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在宅ケア(訪問看護)

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在宅ケア(訪問看護)
在宅ケア(訪問看護)実習
(Early Clinical Exposure Program Ⅳ:Healthcare at Home)
【責任者:鈴木 敬一郎 医学教育センター長、成瀬 均 教授、
高橋 敬子 准教授、今西 宏安 准教授】
〔医学教育センター〕鈴木 敬一郎 医学教育センター長、
利木 佐起子 非常勤講師、
笹沼 直樹 非常勤講師(理学療法士)
〔医学教育学〕成瀬 均 教授、今西 宏安 准教授
〔医療人育成センター〕平山 亜矢子 非常勤講師(看護師)、
比留間 ゆき乃 非常勤講師(看護師)
〔血液浄化センター〕小西 尚美 師長
1.教育目標
1.医療の時間軸を理解し、医療が病院外や家庭でも行われていることを学ぶ。
2.家族・地域社会を理解し、医療が家族や地域社会によって支えられていること
を学ぶ。
3.訪問看護という職種を理解する。
4.チームワーキングの素養を獲得する。
5.医学部は社会に開かれた学部であることを理解すること。
2.行動目標
訪問看護ステーションで訪問看護師とともに行動することで在宅ケアの実際を体
験する。
3年生というのはある程度の知識はあるが、診察など実技はできない。医療者にな
りきる前に、一般の方に近い視点から医療の現実を見て、感じて、考えて欲しい。
1.疾患を持った患者は、ある時期は病院で医療を受け(病院医療)、そして地域
社会に戻る。慢性疾患、難治性疾患では病院医療後の地域社会での医療(病院後
医療)が患者・家族を支えることになる。このように、医療には、病院前医療
(予防医学・健康増進)、病院医療、そして病院後医療という時間軸がある。在
宅医療は地域医療の大きな柱の一つであり、介護保険導入によりますますその重
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高橋 敬子 准教授、高橋 友子 非常勤講師、
要性が増す分野でもある。訪問看護ステーションは高齢者医療ばかりでなく、難
病の長期支援、慢性疾患のフォロー(例えば、在宅リハビリなど)、末期癌患者
の在宅ケアなども行っている。病院後医療の一つである在宅ケアを知ることによ
り、医療における時間軸を理解する。
2.在宅ケアでの患者支援の主役は家族である。患者を支える家族そして家庭の存
在を考え、また地域社会と患者・家族の生活支援との関連を考える。
3.在宅ケアは医療の場が家である。病院医療では病室である。医療が行われる
「場」の違いについて考える。現在ではかなり高度な医療を在宅で行えるように
なっている。同じ医療を病院で行う場合と家で行う場合の相違について考える。
4.医療を支える医師以外の職種は多岐にわたる。チーム医療の素養を身に付ける
ためには、医師以外の職種の理解が必要である。本実習では、その一つとしての
訪問看護、という仕事について理解を深める。
5.将来、医療人として多職種の人たちとチームを組んで、患者中心の医療が実践
できる素養を養う。人から学ぶ態度を育てる。
6.医学部は社会に開かれた学部であり、単なる学生-教員の関係のみで成り立っ
ているのではないことを自覚する。
7.職場の秩序を理解し、社会人としてのマナーとルールを守る。
3.日程
平成29年1月10日(火)5時限目:オリエンテーション、配属先の説明、個人情
報保護の説明と誓約書提出。欠席の場合は実習に参加できない。
平成29年2月17日(金)5時限目(TBLまとめ試験終了後):直前オリエンテー
ションならびに身だしなみ検査。欠席の場合は実習に参加できない。
平成29年2月21日(火)~23日(木)のうち2日間あるいは、27日(月)~3月
1日(水)のうち2日間で実習を行う。他に1日オリエンテーションの場合があ
る。日程については施設によって異なる。ただし実習中は本学の講義時間は一切適
用されない。早朝より夜間に至る場合もあるが、すべてご協力いただく訪問看護施
設に合わせること。自己都合による早退は認めない。
3月3日(金)1~5時限:発表会、質疑応答、反省会。
最初から最後まで参加し、自分の発表以外もすべて真摯な態度で聞き、活発な質
問を行うこと。場合によって終了時刻が延長する場合もあるが、早退は認めない。
欠席、遅刻、早退は不合格にする場合がある。
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やむを得ない事情による欠席は、一度だけ追実習を行う。予定は3月15日(水)
~17日(金)であるが、変更する場合がある。追実習を実施した場合、発表会は翌
週の予定である。
なお、施設側の都合(インフルエンザ、ウイルス性腸炎などの感染症流行、職員
配置の問題など)で実習施設を急遽変更する場合や追実習期間に実習を行う場合が
席は認めない。
4.参加要件
①健康診断受診し感染症などの異常のないこと、
②4種予防接種(麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘)ならびにインフルエンザ
予防接種済みであること。インフルエンザ予防接種は平成28年12月28日午後5
時までに本学での接種あるいは接種証明書提出(外部医療機関で接種の場合)
がない場合は本実習参加不可とする。体質的に接種できない場合など止むを得
ない事情がある場合は診断書を持って学生保健室に相談すること。
③身だしなみに注意:学生は、患者さんを訪問看護するのに相応しい服装、髪
型、履物を身につけるのは当然である。不適切な学生は参加させない。患者さ
んが、不審に思ったり不快に思ったりされないような髪型、服装、履物着用の
こと。髪の毛は感染予防の観点から白衣に接触させないこと。女子で肩にかか
る場合はお団子にすること。白衣にかかる長さの場合はポニーテールではな
く、団子状に上にまとめること。男子は襟にかからないこと(後ろでまとめる
のは禁止)。白衣はこまめに洗濯し交換すること。前日は入浴し、早めに就寝
すること。二日酔いは厳禁。茶髪、長髪、かつら、ぼさぼさの髪、長い前髪、
すべての種類の髭、無精ひげ、長いもみ上げ、ペインティングした爪、刺青
(tattoo)、破れたズボン、ずり落ちたズボン、スリッパ、下駄、指輪やアク
セサリー、過度な化粧、香水、茶髪を隠す黒彩などは不可。靴下は白色無地で
あること。カラーコンタクトは禁止。名札は胸の位置に付け、首から掛けるタ
イプは禁止。事前にチェックを行う。
施設から指定がある場合はその指示に従うこと。適切であるかどうかを判断す
るのは本人ではなく他人である。患者さんの立場にたって不快でないと思われ
るようにしなくてはならない。特に今回は患者さん宅を訪問するため、早期臨
床体験実習やエスコート実習より注意すること。
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ある。必ず追実習期間も予定を空けておくこと。個人的都合やクラブ活動による欠
5.学習上の注意事項
1.実習受け入れ訪問看護ステーションでは日常業務の上に、皆さんのための実習
指導をしてくれることを忘れないこと。集合時間の15分前には所定の服装に着替
えて集合場所に到着し、静かに待つことが、医療を学ぶ者の心得である。学生が
遅刻したり、集合場所を間違えたりすれば、訪問看護師さんたちの業務を妨害す
ることになる。明らかにステーションの日常業務を妨げた場合、その学生の実習
は中止することになる(この判断は、ステーションの管理者にお願いしてあ
る)。充分注意すること。ステーションの皆さんは、医学生が在宅医療の現場を
知ることに賛同し、実習を受け入れて下さっている。また、ステーション側は事
前に患者さんとそのご家族に医学生の実習の了解を取って下さっている。学生
は、この実習が患者さん・ご家族とステーション側の厚意で実現していること
を、決して忘れないこと。 遅刻、居眠り、だらしない態度は不合格とする。特に
遅刻に言い訳は無用である。電車の延着は理由にならない。電車の多少の遅れを
見込んで予定を立てること。どうしても遅れる場合は、所定の時刻の前に電話連
絡すること。
2.実習初日のステーションでのオリエンテーションはこれから患者さん接するに
当たり、重要注意事項が説明される。この初日の朝のオリエンテーションに遅刻
した学生には実習の参加を認めない。
3.患者さん宅にあがり、患者さんとその家族に接することになります。服装、挨
拶、自己紹介「兵庫医大の学生の~~です。よろしくお願いします」、立ち居振
舞いなどの基本的マナー、そして医学生、医療関係の学生としてのモラルを守る
こと。患者さん宅での居眠りは決して許されない。自分の家に他人が学習目的で
入ってくるということがその家の人にとってどのように感じるか、想像してみる
こと。身分証明書としての写真付き学生証を必ず着用すること。患者さんとご家
族のプライバシーを必ず守ること。
4.学生が自ら積極的に実習に参加しないと得るものはない。自ら学ぶ態度が患者
さん、ご家族、そしてステーションのスタッフに伝わる。自分の行動、態度に責
任を持つこと。
5.患者さんの自宅にあがり、患者さんとそのご家族に接する実習である。説明会
ならびに実習に1つでも事前の報告なく欠席した場合は在宅ケア実習への参加を
許可しない。
6.体調不良の場合は無理をしないこと。追実習を行うので早めに連絡し、診断書
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を提出すること。無理に実習参加してインフルエンザ、感冒、感染性胃腸炎など
の感染症を入所者、利用者、患者さん、スタッフに感染させることは犯罪に等し
く、不合格に値する。
6.実習受け入れステーション
八尾市などの40以上のステーションに実習を受け入れて頂く予定。配属先は大学が
決定し、後日発表予定。
7.実習の内容
実習初日もしくは事前に訪問看護ステーションの方からオリエンテーションがあ
る(集合時間・場所については後日通知する)。その後は原則として訪問看護師さ
ん一人に学生一人が同行し、患者さん宅を訪問する。学生は訪問看護師さんの指示
に従ってその仕事の手伝いをする。患者さんによっては、学生が家の中に入ってく
ることを拒否することがある。その時は患者さん宅の前で待つことになる。看護行
為の種類によっては患者さんのプライバシーのために、学生にその場から離れるよ
うに、との指示が出ることもある。特に異性患者さんへの配慮を忘れないこと。
実習指導者には、学生が介護の知識・技術のトレーニングをしていないことを伝
えてある。学生ができることは何でもさせて下さるようにもお願いしてある。実習
形態はクラークシップ、即ち丁稚奉公形式である。学生から「何かお手伝いするこ
とはありませんか?」と積極的に聞くこと。実習が患者さんの家で行われているこ
とを忘れないこと。
医療は人間の営みすべてに関わることなので、入浴介助、体位変換ばかりでな
く、排泄に関係することも学生は手伝うことになる。
実習で見たこと、感じたことなど疑問点は実習指導者に積極的に質問すること。
学生が自分の意見をステーションのスタッフと議論することは、重要なことであ
る。積極的な関わりを持つようにすること。
ステーションでは患者さんのカルテを見ることになる。カルテには患者さん本人の
ことばかりでなく、ご家族のことも記載されている。守秘義務を守る必要がある。
実習は必ずしも午後5時に終了するとは限らない。その日実習指導をして下さる
看護師さんの業務によっては遅くなることもある。場合によっては、夕方に急患が
入ることもあるかもしれない。その日の実習指導者を裏切ってはいけない。実習時
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西宮市、芦屋市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、川西市、神戸市、大阪市、豊中市、
間を延長してよい、とステーションに通知してある。また、実習開始時間もステー
ションに決めていただく。9時より前に実習が開始されることもある。
学生はあくまでも医学または医療関係を目指す学生としての自覚を持って行動す
ること。一般の学生にはこの実習のように他人の家に入り、患者さんやご家族のプ
ライバシーに接することはありえない。兵庫医大の学生であるからこそ、そして期
待があるから、患者さんやご家族が家に入るのを許してくれている。学生は実習
中、人から見られているということを決して忘れてはならない。
実習最終日にはステーションで反省会がある場合も多いと思われる。実習を振り
返ってみること。
最後にもう一度強調する。
お世話になる施設は教育機関ではない。良い医療者を育てるためにボランティア
で教育を引き受けて頂いている。積極性のない者は邪魔なだけである。
医師の視点からの実習ではなく、医師という鎧を着る前の柔軟な視点から観察
し、感じ、考えるのが目的である。血圧測定など医師の真似事は目的でない。そん
なものは大学でいくらでもできる。
8.実習時の服装、持参する物
1.写真付き学生証(これは身分証明書となる。写真付き学生証不携帯者は実習に
参加できない。)学生証の再発行には1週間程度は必要である。間に合わない場
合は自己責任であり、実習参加は認めない。
2.訪問看護ステーションによって指定がある場合はそれに従う。指定がない場合
は、上はポロシャツ、下は長ズボン(ジーンズ禁止)、ソックスを着用。運動靴
を着用。雨具(ビニールのカッパ)、ハンドタオル3枚、替えのソックス3足、
着替え一式、筆記用具、マスクを持参する。服装の色、形については、下記の
(5)を参照。許されれば防寒衣(派手な色、デザインは避ける)。
3.実習時間中は禁煙とする。禁煙誓約書を必ず提出すること。
4.上記にもあるが、繰り返す。ピアス、指輪は外す。男性の茶髪、長髪は禁止す
る(アルビノの傾向がある学生は前もって申し出ること)。女性で長い髪の場合
は、束ねること(感染防御の基本である)。訪問看護ステーションへ伺うときの
服装にも注意すること。履物は着脱しやすいものを選ぶこと。
5.服装については、医学部学生が実習のために患者さん宅にあがらせていただく
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のに患者さんとそのご家族が不快に思わないようなものにすること。患者さん宅
では、学生は正座することが多いと思われる。Gパンは禁止。あまり原色の強い服
装では高齢の患者さんが嫌がると思われる。清潔感を与え、なおかつ患者さんを
介助し易い服装を心掛けること。なお、一部のステーションでは移動手段として、
自転車を利用する場合もある。自転車に乗れない場合は事前に申し出ること。
7.自動車の使用は厳禁。訪問看護施設への往復はもちろん、訪問看護で乗車する
自動車の運転は厳禁。
9.実習期間中の昼食について
昼食は各自で用意すること。ステーションの近くにはコンビニ、レストランなど
がある。給食などはない。
昼食時間をステーションで過ごすことによって、スタッフの人たちとの交流が深
まると思われる。
10.成績の評価方法・基準
出席、各ステーションからの評価、実習態度、Daily Log、レポートなどを総合
的に評価する。患者さん、入所者、医療スタッフ、職員などとのトラブルは厳禁。
内容に応じて不合格だけでなく、厳しい懲戒処分の対象となる。
実習初日の朝のオリエンテーションに遅刻しないこと。実習期間中、無遅刻、無
欠席であること。
学習上の注意事項を守ること。訪問看護ステーションの日常業務を妨げないこ
と。明らかにステーションの日常業務を妨げた場合は、ステーション管理者の判断
で、当該学生の実習を中止するよう、依頼してある。ステーションから学生に対す
るクレームがきた場合は、責任者の判断により学生を大学に呼び戻し、事情を聴取
し、実習遂行が可能かどうか判断する。実習遂行が困難と判断した場合、当該学生
の単位は認定できない。
患者さん宅での立ち居振る舞いは重要な単位認定要件となる。
ステーション(時に患者さん)への聞き取り調査の内容。
レポートの期限を守り提出すること。レポートは発表会の当日17時までに提出の
こと。提出方法はMoodleによる予定であるので、指示を守って提出すること。レ
ポートは冊子に製本し、訪問看護ステーションに配布する。
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6.原則として緊急以外の携帯電話の使用を禁止する。
体調不良など止むを得ない事情である場合は一度だけ追実習の機会を設ける。
この科目の不参加、態度不良。故意による情報漏えい、医学生として相応しくな
い情報の発信(ブログやtwitterを含む)の場合は、44点以下とする。
遅刻、居眠り、無断早退、積極性見られないなどの評価の場合は、不合格の上、
程度により64点、54点、44点以下の評価とする。
繰り返すが、配属される施設、部署によって実習内容や評価基準が異なるのは当
然である。真摯な態度で積極的に参加すれば不合格になるはずはない。実習目的の
無理解、止むを得ない理由のない欠席・遅刻、服装の乱れ、態度不良、居眠り、積
極性欠如などは当然不合格である。自信のない者は進級にかかる教育的配慮を受け
られるように、他の科目・カリキュラムにすべて合格すること。
なお、この科目は医師となる資質を涵養し、その成長を評価するための科目であ
る(Fitness to Practice)。この科目外であっても医学生に相応しくない行動、態
度があると思われた場合は、教務委員会等における審議を経て、受講不可もしくは
不合格とする場合がある。
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