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イノベーション専攻 - 東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営

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イノベーション専攻 - 東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営
専門職大学院
イノベーション研究科 技術経営専攻
日発行
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建学の理念に基づき、
“ 技術経営 ”
“ 知財戦略 ”を担う人材を
育成します。
東京理科大学長
本学は、明治から昭和にかけて優れた理数教員を輩出することにより「理
は、どちらかといえば科学技術の研究成果に論文発表をもってこと足れりとす
学の普及を以て国運発展の基礎とする」との建学の精神を実践した東京物
る傾向もありました。
今後は、大学における萌芽的研究成果にもう一歩踏み込
理学校を受け継ぎ、昭和24年の学制改革により東京理科大学として大きく
んで、
製品化するに至るまでの努力が不可欠であり、
科学・技術・市場をロー
発展し、我が国最大級の理工系総合大学として、16 万人余りの有為な人材
ドマッピングできる専門家や、知財の創造的再生産に挑戦できる人材の輩出
を世に送り出してきました。
科学技術の先進国となった今日では、上記の建学
が必要とされる時代であると確信します。
この目的を達成するためには、科学
の精神の
「理学の普及」
を
「科学と技術の創造」
、
「国運発展」
を
「人類・社会
技術の知識を修得した人材だけでなく、経営の観点に立って課題解決を提
の発展」
と読み替えています。
すなわち、本学の現在の教育・研究理念として
「理学の知と工学の知を協働させて、自然、人、社会とこれらの調和的発展の
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藤嶋 昭
供できる人材を育成することが急務であり、理論と実践を融合させた従来には
ない新しいタイプの教育が不可欠になります。
ための科学と技術の創造」
を謳っています。
日本の経済を戦略的に先導できる人材を育成するために、東京理科大学
我が国では、産業競争力の低下と空洞化、雇用創出の停滞、少子高齢化
はイノベーション研究科に専門職学位課程(修士)及び博士後期課程を開設
など多くの課題が山積しています。
これらの課題を克服し、国民生活の安定的
し、
“ 技術経営 “
” 知財戦略 ”に関するスペシャリストを養成することにより、本
な発展を図るためには、技術革新によって高い生産性と国際競争力を持つ
学の建学の精神「科学と技術の創造による人類・社会の発展」
を実践しよう
産業を育成し、経済活力を回復する必要があります。
しかし、これまでの大学
とするものであります。
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国内最高の
イノベーション専門大学院となり、
経済社会の発展に貢献します。
研究科長
伊丹 敬之
我が国の将来が「技術立国によるイノベーション」という姿を実現することに
活かされ、新しいイノベーションにつながる必要があることを十分理解してきまし
あるという認識は、
すでに広く共有されています。
た。
だからこそ、
平成 16 年 4月に総合科学技術経営研究科技術経営専攻を、
イノベーションが技術をベースに社会の中に継続的に起き続け、それが経済
そして翌 17年4月には同研究科に知的財産戦略専攻を創設しました。
二つの
や社会の発展につながっていくためには、主に二つのプロセスが必要となりま
専攻が揃うことによって、本研究科はイノベーションが社会の中で起きていくた
す。
その二つのプロセスのそれぞれに、本研究科の技術経営専攻と知的財産
めの二つのプロセスにともに対応する専攻をもった日本で唯一の大学院となっ
戦略専攻が対応しています。
たのです。
第一のプロセスは、イノベーションを作り出すプロセスです。
社会的ニーズをイ
ノベーターが認識し、そのニーズを満たす製品やサービスを提供しようとして技
二つの専攻は専門職学位課程
(修士)
として設置されていますが、平成 21
術開発を行い、
その技術的成果を市場に提供するプロセスです。
イノベーション
年4月には本研究科の中に博士後期課程としてイノベーション専攻を発足させ
は、そうした市場への提供の試みが社会的に普及していくことによってはじめ
ました。
このドクターコースの教員は技術経営専攻と知的財産戦略専攻の教員
て完成します。
このプロセスに対応して、技術を経営できる専門的人材の育成
たちの中からの兼務としています。
つまり、本研究科は専門職学位課程(修
を主な目的とするのが、
技術経営専攻です。
士)から博士課程へとつながった本格的な大学院となりました。
それによって、
第二のプロセスは、
イノベーションを起こそうとする努力を企業、研究機関、そ
専門職学位課程(修士)を修了した人たちがさらに研究を深める道を開き、ま
してそこに働く人々に対して、イノベーションの成果の大きな部分が正当に彼ら
た教員と大学院生が一体となってイノベーション分野での実践的な研究をでき
のものとなるというプロセスです。
そのプロセスをきちんと社会の中で確保するた
る場を作ったのです。
めに、制度やインセンティブが必要となります。
このプロセスに対応して、知的財
われわれは日本で最高のイノベーションを専門分野とする大学院になり、日
産権の制度やその有効利用のできる専門的人材の育成が、知的財産戦略
本の経済社会の発展に貢献しようと努力しています。
このパンフレットをご覧に
専攻の基本的な目的です。
なった皆さんのうち、一人でも多くの方が、
われわれの目的に賛同していただい
て、
仲間に加わっていただくことを切に望んでいます。
東京理科大学は理工学系中心の大学ですが、理工学の技術が日本の経
来年 4 月には、
ぜひ飯田橋のキャンパスでお会いしましょう。
済社会に真のインパクトをもつためには、技術者達が作り出す技術が産業で
※総合科学技術経営研究科は平成23年度よりイノベーション研究科へ名称変更いたしました。
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課題を発見し、
解決へ導くプロセスから学びとる
イ
ノベーショ ン
経営
課
技術課題面
学ぶ領 域
技術
技術経営専攻は、理学と工学が一
体となった「科学技術」
と
「経営」の
実践的融合を図った教育で、
これま
でに築き上げた科学技術研究を通じ
て得られる成果を基礎に、技術開発
から市場化へのプロセスにおける一
連のイノベーションを担う人材の養成
を目的とします。
身につけ
課題発見
仮
技術領域
マネジメント領域
解決能力
論
解 決
●問題を自ら発見し解決する力を養う
●技術と市場の相互翻訳ができる力を養う
●素人のように発想し、玄人として実行する力を養う
経 営
イノベーション専攻(博士後期課程)
グローバルな規模でのイノベーションの推進に直結した
応用性の高い実践知を体系化し理論研究として深く掘り下げる
イノベーション専攻は、研究開発の成果を産業成果として実現するための技術経営と知財に関わる教育研究
を行い、
グローバルな規模におけるイノベーションの推進に直結した、応用性の高い実践知を体系化し、理論
研究として深く掘り下げることの出来る高度の知見と能力を兼ね備えた人材を育成することを目的とします。
イノベーション研究科
技術経営専攻
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る能
コンセプトイノベーション領域
イノベーションフィールド領域
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本学のイノベーション研究科では、
MOT
(Management of Technology:技術経営専攻)、MIP(Master of Intellectual
Property:知的財産戦略専攻)
の2つの専門職学位課程
(修士)
とINS
(Department of Innovation Studies:イノベーション
専攻)
博士後期課程の3専攻を擁します。
専門職学位課程(修士)
ではともに経営という視点を持ちながら、MOTでは技術的視点を持ってビジネスをイノベートできる人材
を、MIPでは知財に関する視点を持ってビジネスをアクティベートできる人材を、
さらに博士後期課程であるINSでは、専門職学位
課程(修士)
での実践的教育研究を基盤に、
グローバルな規模でのイノベーションの推進に直結した応用性の高い実践知を体
系化し理論研究として深く掘り下げることのできる高度の知見と能力を兼ね備えた人材を養成していきます。
ショ ン研究科
営
課題
知的財産面
見
力
る能 力
仮説設定
論証能力
学ぶ領 域
け
知財関連法律領域
経営戦略領域
技術戦略領域
国際法律領域
知財
知的財産戦略専攻は、知財の創造、
保護、活用のできる人材を養成しま
す。
さらに経営・技術・法律等、各領
域にまたがる幅広い教養を国際的視
野で身に付け、理論と実践の両面か
ら課題を把握し、
その解決策を戦略
的に提案できる能力を持つ、高度な
知的財産専門職人材の養成を目的
とします。
解 決
経 営
※MIPは東京理科大学の登録商標です。
●多面的観察力の醸成
●一つにとらわれない考え方
●情報の複合的活用
研究領域
コンセプト・プロトタイピング領域
イノベーション・ロジック領域
知的財産マネジメント領域
表紙図案について
本専攻では理学と工学が一体となった「科学技術」
と
「経
営」の実践的融合を図り、技術者にマネジメント教育を行っ
ています。製品開発において先端分野でのビジネス開花を
リードする強力なリーダーを育てることが目的です。イノベー
ションの視点をもって技術開発や商品開発の構想を描ける
人材、経営センスをもつ研究開発プロジェクト・マネージャーを
養成していきます。表紙図案はその教育理念である
「π型人
材育成システム」
を図案化したものです。
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×
MOT 教授 & MIP 教授 対談
プロフェッショナルを育成すること
それが、
イノベーション研究科の共通目標です
東京理科大学が専門職大学院を創設してから7年が経過、
日本を取り巻くさまざまな経済状況、社会環境もまた、大きな転換期を迎え
ています。技術経営や知財のプロフェッショナル・リーダーを育成する本学も、
その変化を続ける時代に対応すべく、各種の教育プログ
ラムを拡充させてきました。
この度、研究科の名称を
「イノベーション研究科」
と変更し、
日本で唯一のイノベーションを専門分野とする
大学院として、
さらなる発展を目指します。次の5年、
10年を見据えたイノベーション研究科のあり方、
また方向性などについて、
MOT専
攻分野の宮永博史教授とMI
P専攻分野の藤野仁三教授に語っていただきました。
バリューチェーンを構成する、
すべての人が参加できる議論の場
藤野 専門職大学院のネーミングが変わり『イノベーション』というキーワー
ドが入ってきますが、MOTの目線でのイノベーションについて、先生はどのよ
うにご説明されていますか?
宮永 MOTに来る技術系社会人の方々は、イノベーションを技術革新とい
う狭い意味だけで考えがちです。しかしMOTで考えるイノベーションは、社
宮永 博史 教授
東京理科大学専門職大学院MOT専攻 教授
MI
T大学院卒業。
NTT、
AT&Tなどを経て、
コンサルティング業界に転じ、平成12年デロイト
トーマツコンサルティング
(現アビームコンサルティング)
統括パートナー就任。平成14年同
社取締役。平成16年より現職。
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標です
会的なイノベーションまで含まれていることを、わかってもらうことから入るように
非常にMOT的な側面を持っています。私どもMI
Pでも、純粋な法律科目だ
しています。
けではなく、できるだけ広い分野の科目を配置し、その上で実務型の専門
藤野 最近、知財がイノベーションの足を引っ張っているのではないかという
職大学院でプロを育てるという考え方を実践しています。MI
PとMOTとの境
意見がセミナーなどで出されることがあります。知財はイノベーションを促進す
界線が融合し、オーバーラップするという感じですね。
る機能を果たしているのですが、一部に、ものづくりや製造をともなわずに権
宮永 大学院で学ぶ科目は縦割りで専門に特化していますが、現実の世
利だけを行使して収益を得るというビジネスモデルが出始めているために問
界では、この案件はこの科目、ということはありえなくて、すべて総合的です。
題視されているからでしょうか。私は、MOTもM
I
Pも両輪で、その上にイノベー
例えば、藤野先生は『クアルコムの標準化戦略と特許戦略』という論文を
ションが載っているというイメージを描いています。両者間に線引きをして、
こっ
執筆されていますが、私もクアルコムの事例を講義で取り上げたことがありま
ちがMOT、こっちがM
I
Pというのはおかしいのではないかと思っています。
す。事業化戦略という視点でも興味深いケースです。私は元々通信の世
宮永 MOT では多様性を重視しています。学生は 20 代半ばから60 代
界にいましたが、1990 年代半ばの携帯電話ではTDMAという技術が主流
半ばまでさまざまな業界の社会人が学んでいます。教員と科目も同様に多様
で、クアルコムのCDMA技術は現実的には非常に難しいと研究者たちに言
です。たとえば、イノベーションを広く捉えるために、MOTではポートフォリオ
われていました。クアルコムは半導体を事業ドメインとしていましたが、その半
的な科目の構成を考えています。我々は、そのポートフォリオを「ABC」と呼
導体を使う携帯電話機メーカーも基地局メーカーも存在していませんでした。
び、アカデミック系(A)
、ビジネス系(B)
、コンサルティング系(C)
、この3
すると、携帯電話事業者としては、CDMAを採用するわけにはいきません。
つのポートフォリオで構成し、配置します。アカデミック系は、伊丹先生を中
そこでクアルコムは、携帯電話機と基地局を自分の事業として始め、通信
心にした、経営学を学問として体系的に研究、教育されてきた先生方が中
事業社と接点をつくって事業化をしていきます。やがてCDMAが普及すると、
心になる科目です。ビジネス系というのは、企業の役員を経験され、自ら経
最終的には、半導体チップ事業に専念するという意思決定を行い、携帯
営を実践されてきた先生方が自身の体験を元に、造詣を深めていくというカ
電話機事業は京セラに、基地局事業はエリクソンに売却しました。このよう
テゴリー。そしてコンサルティング系は、アカデミック系やビジネス系の先生
に、標準化戦略や知財戦略と合わせて極めて興味深い戦略をとっているこ
方とは少し違ったコンサルティング業界の視点からイノベーションを見ていくア
とがわかります。
プローチです。
「知財がイノベーションの足を引っ張っている」
という話でいうと、
こうした事例を議論するときに、通信という専門分野に閉じず、他の業界
知財に限らず技術、戦略、経営、会計でも、足を引っ張る要因がありますが、
の人にもわかるような議論ができると、本質的な議論に発展します。しかし、
その根本の原因は、狭い視点で物事を見てしまうためだと思います。この知
通信の世界の専門用語で議論をしてしまうと、ややもすると本質的なものを
財は何のために? この技術は何のために? ということを認識すれば、おの
見逃してしまいます。自分の専門外の人たちとも議論できるようになって初め
ずとイノベーションとつながるはずです。全体の大きなバランスの中で見れば、
てMOTの何たるかが理解できるようになるのだと思います。
知財の生かし方も違ってくるでしょう。MOTでは、広い視野で構成される教
技術者は、自分の専門分野は詳しいけれども、少し違う分野になるとまっ
授陣や科目があり、いろいろな視点からMOTを捉えていきます。マーケティン
たくわからなかったり、興味がなかったりします。知識的な落差が激しい人が
グの視点もあれば、研究開発の視点もある。それぞれの科目が全く単独で
多いという印象ですね。専門性を深めるという意味で、最初の10年ぐらいは
あるということではなく、少しずつオーバーラップして実際のテーマが議論され
それでもいいと思いますが、スペシャリストのままでは、プロフェッショナルには
ていく。例えば、私が担当している事業化戦略の授業でも、当然そこには
知財の視点も入ってきます。教員の視点だけではなく、実際に弁理士として
働いている学生の視点から、どういう知財が必要なのかとフィードバックがあ
る。教員の科目や視点にバラエティがあり、また学生の知識と経験も、多
種多様です。素材から最終的なエンドユーザーまで、バリューチェーンを構
成する、すべての人たちの視点でディスカッションができます。これは、実社
会ではなかなか実現しにくい場であり、MOTの大きな特徴、魅力の一つであ
ると言えます。
藤野 私の担当する標準化戦略という講座では、事業化するための一つ
のツールとして、標準をどう考えるかということを追求しています。この講座は
藤野 仁三 教授
東京理科大学専門職大学院MI
P専攻 教授
早稲田大学大学院法学研究科修了
(経済法専攻)
。米総合法律事務所モリソン・フォー
スター東京オフィスなどで技術移転、
海外知財法制調査、
海外訴訟支援などを担当。平成
17年より現職。
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MOT 教授 & MIP 教授 対談
養成機関である」との位置付けは、非常に示唆に富んでいますね。クアル
コムの話が例に挙がりましたが、私が接触する実業界の知財関係の方々は、
クアルコムというと、まず感情的な反発が前に出てきます。顔を見るのも嫌
だと言いますが、技術者、あるいは技術開発に関わっている方の反応はどう
でしょうか?
宮永 関係者がバリューチェーンのどの位置にいるかによって変わるでしょ
う。私は、クアルコムという名前に、専門家としてそのような反応があるのは
当然だと思います。専門職大学院では、
「クアルコムはどこが強いのか。なぜ、
そういうことができたのか」を、素直に学ぶことができます。感情的な偏見で
見てしまうと、学べません。他の業界の人は先入観がありませんから、素直
に議論できる。その議論の中で、専門分野の人も、新しい視点への気づ
きが出てくるとしめたものだと思います。
なれません。私は、専門職大学院を『プロフェッショナル』の養成機関であ
ると定義していますが、プロフェッショナルは自分の専門分野の視点に留まら
ず、広い視野で判断できる能力を身につけなければなりません。技術だけで
もなく、知財だけでもなく、社会的なイノベーションを考えるときにいったい何
プロフェッショナルは
さまざまな要素を総括して判断する
が大切なのかと。こういうことを、MOTの先生からも、また学生からも学んで
いく。他専攻履修で、私のMOTの講義にもM
I
Pの学生が参加していますし、
宮永 スペシャリストとプロフェッショナルの違いの事例に、皆さんが知って
そのことで MOT の学生もMI
Pの学生もお互いに視野が広がっていきます。
いるマイクロソフトの転機となったOSに関する事業化の例を挙げたいと思い
そこが、この専門職大学院の良さ、強さなのではないでしょうか。
ます。マイクロソフトがOSのビジネスに入るきっかけとなったのは、I
BMがパ
ソコン事業に遅ればせながら参入しよう、部品は外部から調達しようという意
哲学的、社会学的なアプローチが、
バイアスのかからない議論を可能にする
思決定をしたことです。さらに、当時のOSのリーダーであった企業の知財の
専門家がスペシャリストとして誤ったアドバイスをしたことによるものでした。当
時のOSの世界では、デジタルリサーチという会社の製品がデファクトスタン
ダードでした。マイクロソフトは、OSの製品を扱っていなかったのです。パソ
藤野 視野を広げるという意味で、私の標準化戦略では意識して違った要
ろにOSの開発を持ちかけます。ところが、マイクロソフトにOSの技術も製品
でクラスを持ったときの発見は、MOTの人たちは、M
I
Pとは違って、社会人
もありません。ビル・ゲイツは事情を正直に伝え、デジタルリサーチ社にI
BM
だけで構成されているという特長があり、問題意識が高いし、発言する意欲
の幹部を紹介します。ところが、せっかくのチャンスを、デジタルリサーチの
も強い。ただ、知財というものの見方に対しては、理解にバラツキがありまし
顧問弁護士が、
I
BMの秘密保持契約(NDA)にサインしてはいけないと社
た。理解がある人でも、バランスのとれた見方をしていないことが多々ありまし
長にアドバイスしてしまいます。これは、弁護士の専門性からは、正しいアド
た。知財のプロフェッショナルからすると、正当な権利行使であるような事例
バイスだったかもしれません。おそらく
I
BMに都合のよい内容ばかりが書いて
でも、MOTのクラスで議論すると、
「あの会社のやり方はきたない」という感
あったのでしょう。しかし、NDAにサインしないことには話が始まらないのです。
情論や、善悪だけで短絡的に決め込んでしまうことがありました。グローバル
結局交渉は不成立に終わり、
I
BMの幹部はまたビルのところに戻ってきまし
に展開されている知財制度は、バランスのとれた視点で見ないといけません。
た。そのとき、ビルはすぐさまこのNDAにサインをしました。後のインタビュー
M
I
Pのクラスでは、理工系の学部から来た院生や理工系の社会人院生が
では、
『NDAは
I
BMにとって都合のよい内容だった。しかし、とにかくサインし
混在していますので、私は意識して、社会科学的なアプローチで物事を考え
ないことにはビジネスの話が始まらないのだ。これは信頼関係だった』と述
るよう動機づけをしています。ある院生に「先生の授業は、哲学の授業み
べています。これが、経営者としての判断だったわけです。マイクロソフトに
たい」
と言われましたが、
私は褒め言葉と受け取り、
とても嬉しかった
(笑)
。
「物
OSはありませんでしたが、幸運だったことに、共同創業者のポール・アレンが、
事の本質は何か」
「法律が成り立っている本質の部分は何か」ということは、
デジタルリサーチのOSと全く同じOSを開発したエンジニアがいることを知って
絶えず振り返って考えないと、ついつい利害関係にとらわれて善悪で判断を
いました。
そのエンジニアは、
デジタルリサーチのOSのマニュアルを買ってきて、
してしまいます。それは知財のプロフェッショナルとして避けなければなりません。
わずか4カ月ほどで作り上げていたのです。それをマイクロソフトは 5 万ドルで
宮永 社会科学や哲学の視点が必要だというのは、
私も全く同感です。
ケー
ススタディの議論をした後に、入学早々の社会人学生の方から「先生、正
解は何ですか?」という質問を受けたことがありますが、大切なのは、自分た
契約を結んだ点です。
藤野 そうすると、NDAの次の段階の契約になるわけですね。
ことではありません。このあたりが、社会科学と正解を探そうとする工学の世
宮永 そうです。1パソコンあたりライセンス料いくらという契約にし、かつI
B
界との違いですね。哲学的にいろいろなことを考えて事業戦略を練る場合、
M以外の企業とも取引をする、
という内容で契約します。
I
BMのパソコンはオー
すべての情報を手に入れられるわけではありませんから、不確定の情報の中
藤野 宮永先生のおっしゃった、専門職大学院は「プロフェッショナルの
7
買ってわずかな修正をして、
I
BMに提供したのです。ここで、ビル・ゲイツは、
I
BMだけの下請けにならないように、他のパソコンメーカーにも売れるという
ちでよく考えること、議論することです。そこが目的であって、正解を求める
でどう考え、意思決定していくかに力を尽くさなければいけないのです。
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コン事業への参入を決めたI
BMはその事実も知らずに、ビル・ゲイツのとこ
素、違ったフィールドの考え方を、あえて持ち込もうとしています。私がMOT
プンアーキテクチャーといって、外部の部品を調達してくれば作れてしまうので
I
BMのパソコンと互換性のあるパソコンメーカーが雨後の筍のごとく現れまし
た。そこにマイクロソフトはOSを提供していったのです。ここでも、知財が一
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つの核になっていますが、その知財を生かすも殺すも知財の視点だけではな
の知財は、現場を知っている人にしか語れない、基本的にはたたき上げの
く、ビジネスの視点で考えるということが大切です。知財をわかっていなけれ
隔離された世界だったと思います。ところが実際には、あらゆる知財関連の
ばならない。でも、ビジネスもわかっていなければいけない。そういういろんな
問題は、今までの経験では解決できない問題が山積みです。問題を科学
要素を知らないと、実際には成功できないという一つの事例ですね。
的に分析し、さまざまな事実関係を整理しながら、解決しなければいけないわ
藤野 私は、スペシャリストとしてM
I
Pを学ぶ人も、このようなMOT的な関心
けですが、この講義では、そういった際に立ち返るべき学際的な領域を構
と発想が必要だと思いますね。
築することを前提としています。焦点を当てるべきボーダーを、いったんゼロに
して一から積み上げる作業に、最初は途方にくれる人がいるかもしれません。
教員が他の教員の授業を聴講できるという、
開かれた環境がもたらすもの
でも、いったん放り出されて、どこを目指せばいいかを自分で考え、悩んで、
自分の関心事項に育てていくことが、自分の専門性を見つける一つの道標
になると思います。この講座は、今までどうしても閉塞しがちだった知財にか
かわる者の視野を、突破して開いていく力があります。
藤野 先ほど、ABCという興味深い講座の区分けをしていただきましたが、
ところで、宮永先生は『ひらめきの発想術』とか、
『成功者の絶対法則
先生がMOTの看板科目として学生に薦めるとしたら、どの講座ですか?
セレンディピティ』など、
面白いネーミングの著書がたくさんあります。この「ひ
宮永 MOTでは、教員が他の教員の授業をお互いに聴講したりします。他
らめき」
「セレンディピティ」の意味と意図を教えていただけませんか?
の大学院ではなかなかないと思います(笑)
。私もいくつか聴講させていただ
宮永 セレンディピティとは、一言で言うと、偶然の幸運を生かすということ
きましたが、それぞれの科目が非常に特徴的で面白く、すべてが看板講座
です。ノーベル賞の世界では、
セレンディピティがたくさん起こっていますよね。
ですね。強いて言うなら、アカデミック系の伊丹先生の経営戦略は、学生
藤野 島津製作所の田中耕一氏もそうでしたね。
たちからも非常に気づきの多い授業だと言われています。実業界で仕事をし
宮永 導電性高分子を発見した筑波大の白川英樹名誉教授も、分量を
ていますと、論理的におかしいことがあっても、とにかく仕事を進めようと、つ
間違えてミリモルを入れるところを、モルと1000 倍の量を入れてしまって、で
い見逃してしまいがちです。おかしいことがあっても、それを置いたまま進む癖
きたものが有機半導体につながったなど、ノーベル賞の世界では、間違え
たことや偶然が幸運に結びつくことがあります。一般的には、棚ボタとか運
がよいと言われますが、本当にそれだけだろうか、と。幸運を生かすには、
地道な努力と準備が必要です。人々は表面的な運の良さだけを見がちです
が、大切なのは、目に見えない日頃の努力なのです。
ピーター・ドラッカーは、イノベーションの機会を体系的に抽出すると、7
つの機会があると言っています。事業化するときに7つの視点を持つことが
大事で、その7つの視点の最初に出てくるのが、セレンディピティです。自
分たちが想定もしていなかった成功とか失敗の中に事業の成功のネタが隠
れている。例えば、オリンパスが超音波内視鏡で成功したのも、このセレン
ディピティです。オリンパスが最初にターゲッ
トとしたのは、すい臓がんを見つ
けるための内視鏡でした。内視鏡を入れにくいすい臓に使える顕微鏡の開
発を研究していたところ、たまたま、ある医者が胃の内壁の構造を超音波内
視鏡で見たら、切らずに見ることができた。そこでターゲッ
トを変えた。結果、
が出てきます。伊丹先生はそれを見逃しません。論理がおかしいときは、お
胃の内視鏡で世界の 7 割のシェアを取る会社に成長しました。これがまさ
かしいということを徹底的に追求します。そうすると、なんとなくできていた仕
に、ドラッカーの言う、イノベーションの機会として一番リスクが低く、確率の
事でも、実は飛ばしていた、論理が抜けていた、ということに気づき、
「本来
高いのがこの想定外の成功・失敗を活用するというものです。セレンディピ
の意味は何か」と考えるようになるわけです。経営戦略は論理を前面に押し
ティをきちんと研究して、どうマネジメントしていくかが、事業としてもとても大切
出していく。しかし、現実の世界では、人の気持ちも考えなければいけない
だということです。MOTで戦略を学ぶ理由のひとつでもありますが、
セレンディ
し、戦略だけで、ぎすぎすとコスト削減をすればいいのかといえば、そんなこ
ピティが実際のマネジメントとつながっているのが面白いところかと思います。
とはない。そういうことをディスカッションしていますね。また、伊丹先生の管
セレンディピティという言葉は、18 世紀から使われている言葉で、
もともと『セ
理会計の授業も特徴的です。普通の管理会計は、簿記の話から入って会
レンディップの 3 人の王子』という童話を読んだ小説家がつくった造語です。
計の視点で分析していくという、非常に専門性の高い科目です。しかし、伊
セレンディピティという言葉は研究者の世界ではよく知られていましたが、意
丹先生の管理会計は非常にユニークで、そういう管理会計の仕組みが人々
外と他の人たちは知らないようですね。広い世界の人たちに知ってもらうとい
の行動にどう影響を与えるのかを考える。管理会計に出てくる数字は本当の
う意味をこめて、セレンディピティという言葉を本のタイ
トルに使ってみました。
ように見えるけれども信じられるのか、
と。会計そのものは会計士がやりますが、
この本も、セレンディピティというキーワードでウェブ上にコラムを書いていまし
技術者は数字の羅列から出てくるものをどう捉えればいいのかと、理解する
たら出版社がそれを目に留めて本になったという、これもある意味では、セレ
必要があります。会計系のコンサルティングファームにいた私も痛感していま
ンディピティ的な話かもしれません(笑)
。
すが、技術開発や商品開発の人たちが、会計の人たちと協力できると、もっ
藤野 今日の対談では、おもしろいお話をたくさん聞かせていただきました。
と事業化の成功確率が高まるように思います。しかし、普通は、そこがあま
これも私にとってセレンディピティです(笑)
。ありがとうございました。
りつながっていません。知財に限らず、こういう問題はどこにでもありますね。
藤野 M
I
Pの看板授業としては、私は知財科学概論を推薦します。今まで
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理念と特色
理学と工学が一体となった
「科学技術」
と
「経営」の実践的融合を
図った教育で、
次世代を拓く人材を育成。
これまで科学技術は、人々の生活を豊かにし、経済社会の発展に寄与してきました。
しかし、
いま我が国では、科学技術が産業の競争力に結びつかないという問題に直面していま
す。欧米の技術や発想を改良研究するという、
これまでのキャッチアップ型を脱却し、萌芽的研究を
製品化し、
新事業や新市場を創出することが求められているのです。
そこで、東京理科大学はこれまでに築き上げた科学技術研究を通じて得られる成果を基礎に、技
術開発から市場化へのプロセスにおける一連のイノベーションを担う人材の育成を目指します。
建学の精神に基づく
MOT教育
東京理科大学は創立以来「理学の普及を以て国運発展の基礎と
産学連携メリットを
活かした
実践的教育を実施
産業の国際競争力を強化し、経済を活性化させていくためには、研
する」
という建学の精神のもとに、基礎研究と研究者養成に力を注い
究活動や創作活動の成果を知的財産として戦略的に保護・活用して
できました。そしていま、事業化・産業化への橋渡しをする技術経営専
いくことが重要であるとし、政府は
「知的財産立国」
を標榜しています。
門家を育成するための教育を専門職大学院技術経営専攻で実施して
そのために大学知的財産本部や技術移転機関
(TLO)
といった、知的
います。本学が有する技術は、工学だけでなく理学と工学が一体となっ
財産に関する総合的な体制の整備をすすめており、本学は
「大学知的
た科学技術です。本学がこれまで培った科学技術研究を基礎に、市場
財産本部整備事業」
に採択されるとともに、TLO整備事業も承認され、
化、事業化の視点を取り入れ、
これまで結びつくことが難しかった技術
科学技術交流センターが設立されました。
こうした承認TLOが推進する
とマネジメントを融合させた教育を実践しています。
産学連携メリットを、MOT教育に活かしていきます。
キャリア10年程度の
技術関連企業人を
対象とした
π型人材教育システムとは
科学・技術・市場を
つなげる技術経営の
実践的能力を
備えた人材を育成
技術経営専攻は、大学または大学院を卒業・修了し、10年程度の
産業技術の高度化は、広い範囲の技術を最適なバランスでシステ
キャリアをもつ技術者や技術関連企業人を学生募集の主な対象にし
ム化、総合化しなければならなくなっています。
また、誰も考えつかない
ています。
さまざまな技術的課題に直面している技術者等が、次世代
全く異なる領域の融合に新製品の可能性が潜んでいたり、
自社の技
の技術とは何かを見抜く能力を備え、
その製品の将来を読み、
テクノロ
術だけではなくアライアンスやM&Aも考慮に入れた製品開発が必要と
ジー・ロードマップを定め、製品開発において全体をまとめていける強力
されています。
なリーダーに育つのが目標です。
こうした現状を踏まえ、技術経営専攻は、MOT教育を通して技術者
技術者等にマネジメント教育を行い、
イノベーションの視点をもって
等にも幅広い専門性を身に付けさせ、市場を把握し、技術と市場をつ
技術開発や商品開発の構想を描ける人材、経営センスをもつ研究開
なげる能力を養い、事業、産業にイノベーションを起こすことができる人
発プロジェクト・マネージャーを養成して、先端技術分野でのビジネス開
材であるMOT型プロデューサーを育成します。
花をリードします。
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理念と特色
社会人が、
さらなる飛躍を実現するための実践的な教育
理念と特色
■ 社会人が学びやすい環境とシステム
技術経営専攻
(MOT)
は、
社会人が学びやすいようにさまざまな配慮をしています。
平日夜間・土曜通学の2年制
講義資料等は学内イントラネットで配信
平日の講義は18:30から21:40、
また土曜日は9:00から19:30まで授業
講義資料や大学からのお知らせ等は、学内イントラネットで配信または掲
が開講され、土曜日のみの通学でも修了が可能なので、企業に勤務しなが
示されるため、社会人学生にとって無駄がありません。また大学内では
らでも通学しやすくなっています。また飯田橋というアクセスのよさも人気で
LANが使用できる環境が整っています。
す。講義終了後も、
神楽坂でさらに議論を深めようというエネルギーに満ち
溢れています。
教育訓練給付制度について
入学者の選抜と修了要件
技術経営専攻は、厚生労働大臣より平成17年10月1日から3年間の期間
入学者の選抜は、出願書類と面接の検査結果により判定します。修了要
で教育訓練給付制度の講座指定を受けており、
引き続き、
平成20年10月1
件は、技術経営専攻に2年以上在学し、38単位以上の修得およびMOT
日から3年間で指定されております。本制度の申請にあたっては、本専攻の
ペーパーの提出により、技術経営修士(専門職)の学位が取得できます。
修了要件(別掲)
を満たす必要があります。
(平成23年10月1日以降につい
(修士論文提出の必要はありません)
ては、厚生労働大臣宛に申請、承認された場合に適用となります)
奨学金制度について
東京理科大学は、技術経営専攻の大学院生の就学援助を目的とした「専
門職大学院対象東京理科大学大学院奨学金」
を設けています。この奨学
金制度は、希望者全員を対象に全て無利子での貸与とし、
在籍2年間で最
大260万円までの奨学金を受けられます。
1. 種別
無利息貸与
前期:10〜80万円
(10万円単位で選択) 後期:10〜50万円
(10万円単位で選択) 年間、
最大130万円までの貸与が受けられます。
奨学金は希望額を一括貸与し、
平成24年度初年
3. 貸与方法
度納付金に充当します。
(最短修業年限経過後)
10年の
4. 返済について ①大学院修了後
元金均等年賦償還となります。 毎年の返済期日
(12月20日)
に本学に
②返済は、
届出た普通預金口座から自動引落としされます。
①出願期間内に申込書を提出されなかった場合
5. 注意事項
は、
平成24年度前期の貸与は受けられません。 2. 貸与金額
②入学手続には、
期間内に奨学金との差額の納入
が必要となりますので十分注意してください。
平成23年度新入生奨学金申請額
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申請率 : 44%
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カリキュラムの特徴
実践力の養成を主眼とするカリキュラムと多彩な教員で、専門能力を磨きます。
多様な社会人学生のニーズに応える幅の広さと深さを持たせ、
「π型教育システム」
を具現化するために、
カリキュラムは「コンセ
プトイノベーション領域」、
「イノベーションフィールド領域」、
「技術領域」、
「マネジメント領域」の4つの領域と「演習科目群」で構
成されています。
技術とマネジメントを融合させた実践教育(MOT教育)
を達成するために、専任教員
専任教員の構成は、
ABCの視点から
バランスのとれた組織
の組織は、経営系大学院等において経営分野の十分な教育上・研究上の業績をも
つAcademic系教員(4人)、企業における事業経験または政府などにおける政策立
案経験を有する実務家教員であるBusiness系教員(7人)、
コンサルティングまたはシ
ンクタンク経験を有する実務家教員であるConsulting系教員(2人)のABCの視点
から構成されています。また、演習科目以外の専任教員が担当する授業科目は、年間
2回開講されています。
講義は、
事例研究、
ディベート、
グループワークなど
双方向で進めます。
技術とマネジメントを融合させた実践教育(MOT教育)
を具現化するために、各授業
科目の講義では、討論、演習、
グループワーク、
ケーススタディ等を行っています。更
に、企業等で実際に経営にかかわっている現役の社長、役員等の経営者をはじめ、
実践的に技術経営を指導しているコンサルタント等を特別講師としてお招きし、授業
内容に厚みを持たせています。
履修方法と修了要件
● 履修登録できる1年間の単位数上限は40単位です。また、履修に関する詳細は、入学後、
学内Webシステムに開示し、入学時の新入生ガイダンスで説明します。
● 修業年限は2年で、38単位以上修得し、必修科目の2年次のゼミナール2(8単位)で、
修了時にMOTペーパーを提出することが修了要件となります。
● 全科目領域(演習科目群を除く)の基幹科目から4科目以上を履修し、修得する必要があ
ります。
● 各科目領域(演習科目群除く)
から1科目以上を履修し、修得する必要があります。
● 演習科目であるテーマプロジェクトA・Bの中から1科目以上を選択必修科目として履修し、
修得する必要があります。
● 以上の修了要件を満たせば、技術経営修士(Master of Management of Technology)
が授与されます。
多種多様な企業経営者等を
特別講師として招へいしての実践力養成
実践力を養成しグローバルな人材を育成するために、授業では、大学院生の専門能力を磨き、
実践知が社会に還元されるように、担当教員とは別に、授業内容に則した特別講師による講
義が行われています。
特に、
「 伝統技術考」
では、
わが国の伝統文化・伝統産業のものづくり職人の方を特別講師と
して、実際に、工房などを訪ね、
ものづくり職人の職業倫理、勤労観を通して、昨今の技術者を
振り返ることをテーマとした集中講義を行っています。
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●特別講師招へい人数
年度
平成22年度 平成21年度 平成20年度 平成19年度
人数
62人
47人
49人
74人
●過去の主な特別講師の一覧
特別講師名
石川 満夫
岩野市兵衛
吉原 義人
坂本 幸雄
久米 是志
小川 三夫
経歴など
(招へい時現在)
(株)
会長
氏 石川製紙
氏 越前生漉奉書紙国指定重要無形文化財保持者
氏 刀匠、東京都無形文化財保持者
氏 エルピーダメモリ
(株)
代表取締役社長兼CEO
氏 元本田技研工業
(株)
代表取締役社長
氏 (株)
鵤工舎 舎主 棟梁
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カリキュラムの特徴
平成24年度入学者授業科目一覧
(予定)
コ ン セ プト イノベ ー シ ョン 領 域
イノベ ー シ ョン フィー ルド 領 域
新しい製品や事業のコンセプトを自ら創造し、
プロトタイピングによっ
て実現していくというコンセプト主導型のイノベーションを学ぶために
必要な授業科目を配置します。
グローバル化時代におけるMOTを実
践するリーダーにとって不可欠な授業領域です。
企業経営の現場で生じているイノベーションプロセスを多面的かつ立
体的に分析し、
理解を深めるために必要な授業科目を配置します。現
実の事例に基づいてイノベーションを起こすプロセスについて学び、
背
景にある論理を抽出していくための授業領域です。
授業科目の名称
授業科目の名称
基幹科目
● コンセプト創造論
● 技術・市場ダイナミクス
●
基幹科目
● 開発・プロトタイプ論
産業財イノベーション
● デザイン戦略
● イノベーションプロセス論
●
新事業開発論
● ナレッジマネジメント
● プロジェクトマネジメント
● ベンチャーマネジメント
● ビジネスモデルイノベーション
● グローバル技術経営論
●
● コンセプトイノベーション特論
●
起業家論
知的財産マネジメント
● イノベーションフィールド特論
技術領域
マ ネ ジメ ント 領 域
技術とは何か。普段問われることのないこの質問を自らに問うことに
よって、
技術の広がりを認識するはずです。
そのきっかけとなる授業科
目を配置します。業種や職種の違いによる技術に対する考え方の違
いや広がりを学び、
技術への理解を深めるための授業領域です。
技術者および技術に関連する企業人が、広く経営に関する基本的な
知識とものの見方・考え方を学ぶために必要な授業科目を配置しま
す。技術をベースにしたマネジメント全体を学び、
MOTを実践していく
ために必要な授業領域です。
授業科目の名称
授業科目の名称
●
基幹科目
基幹科目
● 技術戦略
●
● ソフトウェア技術マネジメント ●
経営組織
● マネジメント基礎
●
● 技術倫理・哲学
● リーダーシップ
● 技術系経営者論A
● 未来技術論1
● 技術特論
A
●
● 未来技術論2
● 技術特論
B
● 管理会計
●
生産技術マネジメント
伝統技術考
経営戦略
● マーケティング
財務会計
経営財務
● 技術系経営者論B
● マネジメント特論
全科目領域(演習科目群を除く)の基幹科目から4科目以上を履修し、修得する。
各科目領域(演習科目群を除く)
から1科目以上を履修し、修得する。
演 習 科目群
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テーマプロジェクトA・B
ゼミナール 1・2
テーマプロジェクトA・Bはゼミナール1
・2への準備段階として位置づけら
れた科目です。基本的にはテーマごとにグループに分かれて研究を行い
ます。平成24年度前期はテーマプロジェクトAが平成25年度前期は
テーマプロジェクトBが開講されます。修了要件としてA〜Bの2科目のな
かから1科目以上を履修し、
修得する必要があります。
1年次に取得するこ
とが望ましい科目です。
「ゼミナール1
(2単位)
」
は1年次後期に、
「ゼミナール2
(8単位)
」
は2年次前
期・後期に履修する必修科目で、
個人別にテーマを選定して研究を実施しま
す。研究テーマは主指導教員と相談のうえ決定します。
1年次の「ゼミナール
1」では研究テーマ、研究概要、実施計画をたて、
その内容にしたがって事前
調査をおこないます。2年次の「ゼミナール2」では副指導教員を決定し、
1年
間で文献調査、企業訪問、
各種インタビューなどを実施し、調査・分析能力、
問題発見能力、問題解決能力、
構想力、
プレゼンテーションおよび論文によ
る表現能力を養成します。最終的にMOTペーパーを作成します。
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講義内容
【平成24年度予定】
コンセプトイノベーション領域
コンセプト創造論
基幹科目
欧米の先進国は歴史的に見るといずれも模倣の時代があり、生産技術を改善すること
により国力に富み、その後、創造性を強化して世界の科学技術の発展に大きく貢献す
る時代を迎えています。日本は現在、模倣から創造への転換期にあります。企業が厳し
い競争に勝ち抜くためには、社員の持っている創造力を十分に発揮する必要がありま
す。特にこの世の中にまだ存在しない新商品のコンセプト創造をすることが、新規事業
を開拓する上で最も重要です。その方法論を学び、具体的なテーマについてコンセプト
創造の実習を行います。いくつかの具体的な事例研究(文字認識装置事業、日本語
ワードプロセッサ事業、白物家電事業、DVD事業など)を学び、クラス討論によって技術
経営上の判断のあり方を検討します。
開発・プロトタイプ論
基幹科目
現在世界中で数多のMOTコースが実施されていますが、研究開発から設計生産販売
に至るまで筋の通った有用な手法を提示しているものは多くありません。プロトタイピング
はその精髄がすべてに有用という点でユニークです。
本コースでは、教員自身が体験又は経験してきた実際のケースと共に、環境分野、電力
分野、自動車業界、IT通信業界等のR&Dも外部講師を含めて幅広く学びます。また流
通、商社、銀行など所謂製造業以外の産業を含めあらゆる業種で技術はその基礎となっ
ており、したがって一連の技術について知ることは技術者の責務であるばかりでなく、昨
今、文科系の人たちの理解が著しく重要になっています。且つ話題は研究開発から始
まって必然的に企業活動全体に及ぶことを了承してください。そのような観点からなるべ
く、ケース、課題に関するクラス討論やディベート又は演習で関連するスキルを体得できる
ようにしていきたいと考えます。
技術・市場ダイナミクス
もの作りからもの・こと作りに社会変革・会社の変革を考えることができるようなコンセ
プト形成ができることを目的とします。日本のもの作り産業がすでに世界の中での到
達目標を失い、後追いの今までの戦略が通用しなくなった現在の環境で何をすれば
よいかを、新たな市場(顧客)を創造するためにどのような技術あるいは製品・サービス
を開発すべきか、という技術(製品・サービス)と市場(顧客)のダイナミクスについての
観点から議論します。成功例(Smartcity・SmartGid、
Water management、
IPOD、
Google 広告モデル、など)をもとにどのようなLogicから技術と市場が繋がる
かを考察し、新しいイノベーションのための技術・市場ダイナミクス構成を企画・計画
できることを目的とします。
産業財イノベーション
産業財で生じたイノベーションの事例研究と理論を扱います。素材、部材・部品、製品
のバリューチェインにおけるイノベーションを取り上げます。事例研究で洞察力を深め、
諸イノベーション理論をも理解することが目標です。素材、加工分野において中堅、中
小企業の現場で行われているイノベーションへの取り組みも事例研究で紹介します。
イノベーションを技術と市場の視点で理解することを目指してください。
デザイン戦略
デザインとは、「行為に先立ち、その目的と方法を考えること」、という本来の意味を講義
の基本におき、デザインについての理解を深めます。商品は、実用機能的な価値ばかり
で売れているわけではなく、プロモーションやブランドの価値など、デザインを中心とする
情報価値が付加され消費者の手に渡ります。デザインオリエンテッドな経営的手法は、
今後ますます重要度を増していきます。本講座では、講師の体験に基づき、理論はもと
よりその実践的手法も併せて学び、実験を試みます。
ナレッジマネジメント
経営組織がマネジメント系のフィールド論理発見型とすると、そうした知見をもとに新し
い研究領域であるナレッジマネジメント理論の視点から新しい実践枠組み(コンセプト)
を考えていこうとするものです。したがって、経営組織を履修済みであることを受講の前
提とします。
具体的には、規模とマーケットシェアの時代は終焉を迎え、知識が最も中心的な資本あ
るいは経済資源である知識ベース経済の時代となりました。本講義は企業組織におけ
る知識の生成、獲得、活用、すなわち、知の経営(ナレッジ・マネジメント;KM)の理論を紹
介し、有効な実践枠組みを探究していきます。
ビジネスモデルイノベーション
ビジネスモデルは、企業が収益を上げるためだけでなく、競争優位の確立・維持におい
ても大変重要な概念です。この授業では、ケース・ディスカッションを中心に、ビジネスモ
デルの定義や、産業特性や技術との関係性、ビジネスモデルの設計など、ビジネスモデ
ルについて多面的かつ深く考察を行います。
コンセプトイノベーション特論A【健康 ・ 安全・ 快適ビジネス起業論】
従来の第1~3次産業から、社会全体に関わる第4次産業が次世代産業として急浮上
してきました。国民全体の健康・快適・安全・安心に資する、第4の価値を創造する産業
といえます。本講義ではGDPに代る尺度として、人間の幸福度をとりあげて議論しま
す。次にこれらを実現する技術として、インターネットサービスやクラウドコンピューティン
グの現状、脳科学の活用による五感通信、次世代ヘルスケア、ウェアラブルセンサネッ
トワークを解説し、議論します。受講者それぞれの社会起業家マインドの育成を促す、起
業企画書づくりを指導します。
イノベーションフィールド領域
イノベーションプロセス論
基幹科目
シュンペーターは、経済発展は新結合の遂行によるものであるとして、その新結合を①
新しい製品・サービスの生産、②新しい生産方法、③新しい販路の開拓、④原料あるい
は半製品の新しい供給源の開拓、⑤新しい組織の実現の5つの類型に分類していま
す。イノベーションプロセスとは、これらの新結合を起点として旧結合を破壊しつつ他の
新結合を次々と誘発していく一連のプロセスであり、市場との対話を含む双方向の社
会プロセスです。本講義では、技術の相互作用に着目しつつ、ケース・スタディと理論の
検討を通じて、イノベーションプロセスについての理解を深めることとします。
新事業開発論
基幹科目
新事業の開発を、イノベーションの切り口から深く考えてみることにします。ピーター・ド
ラッカーの「イノベーションと企業家精神」を中心の教科書とし、イノベーションの七つの
機会という枠組みを理解したうえで、それぞれの視点で現代の事例について学び議論し
ます。第7回(最終回)には、総力戦略、ゲリラ戦略、ニッチ戦略、顧客創造戦略という4
つの視点で事業化の成功事例について、グループ発表と討論を行います。履修者の
確定を待って、第2回の講義時にグループ分けをする予定です。
プロジェクトマネジメント
企業環境が厳しさを増す中で、プロジェクトの費用対効果の向上が不断に求められてい
ます。プロジェクトの失敗を防ぐべくプロジェクトマネジメントが盛んに議論されています。日
本企業としては技術フォロアから技術リーダへのシフトを迫られており、プロジェクトには必
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然的に挑戦要素が増え、増加する不確実性に直面せざるを得ません。本コースではプロ
ジェクトの企画評価と運営実行の両面から必要な技術や知識を議論します。MOTコース
の院生の皆様が既にベテランであることを鑑み、いわゆる巷間で言われる「プロジェクトマ
ネジメント(実行時のやり方論)」を中心的に議論することはいたしませんのでご承知おきく
ださい。
具体的には不確実性の中の意思決定として、シナリオプランニング、オプション的プロジェ
クト価値評価法、標準化プロジェクトマネジメント手法などを理解し運用できるように練習し
ます。また運営実行にあたり欠かせない組織運営、組織変革にも触れ、企画から実行まで
スルーしたプロジェクトの戦略をケース、例題、などを通じて学びます。プロジェクトの実行
に当たっては、構想力、科学力、探求力に優れる「学習する組織」の構築と運用が必須に
なるので、メンバーの人間管理の面にも触れて難しいプロジェクトをやり遂げる元気を掴む
方法を考えます。
コースの展開の中で必要に応じてゲストスピーカーも適宜招きお話を伺うこともあります。
グローバル技術経営論
現在は先進国主体のビジネスから新興国を含めたグローバル化への時代の転換期に
あります。輸出産業のみならず、従来は内需型であった企業も国際展開が進み、グロー
バルな視点は不可欠な時代となりました。本科目では企業の国際展開のステップ、組
織、マネージメントのあり方、さらに現地事業運営、異文化マネージメントなどについて考
察、海外事業運営経験のあるゲストスピーカーによる講演、ケースを用いての討議等を
通じて企業の国際経営、海外事業運営等に関する知識と理解を深め、グローバルに
活躍できる人材の育成を目指します。
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講義内容
イノベーションフィールド領域
起業家論
ベンチャーマネジメント
イノベーションを起業家の能力から考察します。起業家がビジネス・コンセプトを創造
し、技術を開発し、市場を創造するプロセスを、起業家の能力に焦点を当て分析しま
す。技術開発型とビジネスモデル型の起業家を題材にし、脳科学の成果を取り入れ
て、起業家の成功要因と能力の相関関係を理解することが目標です。脳科学の基
礎知識、起業家能力の仮説化、相関関係分析の習得を目指してください。
21世紀はベンチャー企業の時代であると期待されています。1990年代後半、日本
にもベンチャーブームが到来し、優れた起業家が誕生しています。しかしながら、日本
を含めた先進国では、既存産業が経済を牽引する力が弱まっていることも事実で
す。講義では、履修生自らがベンチャーを立ち上げた場合を想定し、起業家に必要な
ベンチャー企業マネジメントのエッセンスを実践的な視点から学習して行きます。
知的財産マネジメント
イノベーションフィールド特論A 【MOT の実践事例 発表と討議】
「知的財産」は、「知的財産権」と同視され、権利の問題と見られがちです。しかし、知
的財産権は、事業に利用される、技術(発明)、デザイン、ブランドなどの知的財産の
存在が前提となります。また、知的財産及び知的財産権は、イノベーションの創造、
普及、定着にも関わります。本科目では、社会の諸問題の解決、とりわけ技術的解
決に伴って創造され、利用される知的財産と、創造された知的財産を保護し、その不
正利用を取り締まる知的財産権とを含めた知的財産マネジメントについて、事業と
の関わりにおいて学びます。特許公報などに現れる実際のケースを用いて、問題の
発見、解決手段の創造などを含めて、できる限り具体的に議論し、学習を進めます。
受講生の持っている関心やこれまでのキャリアの中で積み重ねてきた問題意識、
例えば製品開発、ビジネスモデルの改革、企業戦略の中における製品ポートフォリ
オの組み方などについて、技術的側面はもとより、技術経営に関するあらゆる側面
から、解決へ向けた考え方や問題意識の向上を目指した討議を行います。また、
授
業は、2回にわたり修了生による発表を行い、同時に修了生にも開かれた授業を
行います。大学院修了後、新たに得られた経験や知見を在校生にフィードバックす
るだけでなく、修了生と在校生が共に討論を行うことで、MOTに対する新たな気づ
きの場とします。
技術領域
技術戦略
基幹科目
技術戦略はいろいろな意味で用いられていますが、このコースでは、イノベーションに
向けていかに技術を戦略的にマネージメントするかという観点で考えます。技術戦略
の舞台は科学技術の発展と社会の将来と福祉といういわば社会的要請と同時に
あるいは、時にはそれ以上に当該企業の存続と持続的発展という動機が支配する
複雑な世界です。自社のリソースをいかに醸成しかつ最大限に活かすか、また自社で
開発出来ない技術をいかに外部から獲得するか等をトータルプランニングする戦略
が技術戦略です。このような技術戦略に、定まった道があるわけではありませんが、
特徴ある企業、技術、製品の技術戦略をケースを通じて議論していきましょう。
ソフトウェア技術マネジメント
わずか50年ほどでComputerは人間の生活のインフラとなり、ライフラインの一つで
す。Computerはハードとソフトで構成されており初期のものは一体として売られてい
たが、HWとSWの別売りが始まったことによりSWだけのビジネスが世の中に出てく
ることになりました。極論すれば、Computerは人類にとって目的のない初めての製
品であり、ソフトウェアでその目的が決まる半製品なのです。また本講座ではシステム
指向とは何かを考えていきます。ソフトのマネージメントを手段として使いどのようにシ
ステムとしてビジネスをとらえるかを考察することにより、ソフトを部品としてではなくシ
ステムの中核として見ることをどのようにすればできるのかを議論します。議論では
サービスサイエンスの考え方、システムのディペンダビリティに対する考察の入り口
についても理解をします。この講義では機能を実現するためのソフトウェア技術とそ
の産業を理解するための知識、ソフトウエアー技術の使い方に対する洞察力を取得
してもらうことを目標とします。
生産技術マネジメント
ものづくり経営論の考え方をベースに、日本企業をとりまく現代経営における諸課題
を講義していきます。
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伝統技術考
本講座の目的は、今日のわが国における多様な伝統文化産業の中から、毎年2例を
取り上げ、その第一線で活躍されている匠の方々を現場に親しくお訪ねして、その伝
統の技と魂、精神に触れ、感動的出会いの機会を開くことにあります。われわれは、
今、アジアの急速な台頭をコアとする新たなグローバリゼーションの時代に突入し、
世界の産業構造と経済勢力地図の歴史的変化に拍車が掛かると同時に、環境、エ
ネルギー、生活インフラ、人間性と文化に関わる諸問題など、21世紀の課題が急浮
上しています。そして、科学・技術の本流が、今、大きく変わろうとしているのです。
加えて、1990年代中頃から、日本がオリジナリティと技術力・知財で世界を制し、圧
倒的に強かった筈の製品が、一瞬にして世界市場で勝てなくなり、世界シェアーを失
うという事態が起きて来ました。しかも、21世紀に入って、この事態はますます広範な
分野で顕著になっています。その大きな一つの背景に①デジタル化、
②オープン化
を基軸とする開発戦略、そして③これらを軸に展開された国際標準を使った生産の
国際水平分業の誕生がありました。日本の‘開発戦略’と‘ものづくり経営’が、今、歴
史的転換期に直面しています。
かかる時代環境の下、われわれは、今、これまでに培って来た日本の強みとアイデン
ティティを発揮・発現させ、しかもこの新しい時代に適応、ひいては新時代創出の先
導者となり、日本のプレゼンスを発揚出来る、これまでの日本の‘開発戦略’と‘ものづく
り経営’のイノベーションが求められ、アジアの成長と発展への参加と日本の大きな
貢献が期待されています。
本講座は、かかる時代の歴史的転換期において、今、日本が求めるべきイノベーショ
ンの基本的指針の一つとすべきものを、‘日本の伝統技術とものづくり、そしてそれを
支えている精神’に触れることによって探ろうとするものです。 それは、時代の変化の
中で、今、存亡の危機の瀬戸際に立つわが国日本の伝統技術・伝統的ものづくりの
中にこそ、ややもするとわれわれが時代の流れに翻弄されがちになることを押し止め、
われわれの将来を真に開く、掛け替えのない本質があると思うからです。それは、われ
われが近代化の過程で、いつか切り捨て、振い落して来たものです。
本講座が、感動的出会いの下、明日の希望と可能性、そして私たちにとって新たな
指針を開く契機となり、今後を深く考え合う機会となることを願っています。
未来技術論1
技術倫理・哲学
新しい産業構造ビジョンが推進され、環境・エネルギー・資源に関わる「グリーンイノ
ベーション」を中核とする、環境エネルギー大国が目指されます。これを実現する未来
技術が産業社会の基盤を変え、又民生・運輸部門の基盤を変え、さらに産業の国際
競争力をもたらします。次世代環境技術、次世代の再生可能エネルギー、次世代原
子力、次世代交通運輸システムは新しいコア技術の開発とともにITも駆使した社会
システムと産業システムとともに実現されます。本講義では、技術戦略とロードマッピ
ングとによる未来技術について俯瞰し、技術開発を経営に結びつけて行くMOT、と
くに開発の階層、開発提案、開発組織と体制論、プロデューサー・シップなどを事例と
ともに学びます。
今ほど、組織が倫理観を問われるとはだれも考えなかったでしょう。技術者は性能の
いいものを、生産者は品質を上げコストを下げることが求められ、経営者はいかに利
益を最大化するかを追求してきています。原発のような問題が起きると経営者の倫
理・会社の社会的責任が問われるのですが、技術者・技術の倫理に関しての議論
は多いとはいえません。本講座では、社会における会社のあり方、その存在意義につ
いて技術者の立場からまた技術をマネージする立場から議論・討論していきます。材
料としてCSRの比較・検討、いくつかの事件・事故をもとにグループで自分が当事者
であったらどのように行動できるかを議論・対応につき討議をします。議論により倫理
観の違いを色々な観点から比較し、自らの倫理観を考察します。
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2011/09/05
19:04:45
講義内容
技術特論A【変革を迫られる日本の産業、特に製造業の将来像を探る】
技術特論 B 【化学産業のイノベーション】
リーマンショック以来の世界同時不況、さらに円高が続き、日本の企業は極めて厳し
い環境に置かれています。製造業は足元の業績を維持するために、ギリギリまでのコ
ストダウンを迫られています。とりわけ、中長期の視点での成長に欠かせない研究開
発費を削減する企業の割合が増えています。成長と雇用創出はイノベーションに負
うところ大です。イノベーションの具体的事例を深掘りして、本質的要素を抽出し、必
要条件を学びます。また、現在進行中のものを含めてイノベーション創出への取り組
みをケーススタディとしてクラス討議を行ない、企業においてイノベーションをどのよう
にマネジメントするかについて理解を深めることとします。
企業の成長促進には「新規事業の創出」、「成長市場への移行」、「より広い市場
への浸透」のいずれかが欠かせないところですが、多くの場合に価値創出に繋がる
商品開発や事業開発とそれらの展開が必要です。鍵となる開発行為の要点につい
て我国の化学系素材工業を対象に掘り起こします。化学系素材工業は商品が一
般消費者の目に止まり難い形態であることが多く価値創造のあり方が見え難い工
業ですが、その生み出す付加価値生産額は他の主要工業に比肩されるレベルにあ
り、我国の有力基幹産業の一つとなっています。個々の企業における取り組みを紹
介し、浮かび上がる課題・要点に対して議論・検討を行います。適宜、ゲストスピー
カーを招きます。講義の価値を高める聴講者の積極的な取り組みを期待します。
マネジメント領域
経営戦略
基幹科目
経営戦略の理論とその応用分析を中心的内容とします。そのための教科書として著書
『経営戦略の論理』を使い、その徹底理解と現実の事例を使った議論を中心にします。
それによって、単に本を読むことだけでは得られない論理的思考の訓練のできる場とし
たいと考えます。毎週レポートを提出させ、そのレポートの中で優れたものをベースにクラ
スでの議論をするという、完全に双方向の議論の場とします。日本企業の実態に即した
戦略論、そしてそれをベースにした身近な企業(たとえば自分の会社)の現実の戦略論
的分析、その二点を目標とします。
マーケティング
基幹科目
マーケティングがわかる技術者の存在は、
企業の競争力を決定づけます。本コースでは、
「自分や自社の優れた価値をいかに利益に変えるか」
というマーケティング戦略の基礎
を講義、
マーケティング事例収集、
そしてグループプロジェクトにより学びます。
マーケティ
ングの基礎はシンプルですが、
理解したつもりでも使いこなしは難しいものです。本コー
スでは、
講義で扱った理論が実社会でどのように当てはまるか、
普段の仕事を離れた領
域での事例探索や、
自社の商品・サービスに当てはめての分析等を通して理論の理解
を深めます。
グループプロジェクトでは、
特定業界の実在企業の立場になって、
創造的
で一貫性のあるマーケティング戦略策定を目指します。結果は、
戦略を承認するマネジメ
ントの立場であるクラスメンバーに対してプレゼンテーションし、
その是非を討議します。
経営組織
基幹科目
MOTにおいては、インテリジェンスを持った人間の相互作用を分析する社会科学の入
門といった位置づけの講義です。個人や集団といったミクロレベルから、組織構造や組
織間といったマクロレベルまで、経営組織論の基礎的考え方や概念の把握と、現実の
組織現象を参加者各自が分析できるツールやスキルの習得を目的とします。具体的に
は、組織と個人、インセンティブ・システム、リーダーシップ、組織構造、計画コントロール・
システム、組織の理念と文化、人的資源管理などのトピックを扱っていきます。授業は
ケースやグループ・エクササイズを活用しながら行います。
マネジメント基礎
経営学の基本的枠組み、および基礎的な諸理論をひととおり理解することを授業の目
的とします。経営学の入門編という位置付けです。
社会科学的なモノの考え方、経営学の研究法、ケース・スタディの意義などについても
扱います。
リーダーシップ
「人間」に対する本質的理解、組織の中の個人、という2つの視点から、講義による理
論的なフレームワーク、自己洞察演習、リーダー研究等を通じて、自らのリーダーシップ開
発に資する事を目標としています。具体的には、交流分析、リーダーシップ
(開発論)、モ
チベーション論、集団行動の基礎
(集団の圧力、多様性、意思決定)などを学習します。
財務会計
「決算書がスラスラと読めるようになりたいが、いくら会計の本を読んでもよく分からない」
といった人が少なくないと思います。それは、会計の「基本的な仕組み」を理解しないま
ま、ただ会計の表ばかりを勉強しているからかもしれません。
全ての企業は、「資金を調達し」、「その資金で事業(投資)を行い」、「利益を上げる」とい
う三つの活動を行っています。そして、これら三つの活動を数字で表したものが決算書で
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す。中でも、「財務三表」と呼ばれる、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算
書が基本です。この企業の基本的な活動を理解するには自分で会社を設立するに限り
ますが、授業では“机上の起業”を行う過程で会計の「基本的な仕組み」を理解し、「財
務三表」の基本的な見方を学習します。簿記が分からなくても問題ありません。
管理会計
企業組織の経営の実体の大切な部分をなす管理会計システムについて、わかりやす
い入門書と経営者の書き物をベースに、入門的でありながら深い内容を目指します。モッ
トーは、「現場から考える」そして、「自分の周りの管理会計」。通常の会計の講義とは
まったくことなり、経営の視点から管理会計をいかに使うか、を考える講義とし、自分の周
りのさまざまなシステムを管理会計的視点で見られるような目の養成を目指します。また、
松下電器が中村社長のもとで行った経営改革の多くの側面を管理会計の目から見て
みることによって、経営改革における管理会計の重要性を深く考えたいと思います。
経営財務
企業が行う活動を資金の調達と運用
(投資)
の面から総合的管理方法を学習します。
企業の資金調達の方法、
資金運用
(投資)
の有利性の評価、
資本構成、
支払い能力
の維持、
配当政策・自己株式取得、
合併・買収、
会社更生、
企業評価など、
企業が日常
業務において、
また特別な状況において直面する様々な問題をファイナンス理論の発
展を取り入れて学習します。資本コスト、
企業価値評価、
そして投資決定の理論のよう
な、
言わば
「普遍的な理論」
と、
企業活動の現場のシチュエーションによって答えが異な
る、
言わば
「現場の理論」
との見方の違いをケースにより学習したいと思います。
技術系経営者論 A
6人の技術系経営者をゲストとしてお招きして、「イノベーションを生むマネジメント」を共
通のテーマとしてゲストの経験に基づくお話を伺い、参加者全員でディスカッションを行
います。後半のディスカッションでゲストからどのようなお話を伺えるかは、参加者がどのよ
うな姿勢で臨み、どのような質問をするかにかかっています。本講義は、ゲストと参加者
の相互作用によって理解を深める「場」となることを目指しています。
技術系経営者論B
前期の技術系経営者論Aでお招きした6人の技術系経営者について、経営者研究を
行います。具体的には、3人程度のグループで1人の経営者を担当し、技術系経営者
論Aの速記録、オーラル・ヒストリー等の資料を使って研究を進めます。また、協力が得ら
れる場合には、経営者の追加インタビューや工場見学を実施します。グループ研究の
成果を授業の中で発表して、それをもとに全員でディスカッションを行います。
マネジメント特論A【マーケティング構想力の養成】
「顧客価値を実現してはじめて、技術はマーケティング上の価値を持つ」であれば、技術
者には『顧客ベネフィット』を常に考える発想スタンスが求められますが、マーケット志向
や顧客志向という言葉だけが空回りして、気がつけば技術論理を押しつけてしまってい
ることがよくあります。では、顧客に尋ねればいいかというと、実は顧客自身も自分が求め
るベネフィットがよく分かっていないことも多いものです。
こうした場合、表面的な顧客の意見や行動に振り回されず、背後にある真の顧客ベネ
フィットに目を向けていくたくましいビジネス・スタンスが必要です。本コースでは、『たくまし
い顧客発想ができる技術者』を目指して、顧客発想の意欲・スタンス・能力を身につける
きっかけを提供したいと思います。
2011/09/05
19:04:45
教員クローズアップ
教員クローズアップ
企業内では学ぶことのできない、実践力を養う授業の数々。個々の課題を解決していくヒントを見つけてください。
実際の授業で話されている内容や課題、研究テーマや教育方針などを紹介します。
刺激あふれる授業と
地道な積み重ねが生み出すもの
e ラーニングでは教えられない、
頭の回し方を経験させる
伊丹 敬之
教授
担当授業科目(平成24年度予定)
・経営戦略
・管理会計
・テーマプロジェクト A、B
・ゼミナール 1、2
研究テーマ
企業経済分析、経営戦略論、日本の企業システムを研
究テーマの中心とする。
「戦後日本の経済的成功の背景には、ヒトを企業経営の
中心におく『人本主義』の原理があった」とする、伊丹
教授の理論は、専門分野である経営学および企業経済
学の領域を超え、さまざまな視点と考え方を社会に投げ
かけている。
『イノベーションを興す』
(日本経済新聞出版社)
イノベーションについて考えるための枠組みを提供する
伊丹教授の著書。グーグル、CD、日本語ワープロなど、
人々に感動を生み出させるような大きなイノベーションが
生まれるプロセスを、段階を追って解説している。企業
の現場で実務に携わる技術者だけでなく、イノベーショ
ンに興味のあるすべての人たちに読んでほしい一冊。
代表的著書
『経営学入門』
(共著、日本経済新聞社)
、
『経営戦略の
論理』
(日本経済新聞社)
、
『よき経営者の姿』
(日本経
済新聞出版社)
『経営を見る眼』
(東洋経済新報社)など。
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払い、
必死に何かを掴もうとして集まってきた人材が
創り出す
「場の力」。
それは、
同じ釜の飯を食ったとい
う昔の企業組織の状況を再現するだけではなく、
強
い個性と個性がぶつかるところまで高まってきていま
す。企業内の人間関係が希薄になりつつある時代の
なかで、
他人から刺激を受けることの楽しさを大学院
生たちは感じています。
こちらも教えていて、凄く楽し
い、
ただ楽しい。熱心に議論することの楽しさを彼ら
も感じています。
情報の量ではなく、
そういった濃密な
プログラムを生み出していくことが私たちに求められ
ているのでしょう。
現行カリキュラムのマネジメント領域にある経営
戦略の授業には、
異なるバックグラウンドを持ち、
個々に課題やテーマを持った社会人の方が参加して
いますが、
とくにそのことを私は意識しません。端的に
言えば、
経営戦略の論理を養うということになります
が、
実際の授業は、
教科書を事前に読むことが前提
で、
さらにケースブックというものを割り当てます。
それ
には理論編と応用編があり、
理論編であれば、
そこに
ある企業の具体的なケースが書かれているので、
それ
「小人を動かす」こと。
について個々に理論を作成しレポートを提出させま
もっとリアルに、もっと細かく。
す。
その上で議論を行う。
たいへんなのは応用編で、
チャプターにある論理をもとに、
自分でケースを探し、 頭の回し方について明示的にやってみようと言って
発表、
皆で議論します。戦略の論理をどうやって回す いることは、
「頭のなかで小人を動かせ」
ですね。
実行
か、
という頭の訓練を行うものですね。教科書やケー したら何が起こるかを、
どこまでも具体的にイメージさ
スブックに書いてある構成要素を個人が咀嚼して、
自 せていくことです。
言葉遊びではなく、
一歩一歩論理
分で使えるようにするのが目的です。
を積み重ね、
精密に頭のなかに事例を描いていく。
大学院生たちは、
その辛い課題を準備し、
また授
授業でも話しましたが、
アサヒビールが低迷から立ち
業で否定されたり肯定されたりするプロセスを経なが
直って成功していくときに、
まず既存商品の廃棄を
ら、
自分なりに何か手応えのようなものを掴んでいき 行ったんですね。利益が13億円のときに18億円かけ
ます。実際に仕事に戻って使える頭の回し方の体得 て。
そのとき組織には何が起こったのだろうかと。
「ア
ですね。知識はすぐ陳腐化していきますし、
頭のなか サヒビールの社員は…」
と考えてはだめなんですね。
にない情報は本を読むことで手に入ります。
人の話を 「あるセールスドライバーが回収している」、
「工場の
熱心に聞き、
唾を飛ばしながら語り合うことでしか掴
○○さんが廃棄を行っている」
、
と小人をどんどん動か
めない経験こそが重要で、
それは私の授業だけでな していく…。
そうイメージしていくとリアルな情景が浮
く、
学校全体にもあると思います。eラーニングやテレ かんできます。
そうすると、
一度水から製品を瓶にまで
ビでは習得できない、
「素朴にきちんと考えること」
へ 詰めた工場の人がいちばん辛いだろうという想像が
の気づきです。
その教育がなされていることが伝わ できてくる。廃棄するには、
そのままビールを流せばい
り、
年々、
意識の高い大学院生が集まってくる風潮が いわけではありませんから。何日もかけて生み出した
生まれているのではないでしょうか。
製品を、
また何日もかけて無害の水に戻すわけです
から。
それは辛いはずです。
濃い人間関係が育まれる
論理や高級な言葉で分析を行うとそういうリアル
ボディコンタクトのある授業
なイメージまではたどり着けません。
ジャンプせずに、
その他にも、
1年時に履修できるテーマプロジェク 細かいことを見落とさずに考えていくトレーニング。授
トやゼミナールなど、
グループワークが中心となる授
業で指摘され、
気づかされていくことで、
「小人を動か
業を東京理科大学のMOTは、
とても大切に考えてい す」頭の回し方が身についていきます。
ます。私が担当しているプロジェクトでは、
ユニークな
キャリアへの不安、転職希望、
MOTを実践している企業を選んで、
大学院生たちに
そして仕事では学べないこと
分析をさせています。
資料収集はもちろん、
企業への
ヒアリングも実際に行います。
そこまで調べても、
発
大学院生たちは、
それぞれ目的を持って集まってき
表時に深く突っ込まれれば「出直します」
ということに ています。
それは個人的な問題ではありますが大切な
なる。
その作業を繰り返すなかで
「こういうことを考え 動機です。解決できない問題もあるかもしれません。
るのか」
を体得していくのです。
それでも教員と話し、
同期と話し、
先輩と話すことで
ノスタルジーではなく、
昔の日本企業には、
その濃 ヒントを掴んでほしい。人間関係が希薄になった組
い人間関係のなかで培われる
「刺激」
があったはず
織風土に戻ったとしても、
濃い人間、
少し暑苦しいお
です。
だからこそ強く、
世界競争する力が育まれていた じさんかもしれませんが、
ここで受けた刺激は、
相当な
と。
それと同様の状況が、
このMOTで再現されていま インパクトを与えることでしょう。濃い人間関係は強い
す。相当な時間的犠牲と決して安くはない授業料を 自信をも育むと思います。
2011/09/05
19:04:50
教員クローズアップ
院生同士のネットワークを活用し、
創発戦略とその専有可能性を鍛えていく
どのよ
うな状況にも対応できる柔軟性
これからの技術者に必須のスキルを磨く
坂本 正典
教授
担当授業科目(平成23年度予定)
・プロジェクトマネジメント ・テーマプロジェクト A、B
・技術戦略
・ゼミナール1、2
研究テーマ
もはや高品質だけでは競争優位の源泉にならないエレクト
ロニクス産業や新エネルギー産業において、イノベーション
技術の開発戦略、研究開発プロジェクトの戦略はどうある
べきかを技術戦略とプロジェクトマネジメントの両面で研究す
る。孫子(まごこ)の代に安全な地球環境を引き渡すのは、
技術者の使命。大きな視野、高い視点で今後の技術展
望を考える。
『技術者のためのマネジメント入門
生きたMOTのすべて』
(日本経済新聞社)
本学のMOT専攻教員による、技術関連企業人のための
マネジメント入門書。技術経営の哲学からはじまり、戦略
やマーケティング、組織論、プロジェクトマネジメントなど
を簡潔に解説している。また、
社会を変えたイノベーション、
新規事業の実例、市場と技術の相互作用が働いた事柄
など、具体例も紹介されている。MOTを学びたいと考え
ている全ビジネスマンの必読書。
代表的著書
『液晶便覧』
(共著、丸善)
、
『Alignment Technologies
and Applications of Liquid Crystal Devices』
(共著、
Taylor & Francis、本書は 2005 年度、日本液晶学会
著作賞をいただきました)
、
『有機ELハンドブック』
(共著、
リアライズ社)
『フラッ
、
トパネルディスプレイ基礎講座』
(共
著、テクノタイムズ社)
、
『有機基板上の電子デバイス 低
温プロセスと応用展開』
(監修、
共著 シーエムシー出版)
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17
大学では有機固体、
高分子、液晶などの物性物理、
今の言
葉ではソフトマテリアルフィジックスを専攻。
その後東芝時代
に関わってきた液晶分野の研究者としての経験が原点になっ
ています。大学での専門を活かした基礎研究をはじめ、
薄膜ト
ランジスタの上に液晶を乗せたアクティブマトリックスのTFT
液晶の開発にも参加。3-4インチサイズの液晶テレビを初め
て開発しました。当時の液晶テレビは今のものに比べると画
質も粗く、大きさも40インチはおろかA4サイズすら実現不可
能といわれている時代。
そのような中で5インチ、
10インチのサ
イズに向けて開発を拡大していきました。
それでもパネル価格
は数十万円になってしまい思うように用途は見つかりません。
し
かしノート型パソコンの登場とともにディスプレイの量産がは
じまり、
状況は一変します。
キラーアプリケーションが製品や技
術の発展に如何に大きな影響を与えるか、
まさに研究者として
体験したわけです。パソコンという新しい用途がなければ、
今
の液晶テレビも生まれていなかったかもしれません。
東芝では、
さらに低価格化を目指して、低温ポリシリコン
TFT液晶の技術開発にも着手していました。
しかし単なる価
格面での従来技術との差別化は容易ではありませんでし
た。ただ高精細画面の優位性を活かして写真に近いクオリ
ティまで技術を高めていました。
そこでの課題もやはり
「市
場」。
そこに登場したのが“写メール”
。世の中の携帯電話に
写真機能が搭載されたとき、
本来「低価格で大型・高品質の
液晶をつくる技術」が別の需要に合致し、活用されることと
なったのです。
こうした技術開発の事例は多くあります。本来の目的では
ないところでも、
少し視野を拡げれば、
新しい需要を見いだす
ことができます。技術競争だけであれば、大型化や高品質だ
けの追求に陥ってしまったでしょう。
つまり技術者にとって重
要なことは、
ある問題が起きたときに、
すぐに対応できる柔軟
な体制を準備しておくこと。このような対応力を創発戦略と
呼んでいます。例えば今日は天気がいいから太陽電池を作る
けれど、
曇ったときのために風力発電の準備もしておくといっ
た具合です。常に誰にも真似されない特徴的な戦略、
専有可
能性
(appropriability)
を持った戦略を用意しておくことが大
切なのです。
ケーススタディから学んだことを
いかにフィードバックできるか
MOTは、
卒業後の資格獲得を目的とした会計大学院や
法科大学院などとは違います。学び甲斐を見える形で表現す
ることはできませんが、
ここで学んだことを自分のビジネスでど
のように生かしていくかによって、
卒業証書以上の力を発揮で
きるはずです。MOTにやってくる院生は、
社会人経験を積ま
れた方なので、
自分なりの見解を持ちながらも、
やはり何か新
しいビジネスの手法をここで教えてもらえると期待して入学さ
れることも多いようです。
しかしそんなに便利なノウハウのよう
な手法はありません。MOTは、院生の皆さんが、互いに議論
し意見交換していくことで、
自分の考えをしっかり磨き上げて
いく場所なのです。
私が担当する
「プロジェクトマネジメント」や「技術戦略」の
授業では、講義は最初のガイダンスを除き、
あとは殆どすべて
ケースディスカッションとなっています。
さまざまなケースを学ぶ
ことになりますが、
ただたくさん繰り返していけばいいというわ
けではありません。
たかだか数10ページのケースを読んだとこ
ろで、
分かることなどほんのわずか。
さらに書かれたケースがす
べて事実とも限りません。
ケースという情報を単にデータベー
スとして入れるのではなく、
言わばフィットネスジムにある運動
器具を使うような感覚で、身に付けた能力を実際のビジネス
の場で生かすところまでイマジネーションを高めていく。
普段の
業務では経験することがないことも、
自分のまわりで起こった
ように疑似体験していくことこそが重要なのです。
技術者にはもっとさまざまな角度から
製品の用途をイメージして欲しい
MOTの院生の皆さんには多彩なバックグラウンドがありま
すが、現状は製造部門の方がやや少ないのが残念ですね。
製造工場が都心から遠いことも多く物理的に通えないため
だと思いますが、
それでも私は実際の製造現場でオペレーショ
ンをマネジメントしている方たちにも積極的にアプローチして
いただきたいと考えています。
ここで学んだことを工場でフィー
ドバックして、広い視野から製品イメージを描けるようになって
ほしいと願っていますので。
私もかつてそうでしたが、
技術者たちは実によく専門の技術
について考えています。
しかしその一方で、
製品のデザインや
用途をリアルに考える技術者は意外と少ないのです。例えば
液晶などのディスプレイなら画面サイズを大きく、
画像を明るく
するためにはどうしたらいいか、消費電力を下げるにはどうした
ら良いかなど技術にばかり目がいきがち。
ですから例えばiPod
には、
日本の部材や液晶パネルなどが多数使われていますが、
「Designed by Apple in California」
となってしまってい
るのが現状。
タッチパネルのメーカーは日本にたくさんありま
すが、
なぜアップルしかその技術を組み合わせる
「デザイン」
が
できなかったのでしょうか? 現在の日本の企業はさまざまな
技術を持っていますが、
個々の技術の組み合わせとなるとまだ
まだです。視野を広げて1+1+1が5や6どころか100にもなる
世界があることを知れば、
可能性が広がっていくのです。
業界や企業の垣根を超えて
思う存分議論できる場
私の授業、
「プロジェクトマネジメント」
では、
90分という短い
時間内で物事を理解し、
自分の言いたいことを短い言葉で話
すための繰り返しが行われるため、
スピーディに考察していくス
キルが身につきます。
また、技術領域の基幹科目の「技術戦
略」
では、
各分野のエキスパートが院生のなかに揃っています
から、業界の裏話、
ここだけの話や失敗談を含めた、
製品開
発や戦略の
“真実”
を聞くことができます。教室では企業名や
職場の役職をみなさん捨てて、
自由に議論していますね。
シリ
コンバレーのパーティでは、意見交換してひらめいたことを実
際にやってみたり、互いの得意分野の技術で一緒に組んだり
して事業を広げるということが多々ありますが、
このMOTでの
良い意味での異業種交流によって、
ここから新しい製品や
サービスが生まれていく日も近いのではないでしょうか。
2011/09/05
19:04:53
専任教員紹介
教員クローズアップ/教員紹介
あずま まこと
東 実 教授
担当授業科目
開発・プロトタイプ論
技術特論A
テーマプロジェクト A
テーマプロジェクト B
ゼミナール1
ゼミナール2
東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、昭和47年4月(株)東芝に入社。新幹線などに搭載されるパワー半
導体デバイスの研究開発と事業化を研究者、技術リーダーとして実現。平成元年に基礎研究所長、その後材料・デ
バイス研究所長、記憶情報メディア事業本部・統括技師長を歴任。平成1
1年から常務、上席常務として研究開発セ
ンター所長を4年余り、引き続き専務として最高技術責任者を4年余り歴任。平成20年6月に顧問に就任、平成23
年5月に退任。その間、経団連技術政策部会長、幾つかの府省の委員会委員長、委員を歴任。平成23年より現職。
現在、TDK
(株)顧問、長岡技術科学大学経営協議会委員および学長選考委員、中国清華大学顧問教授。
い た お きよし
板生 清 教授
担当授業科目
コンセプトイノベーション特論 A
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
い た み
ひろゆき
伊丹 敬之 教授
担当授業科目
経営戦略
管理会計
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
か み や
東京大学名誉教授。工学博士。昭和 43 年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。同年日本電信電話公
社(現:NTT)入社。昭和 49 年~ 50 年米国 MIT 研究員、NTT 記憶装置研究部長、研究企画部長等を歴任。
平成 4 年中央大学。平成 8 年東京大学工学系研究科。平成 11年新領域創成科学研究科教授。平成 16 ~ 18
年本学総合科学技術経営研究科教授・研究科長。平成 18 年より現職。平成 20 年本学総合研究機構 危機管
理 ・ 安全科学技術研究部門長 ( 併任 )。平成 16 年精密工学会会長。NPO 法人 WIN(ウェアラブル環境情報ネッ
ト推進機構)理事長、独立行政法人科学技術振興機構「先進的統合センシング技術」研究領域総括、文部科学
省安全安心科学技術委員会座長、環境プランニング学会代表理事、人間情報学会代表理事。著書に『コンピュー
タを「着る」時代』
(文春新書)など多数。 昭和 44 年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和 47 年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了
・
PhD。翌年一橋大学商学部専任講師。昭和 52 年同大学助教授、昭和 60 年教授。この間スタンフォード大学客
員准教授等を務める。平成 6 年から 2 年間一橋大学商学部長。平成 12 年同大学大学院商学研究科教授。平成
20 年より現職。IT 戦略本部、バイオテクノロジー戦略会議など政府関係委員を多数歴任。平成 17 年 11月紫綬
褒章を受章。著書に『経営学入門』
(共著、日本経済新聞社)
、
『経営戦略の論理』
(日本経済新聞社)
、
『よき経営者
の姿』
(日本経済新聞出版社)
、
『経営を見る眼』
(東洋経済新報社)
、
『イノベーションを興す』
(日本経済新聞出版社)
など。
た か し
神谷 隆史 教授
担当授業科目
リーダーシップ
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和 45 年神戸大学経済学部卒業、
富士写真フイルム株式会社入社。人事部長、
取締役会室室長を歴任。この間、
社内における人材開発プログラムの構築、人事制度改革・連結経営管理システムの構築、及び各業界人事部関係
者を対象とした研究講座等において多くの実績を上げる。平成 15 年戦略人材開発研究所代表取締役所長。平成
16 年より現職。著書に、
『経営改革を進める役員マネジメント』
(共著、経営書院)
。
さ いとう ともあき
濟藤 友明 教授
担当授業科目
起業家論
産業財イノベーション
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和 56 年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学。工学院大学工学部講師、助教授を経て、
平成 5 年東京理科大学経営学部教授。大学院経営学研究科幹事、同大経営研究所所長を歴任。平成 15 年ベ
ンチャービジネス・TUS ネット株式会社で日経優秀製品・サービス賞受賞。平成 16 年より現職。平成 17 年同研究
科専攻主任、NPO 日本モノづくり学会代表理事。著書に『Japanese Business Success』
(共著、Routledge)
、
『戦
後経営史入門』( 共著、日本経済新聞社 )、
『技術者のためのマネジメント入門』
(共著、日本経済新聞社)など。
さ か もと まさのり
坂本 正典 教授
担当授業科目
技術戦略
プロジェクトマネジメント
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和 54 年東京大学大学院物理工学博士課程修了、工学博士。同年東京芝浦電気株式会社入社。この間、米
国 MIT に客員研究員(物理)として留学。総合研究所主任研究員、ディスプレイデバイス技術研究所及び液晶開
発センター開発部長 / 主幹、日本液晶学会理事を歴任。平成 13 年東京大学工学部物理工学科非常勤講師。平
成 14 年 Avecia 入社、Covion GmbH の有機 EL 材料技術開発 / 技術営業に従事。平成 16 年より現職。著書
に『液晶便覧』
(共著、丸善)
、
『Alignment Technologies and Applications of Liquid Crystal Devices』
(共著、
Taylor & Francis)
。
「技術者のためのマネジメント入門」
(共著、日本経済新聞社)など。日本 MOT 学会理事。
た な か よ し お
田中 芳夫 教授
担当授業科目
ソフトウェア技術マネジメント
技術倫理・哲学
技術・市場ダイナミクス
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和48年東京理科大学工学部電気工学科卒業。 同年、住友重機械工業 ( 株 ) を経て、昭和55年 IBM 研究開
発部門入社、通信製品・CIM Solution・PC 開発・DOS/V の立ち上げ後、平成10年 IBM 本社勤務。平成13年
研究・開発部門企画・事業推進理事。平成17年マイクロソフト入社 CTO・CSO/CPO を経て、平成19年 1月、青
山学院大学大学院客員ビジネス法務専攻客員教授 ( 現任 )、同年 7 月 独立行政法人 産業技術総合研究所 参与
( 現任 )。平成20年より現職。その間、業界団体、官公庁委員会、OECDなどにて委員として参加および学会理事。
経済同友会、日本工学アカデミー会員。
掲載の教員、授業科目は平成24年度予定を掲載しています。
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と く し げ も も こ
徳重 桃子 教授
担当授業科目
マーケティング
ゼミナール1
ゼミナール2
上智大学文学部哲学科卒業。コンサルティング会社勤務を経て、平成 8 年 SRI インターナショナル入社。平成 14
年より、ストラテジック・ビジネス・インサイツ(旧 SRI コンサルティング・ビジネス・インテリジェンス)のディレクターと
なる。平成 16 年助教授として就任し、
平成 18 年より現職。商品開発、
ブランド力診断、
アイディエーションワークショッ
プなど、マーケティング戦略・事業開発のプロジェクトおよび Japan-VALS をリード・運営。食品、家電、通信機器、
医薬品、車、住宅等の分野でのプロジェクト経験が豊富。
ま つ し ま しげる
松島 茂 教授
担当授業科目
イノベーションプロセス論
技術系経営者論A
技術系経営者論B
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
みやなが
昭和 48 年東京大学法学部卒業、同年通商産業省入省。中小企業庁計画課長、大臣官房企画室長、工業技術院
技術審議官、中部通商産業局長等を歴任。中小企業政策、産業技術政策の企画・立案に従事。平成 13 年 4 月よ
り法政大学経営学部教授。平成 20 年より現職。現在、中小企業政策審議会経営支援部会および企業力強化部
会委員。著書に「産業集積の本質」
(共編著、有斐閣)
、
「地域からの経済再生」
(共著、有斐閣)
、
「進化の経営史」
(共
著、有斐閣)
、
「和田明広オーラル・ヒストリー」
(東京理科大学 MOT 研究叢書)
、
「イノヴェーションの創出」
(共編著、
有斐閣)など。
ひ ろ し
宮永 博史 教授
担当授業科目
コンセプト創造論
新事業開発論
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
東京大学工学部、MIT 大学院卒業。NTT 電気通信研究所、AT&T ベル研究所スーパーバイザー、ルーセントテクノ
ロジー社マーケティングディレクターを歴任。その後コンサルティング業界に転じ SRI 勤務を経て平成 12 年デロイトトー
マツコンサルティング(現アビームコンサルティング)統括パートナーに就任。平成 14 年同社取締役。平成 16 年より
現職。主な著書に『理系の企画力』
(祥伝社新書)
、
『成功者の絶対法則セレンディピティ』
(祥伝社)
、
『顧客創造実践
講座』
(ファーストプレス)など。
みゆき と み な り
幸 富成 教授
担当授業科目
ベンチャーマネジメント
経営財務
財務会計
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和 52 年上智大学大学院法学研究科修士課程修了、株式会社日立製作所入社。昭和 60 年証券業界に転職。
外資系証券会社取締役など経て、平成 11年興銀証券(現みずほ証券)執行役員兼財務開発部長就任。この間、平
成 13 年まで本学経営研究所客員研究員を務める。平成 13 年野村證券ストラクチャードファイナンス部長等を務める。
平成 16 年より現職。論文に「ファイナンス・イン導入の時」
(共同執筆)
、
「電力・金融“ビッグバン”の融合がもたらす
FT【証券化】方法論」など。日本ナレッジマネジメント学会理事。
さ さ き け い ご
佐々木 圭吾 准教授
担当授業科目
経営組織
ナレッジマネジメント
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
昭和 61年九州大学経済学部経済工学科卒業、松下電器産業株式会社入社。平成 4 年一橋大学大学院商学研究
科修士課程修了。平成 8 年同大学院同研究科博士課程単位取得満期退学、横浜市立大学商学部経営学科専任
講師。平成 9 年同大学助教授。平成 18 年より現職。論文に『集団における知識創造メカニズム』
(組織科学)など。
に し の か ず み
西野 和美 准教授
担当授業科目
マネジメント基礎
ビジネスモデルイノベーション
テーマプロジェクトA
テーマプロジェクトB
ゼミナール1
ゼミナール2
一橋大学商学部卒業。富士写真フイルム株式会社勤務を経て、一橋大学大学院商学研究科修士課程に進学。平
成 13 年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(商学)
。平成 13 年一橋大学大学院商
学研究科助手。平成 14 年より東京理科大学経営学部経営学科講師。平成 16 年より講師として就任、平成 18 年
より現職。著書に『ケースブック 経営戦略の論理』
(共編著、日本経済新聞社)など。
掲載の教員、授業科目は平成24年度予定を掲載しています。
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教員紹介
併任教員紹介
併任教員
かたおか
担当授業科目
ひろし
片岡 寛 教授
●イノベーションフィールド特論A
PROFILE 学歴・経歴
東京教育大学理学部卒業。理学博士。一橋大学商学部長などを歴任。一橋大学名誉教授。平成17年諏訪東京理科大学経営
情報学部教授、平成18年同大学長。平成22年から東京理科大学大学院MIP教授。元日本商品学会長。著書に『産業社会の
進展と化学』、『最新商品研究入門』など。
主な非常勤教員紹介
非常勤教員
担当授業科目
い わ くら の ぶ や
岩倉 信弥 客員教授
し ん たく
●デザイン戦略
じ ゅん じ ろう
新宅 純二郎 客員教授
●生産技術マネジメント
ふ じ も と た か ひ ろ
藤本 隆宏 客員教授
●生産技術マネジメント
べ っし ょ の ぶ を
別所 信夫 客員教授
●技術特論B
ま つ お たかし
松尾 隆 客員教授
●伝統技術考
み し な い わ お
三品 岩男 客員教授
●知的財産マネジメント
もり けん い ち
森 健一 客員教授
●伝統技術考
や ま だ た け し
山田 建己 客員教授
ゆ は ら
●グローバル技術経営論
て つ お
湯原 哲夫 客員教授
●未来技術論1
じ ゃっきー し ば た まさ ゆ き
Jacky 柴田 正幸 非常勤講師
●マネジメント特論A
PROFILE 学歴・経歴
多摩美術大学図案科卒業。昭和39年本田技研工業(株)入社、技術研究所専務取締役、本田技研常務取締役を経て平成11
年社友に就任。日本発明表彰通商産業大臣賞、グッドデザイン大賞をはじめ多数受賞。平成13年より多摩美術大学教授、平成
18年同大学理事、平成22年同大学名誉教授。平成16年立命館大学博士(経営学・デザインマネジメント)。
平成元年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。同年4月学習院大学経済学部専任講師。平成5年東京大学
経済学博士取得。平成2年学習院大学経済学部助教授、平成8年東京大学大学院経済学研究科助教授、平成19年准教授。
昭和54年東京大学経済学部経済学科卒業。株式会社三菱総合研究所入社を経て、昭和59年ハーバード大学ビジネススクール
博士課程入学。平成元年博士課程修了・D.B.A取得。同年、ハーバード大学ビジネススクール研究員。平成2年より東京大学経済
学部助教授就任。この間リヨン大学等客員教授、ハーバード大学上席研究員等を歴任。平成10年東京大学大学院経済学研究
科教授、平成15年より東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター長就任。
昭和53年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。同年、
日本合成ゴム株式会社
(JSR株式会社)
入社、研究開発グループ
精密電子研究所長、取締役
(研究開発、事業開発担当)
を経て、常勤監査役に就任、現在に至る。平成14年から3年間北陸先端
大学大学院客員助教授、
平成18年から2年間高分子学会常任理事、
平成21年から2年間日本工学会監事。 上智大学外国語学部卒。(社)日本能率協会ニューマネジメント開発促進事業部長などを経て新経営研究会創立。人間と自然が
輝く豊かな価値の回復と創造、日本のアイデンティティーと独自の存在価値の表出がライフテーマ。平成13年より金沢工業大学
客員教授。
昭和44年東京理科大学理学部物理学科卒業。平成18年MOT専攻修了。昭和53年弁理士試験に合格し、弁理士登録。昭和
58年に三品特許事務所設立。昭和63年から湘洋内外特許事務所を経て特許業務法人湘洋内外特許事務所パートナー。平成
15年から神奈川大学工学部、平成19年から東京理科大学大学院工学研究科、平成18年MIP専攻において非常勤講師を務め
る。著書『ビジネス方法特許―その特許性と権利行使』
(共著、
青林書院)
。
昭和37年東京大学応用物理学科卒業、東京芝浦電気株式会社総合研究所入社、同社情報システム研究所長、取締役パーソ
ナル情報機器事業本部長、常務取締役を歴任、 平成11年東芝テック株式会社取締役社長、平成15年相談役、平成16年から
平成23年3月MOT専攻教授。大河内記念技術賞、科学技術庁長官賞など多数受賞。平成18年度文化功労者。著書に『ワープ
ロが日本語を覚えた日』(共著、三田出版)、『日本語ワードプロセッサの誕生』(丸善)、『パターン認識』(共著、電子情報通信学会)、
『MOTの達人』(共著、日本経済新聞出版社)など。
昭和40年東京理科大学理学部応用物理学科卒業、本田技研工業株式会社入社。昭和62年取締役就任、平成4年常務取締
役ホンダR&Dノースアメリカ社長、平成6年ホンダオブアメリカ社長、会長を歴任。平成9年から平成13年(株)ユタカ技研代表取
締役社長。平成14年から平成17年本学特別顧問。
昭和45年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。同年三菱重工業株式会社入社。長崎研究所室長、次長、横浜研究
所所長を経て、平成14年東京大学大学院工学系研究科教授。平成19年定年退官、
平成20年同大学特任教授。平成21年か
ら財団法人キヤノングローバル戦略研究所理事を兼任。
工学博士(昭和57年東京大学)、専門は応用力学、環境・エネルギー技術政策、海事・海洋工学。
エネルギー政策、海洋政策、地球環境政策などの政府委員、総合科学技術会議などの学識委員を歴任。
早稲田大学政治経済学部抹籍。エレクトロニクス分野の取材記者を経て、コンサルテーション会社勤務。コンシューマ・マーケティン
グ部門の責任者を勤めた後、コンサルタントとして独立。現在、マーケティング・コンサルテーションを主業務とするJacky Marketing
Office 代表。著書に『競争優位のマーケティング』、『プレゼンテーション力を鍛えるトレーニングブック』など。
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もっと
MOT
Q
MOTは企業活動の
どのような場面で
必要になるとお考えですか?
入学者 デ ー タ
∼データでみる東京理科大学MOT見聞∼
MOTの魅力の一つは、
社会で重要な責務を果たしながら学業を修了できることです。
在学生や修了生の通学スタイルや履修状況、修了後の進路を具体的なデータでご覧
ください。
研究・技術開発
マーケティング・事業・製品開発
人材育成
すべての業務
その他
社内改革や社外コンサルティング
戦略やビジネスモデルの策定
平成22年MOTシンポジウムアンケート結果より
(平成23年度)
年令
性別
業種
修了生 デ ー タ
修了生修得単位数(平成22年度) ※修了単位:38単位以上
MOT修了後の進路(例)
将来
社内の全てを見渡し、全ての部門と交渉できるマネジメント能力、技術のロードマップを描ける構想力を持つプロジェクトリーダー
■ 技術の市場性、
事業性を構想し、技術経営について体系的な知識を持ち、産業競争力をデザインできる幹部技術者
■ 技術の市場性、
事業性を予測できる能力を駆使して、事業家を支援する、
コンサルタント・弁理士・TLOインキュベータ
■ 技術が社会貢献や産業の活性化をもたらすための政策の立案能力を備えた科学技術政策担当、
産業振興・地域振興担当の行政官
■ 技術またはビジネスモデルを活かしたベンチャー経営者
企業経営者
技術戦略の統括責任者
新規事業化リーダー
オペレーションの統括責任者
■
平成24年度時間割について
(予定)
平 日 夜 間 開 講
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21
6時限
18:30∼20:00
7時限
20:10∼21:40
土 曜 昼 間 開 講
時 限
時 間
時 限
時 間
1時限
9:00∼10:30
4時限
14:40∼16:10
● 平日は18:30から2時限、土曜日は9:00から6
時限あります。
2時限
10:40∼12:10
5時限
16:20∼17:50
● 授業の実施形態は90分
(半期)
または180分
(四半期)
となります。
3時限
13:00∼14:30
6時限
18:00∼19:30
● テーマプロジェクト、
ゼミナール
(2年次)
は土曜
日にあります。
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初年度納付金
志願者、合格者数の推移
(単位:名)
志願者
平成18年度
合格者
70
(8) 59
(5)
志願者
合格者
平成21年度
76
63
平成19年度
68
62
平成22年度
79
65
平成20年度
66
59
平成23年度
66
63
(単位:円)
入学金
授業料
280,000
560,000
(1,120,000)
施設設備費
実験実習費
300,000
ー
合計
1,140,000
(1,700,000)
◎
( )
内は年額を示します。 ◎授業料は2回に分納できます。 ◎2年次以降の学生納付金の内訳は、授業料及び施
設設備費とし、
その金額は、初年度納付金の内訳と同額です。◎上記のほかに、入学後に学生傷害共済補償費1,400
円
(予定)
を徴収します。
(2年次以降の金額は、年度により異なることがあります。) ◎学校法人東京理科大学の設置す
る大学、又は大学院を卒業若しくは修了し、
イノベーション研究科に進学する者は、入学金を半額とします。
※( )
内の数字は、1年コースに対応。 ※ 平成19年より、1年コースの学生応募は停止しています。
在学生 デ ー タ
履修科目数
▼
1年
▼
2年
▼
合計
※修了単位:38単位以上
(平成23年度)
科目数:
0∼5
6∼10
11∼15
16∼20
勤務地所在地
自宅所在地
MOTの修了生・在学生の出身企業の例
● キヤノン
●
松下電器
● 日立
東芝
NEC
● ソニー
● TDK
● ホンダ
●
●
● 日産自動車
IHI
JSR
● 東京電力
● 東京ガス
● 三井化学
● 富士フイルム
● 富士ゼロックス
●
●
住友3M
● マイクロソフ
ト
● NTT
● 日本ユニシス
● NTTデータ
● セコム
● 武田薬品
● アス
トラゼネカ
修了者数の推移
● キリンビール
●
●
三菱商事
● 日本銀行
TBS
鹿島建設
● 弁理士、
医師
● ベンチャー
● 中小企業経営者 等
●
●
(単位:名)
平成18年度
48
(6)
平成19年度
45
平成20年度
58
平成21年度
52
平成22年度
58
※( )
内の数字は、
1年コースに対応。
※ 平成19年より、
1年コースの学生応募は停止しています。
参考:平成23年度 イノベーション研究科 学事日程
日 程
4月1日
(金)
区 分
新入生ガイダンス
日 程
区 分
前期授業開始
4月9日
(土)
入学式(中止)
4月4日(月)~7月25日(月) 前期授業期間
7月26日(火)~8月4日(木) 前期集中講義及び授業予備期間
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22
5月4日
(水)
は大学創立記念日
●
6月14日
(火)
は学園記念日であるが、授業回数を勘案し授業を実施する。
8月5日(金)~9月20日(火) 夏休み
●
入学式(4月9日(土))の式典日の授業は休講とする。
●
9月21日
(水)
授業回数を勘案し、後期授業期間の9月23日
(金・祝)
、
10月10日
(月・祝)
、
12
月23日
(金・祝)
は授業を実施する。
● 前期授業期間の5月2日
(月)
、後期授業期間の11月18日(金)・19日(土)は休
4月1日(金)~4月2日(土) 履修申告に係る面接(学修指導)
4月4日
(月)
●
後期授業開始
9月21日(水)~1月23日(月) 後期授業期間
12月25日(日)~1月9日(月・祝) 冬休み
3月18日
(日)
学位記・修了証書授与式
講日とする。
●
授業の休講等による補講及び学期末試験・最終試験等については、前期は
7月26日
(火)
~8月4日
(木)
、後期は1月24日
(火)
~2月1日
(水)
の間に実施
するものとする。
2011/09/05
19:05:22
在学生・修了生インタビュー
在学生
社外ネットワークからの新しい刺激にはつねに発見がある
弱い人、妊婦、病気の人、スポーツ中、休肝日などでも
志望した理由
ビールの味や雰囲気を楽しみたいという幅広いニーズ
日本IBMでは、
アウトソーシング部門でITアーキテク
に合致し、想定外の顧客創造ができたことがヒットに
トとして、お客様の経営目標の実現や経営課題の解
繋がったと知りました。また、
テーマプロジェクトでは、
決のために、ITの活用やIT戦略の支援を行っていま
経営学の古典としてチェスター・バーナードの『経営者
す。ただ、同じ会社に長くいると考え方が凝り固まって
の役割』
を輪読しました。ここでは内容の理解に加え、
くるもの。
もっと「攻め」のIT戦略を立案するための経
どうして著者はこの本を書こうと思ったのかという背景
営視点を身につけたいと考え、社外ネットワークから
を読むことが重要。
それぞれの解釈を聞き、
自分の考え
の新しい刺激に期待してMOTを志望しました。また外
を整理することができました。先生が言われた「バー
資系企業では、
グローバリゼーションの流れから合理
ナードに平伏すな」
という言葉がとくに印象的でした。
的な動きが進みがちですが、果たしてそれはお客様で
ある日本企業に合うのだろうかという疑問が浮かんで
きます。
そのことを会社に提言するための武器として、
学びの特徴
MOTは、座学もディスカッションも外部の講師の講
自分の考えを整理する時間と場所が欲しかったという
演もバランスが取れていると思います。会社からいっ
のも志望理由のひとつです。
たん離れ、利害関係のない環境で、
まったく違った業
魅力を感じる授業
佐藤 裕美さん
日本アイ・ビー・エム株式会社 ITデリバリー
平成22年入学
将来像
界の人たちとともにディスカッションをすることで、
つね
MOTには学びたいことが多く、
2年では足りないく
に新しい発見がありますね。先生方も実務経験者が
らいです。
1年目は少なめに履修したほうがいいと先輩
にアドバイスいただいたにもかかわらず、
すべての領域
私は広い領域からまんべんなく授業を取っています
多いので、授業で学んだことをすぐに実践の場で生か
が、
どれもとても新鮮です。なかでも「技術・市場ダイナ
せる点も魅力です。また、私の勤めている日本IBMは、
からたくさんの授業を取ってしまい、
レポートに追われ
ミクス」は、
さまざまな事例を分析する面白さがありま
さまざまな授業でケースに取り上げられることがあり、
ていました。
でもどの授業も自分が仕事をするなかで
す。授業ではキリンのノンアルコールビールがヒットした
外部から自社がどのように見られているのか、内部の
実感できるものばかり。将来は、
ここで学んだことを通
要因をテーマに議論しました。当初は「飲んでも運転で
認識と違いがあるかなど、新しい見方ができるのも参
して、
もっと日本の仕事のやり方の良さや日本の価値
きる」を売りにしていたようですが、
それに加えて、
お酒に
考になっています。
を世界に発信していきたいですね。
在学生
教員陣は憧れ以上の存在。多彩な体験談は、
どんな文献にも勝ります
吉岡 哲也さん
日本郵船株式会社 海洋事業グループ
機関長(Chief Engineer) 平成23年入学
志望した理由
またとない機会として、学生生活を楽しんでいます。
は、どこからボールが飛んでくるのかわからない。大
魅力を感じる授業
れに勝るとも劣らない刺激に満ちていますね。ちなみ
技術経営を志す私にとっては入学前には憧れ以
にM OTの新キャンパスである建物名称の「神楽坂
上、雲の上の存在であった先生方から間近でお話を
PORTA」のPORTA(ポルタ)とは、偶然にも港の意
海原という大自然の中で長く仕事をしてきましたが、
そ
聞けるのは、待ちに待った機会でした。実際に「コンセ
味。MOTは、私が世界中で訪れた寄港地のように、
リ
プト創造論」や「開発・プロトタイプ論」などの授業
フレッシュさせてくれる場所であり、厳しい自然の中の
で、激動の時代を切り開いてきた先駆者たる先生方
オアシスのような存在に感じています。 これからは
の成功あるいは失敗に基づく数々の言葉の臨場感に
MOT学生の母港として、温かく見守り続けてくれる事
本当に感銘を受けています。幾多の経験を体系化し
でしょう。
現代解釈を加えた知見は、著名な書籍をいくら読んだ
としても、体得することはできないでしょう。またその一
将来像
方で、
「産業財イノベーション」、「マネジメント基礎」な
授業や学生同士の交流を通して習得したノウハウ
ど、経営学の基礎となる授業も充実しています。専門
や人 脈を生かしながら、自らがプレイング・マネー
海技者として25年間世界中を旅し、船舶の安全か
性が深まるにつれマクロな視野を失いがちの技術者
ジャーとして業務の効率的推進の核となっていきたい
つ効率的な運航経験から得たノウハウやテクノロジー
に、
さまざまな角度からアプローチすることの大切さを
と考えています。当社は126年以上の歴史のある世界
をもっと経営に生かせないか、
と考えたのがMOTを志
教えてくれます。まだ入学して数カ月ですが、確実に業
有数の海運会社ではありますが、
その歴史の長さがゆ
望した理由でした。目標は3つ。地球深部探査船「ち
務効率の向上に生かされていると実感しています。
えに、過去の技術に依存しているケースがあります。そ
学びの特徴
に改革が必要な部分もあるのかもしれません。同時
に、長年にわたり伝承してきた、高い付加価値を持つ
きゅう」の運航管理を通じて、地球内部のマントル物
質抽出の技術開発を行う現在の業務から得られる技
れはイノベーションの余地があるとも言えますが、早急
術をマネジメントし、海底資源の抽出に特化したビジ
理科大のMOTは、カリキュラム、講師陣ともに、A
ネスモデルの構築に繋がるスキルを身につけること。
(アカデミック)、B(ビジネス)、C(コンサルタント)の
独自のテクノロジーもあります。これらを体系化し、新
これまで培ってきた見聞を形式知化する幅広い試み
それぞれの分野がバランスよく配置され、かつ実践的
たなる戦略を構築していき、将来はその原動力となる
を通じて、技術者として未知なる分野への挑戦を続け
です。さらに一緒に学ぶ方々の、高いモチベーション
若手にさまざまな知見を伝えていきたいと思います。
ること。そして、異業種の方々とふれあい、心を成長さ
が授業の内容を一層濃くしています。会社内では、ど
せていくこと。これらの目標を三拍子揃って実現できる
うしても同じような考え方に陥りがちですが、授業で
P13-24.indd
23
2011/09/05
19:05:26
在学生・修了生インタビュー
東京理科大学MOTでの経験から、
それぞれが得たもの
修了生
進化したい技術者が改めて学び、
チャレンジできる場所
で、
技術経営の本質を学び直す場所なのだと私は
志望した理由
考えます。
東京理科大学大学院を修了後、磁性体、医療
機器、
電子部品などの技術開発に携わってきまし
た。MOTとの出会いは、
技術者として10年が経過
入学以前と比べると、
マネジメントを学んだことで
し、
次の10年の自分自身のキャリアを考えていた時
多面的に物事を考えて製品設計をするようになり
のことでした。MBAではなくMOTを選択したのは、
ました。
また、
さまざまな打ち合わせでもパターンか
技術者として、
市場、顧客、経営を知り、
より良い戦
ら外れて意識的に別の切り口から意見することや、
略を設計・技術に生かすためです。加えて、
他の大
顧客のメリットを考えた中立的な視点を加えること
学院の授業体系は、働きながら学べるものではあ
ができるようになったかもしれません。
これは異業
りませんでしたが、
東京理科大学MOTの場合は社
種のクラスメイトとの意見交換で修練した成果だ
会人だけを対象としたカリキュラムになっており、
仕
と思います。技術への思いや、
本質的な意味での
事をしながら学べる環境が整っていました。
顧客志向も強くなったように思います。
また、MOT
最も興味深い授業
宮永教授の授業で自社の強み分析について指
専攻で学んだことで、
自社のこと、
他社の動きや将
宮 拓郎さん
住友スリーエム株式会社 電気通信マーケット技術 電気・電子製品技術部
平成17年入学 平成19年修了
来についても気を配るようになりました。
今、
製品、
チャンスがある限り、永遠に学び続けなければいけ
経営手法などが急速に横展開される中、企業戦略
ないと考えているためです。
また、
職業人は、
そうそう
摘されたときには目からうろこが落ちました。
「競合
自体がコモディティ化してきているのではないでしょ
簡単に仕事上の失敗は許されませんが、
大学では自
相手も持っている強みは、真の強みと言えるの
うか。
これをどう乗り越えていくかが、
今後の課題だ
分の思うトライ&エラーを存分に繰り返し、
新たな考
か?」。同時に「自社、
製品の強みは簡単に生まれな
と感じています。
え方や方法にチャレンジできます。
「学ぶ」
ということ
後輩へのメッセージ
す。東京理科大学MOTは職場と自分の挑戦心が
い、
だからこそ戦略が必要である」
という、
本質的な
ことに気づかされました。MOT専攻の授業は、
詰め
の本質は、
このトライ&エラーの繰り返しだと思いま
込み型のいわゆるビジネススクールとは違います。
私はMOT専攻修了後、
平成21年に開設された
生むジレンマを解消し、
さらに進化し続けたい技術
社会人として世間や自社の仕組みを理解した上
INS
(イノベーション専攻)
に入学しました。技術者は
者の修練の場です。
修了生
仲間たちや先生方との「濃い2年間」の無限の価値
新性の考察」、
「ミンツバーグの『マネジャーの仕事』
を読
んでの考察」など幅広く、理科大MOTならではのもので
企画し、機器の考案から試作まで行いました。
もともと
した。また、難しいテーマであったとしても、期限までに自
『ずもみん』のアイデアは、医療器具でもある脚用のエア
分の考えをまとめなければなりません。
その繰り返しのな
マッサージ器を頭部に転用できないだろうか?と
「デザイ
かで、効率と集中という時間の使い方をマスターし、
「い
ン戦略」の授業のときに思って以来個人的にずっと温め
つまでにやる」ではなく、
「いつならやれる」
という業務の
ていた企画だったのでメンバーたちと共同でひとつの商
進め方ができるようになったことは、現在の仕事において
品を考えていく作業はとても楽しかったですね。開発にあ
も大いに役に立っています。
たっては、
メンバーと一緒に関連企業へのインタビューか
後輩へのメッセージ
増田 佳子さん
株式会社中外臨床研究センター オンコロジー開発部
平成21年入学 平成23年修了
そして最終的には、装着してもらった学生からのアンケー
ほぼ全員が社会人である理科大MOTでは、何かしら
トを回収しプレゼン発表を行いました。限られた3カ月と
職務においての問題意識を持っている学生が多いと思
入学した頃にはがん領域のバイオ抗体創薬の臨床開
発を主務としており、
いわゆる
“メディカル漬け”の毎日を
送っていました。
そのなかで現状を打破し、
自分を再起さ
せるためには上質なインプット、
つまり新しい知識や思考、
刺激を補給すべき時期ではないか、
と考えていたとき、偶
然電車内の広告で存在を知ったのが東京理科大学の
MOT。机上の理論ではなく、実践重視のMOTで「生きた
知識」に触れることが、
今の自分には最適な方法だと感
じ、迷わず受験を決めました。
最も興味深い授業
演習科目の「テーマプロジェクトB」は特に強く印象に
24
残っています。
「みんなを幸せにする」
というコンセプトで、
『ずもみん』
という頭部マッサージ器をメンバーと一緒に
ら、
ツボの研究、
さらには業務委託による試作品の発注、
志望した理由
P13-24.indd
現在の業務で役立っていること
いう時間のなかで、
各プロセスを最適に効率よくまわして
います。ただ、
「自分はこれを改善したい」が具体的になっ
いくためにどうするか?を日々考えることで、
プロジェクトの
ていなくても、気になったら思いきって入学することをおす
あり方を改めて学ぶ良い機会になりました。
すめしたいですね。絶対損はないです!入学後の仕事と
現在の業務で役立っていること
ニックや考え方も自分のスキルになります。不測の事態
授業との両立は大変ですが、
その忙しさを乗り切るテク
幅広い業界から学生が集まっているので、同じテーマ
が起こっても必ず学校へ行く体制を整えて行動している
や課題でも、一人ひとりの考え方や着眼点がまったく違
と、
自然と時間の配分や段取りはもちろん、電車のなか
います。驚きとともに、他の人たちの発想に触発され、
自
での細切れの時間の有効活用なども上手くなります。意
分でも新しい発想が生まれていくのが実感できます。自
欲のある方なら2年間で驚くほど成長していることが実
分の仕事とは関係がない多彩な授業テーマがその大き
感できるのではないでしょうか。会社や役職を離れ、立場
な要因かもしれません。
そのなかでも、佐々木先生の『経
のしがらみのない仲間たちや、驚くほど親身になってくだ
営組織』の題材は秀逸で「アメリカ合衆国海兵隊が世
さる先生方と一緒に過ごす「濃い2年間」
を持つことその
界最強と言われる要因」、
「三菱重工客船火災事故とい
ものが、
とても有意義だと思います。
う失敗例」
といった変わり種から、
「3M社の卓越した革
2011/09/05
19:05:32
各種活動 TOPICS
MOTシンポジウム
大技術転換期のMOT
〜自動車の未来を考える〜
平成22年9月25日(土)、東京・大手町の日経ホールで
MOTシンポジウム「大技術転換期のMOT〜自動車の未来を考える〜」
が開催されました。
平成23年度は、10月15日(土)の開催を予定しています。
平成22年度のMOTシンポジウムでは、
トヨタ
よってつくられた自動車文化の問題などが語ら
パネルディスカッション要旨
自動車株式会社の内山田竹志副社長が「次世
れました。また、電気自動車(EV)の普及につい
代車両とトヨタの技術戦略」と題して講演を行
て、
「メーンプレーヤーは、規制が緩く大きな購
いました。またパネルディスカッションでは、伊
買層がある中国になるのではないか」、
「日本で
丹敬之教授をコーディネーターに、東実教授、
EVが20%を超えるのは20年がポイント」など、
鶴島克明教授、
そして自動車評論家・日本EVク
活気ある討論が行われました。
ラブ代表の舘内端氏が加わり、技術開発の現
まとめ
状と課題についてさまざまな意見が交わされま
今回のシンポジウムでは、内山田副社長が、
した。
基調講演要旨
ハイブリッド技術をいかにコア技術として確立
パネルディスカッションでは、内山田副社長
していくかについて、幾つかの考え方を示唆さ
内山田副社長の
と東実教授、鶴島克明教授、
自動車評論家・日
れました。また、新興国から先進国まで、世界中
基 調 講 演では 、環
本EVクラブ代表の舘内端氏がパネリストとして
の市場に対応する方針も提示。さらにパネリス
境・エネルギー対応
登壇。伊丹敬之教授がコーディネーターを務
トによるさまざまな意見から、ポスト石油時代
など、
今日的な問題
め、討議は基調講演に対する質問からスタート
に即した次世代自動車の目指す姿も印象に残
を交えながら具体的
しました。内山田副社長は、新興国市場の対応
りました。自動車産業が必要としているのは、
なトヨタの取り組み
に関する質問を受け、
マーケットに求められる車
燃料や社会インフラの多様化に伴った技術の
について議 題が展
造りへの対応を紹介しました。
転換。市場のニーズに技術で応える、技術経
開されていきました。
ここからテーマに沿って、社会インフラの変化
営の重要性が広く認識された有意義なシンポ
「石油に代わるエネ
や技術の世界標準化への対応、エンジン車に
ジウムでした。
ルギーと今後の自動車との関係」、
「電気自動
車が抱えているコスト面での課題」、
「プラグイ
ンハイブリッドの現実性」など、
クルマを巡る諸
問題について深く考察がなされていました。ま
た、市販目標を平成27年としている燃料電池
車についても、課題と対策を話され、講演に集
まった人たちの高い関心を集めていました。
▲ 鶴島 克明 教授
▲ 伊丹 敬之 教授
▲ 東 実 教授
▲ 舘内 端 氏
▲ 内山田 竹志 氏
教育の質の向上を図る活動
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25
技術経営専攻では、教育の質の向上を図るための活動を行っております。
員にフィードバックするとともに、教員研修会において議論を重ね、次年度
教員の教育方法などの質の向上を図る組織的なFD
(ファカルティ・ディベ
の講義内容や授業方法の改革・改善に努めています。また、教員個々の自
ロップメント)活動として、
「教員説明会」、
「授業担当者の授業自己点検評
主的な活動として、
「相互授業参観」
を行っています。
価」、
「教員意見交換会」、
「専任教員研修会」等を、専攻内に設置している
また、
在学生の意見を聴取し教育の質の向上を図る活動として、
「学生との
教務委員会で企画及び運営を行っています。
それぞれの授業科目では、
We
意見交換会」を行ない、聴取した意見は、専攻内に設置している教務委員
bシステムを利用し履修した学生による「授業アンケート」
を実施し、担当教
会等で検討され、
カリキュラムの改善等に反映しています。
2011/09/05
19:06:56
各種活動TOPICS
海外視察活動
平成22年度におけるMOT専攻教員及び学生有志による視察活動の一例をご紹介します。
▼
ハワイ大学
自然エネルギー研究所・水素自動車の開
発、
ハワイ島の地熱発電所・太陽熱発電・
太陽光発電所を訪問し自然エネルギーに
対する取り組みの研究およびビジネス展開
について議論を行いました。
▼
▼
国立台湾科技大学、ITRI訪問
シンガポール視察旅行
南洋工科大学にて、
シンガポールにおけるMOT/MBAおよび、
Globalizationについての
議論を行い、
・パナソニック研究所・横河電機工場を訪問し日本企業の海外オペレー
ションについて学びました。
国際的に展開されている研究・開発体制
を学びました。
イノベーション研究センター
MOT
(技術経営)
とMIP
(知的財産)
の研究発展と情報発信活動
イノベーションのためには、MOT(技術経営)
とMIP(知的財産)が非常
●参加実績
に重要であるとの考えから、
平成22年4月にイノベーション研究科内に
平成20年度
平成21年度
平成22年度
「イノベーション研究センター」を設立しました。
イノベーション研究セン
ターの前身は、
平成19年4月にMOT専攻内に設立された「MOT研究セ
ンター」で、教員によるMOTに関する研究を推進すると共に、
その研究成
果を「MOTシンポジウム」、
「エグゼクティブセミナー」及び「CTOフォーラ
ム」の開催や書籍等の出版を通じて、MOTについての考え方及び研究
成果を社会広く情報発信してきました。
イノベーション研究センターは、
そ
の活動を継承し、MOTとMIPに関する研究を推進すると共に、
その考え
方及び研究成果を社会に広く情報発信していきます。
●シンポジウム開催実績
テーマ
技術経営の力学
∼日本型MOTと企業戦略∼
エグゼクティブセミナー
18社
9社
13社
開催年月
CTOフォーラム
8社
ー
ー
主な講演者
東実 氏(株式会社東芝 顧問)
平成20年10月 伊丹敬之、森健一、
松島茂
イアン・マクラミン教授
(ペンシルバニア大学ウォートンスクール)
ロベルト・ヴェルガンティ教授
Energizing Japan’
s Innovation
平成21年11月 (ミラノ工科大学ビジネススクール)
∼日本のイノベーションを活性化する:MOTの役割∼
橘川武郎教授(一橋大学大学院商学研究科)
伊丹敬之、宮永博史
内山田竹志 氏(トヨタ自動車株式会社 取締役副社長)
大技術転換期のMOT 舘内端 氏(自動車評論家、日本EVクラブ 代表)
平成2
2年9
月
∼自動車の未来を考える∼
東実、
伊丹敬之、
鶴島克明
※平成20年度及び平成21年度は、MOT研究センター時の実績となります
出版物
■イ
ノベーション研究センター 研究叢書シリーズ
刊行番号
1
刊行番号
2
P25-34.indd
26
『全員が一流をめざす経営』-川越胃腸病院に学ぶ働く人が輝きだす組織改革-
金津佳子・宮永博史 著 生産性出版(2010/6)
『本田宗一郎:やってみもせんで、
なにがわかる』
伊丹敬之 著 ミネルヴァ書房(2010/9)
刊行番号
3
刊行番号
4
刊行番号
5
『技術経営の常識のウソ』
伊丹敬之 著 東京理科大学MOT研究会 編著・日本経済新聞出版社(2010/12)
『経営理念とイノベーション』- あこがれを信じ求める力が企業を動かす 佐々木圭吾 著
生産性出版(2011/3)
『企業再生と知的財産』- 知財活用の新たな局面 津野孝 監修 春田泰徳/鈴木公明 著
経済産業調査会(2011/7)
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19:07:00
各種活動 TOPICS
認証評価結果
財団法人 大学基準協会による認証評価受審結果について
専門職大学院は、認証評価機関の認証評価を5年以内に受審することが法令
に定められています。
財団法人 大学基準協会について
MOT専攻は、
平成20年度に「平成19年度自己点検・評価報告書」をもとに、認
証評価機関である財団法人大学基準協会による認証評価を受審して、
「評価
の結果、貴大学は本協会の大学基準に適合していると認定する。認定の期間
は平成26年3月31日までとする。」
との評価をいただいています。
また、専攻の使命・目的、教育の目標、内容、方法、
また教員構成など、多岐にわ
たり非常に高い評価をいただきました。
提言の中では次の6項目が長所としてあげられています。
平成14年の学校教育法改正に伴い、平成16年度以降わが国
の大学は、文部科学大臣の認証を受けた評価機関による評価
を7年以内の周期で受けることが義務づけられました(認証評
価制度)。これを受けて、大学基準協会は平成16年度に認証
評価機関としての認証を受け、大学の質的向上をはかることを
目的とし、各大学が実施する自己点検・評価を基礎とする大学
評価を実施しています。平成8年の発足以来、400以上の大学
が評価を受けました。経営系専門職大学院については平成20
年度より認証評価を行っています。
使命・目的・教育目標
使命・目的・教育目標の周知
必修科目において経営系教員と技術系教員の両方か
ら指導を受けることにより、学生が多面的なモノの見
方、考え方ができるように工夫がなされており、技術
的視点と経営的視点の双方が不可欠な技術経営教
育の模範であること。
講演・教育活動、エグゼクティブセミナー、CTOフォー
ラム、中小企業基盤整 備 機 構との連 携によるセミ
ナーなどの活動にMOT専攻として積極的に取り組ん
でおり、技術経営専門職大学院の社会的な広報活動
のモデルとなるものであること。
実践的な教育方法
独自の教員構成
討論、演習、
グループワーク、
ケーススタディ、
シミュレー
ション・ゲーム等の実践的方法で講義が行われており、
また実際に経営にかかわっている現役の社長、役員等
の経営者をはじめ、実践的に技術経営を指導している
コンサルタント等の特別講師を招へいし、授業内容に
厚みを持たせる実践教育を行っていること。
(A)アカデミック系教員、
(B)企業における事業経
験または政府などにおける政策立案経験を有する実
務家教員、
(C)コンサルティングまたはシンクタンク
経験を有する実務家教員をとり混ぜたバランスのとれ
た教員配置を行っていること。
適切な管理運営
学生への経済的支援体制
学生の、適正な定員管理が行われており、書類審査お
よび面接試験の総合的な評価にもとづいて行われる
入学者選抜方法も、実務経験にもとづく問題意識を
有する学生を受け入れるための選抜方式として有効
に機能していること。
奨学金制度が、実際に多くの学生に役立っており、学
生の経済的負担に配慮した支援策として有効に機能
していること。
MOT専攻は、
平成19年度より法令に定められた認証評価機関による受審とは別に
外部機関による
自己点検・評価の取り組み
自主的な外部機関の評価の取り組みを検討してきました。MOT専攻では、平成21
年度から以下の「外部評価委員会」による自己点検・評価活動の仕組みを確立し、
継続的に教育の質の向上と提供につながる教育改善等の推進を図るFD活動に取
り組んでいきます。
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平成21年度評価結果
平成22年度の取り組み
平成21年度における自主的な外部機関の評価の取り組みとして、
「平成20年度自己点検・報告書」を作
成し、学識者1名、企業人有識者3名、M OT専攻修了生1名からなる「外部評価委員会」を設置し、評価を
受けました。
その結果、各委員より、MOT専攻の教育研究活動は、着実に実績を重ねているとの良い評価をいただき、
特にカリキュラム、履修における工夫、単位取得等での運営に関して学生への適切なフィードバックと情報
提供が行われており、専門職大学院として規範になるとの評価を得ました。
平成 21年度に実 施した「外部 評 価 委員
会」の評価結果に基づき、M OT専攻内委
員会で改善等について検討し、
「平成21
年度外部評価委員会指摘事項への対応」
をMOT専攻として取りまとめました。
2011/09/05
19:07:00
各種活動TOPICS
修了生の活動
東京理科大学MOT大学院同窓会“創湧会”
東京理科大学専門職大学院MOT専攻には本専攻等の在校生、修了
生そして大学教職員の同窓会“創湧会”があります。平成19年3月に発足
して以来、大勢の関係者が入会し、会員数は現在300名を越えるまでに
なりました。
“創湧会”は、
「MOT専攻の学び舎において熱くそして有意義な議論を
交わし、有益な時間を共有した仲間同士の交流の輪を、在学中から卒業し
た後も末永く大切にしていこう」という趣旨でつくられた、東京理科大学
MOT出身者の、東京理科大学MOT出身者による、東京理科大学MOT出
身者のための人的ネットワークです。会は、ボランティアの理事によって支
えられ、
そしてMOT専攻の教職員の協力も得て、東京理科大学MOTで学
んだ会員のゼミや学年の垣根を越えた「MOTでつながる緩やかな交流と
講演会受付をされる
「創湧会」理事の皆さん
連携」をサポートしています。
創湧会の主な活動には、特別講演会や交流会の開催、メルマガ“創湧会通信”による
会員全員向けの各種情報の配信、
ソーシャルネットワークサービス(SNS)の提供があり、
また、授業科目「技術経営特論D」における講義協力、講義情報の提供・共有などがあり
ます。さらには、有志で現役生応援企画「ブッククロッシング」を開催するなど、フレキシブ
ルに富んだ活動を展開してい
ます。
開設したSNSにおいては、
会員主導のコミュニティがすで
に数多く立ち上がっています。
例えば、同期会やゼミ同窓会
など同期や同門の親睦を深め
“インドMOT型一本締め”
をご披露下さった森先生と鶴島先生
るコミュニティがあれば、一橋
大学MBAとの合同勉強会「一理会」、古典リーディングなどの互いに研鑽を積む勉強会コ
ミュニティがあり、さらにはゴルフ同好会、
もやしもん会、MOTレディース会といった同じ趣
味や立場で集うコミュニティもあり、SNSは会員同士の情報交換・情報伝達の場として実
同窓生、
先生が大勢参加しての交流会“インドMOT型一本締め”をさっそく実践
に多様なスタイルで活用されています。
創湧会主催で開催された
特別講演会
MOT専攻 森健一教授 平成20年3月 「インドのMOT」
MOT専攻 伊丹敬之教授 平成20年10月 「経営の力学」〜もう一つの枝分かれする一筋の道〜
ハートツリー株式会社
「環境ビジネスで成功例をきかないのはなぜ?
代表取締役社長 服部進氏 平成22年2月 〜マーケティングの視点から〜」
科目等履修生制度
科目等履修制度により修了生の学習機会の保証
本学専門職大学院では、
平成19年度から専門職大学院学
( )は履修科目数
則に定められている科目等履修生として専門職大学院の修
研究科総数
MOT修了者数
平成20年度
11(18)
5(6)
平成21年度
20(31)
12(19)
平成22年度
42(142)
11(16)
了者のみの受け入れを決定し募集を開始しました。修了生の
みの科目等履修生を受け入れることにより、学生に対して修
了後の学習の機会を与えることで、日々変化する社会の技
術経営に関する実践知を学習することが保証されます。ま
た、修了生が授業を履修して在学生とともに受講すること
は、修了生が在学中に修得した実践知と教育で培った能力
を発揮し養った実務力は、授業により深みと厚みが加わり、
教員、在学生、修了生の互学互習により効果的な実践教育
※詳しくはホームページをご覧ください。
が期待できます。
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28
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19:07:06
学生募集活動
■
募集概要
募集人員
出願期間、
面接日、
面接場所
技術経営専攻 60人
出願資格
次の1~6のいずれかに該当する者
1. 学士の学位を有する者、
又は平成24年3月取得見込みの者
2. 外国において、
学校教育における16年の課程を修了した者、
及び
平成24年3月までに修了見込みの者
3. 専修学校の専門課程
(修学年限が4年以上であること、
その他の文
部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)
で文部科学大臣
が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
4. 文部科学大臣の指定した者
5. 修士の学位を有する者、
又は平成24年3月取得見込みの者
6. 大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者
※出願資格6により出願する者は、
独自の出願資格審査があります。事前に専門職大学
院事務室
(技術経営専攻)
にお問い合わせください。
出願書類
1. 入学願書
(最近3カ月以内に撮影した写真1枚を貼付してください。
)
2. 大学卒業証明書若しくは卒業見込証明書、
又は大学院修了証明書
若しくは修了見込証明書
(3カ月以内に発行のもの)
3. 2 に係る成績証明書
(3カ月以内に発行のもの)
4. 履歴書
5. 志望理由書
6. 面接に係るアンケート用紙
7. 外国人の場合は、
登録原票記載事項証明書、
又はパスポートの写し
(パスポートの写しは、
氏名、
生年月日、
性別の記載されたページと
日本国査証及び入国許可書のページが必要です。
)
8. 奨学金申込書
(希望者のみ)
■
第1期 選抜試験
第2期 選抜試験
第3期 選抜試験
募集人員
10人
30人
20人
出願及び
検定料
納入期間
平成23年11月7日
(月)
∼
平成23年11月21日
(月)
平成24年1月10日
(火)
∼
平成24年1月24日
(火)
平成24年2月6日
(月)
∼
平成24年2月20日
(月)
面接日
平成23年12月4日
(日)
10:00∼
平成24年2月11日
(土・祝)
10:00∼
平成24年3月4日
(日)
10:00∼
合格発表日
平成23年12月8日
(木)
平成24年2月15日
(水)
平成24年3月8日
(木)
◎出願は、
各期選抜試験のいずれか1回のみとし、
複数回の受験は認められません。
◎面接日当日の集合時間及び面接場所は、
「受験票」
に記載いたします。
なお、
面接日当日の集合時間の変更はできません。
選抜方法
入学者の選抜は、
「出願書類」
の履歴書、
志望理由書、
面接の検査結果
により判定します。
また、
面接については、
次のとおり行います。
● 面接は、
受験生1人25分程度行います。
● 面接は、
最初に10分以内でプレゼンテーションによる自己アピールを行い、
引
き続き、
出願書類及びプレゼンテーション内容に係る質疑を行います。
● プレゼンテーションでは、
これまでの職歴等による業績等や、
志望理由書に
記載した事項、又はその他の事項で特に強調したいこと等を自由に発表して
ください。
また、
発表の際には、
本学が用意するノートパソコン、
液晶プロジェ
クタ、
スクリーンや、
各自で用意する印刷物
(各自で6部持参)
、
製作物等を用
いて行なってください。
● ノートパソコンを用いてプレゼンテーションを行なう受験生は、
自身のノートパ
ソコンの持ち込みは一切出来ませんので、
発表するデータを自身の記憶媒体
(USBメモリー、
CD-Rのみ)
に保存して、
面接日当日にお持ち下さい。
なお、
念
のため、
発表するデータの印刷物を1部印刷のうえ、
併せてお持ち下さい。
※本学が準備するノートパソコンの仕様は、
次のとおりです。
OS;WindowsVista、
アプリケーション;Office2007
募集要項の請求について
〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3 東京理科大学 学務部 専門職大学院事務室MOT専攻係
TEL. 03-5228-7691 FAX. 03-5228-7692 E-mail [email protected]
なお、
右記アドレスからダウンロードすることも出来ます。 URL : http://most.tus.ac.jp/mot/
■
入試説明会&体験授業のご案内
MOT専攻への進学を希望、
および検討されている方を対象に、
毎年、
体験授業と入試説明会
(進学説明会)
を企画、
開催しています。
また、
MOT実践教育にふれていただく機会として、
公開授業や在学生とのトークセッションも実施します。
平成23年度の開催日は右記の通りです。
企画の詳細やお申し込みについては、
MOT専攻のホームページにてお知らせいたしますので、
ご参照ください。
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実施日
開催イベント詳細
10月12日
(水)
●
説明会 19:25 〜 20:30
10月22日
(土)
●
公開授業
12:40 〜 14:30
11月 2 日
(水)
●
説明会 19:25 〜 20:30
11月19日
(土)
●
体験授業
12:15 〜 14:15
12月 7 日
(水)
●
説明会 19:25 〜 20:30
12月10日
(土)
●
体験授業
12:15 〜 14:15
1 月14日
(土)
●
体験授業
12:15 〜 14:15
1 月18日
(水)
●
説明会 19:25 〜 20:30
2 月4日
(土)
●
体験授業
12:15 〜 14:15
「経営戦略」
担当教員:伊丹教授
日
「イノベーションを興す」
担当教員:伊丹教授
「経営理念とイノベーション」
担当教員:佐々木准教授
「コンセプト創造の勧め」
担当教員:森教授
「理系の企画力」
担当教員:宮永教授
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19:07:11
学生募集活動/アクセスマップ/地図
アクセスマップ/地図
●交通案内 JR 総武線、地下鉄有楽町線・東西線・南北線・大江戸線 飯田橋駅 徒歩 1 ~ 3 分
東京駅から[JR 中央線]御茶ノ水駅乗り換え
—[JR 総武線]飯田橋駅まで……約 10 分
上野駅から[JR 山手線]秋葉原駅乗り換え
—[JR 総武線]飯田橋駅まで……約 12 分
新宿駅から[JR 中央線]四ツ谷駅乗り換え
—[JR 総武線]飯田橋駅まで……約 12 分
目黒駅から[地下鉄南北線]飯田橋駅まで……約 19 分
横浜駅から[JR 東海道線]東京駅乗り換え
—[JR 中央線]御茶ノ水駅乗り換え
—[JR 総武線]飯田橋駅まで……約 36 分
大宮駅から[JR 埼京線]池袋駅乗り換え
—[地下鉄有楽町線]飯田橋駅まで……約 35 分
川越駅から[東武東上線] 池袋駅経由
—[地下鉄有楽町線]飯田橋駅まで……約 40 分
千葉駅から[JR 総武線快速]錦糸町駅乗り換え
—[JR 総武線]飯田橋駅まで……約 45 分
※乗り換え時間は含みません
10
5
12
4
11
1
神楽坂校舎
14
6
MOT
INS
8
7
3
2
15
17
9
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-6
東京理科大学学務部 専門職大学院事務室
(技術経営専攻・イノベーション専攻)
TEL. 03-5228-7691
FAX. 03-5228-7692
13
九段校舎
靖國神社
西棟
JR飯田橋駅
MIP
北棟
18
日本武道館
南棟
MOT/INS PORTA 神楽坂
2階 16
部室棟
中央棟
神楽坂校舎
①1号館 ②2号館 ③3号館 ④4号館
(若宮校舎)
⑤5号館
(化学系研究棟・体育館) ⑥6号館
⑦7号館 ⑧8号館 ⑨9号館 ⑩10号館 ⑪11号館 ⑫11号館別館
(キラルマテリアル研究センター)
⑬双葉ビル
(1階入試センター) ⑭近代科学資料館
(二村記念館) ⑮森戸記念館
飯田橋セントラルプラザ
PORTA神楽坂
⑯イノベーション研究科
(MIP)
〈 飯田橋セントラルプラザ2階〉
⑰イノベーション研究科
(MOT、INS)
〈PORTA神楽坂4・5階〉
九段校舎
MIP セントラルプラザ 2 階
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋4-25-1-12
セントラルプラザ2階
東京理科大学学務部
専門職大学院事務室
(知的財産戦略専攻)
TEL. 03-5227-6260 FAX. 03-5227-6261
⑱九段校舎
(西棟、南棟、北棟、中央棟、部室棟)
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イノベーション研究科 専攻紹介
平成17年度4月開設
知的財産戦略専攻
(専門職学位課程)※MIPは東京理科大学の登録商標です。
理念と特色
近年、ITをツールとした産業技術の進展によって、世界の産業構造は
激変しています。こうした状況の中で、知的財産などの無形資産を戦略
的に活用することが、産業や企業の競争力の源泉として極めて重要にな
っています。わが国では、知的財産立国の実現に向け、知財の「創造」
「保護」
「 活用」、
またこれらを支える
「人的基盤の充実」の4分野におい
て、政府・大学・企業・個人などあらゆるレベルで知的創造活動を刺激し、
得られた成果を保護し、有効活用する経済・社会システムを構築すること
が求められます。
こうした背景のもと、東京理科大学は日本初の知的財産専門職大学
院「知的財産戦略専攻
(MIP)」
を設置しています。対象は、知的財産に
具体的な課題認識をもった社会人から、学部や大学院を卒業・修了して
間もない社会人未経験者までと幅広いのが特徴です。実務経験豊富な
教授陣のもと、一般企業や行政機関に勤務する方、
または弁理士や弁
護士など、
さまざまな職域で知的財産の保護・活用・創造を行える高度な
知財専門家の育成を目指します。異なるバックグラウンドをもった人々の
議論の中から、
日々新しい発想が生まれています。
知財人材マップに合わせたカスタマイズ教育
本専攻では、基幹科目を中心にベーシックな知識とスキルを修得すると
ともに知財を創造し、適切に保護して、効率的に活用できる優れたプロ
フェッショナルの育成を目指しています。
そのため、大学院生一人ひとり
が「どのような職場で」
「何を専門に」
「どういった任務を担うのか」、
つまり
知的創造サイクルにおけるどのポジションにあるのかを踏まえた個々の
知財人材としての目的に沿った
「カスタマイズ教育」
を行っています。
学びの特色とシステム
多様な人材の多様なニーズに対応できるようカリキュラムを構成し、履修者に分かりやすく、活用しやすいように体系化しています。カリキュラムは
「基礎科目」
「 発展科目」
「 演習科目」
と大きく3つに分類されています。
修業年限と開講体制について
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31
科目等履修制度について
修業年限は2年です。月曜から土曜までの昼間と夜間に開講してお
自己啓発や業務上の知識修得等における勉学の機会を提供する
り、勤務しながらでも通学が可能となっています。開講期間は、前期
(4
ことを主旨として、修了後に開講された授業科目、在学中に履修できな
月∼9月)
および後期
(10月∼翌年3月)
です。
かった授業を履修できる制度を整備しています。
キャンパスについて
学術交流について
MIP専攻のキャンパスは
「飯田橋駅」に隣接するセントラルプラザ2
MIP専攻では例年、
弘益大学
(韓国)
とともに国際シンポジウムを開催
階に設置されており、JR線、地下鉄各線から徒歩1∼2分でアクセスが
しています。昨年は弘益大学MIP開設記念シンポジウムに米国、
中国の
可能です。
また、
キャンパス内全エリアに無線LANが整備されており、
知財専門家とともにMIP専攻の教員が招聘され、
記念講演等を行いま
情報収集が容易にできる環境です。
した。本年度はMIP専攻にて共同シンポジウムを開催する予定です。
2011/09/05
19:07:19
イノベーション研究科 専攻紹介(知的財産戦略専攻)
平成23年度 専任教員
い し い や す ゆ き
石井 康之
つ じ たかし
辻孝
教授
穂積 保
平塚 三好
ゆ み
西村 雅子
教授
ひ ら つ か み つ よし
お ご せ 生越 由美
に し む ら ま さ こ
教授
ほ づ み たもつ
※平成24年度は変更になる場合があります。
ま き の
き み こ
牧野 公子
か た お か ひ ろし
教授
片岡 寛
教授
兵庫 明
教授
皆川 長三郎
ひ ょうご
さ わ い た
あ きら
ふ じ の じ ん ぞ う
藤野 仁三
教授
み な が わ ちょうざ ぶ ろう
か し 澤井 敬史
教授
教授
す ず き
教授
教授
きみあき 鈴木 公明
准教授
准教授
(ご参考)
募集概要
をご参照ください
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2011/09/05
19:07:55
イノベーション研究科 専攻紹介
平成21年度4月開設
イノベーション専攻
(博士後期課程)
理念と特色
イノベーション専攻は、
研究開発の成果を産業成果として実現するための技術経営と知的財産に関わる教育研究を行い、
グローバルな規模における
イノベーションの推進に直結した、応用性の高い実践知を体系化し、理論研究として深く掘り下げることの出来る高度な知見と能力を兼ね備えた人材
を育成することを目指しています。
平成21年4月の開設から、既存の専門職学位課程である技術経営専攻、知的財産戦略専攻での実践的教育研究を基盤に、研究開発の成果を
産業成果として実現するための技術経営と知財に関わる研究教育を行っています。本専攻は理工学の理論を企業・産業の場で実践するための深い
知を教育研究する場です。MOT専攻やMI
P専攻の修了生等の社会人が通学可能な平日夜間と土曜日に授業を開講しています。
カリキュラムの特色
本専攻では、
技術をベースとしたイノベーションが起こる際には、
主に3つのプロセスを経由すると捉えています。
このプロセスに対応させて、
本専攻における
教育研究分野は
「コンセプト・プロトタイピング領域」
「イノベーション・ロジック領域」
「知的財産マネジメント領域」の3つの領域と定めています。
イノベーションの3つのプロセス
■第1プロセス
プロトタイプ作成
■第2プロセス
製品の社会普及
■第3プロセス
知的財産の保護と
有効利用
イノベーションを必要とする社会的ニーズのコンセプトを、
イノベーターが認識しあるいは創造することから、
そのコンセプトを具現化するためのプロトタイプ作成に至るまでの技術開発を行うプロセスがあります。
第2のプロセスは、
そのプロトタイプが市場に提供され、
そこからのフィードバックをもとにさらに洗練
され、最終的に完成された製品が社会的に普及していくプロセスです。
第3のプロセスは、
イノベーションの成果から上がる利益を、
その成果を生み出す努力をした企業や
個人がきちんと自分のものと出来るように、
イノベーションを結実させる上で知的財産を保護し、有効
利用するプロセスです。
イノベーション専攻における教育研究分野
コンセプト・プロトタイピング領域
社会的ニーズのコンセプトを、
イノベーターが
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プロトタイプが市場に提供・洗練され、
知的財産マネジメント領域
イノベーションを結実させる上で重要な、
認識しあるいは創造し、
そしてそのコンセプトを
最終的に完成された製品が社会的に普及
具現化するためのプロトタイプ作成に至るまで
していくプロセスと、
それを導くための巧み
知的創造サイクルのプロセスに係る先端的
の技術開発を行うプロセスを研究対象とする。
な技術経営のロジックを研究。
マネジメントに関する研究。
コンセプト
創造研究
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イノベーション・ロジック領域
プロトタイピング
工学研究
技術戦略
研究
イノベーション・
プロセス研究
フィールド
論理研究
ビジネス・モデル
研究
知的財産の創造、獲得、蓄積、活用という、
知的財産
戦略研究
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19:07:55
イノベーション研究科 専攻紹介(イノベーション専攻)
平成23年度 専任教員
※平成24年度は変更になる場合があります。
[ コンセプト・プロトタイピング領域 ]
もり
けんいち
森 健一
み や な が ひ ろ し
宮永 博史
教授
専門分野
専門分野
新規事業創出論
つる しま
教授
か つあき
鶴島 克明
専門分野
さ か もと まさ の り
坂本 正典
教授
IT事業創成論
教授
専門分野
工学技術経営論
板生 清
専門分野
事業化戦略論
教授
い た お きよし
あずま まこと
東実
教授
専門分野
技術戦略論
研究開発戦略論
[ イノベーション・ロジック領域 ]
ま つ し ま しげる
松島 茂
さ い と う と も あ き
濟藤 友明
教授
専門分野
専門分野
経営史
さ 教授
さ き け い ご
准教授
に し の か ず み
西野 和美
専門分野
専門分野
経営組織論
経営戦略論
教授
専門分野
企業家論
佐々木 圭吾
い た み ひ ろ ゆ き
伊丹 敬之
経営戦略論
准教授
[ 知的財産マネジメント領域 ]
い し い や す ゆ き
石井 康之
教授
専門分野
知的財産経済論
ふ じ の じ ん ぞ う
藤野 仁三
教授
専門分野
標準化戦略論
み な が わ ちょうざ ぶ ろう
皆川 長三郎
教授
専門分野
知財戦略論
(ご参考)
募集概要
をご参照ください
P25-34.indd
34
2011/09/05
19:08:36
平成23年9月1日発行
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1
2011/09/05
19:01:22
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