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当事者はあなたです! 病院職員の皆様、4 月より副院長として病院管理
当事者はあなたです! 病院職員の皆様、4 月より副院長として病院管理の仕事を勉強させていただいている種本 です。よろしくお願いします。 さて、皆さんが結婚式とかパーティーで一流ホテルに行った時のことを考えてください。 「結婚式は○○の間であると聞いたけど何階かしら」って思ってホテルの従業員に尋ねた 時、 「私は宿泊係ですので、宴会のことは宴会係に聞いてください」と言われたらどう思わ れますか? 多くの方は「二度とこのホテルは利用したくない」と思われるのではないです か? いま、我々の病院の一部で同じようなことが起こり始めているとしたら、病院の将 来に関わる大変な事態だとは思いませんか? 病院に来られる患者さん、ご紹介くださる紹介医の先生方は、特定の疾患の治療のみが 目的ではなくて、元気な身体になりたいというのが目的で来院され、またご紹介下さるわ けです。特に患者さんからすると、何科の先生、と言った感覚ではなくて医師という感覚 で捉えておられる方も多いように感じます。ですから「俺は心臓の医者なんだから、皮膚 科のことがわかる訳がないだろう」などと言うのは医療者側の勝手な論理であって、患者 さんからすると「医学部を出て医師になっているんだから最低限の各科のことはわかるだ ろう」と思っておられます。各人が当事者意識を持って対応するならば、他科のことを相 談されたときには「申し訳ないんですが皮膚科は専門ではないので、自信を持った診断と 治療が出来ません。幸いその方面の専門の医師が当院にはおりますので、そちらを紹介さ せてください。お手数をかけてすみません。 」と話すのが正しい姿勢でしょう。 紹介医から紹介を受けたときも同じことです。患者名、生年月日、症状などを一通り聞 いた後で、次の部署にまわす。また次の部署でも同じことを繰り返して聞くという院内た らい回しが横行しています。これを一度やられると、紹介した先生としては「もう川崎医 大には患者を紹介したくない」と思われるでしょうし、実際にそのような苦情は病院にた くさん寄せられています。最初に受けた人間が出来るところまでのアレンジをして次に受 け継ぐようなシステムの構築が急務でしょうし、何よりも院内たらい回しは絶対にしない という職員の当事者意識が期待されるところです。 他にも当事者意識の欠如を反映する事例はたくさん見ることが出来ます。たとえば、携 帯電話の使用エリアについては病院内のルールが決められていますが、8 階のロビーや階段 の踊り場、果てはひどいのになると大部屋のなかで会話をしたり着信音を鳴らしたりして いるのを見ることがあります。このような患者さん及び家族の方々も問題ですが、「私は携 帯電話係でもないし、自分には関係ないから」と見て見ぬふりをして通り過ぎる職員が多 いことに大変な驚きと失望を感じます。もちろん人に注意することは楽しいことではあり ませんが、本当の意味での心地よい環境を提供するためにはどのようにするのが良いので しょうか? 患者さん及び職員にとって安全・快適であり、また働きやすい職場とするには職員一人 一人の当事者意識が欠かせません。この病院を良い病院とすることについての当事者はま さしくあなたですよ。