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複十字病院呼吸器内科 後期臨床研修案内

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複十字病院呼吸器内科 後期臨床研修案内
複十字病院呼吸器内科
後期臨床研修案内
〒204-8522 東京都清瀬市松山 3-1-24
公益財団法人結核予防会 複十字病院
TEL 042-491-4111
http//www.fukujuji.org
【後藤元(ごとうはじめ)院長からのメッセージ】 当院は結核・呼吸器、がん、生活習慣病を医療の柱として
運営されています。呼吸器センターは、厚労省「結核高度専
門施設」、長崎大学「連携大学院」として結核研究所と協同
で大学院生を受け入れています。また、「東京都肺がん診療
連携協力病院」として、呼吸器内科・外科、放射線診断・治
療、化学療法の専門医とともに高度な肺がん医療を学ぶこと
ができます。間質性肺炎、COPD、呼吸器感染症など幅広い呼
吸器疾患は、優れた専門家と和気藹々の呼吸器カンファラン
スで症例を学ぶことが一番です。意欲ある方々の応募を期待
しています。
【指導医からのメッセージ】 複十字病院は、東京の郊外である清瀬市に位置しています。もと結核療養所であったこともあ
り、緑が多い広い敷地を有し、同じ結核予防会の研究部門である結核研究所と隣接して互いに協
力しながら診療と研究を行っています。
複十字病院は、呼吸器内科病床として162症(結核病床を含む)を有していますが、あまり
多くの研修医を採用してはいません。臨床研修の場では、知識や技術の習得に十分な症例数を経
験し、しっかり勉強できる環境を大切にしています。指導には多くの専門医が関わっており、研
修医の皆さんは初歩の知識から最新の技術に至るまで、呼吸器診療の全てを自分の目で直接見て
体験することができます。
呼吸器内科という診療科は、肺を主軸に各種疾患を取り扱う科です。肺は生命の維持に欠かす
ことができない「バイタルオーガン」ですので、肺を冒す疾患の治療というのは、医療の中で患
者さんの生死を左右することもある重要な位置を占めています。また、呼吸器疾患は社会とのつ
ながりのなかで診ていく必要があるものが多いのが特徴です。喫煙、大気汚染、吸入アレルゲン、
結核、石綿吸入など、疾患の治療や予防には単に医療技術だけではなく、疫学や公衆衛生学、社
会科学、心理学など人文科学的なアプローチが求められることがあり、診療や研究には大きな広
がりがあります。さらに、肺は外界に通じる気道が血管や間質と直接に接するという特徴がある
ため、単にガス交換をするだけではなく、外分泌や免疫、代謝・内分泌などに関わる非常に多く
の種類の細胞が存在して複雑な構造と機能を持っています。このため、肺病理には病理総論がす
べて揃っていて、その知識は他臓器疾患へ応用することができます。
呼吸器内科学には、まだまだ発展していく余地がたくさん残っており、診療・研究の現場での
若手の皆さんの活躍が求められています。呼吸器内科医を目指す医師の皆さん、私たちの仲間に
なりませんか。
1.コースの概要
呼吸器内科専門医養成コース
卒後2年間の初期研修終了後の呼吸器内科専門コースです。
複十字病院呼吸器内科での研修の最も大きな特徴は、若手医師一人一人に丁寧に研修指導を行
うことを重要視しているところです。自立して診療を行いつつも、呼吸器内科内の各専門領域
(腫瘍、慢性閉塞性肺疾患、びまん性肺疾患、感染症、結核・非結核性抗酸菌症、リハビリテー
ション、等)の第一線の専門医に気軽に相談しながら、専門性の高い知識を身につけることがで
きます。中堅医師層に厚みがあり、若手医師の研修には多くの医師が関わっていますので、初歩
から up to date な知識・技術まで身につけることが可能です。また、呼吸器放射線診断や呼吸
器病理診断の分野では、国内トップクラスの放射線専門医・病理専門医の指導を受けることがで
きますので、胸部CTなどの画像読影における高度なスキルを習得し、各種呼吸器疾患について
の理解を深めることができます。また、当院は多数の学会の教育認定施設であり、各学会認定
医・専門医取得について積極的な支援を行っています。国内外での学会報告、論文作成も常時行
われており、新しい知識が自然に身につくよう、互いに研鑽しあう環境づくりがなされています。
研修期間中には、当院に併設されている結核予防会結核研究所研修コースの受講が可能です。ま
た、女性医師の出産、育児に対する配慮等、個々の事情により勤務内容について柔軟な対応が可
能となっています。 長崎大学連携大学院
当院と結核予防会結核研究所は、国立長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 抗酸菌感染症学講
座 連携講座 「基礎抗酸菌症学」「臨床抗酸菌症学」を開設しており、臨床医として専門医資
格取得のための研修をしながら抗酸菌分野で大学院へ進学し博士号を取得することも可能です。 2.当院の沿革と特徴 当院は結核予防会結核研究所の臨床部として1947年に発足して以来、わが国の結核診療で
主導的役割を果たしてきましたが、近年では肺癌やCOPD、肺炎、気管支喘息、間質性肺炎、
非結核性抗酸菌症など、呼吸器疾患全般の診療に力を入れています。病院全体のベッド数は33
9で、呼吸器内科102床、呼吸器外科43床、結核60床で呼吸器疾患の診療を行っています。
結核については、全国に2か所の厚生労働省指定「結核医療高度専門施設」のひとつ(もうひと
つは独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)となっており、隣接する結核研究所
とも連携しながら、東日本各地から紹介されてくる多剤耐性結核、超多剤耐性肺結核など治療の
難しい症例を多数診療しています。また、非結核性抗酸菌症や肺真菌症などの難治性慢性肺感染
症では、呼吸器外科とも協力し、集学的診療で豊富な経験を有しています。 肺結核
細菌性肺炎
MDR-TB XDR-TB
間質性肺炎
内科治療
睡眠時無呼吸症候群
肺⾮結核性抗酸菌症
肺真菌症
肺癌その他の悪性
気管⽀喘息
慢性閉塞性肺疾患
および良性腫瘍
放射線治療
病理診断
放射線診断
外科治療
*呼吸器関連の学会施設認定と指導医・専門医などの数は次のとおりです。
(2014 年 6 月現在、重複取得者あり)
<日本内科学会教育関連病院>
総合内科専門医
認定内科医
7名
17 名
<日本呼吸器学会認定施設>
指導医
8名
専門医
14 名
<日本呼吸器内視鏡学会認定施設>
気管支鏡指導医
5名
気管支鏡専門医
6名
<日本がん治療認定医機構認定施設>
暫定教育医
2名
がん治療認定医
2名
3. 研修と研修体制 当院の呼吸器内科医師は現在常勤医20名で呼吸器病学のあらゆる領域にわたり経験豊富な指導医
がいます。 研修医は以下各項目を受講および研修します。 A.下記についての院内レクチャーを実施します. 1)結核診療の実際 吉山崇(日本結核病学会
評議員) 2)肺癌化学療法の実際 吉森浩三(日本がん治療認定医機構
暫定教育医) 3)気管支喘息の診断と治療 早乙女幹朗(日本アレルギー学会
4)COPDと酸素療法 吉田直之(日本呼吸器学会
指導医) 5)肺非結核性抗酸菌症の診療 倉島篤行(日本呼吸器学会
指導医) 6)肺真菌症の診療 佐々木結花(日本呼吸器学会
7)間質性肺炎の診療 内山隆司(日本呼吸器学会
指導医) 8)睡眠時無呼吸症候群 國東博之(日本呼吸器学会
専門医) 9)薬剤性肺障害と対策 矢野量三(日本呼吸器学会
専門医) 10)呼吸器疾患のCT読影 指導医) 黒崎敦子(日本医学放射線学会
11)肺炎の臨床、抗菌薬の使い方 後藤元(日本感染症学会
専門医) 放射線診断専門医) 指導医) 12)呼吸不全と人工呼吸器 森本耕三(日本呼吸器学会
専門医) 13)内科医に必要な外科手技 白石裕治(日本呼吸器外科学会
14)緩和医療の基礎と臨床 宮崎聡(日本麻酔科学会
指導医) 指導医) 15)内科医に必要な呼吸器病理学の基礎 河端美則(日本病理学会認定
16)疫学研究と臨床 野内英樹 (Johns
Hopkins 大学
病理専門医) 公衆衛生博士号) B.実地臨床研修 研修医は専門医の指導を受けながら診療に当たります。 <週間スケジュール> 月
火 AM7:30~
結核病棟回診
水
木
金 AM 8:15~
キャンサーボード
呼吸器内科研修医週間予定表
AM 9:00~
PM
気管支鏡検査
病棟診療
病棟診療
病棟診療
(呼吸器外科手術)
2A・3A 病棟回診
(呼吸器外科手術)
気管支鏡検査
病棟診療
病棟診療
病棟診療
PM 5:00~
難治例検討カンファ
抄読会
結核病棟カンファ
呼吸器外科カンファ
【カンファレンス風景】
キャンサーボードの様子 【気管支鏡検査】
シーメンス社X線CT、3Dワークステーションによる気管支ナビゲーション (気管支鏡検査実績) 総数 EBUS EWS ステント 2011年度 534件 0件 18件 6件 2012年度 584件 3件 18件 8件 2013年度 590件 33件 35件 12件 *医学雑誌などの閲覧について 医学中央雑誌ウェブ閲覧などは
呼吸器関係では多摩地区最大の
蔵書数を持つ結核研究所図書室
を利用できます。 C.結核研究所主催専門講習会に出席できます。(結核研究所は病院と同じ敷地内にあります。) <2014 年度
(公財)結核予防会結核研究所
医師・臨床コース
医学科
研修コース> 2014 年 11 月 27 日~29 日 結核診療に携わる内科または呼吸器科の医師を対象と
し、結核症の診断、治療、抗酸菌検査などの臨床的な内
容を学びます。複十字病院の臨床医が講師となり、非結
核性抗酸菌症との鑑別や症例検討など、結核の臨床に即
した内容を含みます。 結核対策総合コース
2015 年 1 月 19 日~30 日 結核に関する包括的な広義(結核の基礎、診断および治
療、抗酸菌検査、エックス線読影、感染症法、接触者健
康診断、非結核性抗酸菌症)に加え、ワークショップや他
職種との意見交換を行います。自治体で結核対策の中核
を担う医師として必要な、さらなる技術向上を目指すた
めの内容を含んでいます。 《複十字病院呼吸器内科の診療実績》 呼吸器疾患新規入院例数内訳
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
肺癌
159
224
215
250
241
210
220
223
その他の胸部癌
10
19
8
8
4
1
0
2
良性腫瘍
16
9
18
11
8
5
3
4
結核
325
286
319
310
345
335
295
315
結核後遺症
7
5
4
8
6
7
5
6
非結核性抗酸菌症
57
68
63
78
58
53
53
71
肺真菌症
10
7
11
16
15
20
14
14
サルコイドーシス
10
11
5
6
8
7
3
6
気管支炎
18
10
5
8
6
7
13
11
気管支拡張症
5
6
7
7
12
5
3
7
気管支喘息
35
18
22
20
22
24
19
15
インフルエンザ
1
2
0
4
10
7
10
16
肺炎
142
126
117
104
146
196
192
179
COPD
37
22
18
24
16
35
35
22
間質性肺炎
21
50
38
46
80
67
80
59
塵肺症
0
0
0
0
1
0
0
0
肺化膿症, 膿胸
43
23
36
39
26
33
34
23
気胸
40
47
45
64
59
70
55
62
呼吸不全
10
9
8
4
20
9
11
13
その他
77
80
108
89
116
100
100
87
合計
1023
1022
1047
1096
1199
1191
1145
1135
《若手医師からのメッセージ》 大澤武司医師(平成21年
熊本大学卒) 私は初期研修修了後、総合内科や内科ローテート研修を経たのちに、呼吸器疾患の診療を専門にし
ようと考え当院での研修を選びました。当院は呼吸器内科病床 162 床を有する呼吸器専門病院です。
症例数が多いため多様な検査・治療・手技の経験に事欠かず、多くの指導医から学会発表や論文執
筆に至るまで手厚い指導を受けることができます。毎週火曜日の難治症例カンファレンスは毎回新
しい知識を得る機会であり、視点も養われるため常に勉強する題材が見つかります。結核診療のイ
メージが強い当院ですが、幅広い病態を手がける呼吸器専門医を目指す者にとって非常に魅力が多
く、また臨床医としての素養を広げる機会に満ちた修練の場と感じています。
松田周一医師(平成22年
三重大学卒) 私は浜松の市中総合病院で初期研修と呼吸器内科後期研修(2 年間)を行った後、当院での研修を希
望してやって来ました。希望した理由は呼吸器疾患の専門病院であり、特に結核を含む抗酸菌感染
症に関して勉強したいという思いが強かったからです。当院では結核だけでなく、肺癌、非結核性
抗酸菌症や肺真菌症、びまん性肺疾患など、様々な呼吸器疾患を幅広く経験できると思います。勿
論、common な疾患も経験でき、症例数も多く、呼吸器疾患を中心に救急の受け入れもあります。そ
れぞれの分野に関してスペシャリストの先生方が揃っており、当初はとても緊張しましたが、カン
ファレンスや病棟では気軽に相談できます。各先生方がたくさんのアドバイスを下さり、とても恵
まれた環境であることを実感しています。
是非、一度見学に来ていただくことをお勧めします。 
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