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『書評・個人情報「過」保護が日本を破壊する』 青柳武彦 著 (書評・抜粋

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『書評・個人情報「過」保護が日本を破壊する』 青柳武彦 著 (書評・抜粋
『書評・個人情報「過」保護が日本を破壊する』
青柳武彦
著
(書評・抜粋)
***********************
筆者は、個人情報の「過」保護が、本当に大切なプライバシーが十分に護られな
い状況に拍車をかけているとして、個人情報保護法の問題点を掘り下げ、法改正 の
早期実現を叫んでいます。プライバシー擁護者であると自認する筆者による、緊 急
提言的な 1 冊です。公法の議論について、「浦島太郎状態」にある私ではありま す
が、筆者の見解にノルかソルかは別として、鋭い指摘とユニークな提言、そして小
気味よい文体と三拍子揃って心地よいものであったため、一気に夢中で読了する こ
とができました。そこで、比較的詳細に本書の内容を紹介したいと思います。
筆者は、序章「個人情報保護法のおかげで世の中は大混乱」において、おりから
個人情報の漏洩事故が相次いで大々的に報道されたことが、一般人の「過剰反応 」
を引き起こしていることを指摘します。そして、そのことが、データ漏洩などのセ
キュリティー問題とプライバシー権侵害問題とが混同され、個人情報に対する世 の
中の誤った認識と対応を促進しているとします。筆者はこのような傾向は、個人 情
報の活用と有用性の配慮に欠けるものであると評価しています。
第1章「いま、ビジネスの現場が窒息しようとしている」では、金融・保険業 界
や人材派遣会社、病院等の現場において、個人情報保護法がもたらしたといえる 弊
害が指摘されています。例えば、厳密に個人情報を保護するためには個人情報を デ
ータを持たないことが 1 番との考えのもと、セールスマンが持ち歩くノートパソ コ
ンから顧客情報が消されている現状や、国勢調査において、個人情報保護法を盾 に
情報の開示を渋る国民が続出したこと等を挙げ、結果として経済活動が萎縮し、生
産性が低下していると述べます。筆者によると、その原因は、ひとえに、個人情 報
保護法が想定する「情報」の対象が広範囲にすぎ、規制の程度も厳しいことにある
とします。そして、同法に定められている特例や適用除外規定も不十分であるた め
に、地方自治体が定める「上乗せ」規制のごとく、企業による運用マニュアルが次 々
につくられ、企業の活力と効率を著しく低下させていると指摘します。
第 2 章「護られるべき『個人情報』とは何か」では、第 1 章で指摘された個人 情
報保護法にいう情報が一律に扱われていることを同法第 2 条の定義規定から確認 す
るとともに、対象とする個人情報が「プライバシーに属するもの」に限定されるべ
きであったことが指摘されています。すなわち筆者は、プライバシー権に属する 個
人情報と、機密扱いしなくてもよい一般個人情報との明確な区分の必要性を問う て
います。そして、個人情報を機密性の度合いによって、第一層から第四層までのレ
イヤー(階層)に分け、それぞれの情報が保護に値するか否かが検討されています
1
(本書 66−75 頁)
「名簿の廃止」に焦点を当て、災
第 3 章「人を信じられない疑心暗鬼の社会」では、
害時に要支援者の把握ができないことや、行政からの情報提供がストップしたこ と
で民生委員・児童委員による高齢者や子育て家庭への支援に支障が出ているなど の
実例を挙げて、個人情報保護法の過保護性がコミュニティーの崩壊を招くとしつつ 、
プライバシーの意義が履き違えられていることが指摘されています。この指摘を も
とに、続く第 4 章「『プライバシー権』とは何か」では、法益としてのプライバ シ
ー権の生成が過去の最高裁判決を引用しつ解説され、プライバシー権の定義のも と
となった自己情報コントロール説の問題点も指摘されています。とりわけ、自己 情
報コントロール説によると、自律権や平穏・静謐に関するプライバシー権がカバ ー
されないため不十分であることが強調されているように感じました。以上の分析 を
ふまえ、筆者は、プライバシー権を「不可侵私的領域における個人情報の公開の可
否や公開の程度と対象を自ら決定する権利、不可侵私的領域に属する事柄につい て
行動や決定を自ら行う権利、及び平穏・静謐な生活を妨げられない権利をいう」と
定義しています。さらに筆者は、大阪市営高速鉄道車内の商業宣伝放送禁止請求 事
件などを引き合いに出し、プライバシー権の性質を、他の種の公共の利益に関す る
法 益 と の 比 較 考 量 と い う こ と に な る と 、 基 本清 華 低 い だけ に き わ めて 分 が 悪 い―他
の権利に譲らなければならない場合が多い―と結んでいます。
第 5 章「個人情報保護法は問題だらけ」では、個人情報保護法のあらましとし て 、
簡単な逐条解説が行われています。それを踏まえ、筆者は、①異なるレイヤーの個
人情報を区別せずに一律に扱っている〔2 章で指摘〕、②対象範囲が広すぎる〔2 章
で指摘〕、③規制の条件が厳しすぎる、の 3 点から、個人情報保護法が構造的に個
人情報「超」過保護法であることを皮肉交じりに指摘しています。上 3 点目は、個
人情報保護の手段として、同意取得を過度に求めるなど、情報主体の支配力及び 関
与の権限を過度に認めていることから、運用が極めて困難だということを指します 。
本章の後半ではこの点について、本法が準拠したOCEDガイドライン原則と対比さ
せつつ、批判的に論じています。
第 6 章「2010 年日本の暗い未来」において、筆者は、現行の個人情報保護法を
前提とする場合に起こりうる問題を、最近社会的に大きく取り上げられているケ ー
スを元にシュミレーションし、近未来の日本が、ユキビタス社会の建設に挫折し、
犯罪天国になるという危機感をあらわにしています。。加えて、個人情報保護法が 、
行政の匿名主義を助長し、行政サービスにも甚大な影響を与える側面もあること を
指摘しています。
第7章「個人情報保護法への対応策」では、本書の総括として、個人情報保護法 の
個人に対する位置づけと、組織に対する位置づけとに分けたうえで、前者はほと ん
ど問題が起こりえず、むしろ、後者を重視すべきことが主張されています。筆者に
2
よると、対応の基本方針としては個人情報保護法が要求している事柄と、正当な 企
業や組織の活動とをいかに調和させるべきかを主眼とし、対策の視点としては、
「い
か に 個 人 情 報 保 護 法 に 忠 実 に 対 応 す る か 」 で は な く 、「 正 当 な 経 済 活 動 を い か に 個
人情報保護法と調和させるか」を採用すべきであるということです(本書 218 頁)。
そして、間違っても自主的上乗せ規制などはすべきではない、と企業の過剰対応 が
無意味であることを強調しています。その上で、「情報主体の同意取得を最小限に 」
な ど 、 筆 者 自 身 が 「 ウ ル ト ラ C対 策 」 と 述 べ る 数 々 の 提 言 が な さ れ る と と も に 、 最
後に、法改正に関して言及しています。
以上、駆け足で本書の内容を概観してきましたが、情報が溢れる世の中にあって 、
保護されるべき情報とその対策、そして情報の漏洩を防止するセキュリティー上 の
対策などの諸問題が、いかに未整理のままで論じられていたのかを痛感すること が
できました。そして、情報とプライバシー権との関係に関する筆者の諸見解は、素
人にも問題関心を喚起しやすいように感じられ、プライバシーについて本格的に 勉
強したいと考えている学部生のとっかかりとして申し分ないように思いました。筆
者があとがきで述べているように、筆者の観点や主張は、いささか偏った視点に 立
っているかのように誤解されやすい面は否定できないように思いますが、「今現 在 」
個人情報保護法が抱える問題点を細かに指摘したという点からも、読者を惹きつ け
る分析や内容であろう点からも、良書であり議論のたたき台としてうってつけで あ
ると評価します。
(http://d.hatena.ne.jp/yaeno_29/20061020/1161232730#seemore)
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ん∼、とっとと読み終えるつもりだったのに、結構引っ張ってしまっているなあ。
個人情報保護法が施行されるとき、ふたつの相反する思いはあった。ひとつは自分の情
報を持つものとしての存在、それと情報を扱うものとしての存在だった。多くの人が多分
そうだったと思うのだけれど、後者では「面倒だなあ」とうんざりしつつも、全く別の次
元では「自分の情報がコントロール不能なところへ流布してしまうことの不安感」が心を
占めていた。んー、でも、確かにこれに戦々恐々とするよりは、客観的にこの内容を検討
すれば良かったんだなあ。自分の情報に関する不安に神経が行ってたこともあって、あん
まり冷静に見られてなかったのかも知れない。
日本の個人情報保護法は、かなり大雑把で包括的なものだそうだ。そのもととなるもの
は 1980 年に OECD(世界経済協力開発機構)が出した「プライバシー権保護と個人データの
流通についてのガイドラインに関する理事会勧告(通称 OECD ガイドライン)」を出してい
る。この 8 原則には例外なども明記されているのだが、日本の法の方はすっぱりこの部分
3
が欠けている。だから、プライバシー権に抵触する個人情報ではなく、包括的なものにな
ってしまい、取り扱うには大変に難しいものになるのだという。因みに EU ではこの 15 年
後に EU 指令(「欧州議会及び理事会の個人データ保護指令」)が出て、ネットワーク社会を
前提としてもだいぶ動きやすくなっている模様だ。また、アメリカでは欧州各国と取引を
するために、別途セイフハーバー方式を採用しているという。これは、EU 指令の基準を満
たす企業をセイフハーバーリストに登録するもので、そうすれば EU 各国企業と取引がで
きるそうだ。著者は、日本もこの形にすれば良かったのに、と言う。
日本は、アプローチを間違ったためにこのような窮屈な法律ができた反面、プライバシ
ー権に関してはないがしろにされてきているというのは今更ながらに気付いた。情報セキ
ュリティとしての情報保護とプライバシー権の侵害をごっちゃにしてはいけない、とも。
んー、この本を読んでいると、自分の認識もだいぶマスコミでバイアスがかかったもの
だったのかも知れないなあ、と思う。守るべきはプライバシー権であり、現在はこの存在
が明記されていないものなのでこれについてきちんと法律を作るべきだ、というか、それ
より個人情報保護法の検討をやり直せ、というのはなかなかインパクトがある。この法案
を作るための検討委員会とその後の中心的人物が違っているのも興味深い。どんな理由が
あってこのような羽目になったのか。
とりあえず、終わりまで読んでからもう一度考えます。
登録日:2006 年 10 月 20 日 13:49:21
(http://garitto.com/news/list.php?id=23323)
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『 個人情報「過」保護が日本を破壊する(青柳武彦)』
んーと、主旨としては、現在施行されている個人情報保護法は間違っている。一度、根
本から考え直し、法律を作り直した方がいい、ということだよね。具体的な箇所は第 5 章
の「個人情報保護法は問題だらけ」のところに詳しいけど、現状にそぐわない基準を踏襲
した上に但し書きを無視した作りだから、法律自体が非常に広範囲で大雑把なものとなり、
各省庁の示すガイドラインはそれに屋上屋を重ねる状態となってしまい、目的が「個人情
報保護法を守ること」となってしまっている、と。
この本を読んで、久々に脳みそを掃除した気になった。個人情報保護法はもう動かせな
いところだったので、確かにそれに抵触しないように(そして関係省庁のガイドラインから
はみ出さないように)、というのが至上の命題だったような気がする。それが本当に最高を
要するほどのものか、自分がそういう働きかけをする必要があるかなどなど。
4
EU では、1980 年にできた OECD ガイドライン 8 原則、および 1995 年に策定した EU
指令(欧州議会及び理事会の個人データ保護指令)が元となっている。OECD ガイドラインに
較べ、EU 指令はネット社会、コンピュータ社会であることを現状としたものに作られてい
る。そのため、現実を見ないバカな法律にはなっていないようだ。アメリカに至っては、
元々監督省庁により個人情報の扱いは全く異なるから、商務省に EU 各国の要求を満たす
個人情報保護基準に準じている、と報告し認められなければ EU との取引ができないこと
になっているから、ある面では非常に厳格だが、全般では国独自の路線をとっていくこと
ができる。なのに何故か日本は、OECD ガイドラインを鵜呑みにした法案を作り上げた、
というのだ。
うーん、なんかこれって、日本独特の事なかれ主義みたいな雰囲気が見え隠れ。よく分
からないからとりあえず範囲を大きくして曖昧にしとけ、みたいな感じ。国民は許されな
くても上の方の人は許されるのかなー。この辺りが具体例も挙げて随分かみ砕いて説明さ
れており、また、このおかげで起きた無用な個人情報保護意識の助長が、自治体を崩壊さ
せ、市民活動を停滞させ、ひいては自分自身やそれらの本当に大切な情報までをも危険に
さらさせている原因になってしまっている、というのだ。んー、確かに本末転倒なところ
があるのかも。何故個人情報を無闇に公開しないかって、やっぱりそこから特定の情報を
結びつけられたり、不要なコンタクト先取得のために利用されるのはまっぴらだと思うか
らだろう、殆どが。しかも、現状の個人情報保護法では本当に守って欲しいことが守られ
ていないということは、半年も運用してきたら分かるだろう。これらを見直す意味でも、
一度制度を見直す必要があるのではないか、という提案。
ソフトバンク新書って、なかなかいいのを出してるなあ、と思う。我々が足りない知識
を補ってくれる感触であり、その存在感は本来の「新書」にちょっと近いのかも。でも、
著者があとがきで編集者に謝辞を述べている例が目立つ気がするのだけれど、これはわた
しがたまたま手にしたものがそうだっただけ?
(http://r.hatena.ne.jp/ishinao/)
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『個人情報「過」保護が日本を破壊する』
青柳武彦
著
・・・・という訳で読んでます。わたしも情報システム部門にとりあえず在籍しているので、
特に個人情報保護法施行時には色々悩まされました。お陰で、会社で何億使ってるか分か
らんよ。関連業界はウハウハかも知れないけど、予定にない大幅出費を迫られる身になっ
て欲しい。顧客からは「どういう方針でいくのか」ってせっつかれるから早く結論出さな
いと現場も大変そうだったし。
5
そういう訳なんで、この本で著者が言っている「法律以上の自主規制(各省庁の方針や
それを受けての各企業の方針等々)がまかり通っていて不便じゃね?」という言い分もよ
ーく分かる。施行から半年経ってやっと考える余裕もできているかも知れないので、この
時期の刊行は良かったのかも知れない。
それにしてもこれだけ個人情報、個人情報、とうるさくなったのは、ひとつには各情報
がデータ化されていて、大量取得が(違法にせよ合法にせよ)技術的には難しくなくなっ
ていて、容易に他のデータと紐付けがされやすいから、なのだと思うのだよね。だから、
著者の「漏洩されたデータがセンシティブなのではなく、それを悪用しようとする人や業
者によってセンシティブなモノになってしまうこともあるのだ」という主張も尤もなのだ
けれど、そこまで簡単に割り切れないところがあるんだよな。ああ、もっと気楽に簡単に
情報フィルタリング(迷惑電話は着信しないとか、迷惑 DM は自動的に不要だというメッセ
ージ付きで返送されるとか)できればこんなに大騒ぎしないような気はするんだけどね。い
や、そういうところに自分の情報握られてるのも嫌なんだけど。
(http://r.hatena.ne.jp/ishinao/)
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Amazon カスタマーレビュー
お薦め度:
個人情報保護の”聖域化”に待った, 2006/10/24
レビュアー: やのすけ
うまく名状しがたいながらも感じていた世の中の“個人情報過敏”について、はっきりとし
た形を与えた上でズバッと斬って捨てている感じがして、読後感は非常に痛快でした。よ
くぞ言ってくれたって感じ! まあ、私もその「世の中」に入るわけだけど(笑)
。こうし
たがんじがらめの状態になったのは、1つにはわれわれの法律に対する無理解もあるが、
実は、個人情報保護法自体にも、問題大ありなのだということがよくわかった。
一言で言えば、護る必要のない情報(=プライバシーでもなんでもないもの)まで護ろ
うとしているから、身動きが取れなくなって社会が停滞してしまうということ。まさに帯
の文句にあるとおり「ミソもクソも一緒」という感じだ。個人情報保護が絶対の正義とし
て新たな“聖域”と化している現在、保護は賛成だが「過」保護は反対という主張は、きわめ
て真っ当であり有意義だ。
6
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『個人情報「過」保護が日本を破壊する』
青柳武彦
往復の電車の中は、読書タイム。新書なのですが、あっさり読了。今日読んだのは『個
人情報「過」保護が日本を破壊する』という本で、最近の個人情報まわりの話題に「何か
おかしいのでは?」と感じている人にはお勧めの1冊です。
題材の都合上、ところどころに法律の条文が出てきて慣れない人には読みにくいかもし
れませんが、総じて「何かおかしい」の「何か」についてよく書かれています。簡単にま
とめると、その「何か」とは、
・この法律で個人情報とするところが広すぎること
・プライバシー=個人情報という誤認識が世間でまかり通っている
・マスコミを始めとする、世の中の反応が過剰であること
です。これらのことが「学級の緊急連絡網が作れない」「病院で(個人の名前を呼べないた
め)番号で呼び出ししている」といったような「おかしな事態」を導き出しているわけで
す。
この本には書かれていませんが、この法律はこのように「厳しすぎる」一方、ザル面も
あるわけで。個人的には「第三者による名簿の売買」を罰則付きで禁止し、もっと踏み込
んで「その保有」も禁止すべきだと思います。
(http://www.diary.ne.jp/user/16168)
***********************
・青柳武彦『個人情報「過」保護が日本を破壊する』(ソフトバンク新書)
今回、東京の書店で上記の本を見つけて購入、コンサートの休憩時間などに読んだので
すが、共感できる箇所が多かった。私は個人情報保護法施行以後の状況には少なからぬ疑
問を抱いておりまして、同感だという方々には一読を勧めます。ヨーロッパの類似法との
違いなどにも言及されていて、日本の異常さがよく分かりますし、何より個人情報は表に
出すことによって利益となる部分も多いわけで、何でもかんでも「個人情報」だからと言
って隠すと社会が動いて行かなくなる、という指摘が貴重でしょう。本掲示板でも、最初
から匿名なのになぜか「プライバシー」などとおっしゃる摩訶不思議な方が登場したりし
ます(笑)。個人情報は不必要に保護しない、という分別も持たなければ。
いや、みなとさんが予定をお書きにならないのは、それはご自分の好みの問題であって、
私がとやかくいう事柄ではありません。上に書いたことは、最近の風潮への全般的な疑問
7
です。
( http://72.14.235.104/search?q=cache:H5uq3a6ZqMAJ:www2.ezbbs.net/32/klassik/+%
E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%80%8C%E9%81%8E%E3%8
0%8D%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%9
2%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E3%81%99%E3%82%8B&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=23)
***********************
『個人情報「過」保護が日本を破壊する』青柳武彦
『行き過ぎた個人情報保護に警鐘を鳴らす一書』だそうで,『国際的な潮流に逆行する法律
の施行が、個人情報「過」保護を生み、ビジネスの効率や日本社会の美しい特質を蝕んで
いる。このままでは、日本は息の根を止められてしまう。現行の個人情報保護法の恐るべ
き正体を解き明かし、合法的対抗を呼びかける警世の一書。』とあります。
確かに,最近色んな所で「個人情報保護法」について目にするんですが,その度に何か違
うなって思ってました。が,この本を読んでスッキリ。そういう事だったんですね。(^_^;)
\('_') オイオイ...
しかし,
「ソフトバンククリエイティブ」なんて始めて知った。色々出してるみたいですが。
(http://plaza.rakuten.co.jp/chemian/)
***********************
個人情報「過」保護が日本を破壊する
適当に取って今読んでいる本。
ソフトバンクみたいなネット企業が文庫!?って思ったけど、もともとは出版事業をや
ってたのか。
うちの会社は特にセキュリティに敏感だし、内部統制にも力を入れている。この本で息
苦しい会社として代表となっている、フリーアドレスも導入しているし、パソコンもロッ
カーで管理し持ち出し禁止。
この本、何で気になったんかなって思ったのか。今会社にいてセキュリティに結構自分
自身が窮屈な感じを受けているからだな。保護しすぎると監視社会にいるみたい。ISO 認
8
証が現在製造業では特にすすんでるみたいだけど、飛込みで行ったお客さんに「ISO のせ
いで書類も増えたし、手順もきめられているから仕事の効率が悪くなったし生産性が落ち
た」っていう話を聞いた。ルールを敷くっていうのは行動基準、意思決定基準を作るうえ
で良いと思うけど、そこさえ守れば・・・っていう感じにもなる。
法人だけじゃなく、個人で見てみると、個人情報ってのは 1 人 1 人それぞれが必ず持っ
ているもので、身近すぎて解り易すぎるものだから皆過敏に反応するんだろう。こんな法
律ヒトが性悪説の下で成り立っているよね。また個人の情報を保護し、規制するから、た
いして価値の無い情報が売買されるようなネタになるんだよ。いつか、携帯を無くしたら
友人を調べる手立てが無くなる時代が来るのか。それを避けるために友人の情報を常にバ
ックアップを取る時代が来るのか。そして、それがまた流出して、いつか情報を漏らした
法人(YahooBB とか楽天とか)だけじゃなくて、情報をウィニーとかで取られた個人が訴
えられる時代が来るのか。またまた、個人にも P マークのような情報管理における資格が
出来るのか。
たいした事無い情報にも価値を生んでしまった。監視社会は嫌である。
(http://ameblo.jp/fs021213/)
***********************
『個人情報「過」保護が日本を破壊する』 青柳武彦,ソフトバンク新書
2006 年 11 月 06 日
先日プライバシー概念の拡張について疑問を提起しましたが,やはり私と同じ問題意識
を持っている人はいるもんだ。本当に保護すべき個人情報は何かを吟味せずに個人情報保
護を叫ぶ風潮に,一石を投じています。
要点は,個人情報保護法は,プライバシー権に属するか否かを問わず,氏名等の情報も
保護の対象にしていますが,それは広すぎ,というもの。そうです。氏名はプライバシー
ではないのです!
プライバシー権の定義,現在では「自己情報コントロール権」という定義の仕方が流行
っていますが,これは実は「自己情報」が何であるかを何も定義していないのです。つま
り,この定義は,「自己情報をコントロールすること」がプライバシー権を保護する手段
として有用であることを語っているにすぎず,保護すべき情報が何であるかを明確には語
っていないのです。なお,高度情報化社会において,自己情報をすべて自分でコントロー
ルすることなど,土台不可能です。
しかるに個人情報保護法は,氏名を含む「すべての個人情報」を保護の対象にしている。
「プライバシー」が何かを,国民1人1人が自分の頭でしっかり考えることが必要では?
9
(http://blog.goo.ne.jp/05tatsu/1)
筆者は弁護士
***********************
『個人情報「過」保護が日本を破壊する』
個人情報保護法が施行されたのは、2005 年4月である。いったん新しいルール(法律)が制
定されると、それをきちんと守ること、必要以上に厳格に適用しようとする傾向が、日本
人にはないか。いつの間にか目的と手段を取り違えていることが。
今や個人情報保護をたてに、国税調査を拒んだり、緊急連絡ルートに電話番号を載せるこ
とを拒む人もいるようだ。あのJR福知山線の電車脱線事故で、入院患者の氏名とかの公
表を拒んだ病院があったそうだ。肉親の安否の確認はどうするのか。
名前や住所、電話番号といった個人識別のための基本情報が、今までのように気軽にやり
とりできなくなっている。
本書は、この過敏な反応が社会生活や経済活動にいろいろな好ましくない影響を及ぼして
いるという。匿名社会になってしまうとか、ビジネスが滞ってしまうとか、人々がお互い
に孤立してしまうなど、多くの不都合を生じてしまうだろうと。
データ漏洩などのセキュリティ問題と、プライバシー権侵害問題とをはっきりと分けて考
えなければいけない。全く違う問題なのだ。そして、現行法の最大の問題点は、対象範囲
が不必要に広く、すべての個人情報を十把ひとからげに扱っていることだという。
たしかに、じっくりと耳を傾けるべき見解だと思う。
◆ 『個人情報「過」保護が日本を破壊する』 青柳武彦著、ソフトバンク新書、2006/10
(http://kkana.exblog.jp/)
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「エンジニアが読む百冊」のサイトに紹介されている。
(http://book100.blog80.fc2.com/blog-entry-61.html)
***********************
まだ読んでないけれど、読まなくても言いたいことがよく判るタイトルです。このことに
敏感な人はタイトルだけでも鼻血を出すかも。
(http://bolinc.net/?p=423)
10
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