...

AIDS IS NOT OVER ~まだ終わっていない~

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

AIDS IS NOT OVER ~まだ終わっていない~
Healthy
Life
第 10 号
平成 26 年 12 月1日
大垣西高校 保健室
12 月 1 日は世界エイズデーです
12 月の保健目標
風邪、インフルエンザの
予防に努めよう
世界エイズデーとは・・・
1988 年に WHO(世界保健機関)が 12 月1日を“World AIDS Day”(世界エイ
ズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。その後 1996 年か
ら UNAIDS(国連合同エイズ計画)もこの活動を継承しています。日本でもその趣旨
に賛同し、エイズに関する正しい知識等についての啓発活動を推進し、エイズまん延
防止及び患者・感染者に対する差別・偏見の解消等を図ることを目的として、12 月 1
日を中心に「世界エイズデー」を実施しています。
今年のテーマは・・・
AIDS IS NOT OVER ~まだ終わっていない~
【テーマの趣旨】
治療法の進歩により、エイズの原因ウイルスである HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した HIV 陽性者が
長く生きていくことが期待できるようになった。これは、社会的に既に多くの HIV 陽性者が働き、学び、生活
していることを示している。職場や学校、医療機関など生活の様々な場所で HIV/エイズに対する差別・偏見の
解消等を図り、HIV 陽性者が社会で安心して生活できるよう、環境を整えることが一層重要となっている。
2013 年 1 年間における新規 HIV 感染者報告数は 1,106 件(過去 2 位)、感染に気づかずにエイズを発
症して報告された新規エイズ患者報告数は 484 件(過去最多)であった。合計は 1,590 件(過去最多)で、
全体に占める新規 AIDS 患者の割合が 3 割を超える状況が続いている。
新規 HIV 感染者および新規エイズ患者の累計報告数は 23,000 件を超えるとともに、最近では地域的、年
齢的にも広がりを見せ、依然として予断を許さない状況である。(引用:API-Net)
HIV/エイズを予防するためには、感染経路を正しく理解して、常に感染を防ぐ方法を実行することが重要です。
レッドリボンとは・・・
“レッドリボン(赤いリボン)
”は、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、
病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。
この“レッドリボン”がエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題とな
ってきた 1980 年代の終わりごろでした。このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアー
ティスト達にもエイズがひろがり、エイズに倒れて死亡するアーティスト達が増えていきました。そ
うした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、“赤いリボン”を
シンボルにした運動が始まりました。この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動
として発展し、UNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。
レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる
人々を差別しないというメッセージです。このレッドリボンの意味を知り、レッドリボン
を身につけることによって、エイズをみんなで考えましょう。
知っていますか?エイズと HIV 感染
エイズ
(AIDS)とは
エイズと HIV 感染は同じではありません
英語の Acquired Immuno Deficiency Syndrome の頭文字をとったもので
す。日本語では「後天性免疫不全症候群」といい、生まれた後にか
かる(後天性)
、免疫の働きが低下すること(免疫不全)により生
じる、いろいろな症状の集まり(症候群)という意味になります。
〈エイズは HIV に感染することによっておこる〉
HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)は、ヒトの白血球に
侵入して、増殖しながら壊してしまうという特徴があります。増殖した HIV が、さらに他の免
疫細胞に侵入、破壊を繰り返すことで、徐々に免疫力が落ちていき、健康なときにはなんでも
ない病原体などに抵抗することができなくなっていきます。健康時の 5 分の1くらいまで免疫
力が低下すると、エイズ特有の症状が現れます。この状態がエイズ発症です。
HIV 感染
とは
〈HIV に感染してもすぐエイズを発症するわけではない〉
HIV に感染すると、通常 6~8 週間経過して、血液中に HIV 抗体が検出されます。感染から数週間以内に風邪に似
た症状が出ることがありますが、この症状からは HIV 感染をしているかどうかを確認することはできません。HIV
検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。
エイズ発症
とは
限られた感染経路
HIV 感染後、自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、さらに進行すると、病気と
たたかう抵抗力(免疫)が低下し、本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和
見感染症とよばれる)などを発症するようになってしまいます。このようにして、抵抗
力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な 23 の指標となる疾患が決められてお
り、これらを発症した時点でエイズ発症と診断されます。現在はさまざまな治療薬が出
ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
HIV はこうして感染します
HIV は、感染した人の「血液」
「精液」
「膣分泌液」に多く含まれています。だ液や汗、涙
にも含まれていますが、感染が成立するほどの量は含まれていません。感染原因は以下の 3
通りしかありません。
【性行為による感染】
感染原因のほとんどを占めま
す。性行為の相手の性器や肛
門、口などの粘膜や傷口を通
って感染します。ですから、
性行為におけるコンドームの
正しい使用は、HIV 感染予防
にとって有効な手段です。
【HIV 感染している母親から胎児、新生児へ
の母子感染】
胎盤、出産時に産道で浴びる血液、母乳。こ
の3つを通して感染するケースが考えられま
す。感染を予防するため、出産を帝王切開に
したり、お母さんや子どもにカクテル療法を
行うことで、母子感染の確率は下げられます。
母乳からも感染する可能性があるので、粉ミ
ルクに代えれば感染は予防できます。
【血液を介しての感染】
HIV が存在する血液の輸血や、薬
物常習者などにみられる注射器
の回し打ち、最近ではずさんな針
の管理でのタトゥー施術での感
染も報告されているので、注意が
必要です。日本では現在、献血さ
れた血液は厳重な検査により最
高水準の安全が確保されていま
すが、きわめてまれとはいえ、感
染の可能性を完全には排除でき
ません。なお、血液凝固因子製剤
については加熱処理が行われて
いるので、現在の血液製剤で感染
する心配はありません。
日常生活では感染しません!HIV は実は感染力の弱いウイルス。自力では空気中や水中で生きられません。熱にも弱いのです。
「HIV にかかりやすいのはどんな人?」というのは、この病気につ
いてのよくある疑問の一つです。その答えは、HIV に感染しやすい「人
間の行為」があるということです。日本では、感染経路のほとんどが
性行為です。感染しやすい行為をすれは、誰でもかかる可能性があり、
人ごとではない「自分の問題」と考えることが大切です。
現状、エイズや HIV に関する正しい知識・情報の広まりは、まだま
だ不十分と言わざるを得ません。そして、なくならない差別や偏見。
これらの問題の根本には私たちの「当事者意識の欠如」があるのでは、
と思うのです。一人一人が自らの感染を予防し、患者理解・サポート
に努めることで拡大を食い止めていきたいものです。
Fly UP