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平成21年10月20日~21日

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平成21年10月20日~21日
平成21年度建設水道常任委員会行政視察報告書
■ 実施期日
平成21年10月20日(火)~21日(水)
■ 視察先及びテーマ
1.愛知県豊田市
・豊田市内における再開発事業
豊田市駅前通り南地区市街地再開発事業
2.愛知県岡崎市
・花のまちづくり補助制度
緑化生垣や屋上・壁面緑化の補助制度
3.愛知県豊橋市
・市営住宅特定目的入居
・コンセプトの違う3建物
■ 参加者
委員長
水上 幸彦
副委員長
伊藤 春樹
委
村嶋 照等
員
油田 清
海保 貞夫
■ 視察概要
1.愛知県豊田市 10月20日(水)
(1) 視察内容
・豊田市内における再開発事業
豊田市駅前通り南地区市街地再開発事業
【概要説明】
1.豊田市駅西口地区
・区画整理事業と同時に施行
・昭和58 年に考える会が発足した後、昭和 63 年に竣工
・当初キーテナントだった「そごう」が撤退後、「松坂屋」として再オープン(ミニ開発)
2.豊田市駅東地区
・駅前にシティホテル・住宅・店舗・事務所を設置
・当初キーテナントだった「サティ」が撤退後、「メグリア」として再オープン(ミニ開発)
1
3.豊田市民センター地区
・市民センターの必要さがなくなり、老朽化による
・公共性のある建物を建設、8割市民センターの敷地
4.豊田市駅前通り南地区
・老朽化していたトヨタキャッスルが移転してきたかたち
・首都圏以外では駅前に事業所は進出しないため、都心居住を目指した分譲マンション
①権利変換計画 1~3は110 条 全員同意型、4は111 条 地上権非設定型
②駅前機能が疲弊している問題について
郊外の大規模ショッピングセンターとの違いは無料の大きい駐車場である。
豊田市では中心市街地(駅前地区)の駐車場(16 か所)は3 時間無料としている。無料とした分の
負担は、認証(サービススタンプ)を確認した事業所が負担をする。
(2)質疑応答
問:駐車場について、一般の方は無料サービスはうけられるのか
答:マンションには自己所有の駐車場があるため住民の方は無料サービスの対象外。誰でも加盟店
舗で一度認証を受ければどの施設へ寄っても駐車場料金の 3 時間は無料となるシステム。
問:トヨタ自動車の事業費の減収は市に影響は、 人口は?
答:街中の収益では 10 月のトヨタショックにより 2 割ほど減少した。人口は変動なし。H20 年 10
月からH21 年10 月にかけて住民登録では 500 名弱の増。
一番影響を受けているのはホテルで、稼働率 7 割だったのが 5 割弱になってしまった。海外か
らの研修・講習に来ていた方がなくなったためと思われる。
問:税収は
答:200 億円位落ちている。市の財政は非常に厳しくなっている。
問:駅前通り南地区でのトヨタ自動車の参画にあたって要望、財政的な援助は
答:事業に対する過度な要望はない。これまで駅地区には進出していなかったトヨタ自動車として
何ができるのかというように検討してくれた。
当初カルチャーアミューズメントという案が出
てきたが、リピーターが見込めないのでは活性化
につながらないため無くなった。結果としてオフ
ィス床(1~5F)を取得し、ビルにトヨタロゴを
入れてもらった。
問:資金援助の関係では、
オフィスの床を借り受けて、
賃料を支払いするという形か。
答:組合に対して資金援助をすることない。法定再開発 として、床に対してまとめて借りると
2
いう形。
問:少子高齢化に対しては駐車場以外での力点は何か。
答:これまでの事業では、バブル時代は市外から客を得るというスタンスだった。昨今は居住者が
外せないものである。高齢者に対して都心居住が必要となる中で、分譲マンションを作り、北
地区でも 1 棟マンションを作り(100 戸以上)都心居住を確保している。さらに、北地区では
高齢者施設を盛り込む事業構成を考えている。
現にスポーツ施設の昼間利用客は 60 歳以上が多
い。
問:マンションは分譲か。
答:すべて分譲で3000 万台。車を利用しないコンパクトシティを利点と考えている。
問:成田も 17 階建て 100 億を考えている。50 戸程度想定しており、賃貸か分譲はわからないが、
居住者を確保している。
答:最近の傾向は夜間人口(定住人口)を増やすことかと思われる。
問:成田の場合、これまで時間がかかっている。事業を進める上で大変なのは、地権者の説得だと
思われるが、いい手法があれば教えてほしい。
答:地元の権利者の中で、常に同じ方向の考え方の足並みをそろえるために中心的にやってくれる
人が重要だと思う。
毎日全員に 5~10 分でも事業をやりましょうという話をする人がいたので、
組合事業としてうまく進められた。あとは議会の理解。執行部・市長だけで進めようとしても
できないので、議会が応援していただけると進めやすい。さらに企業の支援があると、よりよ
いです。
質:施行後の不評はあるか
答:表向きは特にない。来るたびに街なみが変わっているとは言われる。
質:マンションの入居状況はどうか
答:トヨタショック以前の入居だったため、132 戸で 450 人程度入っている。店舗の従業員数とし
て800 人が働いており、経済効果はある。市費に対しては固定資産税ベースで 10 数年で還元で
きる。それ以降は固定資産税としての収入となる。不均一課税を5 年間1/2 減にしている(法的
には1/3 でよい)。建築当初から完成まで、事業所が増えたことにより駅周辺の飲食店が 30 店
程度増えた。
問:市の援助は特別会計か?
答:補助は通常の補助で。南口は市費として11 億円で、事業には他に国費も入っている。
問:再開発事業は北口のほか、今後としては計画しているのか。
答:中心市街地活性化事業の構想として、北口と駅南側の一部に木造建築物が多いので、手法は再
開発事業ではないにしろ、その辺りまでかと思う。
3
(3)委員所感
中央線豊田市駅前に立ち、最初に幅広い歩道、区
画整理された大きなビル街が目に入る。まず、建築
物に比較し人と車の数が少なくシャッターを閉じて
いる店舗、入居者が居ないらしいビルがあり、いま
ひとつ活気を感じることが出来なかった。世界一の
トヨタ自動車の街のイメージを持って来たので余計
強く感じたのかもしれない。
シャッターを閉じた店、
使用されていないビルを見た時、世界同時不況の影響を敏感に受けていることは仕方ないと思いま
した。 担当者の市役所職員の説明では、昨年は、予算約2400億円の一割に及ぶ200億円の減
収だったという。
それでも人口は400名が増加していると説明されました。
市議会議員は42名、
トヨタ自動車関係議員は12名いらっしゃるとのことでした。再開発事業全体的にみて、トヨタ自
動車の影響を受けている合理的な街づくりをしていることは他市町村と比較し、理想的な街づくり
がされている。我が成田市は国際空港と共に発展して来ましたが、豊田市は世界一の企業とはいえ
トヨタ自動車の業績に左右される都市であり、不安を感じながらも成田市では真似ることが出来な
い合理的、理想的な素晴らしい街づくりがされていることに感心しながら豊田市を立つ。
最後にこれらの大規模な都市開発事業は全て一般市民の協力が不可欠な組合施行とのことが付け
加えられ、再開発事業に対して8名の市職員の熱意も十分感じ取ることが出来ました。
15年間ほどの間に立て続けに、一体性を持たせた4つの駅前再開発ができるのは、恵まれた財
政力とトヨタ自動車(株)の参画によるもののようだ。
182億円(1,8ha)、264
億円(1,5ha)、211億円(0,9ha)、181億円(1,6ha)この数字を見るだけ
で、JR 成田駅前再開発費、想定100億円を考えればどれだけ大きなものかが分かる。(トヨタの
参画はビルの4フロアーを一括賃借したもの)ただ成田市と違うのは豊田市の場合、地元が組合を
立ち上げての事業で、市は直接には11億円しか支出していないという大きな違いはあるが…。
駅前の欠点として駐車場不足があげられるが、駅周辺の16民間駐車場と提携し、どの施設を使
っても3時間無料のネットワークを作ることでカバーしていた点は参考になった。さらには外から
の集客のみを考えるのではなく、日常の購買力確保や空洞化を防ぐために、駅ビル内に132戸の
分譲マンションを確保したことも成功している様子だった。(成田の再開発ビルには50戸の住宅
を想定)。以外に高齢の居住者も多いそうだ。また最近の健康志向からかスポーツジム(プール・
ジムなど)の利用者も多いようだ。
成田でも駅前の地の利を生かした計画が望まれる。
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2.愛知県岡崎市 10月21日(水)
(1) 視察内容
・花のまちづくり補助制度
緑化生垣や屋上・壁面緑化の補助制度
【概要説明】
1、岡崎市の代表的な公園
岡崎市の公園(218個所)
歴史公園・総合公園・広域公園・街区公園・近隣公園
2、岡崎市の緑の基本計画
理念:岡崎の風土と人々の営みがはぐくんできた緑を市民共有の財産とし、市民が愛着を持っ
て緑を守り育てる市民文化を創造し、次世代に誇れる緑や文化として継承します。
21 世紀にふさわしい快適で緑あふれる岡崎市のまちづくりの総合的な道しるべとして、
平成 11
年3 月に5 つの基本目標のもと策定し、平成22年度に改訂予定である。
3、岡崎市の緑化推進事業
・公共施設等への樹木の植栽
・ふるさとの森・銘木保存 (次世代に残すべき価値ある森・樹木を「ふるさとの森」「ふる
さとの名木」として指定することにより、所有者と市が協力してその樹林を長期にわたり大
切に保存していくもの。)
・地域花壇(登録花壇数128箇所・種子の配布2月、7月・花壇コンクール開催 9月)
・緑化植物展示会(さつき展・菊まつり 等)
4・市街地緑化事業費補助金制度について
(生垣・屋上緑化・花のまちづくり)
定義:市街地緑化事業費補助金を交付することにより、市街地の緑を増やし、市民のみどりに関
する意識を高め、良好な生活環境づくりを図る。
・生垣設置事業奨励補助金
・補助対象者 市内の市街化区域内の宅地、または市街化調整区域内で緑化計画の定められた住
宅地開発区域内で、新たに生垣を設置しようとする者
・補助対象物 (1)生垣用樹木 (2)垣根用資材 (3)設置費用
(昭和56 年度より開始・昨年度実績は 15 件、1件あたり補助額は23,900 円)
・屋上等緑化事業奨励補助金
・補助対象者 市街化区域内において建物の屋上及び壁面・擁壁の緑化を行う者
・補助対象物 (1)緑化用植物 (2)植栽マス、プランター登はん資材
(3)植栽用土 (4)設置費用
(平成3年度より開始・昨年度実績は屋上緑化1件、壁面緑化1件、補助額は屋上緑化 500,000
5
円、壁面緑化500,000 円)
・花のまちづくり事業奨励補助金
・補助対象者 市内の市街化区域内で、道路に沿った建物に居住または使用するかたで、5 戸以
上で新たに事業を施行する団体。
・補助対象 (1)プランター及び取り付け金具 (2)植栽用土 (3)草花
(4)肥料
昭和 63 年に景観環境基本計画が策定され、その施策として、花いっぱいのまちづくりを
推進するため、窓辺緑化対策事業奨励補助金要綱が制定された。
・昭和63 年11 月に開始(窓辺緑化対策事業奨励補助金)
10 戸連たん
・平成7 年に名称変更(花のまちづくり事業奨励補助金)
5 戸以上連たん・プランター指定 1 回
・平成21 年度より新要綱にて施行
5戸
平成15 年の1 件を最後に、
要綱改正前まで年間0 件が続いていた花のまちづくり事業奨励補助金
が、要綱改正により、14 件に増加した。主な増加理由としては、5 件連たん(両隣)の団体という
縛りが取れたことと、花苗購入費用全額補助があると思われる。
<平成21 年度要綱改正の背景と効果>
連たんの条件をなくし、5 件以上でまとまれば可能とした。
民有地の花壇・公共施設の花壇も対象にすることにより、補
助範囲が増えた。
2 年連続での補助により、花を育てる楽しさを知ることがで
きる。
(2)質疑応答
問:生垣 新築販売の業者も対象になるのか?
答:個人申請は受け付けるが、ハウスメーカーは断っている
問:花のまちづくり 個別ではなく、自治会を窓口にするなど申請の仕方があると思うが、年間0
件が続いて、補助金の使いやすさはいかが 自治会、個人対応の要望は
答:個人ではやりたいが、人を集めるのは難しいとの意見があったが、いきなり個人向けに変更す
るのではなく、まず、5 戸つながりを変えることで対応
問:教育委員会との関係は
答:学校緑化 緑化推進都市 コンクール等で賞をいただいている
問:ふるさとの銘木 松の病気の対応は
答:市で対応
問 補助金の予算 市民に周知してもらうには
答:予算は、200 万円から 現在は、250 万円。 いままでは250 万円で足りていたが、今年は残り
少ない。 来年は 250 万円も危ういが「緑の大切さ」を訴えて確保していきたい。
6
緑のPRは、市政だより・市のホームページへの掲載、建築士会への依頼。商店街へ出向いて
PR、出前講座等で説明等
生垣 継続していただくようにお願いする。
問:川がきれい どのような努力・管理をしているのか
答:河川緑地 岡崎公園 指定管理者で管理、 現業職員で対応
(3)委員所感
岡崎城を中心に水と緑の美しいまちである。
市の「将来像のテーマ」にあるように自然と歴史が育む緑の文化都市として発展していくと思いま
す。成田市も「花の会」等の協力で花と緑は多いが、市内全体の基本計画を作るべきだと思った。
私の一番関心の有る岡崎市の環境問題への取り組みについてですが、生垣作りへの補助について
は、大分以前、成田の近隣であります栄町でも同じような制度が有ったとお聞きしますが、岡崎市
の場合は補助対象が細かい所にまで及んでいて、市民の生垣設置へのニーズ喚起に大いに役立って
いると感じられました。その効果で自宅周辺に生垣を造る家庭も増えているようです。
そして、花の町作りについても同様ですが、成田市でもいくつかの団体が各所で花壇の手入れを
して頂いて居りますが、是非当市でもこの制度を取り入れて貰えると、市内にもっと安らぎの場所
が増えると思いました。
屋上緑化への対応ですが、国内でも未だ々実施している自治体は少ない筈です。この様の先進的
な取り組みについてはまず、成田市としても市の施設に緑化の事業を実施して、それから一般の建
物への対応について検討して欲しいと感じました。
3.愛知県豊橋市 10月21日(水)
(1)視察内容
・市営住宅特定目的入居
・コンセプトの違う3建物
【概要説明】
公営住宅(市営住宅・県営住宅・雇用促進住宅)で5%を占める。
市営住宅は、4,200 戸で 28 団地(大きい所は700 世帯)
特別設計の住宅
・多家族= 老人同居、多家族世帯向住宅
・老人向= 老人世帯向住宅
・身障向= 身体障害者向住宅 車イス対応
・高齢者= 高齢者専用協同居住型老人世帯向住宅
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※旭本町高齢者住宅・池上住宅 1DK
住宅別外国籍入居者数 3,966 世帯のうち15%(595 世帯)が外国籍世帯で、
1 年前までは16.5%あった。ブラジル人444 世帯で市営住宅では、日本一である。自動車産業に従
事する外国人の労働者多く、入居者同士の摩擦も多い。
・市営住宅特定目的入居の導入経緯と入居者の選考方法
豊橋市住宅マスタープランは整備したがなかなか企画通りにはいかない。
市営住宅の建て替えの際、シルバーハウジング導入の説明に地元より反対意見。 市営住宅には地
域活性の起爆剤になってほしいので、高齢者がずっと入居する住宅は地元としては難色を示したい
旨の意見あり、今回は見送った経緯がある。
・旭本町高齢者住宅(モデル住宅)高齢者専用住宅(8 世帯)は、「国土交通大臣賞受賞」。「豪
華なモデル住宅を作るなら、もっとコンパクトでも市営住宅を増やしたほうがよいのでは」という
意見もあった。
問題は、「住宅困窮者」単身高齢者が急速に増加しているが、公営住宅は原則単身者を受け入れる
前提ではない。また、民間住宅に入居が難しい。 契約更新がない(公営住宅)。
現在建て替えをしている住宅は、2DKを中心に整備し、バリアフリー、高齢者・障害者生活可能
に住宅を整備
人口が平成元年から平成 19 年まで12.7%の伸び、世帯は37.7%の伸び、 世帯は 横ばい・増加
傾向、ギャップは、高齢者の世帯数の増加
65 歳以上の単身夫婦世帯のうち、2740 世帯は、民間の賃貸住宅に住んでいるので、契約更新時 住
宅に居にくくなる可能性がある。
住宅困窮高齢者問題で、市営住宅は高齢者のみではない、障害者(身体障害者)精神障害者の受け
入れも必要。民間賃貸住宅では、高齢者・障害者・外国人の入居が難しい状況で、公営住宅のあり
方が問われている。
生活保護者は、入居者の 5.5%。生活保護者の2 割は市営住宅に入居している。
外国の方の母子家庭、住宅の高齢化、社会活動のできる方の入居・住宅の活性化、契約更新の取り
入れ等課題。
(2)質疑応答
問:特別枠はどのくらい 申請の仕方は
答:特別設計の住宅
多家族=老人同居、多家族世帯向住宅
老人向=老人世帯向住宅
身障向=身体障害者向住宅
高齢者=高齢者専用協同居住型老人世帯向
8
柳原住宅は、外国人が増加 高齢者・母子・身体障害者
高齢者向けには、1DK。しかし、子供が家族で来たときに泊まる場所がないので 2DKのほう
がよいという要望もある。
各住宅ごとに申請し、「一般入居」・「優遇入居」(母(父)子世帯・老人世帯・心身障害者
世帯・多家族世帯)に分けて抽選
100 世帯以下の住宅(団地)を整備していくことが望ましい。
問:年1度だけ受付をするのか
答:受付・抽選の終了後は、随時受付をするが、受付順に抽選で決定した入居順の後順位になる。
資産の運用を考えて、住宅を空けないで活用する
問:抽選方法は。 成田は住宅困窮度を基本に選考委員会で決定
答:透明性の問題あり。選考委員会等 将来は取り入れていきたい。
問:県営住宅は
答:愛知県に2700 戸 建て替え・管理の問題等、市営住宅とは異なる。
問:家賃の不払い等は?
答:平成20 年9 月まで日本人の家賃滞納者が多かったが、この1年、外国人の家賃滞納者が倍に増
えてきている。家賃 1 万円~2 万円で、退去のコスト(弁護士・裁判所等)50 万円以上かかる。
公営住宅の地方性・低所得者の住宅困窮者の入居・透明性
問:池上住宅、斬新な作りのようだが
答:斬新な作り(環境と共生し高齢社会に対応する21世紀の総合住宅)に
入居者がついていけない面がある。
入居者の高齢者で、外に目が向かない。 市営住宅の回転率が悪い。
ハードを用意できるが、ソフト面(地域との関係)は難しい面がある。
(3)委員所感
市営住宅28 団地、4200戸の数の多さに驚いた。(人口は成田の3倍)そして、県営や雇用
促進住宅含め公営住宅は約7000戸で世帯総数の5%をしめるという。また愛知県ならではあろ
うが、市営住宅には15%の外国人(ブラジル人を中心に自動車関連の労働力確保)がいることも
特徴で、言葉の問題、文化の違いなどで居住者間でのトラブルも多いようだ。
今回の視察したのは高齢者と地域が一体化した住宅。広いリビングは、地域の「集会所」として
も利用されている。ただ地域と居住する高齢者が交流を図ることは難しいようだ。また高齢者8世
帯の住宅であるため、費用対効果でいえばこのモデルを拡大するとはならないようだった。このほ
か全国と同じく、単身高齢者の住宅をどのように確保していくのか課題になっていた。70歳を超
えると民間のアパートの受け入れはほとんどないからだ。かといって高齢者専用にすると、様々な
問題が生じるし、公営住宅法での間取りの問題もあるようだ。豊橋市では2DK中心の住宅を整備
9
しているが、これは1DKにすると家賃は安くなるが、子どもなどが泊まりに来ると寝る場所がな
いなどで、好まれないからということだった。子育て世帯への住宅供給も進めていたが、一定の枠
を決めて推進していかなければならない課題だと思う。
入居者の選考方法については、公開抽選であったが、選考委員会で決定することもできればいいの
だが、
と担当者は話していた。
成田市では住宅困窮度を基本に選考委員会で決定していく方式だが、
情報の公開という意味では課題を抱えているだろうし、それぞれに長所短所があるようだ。
豊橋市の市営住宅に関しましては、私はやはり環境関連と言う事で、建物の屋上が緑化されてい
ることや、併せて雨水利用にまで取り組んでいる事に驚かされました。勿論太陽光パネルも設置さ
れていると言うことで、成田市では考えられない位環境に配慮した建物でした。
又、居住者同士が触れ合えるスペースを確保した居住形態の建物にも温かみが感じられ、お年寄
りも楽しく暮らせると感じました。
委 員 長 所 感
今回の建設水道常任委員会の行政視察は、愛知県の中核市 3 市を視察しました。その 1 市は JR
成田駅東口第二種市街地再開発事業の参考にするため、豊田市都市整備部都市再開発課に「豊田市
駅前通り南地区」事業の特徴について説明を受け、多機能複合施設コモスクエアを案内していただ
きました。豊田市は昭和60 年に「豊田市都心総合整備計画」「中心市街地交通基本計画」を策定し
今回の視察目的の駅前通り南地区の再開発で 4 つの再開発が終わり、現在は5 つ目の再開発を計画
しています。開発を進めるに当たって市が一番注意した点は、地権者と同じ認識で事業計画を進め
る事と、
複合施設は駅前に人が集まる場とするために、
住居部分と公共スペースのバランスを考え、
特に郊外にあったスポーツクラブに市が協力を依頼し健康増進が図られたことは参考になります。
次に2 市目として成田市の緑化推進事業の参考にす
るため、岡崎市土木建設部公園緑地課に「花のまちづ
くり補助制度」
導入の経緯について説明を受けました。
岡崎市は「緑の基本計画」を制定し、緑化推進事業「生
垣設置事業」「屋上等緑化事業」「花のまちづくり事
業」等を進め公共施設等への樹木の植栽、ふるさとの
森・名木保存につとめ、花壇コンクールと緑化植物展
示会を開催し市民のみどりに関する意識を高め、市民とともに緑を増やすことができるよう取り組
んでいることは、協働のまちづくりと基本計画を制定しての取組は参考になります。
そして、3 市目として成田市の市営住宅立替計画と入居者選考の参考にするため、豊橋市建設部
住宅課に「コンセプトの違う市営住宅建設計画」と「特定目的入居者の選考方法」について説明を
受け、国土交通大臣賞を受賞した「旭本町高齢者住宅」を案内していただきました。豊橋市は産業
構造の関係で外国人が多く 17 の国籍の方が住んでいることもあり、「豊橋市住宅マスタープラン」
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に基本目標として①環境社会に向けた環境と共生する住宅、②高齢者に向けた住宅、③多様なライ
フスタイルを支える住宅、④まちづくりと連動した創造的な住宅の 4 つのコンセプトを元に市営住
宅が建設され、目的別の住宅を建設したことで一般の入居者申し込みとは別に、特定目的入居(多
家族、老人向、身障向、高齢者)の条件ごとの申し込を受付、公開抽選による入居者選考が行なわ
れているのですが、今後の住宅建替えの課題として、単身高齢者が増加しているが入居者の意見を
伺い、1DK ではなく2DK を多く建設することを検討しているとのことです。
現地視察として、「旭本町高齢者住宅」協同居住型住宅は台所・浴室・トイレを備えた入居者専用
の独立した居住部分と、食事や娯楽等生活の一部を入居者及び近隣住民と共用する談話室のある集
合住宅で8 世帯が入居しています。現地を見させていただきましたが、地域との交流は入居者が高
齢のため難しいところもあるようです。視察により入居者選定の方法や立替計画のあり方として参
考になります。
今回の中核市3 市の視察は、人口も財政規模も違いますが、国際都市としての今後の成田市のま
ちづくりに参考となる視察となりました。
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