗布
いというかた、特に古いクルマを所有している人
にとっては、強い味方になってくれそうだ。
量が微妙だから、スプレーマンの経験がものをい
う。多過ぎるとムラができてしまうし、少ないとガ
来月は、ヒルクライムを楽しみながら、8.32と
過ごした1年を振り返ってみようと思う。
ラス皮膜の効果が薄められてしまう。吹き付けて
report=野田義彦/photo=丸山ヒロト
UCG LONG TERM TEST
表を見ると、ランチア テーマ8.32は、アウディ
は専用のウエスで伸ばしていくという地道な作業
を繰り返す。しかも、
“塗って乾かす”を3回繰り
返すのだから、かなり根気のいる作業だ。その
後、仕上剤を塗布して1日乾燥させ終了だ。順調
にいけば1泊2日、天候やボディの状態により、2
日くらいの誤差が出てくるらしい。UCG号は、塗
装面の状態があまり良くなかった上に、秋の長雨
のせいで2泊3日の作業となった。
仕上がりは上々の出来映え
で、ものは試しと、雨の中を走行した後、屋根
のないコインパーキングに半日ほど駐車して、ボ
ディの状況を確認してみた。確かに雨が上がっ
た後もボンネットやルーフ部分に水滴はほとんど
残ってなくてツルッとしている。本当に汚れが付
きにくいようだ。もともとUCG号のボディカラー
は、グレー・メタリックだから、泥や水垢などの汚
れが目立ちにくい色なのだが、それにしても雨天
の走行が信じられないほどにスッキリしている。
また、泥が跳ねている部分やホイールなども、ウ
エスでさっと拭き取ることができた。特に白いボ
ディのクルマは、洗車がかなり楽になるだろう。
10年間はワックス要らず
“クォーツ・ガラスコーティング”は、完全に硬
(上)
“磨き”の作業で、鉄粉やウォータースポット、細かい
洗車の傷などを削っていく。UCG号は、塗装面の状態が良
くなかったため、
“一皮剥く”ことになったという。
(下)
ガンタイプのスプレーを使い塗装面にガラスの皮膜を作
っていく。塗布しながら伸ばして乾かす。すべてを手作業で行
なう。これを3回繰り返すことが、艶を出す秘密なのかもしれ
ない。さらに、促進剤を使い溶剤の浸透を確実なものにする。
取材協力=ジェイワークス
(本社Tel.03-5499-1811/工場
045-476-0411)http://www.j-works.biz/coating/quartz
UCG_2004_02
131
Fly UP