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SMA ダブルディスク法を用いたスクリーニング検査が陰性の VIM

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SMA ダブルディスク法を用いたスクリーニング検査が陰性の VIM
721
原
著
SMA ダブルディスク法を用いたスクリーニング検査が陰性の
VIM-1型メタロ―β―ラクタマーゼ産生Pseudomonas aeruginosaによる
アウトブレイク
1)
神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部,2)同 呼吸器内科,3)同 小児科,
4)
三木
春田
同 感染管理室,5)国立感染症研究所細菌第二部
寛二1)4) 竹川
恒和3)4) 山根
啓史1)4) 江藤
一和5) 荒川
正明1)4) 林
宜親5)
三千雄2)4)
(平成 22 年 5 月 19 日受付)
(平成 22 年 8 月 3 日受理)
Key words : VIM-1, metallo-β-lactamase, multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa(MDRP)
,
SMA disk method, outbreak
要
旨
2007 年 9 月から 2008 年 7 月の期間に,当院において入院患者 35 名におよぶ VIM-1 型メタロ―β―ラクタ
マーゼ(MBL)産生 Pseudomonas aeruginosa のアウトブレイクを認めた.分離菌の薬剤感受性は全株がペニ
シリン系薬,セフェム系薬,カルバペネム系薬,フルオロキノロン系薬に高度耐性を示し,amikacin に感
性または中等度耐性(8∼32 μg!
mL)であった.分離菌全株はメルカプト酢酸ナトリウム(SMA)ディス
クによる MBL スクリーニング検査が陰性であったが,MBL 検出用プライマーセットを用いた PCR 法で
VIM-1 型 MBL 遺伝子を認めた.パルスフィールドゲル電気泳動法による分離株の相同性は 85% 以上で,同
一の菌株に由来するクローンである可能性が高いこと,日本ではこれまで分離されたことのない VIM-1 型
MBL 産生株であったことに加え,疫学的な調査を行った結果,本事例は VIM-1 型 MBL 産生 P. aeruginosa
によるアウトブレイクと判断された.
本事例では多剤耐性緑膿菌(MDRP)や MBL のスクリーニングだけでなく日頃から薬剤耐性パターンを
監視していたことがアウトブレイクの早期発見につながったと考えられた.
〔感染症誌
序
文
84:721∼726,2010〕
マーゼ(MBL)産生 P. aeruginosa や,カルバ ペ ネ ム
近年の医学は高度先端医療を広く提供できるように
系薬,フルオロキノロン系薬およびアミノ配糖体系薬
なった反面,その治療過程での感染症のリスクを避け
の 3 系統の抗菌薬に耐性を示す多剤耐性緑膿菌
て通れないのも現状である.易感染者に日和見感染症
(MDRP)による感染症は治療に難渋することも多く
や院内感染症を起こす原因菌の一つに Pseudomonas
深刻な問題になりつつある1)2).
aeruginosa がある.P. aeruginosa は従来から消毒薬や
MBL は IMP 型と VIM 型が主に臨床の場で問題と
抗菌薬に抵抗性を示す傾向があるが,近年は多種類の
VIM
なっており,海外では IMP 型は 1∼22 までの型3),
抗菌薬に対して耐性を獲得した多剤耐性菌が増えてき
型は 1∼18 までの型4)の存在が報告されている.わが
ている.その中でもペニシリン系薬,セフェム系薬,
国では 1996 年に IMP-1 型が全国的に存在することが
カルバペネム系薬を加水分解するメタロ―β―ラクタ
報告され5),2003 年には IMP-2 型,VIM-2 型6),その
後 IMP-7 型,IMP-10 型7),VIM-6 型8)などの存在も報
別刷請求先:
(〒650―0046)兵庫県神戸市中央区港島中 町
4―6
神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技
術部
三木 寛二
平成22年11月20日
告されている.一方,MBL 産生菌の検査法には PCR
法を用いる遺伝子検出法と,EDTA,チオール化合物
などが MBL 活性を阻害することを利用したダブル
722
三木 寛二 他
Table 1 Antimicrobial agent susceptibility among 35 P. aeruginosa isolates
Antibiotic
Category
PIPC
IPM
CAZ
CTX
CPR
SBT/CPZ
AZT
AMK
S
8
16
4 (11)
27 (78)
32
I
R
GM
LVFX
8
4 (11)
1 (3)
≧ 128
≧ 16
≧ 32
≧ 64
≧ 32
≧ 64/16
16
≧ 32
≧ 16
≧8
35 (100)
35 (100)
35 (100)
35 (100)
35 (100)
35 (100)
6 (17)
29 (83)
34 (97)
35 (100)
MIC μg/mL/strains (%) S: sensitive, I: intermediate, R: resistant
ディスク法による MBL スクリーニング検査が広く知
MBL 遺伝子検出の PCR 条件は柴田ら6)の方法に準
られている.わが国では MBL ダブルディスク法試験
拠し,プライマーは IMP-1 型および IPM-2 型を柴田
用のメルカプト酢酸ナトリウム(SMA)含有ディス
ら6),VIM-1 型を Tsakris ら10),VIM-2 型を Poirel ら11)
クが市販されており,どこの細菌検査室でも特殊な機
の報告に従った.PCR 産物は 3% アガロースゲルを
器を必要とせずに簡単に感度良く MBL 産生菌を検出
用いた電気泳動で,IMP-1 型は 587 bp,IMP-2 型は 678
できるようになった.しかし,今回我々は入院患者 35
bp,VIM-1 型は 261 bp,VIM-2 型は 786 bp に相当す
9)
名におよぶ,SMA ダブルディスク法 MBL スクリー
るバンドの有無を確認した.塩基配列の決定は Juan
ニング検査が陰性の VIM-1 型 MBL 産生 P. aeruginosa
ら12)の VIM-1 型プライマーを用い,得られた PCR 産
によるアウトブレイクを経験したので報告する.
物を鋳型として BigDye Terminater v3.1 Cycle Se-
対象および方法
quencing Kit(Applied Biosystems)でラベリングし,
1.対象菌株
Applied Biosystems 3130xl ジェネティックアナライ
対象菌は 2007 年 9 月から 2008 年 7 月の期間に細菌
ザー(Applied Biosystems)で塩基配列を決定した.
検査室に提出された入院患者の喀痰,尿,便などから
得られた塩基配列は NCBI
分 離 さ れ た P. aeruginosa で,imipenem(IPM)お よ
BLAST ( http:!
!
blast.ncbi.nlm.nih.gov!
Blast.cgi) を
び ceftazidime(CAZ)に耐性,amikacin(AMK)に
用いて相同性の比較を行った.
感性または中等度耐性を示した 35 症例由来の 35 菌株
である.
2.菌株の同定および薬剤感受性
分 離 菌 株 の 同 定 お よ び 薬 剤 感 受 性 は MicroScan
GenBank 登録データと
5.パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)に
よる DNA 解析
PFGE によ る DNA 解 析 は 35 株 に つ い て 行 っ た.
PFGE は CHEF
Mapper(BIO-RAD)を使用し,制
WalkAway システムの Neg Combo 6.11J パネル(SIE-
限酵素は Spe I を用いた.PFGE により得られたバン
MENS)を用いて行った.薬剤感受性検査は Clinical
ドパターンは Fingerprinting II(BIO RAD)を用い
and Laboratory Standards Institute(CLSI)M100-S19
て解析した.
結
に準拠して微量液体希釈法で MIC を測定した.検査
した薬剤はつぎのとおりである.
果
1.対象菌株の同定と薬剤感受性成績
Piperacillin(PIPC)
,cefpirome(CPR)
,ceftazidime
対象菌株はすべて P. aeruginosa と同定された.薬剤
(CAZ)
,cefotaxime(CTX)
,aztreonam(AZT)
,sul-
感受性は 35 菌株のすべてが AMK に感性(8 μg!
mL∼
bactam!cefoperazone( SBT!CPZ),imipenem(IPM),
16 μg!
mL)または中等度耐性(32 μg!
mL)を示した
gentamicin(GM),amikacin(AMK),levofloxacin
が,PIPC(≧128 μg!
mL)
,セフェム系薬(≧32 μg!
(LVFX)
.
3.SMA ダブルディスク法による MBL スクリーニ
ング検査
MBL 産生菌の確認試験には市販の SMA ディスク
(KB ディスク;栄研化学)と IPM および CAZ ディ
スク(センシディスク;日本 BD)を用い,検査法は
SMA ディスク取扱説明書に従った.
4.PCR 法による MBL 遺伝子の検出
mL または≧64 μg!
mL)
,IPM(≧16 μg!
mL)
,AZT
(16 μg!
mL∼≧32 μg!
mL)
,LVFX(≧8 μg!
mL)に
はすべて耐性であった(Table 1)
.
2.SMA ダブルディスク法による MBL スクリーニ
ング検査成績
35 菌株は SMA の作用による明瞭な阻止円の拡大
形成がほとんど認められず,全株が陰性と判定された
(Fig. 1)
.
感染症学雑誌 第84巻 第 6 号
VIM-1 型 MBL 産生緑膿菌によるアウトブレイク
723
Fig. 2 PCR MBL gene detection
L: DNA size marker (100 bp ladder)
1: PCR product of blaIMP-1 gene
2: PCR product of gene in isolates
Fig. 1 Phenotypic MBL producer detection using
SMA
3.PCR 法による MBL 遺伝子検出成績
PCR 法では 35 菌株のすべてにおいて 261bp 付近に
VIM-1 型の PCR 産物が認められたが,IMP-1 型,IMP2 型および VIM-2 型の MBL 遺伝子を示す PCR 産物
は認められなかった(Fig. 2)
.得られた PCR 産物の
塩基配列は blaVIM-1 と 100% 一致した.
4.PFGE を用いた DNA 解析結果
アの大学病院の臨床検体から分離された多剤耐性の緑
35 株の PFGE は互いに類似したバンドパターンを
膿菌を EDTA ダブルディスク法,PCR 法などによっ
示した.系統樹解析では 1 株を除く 34 株は 90% 以上
て VIM-1 型 MBL を確認したのが最初である.その
の相同性が認められ,全株でも 85% 以上の相同性が
後ギリシャ,フランスなどヨーロッパ各地で検出され
あり(Fig. 3)
,VIM-1 型 MBL 産生 P. aeruginosa によ
ている10)16).VIM-1 型 MBL 産生菌は IMP 型と同様に
るアウトブレイクの可能性が高いと判断された.
Escherichia coli,K. pneumonie,C. freundii,Enterobacter
cloacae,A. baumannii など多菌種に認められている17).
5.対象患者情報
VIM-1 型 MBL 産生 P. aeruginosa が検出された患者
ヨーロッパ諸国で分離された VIM-1 型の薬剤感受
は 27 歳から 87 歳(平均年齢 70 歳)の男性 23 名,女
性はペニシリン系薬,カルバペネム系薬,セフェム系
性 12 名の 35 名であった.診療科別では泌尿器科 9 名,
薬,アミノ配糖体系薬,フルオロキノロン系薬および
免疫血液内科 8 名,神経内科 5 名,呼吸器内科 4 名,
sulbactam!cefoperazone(SBT!CPZ),tazobactam!
心臓外科,脳神経外科,循環器内科がそれぞれ 2 名,
piperacillin(TAZ!
PIPC)や AZT に耐性であったと
消化器内科,耳鼻咽喉科,糖尿病内科がそれぞれ 1 名
報告されている10)15).今回我々が検出した菌株も同様
で,20 病棟ある中の 8 病棟にまたがっていた.
にペニシリン系薬,カルバペネム系薬,セフェム系薬,
考
フルオロキノロン系薬,AZT に耐性であったが,AMK
察
近年,臨床検体から分離されるグラム陰性桿菌にお
いてはカルバペネム耐性菌の増加が危惧されており,
には全株が感性または中等度耐性(8∼32 μg!
mL)を
示したところが異なっていた.
抗菌薬適正使用が推進されている.多くの細菌検査室
今 回 我 々 が 経 験 し た VIM-1 型 株 は SMA ダ ブ ル
では IPM に耐性を示す株に対して MBL 確認検査を
ディスク法が陰性であったことから,最初は MBL 陰
積極的に実施している.検出される MBL 産生菌は P.
性の多剤耐性菌として検査を終了していた.しかし,
aeruginosa , Acinetobacter baumannii , Serratia marces-
同じ薬剤耐性パターンを示す菌株が数株認められたこ
cens,Citrobacter freundii,Klebsiella pneumoniae,Morgan-
とから,再度 MBL の確認のため MBL 検出用プライ
13)
14)
.わが
マーセットを用いた PCR 法で検索したところ,VIM-
国で分離される MBL 遺伝子タイプは IMP-1 型が大部
1 型遺伝子が認められた.このことから,今回のアウ
分を占め,続いて VIM-2 型,IMP-2 型がまれにみら
トブレイクの早期発見は日頃から行っている分離菌の
れる程度で,VIM-1 型の報告はない.従って,今回
薬剤耐性パターンの監視が大いに役立ったと思われ
のアウトブレイク事例が国内初の検出例である.
た.
ella marganii など多菌種に認められている
15)
VIM-1 型の報告は 1999 年に Lauretti ら がイタリ
平成22年11月20日
石井18)は SMA ダブルディスク法が偽陰性を示した
724
三木 寛二 他
Fig. 3 Dendrogram of 35 VIM-1 MBL P.aeruginosa strain PFGE fragments
Fig. 4 Class C β-lactamase production detection
IPM: imipenem disk
MPM: meropenem disk
BA: 3-aminophenylboronic acid
IPM
IPM+BA
Fig. 5 Phenotypic MBL producer detection using
Etest MBL IP/IPI disk
IPI
IPI: IPM+EDTA
IP
IP: IPM
IPI(AB bioMerieux, Sweden)を用いて確認試験を
MPM
MPM+BA
実施したところ,我々の分離菌も全株陽性を示した
(Fig. 5)
.
PFGE の系統樹解析の結果,すべての菌株の相同性
は最も異なるものでも 85% 以上であった.Tenover
ら20)は 7 バンド以上の違いが認められる場合は異なる
クローンという基準を発表しているが,この基準は比
菌株について,AmpC-β―ラクタマーゼが関与してい
較的短期間のアウトブレイクの際に適応できるという
たことを証明している.我々の分離菌においても,
前提がある.今回のケースでは PFGE のバンドパター
Class C 型 β―ラクタマーゼの阻害剤である 3-アミノ
ンの違いが 7 バンド以上の株も認められた.しかし,
フェニルボロン酸19)を IPM,MEPM ディスクに添加
分離期間は 11 カ月の長期にわたっており,同一のク
して阻止円径の拡大を調べたところ阻止円の形成が認
ローンに由来する株においても,Tenover ら20)の基準
められ(Fig. 4)
,Class C 型 β-ラクタマーゼの関与が
以上のバンドの変化が認められる可能性があると考え
考えられるが,偽陰性の原因については今後の研究で
られる.さらに,今回分離された株は日本ではこれま
解析する予定である.なお,ヨーロッパ諸国で分離さ
でに分離されたことのない,非常に珍しい VIM-1 型
れた VIM-1 型は EDTA ダブルディスク法が陽性で
MBL 産生 P. aeruginosa であったことから,今回の分
15)
18)
あった
と報告されていることから,Etest MBL IP!
離株が同一のクローンに由来する可能性が高いと判断
感染症学雑誌 第84巻 第 6 号
VIM-1 型 MBL 産生緑膿菌によるアウトブレイク
された.
VIM-1 型 MBL 産生 P. aeruginosa による国内初のア
ウトブレイクを速やかに終息させ,今後の院内感染対
策の指標にするために,感染対策外部調査委員会(委
員長
山
京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学
智
一
教授)を設置して感染対策を実施した.10
診療科に広がった原因は一般病棟が複数科の混合病棟
であること,救急病棟,ICU 病棟を経由していたこ
とが考えられた.環境調査を行った結果,汚物槽周辺
からも VIM-1 型菌が検出され,患者の排泄物が交差
感染の場になった可能性は否定できないが,本事例で
は尿路留置カテーテル,気道吸引およびオムツ使用が
殆どの検出患者で認められ,耐性菌が保菌されやすい
状態であったことに加えて,医療従事者の接触感染予
防策が徹底されていなかったことがアウトブレイクの
原因と考えられた.感染対策は尿,喀痰,便の取扱い
時にガウン,手袋の着用,カテーテル尿回収容器を患
者別にして回収の都度ベッドパンウォシャーで消毒,
喀痰吸引瓶も交換の都度に消毒することによって接触
感染予防策の徹底を行った.
これらの対策の結果,
2008
年 8 月以降は菌の検出が認められず,アウトブレイク
は終息した.
細菌検査室は院内感染予防対策で重要な MRSA,
VRE,ESBL,MBL,Clostridium difficile な ど 多 く の
病院感染原因菌を監視する役割を担っており,耐性因
子の検査法をマニュアル化しておく必要がある.しか
し,今回のアウトブレイクをきっかけとして,院内感
染対策室へ発信する検出菌情報は耐性因子の検出だけ
でなく,日頃からの薬剤感受性サーベイランスも重要
と考える.
謝辞:この論文のデータの一部は厚生労働科学研究費補
助金(新興・再興感染症研究事業)薬剤耐性菌等に関する
研究(H18―新興―一般―011)により解析された.
文
献
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725
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726
三木 寛二 他
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Kunikazu YAMANE5) & Yoshichika ARAKAWA5)
1)
Department of Clinical Laboratory, 2)Department of Palmology, 3)Department of Pediatrics
and 4)Department of Infection Contorol, Kobe City Medical Center General Hospital,
5)
Department of Bacterial Pathogenesis and Infection Control, National Institute of Infectious Diseases
VIM-1 metallo-β-lactamase(MBL)producing Pseudomonas aeruginosa was isolated from 35 Kobe City
Medical Center General Hospital patients from September 2007 to July 2008. All but one were highly resistant to all β-lactams, aminoglycoside, and fluoroquinolone, and one susceptible to amikacin. Strains negative
to a disk diffusion screening test using sodium mercaptoacetate for detecting MBL numbered 35. PCR for
MBL indicated all strains were positive for blaVIM-1. These strains were indistinguishable by pulsed-field gel
electrophoresis, indicating an outbreak of infections caused by VIM-1 MBL producing Pseudomonas aeruginosa. After intervention to control contact, the outbreak was controlled.
感染症学雑誌 第84巻 第 6 号
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