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国際広報メディア学入門 マスメディア論まとめ 1、リップマンの情報論

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国際広報メディア学入門 マスメディア論まとめ 1、リップマンの情報論
国際広報メディア学入門
マスメディア論まとめ
1、リップマンの情報論
メディア伝える情報は、現実環境でなく、擬似環境である
メディアは空間、時間、スペースなどの制約がある
メディアは事実、客観、中立報道を目指し、最大限の努力をはらったとしても、誤りを
生じる。またその報道はどうしても一面的な立場であることを避けられない。
事件の現場、現象は多様な側面を持つが、報道はしばしば単純化を強いられる
単純化はすなわちステレオタイプであり、しばしば受けての頭の中になるステレオタイ
プ合わせて、報道が行なわれるケースがある
ステレオタイプが蓄積するとイメージとして固定化していく
客観性、中立性を保つため、メディアしばしば公的機関の記録を利用する。
(政府の発表、
裁判所の判決文、経済企画庁の景気動向調査など)――記者クラブの成立はここから
も説明できる
取材記者の側も、単に情報を得るだけの努力でなく、情報を確認する努力を行ってい
る。
(教訓)
報道は外部からの圧力によって歪められるというよりも、むしろ内部的なつまり情報の
性格によって歪められ、誤りを犯すことが多い
新聞からラジオ、テレビ、インターネットと時代は変わっても、情報の持つ性格は変わ
らない。情報を利用する側は、その情報の確度をよく確かめた上で反応する必要がある。
その際、重要なポイントはニュースソースつまり情報源だ。したがって、読む側はニュー
スソースに注意することが最大のポイントだ
新聞が報じた場合と他のメディアが報じた場合、A新聞が報じた場合とB新聞が報じた
場合、X記者が報じた場合とY記者が報じた場合などよく比較してみれば確度が違ってく
る。
2、メディアの歴史
社会学的側面から見たメディア
新聞の誕生と市民階級の勃興、民主主義の成立は深い関係にある
王政、封建体制と闘う市民階級に、市民の利益を論議する「公共空間」を提供
プレスの自由の確立、第 4 権力として成長
ラジオ、テレビの出現
メディアの大衆化、
大きな資本、電波の国家管理の必要性、大衆動員力を持つメディア――国家化
効果、機能から見たメディア
テレビ――同時性、迫真性、速度性、娯楽性
スポンサーの存在、視聴率主義――商業主義鮮明に
BSデジタル化、多チャンネルで競争激化、地方局は生き残れるか
新聞――記録性、確認性、解説性
再販制度、宅配制度の行方
若者の新聞離れ
(教訓)
新聞からラジオ、テレビ、インターネットへの流れはメディアの発展の歴史といえる
が、他方、それぞれのメディアには特質があり、またそれぞれ完全ではあり得ず問題点も
抱える。したがって、共存の余地も十分にある。
3、国際報道は対立を煽るのか、相互理解を促すのか
グローバリゼーションの中での国際報道の課題は合意形成
合意形成の基礎は相互理解。相互理解の基礎は情報の共有
プラス要因
通信技術の発展(衛星放送、インターネット)によって、世界同時に、大量の情報
が瞬時に大量に発信される。インターネットによって、マスメディアの情報寡占体
制打破、双方向性、低コスト性の確保。
マイナス要因
依然国籍を持つメディア
国際報道を独占する欧米メディア
歴史的優位、文明的優位を誇り、異文化を受け入れない欧米メディア
情報の壁を作る独裁体制(メディアの国家統制)
(教訓)
合意形成を目指す国際報道は極めて難しい。多様性を意識した報道が必要だし、読者
の側が情報源に直接アクセスして、双方向の発信を拡大していくことが重要。
4、報道と倫理
マスメディアの公益性と私益
法的な裏づけのないマスメディア――無冠の帝王か裸の王様か
政府、メディア、市民の牽制関係
情報を独占し、閉鎖する国家
誤報、実名報道――メディアの責任との関わり
匿名報道は責任逃れにも通じる
オンブズマン制度の採用
メディアの情報公開
(教訓)
メディアは本来、私営企業である。公営となれば国家の統制、政府の宣伝機関となるこ
とを免れない。他方、私営企業であるがゆえに様々な矛盾を生じる。公益性を発揮するの
か、私益を優先するのか、市民、メディア、国家の牽制関係の中で決まってくる。動体的
に把握することが大事で、メディアを私営企業と切り捨てるだけでは国家の統制を許す。
本来、法的な裏づけもない無冠の帝王のメディアが公益性を主張できるのは市民の支持
があっての上のこと。メディアの側が公益性をアピールするには、社外からの監督をうけ
いれるオンブズマン制度を設け、情報公開に努める必要あり
5、日米新聞比較
アメリカの新聞と日本の新聞
ビジュアル性と読み物性を売るアメリカ――写真、特集版
報道を売る日本――見出し、項目主義、少ない情報量。手っ取り早くニュースを
署名と無署名
オリジナリティを売る。個人主義と集団主義
ツウシンシャ
ニュースソースを明確に、引用を多用するアメリカ
分厚いアメリカの新聞
(広告、販売制度の違い)
調査報道の現状
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