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岐路に立つ彦根
彦根市には零細企業を含 む中小企業が多く存在して います。それぞれが多様で 個性豊かな事業活動を行い、 地域経済を支えていること はご承知のとおりです。と りわけ、彦根市を代表する 3 地 場 産 業 ( 仏 壇、 バ ル ブ、 ファンデーション)は 長 い 歴 史と伝統の中で培ったもの づくり技術の蓄積により全 国レベルでも高評価を得て おり、地域の発展に大きな 役割を果たしてきました。 しかし、直近の統計によ ると、生産額、企業数、従 業員数のいずれもが減少傾 向で、かつ、その減少の原 因が問題です。ここで踏ん 張って何とかしなければな りません。 昨年6月に地場産業の代 表者・学識経験者と私の5 人 で「 彦 根 市 経 済 活 性化委員会」を立ち 上 げ ま し た。 こ の 委 員 会 で は、 実 効 性 あ る行動計画を策定す てい じ かず お 市川 悌二 地 域 経 済 活 性 化 担 当 彦根市特別顧問 つ づき 都筑 一雄 情報化推進担当 現在、多くの地方自治体 は、行政サービスを提供す る上で、2つの情報システ ム上の課題に直面していま す。ひとつは、法改正や条 例改正など国、県、市の政 策にもとづく環境変化に迅 速かつ効果的に対応するこ とです。もうひとつは、自 治体それぞれの政策課題に 応じて住民サービスの向上 を目指すための情報システ ムを構築することです。 報システムのコスト を 下 げ、 そ れ を 扱 う 職 員 の 負 担 を 抑 え て、 市民サービスの質を 向上させることが重 要です。 この課題に対応するため、 市役所の現場業務を遂行し ている若手職員を中心にプ ロジェクトチームを作りま した。今後のあるべき情報 システムについて、3月ま でに検討を進めます。情報 システムの専門家だけでは ②営業戦略 販 ・ 路拡大 特 に 仏 壇 産 業 で は、 高齢化する職人の後継 者問題を解決すること が必要です。彦根が仏 壇産地の総本山となる よ う な「 仏 壇 ア カ デ ミ ー」 を 創 設 す る と いった抜本的な施策が 必要です。 ①人材の確保・育成 べく、各地場産業の現状を 正確に把握し、課題を抽出 して、活性化を方向づける ためのホットな議論を重ね ています。議論した結果は、 昨年 月、市長に中間報告 を行い、3月中には最終報 告を行う予定です。 日本は、少子高齢化・人 口減少という大きな問題に 直面しています。 何もしなければ、極めて 困難な将来が待ち受けてい ると思います。危機感を共 有し、スピード感を持って 事にあたる必要があります。 プロフィール ②業務システム 現在は市民サービス ごとにある情報システ ムを、可能な限り統合 す る こ と で、 情 報 シ ス テ ム の 維 持 管 理 や、 データ連携を簡単にす ることができます。 ③ワークスタイル 市役所内で行ってい る仕事の一部を情報シ ステム上で行うこと (ペーパーレス化)や、オ フィス環境の改善によ る業務効率の向上が期 待されます。 4 ▶幹部職員に検討結果を説明するIT課 題検討会の若手職員と、今後の方針を 提案する都筑特別顧問 ことからスピード感をもって対応していきます。 これらのほかにも、実に大きな課題がたくさんあ りますが、彦根の地場産業がその輝きを世界に発信 し、また、行政の情報化推進で市民サービスが向上 することが「強い彦根」を築く道だと思っています。 行政の情報化推進 彦根市の情報システ ムの基本となるコン ピュータを、外部の民 間専用施設に設置する ことで、仮に市役所が 被災しても、別の場所 でも業務を再開できる ほか、費用の削減にも なります。 ①情報基盤 プロジェクトチーム (IT課題検討会)では、次の 3点について検討を行いました。今後は、実現に向 けての計画を作成します。 うになるはずです。 なく、情報システムを利用 している若手職員が、市長 情報システムを利用する ことで、市の施策をよりよ へ提案します。それを踏ま く実現できる方法を精査し、 えて方針を決定し、次期シ ステムを構築する予定です。 「強い彦根」の形成に貢献で きるよう努めます。 また、福祉、教育、産業 振興は、情報システムを利 用することで、より良い行 政サービスを提供できるよ 特集 さて、地域経済活性化と情報化推進は、どちらも たいへん重要な行政の仕事です。この1年、経験豊 富な民間出身の特別顧問2人に、課題の絞り込みと 改善策の検討をしていただきました。この度、具体 的な改善や支援の方策が示されましたので、できる 積極的な輸出への取 り組みは必須です。 その次のステップと して、海外生産または 海外パートナーとの恊 働による営業展開の必 要性があります。 ④国際化 (海外展開) 技術力を生かした新 商品や、新技術、高付 加価値商品の開発など を行うことで、「彦根」 のブランド力を強化し ます。 ③ブランド力の強化 彦根市経済活性化委員会では、次の4つの視点で検 討を進めています。今後は、具体的な取り組み方法に ついて提案を行います。 行 政 サ ー ビ ス で は、 情 ▶作成した彦根市経済活性化委員会中間 答申を市長に手渡す市川特別顧問と彦 根市経済活性化委員 国内外の顧客に対し、 良いものをどのように 売り込むかが課題です。 このためには、外部 からのプロや人材投入 も必要です。 地域経済の活性化 強い彦根へ 1 今月から、毎月1 私の思い ‒ ‒ 日号に掲載してい 彦根市長 大久保 貴 る特集記事につい て、私の考えを市民の皆さんにお伝えしていきます。 よろしくお願いします。 昭和 43 年、三菱商事株式 会社入社。平成 17 年退職。勤 務した 37 年の内 21 年の海 外勤務では、欧州、中東、ア フリカ地域で支店長、副社長 などを歴任。 退職後は、数多くの企業の 取締役や顧問に就任している。 昭和 49 年、日本電気株式 会社入社。入社以後、通信シ ステムの技術開発、企業ネッ トワークシステム事業などを 手がけ、平成 16 年、同社執 行役員に就任。 平成 20 年、オランダとの 合弁会社の最高経営責任者と して事業全般を総括。 2015・2・1 2015・2・1 5 岐路に立 つ 彦 根 プロフィール 12