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353号 - 結核予防会

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353号 - 結核予防会
結核・肺疾患予防のための
353
No.
このマーク
(複十字)
は、
世界共通の結核予防運動の
旗印です。
2013.11
二
の
腕
の
そ
ちょっと腕まくりをしてみてください。
二の腕にかすかに残る跡、見えますか?
それは、子どもの頃に受けたBCGの痕跡です。
BCGとは結核の予防接種のこと。
日本では、現在生後1歳までの赤ちゃんは
全員が予防接種を受けることになっています※。
腕に残ったその跡は
子どもの頃にかかると重症化する
れ
結核から守ってくれた印なんです。
今ではBCGのおかげで
子どもの結核はほとんど無くなりました。
でも、大人の結核を予防することはできないのです。
結核は昔の病気ではありません。
国内で年間2万人以上が発症している、
現代の病気です。
※BCGとは乳児期の結核感
染予防や重症化の予防効果
が認められていますが成人に
なるまで予防効果を持続する
ものではありません。
結核ゼロ
をめざして
世界の人と
ともに
結核予防キャラクター
「コッホくん」
●結核に関する情報
厚労省 結核
検 索
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/
kenkou/kekkaku-kansenshou03/
公益財団法人結核予防会
本誌は複十字シール募金の収益により作られています
http://www.jatahq.org/
第10回アジア太平洋タバコ対策会議
(APACT2013)成功裡に閉幕
アジア太平洋タバコ対策会議(APACT)は,アジア太平洋諸国のたばこ対策を推進する民間組織を中心に,官
民が協力して1989年よりアジア各国で開催されています。
このたび平成25年8月18日~ 21日,幕張メッセ国際会議場(千葉市)において第10回アジア太平洋タバコ対策
会議
(APACT2013)
が開催され,開催期間中はセミナー,ウェルカムパーティー,プレナリー(全体会議)
,シン
ポジウム,ランチョンセミナーや,その他付帯行事としてWHO主催のワークショップ,ユースの会合,公開市
民講座などが開催されました。
結核予防会総裁秋篠宮妃殿下は18日のウェルカムパーティーにご臨席になり,19日のシンポジウム6「タバコ
に起因する病気 結核と喫煙」
をご聴講になりました。
ウェルカムパーティーでの「TAKERU」の皆さんによる演奏(8/18)
開会式(8/19)
シンポジウム6「タバコに起因する病気 結核と喫煙」の
シンポジストの方々(8/19)
APACT2013の出演者の方々(8/20)
閉会式で島尾大会長から次期会長(中国禁煙協会黄会長)に
バトンタッチ(8/21)
市民公開講座は,たくさんの一般参加者に
ご参加いただきました(8/21)
Message 厚生労働省健康局長就任に当たって
厚生労働省健康局長
さ
とう
とし
のぶ
佐藤 敏信
本年7月2日に矢島鉄也前局長の後任として厚生労
病などの基礎疾患を有する方への対応が重要となって
働省健康局長を拝命しました佐藤と申します。公益財
おります。また,首都圏などの大都市部において罹患
団法人結核予防会をはじめとした関係者の皆様には,
率が高いこと,それに関連して住所不定者等のハイリ
日頃より結核対策の推進にご尽力いただき,心より感
スクグループにおける感染拡大など,様々な課題に取
謝申し上げます。
り組まなければなりません。
私自身,平成11年8月から平成13年1月まで健康局
厚生労働省としては,平成23年5月に改正した「結
結核感染症課に在籍し,感染症情報管理官の立場から
核に関する特定感染症予防指針」に基づき,平成27年
結核対策に携わっておりました。以来,
約12年を経て,
までに,結核罹患率(人口10万人対の新登録結核患者
結核を含む感染症対策に,今度は健康局長という立場
数)を15以下にするなどの目標を掲げ,DOTSの強化
で携わることになりました。
を柱として,対策の一層の推進を図っております。そ
さて,日本の結核患者の数は,官民一体となった取
のような折には,自治体や結核予防会をはじめとした
り組みにより,昭和26年の約59万人から大きく減少
関係者の皆様のご理解とご協力が
しましたが,現在もなお,約2万人の新規患者が発生
不可欠ですので,引き続き,格別
し,約2千人が死亡しております。このように結核は,
のご支援,ご協力を賜りますよう
依然として我が国の主要な感染症であり,引き続き着
お願い申し上げます。
最後に,皆様のご健勝と今後ま
実な対策が求められております。
近年では,新規患者の半数以上を70歳以上の高齢者
が占めるなど,高齢化が進んでおり,これに伴い糖尿
■ メッセージ
厚生労働省健康局長就任に当たって
佐藤 敏信… …… 1
■ 結核予防週間レポート
● 2013結核予防週間レポート
●結核予防週間支部・本部活動報告
●平成25年度都道府県知事表敬訪問報告 続報
… …… 2
… …… 4
… …… 6
■ 平成25年度結核予防会技術者地区別講習会実施報告
佐藤 園子,菊池 圭,滝田 由紀子,堂前 和雅
吉田・田澤・山内・深田,岡本 詩穂,伊尻 咲子… …… 7
■ 日本における結核制圧のための課題
平成24年 結核登録者情報調査年報集計結果(概況)から
大角 晃弘… …… 10
■ シリーズ 結核対策活動紹介
「横浜市鶴見福祉保健センターにおける外国人健診の取り組みについて」
~過去3年間の実績をとおして~
門脇 由美・藤本 由貴・里見 正宏… …… 12
■ たばこ APACT2013特集
●第10回アジア太平洋タバコ対策会議(APACT)島尾 忠男……… 14
●FCTCの完全実施を求めて
-
「結核と喫煙」の報告とともに-
森 亨… …… 15
●史上最高の参加者を迎えて
宮﨑 恭一… …… 17
●期待されるユースネットワーク
-第1回APACT youth conferenceを終えて-
坂元 晴香… …… 18
●アジア太平洋タバコ対策会議サイドイベント
-結核対策にタバコ対策を盛り込むための活動計画策定ワークショップ
岡田 耕輔… …… 19
すますのご活躍をお祈りし,私の
挨拶とさせていただきます。
結核予防キャラクター
「コッホくん」
●千葉県・APACT(アジア太平洋タバコ対策会議)共催
市民公開講座「あなたの疑問に答えますPM2.5とタバコの害」… …… 20
● APACT2013を終えて 田村憲久厚生労働大臣へ要請… …… 20
■ ずいひつ
卵を立てる話
清水 優史… …… 21
■ 小児結核死亡ゼロを目指す活動を開始
島尾 忠男… …… 22
■ 結核予防会が行う国際協力
ミャンマーでの患者発見システムについて
—主要感染症対策プロジェクトフェーズ2(結核)— 西山 裕之… …… 24
■ 安心・安全な定期健康診断を受けていただくために。
胸部エックス線検査の精度管理について
星野 豊… …… 28
■ エイズ
“AIDS”GOES ON... ~エイズは続いている~
公益財団法人エイズ予防財団… …… 30
▽ 予防会だより
… …… 31
○学術相談役就任(平成 25 年 9月1日付)
○リレーフォーライフ2013 新横浜 講演会&肺年齢体験会
○出張 複十字シール運動広報活動
○「見つけよう
!世界とつながるあなたのトビラ」
グローバルフェスタJAPAN2013 報告
BCG 接種をするシールハイハイ
〔表 紙〕厚生労働省「平成 25 年度作成ポスター」より
11 / 2013 複十字 No.353
1
2013 結核予防週間レポート
今年も,9月24日から30日までの結核予防週間を中心に,
「全国一斉複十字シール運動キャンペーン」
が実施され,
全国各支部で工夫を凝らした活動が行われました。その活動を紹介いたします。
沖 縄
県庁ロビー,県内 6カ所の保健所にてパネル,ポス
ターを展示するとともに,県,県結核予防婦人連絡
協議会,那覇市保健所の協力を得て,結核普及啓
発リーフレット,ボールペン,ポケットティッシュ等を配
布し,街頭募金を行いました。
熊 本
阿蘇郡小国町「フレインゆめおぐに」にてパネルや
乳がん,肺模型の展示,結核の常識,複十字シー
ル運動パンフレット,うちわ,複十字シール,ポケット
カレンダー,風船等の啓発資材を配布しました。
高 知
高知市中心街にて,婦人会,県,県医師会准看護
学院の皆さんの協力を得て,結核やがんについての
パンフレット,ポケットティッシュ,風船等を配布し,
血圧測定,無料結核検診を実施しました。 高知県
観光キャラクター『武市半平太』『おりょう』もキャ
ンペーンを盛り上げました。
徳 島
徳島県と共催した「健康を考える県民のつどい」の
あわぎんホール(徳島市)にて,徳島県婦人団体
連合会の協力を得て複十字シール運動リーフレット
等を配布するとともに募金活動を実施しました。
2
11 / 2013 複十字 No.353
鹿児島
鹿 児 島 中 央 駅内コンコースにて,県 職員,県 結
核成人病予防婦人会の協力を得て,複十字シール,
リーフレット,ポケットティッシュを配布し,また「結核
予防週間」
「複十字シール運動」のポスターや「の
ぼり旗」「結核に関するパネル」等を掲示し,結核
予防週間の周知並びに募金活動を行いました。
佐 賀
支部職員と県婦人会,
県庁職員の合同で県内ショッ
ピングセンター 2カ所(イオン佐賀大和店,ゆめタ
ウン佐賀)において,パンフレット,複十字シール,
ティッシュ,風船等を配布しながら募金の呼びかけを
行いました。
愛 媛
松山市いよてつ高島屋前北側歩道付近にてポケッ
トティッシュ,リーフレット,小型シール,カレンダー,
風船を配布し,街頭募金を行いました。募金者には
クジ引きで Tシャツ,ボールペン,クリアファイル等の
啓発グッズをプレゼントしました。
広 島
屋外広告電光掲示板(c - vision)に結核予防
週間の広告を掲示し,また健康福祉センター(広島
市南区皆実町)内エントランスホールに「結核パネ
ル」を展示して普及啓発を実施しました。
大 分
大分トキハデパート前及び中央商店街にて,結核予
防婦人会,大分県健康対策課,大分市保健所とで
街頭啓発キャンペーンを行うとともに,
シール,リーフ
レット,ボールペン等を配布して募金を呼びかけまし
た。
福 岡
大丸福岡天神店エルガーラ・パサージュ広場にて,
パネル展示,ミニ講演,無料で胸部レントゲン検診
や肺年齢測定などを実施し,大盛況のうちに終了し
ました。県結核予防婦人会にご協力いただき,リー
フレット等広報資材の配布を行い,結核の予防の普
及啓発に努めました。
香 川
総本山善通寺南大門にて,胸部検診の実施にあわ
せ,受診者及び参拝者に結核の常識を配布しまし
た。また検診車に結核のポスターを貼り,結核予防
の普及啓発を行いました。
岡 山
倉敷駅北口にて,普及啓発資材を配布しながら結
核予防を呼びかけました。 また,募金協力のお願い
もしました。
新 潟
新潟市中央区万代シティで行われた「新潟市民健
康福祉まつり」にて,結核の常識,複十字シール運
動リーフレッ
ト,ティッシュ等を配布し,レントゲン写真展
示や結核菌観察,無料肺年齢測定を行いました。
東 京
両国駅から両国国技館に向かう歩道において,複
十字シール運動リーフレット,風船,ウェットティッ
シュ,東京都発行リーフレット等を大相撲観戦の
人々に配布し,結核予防の大切さを訴えました。
栃 木
宇都宮市内ショッピングモールベルモールにて普及
啓発資材の配布,募金活動,クイズコーナー設置を
行いました。クイズに参加された方にはティッシュボッ
クスBOX,ボールペンをプレゼントしました。
宮 城
支部職員による結核撲滅に関する演説や宮婦連に
より普及資材の配布及び呼びかけにより,県民に広
く周知する効果があったと思われます。
北海道
札幌市保健所と共催で婦人会の協力を得て,夜間
無料結核検診(問診,血圧,胸部レントゲン)なら
びに無料肺年齢測定を実施しました。 札幌市内,
厚岸町,白糠町で普及啓発資材を配布しました。
長 野
松本駅,長野駅周辺にてのぼり旗を掲示し,婦人
会等の協力を得てポケットティッシュ,ポケットカレン
ダー,リーフレット等を配布するとともに募金活動を
実施しました。
千 葉
街頭キャンペーンの趣旨をご理解いただき,毎年
ご協力いただいているママさんブラスバンドの「i -
Brass」の皆さんによる演奏を行い,結核予防の
大切さを訴えました。
茨 城
早朝の土浦駅では,通勤,通学の方が多く通りかか
り,慌ただしくも若者や現役世代の方に結核という
存在の怖さ,結核健診の受診等を強く呼びかけるこ
とができました。
岩 手
盛岡市保健所フェスタ2013 に『結核・肺疾患予
防コーナー』を出展。 無料肺機能検査の実施や
COPD 普及啓発パネル展示,広報資材配布,複
十字シール募金を呼びかけました。
神奈川
小田急相模大野駅コンコース,藤沢駅コンコースに
て婦人会及び保健所職員のご協力のもとリーフレッ
ト,結核の常識,風船,封筒等を配布し,広報・
募金活動を行いました。
埼 玉
午前に JR 大宮駅駅頭,午後に JR 川越駅駅頭に
おいてポケットティッシュ,複十字シール運動リーフ
レット,風船などを配布して,結核予防を呼びかけ
ながら募金活動を実施しました。
秋 田
秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろ~ど」
・アゴラ
広場にて結核の常識,リーフレット,クリアファイル,
ティッシュ等を配布。複十字シール運動への協力を
訴えました。
青 森
青森市内のショッピングセンター 4カ所で,支部職
員,県結核予防婦人会が広報資材を配布し,結核
予防の普及啓発に努めました。
本 部
本部のある水道橋ビル前で,ポスターの展示やパン
フレット等を配布して街頭キャンペーンを実施しまし
た。
11 / 2013 複十字 No.353
3
結核予防週間
都道
府県
日付
開催数
9/14 ~ 15,
9/18,
9/24,
北海道 9/27,
9/29, 7 ヵ所
9/24 ~ 30,
10/7
係員
合計
支部・本部活動報告
資材点数・
セット数
110
7点
3,500セット
青森
9/23
4 ヵ所
37
10 点
2,000セット
岩手
9/28
1 ヵ所
7
9点
200セット
宮城
9/28
1 ヵ所
32
6点
600セット
秋田
9/28
1 ヵ所
山形
9/14
(4 会場)
10 点
3,000セット
11ヵ所 270
(7 ヵ所)
4点
1,500セット
福島
9/29
1 ヵ所
22
茨城
9/20,27,
3 ヵ所
30
(うち
5点
婦人会 318セット
13名)
8
3点
300セット
43
4点
1,300セット
21
(うち
1点
婦人会 500セット
9名)
栃木
9/28
1 ヵ所
群馬
6/22
1 ヵ所
10
4点
300セット
埼玉
9/1 ~ 30
4 ヵ所
55
4点
3,000セット
千葉
9/28
1 ヵ所
47
4点
1,500セット
東京
9/17
1 ヵ所
12
4点
1,500セット
神奈川
9/14,28
2 ヵ所
23
4点
700セット
山梨
9/25
1 ヵ所
18
2点
3,000セット
長野
9/19,20
2 ヵ所
32
4点
新潟
① 10/20
② 10/13
2 ヵ所
16
6点
800セット
富山
9/22
1 ヵ所
石川
9/29
1 ヵ所
10
福井
9/24
1 ヵ所
17
静岡
9/28
1 ヵ所
20
9/14,15,
2 ヵ所
24 ~ 30
15
17
愛知
4
11 / 2013 複十字 No.353
(うち
3点
婦人会 500セット
11名)
4点
500セット
報 告 〔 1)場所・2)活動内容・3)
その他 〕
・中央区(2カ所)
,厚岸町,白糠町
1)札幌市北区(2カ所)
ト,結核の常識,葉書,ボールペン,ポケッ
トティッシュ,マスク
2)複十字シール小型,リーフレッ
3)その他 ①夜間無料結核検診を実施(札幌市保健所と共催)
検査内容:問診・血圧・胸部レントゲン 受診数:28 名(同会場にて無料肺年齢測定を実施 受診者:8 名)
②結核予防パネル展の開催
1)青森市内のショッピングセンター 4 ヵ所で,支部職員及び結核予防婦人会員が実施
ト,小型シール,ポケッ
トティッシュ,健診受診勧奨リーフレッ
ト等を袋詰し,配布。風船も提供した。
2)結核の常識,複十字シール運動リーフレッ
3)その活動の模様は,地元テレビ局 1 社,地元新聞社 1 社が取材し,報道された。
1)イベント名称:盛岡市保健所フェスタ2013(盛岡市主催・盛岡市保健所にて開催)
『結核・肺疾患予防コーナー』として出展
2)内容:
①普及啓発パンフレッ
トの配布 ② COPD 普及啓発パネルの展示 ③複十字シール運動募金 ④無料肺機能検査の実施
(本部作成)結核の常識・複十字シール運動パンフレッ
ト・COPD パンフレッ
ト(支部作成)人間ドックパンフレッ
ト・
3)配布広報資材:
協会概要パンフレッ
ト・メモ帳・ボールペン・ティッシュ
~結核予防週間街頭キャンペーン~
1)活動場所 仙台駅西口 2Fペデストリアンデッキ
2)配布資材及び活動内容
クリアファイル,リーフレッ
ト,結核の常識,宮城県結核予防会作成結核予防チラシ,シールをセッ
トし,宮婦連健康を守る母の会会員による募金及び普
及資材の配布を行った。また,結核予防会職員による啓発活動として,パネル展示・無料検査を行い,医師による健康相談 3 名,肺年齢測定 41 名,
体組成測定 38 名,血圧測定 55 名を実施した。
~結核予防パネル展示~
1)展示場所 仙台市内保健所 5ヵ所及び宮城県庁
~結核予防週間広報資材配布~
d 医療機関 e 報道機関
1)配布箇所 a 全市町村 b 全保健所 c 全学校(小,中,高校)
2)配布資材 a 予防週間ポスター b 結核の常識
3)①河北新報 9/30 付朝刊に,街頭キャンペーンの様子を写真入りで掲載 ②ラジオ「fmいずみ」にて,9/26,27 に予防週間と街頭キャンペーンの告
知を放送
・アゴラ広場にて実施。
1)秋田駅東西連絡自由通路「ぽぽろ~ど」
ト・クリアファイル(がんばろう日本・STOP結核)
・ティッシュをA4版のビニール袋にセッ
トしたものを配布。
2)結核の常識 2013・リーフレッ
全国一斉複十字シール運動キャンペーンの趣旨や結核予防週間・複十字シール運動のポスター
会場となった「ぽぽろ~ど」からアゴラ広場にかけて,
展示を行い,のぼりを設置した。募金活動については,婦人会員に支部職員も加わり4グループに分かれて実施し,ハンドマイクを使い複十字シール
運動への御協力を繰り返し県民に訴えた。キャンペーン実施時は,風船やシールぼうやのパンチング,秋田県のマスコット「スギッチ」の着ぐるみを
見た多くの方が足を止め,子供たちにポラロイド写真を撮ってあげると大変喜んでくれた。当日は他団体のイベントもあり,結核について知ってもらう
良い機会となった。
3)①新聞広告:秋田魁新報社 平成 25 年 9月23(月)掲載
②野立て看板の設置:実施期間:平成 25 年 9月1日(日)~ 30日(月)場所:秋田県総合保健センター前
③ポスターの掲示:実施期間:平成 25 年 9月1日(日)~ 30日(月)
場所:秋田駅東西自由通路 東側「ぽぽろ~ど」
「霞城セントラル」
「七日町ほっとなる広場」
「イオンモール山形南」周辺等 7ヵ所の街頭
1)山形市「山形テルサ」
ト4 種・クリアファイル・マスク・ウエッ
トティッシュ・冷えピタ・風船・複十字シール運動リーフレッ
ト
2)10 点「結核の常識」等パンフレッ
ト・ポケッ
トティッシュ・風船
4 点 ミニチラシ・パンフレッ
3)街頭キャンペーンに併せてラジオで健康番組の公開生放送・公開録音を行い,予防知識等の普及啓発を図った。また,健康啓発セミナーとして講演
を行い,会場で複十字シール募金を実施した。結核予防週間及び上部イベントに併せ,9/11 ~ 14,9/22 ~ 30 にテレビ・ラジオ媒体を用い,啓発
(テレビ:民放 4 社,ラジオ:民放 2 社)
。
CMを作成・放送し予防意識の普及啓発を図った。
1)福島市保健福祉センター
2)福島市主催の「健康フェスタ2013」において,無料検査コーナーを設け,来場者を対象に骨密度測定を行った。会場では,のぼりや結核予防週間・
複十字シール運動のポスターを掲げ,結核に対する知識の普及啓発に努めた。また,募金箱を設置し,複十字シール運動への協力を呼びかけた。
。
3)新聞広告:結核予防週間に合わせ地方紙 2 紙で新聞広告を行い,結核という病気について広く周知するとともに結核予防週間のPRを行った(9月24日付け)
,27日…JR土浦駅(土浦市)
,30日…イオン古河店前(古河市)
1)20日…JR東海駅(東海村)
ト「結核の常識 2013」
,
シールぼうやイラスト入りA4クリアファイル,結核予防普及啓発のためのボールペン,絆創膏を1セッ
トにして配布した。
2)パンフレッ
1)宇都宮市内のショッピングモールベルモールにて街頭キャンペーンを実施
ト,小型シール,ポケッ
トカレンダー,
ウェッ
トティッシュ,募金振込用紙
2)広報資材内容…リーフレッ
。結核予防週間中に1日1回,60 秒ラジオCMを放送
3)クイズコーナーを設置(参加景品としてティッシュボックスBOXとボールペンをプレゼント)
(9月29日は除く)
。
1)ぐんま男女共同参画センター
ト・ボールペン・マスク・封筒
2)リーフレッ
3)結核予防週間内に新聞広告を2 紙に掲載した。
街頭募金活動:9/21(土)
,午後にJR川越駅駅頭(東口)において,結核予防を呼びかけながらの募金活動を実施した。
1)場所:午前にJR大宮駅駅頭(西口)
「支部製作のポケッ
トティッシュ」
,
「複十字シール運動リーフレッ
ト」
,
「小型シール」
,その他1点を1セッ
トにして配布。その他,子供たちを中心
2)配布資材:
に風船を配布した。
3)懸垂幕の掲示:9/2 ~ 30 埼玉県庁本庁舎に結核予防週間を呼びかける懸垂幕を9月の 1 ヵ月間掲げた。
パネルの掲示:9/2 ~ 30 県庁の渡り廊下に,結核予防に関するパネルを掲示し,結核予防を呼びかけた。
ポスターの掲示:県内医療機関,市町村,保健所,教育委員会に予防週間ポスターを掲示してもらい,広く県民に結核予防を呼びかけた。
①そごう千葉店前にて結核予防に関する広報資材の配布(複十字シール運動リーフレッ
ト・結核の常識・衛生グッズ 2 点・啓発用バッグ:1,500セッ
ト)
,
複十字シール募金活動,市民吹奏楽団によるシール運動キャンペーンソング等の演奏
②当支部総合健診センター入口に結核予防週間を案内する懸垂幕を掲示
① 9/21 両国駅西口から両国国技館に向かう歩道においてキャンペーンを実施した。複十字運動リーフレッ
ト,
シールぼうやの風船,
東京都発行のリーフレッ
ト「長引く咳は赤信号」
,当会オリジナルウェッ
トティッシュをセッ
トして大相撲観戦に来た人々を中心に配付し,結核は過去の病気ではなく,今も予防が大
切であることを訴えた。
学生達が来校した方々に向けて結核の啓発活動と募金活動を行った。
② 9/7・8 に行われた都立東久留米総合高校の文化祭にシールぼうやの着ぐるみを貸し出し,
9/14 小田急相模大野駅コンコース(婦人会と共同),9/28 藤沢駅コンコース(市民祭りに藤澤保健所と共同)にて実施。リーフレット,結核の常識
2013,風船,封筒等を活用し,また結核予防週間のポスター,シールぼうやのパンチングにて結核の現状,運動の意義について啓発活動を行った。
募金いただいた方にシールをお渡しする。特に藤沢駅では,保健所のエイズ・薬物乱用防止キャンペーンと共同で行い,保健所職員のご協力のもと広
,南足柄市(12/1)の健康フェスタや健康チャレンジフェアかながわ(11/16)
報・募金活動を行った。今後,相模原市(10/19)や厚木市(11/9)
などのイベントに婦人会と協力,もしくは単独で参加し,広報・募金活動を予定している。
1)配布場所:JR甲府駅 南口構内
「結核予防週間」の広告入りオーキューバン 3,000 部
2)・
・事業団ティッシュ(
「STOP!結核」を印刷)
3,000 部 2 点をセッ
トにして配布
今年度は,広告入りのオーキューバン(2 枚入り)と新たに「STOP!結核」ロゴを印刷した事業団ティッシュをセットにして通勤,通学の方々を中心
に 3,000 部配布した。当日は,県及び婦人団体からも多くのご参加をいただき,活発な街頭キャンペーンを展開することができ,予定していた 1 時間
で配布を完了することができた。配布物も非常に好評だった。また,12 名の方から募金があった。
3)なお,街頭キャンペーンの模様は,山梨日日新聞社・NHK甲府放送局・山梨放送の各報道機関から取材を受け,報道された。
1)① 9/19 松本駅周辺 ② 9/20 長野駅周辺
トティッシュ,ポケッ
トカレンダー,リーフレッ
ト,募金者にはボールペンを配布。のぼり旗掲示。
2)ポケッ
,9/21 朝日新聞長野県版,9/6,13,21 毎日新聞長野県版,10月号(9/15 発行)フリーペーパー(な
3)9/23 信濃毎日新聞長野県全県版(全面)
しなの鉄道・JR 線電車ステッカー広告,支
がの情報)長野市周辺 広告掲載。9/1 ~ 30JR 長野駅ホーム階段脇ステッカー・階段ステップ広告,
部検診車への車体広告掲載。
①新潟市中央区万代シティで行われた「新潟市民健康福祉まつり」にて,結核の常識・複十字シール運動リーフレッ
ト・ティッシュ等を配布。当支部のブース
にて,肺のレントゲン写真の展示・結核菌の観察・無料肺年齢測定を行った。当日は雨だったにも関わらず,肺年齢測定実施者は定員の 100 名を実施した。
②小千谷市総合体育館にて行われた小千谷市健康福祉まつりにて,結核の常識・複十字シール運動リーフレッ
ト等を配布。当支部のブースにて,複十字
シール運動パネルの展示・骨密度測定等を行った。
1)富山市総曲輪グランドプラザ付近
2)結核の常識 2013・複十字シール,およびティッシュボックスを配布し,結核予防を呼びかけた。
3)バルーンパフォーマによる路上パフォーマンスを行い,お子様連れの家族にPRを図った。
1)金沢市 しいのき迎賓館広場にて
ト,シャープペン,ポケッ
トティッシュ
2)結核の常識,リーフレッ
※昨年に引き続き「ピンクリボンウォーク」という行事を実施し,その会場で街頭啓発を行った。
4点
1)福井駅駅前広場
ト,ポケッ
トティッシュ,チラシ「結核かも検査を受けましょう」
2,000セット 2)結核の常識 2013,複十字シール運動リーフレッ
1)アピタ静岡店
4点
ト・オリジナルカッ
トバン・オリジナルポケッ
トティッシュを配布。
2)結核の常識・複十字シール運動リーフレッ
2,000セット
「胸に空洞 !? 失恋ですか?-いいえ結核です」をスローガンにご来店のお客様に,結核の知識の普及と複十字シール募金への協力をお願いした。
①街頭キャンペーン 9/14,15 あいち健康プラザ 係員 9 名 リーフレッ
ト始め4 点 600セッ
ト
4点
②結核・肺がん無料検診 9/14 あいち健康プラザ 係員 4 名 受診者 22 名
600セット
③懸垂幕 9/24 ~ 30 昭和区永金町事務所 係員 2 名 懸垂幕 2 枚
都道
府県
岐阜
日付
9/21
係員
合計
1 ヵ所 ―
開催数
資材点数・
セット数
―
三重
10/20,
11/20
―
―
―
滋賀
9/20
1 ヵ所
15
200セット
京都
9/25
3 ヵ所
68
4点
2,000セット
大阪
8/2,22,
4 ヵ所
9/6,24,26
50
5点
1 点あたり
20 ~
13,000 個
兵庫
9/25,26,
3 ヵ所
30
49
2点
75 ~
2,700セット
奈良
9/17
1 ヵ所
9
3点
100セット
和歌山
9/25
2 ヵ所
22
3点
1500セット
鳥取
9/21
3 ヵ所
島根
9/24 ~ 30
―
報 告 〔 1)場所・2)活動内容・3)
その他 〕
新聞広告 毎日新聞(朝刊)が例年実施している企画広告に協賛し,結核予防の啓発を行った。
9/24 ~ 25に三重テレビのテレビCMを活用し,結核予防を呼びかけた。三重県内全戸配布される三重県の広報誌「県政だよりみえ」に結核予防の広告を
掲載した。県,市町,医師会,医療機関,県内の小・中・高等学校,関係機関等に結核予防ポスター,結核の常識 2013 等を配布した。
「クローバフェスタあいあい祭り」に婦人会から参加いただき結核予防の啓発活動を行う
(予定)
。
結核予防の懸垂幕を掲揚した。10/20に亀山市で開催される
。
11/20に亀山市で開催される「健康スポーツフェスティバル」に参加し,結核予防啓発資材を配布する(予定)
1)西武大津店,大津パルコ周辺
ト
2)結核の常識 2013 及び複十字シール運動リーフレッ
3)滋賀県職員,支部職員ならびに滋賀県地域女性団体連合会役員が街頭において啓発を実施し,併せて募金活動を実施した。
1)京都駅前中央改札口広場,京都タワー付近,烏丸七条交差点付近
2)複十字シール運動リーフレット(本部作成),複十字シール(小型),マスク(京都府作成),ティッシュ(京都市作成)
「正しく知ろう肺結核」講演:
「健康に暮らすために ~が
3)京都府民・市民を対象に講演「結核の予防とがんを考えるつどい」を開催(9/5)講演:
んと免疫(治療法)を知ろう~ 」京都市地下鉄の中吊り・市バスに結核予防週間・シール募金のポスターの掲示,また建物内及び検診車に結
核のポスターを掲示し,結核予防週間の周知及び結核検診の受診を呼びかけた。
① 1)
「平成 25 年度 結核予防推進大会」
9/24(火)摂津市民文化ホール(摂津市)
ト(結核の常識 2013・エコバッグ・ポケッ
トティッシュ・
うちわ)
内容:<結核のない街,大阪をめざして>と題して,当法人と(一
2)配布物 3 点・430セッ
社)大阪エイフボランタリーネッ
トワークとの共催で,府内地区女性と府内一般住民を対象に開催。
・大阪エイフ会員による結核予防関係婦人団体
中央講習会の研修報告 ・大阪府茨木保健所 所長 土生川 洋氏による「結核のいろは」と題したミニ講話を行った。また,
「結核集団感染」
と題し,増田理事長がレクチャーを行った。参加者 431 名。
「肺年齢測定体験会」9/24(火)摂津市民文化ホール ロビー(摂津市)
② 1)
トティッシュ・うちわ・オリジナルタオル)
内容:スパイロメーターを使って呼吸機能検査を行った。
2)配布物 3 点・70 ~ 100 個(ポケッ
肺年齢測定を行うことにより,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防を呼びかけた。参加者 74 名
大丸心斎橋店前(大阪市中央区)
③ 1)全国一斉複十字シール運動街頭キャンペーン 9/26(木)
トティッシュ,
2)配布物 4 点・450 ~ 4,000 個 内容:当法人職員と大阪市地域女性団体協議会会員の総勢 20 名と「シールぼうや」が,ポケッ
うちわ等の結核予防啓発グッズを街行く人々に配布し,結核予防の普及啓発及びシール募金の協力を呼びかけた。
・22(木)
・9/6(金)
④ 1)当法人正面前 8/2(金)
「結核をなくそう」ののぼりを設置し,結核予防週間の周知と複十字シール運動の普及啓発として,
うちわ・
2)配布物 3 点・45 ~ 400 個 内容:
ポケッ
トティッシュ・エコバッグを配布した。
⑤ 1)当法人ホームページにおいて 本年度のグッズ,各行事の写真等を掲載し,結核予防週間の周知を行った。
1)神戸市 三宮駅周辺,JR 姫路駅,JR 明石駅
2)ミニクリアフォルダ入りティッシュ,風船
3)視覚資材(のぼり,立て看板)による啓発,スタッフのベストとたすき着用による啓発,募金の呼びかけを行った。
1)近鉄奈良駅
ト,結核の常識 2013
2)本年度リーフレッ
3)シールぼうや着ぐるみによる啓発
1)JR 和歌山駅前・南海和歌山市駅前
ト「結核の常識 2013」
,複十字シール運動パンフレッ
ト,ちふれ「あぶら取り紙」
2)結核予防週間パンフレッ
56
岡山
広島
山口
徳島
香川
1)イオン鳥取北店・倉吉パープルタウン・イオン日吉津店の県内 3カ所
(うち婦
3点
ト,鳥取県の結核状況
2)複十字シール,複十字シール運動リーフレッ
人会 3,000セット
3)鳥取県の結核状況及についてPRした。
45名)
―
―
県,市町村,医師会等に対してポスター掲示を依頼し,パンフレッ
トの送付をした。
① JR 倉敷駅で,ティッシュやリーフレットを配布しながら,結核予防の啓発活動を行った。
5点
②アリオ倉敷で,骨密度測定,血圧測定,体脂肪率測定,スモーカライザーテストを無料で実施した。また,魚釣りゲームやキャンドル作り,シールぼう
2,016セット
やの登場で,たくさんの家族連れでにぎわった。今年作成した「シールぼうやクリアファイル」も好評だった。
①広島市南区皆実町(健康福祉センター内エントランスホール)
「結核パネル展示」
パネル
②屋外広告電光掲示板(c-vision)による普及啓発
9/24 ~ 30 3 ヵ所 10
8点
ト・結核の常識 2013・ボールペン・シール封筒組合せ等を配布する。
③ 10/27(日)広島県三原市で結核予防週間活動を実施予定 複十字シール運動リーフレッ
1,000セット
その他)結核・肺がんの無料検診実施・着ぐるみを使用した結核予防のPR
①山口市小郡で開催される「おごおり文化祭(総合フェスティバル)
」において,支部用のブースを設置し,結核及び複十字シール運動のパネルを展
26
示する。また,会場内で,シールぼうや着ぐるみや風船,たすき,幟旗を活用して,結核予防婦人会とともに,パンフレット結核の常識及び複十字シー
(予定)
①11/2
(うち婦
2点
ル運動用リーフレットを配布して結核と結核予防の普及啓発活動を行い,併せて募金協力を呼びかける。
1 ヵ所
② 9/1 ~ 30
人会 500セット
② 9/1 ~ 30までの間,県内 7 ヵ所に設置されている,山口県太陽光発電インフォーメーションシステムで結核予防週間についての情報掲示を行った。
24名)
その他,①のキャンペーン実施については,事前に県内各報道機関 30 社に対して報道依頼を行った。
あわぎんホール(徳島市)において,徳島県と共催で開催した「健康を考える県民のつどい」の会場で,徳島県婦人団体連合会の協力を得て複十字シー
2点
1ヵ所 13
9/9
ト,結核の常識 2013を配布するとともに募金活動を実施した。
800セット ルリーフレッ
9/21
2 ヵ所
26
9/26
1ヵ所
4
総本山善通寺 南大門にて,胸部検診の実施にあわせ,受診者および参拝者に「結核の常識」を配布した。
1点
400セット また,検診車に,結核のポスターを貼り,結核予防について普及啓発を行った。
1)街頭募金 松山市湊町 5 丁目いよてつ髙島屋前の北側歩道(松山市駅北口)付近
トティッシュ・リーフレッ
ト・小型シール・カレンダー・風船
8
2)広報資材 ポケッ
(うち婦
その他)募金者にはクジ引きにて複十字シール運動の啓発グッズをプレゼント。
(Tシャツ・ボールペン・クリアファイル等)
5点
愛媛
9/23
1 ヵ所
人会 3 300セット
・広報資材の配布…結核予防週間ポスター・結核の常識 2013を県下市町,学校,婦人会等に配布。
名)
また,県医師会を通じて県下の病院・診療所等へポスターの掲示協力を依頼。
・胸部検診車による啓発活動…結核予防週間に関するステッカーを車体に貼り付けて運行。
①無料検診において…高知県支部で,
結核やがんについてのパンフレッ
トを配布。新聞折込チラシで受診者を募集し,
はがきにて申し込みを受付けて実施。
①9点
婦人会や県,
県医師会准看護学院の皆さんの協力を得て,
200セット ②全国一斉複十字シール運動キャンペーン…高知市中心街で本部を中央公園北口に置き,
① 9/28
① 36 ② 10 点
帯屋町周辺(アーケード内等)
,
追手筋の日曜市で,
結核やがんについてのパンフレット,
ポケットティッシュ,
風船等を配布。本部にパネル,
のぼり,
シー
高知 (高知市と連携)
, 2 ヵ所
② 40 1,300セット
ルぼうやの立看板やパンチングを設置し,血圧測定,無料結核検診を実施。また,マイクで複十字シール運動へのご協力を繰り返し訴え,街頭募金
② 9/29
風船
活動を賑わした。高知県観光キャラクター人形の『武市半平太』と『おりょう』の着ぐるみを着用し,子ども達にも喜んでもらい,キャンペーンを盛り
上げた。キャンペーンの様子が当日のニュースで放映された。高知新聞,
毎日新聞,
地元ラジオ2 局で事前に告知をしてもらいキャンペーンをPRした。
600 個
1)日程:9/23(月・祝)11:00 ~ 16:00 場所:エルガーラ・パサージュ広場(博多大丸)
内容:全国一斉複十字シール運動キャンペーン 主催:公益
財団法人福岡県結核予防会・福岡県結核予防婦人会 6点
「複十字シール運動」パンフレット,複十字シール運動パンフレット及びリーフレット,ポケットカレンダー,マスクを2,000セット配布
福岡
9/23
1 ヵ所 68
2)結核予防パンフレット「結核の常識」,
2,000セット
トや風船(バルーンアート)
3)胸部レントゲン健診,健康相談,血圧測定,体脂肪測定,骨密度測定,肺年齢測定,血管年齢を無料で実施。パンフレッ
等の配布。会場ステージにて結核予防ミニ講演やジャグリングを行う。結核予防に関するパネル展示。複十字シール募金。
当協会職員と県婦人会及び県庁職員の合同で県内ショッピングセンター 2 ヵ所(イオン佐賀大和店・ゆめタウン佐賀)においてパンフレッ
ト・複十字シール・
4点
佐賀
9/23
2 ヵ所 24
2,000セット ティッシュ・風船等を配布しながら募金の呼びかけを行った。
① 1)長崎市浜の町ベルナード観光通り
ト(長崎県作成)
,ポケッ
トティッシュをセッ
トにして配布
2)結核の常識,リーフレッ
① 9/26
①4点
長崎
2 ヵ所
8
3)結核の基礎知識や,複十字シール運動についてのパネルを(事業団作成)展示した。
② 9/24 ~ 30
1,000セット
② 1)佐世保市役所本庁からすこやかプラザ連絡通路にて,結核の基礎知識パネル 6 枚と,併せて佐世保市の結核の現状をパネルにして展示して頂いた。
また,リーフレッ
ト(長崎県作成)を自由に取れるように配置された。
① 19
(うち
①阿蘇郡小国町「フレインゆめおぐに」にてパネル展示,乳がん,肺模型の展示,広報資材 { 結核の常識,複十字シール運動パンフレット,複十字シー
①6点
婦人会
ル,結核予防週間広告入りうちわ(当支部作成)
,当支部作成のポケットカレンダー,がん相談のすすめ },結核予防週間入りの風船の配布。 ②
熊本市動植物園にて,パネル展示,乳がん,肺模型の展示,広報資材 { 結核の常識,複十字シール運動パンフレット,複十字シール,結核予防週
9 名) 250セット
熊本
9/7,22
2 ヵ所
② 73
②8点
間広告入りうちわ(当支部作成)
,
オーキューバン,
当支部作成のポケットカレンダー,
がん相談のすすめ,
がん検診についての広告(熊本市製作)},
(うち 1,500セット
がんのクイズ大会,ヨーヨー風船つり,無料結核検診,無料脳年齢測定,医師と保健師によるがんと結核相談,地元ボランティア団体によるステー
婦人会
ジイベント。
50名)
大分トキハデパート前及び中央商店街において,
結核予防婦人会,
大分県健康対策課,
大分市保健所とで街頭啓発キャンペーンを行うとともに,
シール,
リー
4点
大分
9/24
2 ヵ所 24
ト,ボールペン等を配布して募金を呼びかけた。
300セット フレッ
1)イオンモール宮崎
5点
2)パンフレット等
宮崎
9/8
1 ヵ所 25
700セット 3)その他 結核予防に関するブース(パネル展示),県庁南別館に懸垂幕の掲示,電光掲示板にて結核検診促進のための啓発(宮崎市橘通交差
点)
,宮崎日日新聞発行機関誌「パームス」,
「朝日・宮日・読売新聞」,へ結核予防週間に関する広報の掲示を行った。
鹿児島中央駅内コンコースにおいて,県の職員,県結核成人病予防婦人会の協力を得て,小型シール・リーフレッ
ト・ポケッ
トティッシュを配布。
3点
鹿児島
9/24
1 ヵ所 22
「結核予防週間」
「複十字シール運動」のポスターや「のぼり旗」
「結核に関するパネル」等を掲示し,
結核予防週間の周知並びに募金活動を行った。
2,000セット また,
・各保健所(6 ヵ所)にて
1)県庁ロビー・沖縄県総合保健協会(横断幕)
ト・結核の常識 2013・ポケッ
トティッシュ・ボールペン
10 点
2)パネル・ポスター展示 資料配布…結核普及啓発リーフレッ
沖縄
9/24 ~ 30 7 ヵ所 60
(財)沖縄県総合保健協会・沖縄県結核予防婦人連絡協議会・那覇市保健所〕
1,000セット 3)街頭キャンペーン…9/24(火)実施〔協力機関名:沖縄県・
※アトラクションでは,真地風雲児太鼓とムムヌチハンター&シールぼうやが会場を盛り上げ,県民への結核予防普及啓発チラシ配布,街頭募金等を行った。
①5点
ト,ボールペンまた
①本部のある水道橋ビル前において,街頭キャンペーンを実施。シール運動リーフレッ
ト,複十字シール,結核の常識,COPD パンフレッ
は風船をセッ
トにして配布し,結核予防週間ポスター,複十字シール運動ポスターをパネルにして風船とともに街頭に展示した。
200セット
① 9/24,9/30
①5
ト,シール,結核の常識,COPD パンフレッ
トを配布しながら,シール募金を
②5点
②第一生命情報システム(株)様において昼の休憩時間帯にシール運動リーフレッ
② 9/20,
② 7 1,000セット
呼びかけた。
本部 25,26
6カ所
③7
③4点
③グローバルフェスタJAPAN(日比谷公園)において国際協力に興味のある一般の方を対象に,結核予防週間や国際協力のポスター・パネル展示,リー
③ 10/5 ~ 6
④ 3 700セット
フレッ
ト,シールを配布してシール募金活動を行った。
④ 10/13
シール,結核の常識,COPD パンフレッ
④5点
④都立篠崎公園において江戸川区民まつりの開催に伴い,江戸川区保健所の職員とともにシール運動リーフレッ
ト,
ト,風船のセッ
トを配布し,結核予防の普及啓発を行った。
750セット
11 / 2013 複十字 No.353
5
平成25年度 都道府県知事表敬訪問報告 続報
8月1日の複十字シール運動開始日に各都道府県では,各県知事を各県結核予防婦人会長ならびに支部役員等が訪
問し,複十字シール運動への協力をお願いしました。今回は,前号No.352に続いて,6支部の報告です。
●栃木県支部
●東京都支部
8/29,福田知事を小暮支部長と小野会長(栃木県結核予防
8/6,前田東京都福祉保健局技監を石館理事長,谷茂岡会
婦人連絡協議会)他婦人会役員が訪問。複十字シール運動の
長(東京都地域婦人団体連盟)他婦人会役員が訪問。前田福祉
趣旨や県内の結核の現状,普及啓発活動の重要性を説明し,
保健局技監に複十字シール運動の趣旨,募金の現状等を説明
キャンペーンで配布する予定のグッズをお渡しして,複十字
した。前田技監より結核対策の推進に向けて励ましのお言葉
シール運動への協力をお願いした。翌日には地元紙(下野新
をいただいた。
聞)
に掲載された。
●岐阜県支部
●福井県支部
8/27,川出健康福祉部長を渡辺支部長,竹中会長(岐阜県
9/24,副知事を城越理事長と宇野会長(福井県健康を守る
女性の会)他役員数名が訪問。結核の現状及び福井県内にお
ける啓発活動や募金の状況を説明し,複十字シール運動への
協力を依頼した。
結核予防婦人部連合会)他婦人会役員が訪問。結核を撲滅す
るための複十字シール運動であることを理解していただくた
めに,シールぼうやと一緒に訪問し,複十字シール運動の県
内状況及び全国の募金状況を伝え,互いに協力し,岐阜県の
結核撲滅のため力を合わせていくことを確認し合った。
●大分県支部
●香川県支部
7/31,広瀬知事を千葉専務理事,後藤会長(大分県結核予
8/26,浜田知事を森下会長と野田会長(結核予防婦人会)ら
防婦人会)他役員が訪問。県内の結核の現状,複十字シール運
が表敬訪問した。森下会長から,結核は高齢者に多いことな
動の趣旨や活動を説明し,複十字シール運動への協力をお願
どを説明するとともに,当協会が昨年行った結核・肺がん検
いした。広瀬知事からは,活動について励ましのお言葉をい
診でも7人の結核患者が見つかっており,決して過去の病気
ただいた。
でないことを強調し,知事に結核撲滅の訴えと複十字シール
運動への協力をお願いした。表敬訪問の様子は,翌日地元紙
(四国新聞)
に掲載された。
猛暑日が続く暑い最中,県のご担当者との調整
を含め,無事,知事表敬訪問が行えましたことを,
全国支部及び婦人会の皆様に誌面上ではございま
すが,御礼申し上げます。
6
11 / 2013 複十字 No.353
平成25年度結核予防会技術者地区別講習会実施報告
○講習会テーマ
合同会議Ⅰ
(結核予防会)
「結核の基礎と最新の知見を中心に」
合同会議Ⅱ
(結核予防会)
「これからの結核対策を中心に」
合同会議Ⅲ
(厚生労働省)
「結核対策の最近の動向と方向性」
医学科講義
「結核の臨床」
放射線学科講義
「結核予防のための院内感染対策・低線量被ばくの考え方」
保健看護学科講義
「結核のない世界をめざして~次世代への感染の連鎖を防ぐためにできること~」
○開催地・講師一覧
開催地
北海道
東北
(岩手県)
関東・甲信越
(神奈川県)
東海・北陸
(福井県)
近畿
(大阪府)
中国・四国
(鳥取県)
九州
(鹿児島県)
日 程
担 当 講 師
8 月27日( 火 ) ~ 8 月28日( 水 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 大角 晃弘 (結核研究所臨床・疫学部副部長)
: 平尾 晋 (結核研究所臨床・疫学部研究員)
: 永田 容子 (結核研究所対策支援部保健看護学科長)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 梅木 和宣 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 雨貝 信也 (健康局結核感染症課係長)
9 月 5日( 木 ) ~ 9 月 6日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 平山 隆則 (結核研究所対策支援部企画・医学科長)
: 御手洗 聡 (結核研究所抗酸菌部長)
: 浦川 美奈子 (結核研究所対策支援部保健看護学科科長代理)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 梅木 和宣 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 雨貝 信也 (健康局結核感染症課係長)
7 月11日( 木 ) ~ 7 月12日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 大角 晃弘 (結核研究所臨床・疫学部副部長)
: 吉山 崇 (複十字病院診療主幹)
: 永田 容子 (結核研究所対策支援部保健看護学科長)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 梅木 和宣 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 雨貝 信也 (健康局結核感染症課係長)
8 月 8日( 木 ) ~ 8 月 9日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 平山 隆則 (結核研究所対策支援部企画・医学科長)
: 吉山 崇 (複十字病院診療主幹)
: 浦川 美奈子 (結核研究所対策支援部保健看護学科科長代理)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 梅木 和宣 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 鈴木 洸平 (健康局結核感染症課結核対策係)
7 月18日( 木 ) ~ 7 月19日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 平山 隆則 (結核研究所対策支援部企画・医学科長)
: 伊藤 邦彦 (結核研究所臨床 ・ 疫学部長)
: 永田 容子 (結核研究所対策支援部保健看護学科長)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 錦織 信幸 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 雨貝 信也 (健康局結核感染症課係長)
7 月25日( 木 ) ~ 7 月26日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 加藤 誠也 (結核研究所副所長)
: 伊藤 邦彦 (結核研究所臨床 ・ 疫学部長)
: 小林 典子 (結核研究所対策支援部長)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 錦織 信幸 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 鈴木 洸平 (健康局結核感染症課結核対策係)
8 月 1日( 木 ) ~ 8 月 2日( 金 )
合 同 講 義
医
師
保
健
師
診療放射線技師
厚生労働省
厚生労働省
: 加藤 誠也 (結核研究所副所長)
: 御手洗 聡 (結核研究所抗酸菌部長)
: 小林 典子 (結核研究所対策支援部長)
: 星野 豊 (結核研究所対策支援部放射線学科長)
: 錦織 信幸 (健康局結核感染症課課長補佐)
: 雨貝 信也 (健康局結核感染症課係長)
北海道地区(北海道)
北海道保健福祉部健康安全局
地域保健課感染症・特定疾患グループ
主査 佐藤 園子
平成25年度北海道地区結核予防技術者講習会は,平成25
年8月27日~ 28日の日程で札幌市内において開催し,保健
所,医療機関等の関係機関から約150名弱の御参加をいた
だき,日頃の結核予防対策に関する疑問等を解決する機会
とすることができました。
北海道地区の講習会は,昨年のこの紙面でもお伝えした
ように一時期中断していましたが,平成24年度から再開し
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7
た経過があります。再開2年目となる今年度は,内容の充実
を図るため,結核対策特別促進事業の評価・報告を新たに
プログラムに入れ,講師並びに参加者との意見交換や御助
言等を得られましたことは,道内各地域で活動している関
係者にとっても励みとなったものと感じております。
御報告をいただいたのは,札幌市保健所,帯広保健所,
独立行政法人国立病院機構帯広病院(以下「帯広病院」とい
う)の3機関ですが,札幌市保健所からは,
「札幌市保健所の
DOTS体系について」
,帯広保健所と帯広病院からは,
「十
勝圏域における病院と保健所のDOTS支援の連携について」
と題して,治療成功のための服薬支援の体系や保健所と医
療機関との連携の実際について,それぞれ貴重な御報告を
いただきました。特に帯広病院からのDOTS支援における
病院の役割や保健所との連携の意義等についてのお話は興
味深いものがあり,今後の結核予防対策における機関連携
のあり方について,貴重な御示唆をいただけたものと感じ
ております。
道としましては,今後もこの講習会の機会を活用して,
道内の各地域で結核患者支援に当たられている関係者の
方々の活動を共有することで,北海道全体の結核予防対策
の向上に努めてまいりたいと考えております。
次年度は,更に多くの皆様の御参加を期待するとともに,
遠いところお運びいただきました講師の先生,報告者の皆
様には深く感謝申し上げます。
東北地区(岩手県)
岩手県保健福祉部医療政策室
感染症担当
技師 菊池 圭
神奈川県保健福祉局保健医療部
健康危機管理課感染症対策グループ
主査 滝田 由紀子
平成25年度関東甲信越地区結核予防技術者地区別講習会
は,神奈川県が担当県となり,7月11日~ 12日の2日間,
横浜市開港記念会館において開催し,県内外の医療機関,
行政機関等から約370名の方々にご参加いただきました。
中でも医師対象講義を夜間に開催できたことは,昼間の参
加者と傾向が変わり,より広範囲の方にご参加いただくこ
とにつながりました。講習会は,日頃の疑問を解決し,新
たな気付きを得る有意義な機会になりました。
結核対策特別促進事業の報告では,横浜市,川崎市,そ
して相模原市の県内政令指定都市の心強いご協力により,
各市が取り組む外国人対策や精神的支援,地域DOTSにつ
いてご報告をいただきました。地域の課題に取り組む各事
業には質問も多く,参加者の関心の高さがうかがえました。
講習会に係る準備や調整は大変でしたが,貴重な経験を
させていただきました。開催にあたり,ご指導いただきま
した結核研究所の皆様,ご支援,ご参加いただきました多
くの皆様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
東海・北陸地区(福井県)
福井県健康福祉部健康増進課
感染症・疾病対策グループ
主事 堂前 和雅
平成25年度東海北陸地区の結核予防技術者地区別講習会
平成25年度東北地区の結核予防技術者地区別講習会は,9月
は福井県が開催県となり,8月8日,9日の2日間の日程で開
5日~ 6日の日程で,盛岡市で開催しました。当日は県内外の行
催しました。日中の気温が35度を超え,猛暑日を記録する
政機関,医療機関等の皆様240名の御参加をいただきました。
中,県内外の保健所,医療機関および行政等の関係者約120
合同講義や三科別講義では,結核研究所や厚生労働省の
名に御参加いただきました。
先生方から,初任者にも分かりやすい配慮のもと,最新の
結核医療の最前線で活動されている結核予防会の先生方
動向や現状,取り組み事例等を御講義いただきました。各
や,結核行政の根幹である厚生労働省の先生から講義を受
講義とも,質疑応答では日頃臨床や患者家族支援の現場で
けることで,多くの出席者が最新の知識,技術を共有でき
疑問に思っていることについて質問が寄せられ,講師の先
る有意義な講習会となりました。
生方から丁寧な御助言をいただき,参加者の多くが貴重な
情報を持ち帰ることができたことと思います。
結核対策特別促進事業の報告・評価では,石川県の医療
機関や中核市保健所を集める結核担当者会議,福井県の全
結核対策特別促進事業の報告・評価では,盛岡市・秋田県・
数DOTSに向けた取り組み,岡崎市の地域連携パス事業等
山形県の保健所担当者から御報告いただき,他地域での活
が報告され,結核対策で重要な関係機関や地域との連携に
動の参考となりました。
ついて,各自治体の今後の取り組みの参考となったのでは
最後に,講師の先生方,自治体担当者の皆様,御参加された
8
関東・甲信越地区(神奈川県)
ないかと考えております。
皆様に,また本来当県で23年度開催予定だったところ,震災に
また,行政担当者会議では,DOTSにおける関係機関と
より急遽開催県を引き受けていただいた山形県の皆様,支えて
の連携についてや,VNTR,T-spot検査の導入などについ
いただいたすべての方に,この場を借りて御礼申し上げます。
て,厚生労働省や結核予防会の先生方の助言等をいただき
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ながら意見交換でき,今後の業務を行う上で参考となる会
議になったと感じております。
平成25年度中国・四国地区結核予防技術者地区別講習会
は,鳥取県が担当県として,7月25日~ 26日の日程で鳥取
最後になりましたが,御多忙にも関わらず御講演いただ
市のとりぎん文化会館で開催しました。大変暑い中ではあ
いた講師の先生方,急なお願いにも関わらず結核対策特別
りましたが,県内外の医療機関,市町村,保健所等から約
促進事業の報告をいただいた皆様,本講習会の開催に当た
120名の方々に参加いただきました。
り御指導いただいた結核研究所の皆様,そして,各方面か
合同講義及び職種別講義では,結核研究所や厚生労働省
ら本講習会に御参加いただいた皆様に対しまして,この場
の先生方から結核の基礎から最新の知見まで分かりやすく
をお借りして深く感謝申し上げます。
御講演をいただき,結核に関する知識を深め,今後の対策
へとつなげるきっかけとなったと思います。
結核対策特別促進事業の評価・報告では,岡山県,愛媛県,
近畿地区(大阪府)
大阪府健康医療部保健医療室
地域保健感染症課
吉田・田澤・山内・深田
近畿地区では,今年度の地区別講習会を大阪府が担当し
て実施し,日常の業務からは,なかなか体系的な知識を得
鳥取県から地域DOTSや地域連携パスについて御報告をい
ただき,地域ぐるみで取り組むことの必要性やその効果に
ついて,改めて認識することができました。
また,講習会を通して結核研究所や厚生労働省の先生方
を含む関係者と顔合わせができたことで,今後の連携も今
までに増してスムーズに行えるものと感じております。
最後になりましたが,本講習会の開催にあたり御支援・御
協力いただきました関係者の皆様にこの場をお借りして深く
感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
ることが困難な国施策の状況や結核医療の状況について,
中枢を担う方々から講義いただくことができる有意義な会
となりました。7月18・19日の2日間にわたった講義への参
加者数は延453人。盛況に開催できましたこと,感謝とと
もにご報告します。今回,数は少ないものの行政以外の民
間医療機関からも参加があり,そのことを結核研究所の方々
に伝えたところ,このような研修の機会が広く一般の医療
機関の方々へも提供できれば,全体の医療水準向上と結核
九州地区(鹿児島県)
鹿児島県保健福祉部
健康増進課感染症保健係
主事 伊尻 咲子
状況の改善につながると考えられるので,利用してほしい
平成25年度における九州地区の結核予防技術者地区別講
とのお話でした。府では医療機関があまりに多く,実現は
習会は,鹿児島県が開催県となり,8月1日~ 2日の日程で
難しいのですが,ブロックによっては一考の価値があるの
鹿児島県市町村自治会館及び鹿児島県庁で開催しました。
ではないでしょうか。
(医師会の生涯教育研修や結核病学会
関係自治体及び県内の関係機関へ広く参加を呼びかけた
の結核・抗酸菌症認定医・指定医の受講ポイントにもなり
ところ,450名を超える方々に御参加いただき,中でも,医
ます。
)
療機関からの参加が多く医療従事者の結核への関心の高さ
行政担当者会議は,2日間の限られた日程の中での実施と
がうかがえました。
なるため,充分な議論の時間をとることが困難な点,次回
各講義では,結核の基礎知識から低まん延化に向けた結
以降の検討課題であると思います。しかし,行政担当者と
核対策等について幅広く御講義いただき,大変有意義な講
して結核病床は一定数確保しなければならないといった思
習会となりました。会場からは,T-スポット.TB検査に
いを共有し,最近の事例への対応(クォンティフェロン® TB
ついての質問等が出され,講師の先生方から丁寧な回答・
ゴールド用採血管の不具合による各自治体の取り組み)など
助言をいただきました。
に触れることができ,プログラムの充実につながる有意義
なものでした。ありがとうございました。
また,結核対策特別促進事業報告・評価では,長崎県・
久留米市・鹿児島県から,それぞれ薬局DOTSの実施,医
療従事者向けの研修会及び地域連携パスの導入など,各自
治体独自の取り組みが報告され,今後の各地での取り組み
中国・四国地区(鳥取県)
鳥取県福祉保健部健康医療局健康政策課
感染症・新型インフルエンザ対策室
の参考になったのではないでしょうか。
最後になりましたが,お忙しい中御講義いただきました
講師の先生方,講習会の開催に当たり,御指導いただいた
結核研究所の皆様,猛暑の中お越しいただいた参加者の皆
様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
岡本 詩穂
保健師 11 / 2013 複十字 No.353
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日本における結核制圧のための課題
平成24年 結核登録者情報調査年報集計結果(概況)から
結核研究所
臨床 ・ 疫学部副部長
兼疫学情報センター長 はじめに
2. 年齢階層別結核患者
2013年9月に,厚生労働省により「平成24年結核登
新登録結核患者における年齢階層では,15歳から
ⅰ が発表されまし
録者情報調査年報集計結果(概況)
」
19歳においては微増していますが,他の全ての年齢
た。本稿では,本集計から得られる情報から,日本
階層で,2011年と比較して減少傾向を認めました。
における結核制圧のための課題について概説します。
年齢階層別新登録結核患者の割合では,高齢化が更
に進行し,70歳以上の高齢者が全体に占める割合は
1. 新登録結核患者
55.6%に達し,80歳以上の割合も34.0%になっていま
2012年の新登録結核患者数は21,283人で,人口10
す。感染性のより強いと考えられる喀痰塗抹陽性肺
万対率では16.7でした。日本における結核患者は,
結核患者での70歳以上の高齢者が占める割合は,更
未だ年間2万1千人以上登録されており,人口10万
に高く60.8%,80歳以上で39.0%でした。日本全体の
対率では欧米諸国と比較して依然として高い状況が
人口における高齢化の進行と共に,今後も結核患者
続いています。2011年は新登録結核患者数が22,681
における高齢化は進行すると予想されます。高齢者
人,人口10万対率が17.7でしたので,前年と比較し
結核患者は,結核診断の遅れを示す割合が高く,他
て患者数で約6%,人口10万対率で1.0の減少となり
疾患通院中発見割合・他疾患入院中発見割合ともに
ます。2010年から2011年での減少傾向が,患者数で
若年者に比べて高い傾向がありⅱ,一般医療機関の医
約2%,人口10万対率で0.5の小さいものでしたので,
療従事者を対象とする結核の啓発強化が,さらに重
2011年から2012年での比較的大きな減少傾向は,年
要になると考えられます。
間変動による可能性があります。もし,2012年以降
単純に,年4%の率で新登録結核患者数が減少すると
仮定した場合,2020年代後半頃には人口10万対率が
10未満に達し,2030年代前半頃には患者数が1万人
以下になることが推定されます。
図1 人口10万対年間結核患者登録率の年次推移,
1962〜2012年
1000
人口 万対率
全結核患者
100
10
表 年齢階層別新登録結核・喀痰塗抹陽性肺結核患者数
年齢階層
総数
平成 23 年(2011 年)
新登録結核患者数
22681 100.0%
平成 24 年(2012 年)
喀痰塗抹陽性肺結核
新登録患者数
新登録結核患者数
8654 100.0% 21283 100.0%
喀痰塗抹陽性肺結核
新登録患者数
8237 100.0%
0~4 歳
33
0.1%
0
0.0%
30
0.1%
1
0.0%
5~9 歳
20
0.1%
0
0.0%
12
0.1%
0
0.0%
10~14 歳
31
0.1%
5
0.1%
21
0.1%
4
0.0%
15~19 歳
157
0.7%
45
0.5%
165
0.8%
40
0.5%
20~29歳
1417
6.2%
360
4.2%
1288
6.1%
337
4.1%
30~39歳
1718
7.6%
520
6.0%
1528
7.2%
448
5.4%
40~49歳
1820
8.0%
625
7.2%
1600
7.5%
555
6.7%
50~59歳
2049
9.0%
819
9.5%
1795
8.4%
680
8.3%
60~69歳
3232
14.2%
1241
14.3%
3012
14.2%
1161
14.1%
70~79歳
4875
21.5%
1817
21.0%
4595
21.6%
1801
21.9%
80 歳以上
7329
32.3%
3222
37.2%
7237
34.0%
3210
39.0%
3. 外国人結核患者数の推移
10
1
62 65
10
大角 晃弘
塗抹陽性肺
結核患者
70
75
11 / 2013 複十字 No.353
80
85
90
喀痰塗抹陽性肺
結核患者
95
00
05
10 12(年)
2011年以前の結核登録者情報調査では,
「外国籍」
を有する結核患者を「外国人」としていましたが,
2012年以降は「外国生まれ」に変更しています。外国
人結核患者が全体に占める割合は微増傾向にあり,
2012年は5.0%になっています。年齢階層別での外国
ています。2011年のLTBI登録者数増加要因につい
人結核患者割合は,15歳以上39歳までの比較的若い
ては,2012年に実施された保健所全国調査により,
年齢階層で増加傾向が強く,特に20歳代では37.0%
「2010年のクォンティフェロン(QFT)検査年齢制限
で外国人が占めています。外国人結核患者の多くは,
撤廃による検査実施数の増加」
・
「予算措置・検査実
世界保健機関の指定する結核高負担国であり,今後
施体制の整備等によるQFT検査実施指数の増加」
・
も外国人留学生や労働者の増加に伴い,比較的若い
「QFT検査の第2世代から第3世代への移行に伴う陽
年齢層における結核患者中の外国人割合は,増加し
性結果者や判定保留結果者およびそれらの割合の増
ⅲ
ていくと考えられます。
ⅳ 2011年
加」等が関与していることが示されました。
から2012年におけるLTBI登録者数減少傾向の要因
図2 新登録結核患者に占める外国人結核患者の割合の推移,
性別・特定年齢階層別 1998 〜 2012年
については,今後昨年と同様の調査を追加実施する
割合:国籍不明を除く。2011 年以前は,外国籍の結核患者割合
割合
(%)
40
37.0
20 ~ 29 歳
15 ~ 19 歳
30 ~ 39 歳
女
総数
男
30
28.8
15.9
新登録結核患者における糖尿病合併の有無について
26.3 25.4
の情報入力がされています。新登録結核患者のうち,
約9割の患者についての糖尿病合併有無情報が入力さ
17.3 17.8
れていて,2012年には,14.3%(3,036人/21,283人)
13.4 13.5
が糖尿病合併となっています。糖尿病は結核発病リ
11.7
10
6. 新登録結核患者における糖尿病合併の推移
結核登録者情報調査には,保健所の判断により,
33.0
21.2 21.1
20
予定です。
9.1 9.4
スクを高めることが指摘されており,今後日本にお
いては,糖尿病患者数が増加することが予想されて
0
いますので,結核患者における糖尿病合併割合も増
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
年
4. 結核患者数の地域差
ⅴ
加することが見込まれます。
まとめ
新登録結核患者数の人口10万対率における地域差
平成24年結核登録者情報調査年報(概況)から得ら
が大きい状況は,2012年も継続してみられます。率
れる情報を主に,2012年における日本の結核登録者
の低い地域は,長野県
(9.5)
・福島県
(9.9)
・宮城県
(9.9)
に関する状況について,課題や今後の展望を含めて
等で,逆に高い地域は大阪府(27.2)
・東京都(21.8)
・
概観しました。新結核登録者数は減少傾向が続いて
沖縄県
(21.6)
等でした。特に大都市部における高い人
いますが,高齢者層結核患者数とその割合の増加・
口10万対率は顕著で,大阪市
(42.7)
・堺市
(27.9)
・神
若年者層における外国人結核患者数とその割合の増
戸市(24.4)
・東京都特別区(24.3)となっています。結
加・大都市部への結核患者の偏在・糖尿病合併結核
核患者の都市部への偏在傾向は,今後も継続するこ
患者割合の増加等の課題に適合した,結核対策の強
とが予想されますので,都市貧困層・高齢者・外国人・
化が必要と考えられます。
若年者層等を対象とした,より焦点を絞った結核対
策の強化が必要と考えられます。
5. 潜在性結核感染症(LTBI)登録者数
の推移
LTBI登 録 者 数 は,2010年4,930人 か ら2011年
10,046人に著増しましたが,2012年には8,631人と
減少傾向を認めました。2011年と比較して2012年に
は,5歳から9歳と70歳代の各年齢階層以外で減少し
参考資料
ⅰ 厚生労働省「平成 24 年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)
」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkakukansenshou03/12.html
ⅱ 疫学情報センター . 結核年報 2011
(2 )
小児結核・高齢者結核 . 結核 2013;88
(7): 611-616.
ⅲ 疫学情報センター . 結核年報 2011
(1 )
結核発生動向速報・外国人結核 . 結核 2013;88
(6 )
: 571-576.
ⅳ 疫学情報センター
潜在性結核感染症新登録患者数増加の要因に関する全国保健所調査報告書
http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/resist/survey/
ⅴ 大角晃弘 . 日本における結核発病ハイリスクグループ
保健師 ・ 看護師の結核展望 2012;99:9-15.
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11
「横浜市鶴見福祉保健センターにおける
外国人健診の取り組みについて」
結核対策
活動紹介
〜過去 3 年間の実績をとおして〜
横浜市鶴見福祉保健センター
○門脇 由美 藤本 由貴 里見 正宏
1 実施の経緯
3 鶴見区での健診の実際
横浜市では,平成7年から結核対策特別推進事業の
(1)健診実施の概要
一環として,長年にわたる外国人健診(以下,
「健診」
健診は,鶴見区庁舎内の鶴見福祉保健センターの
という)の実績のある民間医療機関の港町診療所(所
健診会場において,毎年2月第一日曜日,実施時間は
在地:横浜市神奈川区)に委託し,1 ~ 3カ所の市内会
10:00 ~ 15:00である。内容は,
問診,
胸部レントゲン,
場(鶴見福祉保健センター,中区中華街等)において
尿検査,血圧,身体計測,診察,歯科健診,栄養指導,
年1回健診を実施してきた。
医療社会相談を70人弱の従事者で実施している。従
健診を開始した当時の背景として,①外国人の集団
事者は,医師6人,看護師12人,歯科医師5人,歯科
感染の疑い事例,②結核まん延国などの本国での治療
衛生士2人,放射線技師2人,臨床検査技師4人,栄
の中断,不完全な治療のため,薬剤耐性結核菌による
養士1人,医療ソーシャルワーカー 6人,通訳10人等
結核発症事例,③本国との行き来が多い事例,④言葉
である。また,結核のハイリスク健診として,問診,
の壁などにより日本の健診サービスが利用しにくいた
診察,胸部レントゲン撮影,読影,診断は港町診療
め健康管理ができていない事例などがあった。
所に鶴見福祉保健センターが委託して実施している。
そこで,健診の機会が少なく日本語での受診が困
健診に併設して,鶴見国際交流ラウンジ(外国人の
難な外国人に対し,受けやすい設定の健診の機会を
支援や交流活動をとおして,外国人と日本人の多文化
充実させ結核の早期発見・早期受診を進めることを
共生を図ることを目的とした施設で,横浜市国際交流
目的に健診を実施した。
協会が運営)に鶴見区役所地域振興課が委託して外国
2 横浜市の外国人の状況
人相談会
(以下,
「相談会」
という)
を実施している。
横浜市の外国人の国籍,区別状況は,平成25年8
相談会の実施時間は12:00 ~ 16:00で在留資格,ビ
月末現在,横浜市全体で約75,000人の外国人が在籍
ザ,国際結婚,法律,年金,労働問題,教育・進学
している。18区の中で1番多い区は横浜中華街を抱え
等の相談を弁護士,行政書士,社会保険労務士,教
る中区で約14,900人,
その約6割は中国で約8,300人,
育関係者等が通訳と共に相談に応じている。
韓国・朝鮮が2,300人,以下は1,000人以下の国籍で
ある。鶴見区は,2番目に多く約9,300人の外国人が
在籍している。内訳は,中国約3,300人,韓国・朝鮮
1,700人,ブラジル約1,100人,フィリピン約1,050人
と多国籍の人が住んでいる。その背景としては,鶴
見区が京浜工業地帯の一部であることも一因である
と考える。
(図1のとおり)
人
9,000
図1 横浜市の外国人の国籍・区別の状況
横浜市区別外国人人口統計(平成 25 年 8 月末現在)
8,000
7,000
中国
韓国・朝鮮
フィリピン
ブラジル
その他
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
瀬谷
泉
栄
戸塚
都筑
青葉
緑
港北
金沢
磯子
保土ヶ谷
旭
港南
南
中
神奈川
11 / 2013 複十字 No.353
西
12
鶴見
0
受付の案内,健診会場の様子
(2)健診周知方法
健診歴は,約7割の方があり,健康保険も約8割の
英語,中国語,韓国・朝鮮語,スペイン語,ポル
トガル語,タガログ語,日本語の7カ国語で印刷し
方が加入している。
(4)健診結果
た2,000部のチラシを区内の国際交流ラウンジ,保育
胸部レントゲンの結果は,平成22年に結核再燃の
園,小中学校,地区センター,JR及び京浜急行の鉄
疑いの方が2人(神奈川県外の方)発見され要精密検査
道の区内の駅に設置されている市のPRボックス,区
となった。平成23,24年度は肺結核疑いの方はいな
役所,港町診療所に配布及び広報区版,区役所ホー
く,陳旧性結核で要再検査となった方が数人いた。
ムページに掲載し周知している。また,過去に健診
総合結果としては,血液検査を実施していた平成
を受診した方には港町診療所から健診の案内を郵送
22年は,約半数の方が糖尿病,貧血,高血圧,肥
している。
満等による生活習慣病関連で要指導,要精密検査,
要治療の判定であった。血液検査がなくなった平成
23,24年度は,約3割の方が生活習慣病関連で要指
導等の判定を受けていた。
4 考察
(1)鶴見区の新結核登録患者数に占める外国人の
割合は,結核対策活動票数でみると,平成20年は
11.8%,平成23年は6.6%と減少はしているものの(横
浜市は5%前後で推移)
,平成23年は全国平均よりも
約2ポイント高く,横浜市として引き続き健診を実施
していく必要がある。
平成24年度のチラシ
(2)全国のデータでは,入国5年以内の外国籍新規
(3)健診受診者の状況
受診者数は,平成22年度284人,23年度は82人,
結核患者の割合は50 ~ 60%となっているが,本健診
24年度は103人と平成23年度から激減しているが,
の入国5年以内の受診者は35%前後であるため,入国
それは,血液検査を実施しなくなったことに起因す
時等入国後早期に健診を設定するシステムの検討が
ると考えている。
必要と考える。
受診者の国籍は,平成24年度はインド,中国,ペ
ルー,ブラジルで約7割を占めている。
(図2)
(3)鶴見区の在籍外国人約9,300人のうち受診者は
60人前後であること,また健診受診者のうち2 ~ 3割
在日期間は,10年以上が約半数を占め,入国5年
以下は3 ~ 4割になっている。
(図3)
は健診歴がなく,健康保険に加入していない現状か
ら,結核まん延国からの入国者についてはより一層
年齢は,乳幼児から高齢者まで幅広いが約8割が20
啓発等をしていく必要がある。
~ 50代で,平均年齢は35歳,男女比は半々である。
(4)健診については,民間に委託し多数の医療関係
受診者の居住地は,約7 ~ 8割が横浜市在住でうち
者,通訳ボランティアの協力により実施可能となっ
7割が鶴見区在住である。それ以外の方は,近隣市,
ており,民間の協力なくして行政だけの実施は難し
東京都,千葉県等関東近隣から来所している。
いと考える。
図2 健診受診者の国籍
人
人
50
図 3 健診受診者の在日期間
120
100
40
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
30
80
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
60
20
40
10
日本
その他
アルゼンチン
バングラ
デッシュ
ベトナム
韓国
ボリビア
フィリピン
ネパール
ミャンマー
タイ
ブラジル
ペルー
中国
インド
0
20
0
上
人 まれ
満
満 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 0年
以
本
未
未
2345678- 9-1 0 年
日 本生
1 年 -2 年
1
日
1
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13
第 10 回アジア太平洋タバコ対策会議
(APACT)
第 10 回アジア太平洋タバコ対策会議
大会長 島尾 忠男
定に全力を注ぎ,任期最後の2003年の世界保健総会
で,FCTCの全会一致での採択に成功する。40カ国
の批准後3カ月で発効するこの条約に日本は19番目
で批准し,条約は2005年2月27日に発効した。
その実行状況を知り,改善するために,第1回の
COP(Conferences of Partners)会議が2006年に開
催され,以後毎年,その後は2年毎に開催され,最近
の会議は第5回COPが昨年2012年に韓国で開催され
た。広告・宣伝活動の禁止,写真を利用する健康へ
開会式での島尾大会長挨拶
APACT の誕生
あらゆる面で,世界のたばこ対策は急速に著しく強
化されてきている。
アジア太平洋タバコ対策会議(APACT)は,1980
日本でも2010年に行ったかなり大幅なたばこ税を
年代後半にアジア諸国に対して猛烈な門戸開放と販
含む小売価格の値上げが,税収を確保しながらたば
売攻勢をかけてきた国際大手たばこ産業に対抗し
この消費を少なくする有力な手段であることが確認
て,アジア太平洋諸国のたばこ対策を推進する民間
され,今後さらなる大幅な値上げが期待されている
組織が協力していかに戦うかを協議するために設立
が,受動喫煙の防止策は日本が最も遅れている領域
された団体である。その中心となったのが台湾の財
である。
団法人菫氏基金会であった。第1回会議は菫氏基金会
たばこ対策の進んだ国の経験に学び,日本のたば
のTed Chen博士,Kwan Mo Chun女史らが中心と
こ対策の強化に役立てようと考えていたところに,
なり,基金会の会長David YEN(厳道)さんを会長
数年前からAPACT会議の日本開催の要請が強くな
にして,1989年6月にアジア各国から14人のたばこ
り,2010年にシドニーで開催された第9回APACT
対策関係者が集まり開催され,APACTを組織する
会議で日本開催が正式に決まり,筆者が大会長となっ
ことが決まり,その後会議はアジア各国を持ち回り
て第10回会議を日本で開催することになった。
で,開催されることになった。
今回の第 10 回会議開催までの経緯
第 10 回会議の受け入れ体制
会場は準備の都合上,正式に引き受ける以前から
日本はAPACT発足後間もない1993年に,心臓財
千葉の幕張メッセに内定してあったので,正式受諾
団事務総長の大和久泰太郎さんが会長,たばこボラ
後に千葉県,千葉市をはじめとする関係機関に支援
ンティアの仲野暢子さんが事務局長となって第3回会
をお願いした。
議を引き受け,大宮市(現在は合併してさいたま市)
14
の警告の掲載とその画面の拡大,受動喫煙防止など,
受ける組織としては,日本で古くからたばこ問題
で開催した。18カ国から320名が参加したこの会議
に取り組んでいる日本禁煙推進医師歯科医師連盟(大
は,
「こどもたちにたばこのない世界」をスローガン
島明会長をAPACT副会長に)
,その後組織された日
に開催され,作曲家で禁煙運動に協力していただい
本禁煙学会(作田学理事長をAPACTの副会長に)
,
ている中田喜直さんが指揮するこども達の澄み切っ
筆者が会長をしているたばこと健康問題NGO協議会
た声での合唱が印象的であった。
と,筆者の所属する結核予防会の4団体が今回の第10
この後,世界のたばこ対策は大きく進展する。中
回APACT会議を主催し,総務委員会(委員長は宮﨑
嶋宏さんの後を継いで1998年にWHOの事務局長に
恭一APACT事務局長)
,企画委員会,学術委員会な
就任したノルウェーの首相経験者で医師でもあるブ
どには,適任者がいれば主催団体以外の方にも加わっ
ルントランド博士は,たばこ対策枠組み条約
(FCTC,
ていただくことで準備を開始し,進行の中心となる
Framework Convention of Tobacco Control)の制
総務委員会はほぼ毎月,合計36回開催した。
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以前は運営に必要な経費の多くを,関連企業な
望が次期会長に出された。結核対策にたばこ対策をど
どからの寄付金に頼る方式の国際会議が多かった
のように組み入れるかという課題についてのWHO主
が,最近は登録料をそれなりの額に設定し,経費の
催のワークショップも付帯行事として行われた。
大半を自ら賄う方式が定着してきている。今回の
APACTもその原則に従い,早期登録料を5万円に設
結核予防会総裁のご臨席
定し,主催団体に幾分かの負担をお願いする方式を
当初は開会式にご臨席いただき,お言葉をいただ
とった。このような状況の中で,財政面でのご支援
くことをお願い申し上げていたが,開会式の時間が
をいただいた東京俱楽部,台湾の菫氏基金会,全国
宮中の公務と重なるということで,開会前夜の歓迎
禁煙推進協議会,千葉県,ちば国際コンベンション
レセプションと,第1日目午後の「結核と喫煙」と題す
ビューローには,深甚な謝意を表する。
るシンポジウムにご臨席いただけることとなった。
歓迎レセプションではAPACT執行理事会のメン
会議の内容
バーや全員集会での講演者,座長など外国からの賓
詳細は個別の筆者に譲るが,原則として午前中は
客を中心に40分ほどご歓談いただき,翌日のシンポ
全員集会として共通に関心の持てる課題を選び,午
ジウムでは,ご聴講後控え室で演者とご懇談いただ
後は4会場に分かれて各々 2課題についてのシンポジ
いた。妃殿下が直接に外国人の賓客と英語でご懇談
ウムを開催,その他にランチョンセミナーも開催す
いただいたお陰で,今回の大会の評価が一段と上がっ
ることとしたので,日中はかなり厳しいスケジュー
たものと思われる。
ルとなった。たばこ問題に関するほとんどの課題が
全員集会かシンポジウム,ランチョンセミナーのい
次回は中国青島で 2016 年に開催
ずれかで取り上げられたと思う。最近問題になって
閉会式で中国禁煙協会の黃会長にAPACTの次期
きた課題として結核と喫煙,また歯科領域でのたば
会長を引き継ぎ,黃会長からは皆様を青島に歓迎す
こ問題を取り上げた。
る旨挨拶があって,第10回会議を無事に終了するこ
付帯行事としてユースの会合を東京俱楽部の財政
とができた。宮﨑事務局長をはじめとする総務委員
的なご支援と坂元医師を中心とするグループの技術的
会,各種委員会の皆様方,ICSコンベンションデザイ
な支援があって,APACTの歴史の中で初めて開催す
ンの皆様方,本当にご苦労様でした。
ることができ,ユースからは次期以降の継続を願う要
FCTC の完全実施を求めて
-「結核と喫煙」の報告とともに-
第 10 回アジア太平洋タバコ対策会議
企画委員長 森亨
(結核研究所名誉所長)
FCTC 実施状況の調査から
FCTC の実施状況について報告することが会長から
APACT2013 の準備の段階で,講演やシンポジウ
提案され,これにより企画委員会として資料の収集
ムの企画立案のまとめ役(企画委員長)として,講演6
や小規模な調査を行った(原資料:http://www.who.
席(演者は都合18 人),シンポジウム 19 席の内容や演
int/fctc/reporting/party_reports/en/index.
者の決定や依頼などにあたった。会議の中心的なテー
html,WHOの許可を得て再分析)
。結果は事務局の
マが「WHOタバコ規制枠組条約(FCTC)の完全実施
ブースにポスター展示をし,資料配布を行ったが,
を求めて」だったので,これらの企画もこの FCTC
その中からまとめの表をここに日本語で紹介させて
の内容をもれなくカバーするように構成された。そ
いただく(九州看護福祉大学川俣教授の援助に深謝す
うした企画の一環として,日本を含めアジア各国の
る)
。
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15
煙,健康警告,禁煙治療,対策普及予算額,広告禁
表 FCTCの条文別にみた実施状況
(実施率
〈%〉
,
WHO2012 年報告から再構成)
条
内 容
世界
アジア
日本
5
タバコ対策の保護
54
74
83
評価する)をアジア諸国に適用してみた(未発表)とこ
6
価格・課税
46
55
67
ろ,日本は21点であった(作田学副会長計算)
。ちな
8
受動喫煙予防
83
68
0
9
タバコ製品の成分規制
45
44
25
みにJoossensらによるヨーロッパ諸国の例をみると
10
タバコ製品の成分開示
52
47
50
11
タバコ製品の包装・ラベル
67
70
82
国(72)
,フランス(56)
,オランダ(52)
,ずっと下っ
12
教育・情報伝達・訓練・啓発
70
82
92
13
広告・販売促進
44
50
50
て日本米国とならびかつては悪の枢軸国といわれた
14
タバコ依存の軽減
46
55
40
15
不法取引
55
49
92
16
未成年者による/未成年者への販売
68
74
64
17
タバコに替わる経済活動の提供
8
5
0
18
健康/環境の保護
21
23
100
19
責任
17
20
67
20
研究/情報
47
55
67
22
国際協力
19
37
0
(2005年調査)
,最高はアイルランド(74)
,次いで英
ドイツが36点,スペインが31点となっている。
この会議の成功をばねに日本の FCTC の誠実な実
施が進み,遅れが挽回されることを望みたい。
シンポジウム「結核と喫煙」から
19席のシンポジウムのうちテーマとしてとりあげ
られた病気は,口腔,心疾患,COPDと結核である。
[ 注 ] 各条文について数個の実施指標(チェックリスト)を設定し,この中で実施されてい
るものの個数の百分率で実施率を表す。「世界」「アジア」は加盟国の実施率
の平均値。
「結核と喫煙」の問題はともすれば,タバコの健康一
表は FCTC の主要な条文についてその実施状況
うやく結核特有の重大な問題があることが認識され
を世界(報告をした 126 の批准国),アジア(WHOの
るようになり,それへの独特の対応の技法も開発さ
南西アジア地域,西太平洋地域の 29 カ国)について
れている。このシンポジウムではこのような研究・
みたものである。全体的にみると世界とアジアの条
対策に関する議論が展開された。まずホンコンの結
文別の実施率はよく相関して全体の平均率も世界
核対策の現場で結核の疫学研究に立派な成果を上げ
46%,アジア 51% でアジアがやや優位にある。細か
ているLeung博士がタバコの結核への影響に関する
くみると第5条(喫煙対策の保護),第 12 条(教育,情
自身の研究成果を発表した。タバコは結核感染を起
報伝達)ではアジアが勝り,第 8 条(受動喫煙予防)で
きやすくし,感染後の発病のリスクを大きくし,発
は,世界が勝っている。日本の報告(厚労省による)
病後の結核の経過を悪化させ,また再発も起こしや
をみてみると,全体の実施率はアジアや世界と変わ
すい。ホンコンでは男性の結核の34%,女性では9%
りないが,内容的にはかなり特徴的である。第15条
がタバコのために過剰に発生している。さらに自分
(不法取引)
,第18 条(タバコ製品関係者の健康や環
は非喫煙者の女性で,夫が喫煙者の場合にはそうで
境の保護)
,第21 条(責任)などにおいて日本が世界
ない場合に比して結核を発病しやすい(受動喫煙)
。
やアジアに対して優位に立つが,第 8 条(受動喫煙予
このような疫学的な証拠に基づいて対策はどうある
防)
,第22条(国際協力)において,日本は実施率ゼ
べきか。WHO(本部非感染性疾患対策部 Fu 博士)
ロであり,明らかに遅れている。第 8 条については,
と国際結核肺疾患予防連合(インドネシア駐在タバコ
14個の指標(禁煙とすべき具体的な空間の種類)に対
対策専門官Bam博士)が,共同して開発した結核患
する国としての規制の有無をみたものであるが,国
者の,禁煙支援プログラムについて,それぞれの立
としての日本の回答はすべて No。このことは全体講
場から内容や成果について解説した。日本からは大
演(FCTCの現状 : ①先進国,②後発国)でも日本の厳
阪(大阪市保健所小向博士)
,全国(森)の結核患者の
しい現状として浮き彫りにされたとおりである。さ
喫煙習慣,発病後の禁煙実施の状況などについてそ
らにこの報告では日本が世界やアジアに比して進ん
れぞれの観察成績を発表した。結核患者は一般健常
でいるように評点されている「包装,ラベル」などに
者よりも喫煙する人が多く,タバコによる結核の過
おいても,画像やサイズを含めた具体的,強力な健
剰発生は男性では全患者の19%,女性では6%に達す
康警告において日本ははるかに遅れていることも上
る。また発病後なおも半数が喫煙を続けており,結
の全体講演で知らされたとおりである。
核患者支援の重要な課題となっていることが示され
般に対する悪影響の議論に埋没しがちだが,近年よ
なお,企画委員 会 で は, こ の FCTC 報 告 の再分
た。喫煙は糖尿病,HIV とならぶ三大結核リスクと
析と並行して,Joossens ら(Joossens L,Raw M:
して,日本でもさらに認識を深め,具体的な対策に
Tobacco Control 2006;15:247–253)が開発した「タ
取り組む必要があろう。
バコ対策スケール」(タバコ価格,公的空間での禁
16
止の6項目について評点し,総合結果を100点満点で
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史上最高の参加者を迎えて
第 10 回アジア太平洋タバコ対策会議
事務局長 宮﨑 恭一
(NPO法人日本禁煙学会理事・全国禁煙推進協議会事務局長)
2013年8月18日~ 21日に千葉県は幕張メッセ国際
との内輪の話で,タバコに関しては終始一貫して,確
会議場を借り切って開催されました,第10回アジア太
固たるご意見をお持ちで,たばこと健康問題NGO協
平洋タバコ対策会議(APACT Conference)が盛会の
議会の会長であり,健康日本21のたばこ分科会会長で
うちに終了いたしました。第1回(1989年6月)は台湾
もある島尾先生以外にはありえないということになり
で開催され,10カ国40名の参加でした。第2回(1991
ました。主催者団体として,日本禁煙推進医師歯科医
年8月)韓国ソウルで,16カ国180名。第3回(1993年6
師連盟にも加わっていただきました。
月)
が大宮で,
18カ国1,250名。第4回
(1995年11月)
が,
主催団体から多大なご寄付をいただき,資金の基盤
タイのチェンマイで,30カ国330名。第5回
(1998年11
ができました。しかし,2011.3.11の大津波の影響な
月)はフィリピンのスービックで,22カ国330名。第6
のか大口の寄付が集まらず,事務局としてはハラハラ
回(2001年10月)は香港,34カ国450名。第7回(2004
いたしました。幸い,内外42カ国から785名の登録が
年9月)
は再度韓国慶州で,39カ国410名。第8回
(2007
あり,目玉としていた,APACT Youthには80人以
年10月)は特別なお祝い(数字の8はおめでたい)
という
上の参加を見たのは感動でした。
ことで,台湾にもどり,40カ国580名が参加。第9回は
合計36回の総務委員会を経て,ICSコンベンション
初めてアジアから出て,オーストラリアのシドニーで
デザインの協力で,開会にこぎつけました。諸事情に
2010年10月に開催され,
41カ国700名が集まりました。
対応しておりましたら,自分のプレゼンの準備ができ
2009年にインドのムンバイで開催された「タバコか
ていないことに気が付き,
本当に焦りました。しかし,
健康か世界会議」に出席した際,APACTの理事会で
皆様のおかげで,なんとかAPACTの歴史,名誉会長
シドニーの次は日本ではどうかということになりまし
のデイビッド・エン博士を偲ぶことができました。初
た。実は2007年に,名誉事務局長のテッド・チェン
回から参加してきたタバコ問題エキスパートが10名以
先生から,日本が担当してもらえないかとの打診が
上会場で見受けられ,頼もしい思いをいたしました。
あったのですが,心の準備もなく,シドニーの立候補
厚労省,WHO,千葉県のご協力も得て,プレカン
に譲らざるを得ませんでした。2013年は日本でどうし
ファレンス,並行会議や市民公開講座など盛りだくさ
ても受けたいという気持ちが募り,応募したのです。
んになったことも大きな収穫でした。
日本禁煙学会の作田理事長が全面的にバックアップす
次回は中国の青島ですが,APACT Youthをはじ
るとの大きな支持があってのことでした。インドから
め若い世代が,タバコ産業という巨人と戦い続けてほ
帰国してすぐ,大会長は誰に引き受けていただこうか
しいと期待が膨らみます。
APACT こぼれ話
幕張メッセ国際会議場には,正面入口の他に,隣接するホテルから連絡通路を通じて,2階から入場で
きるようになっています。その2階入口横に大きな喫煙コーナーが設置されていましたが,ちば国際コ
ンベンションの方の取り計らいで,
APACT会期中,喫煙スペースは大
型パネルで覆い,中が見えない状態に
していただきました(写真)
。会期中の
国際会議場近辺は日本の最先端(!?)に
なっていました。
会期前
会期中
パネルですっぽり覆われた
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17
期待されるユースネットワーク
-第 1 回 APACT youth conference を終えて-
聖路加国際病院
一般内科医 坂元 晴香
2013年8月18日,APACT本 会 合 に 先 立 っ て,
最後に,ハワイ大学のNicole M.Sutton氏より総
初 め てAPACT youth conferenceが 開 催 さ れ た。
括として自身がハワイで主宰するREALで行われて
若者はタバコ対策の対象(未成年者喫煙)であり,か
いる,若者全体の趣向を凝らした禁煙活動が紹介さ
つタバコ対策の重要な担い手であるにも関わらず,
れた。若者がタバコ対策活動を行う意義について話
1989年からの歴史を有するAPACTの中で,これま
があり,今回のyouth conferenceへの参加者に対す
で若者自身が声を上げる場所は十分に用意されてこ
る温かい応援メッセージとなった。
なかった。このような状況を受け,タバコ対策に興
8月21日 のAPACT分 科 会(APACT Youth for
味関心を有する若者が一堂に会し,若者自身がタバ
the future demand)にて参加者代表より今回の会
コ対策を考えることを目的として,第1回APACT
合成果に関する発表が行われた。また,次回2016年
youth conferenceが開催された。
APACT(中国)にて第2回youth conferenceを開催
当日は海外からの参加者26名を含む総勢80名が参
すること,及び2016に向けてアジア太平洋地域内で
加した。プログラムはまず前半にタバコ対策の潮流
のユースネットワークの構築及び活動の推進が表明
について広く学ぶことを目的とし,後半は各参加者
され,APACT最終日の修了式では次期開催国であ
のこれまでの活動の共有や,前半で学んだことを踏
る中国事務局に対して同主旨の書簡が手渡された。
まえ若者に何ができるかを考えることを目的として
これまでタバコ対策に関連する若者の国際的な
構成した。会議前半の基調講演では,World Health
ネットワークはなく,今回初めてyouth conference
Organization(WHO;世界保健機関)タバコ対策
を開催できたことの意義は大きい。また,日本でこ
部 長 のDr Douglas W. Bettcher氏 よ り,FCTC
のような規模の国際会議が開催され,かつ若者にも
(Framework Convention on Tobacco Control ;タ
参加門戸が開かれているものは非常に少ないため,
バコ対策枠組み条約)の批准状況を中心とした世界各
日本国内の若者にとって英語での議論など国際学会
国のタバコ対策の状況と,特に若者への影響の大き
を経験する良い経験にもなったと思われる。今回の
いタバコ広告対策の必要性と課題が述べられた。次
第1回APACT youth conferenceを契機として設立
いで,国立がん研究センターの望月友美子先生(がん
されたユースネットワークが,2016年の中国に向け
対策情報センターたばこ政策研究部長)から,日本の
て着実に進歩を遂げるよう,今後の取り組みに期待
タバコ対策の変遷と,行政,学術,NGO等セクター
したい。
を超えたネットワークの構築や恊働により禁煙を勧め
て行く必要性が実例を交えて説明された。ランチオン
セッションでは高岩寺住職の来馬明規先生より,住職
兼医師の立場から高岩寺での地域社会に根ざした禁
煙推進活動を動画や歌を交えてお話いただいた。
プログラム後半では参加者がブース展示で活動紹
介を行い(15団体)
,参加者間で積極的な情報や意見
交換を行った。次いでWorld Café(小グループに分
かれて,与えられたテーマについて自由に意見交換
を行うもの)では,自国でのタバコ対策の現状と課題
を分析し,その解決策,とりわけ若者ができる対策に
ついて議論が行われた。
18
11 / 2013 複十字 No.353
タバコ対策に興味関心を有する参加者たち(前列左より2 人目筆者)
アジア太平洋タバコ対策会議サイドイベント
-結核対策にタバコ対策を盛り込むための
活動計画策定ワークショップ
結核予防会
岡田 耕輔
国際部長 煙は結核感染の増大,治療への反応性の低下,再発率・
結核死亡率の増加に有意に影響するほか,喫煙者の
結核発病の相対危険度は2.6倍,寄与危険度は23%に
及ぶと推定されている。また,結核の治療中に禁煙
指導を実施することにより,治療脱落率,失敗率が
WHO 西太平洋地域(カンボジア)
・東南アジア地域(ネパール)
からのタバコ対策担当者を囲んで(右端筆者)
有意に減少する結果も示されている。
WS最終日には,NTP代表とタバコ対策代表が協
働して,
「結核患者に禁煙指導を導入するための活動
計画」を策定することができた。例えば,カンボジア
APACTアジア太平洋タバコ対策会議のサイドイ
では,コンポンチャム州の30のヘルスセンターにお
ベントとして,
「結核対策にタバコ対策を盛り込むた
いて,9月末までに結核担当スタッフにタバコ対策の
めの活動計画策定ワークショップ(以下WS)
」が8月
研修を実施し,10月から12月の3カ月間で約50名の
18日~ 20日の日程で開催された。厚生労働省が世界
「喫煙」結核患者に喫煙指導を実施し,3月末までにど
保健機関WHOに資金援助をして実施に至ったもの
のくらいの禁煙実施率が達成できるかを試行する計
で,結核予防会,および国立がん研究センターがそ
画が立てられた。実施に必要な予算は厚生労働省か
の運営をお手伝いした。WSのファシリテーターを務
らの支援に含まれているので,今回のWSで策定され
めたWHO医務官のフー医師によれば,
「これまでタ
た計画が実行できる条件は整えられている。ネパー
バコ対策に関する研修は数多く開催されてきたが,
ルも同様な計画を立案し,実施することとなった。
結核対策の中に具体的なタバコ対策に取り組むため
今回のWSに参加できなかったフィリピン,スリラン
のWSが開催されたのは,今回が初めてである」との
カはフー医師と個別に相談しながら国の状況に即し
ことであった。
た活動計画を立て,それを実施していくとのことで
当初の計画では,WHOの西太平洋地域WPR,お
あった。
よび東南アジア地域SEARから4カ国が参加する予
結核と診断される患者は全体の人口から見ればほ
定であったが,諸般の事情によりWPRからカンボジ
んの一部にすぎないが,禁煙に成功すればその効果
ア,SEARからはネパールの2カ国が参加したにとど
は患者本人はもとより,受動喫煙から逃れることが
まった。WSにはそれぞれの国から2名(国家結核対
できるその家族にも裨益し,ひいては,近隣住民や
策NTPとタバコ対策から各1名ずつ)が参加し,自国
患者の親せきなどにも波及することが期待できる。
の結核対策の中にタバコ対策をどう盛り込むかが話
さらには,結核対策全体から見れば,先に述べたよ
し合われた。WSの目標は,
「結核治療中の患者に禁
うな結核疫学や患者の治療成功率への影響もあるだ
煙指導を実施するための小規模なオペレーショナル
けでなく,結核対策がタバコ対策といった非感染性
リサーチの活動計画を策定すること」である。最初の
疾患対策にも貢献できることを意味している。
2日間は,WHOが策定したタバコ対策パッケージを
浅学非才の身である私は,今回のWSからタバコと
用いて,タバコが結核疫学に及ぼす影響,結核対策
結核について多くを学ぶとともに,結核対策を別の
におけるタバコ対策の重要性,タバコ対策を導入す
視点から見直すことができた。この機会を与えてい
るために利用できる社会資源やその阻害要因などに
ただいた島尾大会長にこの場をお借りしてお礼を申
ついて活発な議論が行われた。WHOとIUATLD(国
し上げたい。
際結核肺疾患予防連合)がまとめた資料によれば,喫
11 / 2013 複十字 No.353
19
千葉県・APACT(アジア太平洋タバコ対策会議)共催
市民公開講座
「あなたの疑問に答えますPM2.5とタバコの害」
8月21日
(水)
午後2時30分から,
幕張メッセ国際会議室において一般の方向けの講座を開催いたしました。
当日は,
110名の参加を得て,肺年齢測定体験会にも48名の方にお越しいただきました。
最初に千葉県健康福祉部保健医療担当部長の鈴木健彦氏より主催者挨拶があり,続いて後援をいただいた厚生労
働省からがん対策・健康増進課たばこ対策専門官の野田博之先生にお話しいただきました。
続いて,
「測ってみてわかったPM2.5 とタバコの害」と題して産業医科大学教授の大和浩先生より,たばこの煙の
ゆくえを特殊カメラでとらえた動画や中国の大気汚染の写真を交えながら,受動喫煙の防止には,完全な禁煙空間
でなければならないことをわかりやすく解説いただきました。また,中央内科クリニック院長の村松弘康先生から
は,
「喫煙・受動喫煙の有害性が理解されないのはなぜか」につい
て特別発言をいただきました。受動喫煙の問題は,周りの非喫煙
者だけでなく喫煙者本人にも及んでいることや「たばこでは死な
ない」
といったセンセーショナルなうたい文句で,さまざまなタバ
コ産業の宣伝がマスコミで取り上げられる事情について教えてい
ただきました。
終了後のアンケートでは,改めて受動喫煙の有害性を理解し,
知っていたつもりだったタバコの害を再確認した,などのコメン
トがあり,お手伝いしたスタッフもうれしくなるメッセージが寄
会場からの質問に答える大和先生と村松先生
せられました。 (文責:編集部)
APACT2013 を終えて
田村憲久厚生労働大臣へ要請
9月13日(金)午後2時15分から,厚生労働省大臣室において,
アジア太平洋タバコ対策会議(APACT2013)で政府向けの宣
言書を日本語訳にしたものを持参し,本会議でシンポジストを
務めてくださった武見敬三参議院議員を筆頭に,島尾忠男先生
(APACT会長,結核予防会顧問)と内田健夫先生(APACT総務
委員,結核予防会評議員)
とで田村大臣に要請しました。
2020年のオリンピックでは,開催地として東京が決定し,い
よいよ受動喫煙
の 対 策 や, 健 康
都市の課題を進
笑顔も混じる歓談風景
めていく契機となりますので,さらなる対策の推進を強くお願い
いたしました。
田村大臣も,島尾先生の話されることに頷かれ,勉強になりま
したと言ってくださいました。
これからのタバコ対策行政の進展を実感できる,とてもよい機
会となりました。宣言文の英語と日本語版は,HP(http://www.
右から武見議員,田村大臣,島尾会長,内田先生
(大臣室にて)
20
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apact.jp/conference_statements.html) に 掲 載 さ れ て お り ま
す。ぜひご覧ください。 (文責:編集部)
ずいひつ
卵を立てる話
あなたは何も手を加えていない鶏の卵を,平らな
ガラスの上に立てることはできると思いますか。
元東京工業大学教授
前橋工科大学教授
清水 優史
コロンブスの卵立ての逸話以降,卵は加工しない
では立てられないと思われているようですね。しか
し実際は,多くの卵は立てられるのです。あなたも,
一度試してみませんか。卵立てはびっくりするほど
多くの事を教えてくれ,気づかせてくれます。
私は,機械工学専攻の教師で,35年以上にわたり
らかになっています。
1,立つ卵と立たない卵があり,卵立て上手な人と
下手な人がいる。
2,殻の表面に凹凸のあるものは立ちやすく,凹凸
のないものは非常に立てにくい。卵によって
大学で研究をしてきました。私が卵立てを好きになっ
は,逆立ちも可能である。
たのは今から30年程前のことです。お酒の席で友人
3,茹でても立つものは立つ。
が,卵立ては実に面白いという話をしてくれました。
4,3点倒立の原理を満たすと立つ。即ち,卵の重
翌朝さっそく12個の卵を買ってきて,食卓の上で立
心から床に下した垂直線を囲む,3つ以上の殻
ててみました。しかし,慣れていないせいか中々立
と床の接触点があると立つ。
ちません。とっかえひっかえ,20分近くやっていた
いまだ明らかになっていない事柄は,卵の重心が
ら,突然手を放しても卵は立っていました。この時
生まれた時から日を追ってどの程度移動するのか,
の感激はとても大きく,やったーと叫びたいほどで
重心は茹でると変化するのか,殻の変形はどの程度
した。卵立ては成功したとき非常に大きな満足感を
あるのか,などです。
与えてくれる,というのが最初の大きな教訓でした。
立て上手と下手の差は何かもまだ明らかになって
これは教育の場で使えると思い,翌年あるライオ
いません。一つ分かってきたのは,立てる人の姿勢
ンズクラブに招かれたとき試してみました。スーパー
が悪いと,難しい卵は立たないということです。
で12個の卵を買い,早めに会場に行き,全ての卵を
卵立て実験の欠点は卵の購入です。一つの卵で何
ためし,一番立ち易い卵をポケットに入れ,講演会
週間ぐらい同じ条件で実験できるのか知ろうとした
場に入りました。講演の主題は自由な発想の大切さ
ことが有ります。ひと月ぐらいは賞味期限があると
でした。自由な発想がうまくいった例を幾つか話し,
いうことだったので,冷蔵庫に入れ,実験しました。
皆さんは卵は立たないと思っているかもしれません
ひと月ではあまり大きな変化はありませんでした。
が卵は立つんですよ,と言いながら用意した卵をポ
立てる人の体調変化により結果は変わるので,はっ
ケットから取り出し,木製のテーブルの上に立てよ
きりしたことは言えずにいます。ただはっきりして
うとしました。しかし,先ほどは簡単に立った卵が,
いるのは,卵を1年くらい冷蔵庫に入れておくと,非
一向に立ってくれないのです。5分経ち,10分経ち,
常に軽くなり,振るとカラカラ音がします。水分が
15分に近づいたとき,司会者が,
「すごい集中力です
殻から出てしまっているようです。
ね」と,ちゃちゃを入れてくれたので,さっきは立っ
4年ほど前,タイのアジア工科大学にひと月ほど講
たのだが,ちょっと立たなくなったと言い訳し,次
義に行ったとき,卵立てを8カ国26名の学生さんに
の話題に移らせてもらいました。立ちやすい卵がい
体験してもらいました。そこでわかったことは,タ
つでも立ちやすいわけではない,もっと卵立ての本
イの卵はタイへん立てやすいということ,卵が立っ
質を理解しないと,自由な発想はできない,これが2
た時の感激度は国籍に寄らないことです。滞在を終
番目の教訓でした。
え,帰国するとき,学生たちがお金を出し合い,象
この恥ずかしい事件以降,卵立ての本質を明らか
にするため色々実験をし,現時点で以下の事柄が明
の模様のネクタイをプレゼントしてくれたことがと
ても嬉しかったです。
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21
小児結核死亡ゼロを目指す活動を開始
公益財団法人結核予防会
顧問 WHO小児結核死亡ゼロを目指す運動の開始を宣言
が多い。思春期児になると,大人と同様な痰の塗抹
10月1日付けで,WHOは小児の結核死亡をなく
検査で陽性の,感染性の強い肺結核になる恐れがあ
す運動の開始を宣言した。共同してこの運動を展開
る。小児結核になる子供たちは,貧困な恵まれない
するのは,UNICEF(ユニセフ,国連児童基金)
,
地域に住んでいて,受診の機会に恵まれない子が多
IUATLD(国際結核肺疾患予防連合)
,STP(ストッ
い。結核に罹患している母親から生まれた子供は,
プ結核パートナーシップ)
,USAID(米国開発支援
結核に感染する恐れが多く,HIVに感染している母
庁)
,
CDC
(米国疾病管理センター)
,
TAG
(Treatment
子では特に危険が大きい。
Action Group, エイズ対策の改善を目指すシンクタ
目標達成までの事業の進め方
ンク)
の諸団体である。
直近の目標としては,2015年までに,①小児結核
毎年1億2千万ドルの予算を確保し,事業を展開す
対策を重点施策として,接触者検診や潜在性結核感
ることによって,現状では毎年50万人の子供が結核
染者に対する抗結核薬の投与を強化し,小児結核の
になり,7万4千人もの小児の命が結核のために失わ
発見と対応を進め,②世界や国のレベルで小児結核
れている状態を改善し,小児の結核死亡をゼロにす
を重視し,③保健衛生業務従事者への研修を強化し,
ることができるので,これを目標に活動を開始する
小児結核に対応できる能力を備えるようにし,④母
と宣言した。
親の結核の発見,治療,予防のために結核とエイズ
小児結核の70-80%は肺結核で,残りは肺以外の
の検査を妊娠中に行い,⑤小児結核用の新しい診断
臓器の結核であり,最近の推計では両親が結核で亡
手技,治療薬,ワクチンについての研究の必要性に
くなったために孤児になってしまった子供が毎年1
ついて啓発活動を行い,⑥小児結核のデータの報告
千万人以上発生している。
と登録制度を整備する。
全世界での小児結核対策予算としては少なくとも
中期目標としては,2020年までに,①小児結核の
年間8千万ドル,それに結核菌とHIVの双方に感染し
予防,発見,診断と治療を行う体制を改善し,②小
ている子供に対する抗エイズ薬とST合剤のために別
児結核と妊婦の結核に対する総合的な対策をヘルス
に4千万ドル,合わせて1億2千万ドルが必要であり,
システムの中に構築し,③新しい診断技術や新薬の
さらに小児結核を予防し,診断し,治療する新しい
開発研究に小児結核も対象に加え,④小児結核用の
技術の開発を完成させるためには,別に年間4千万ド
診断技術や新薬を開発する。
ルの予算が必要と推定されている。
小児の結核の特色 : 大人の結核との違い
22
島尾 忠男
長期目標としては,2025年までに,①潜在性結核
感染小児から発病する者を予測できる検査法を開発
感染性結核患者がいる環境に住んでいる子供は,
し,②治療の要否を正確に判断できる検査法を開発
たとえBCG接種をしていても,結核になる恐れがあ
し,③より短期の,小児が服用しやすい発病予防用
る。小児の結核は大人のような持続する咳などの典
及び治療用の薬剤の開発,④小児と成人双方に有効
型的な症状がなく,痰を採取することも難しいので,
な感染及び発病予防用ワクチンの開発を挙げている。
受診しても見逃される場合が少なくない。免疫が弱
改善が必要な主な問題点
い子供,特に生まれたての乳児や,HIVに感染して
小児結核は症状が不定で診断も困難なために,見
いる子供,栄養不良の子供は,感染すると発病し,
落とされているケースがまま見られ,本当の現状の把
死亡する危険も高い。乳幼児では,結核性髄膜炎や
握が困難である。現状では保健省の事業計画や予算
粟粒結核など致命率の高い播種性の結核になる恐れ
の中に小児結核対策が含まれているケースはほとん
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ど見られていない。結核患者のいる家庭の小児に対
る面の恩恵を受けることが出来,対策がうまく行わ
する系統的な患者発見活動も行われていない。5歳未
れた場合には,結核の蔓延状況は成人よりかなり早
満児に対するイソニアジドの投与もあまり行われてい
く改善される。成人の結核死亡数が1万人を切ったの
ない。小児結核を診断する有力な診断法は開発され
は1976年であったが,小児の場合には当初1万人を
ておらず,治療のための子供がのみやすい決まった量
超えていた結核死亡が1000人を切ったのが1959年,
の薬剤も製造されていない。今使われているワクチン
1969年には100人を切っている。
(BCG)は結核性髄膜炎,粟粒結核など最も重い型の
図に示したのは,1975年以降の小児の結核死亡数と
結核から乳幼児を守る力はもっているが,感染は防げ
最近新たに結核として届け出られた小児結核患者数の
ない。保健医療従事者の小児結核の診断や治療を行
推移である。新しい小児結核患者は,発生が減少する
う能力は十分ではない。結核対策従事者と母子衛生従
傾向が続いており,最近の小児結核患者数は年間100
事者間の協力の緊密化が望まれる。地域住民の小児
名を切っている。小児の結核死亡数も急速に減少して
結核問題についての知識や啓発活動も不十分である。
おり,1980年に10を切り,1994年に初めて0となり,
目標到達のための10の手段
2001年以降は2004年に1名の結核死亡があった以外
次の10の手段が目標実現のために行われることに
なっている。
はゼロを続けており,日本は小児結核死亡ゼロについ
ては,ほぼ目標に到達した状態であるといえる。
日本では,新生児のほとんど総てにBCG接種が行
①結核の研究,対策の樹立,臨床的な対応などを
考える際に,小児の問題も必ず含める。
②予防に関するデータを含めて,よりよいデータ
を収集し,分析する。
③保健衛生従事者に対してよりよい研修法と教材
を開発する。
④地域で働ける専門家,リーダーを養成する。
われ,成人に結核が発生した際の小児を含む接触者
の検診もかなり的確に行われ,感染が疑われる小児
には発病防止のための抗結核薬の使用が適切に行わ
れてきたことによる成果であり,こうすれば現在使
える手段だけでも,小児結核による死亡をゼロに出
来るというモデルを示しているといえる。
しかし,日本でも小児結核を診療できる専門医は
⑤手遅れにならないように,適切な時期に介入する。
⑥関係者を巻き込む。
減ってきており,専門医と共に専門施設の確保がこ
⑦家庭や地域中心の総合的な対策を開発する。
れからの重要な課題である。
もしこれに,小児結核をより的確に,しかも簡単
⑧研究と現場のギャップに注目する。
⑨小児結核対策のための予算を確保する。
に診断できる方法が開発され,よりのみやすい有効
⑩新しい診断や治療に用いる技術を改善するため
な薬が開発されれば,途上国でも小児結核死亡ゼロ
の共同体制を確立する。
はより現実性を持ってくる。
全世界で小児の結核死亡ゼロという目標は我々の
日本は,対策従事者の研修と,現地でのモデル活
手の届く範囲にあるが,この実現のためには,啓発
動の支援,新しい技術や薬剤の開発などの面で,世
活動の継続,公約の強化,財源の確保と増加が必要
界の小児結核死亡ゼロ運動に貢献できるであろう。
であり,小児の保健医療担当者と結核対策関係者の
総ての人々が力を合わせて努力せねばならない。こ
の小児結核ゼロへの指針では,小児結核に対応する
主要な行動と財源の確保が緊急に必要であることが
示されている。
日本はどうだろうか
日本の小児結核はどのような状況になっているだ
ろうか。戦後まもなくの1950年には,結核でなくな
図 最近の小児結核新登録患者数と死亡数の推移
(結核死亡数)
220
40
35
30
25
200
195
33
155
28
26
127
150
117 117
117
20
95
17
る方は全体で10万人を超え,小児でも1万人以上の
15
結核死亡が見られており,現在の開発途上国と同じ
10
ような状況であった。ただ,小児は生まれた時には
5
結核には感染していないので,感染防止から,発病
0
1975 1980
防止,患者の発見から治療という結核対策のあらゆ
(新登録患者数)
45
89
92
14
84
70
8 8
6 7
100
50
7
4
3 3
1985
4
4
1
1
1990
1
2
0 1
3
1995
2
1 1
2
0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
2000
0-14 死亡数
2005
0
2010(年)
0-14 新患者数
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23
結核予防会が行う国際協力
ミャンマーでの患者発見システムについて
-主要感染症対策プロジェクトフェローズ 2(結核)-
結核予防会国際部業務課
主任 Ⅰ. 背景
西山 裕之
れた全国結核有病率調査では,WHOの推定より2倍
主 要 感 染 症 対 策 プ ロ ジ ェ ク ト フ ェ ー ズ2( 以 下
JICAプロジェクト)は3年間のプロジェクトで,本年
9月に半分を経過しましたので中間報告をしたいと思
います。当JICAプロジェクトはミャンマーの結核対
策の他に,エイズ,マラリア対策を支援対象とし,
2005年から始まった“主要感染症対策プロジェクト
フェーズ1”および2010年からの“主要感染症対策プ
ロジェクトフェーズ1延長”を前身に,協力を深めな
がら2012年3月から開始となっています。
ミャンマーは人口約6,400万人,面積は日本の1.8
倍で,後開発途上国(いわゆる最貧国)の1つとして挙
げられており,1人あたりGDP は約835ドルです(日
本の1人あたりGDPは約47,000ドル)
。1988年以
1 ,2, 3 )
降社会主義政権が崩壊し国軍によって政権が掌握さ
れていましたが,2010年に総選挙を実施し,民政移
管され現在に至っています。
ミ ャ ン マ ー 国 家 結 核 対 策 プ ロ グ ラ ム(National
TB programme: NTP)は,1997年から一部地域に
DOTS戦略を取り入れ,2003年までに全国カバーに
至っていますが,いまだ22の結核高負担国の1つで
す 4 )。またミャンマー保健省は,結核をマラリア,
HIVに次ぐ重要な感染症としており,毎年約14万3
千人の結核患者(そのうち約4万2千人が新規塗抹陽
性患者)の報告がなされています 5 )。2009年に実施さ
以上多い結核患者(15歳以上の塗抹陽性患者:242人対
人口10万人,
15歳以上の塗抹および培養陽性患者:612
人対人口10万人)が存在していることが予測されたた
め,より一層の患者発見の強化対策(とそれに引き続
く患者治療)
が必要とされています
(写真1)
。
左記の患者発見の強化対策に加え,この国の重要
課題は,多剤耐性結核対策およびTB/HIV対策となっ
ていますが,JICAプロジェクトはミャンマー政府の
要請を受け,結核対策の根本と言うべき患者発見の
強化対策を中心に協力を行っています。JICAプロ
ジェクトは政府開発援助の中でも二国間援助による
技術協力のため,多額の資金協力は行わないものの,
この国の結核対策のために準備された資金は,対策
の立案・実施・評価と正しく結び付いてはじめて効
果を発揮するという理解の下,近年流入しはじめた
世界基金などの莫大な資金に対して,NTPが,有効
かつ効果的にそれらを使用できるように,技術協力
を行っています。具体的には,NTPによる全国展開
を視野に入れた,患者発見の強化対策システムの開
発協力です。患者発見の強化対策のシステム作りを,
いくつかの場所でモデルとして構築し,それらを通
じて培った経験や成果を,NTPが自己資金もしくは
外部資金を用いて全国に展開する際に役立ててもら
うという手法をとっています。
この国の最小の保健単位はタウンシップと呼ばれる
人口15万人前後の行政単位で,全国で約320カ所あ
ります。それぞれのタウンシップにはタウンシップ病
院と呼ばれる公衆衛生と臨床を包括する施設がありま
す。Township Medical Officerと呼ばれる医師が2つ
の分野を統括しており,結核対策活動に関連する機器
としては光学顕微鏡が1台あり,また胸部X線機器1
セットがあったりなかったりです。NTPは結核に特化
した専門家集団として,全国の結核対策について技術
的指導を行いますが,JICAプロジェクトはそのNTP
写真 1 結核患者へのDOT(直接監視下治療)の様子
24
11 / 2013 複十字 No.353
に技術的協力をする立場にあります。
ミャンマー国民は大変に勉強熱心で,他人への思
入りのレインコート等を渡しました。活動開始後は
いやりや奉仕の精神は日本人も見習うべきところが
定期的にコミュニティでの巡回指導(ボランティアへ
ありますが,これまで経済制裁を含めた経済的困難
のインタビューと活動状況の情報収集)
,またボラ
等があり,結核対策は日本と比べるとまだまだ発展
ンティア及び関係者をタウンシップ病院に集めての
途上です。最近ようやく多剤耐性結核やHIVの診断
ワークショップ(活動結果のフィードバックと問題点
機器や治療薬が出回るようになってきた状況で,胸
の協議)の実施支援をしています。全国展開を考慮し
部X線機器については,暗室でフィルムを手差しで
た費用のかからないシステム開発のため,活動開始
現像液につけている施設が中心です。また最近まで
当初は,結核疑い患者をボランティアがタウンシッ
単眼の顕微鏡を使用している検査室もありました。
プ病院に送るためのバイクのガソリン代さえもボラ
道路事情は悪く,5月から9月にかけての雨季は,舗
ンティアにお願いするということで実施していまし
装されていない道路がぬかるんだり冠水したりで使
たが,やがて,ボランティアからの直接の不満の表
用不可となり,雨の中を屋根なしのボートで移動し
明はないものの,外国人である我々さえも,彼らが
たりもしたこともありました。
納得いかない様子を肌で感じるようになり,実費分
Ⅱ. JICA プロジェクトの活動 :
3 つの患者発見の強化対策システム開発協力
の移動費用はプロジェクトより支払うことにしまし
た。また現状のスタッフのみではボランティアの管
理,及びデータの管理が困難であることがわかり,
当稿ではJICAプロジェクトが実施協力している患
ボランティアや結核患者の情報収集のためのスタッ
者発見の強化対策システム開発を中心に述べたいと
フを1人雇用しました。支出は増えるものの,ミャ
思います。活動は3つあり,以下のとおりです。
ンマーのコミュニティ DOTSシステム開発の決め手
1)
コミュニティ DOTSによる結核疑い患者紹介活動
は何なのか,現場を何度も訪問し,集まった情報は
2)
民間薬局からの結核疑い患者紹介活動
膨大になり,分析はするものの,発見がなく,先が
3)ステーション病院の有効利用による結核患者発
見えずに途方にくれるような毎日を過ごしました。
見活動
1. コミュニティDOTS による結核疑い患者紹介
活動 : ボランティアによる患者発見活動シス
テムの標準化
ある日のワークショップで,若い女性ボランティア
の1人が,
「経済的に余裕のある結核患者は私の事
を信用してくれない」と,参加者の前で突然泣き出
しました。この事態を深刻にとらえ,タウンシップ
病院,NTPのスタッフと協議を行い,日本でいう
この国の制度や文化に最も適した形でコミュニ
ところの区長のような役割の人材がボランティアを
ティ DOTSのシステムを構築しています。NTPから
支援する,という形で活動に参加してもらえないだ
の「一層の患者発見(とそれに引き続く患者治療)の向
ろうか,という提案がなされました。区長はコミュ
上のために,ミャンマー版コミュニティ DOTSシス
ニティのまとめ役として機能しており,彼らからの
テムを開発して欲しい。システムの全国展開を最終
信任は,ボランティアがコミュニティで正しく機能
目標とするため,できる限り費用のかからない方法
できると考えたためです。区長は保健部門の管轄で
でやって欲しい」との依頼により,最大都市ヤンゴン
はないため,タウンシップの保健部門の長であるタ
の北500㎞離れた首都ネピトー近郊のPyinmana タ
ウンシップ病院から,区長を管轄している同レベル
ウンシップ(人口約15万人)をモデルタウンシップと
の部署に対し文書を発出し,各コミュニティの区長
して選択し,29人のボランティアと共に2年前より活
がボランティアを支える仕組みを,保健部門がボラ
動を開始しています。
ンティアを支えるシステムと並行して構築しました
ミャンマー側からはボランティア本人や家族が病
(図1)
。区長によるボランティアへのrecognition,
気になった際に,タウンシップ病院で無料で診療を
appreciation, acknowledgementが,住民からも同
受けられることを条件とし,またJICAプロジェク
様にボランティアへ生ずるとの考えです。このアイ
ト側からは,ボランティアへの研修支援を行い,活
デアを契機として,これまで集積していた情報も一
動レポート,またコミュニティで配布する結核の啓
気にシステム開発に供され,この国に最も適した形
蒙活動のためのパンフレットやストップ結核のロゴ
でのコミュニティ DOTSシステムが出来上がりまし
11 / 2013 複十字 No.353
25
た。今年の2月には,コミュニティ DOTSを実施し
台帳とタウンシップ病院への紹介状を渡し,また店
ている組織を全国から集め,JICAプロジェクトの
内掲示用の『咳が2週間継続した時,結核の検査及び
システムに倣うようガイドライン作成を前提とした
治療は無料で行います』のサインボードを作成しまし
会議を実施しました。その結果を受け5月にガイド
た。さらに,このタウンシップ病院には胸部X線機
ラインの最終化会議を行い,8月に最終版が出来上
器がないため,塗抹検査が陰性でさらに塗抹陰性結
がり,第一版のガイドラインが全国に向けて出版さ
核を疑う場合は,近くのNTP管轄下の結核センター
れます。この結果,これまでいくつかの組織によっ
に胸部X線検査の紹介受診をするための交通費(100
てコミュニティ DOTSは散発的に実施されていまし
円)を支給するようにしました。また各民間薬局の活
たが,JICAプロジェクトの活動経験に沿った形で
動の情報収集のためのスタッフを2人雇用しました。
標準化されたコミュニティ DOTSシステムが全国に
活動開始後は四半期毎に民間薬局への巡回訪問と,
広がっていきます。またこの活動については2012年
民間薬局のスタッフ及び関係者をタウンシップ病院
の国際結核肺疾患予防連合世界会議(International
に集めたワークショップを実施しています。過去1年
Union Against Tuberculosis and Lung Disease:
間の成果は,386人の結核疑い患者が民間薬局から紹
IUATLD)
において活動成果発表を行いました。
介され,そのうち実際にタウンシップ病院を受診し
図1 構築されたコミュニティDOTSシステムの概略図
コミュニティ
れ,
塗抹陽性患者は38人
(14.6%)
でした
(図2)
。また,
シップ全体への貢献割合は疑い患者数で24.3%,全結
核患者
(all forms)
で11.0%,塗抹陽性患者で17.4%で
教育・紹介・DOTS
協力・承認
技術的支援
タウンシップ病院,
NTP および
JICAプロジェクト
人(26.2%)が何らかの形で結核(all forms)と診断さ
民間薬局からの結核疑い患者紹介活動によるタウン
結核患者
ボランティア
たのは260人(到着率67.4%)でした。またそのうち68
要請
区長
した(図3)
。またHlaingタウンシップ全体としても
活動はadditionalで改善しており,活動開始前は500
要請
人前後の結核疑い患者を検査し,そのうち120人程度
一般行政組織
核疑い患者を検査し,そのうち,187人が塗抹陽性患
が塗抹陽性患者でしたが,活動開始1年で885人の結
者と診断されています。この活動については2013年
11月のIUATLDで成果発表を行います。また2013
2. 民間薬局からの結核疑い患者紹介活動 :
都市型患者発見システム
2009年の全国結核有病率調査と共に行われた結核
患者の受療行動調査から,この国の結核患者の一部
年度からはさらに4つのモデルタウンシップに活動を
拡げ,成果の再現性の確認を行っています。さらに
NTPから直接JICAプロジェクトにガイドライン作
成の依頼があり,NTPとの協議の後,第1回目のド
ラフトが完成しました。
はまず民間薬局を受診することが判明しました。そ
のため民間薬局を受診する結核患者を,正しく診断
および治療に導入することを目的に,コミュニティ
人
400
図 2 民間薬局による結核疑い患者紹介活動の成果
2012 年 7 月~ 2013 年 6 月
386
DOTSと同様,システム開発支援を実施しています。
ミャンマーでは民間薬局のある地域は都市もしくは
300
都市近郊がほとんどで,農村には数件しかないため,
都市型の患者発見システムになります。JICAプロ
260
病院を受診した
紹介者の
26.2%を占める
病院を受診した
紹介者の
14.6%を占める
200
ジェクトは民間薬局の数がヤンゴン近郊で最も多い
Hlaingタウンシップ(人口約12万人)をモデルタウン
100
シップとしてすすめられ,2012年7月より活動を開
始しました。約120カ所ある民間薬局から99カ所に
研修を施し,また民間薬局には紹介患者を記録する
26
11 / 2013 複十字 No.353
68
38
0
薬局からの
実際に病院を
全結核患者 塗抹陽性結核患者
疑い患者紹介数 受診した紹介者 (all forms) (新規および既治療)
図3 民間薬局による結核疑い患者紹介活動のタウンシップへの貢献割合
2012 年 7 月~ 2013 年 6 月
人
1000
Ⅲ . 終わりに
私は2010年からミャンマーに派遣されて今年で4
年目になりますが,この間に政治体制が変わり,国
885
■ タウンシップ全体
(含外部からの紹介)
800
■ 薬局からの紹介者
619
600
名が変わり,国旗が変わり,いろいろなものが変わ
りました。赴任当初は自動車はほとんど走っておら
ず,走っていたとしても1980年式の,窓が閉まらず
雨が降れば体が濡れ,床に穴が開いて道路が見える
400
24.3%
11.0%
218
200 215
0
68
疑い患者塗抹検査数
17.4%
全結核患者
(all forms)
38
塗抹陽性結核患者
(新規および既治療)
3. ステーション病院における患者発見 :
農村部を主とした患者発見モデル
ような車ばかりでしたが,今では新品の車も多く,
至る所渋滞で,通勤時間が15分だったものが1時間
近くかかるようになりました。また携帯電話はかつ
ては一般市民が購入できる金額では到底なく(30万円
位)
,ほとんどの市民が持っていませんでしたが,今
はほとんどの市民が携帯電話どころかスマートフォ
ンを持っている状況です。また街に落書きが増え,
治安も少し悪くなってきました。国が世界に開かれ,
目まぐるしく変化していますが,車を運転していて
この国の顕微鏡検査は,人口カバー数約15万人の
もお寺の前を通りかかれば,ハンドルの上で手を合
タウンシップ病院が最末端の施設であり,多くは1台
わせたり,どんな田舎に行っても,住民の寄付によっ
の光学顕微鏡にて塗抹検査を実施しており,これよ
て強い日差しをふせぐための休憩所と水瓶が道すが
り末端の保健施設には経済的及び人的資源の不足に
らにあるような優しいミャンマーはなくなって欲し
より,顕微鏡検査がありません。そのため,タウン
くないと願っています
(写真2)
。
シップ病院の下部施設であるステーション病院(主と
して農村部にて機能:人口カバー数は約1万5千人から
4万人程度)を5つのタウンショップから5カ所選び,
職員に塗抹検査の研修を施し,光学顕微鏡を供与し,
感染予防を考慮して検査室をつくり,独立してステー
ション病院で塗抹陽性患者の診断を可能にすること
で,患者発見の強化活動の支援を行っています。ま
たそのステーション病院の診療圏内に移動式の患者
発見チーム(mobile team)を組織し,収集された喀
痰をステーション病院で検査することで,ステーショ
ン病院での塗抹検査の活用に努めています。今後そ
の効果を検証し,NTPによる全国展開に供する予定
写真 2 道端によくみられる休憩所とその脇にある水瓶ボックス
(白枠内は水瓶ボックスの近接写真)
です。
また上記3つの患者発見の強化対策活動に通底す
る協力も行っています。1つは,塗抹検査による結核
診断及び治療効果判定の質を担保する外部精度管理
(External quality assessment: EQA)で,年次報告
書作成を通じて,全国から集まってくる塗抹検査ス
ライドの分析方法を標準化し,また分析結果の記録
をルーチン化し,誰もがデータにアクセスできるよ
う支援を行っています。また,デジタル胸部X線撮
影機器の新規導入に伴い,デジタル胸部X線機器に
よる撮影法の教授も行っています。
参考文献
1)外務省ミャンマー連邦共和国基礎データ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/myanmar/data.html#01
2)UN-OHRLLS
http://www.un.org/special-rep/ohrlls/ldc/ldc%20criteria.htm
3)IMF world economic outlook database
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2013/01/weodata/
index.aspx
4)Ministry of health, Department of health, National
tuberculosis programme, Five year National strategic plan
for tuberculosis control 2011-2015
5)WHO global report 2012
http://www.who.int/tb/publications/global_report/gtbr12_
main.pdf
11 / 2013 複十字 No.353
27
安心・安全な定期健康診断を受けていただくために。
胸部エックス線検査の精度管理について
高瀬 昭先生の訃報に接して
結核研究所対策支援部
放射線学科 科長 星野 豊
平成 24 年度『精度管理研究会』の結果報告
平成24年12月6日,7日の2日間にわたり『胸部画像
精度管理研究会』が開催されました。この日のために
全国の支部から提出されたフィルムは直接68枚,間
評価の総括をされる高瀬先生
接91本,デジタル150枚で,昨年度との比較では直接
と間接はほぼ同数,デジタルは24%の増加でした。
直接の提出施設数は,全国46施設の内27施設,間
接は46施設の内34施設で,
いまだ多くの施設ではフィ
ルムを使ったアナログ撮影が胸部検診車で行われて
いることが分かります。デジタルは46施設の内42施
設となっており,提出が無かったのは4施設のみでし
た。今回も提出フィルムのデジタルデータを媒体で
添付していただくように要請し,読影用モニタを各
高瀬先生を囲んだ総合討論
判定班に配備してハードコピーとモニタ画像との比
較を行いました。
元本会評議員であり元渋谷診療所名誉所長でいら
した高瀬 昭先生が,本年9月15日に肺炎による心不
全のため逝去されました。高瀬先生は,永年にわた
全体の評価成績は「評価結果の年次推移」をご覧く
り胸部エックス線診断技術の向上を念頭に研究や著
ださい。直接フィルムと間接フィルムのA・B評価合
作活動を続けてこられ,精度管理研究会の発足から
計は,それぞれ57%,50%と昨年度より良くなって
多大なるご指導をいただきました。先生が育んでこ
います。デジタルフィルムではA評価は17%で10ポ
られたこの研究会が,ますます発展することを願っ
イントの増加,B評価は53%で20ポイントの増加と
てやみません。
なり,C中がデジタルの評価を始めてから,初のゼロ
『精度管理研究会』の役割
胸部エックス線写真の診断技術を向上させるため
には,多くのフィルムを観察することが必要です。
しかも,ただ観察するだけでなく,画像評価を行い
ながら他施設のフィルムと相互比較を行い,撮影条
件を子細に検討しなければなりません。
となりました。また,フィルムのみで読影している
支部は皆無となり,46施設の内35施設が「モニタ読
影のみ」
,7施設が
「モニタ・フィルム併用」
でした。
使用機器および撮影条件と濃度分布について
直接フィルムの管電圧は「120kV以上」が100%,
「130kV以上」が61%でした。間接フィルムの管電圧は
当会では,全国支部の胸部エックス線写真の精度
「130kV以上」が79%で8ポイント増加しています。
「グ
管理を行うため,1985年より「フィルム評価会」を開
ラデーション蛍光板」は32%で使われていることが分か
催してきました。これからのデジタル撮影による肺
ります。特にIGF蛍光板の使用率が2年連続で2ポイン
がん検診や結核健診の一層の精度向上に向けて,エ
トづつ増加しています。デジタルフィルムの管電圧は
ビデンスに基づいた評価項目を策定して支部への技
「130kV以上」が43%,
「130kV未満」が56%となり,昨
術的支援を行います。
28
評価成績と評価結果年次推移について
11 / 2013 複十字 No.353
年度に続き管電圧が下がっている傾向があります。
フィルム濃度の測定方法について
おわりに
昨年度より「D max」
,
「G. Fogg」の記載をお願い
胸部画像精度管理研究会の評価結果をまとめて,
しています。
「D max」とはフィルム内の光学濃度の
その成績や内容を分析して概要を報告しました。今
最大値を表し,肺野コントラストの低下をもたらす
年度の開催日は12月5日,6日を予定しており,複十
原因となります。
「G. Fogg」とはX線および増感紙か
字病院の放射線診断部長の黒崎敦子先生による講演
らの蛍光による影響を受けていない部分の光学濃度
を行います。精度管理研究会は,他施設の画像を仔
で,散乱線の影響,現像液の活性度の低下,フィル
細に観察して評価ができる貴重な機会であるため,
ムの使用期限の超過等が考えられます。これらの数
全国の支部からの医師や診療放射線技師の積極的な
値が他の施設と明らかに違っている場合は比較検証
参加をお願いします。
をお願いします。
デジタル・フィルム評価結果の年次推移
(年)
1998
36%
64%
15%
1999
14%
2000
25%
40%
52%
9%
41%
34%
34%
2011
39%
7%
2012
32%
0
53%
10
20
30
40
7%
18%
6%
17%
8%
16%
11%
11%
9%
9%
16%
12%
11%
17%
8%
15%
20%
14%
13%
10%
13%
15%
10%
11%
8%
5%
17%
8%
16%
11%
8%
0
10
42%
41%
38%
26%
23%
26%
28%
29%
23%
30%
25%
35%
29%
40%
29%
45%
27%
25%
28%
33%
31%
32%
38%
50%
49%
25%
70
C中
0%
C下
0%
80
100(%)
90
23%
24%
34%
35%
43%
20
30%
34%
34%
25%
58%
42%
30
40
50
16%
16%
46%
60
7%
11%
16%
14%
13%
16%
14%
9%
13%
45%
47%
46%
47%
48%
55%
49%
51%
45%
47%
56%
47%
60%
61%
59%
47%
60%
46%
19%
A
4%
7%
6%
6%
9%
4%
5%
3%
3%
4%
2%
4%
3%
70
80
90
B
C上
C中
C下
100(%)
直接撮影フィルム評価結果の年次推移
(年)
1985 3%
10%
1986
6%
1987
8%
1988 4%
1989
6%
1990
6%
1991
6%
1992
15%
1993
14%
1994
10%
1995
9%
1996
13%
1997
9%
1998
11%
1999
8%
2000
9%
2001
7%
2002
14%
2003
16%
2004
13%
2005
13%
2006
6%
2007
10%
2008
11%
2009
14%
2010
15%
2011
5%
2012
10%
0
0%
間接撮影フィルム評価結果の年次推移
(年)
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
60
C上
0%
31%
50
B
1%
12%
48%
17%
0%
6%
31%
A
2%
9%
42%
24%
0%
10%
46%
14%
2009
2010
0%
3%
7%
50%
35%
0%
4%
4%
65%
8%
2008
47%
29%
9%
2007
0%
9%
55%
2004 4%
2006 0%
0%
36%
43%
36%
2005
0%
31%
44%
21%
2003
0%
43%
43%
2001
2002
0%
8%
77%
10
17%
47%
41%
22%
18%
20%
20%
19%
44%
28%
33%
28%
27%
25%
26%
32%
22%
27%
31%
38%
33%
34%
37%
33%
20
33%
41%
49%
55%
50%
43%
46%
53%
48%
51%
44%
53%
58%
52%
39%
38%
49%
56%
42%
41%
54%
50%
54%
62%
47%
30
43%
48%
40%
40
50
60
35%
27%
33%
70
25%
18%
23%
14%
10%
15%
10%
14%
14%
13%
15%
4%
10%
4%
4%
4%
2%
40%
43%
4%
3%
3%
25%
38%
4%
80
90
A
B
1%
C上
1%
C中
0%
C下
100(%)
11 / 2013 複十字 No.353
29
“AIDS” GOES ON... ~エイズは続いている~
厚生労働省エイズ動向委員会から,2012年(平成24年)
1年間のわが国のHIV感染者/エイズ患者の発生動向が発表
されたので,要点を紹介します。
3 感染経路
感染経路は,HIV感染者,AIDS患者ともに性感染によ
る感染が大半を占めていますが,静注薬物使用について,
日本国籍男性でHIV感染者,AIDS患者と合わせ7件あり,
他の感染経路と重複している例もあることから,より一層
1 HIV 感染者
の注意が必要となっています。母子感染は2010年に4年ぶ
2012年のHIV感染者の報告数は1,002件で前年(1,056件)
より54件減少しています。2008年の1,126件をピークに,
2007年以降,年間1,000件以上の報告が続いています。内訳
は男性954件,女性48件で,感染経路別にみると,同性間
性的接触が724件
(72.3%)
,異性間性的接触が180件
(18.0%)
りに3件が報告され,2011年も1件の報告がありました。本
年は再び0件となりました。
4 報告地
ブロック別の報告地では,東京都を含む関東・甲信越,
と,性感染が90.2%を占めています。また,推定される感
大阪府を中心とする近畿,愛知県を中心とする東海地域に
染地は864件
(86.2%)
が国内感染です。
依然多い傾向にあります。2011年に大きく減少した東京都
わが国では,日本国籍男性を中心に国内でのHIV感染が
ではHIV感染者,AIDS患者ともに前年より増加していま
広がっており,特に同性間性的接触による感染が70%以上
す。
都道府県別では,
HIV感染者,
AIDS患者ともに,
東京都,
を占めることから,訴求性のある予防啓発が望まれます。
大阪府,愛知県が上位3位でした。
2 AIDS 患者
5 累積報告件数
AIDS患者の報告数は447件で,2006年以降,年間400件
2012年末時点の累積報告件数(凝固因子製剤による感染
以上の報告が続いています。過去最高だった前年(473件)
例を除く)は,HIV感染者14,706件,AIDS患者6,719件で
より26件減少し,過去3位となっています。内訳は男性418
計21,425件となりました。そのうち,最近5年間の報告例
件,女性29件で,感染経路別では,同性間性的接触が238
が,HIV感染者では5,280件で累計の35.9%,AIDS患者で
件(53.2%)
,異性間性的接触が114件(25.5%)と,性感染が
は2,251件で累計の33.5%を占める状況となっており,近年
78.7%を占めています。332件
(74.3%)
が国内での感染となっ
の報告数が多い状況に変わりありません。
ています。
HIV感染者とAIDS患者を合わせた年間の新規報告件数
6 おわりに
(1,449件)に占めるAIDS患者の割合は30%台と高い値を維
同日発表された平成25年第2四半期の報告では,HIV感
持しており,HIVに感染しているもののAIDS発症まで診
染者報告数は294件で過去2位,新規AIDS患者報告数は
断にいたっていない感染者が数多く存在することを意味し
146件で過去1位,HIV感染者とAIDS患者を合わせた報告
ています。
数でも過去1位となっています。2012年の報告数は減少し
HIV感染の早期診断を促進するため,HIV検査受検の啓
発推進が重要となっています。
ましたが,HIV感染は続いています。対策の手を緩めるわ
けにはいきません。今がスタートラインです。
(公益財団法人エイズ予防財団)
日本のHIV感染者,エイズ患者発生状況の推移
1200
1000
800
600
400
200
0
1985
1990
1995
2000
2005
2010
HIV 感染者 エイズ患者
30
11 / 2013 複十字 No.353
HIV 検査受検を呼びかけるEXILEのAKIRAさん
(2013 年度公益社団法人 ACジャパン支援キャンペーン広告)
予防会だより
学術相談役就任(平成25年9 月1日付)
まつ
もと
けい
ぞう
松本 慶蔵(長崎大学名誉教授)
昭和30年 3月 東北大学医学部卒業
その他 平成 8年 長崎新聞文化賞
昭和49年 10月 長崎大学熱帯医学研究所臨床部門教授
平成 12年 勲三等旭日中綬章
昭和56年 4月 長崎大学熱帯医学研究所所長
平成 6年 3月 長崎大学退官
平成 6年 5月 長崎大学名誉教授
リレーフォーライフ2013新横浜 講演会&肺年齢体験会
度は49カ所,今年度も42カ所で開催または開催が予
定されています。このイベントではリレーウォーク
という参加者が交代で24時間歩き続け,募金を中心
に,様々な催し物や啓発ブースが出展されています。
今回,肺年齢体験ブースの出展依頼をいただき,本
イベントに初めて出展しました。また当会新山手病
院呼吸器科加藤仁一医師による「肺がんとCOPDにつ
いて」
という講演会も開催されました。
(写真)
1日目は,開始後すぐに雨が降り出してしまい,参
平成25年6月22日(土)~ 23日(日)に新横浜公園
加されている方も当会ブースにあまり足を運んでい
内の日産フィールド小机にて開催された標題イベン
ただけませんでしたが,2日目は天候にも恵まれ,多
トに肺年齢体験ブースの出展をしました。
くの方に測定を体験していただきました。2日間の測
リレーフォーライフはがん患者さん及びその御家
定者数は21名
(男性11 女性10)
でした。
(文責:普及広報課)
族を支援するために行われているイベントで,昨年
出張
複十字シール運動広報活動
本会設立当初より関わりの深い第一生命保険株式
会社様及びその子会社である第一生命情報システム
株式会社(DLS)様のご厚意により,複十字シール運
動の広報活動を実施させていただきました。第一生
に結核について関心を持っていただいたようです。
今後もこのような機会があれば広報活動を実施し
たいと考えております。
(文責:普及広報課)
命保険株式会社様においては,昨年に続き2年連続で
社内募金にご協力いただきました。DLS様において
は,結核予防週間中に府中本社及び事業所を訪問さ
せていただき,昼の休憩時間帯に食堂入口付近にブー
スを設置し,社員の方にもお手伝いいただきパンフ
レットを配布しながらシール募金のお願いをしまし
た。
(写真)
9月20日
(金)府中,25日
(水)豊洲,26日
(木)大井の
3日間3カ所を訪問させていただき,多くの社員の方々
11 / 2013 複十字 No.353
31
予防会だより
「見つけよう!世界とつながるあなたのトビラ」グローバルフェスタJAPAN2013 報告
10月5,6日に日比谷公園(東京)で,国際協力への理解
や,自国の対策について熱心に質問されていた大使の方,
「毎
を深めていただくためのイベント,
「グローバルフェスタ
年,複十字シールを年賀状に貼っています」という方などが
JAPAN2013」が開催されました。
「見つけよう!世界とつな
おられ,活動に携わっている者としてとてもうれしく励み
がるあなたのトビラ」をテーマに,さまざまな団体のブース
になりました。 (国際部 金居)
やセミナー,世界各国の料理や民芸品の販売,参加費が寄
付されるチャリティ・ランなどが行われ,初日の雨にもか
かわらず2日間で約78,000人の来場がありました。
結核予防会も例年どおりブースを出展し,リーフレット
の配布やパネル展示などで,世界の結核の現状や主にアジ
ア・アフリカで行っている結核予防会の国際協力について
紹介し,あわせて複十字シール運動のPRを行いました。
立ち寄ってくださった方の中には,お父様が結核を患わ
れてから毎年シール募金にご協力いただいているという方
米田明正,小林三郎,ナック商会,東陽産業,古堅ヒデ,植田
多額のご寄附をくださった方々
〈指定寄附等〉(敬称略)
小山義之(新山手病院)
〈複十字シール募金〉(敬称略)
永,日本銀行文書局健康サポートグループ,中山高嶺,齋藤
嘉明,大阪商工信用金庫,久保田佳伸,小田垣五雄税理士
英子,篠塚昭次,長尾立子,横内正利,飯田豊子,温井み
事務所,山本洋介,上田起業,八田光子,名和茂,錦織荘,
さ,小林浩平,松島直美,成美堂出版,尚徳寺,丸山紀久
中野眞雅,後藤和彦,惠生会健康管理事業部,本田寅二郎,
子,東京中央セレモニーセンター,小島医院,古屋長子,日
東洋ハイテック,大京システム開発,伊坂泰治,片本皖也,久
本生産性本部,
岩井和郎,
江間忠,
小宮隆太郎,
高橋紀久雄,
野晴二郎,坂谷光則,ユニオンモーター,日炉工業,吉川誠一,
中島博,梅田健一,丸山徹雄,野本震作,岸信行,日本包
装技術協会,明和会西八王子病院,橋本敏美,豊国義信,
福井県 - 山内整形外科,荒川整形外科医院,谷川病院,
清水美代子,飯田順雅,成友会本部,小澤昌治,岩本康義,
みどりが丘病院,武生記念病院,中村病院,福井県済生会
原武司,花岡秀敏,藤田修一,黒田美子,安田光隆,四宮
大久保,藤工業,聖明福祉協会,川村防水工業,鈴木洋子,
病院,北陸ワキタ,高村病院,林病院,光陽生協病院,藤
章夫,水野正彦,有田徳子,中村昇,奥田よし子,野田家商
山本喜則,押野茂,JP ビズメール,ビーエスエム,ひつじ書
田医院,笠原病院,ウララコミュニケーションズ,すみれ荘,
工,ファミリア―,北方寛,グループホームゆうゆう,橋本クリニッ
房,小野沢格子,鳥飼和子,石田弘子,藤崎源二郎,森田
今立中央病院,村田製作所,福井テレビジョン放送,アイシン
ク,オーアイエスコム,竹見富夫,淺田敏一,西尾一夫,木村
美代子,久松要雅,田中榮志,大野美佐子,ワダカツジ,平
エイダブリュ工業,日信化学工業
元士,木村文雄,仲好江,井上緋紗子,
ホーム太子堂,田中宏,
岩由伎子,村上常太郎,イシカワテルヨ,フクダタマコ,寿栄
京都府 - 安岡五郎,杉本直,上辻治,山口務,西田武,
渡辺会渡辺病院,森本靖彦,森本正,紙谷弥一郎,大森慈
会,丸橋運送店,仁寿会荘病院,叡宥会安田病院,タタコー
福岡正恒,近藤久枝,有馬賴底,信樂香仁,上田千里,加
祥,中谷廣一,山本塗装店,大阪自彊館,三洋金属熱練工業,
ポレーション,エコ企画,荒木元,織畑直義,恩田明久,豊
藤尚美,上田聖信,井上正治,小坂晴子,奥田桂子,奥本
まかみ薬局,岡田茂樹,三庄インダストリー,芦原賢一,清翠
嶋庸輔,山岸富二,宮岡壽博,ACE21,極東製薬工業,ヤ
恵治,矢崎紀
会牧病院,エムズプランニング,知恵の和苑,啓仁会咲花病
マザキ物流,日栄国際特許事務所,ドクターセラム,日本缶
大阪府 - 永尾尚子,川端康弘,増田國次,平井治徳,斎
院,日健マネジメント,古武敏彦,三杉進,山下房子,山下医
詰協会,金井銅器製作所,飯田光照,大和田實,赤塚明信,
藤明彦,西田智一,小倉剛,吉田忠春,菅原神社,坂上和子,
院,北堀江病院,南忠佳,大丸鋲螺制作所,谷淳吉,本徳寺,
田村碩子,篠田春美,山田正直,神田辰男,井上彰,龍生
やわら訪問看護ステーション,デイサービスうりずん,タイヨウ汽
京極俊明,鍵本成敏,石山憲雄,前田一美,和田薬局,嶋田
華道会,竹下景子,須藤八重子,稲葉定雄,井上定幸,小
船,
長山亨,
ビデオエイベックス,
津本清次,
深津利子,
浅野英雄,
誠,全国公益法人協会関西業務局,丸昌,川崎健二,河南
野歯科医院,興禅寺,浄国寺,計算力学研究センター,ティ
・
エバオン,金田立男,メンデル,武内顕,本多隆朗,岡村忠弘,
医院,カトリック豊中教会,福原孟,弘生会老寿サナトリウム,ふ
オーオー,ユタカ,ロジナコーポレーション,アイワホーム,タカ
中川歯科,
アズワン訪問看護ステーション,
日之出工業,鴻の里,
くもと歯科,行岡老人デイ・ケアセンター,伊泊大造
バ,喜多崇介,秩父石灰工業,野原勝男,大場昇,永田皖,
中道昇,
江田直介,
豊島邦光,
上原洋充,
盛田利郎,
藤井和男,
本部 - 仲尾次政剛,坂東玉三郎,二上佳代子,武舎辰男,
東福寺,石川陽三,大場永子,別所多喜次,岸友子,水口
太田光重,奥田クリニック,河合憲一,鈴置達也,西川昌廣・
長谷川恭子,高山直秀,福光正行,師田志津恵,今井乙彦,
勝治,永井洋子,田中和枝,山村栄一,日本化薬医務室総
節子,飯尾明郎,松田秀士,鈴木豊栄,クリーンケミカル,今
中田義雄,松村正一,庄司郁子,松本千恵子,タマイヨシオ
務課,岡井治,国精工業,下谷生花市場,保坂良子,島林
西小枝子,白土武裕,村尾隆一,勝喜久,大川和俊税理士
ミ,キドグチススム,千代田清瀬営業所,北川彌生,大野石
樹,山本隆幸,黒川澄子,神山智子,グランドスラム,三浦
事務所,
脇田治重,
藤野正勝,
岡田昭二,
河村信幸,
露口泉夫,
油,大功電設工業,要堂,ヤマサ商事,鈴木百枝,塚本商
敬子,新和設備,ネクサス,高瀬淳,有村佳代子,ティーピー
天野文武,東洋製薬化成,住吉大社,金森隆子,井上英隆,
事,八巻和夫,久野連峯,東栄商事,東京自動シール製袋所,
アイ,飯室和弘,RayArc,アイル,嶋健康管理センター,柴
山戸康司,吉田哲郎,佐々木卓志,奥田順一,松村和夫,水
小山明,龍順之助,篠宮克彦,佐藤静江,田中京子,武蔵
田玲子,
矢吹壮,
樫崎允彦,
三共社,
木村実業,
キッズエンジェ
津佳也,中村諭,山本淳,西村健司,北條秀樹,髙橋勝,松
越生高等学校,今中幸男,鈴木史郎,廣野恵三,近喰ふじ子,
ル,野辺地恒雄,武川節,島尾洋子,久保秀文,中林孝直,
下朱実,横山正博,神田医院,大平政義,下正行,藤原良江,
エヌ・シー・シー,しんきん情報サービス,コーレンス,林田光
小林健,東村山市医師会,静勝寺,毛利ゆき子,藤倉化成
平成25年11月15日 発行
複十字 2013年353号
編集兼発行人 藤木 武義
発行所 公益財団法人結核予防会
〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-3-12
電話 03(3292)9211(代)
印刷所 株式会社サンニチ印刷
東京都渋谷区代々木2-10-8ケイアイ新宿ビル
電話 03(3374)6241
結核予防会ホームベージ
URL http://www.jatahq.org/
本誌は皆様からお寄せいただいた複十字シール募金の益金により作られています。
複十字シール運動 -みんなのカで目指す,結核肺がんのない社会
複十字シール運動は,結核や肺がんなど,胸の病
気をなくすため100年近く続いている世界共通の
平成 25 年度複十字シール
募金活動です。複十字シールを通じて集められた
益金は,研究,健診,普及活動,国際協力事業な
どの推進に大きく役立っています。皆様のあたた
かいご協力を,心よりお願いいたします。
運動の輪を広げてください。シールは,はがきや,手紙や包装の封印,何にでも使えます。
問い合せ:普及広報課 TEL03-3292-9287(直)
32
11 / 2013 複十字 No.353
2013 結核予防週間レポート
本誌P2 〜 P3に引き続き,
「全国一斉複十字シール運動キャンペーン」
の活動を紹介いたします。
鳥 取
イオン鳥取北店他県内 2カ所で鳥取県健康を守る
婦人の会の皆様により複十字シール,リーフレットを
配布しました。また県内の結核状況についてPRし,
募金活動を行いました。
兵 庫
三宮駅周辺,JR 姫路駅前,JR 明石駅前にてミニ
クリアフォルダ入りティッシュ等普及啓発資材の配布
やシール募金の呼びかけをしました。
滋 賀
西武大津店,大津パルコ周辺にて滋賀県職員,支
部職員,滋賀県地域女性団体連合会役員が結核
の常識,複十字シール運動リーフレットを配布して啓
発し,募金活動を実施しました。
福 井
JR 福井駅前広場にて,結核の常識,複十字シー
ル運動リーフレット,ポケットティッシュ,結核かもチラ
シを配布しました。
和歌山
JR 和歌山駅前,南海和歌山市駅前にて,結核の
常識,複十字シール運動リーフレット,あぶら取り紙
を配布し,普及啓発を呼びかけました。
大 阪
大丸心斎橋店前にて,支部職員,大阪市地域女性
団体協議会会員,シールぼうやがポケットティッシュ,
うちわ等の結核予防啓発グッズを街行く人々に配布
し,結核予防の普及啓発及びシール募金の協力を
呼びかけました。
愛 知
あいち健康プラザにて,リーフレット等普及啓発資材
4 点を600セット配布しました。また結核・肺がんの
無料検診も実施しました。
石 川
しいのき迎賓館広場にて,
結核の常識,
リーフレット,
シャープペン,ポケットティッシュを配布し,昨年に引
き続き「ピンクリボンウォーク」を実施し,普及啓発
を行いました。
奈 良
近鉄奈良駅前で複十字シール運動リーフレット,結
核の常識を配布し,シールぼうやによる啓発活動を
実施しました。
京 都
京都駅前中央改札広場ほか 2カ所にて複十字シー
ル・リーフレット,マスク,ティッシュ等を配布して普
及啓発を実施しました。
静 岡
子供達にも,複十字シール運動の大切さを知ってい
ただきました。これからも,幅広い世代に,普及・啓
発活動を実施していきたいと思います。
富 山
富山市総曲輪グランドプラザ付近にて結核の常識,
複十字シール,ティッシュボックスを配布し,結核予
防を呼びかけました。
かけがえのない命と健康に、
長年の優れた知識と技術で貢献いたします。
日本は依然として結核の中蔓延国です。
今後ともより一層の結核対策の強化が求められます。
私たち日本ビーシージー製造株式会社は、昭和 27年(1952 年)に発
足以来、一貫して BCG ワクチンとツベルクリンの製造・供給元として
国内の結核予防対策に貢献してまいりました。
また、日本国内だけではなく、U N I C E F(国際連合児童基金)などの
国連機関にも半世紀以上にわたり、ワクチンを提供しています。
これからも、世界の人々の健康に貢献できるよう、努めてまいります。
日本ビーシージー製造株式会社
〒112 - 0012 東京都文京区大塚1-5-21 茗渓ビルディング 5F
http: //www . bcg . gr. jp
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