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スケーラブルな 制御システムの設計 - Rockwell Automation
Automation TODAY June 2013 ASIA PACIFIC Japan 主な内容 製造業者の情報アクセスと セキュリティ クラウドコンピューティングを 利用した資産管理 スケーラブルな 制御システムの設計 EtherNet/IP上の 統合CIPモーション スケーラブルな オートメーションソリューション 機械メーカがロックウェル・オートメー ションのソリューションを利用 EtherNet/IPで可能になります... IT統合 オートメーション および安全制御 高速同期 モーション制御 プロセスデバイス統合 EDITORIAL EDITORIAL CONTENTS 適切なサイズで 柔軟性のある 自動化システム 目次 ステム設計者は従来、特定のサイ ズの制御システムを導入してき ました。そのため、 ソリューション を構築するために、複数のネットワークア ーキテクチャや、複数の制御プラットフォー ムを使用しなければなりませんでした。 ロックウェル・オートメーションは、革新的 なアプローチでこの概念を変えます。共通 トム・オライリー のオートメーション製品およびツールを使 用して、規模や複雑さにかかわらず、 プロセス、 バッチ、 ディスクリー ト、安全、 ドライブ、モーション、エネルギーなど、アプリケーション に合わせてソリューションの規模を調整することができます。 ロックウェル・オートメーションの統合アーキテクチャは、多種多 様なコントローラ、I/O、視覚化、 モーション、 ドライブ、安全、情報関 連製品から、 アプリケーションに最適なものを選択できる柔軟性を 提供します。コンポーネントレベルから、 ミッドレンジ(中・小規模)ア ーキテクチャシステム、 さらには大規模な先進的アーキテクチャシ ステムにまで対応できる、拡張性を提供することで、総所有コスト の削減を可能にします。また、 この拡張性により、技術の習得や製 品を展開するための投資を最小限に抑えることができ、市場動向 に対応するための機械やプロセスを迅速に変更することができます。 今号の『Automation Today Asia Pacific』でご紹介してい る、機能が拡張されたミッドレンジアーキテクチャシステムは、処理 能力の向上、先進のモーション機能、EtherNet/IP™ネットワーク 接続、 プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)のシー ムレスな拡張性を実現します。さらに、共通の開発環境とプログラ ミング言語を使用することで、 ソリューション内または別のソリュ ーションへの移行が可能になり、エンジニアリング作業、立上げお よびトレーニングにかかる時間を節約できるようになります。 ミッドレンジ製品であるCompactLogix™で統合CIPモーショ ンが使用可能になったことで、最低2軸から最大で16軸にまで対 応できる高度なモーションソリューションの開発も可能になりまし た。さらに新しいKinetix® 350サーボドライブを組み合わせる と、軸数の少ないスタンドアロンアプリケーションに最適なソリュ ーションを実現できます。 ロックウェル・オートメーションでは、 ミッドレンジアプリケーショ ン用のイーサネットスイッチも開発しています。Cisco®のテクノ ロジを採用した当社のStratix 5700™産業用イーサネット・マネ ージド・スイッチは、構成およびモニタツールと共に使用すること で、基幹ネットワークの安全な統合を可能にするだけでなく、統合 アーキテクチャからの設定および診断を行えるようにします。 今号では、情報アクセスとセキュリティをうまく両立させる方法 についても説明しています。産業用制御システムのセキュリティ戦 略を成功させるには、 リスクを軽減し、製造部門の資産を保護する ためのセキュリティポリシーと最新の技術が必要です。 ロックウェル・オートメーションの統合アーキテクチャシステム は、企業内で情報が流れるところならどこでもビジネスが行える 環境の構築を支援します。適切な規模のソリューションで生産性、 グローバル化、革新、サステナビリティを向上させる方法について は、 ロックウェル・オートメーションまでお気軽にお問い合わせくだ い。 さい。 シ トム・オライリー ロックウェル・オートメーション アジア太平洋地域社長 2 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC 8 特集記事 ‒ スケーラブルな制御シス テムの設計 ロックウェル・オートメーションのミッドレンジ(中・小規模) のアーキテクチャシステムは、 オートメーションのニーズ をアプリケーションに適合させるために役立つコンポー ネントで構築されています。 4 特集記事 ‒ 製造業者の情報アクセス とセキュリティ 製造設備を保護するために、生産のあらゆる側面を理解 する必要があります。 12 特集記事 ‒ 変わり続ける市場の ニーズに応える、 スケーラブルな オートメーションソリューション ロックウェル・オートメーションの新しいミッドレンジ(中・小 規模)の製品ラインが、 最小限のエンジニアリング作業で、 コントローラ間のプログラムの移行を可能にします。 3 ニュース&イベント ロックウェル・オートメーションに関する世界各国からの ニュース 7 資産管理 石油・ガス業界向け装置メーカは、 ロックウェル・オートメー ションと協業し、 クラウドコンピューティング技術を使用し た資産管理データへのリモートアクセスを実現しました。 10 テクノロジウォッチ 製造メーカは、 オートメーション、 ディスクリート、 プロセス、 安全、 およびモーションを共通のネットワーク上で制御す ることができるようになりました。 13 価値ある提案 機械メーカはロックウェル・オートメーションのソリュー ションを利用して、 柔軟なロボット制御によるボトル処理用 パレタイズシステムを開発しました。 14 製品紹介 ロックウェル・オートメーション製品の最新情報 Automation Today is published by ROCKWELL AUTOMATION SOUTEAST ASIA PTE LTD 2 Corporation Road, #06-01 Corporation Place, Singapore 618494 Tel: (65) 6622 5188 • Fax: (65) 6622 5100 Editor: Steven Goh – [email protected] ロックウェル・オートメーション ジャパン株式会社 〒104-0033 東京都中央区新川1-3-17 Contact: [email protected] Copyright© 2013 Rockwell Automation Inc. All rights reserved. ロックウェル・オートメーションの許可なく本書の一部または全部を複製することを禁じます。 Allen-Bradley, CompactLogix, ControlLogix, Encompass, FactoryTalk, Integrated Architecture, Kinetix, MP-Series, PartnerNetwork, PlantPAx, PowerFlex, Rockwell Automation, Rockwell Software, RSLogix および Stratix は、Rockwell Automation, Inc.の商標または登録商標です。 Rockwell Automationに属さない商標は、それぞれの企業に属します。 NEWS & EVENTS ロックウェル・オートメーションが Harbin Jiuzhou Electric社の 高圧ドライブ事業を買収 ックウェル・オートメーションは、中国北東部 に拠点を置くHarbin Jiuzhou Electric社 の高圧ドライブ事業を買収しました。買収額 は、5億3,000万人民元(約8,300万米ドル)でした。 この買収により、 ロックウェル・オートメーションの、 高圧ドライブ製品の設計、エンジニアリング、および 製造における能力が大幅に拡張され、アジア太平洋 地域のモータ制御市場における存在感を強めること ができます。さらに、 グリッドタイ・インバータ・テクノ ロジも利用できるようになります。Jiuzhou社は7年間にわたってロックウェル・オートメ ーションの委託製造業者として優れた実績を上げており、独自の顧客基盤も確立してい ます。 ロ アジア太平洋地域の飲料メーカが フォーラムに参加 先 日、ロックウェル・オートメーション は、 タイのバンコクで、飲料生産ライ ン向け高度自動化技術のフォーラ ムを開催しました。このイベントは、Propak Show-Asiaと同時開催され、工場の管理者、 運用スタッフ、主要な意思決定責任者らが招 待されました。 このイベントの目的は、増大する飲料生産 ラインの要求に対応するために、ロックウェ ル・オートメーションが提供できる支援につい て理解していただくことです。この地域における飲料業界の需要増大により、機械・装置 メーカは、製造メーカが効率をさらに向上するための機械の製造を求められています。 機械・装置メーカのTridentpack社およびZi-Argus社と共に、 ロックウェル・オートメ ーションの専門家が、ライン・バランシング・ソリューションを発表し、 シミュレーションツ ールのデモを行い、製造メーカにこの技術を用いた高速化と高精度の実現方法を説明 しました。このイベントの成功を受け、インド、中国、韓国を含むアジア太平洋地域全体 でワークショップを実施する計画が進んでいます。 トピック アジア太平洋地域ビジネス センターが、優秀賞を受賞 シンガポールの労働省(MOM:Ministry of Manpower)と職場安全衛生評議会は、 ロックウェル・オートメーションのアジア太 平洋地域ビジネスセンター(APBC)の業績 を認め、先日のWSH(職場安全衛生)の受 賞式で優秀賞を授与しました。これで、2年 連続の受賞となります。 APBCは、安全面と健康面においてこの 地域で最も優れた企業として認められたこ とになります。この賞の前にも、APBCは3 年連続で金賞を受賞しています。 PartnerNetworkプログラムに 業界のリーディングカンパニーが加入 ロ ッ ク ウ ェ ル・オ ート メ ー ション ® の PartnerNetwork™(パートナネットワーク) は、Encompass™(エンコンパス)パートナープロ グラム、OEMパートナープログラム、ソリューショ ン・パートナー・プログラムから構成されます。世界 中の製造業者が、工場全体の最適化や機械のパフ ォーマンスの向上、サステナビリティについての 目標を達成するために、最高のソリューションの開 発、導入、サポートの提供に共に注力する企業の 協業ネットワークを利用できるようにします。 ロックウェル・オートメーションは、米国の製品サ プライヤ、eRPortal Software Group LLC およびSchweitzer Engineering Laboratories Inc.の2社が新たにEncompassパートナー プログラムに参加したことを発表しました。ま た、ロックウェル・オートメーションOEMパート ナープログラムにも、Automatic Handling International、Bastian Solutions、BMH Robotics、およびIPG Photonicsの4社が新 規参入しています。ソリューション・パートナー・プ ログラムには、システムインテグレータのPrime ControlsおよびInnovative Control Solutions の2社が新たに加わりました。 2012年度第3四半期の決算報告 Lauren-Jyoti社がロックウェル・オートメ ーションに190万米ドルの発注 国のEPC(エンジニアリング、調達、建設)企業であるLauren Engineers & Constructorsと、 インドのエンジニアリング会社Jyoti Power Structures の合弁事業であるLauren-Jyoti社は、 ロックウェル・オートメーションとそのグ ローバル・ソリューション・チームに対して190万米ドルのプロジェクトを発注しました。 ロックウェル・オートメーションは、PlantPAx™分散制御システム(DCS)を太陽光発電 フィールドローカル制御パネルと共に、 インドのラジャスタンにあるGodawari Green Energy社に供給する予定です。 Lauren-Jyoti社は、Godawari Green Energy社のために50メガワットの集光型 太陽光発電所を新設します。この発電所は、 インドで初めて運用される実用規模の太陽 熱発電所の1つになります。ロックウェル・オートメーションは、DCSプロセス制御、 ミラ ーコントローラおよびモータ制御を含む完全で、スケーラブルな自動化ソリューション を提供できることにより、受注に至りました。 米 ロックウェル・オートメーションは、2012 会計年度の第3四半期の売上高が15億 6040万米ドルであったことを報告しまし た。これは、2011会計年度第3四半期の 売上高15億1620万米ドルから3パーセ ント上昇したことになります。既存事業の 売上高は7パーセントの上昇で、為替換算 による売上高の落ち込みは4パーセントで した。継続事業利益は、昨年は1億7880 万米ドル(1株当たり1.22米ドル)であった のに対して、1億9070万米ドル(1株当た り1.33米ドル)でした。継続事業の1株当 たり利益は、9パーセント上昇しました。 会長兼CEOであるキース・ノスブッシュ は「厳しいマクロ経済環境のまっただ中に あって、この四半期の結果は良好と言えま す。」と、述べています。 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 3 製造業者の 情報 アクセス セキュリティ と 製造設備を保護するために、生産のあらゆる 側面を理解する必要があります。 生 産目標を達成するには、エン ジニアから役員まで、だれも がプラントフロアの稼働状況 を十分に理解している必要があります。 技術の進歩により、 これが実現されつつ あります。プログラマブルコントローラ から最新のヒューマン・マシン・インター フェイス(HMI)まで、さまざまなテクノ ロジが、必要なデータへの、あらゆるレ ベルからのアクセスを可能にします。 し かし、 こうした進化は、セキュリティ上の リスクという望ましくない結果も生み、 ダウンタイムやデータ損失などの悪影 響を及ぼす可能性もあります。 強力で堅牢なセキュリティプログラム は、 こうした状況にある製造業者が、望ま しくない、有害な事象を引き起こす可能 性のある内在のリスクに対応しながら、 電子通信技術の多大なメリットを活用で きるようにします。 しかしながら、各製造 工程がそれぞれ全く異なるように、あら ゆる規模に対応できる万能のセキュリテ ィソリューションというものも存在しま せん。 産業用制御システムのセキュリティ戦 略を成功させるには、まず、企業のあら ゆる面に対して資産毎のリスクアセスメ ントを実施します。その後、セキュリティ ポリシーを設定し、 リスクを削減し、製造 部門の資産を保護するための最新のテ クノロジを取り入れる計画を立てます。 セキュリティシステムの構築 セキュリティシステムを設計する際 に、製造業者は最初にすべての生産状 況を理解する必要があると、ロックウェ 4 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC ル・オートメーションの産業セキュリティ ビジネス部門のマネジャーであるブラッ ド・ヒグラットは述べています。そうする ことで、ネットワークに接続された資産、 データ、およびエンドポイントを保護す るための多層構造のセキュリティを作 成できます。各層を理解していることが セキュリティの鍵となり、稼働時間の増 加と、最終的な増収にも繋がります。 包括的なセキュリティプログラムが、 セキュリティと情報アクセスを両立させ るための基礎を築きます。今日では、多 くの製造業者が、ネットワーク・フロー・デ ータまたは通信経路など、システムの1 つか2つの側面にしかアクセスできて いません。エンジニアは、システムの他 の部分にも精通していなければ、デバイ ス、制御室、機密領域、その他の貴重な 資産の保護などの、多種多様な診断お よびセキュリティ機能を利用することは できません。 最適なセキュリティシステムの構築 は、部門の枠を越えたチーム作りから始 まると、 ブラッド・ヒグラットは説明してい ます。最も効果的なセキュリティプログ ラムを作成するには、制御エンジニアと ITの専門家がそれぞれの知識と経験を 結集させることが必要です。しかし、制 御エンジニアとITの専門家には、それぞ れ異なる目標、優先事項、手続きがある ので、そのギャップを埋めるのは容易で はありません。 例 えば 、デ ー タ の 扱 い 方 につ い て は、ITの専門家は機密性を最優先し、次 が整合性で、可用性は最後になります。 通常、制御エンジニアにとってこれらの 優先順位はまったく逆で、可用性、整合 性、機密性の順になります。また、ITの専 門家はビジネスネットワークにとって98 パーセント稼働していることは良い状態 考えていますが、重要なプロセスに対し て責任のあるほとんどの制御エンジニ アにとって、これは受け入れがたいこと です。 これは、ビジネスモデルの違いに原 因の一部があります。ITの専門家の考 え方は通常、横方向のスケーラビリティ に余裕を持ちます。つまり、サーバなど の複数のハードウェアやソフトウェアを 接続してひとつの論理ユニットとして動 作させることができます。複数のサーバ を1台のサーバのように稼働させた場 合、1台が故障したとしても、作業にはほ とんど影響しません。一方、制御エンジ ニアは縦方向のスケーラビリティモデ ルに捕らわれています。すなわち、食品 加工工場のオーブンのような装置の集 合体は、ひとつの論理ユニットとしては 機能しません。1台のオーブンが故障し た場合、生産全体に影響するため、多く の製造業者にとって、個々のシステムの 稼働時間が重要になります。 先進的な製造業者は、 このような違い に対して、共通点を見つけたり、主要な 優先事項に注目したりすることで対処し ています。このチームの全員にとっての 最優先事項は、生産ゾーンごとにシステ ムとプロセスの稼働を保証するための 物理的および電子的バリアだけではな く、ポリシーと手順も使用して製造設備 を保護することです。この部門の枠を越 えたチームでは、オンサイトかリモート か、機械メーカか従業員か、人的資源か エンジニアリングかを問わず、考えられ るすべてのユーザに適用できる包括的 な規則を開発する必要があります。 製造業者は、だれが生産リスクを引き 起こすかではなく、だれがシステムにア クセスできるかを制御する必要があり ます。ロックウェル・オートメーションの FactoryTalk®セキュリティ対応ソフト ウェアスイートのようなソフトウェアツー ルを使用すると、認証および役割ごとの 承認などの機能により、アクセスを制御 することができます。このサービスでは、 自動化システムに入ろうとする各ユーザ のIDを確認し、システムの機能やリソー ス上で特別な動作の実行に対して、許可 されたユーザだけにアクセス権を与え ます。 さらに、ネットワークセキュリティ層を 構築することで、制御および情報データ を保護することができます。ファイアウ ォールとDMZ(非武装地帯、つまり製造 ゾーンとエンタープライズゾーンの間 に中立領域を作成し、データがこの2つ のゾーンを直接移動できないようにしま す)を使用して、好ましくないユーザ、ウ ィルス、スパイウェアなどがいずれかの ゾーンに侵入するのを防ぎます。 ます。この工程で、権限を持たないユー ザが端末を使用できないようにするた めに、厳格な技術制御が実行されてい ます。このデバイスの操作に従業員が使 用するアカウントは、管理者グループ用 ではなく、一般ユーザグループのように 権限を制限されているグループ用のア カウントです。このように、職務権限に合 った最小限の要件を備えたアカウントを 使用する手法が最小権限の一例です。 2つめは、最小手段の原則です。装置 は機能を実行するためだけにネットワー クへのアクセスが許されます。例えば、 ネットワーク層のオフィス環境には、誤っ たレイヤ2通信(スイッチによるトラフィ ック)からの保護手段はありません。基 本的に、ネットワーク上の従業員は、業 務上必要であるかどうかに関わらず、ネ ットワークを介して近隣のオフィスにい る別の従業員と通信することができま チーム全員にとっての最優先事項は、シス テムとプロセスの稼働時間を確実にする、 各生産ゾーンの物理的または電子的バリ アに加えて、ポリシーと手順により製造設 備を保護することです。 しかし、正当なアクセスや必要な生産 制御が妨げられるほど厳しいセキュリテ ィを設定するわけにはいきません。うま くバランスを取るには、セキュリティプラ ンは、潜在的な脆弱性を評価し、緩和方 法を決定するために作られた2つの指 針に従う必要があります。 1 つめの 指 針は最 小 権 限 の 原 則で す。製造業者は、システムまたは特定の 機械において、ユーザの職務に関わる 部分のみの権限を与えるべきで、彼らが 制御できない部分へのアクセスは認め られるべきではありません。この指針を 出張に例えることができます。ホテルに チェックインする際、 フロントでIDとクレ ジットカード情報を提供し、予約が確認 されるとゲストとしてホテルにチェック インされ、ルームキーを渡されます。こ の関連付けを行うコンピュータには、通 常、Microsoft® Windows®ベースの 販売管理(POS)システムが使用され、 ク レジット・カード・リーダ、予約システム、お よびホテルのインターネットに接続され す。エンタープライズネットワークは、環 境内のすべてのノードを網羅し、シーム レスでどこからでもアクセスできること を目的として構築されています。 産業用制御システム、ストレージ・エリ ア・ネットワーク、 インターネットに接続し ているDMZなどの専用ネットワークで は、不正なレイヤ2またはスイッチによる 通信は、稼働時間、セキュリティ、環境全 体のパフォーマンスに明らかな影響を与 えます。 したがって、目的を達成できる範 囲内で、 レイヤ2のトラフィック制限をで きる限り厳格にする必要があります。 複 数 の 生 産ラインを持つ製 造 業 者 は、ライン1でのみPLCが使用される ように指定することもできます。ネット ワークは構築されるべきなので、ネット ワークは、ライン1専用のごく小規模な サブネットに制限します。こうすること で、ライン2およびその他の領域がライ ン1に悪影響を与えることを防ぐだけ ではなく、このラインは産業用ファイア ウォールかレイヤ3アクセス制御リスト AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 5 防ぐことができます。このような行為は、 無害に見えても、 ウィルス感染や予期し ないダウンタイムを引き起こす可能性 があります。 これらの対策を適用することで、新し いレベルの情報アクセスへの扉が開か れます。ブラッド・ヒグラットは、HMIが、 オ ペレータにとって、生産をあらゆる面か ら安全に監視、管理、および制御するた めのダッシュボートになると説明してい ます。セキュリティに階層的に取り組むこ とで、オペレータが許可された作業だけ を実行するようにし、重要な製造情報を 確実に守る、堅牢な視覚化システムの基 (ライン1専用のサブネットに繋がるルー ITの専門家が企業のコンピュータに 盤が築かれます。 トを設定する必要があるため)のいずれ 適用する対策を、製造用のコンピュータ ブラッド・ヒグラットは次のように総括 かによって保護されます。この方法でレ にも適用する必要があります。誤ったシ しています。 「情報アクセスの進化が急 イヤ2のトラフィックを制限することによ ステム管理を防ぐために、製造業者は、 速であればあるほど、生産性、資産、デー り、 この制御システムは最小手段の原則 堅実なパッチ管理戦略、十分な構成管理 タの壊滅的な損失に繋がるセキュリティ に従うことになります。最小手段の原則 文書、およびウィルス対策における定義 の脅威も急速に進みます。十分に計画さ は、すべてのノードがすべての範囲でシ の配布とテストのための豊富な手段が れた包括的なセキュリティ戦略により、 ームレスに、どこからでもアクセスでき 必要です。ゲストアカウントを無効にし、 製造業者は、生産を危険にさらすことな るようなエンタープライズ・ネットワーク・ ゲストポリシーを導入することで、 セキュ く、アクセスを最適化するベストバラン モデルとは正反対です。 リティを脅かすことなくアクセスを制御 スを実現できます。」 AT できるようになります。 HMIの重要性 Outlook® Expressなどの 人とテクノロジのやり取りの拠点とな Windowsプログラムのような、使用さ るのが、HMIです。工場フロアの過酷な れていないコンポーネントやUSBポート 状況に耐えられるようにコンピュータを を無効にすることも、有効な手段の1つ 物理的に強化させることについては長 です。これによって、ユーザが個人的な 年に渡り、いろいろと議論がされてきま 電子メールをチェックしたり、ポートにウ したが、 セキュリティの脅威により全く新 ィルス感染の可能性のある認可されて しいレベルでの強化が求められています。 いないUSBメモリを差し込むなど、生産 に関係のない作業を行なったりするのを ライフサイクルにわたるセキュリティの管理 オ ートメーションのライフサイク ルを通して制御システムの安全 を確保するには、変化する脅威 からシステムを保護するために、投資を 継続していく必要があります。制御シス テム戦略は、陳腐化、および老朽化する 製品やシステムに関わるリスクを考慮し て、積極的に計画し、導入することが重要 であると、ロックウェル・オートメーション の産業セキュリティビジネス部門の開発 マネジャーであるダグ・ワイルは述べてい ます。 セキュリティは、技術的要素と非技術 的要素の両方を兼ね揃えて、 リスクに対 応する必要があります。制御システムの オペレータとメンテナンス担当者の能力 6 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC を管理することで、進化を続けるセキュリ 専門家によるコンサルティングを通し ティの脅威を緩和することができます。ラ て、安全体制のより徹底した評価を行う イフサイクル管理の中で注目すべき重要 ことができます。ロックウェル・オートメー な要素には、 トレーニングと継続的な改 ションのネットワークおよびセキュリティ・ 善、ユーザ、プロセス、およびコンポーネ サービス・グループは、その専門知識を駆 ントのモニタ、会計監査、および保守が含 使し、バランスの取れた方法で産業セキ まれます。 ュリティに関する問題に対応できるよう 標的とされる産業用システムの認知に に支援します。ロックウェル・オートメーシ より、今後直接的な攻撃が増加すること ョンは、お客様の安全な産業用制御ソリ が予想されます。間接的な攻撃は常に存 ューションについての目標達成を支援す 在し続けます。より多くのシステムが、最 るため、製品の開発と資産管理への継続 初から安全性を考慮して設計されるよう 的な投資を行っていくと、ダグ・ワイルは になり、関心の的が物理的なセキュリティ 説明しています。当社は、引き続きお客様 からシステムの監査、およびコンプライ と協力して、制御システムの安全と運用 アンスと最新のテクノロジの継続的なモ 上の整合性に対するリスクに取り組んで ニタへと変化しています。 いきます。 ASSET MANAGEMENT クラウドコンピューティングを 利用した資産管理 石油・ガス業界向け装置メーカは、 ロックウェル・オートメーションと協業し、 クラウドコン ピューティング技術を使用した資産管理データへのリモートアクセスを実現しました。 石 油・ガス業界向け機器メーカ のM.G. Bryan Equipment Co.は、先端技術による破砕機 の資産管理をリモートから行うために、 クラウドコンピューティングを採用しま した。ロックウェル・オートメーションに よって設計、統合された新しい制御およ び情報システムは、Microsoft®社の Windows® Azureクラウド・コンピュ ーティング・プラットフォームを利用して います。 このソリュー ションにより、M . G . Bryan社は、 リアルタイムの情報、自 動化されたメンテナンス警告、サービ スおよび部品の配送管理への安全な リモートアクセスを実現しました。さら に、ロックウェル・オートメーションと協 力して、 クラウドを使用した、生産性と ビジネスインテリジェンスを向上させ るシンプルで利用しやすいシステムを 設計しました。 M.G. Bryan社社長のマット・ブライア ン 氏 は 、破 砕 車 両 は 過 酷 な 隔 離 環 境 で 操 作 され 、通 常 2 0 0 時 間ごとに 新しいオイ ルフィルタが 必 要になり、 4,000時間∼5,000時間使用するごと にエンジンの完全なリビルドが必要にな る、と説明しています。 「クラウドを利用 することで、コスト効率良く装置の状態 を監視できるようになり、お客様は資産 の稼働時間を最大化して、投資収益を劇 的に向上させることができました。」と、 マット・ブライアン氏は述べています。 を使用して、M.G. Bryan社はより高度 に接続されたインテリジェンスへのアク セスが可能になり、業界においてより品 質の高い顧客サービスを実現できまし た。 モバイル技術と、クラウド上でのシームレスな ビジネス情報の転送を使用して、M.G. Bryan 社は、より高度に接続されたインテリジェンス へのアクセスが可能になり、業界においてより 品質の高い顧客サービスを実現できました。 ロック ウェ ル・オ ート メ ー ション は、M.G. Bryan社の破砕機器を完全に 統合した制御および情報システムを使 用してアップグレードを行いました。こ のシステムは、履歴、相関、および取引 データなど、異なる情報ソースを結びつ けます。M.G. Bryan社やそのお客様が 専用のデータセンターを作り、管理しな くてもこの豊富なデータを十分に活用 できるように、 ロックウェル・オートメーシ ョンはクラウドコンピューティングを利 用しました。モバイル技術と、 クラウド上 でのシームレスなビジネス情報の転送 新しいシステムでは、モバイル機器と Webブラウザを使用して、 クラウドから データを引き出すことができ、全車両に 関連した稼働パフォーマンスおよび管 理傾向だけではなく、各車両の動力伝 達装置の状態や水圧粉砕能力について も、 レポートやダッシュボードを作成する ことができます。クラウドコンピューティ ングの柔軟性とスケーラビリティによっ て、M.G. Bryan社は急速に拡大してい る保有車両に対する総合的な運用管理 を実現しました。 AT AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June2012 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC November 77 TECHNOLOGY WATCH スケーラブルな制御システムの設計 ロックウェル・オートメーションのミッドレンジ(中・小規模)のアーキテクチャシステムは、オートメーシ ョンのニーズをアプリケーションに適合させるために役立つコンポーネントで構築されています。 大 規模なアプリケーションでは、 高 性 能なモーション、プロセ ス、安全など、複数分野の制御 を統合する共通のプラットフォームが使 用されていました。 しかし、機械・装置メ ーカは、あらゆるアプリケーションおよ びマシンサイズに対応するために、複数 の制御プラットフォームとネットワークア ーキテクチャを使用してきました。その 結果、プラットフォームとネットワークご とに異なる設計環境、ユーザインターフ ェイス、ベンダ・サポート・モデルが存在 することになり、機械・装置メーカにとっ ても、製造メーカにとっても無用な複雑 さが生じていました。 ロックウェル・オートメーションは 、 統 合 ア ー キテクチャシステムを 拡 張 して、小 規 模アプリケーションに最 適 な、EtherNet/IP™対応の小型コントロ ーラ、I/O、サーボドライブ、視覚化ツー ルを追加しました。モーションに関して は、 スケーラビリティが特に強化され、最 大16のモーション軸まで対応します。 複雑な梱包およびマテリアルハンドリン グなど、軸数の多いアプリケーションも、 標準制御と同じプログラミング環境を使 用して設計することができます。 ネットワークの集約 EtherNet/IPプロトコルは、 ロックウ ェル・オートメーションのミッドレンジの アーキテクチャシステムの中で、機械・装 置メーカと製造メーカの情報の流れを 効率化するという重要な役割を担って 8 8 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC November 2012 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC います。EtherNet/IP接続と、統合モー ション、安全、および標準制御などの機 能により、機械・装置メーカは様々なマシ ンで、共通のネットワークアーキテクチャ を利用できるようになります。 ネットワークを集約して、モーション専 用のネットワークが不要になることで、 特に高速モーション制御が必要な機械 に関して、大幅な節約が可能になりま す。また、EtherNet/IPの時刻同期機能 は、すべてのノードに時間基準を実装す ることでネットワークのスケジュールを 不要にし、高精度のモーション制御を実 現します。さらに、 データパッケージのサ イズと内容を動的に変更できるため、ネ ットワークトラフィックが減少します。 加えて、多層構造のネットワークから、 共通の標準ネットワークアーキテクチャ に切り換えることで、エンジニアリング、 立上げ、および実装の時間と統合にかか わるリスクを削減できます。 スマートマニュファクチャリ ングの推奨 機械・装置メーカは、スケーラブルな 制御方法を導入することで、設計パラ メータの変更や、 アプリケーションニー ズの拡大に適切に対応できるようにな ります。また、より多くのエンジニアリ ングリソースを機械の革新に充てるこ とができます。その上、製造メーカのお 客様の要望を、共通の制御とプラットフ ォームの標準化に向けることができれ ば、サポートと保守作業を合理化する ことが可能になります。 プラットフォームを共通にすることで、 全体的なトレーニングコストを節約でき るだけではなく、より焦点を絞ったサポ ートを提供できます。特定の制御アーキ テクチャに精通しているエンジニアを増 やすことで、 カスタマサポートの一貫性 と品質を向上させることもできます。さ らに、制御プラットフォームを標準化する ことで、部品の在庫を減らすと同時に部 品供給力を強化することができます。 EtherNet/IPを使用することで得ら れるモジュール性と高速通信は、設置コ ストと、 ネットワーク上のスイッチ、 コネク タ、モジュールの数を減らすためにも役 立ちます。 さらに、製造メーカのネットワークに 簡単に接続して統合できる制御システ ムを選択することで、機械の組込みが容 易になり、立上げと製品化までの時間を 短縮することができます。システムの設 置後は、共通の制御プラットフォームと ネットワークアーキテクチャが、機械レベ ルのデータとビジネスレベルのデータ を集約し、管理および意思決定の改善を 支援します。これによって、賢く、安全で、 サステナブルな製造を促進します。 機能の実証 最近のシステム評価で、マネージド およびアンマネージドネットワークス イッチのどちらも、CompactLogix™ 5370コントローラと最大16軸までの Kinetix® 350単軸サーボドライブを LOGIXベースの オートメーション システム構成用 ソフトウェア 使用した、 ミッドレンジのモーションシス 頻度は、 、 テムに適合することが実証されました。 連 続 タ ど ネットワークレイアウトは、スイッチレベ スクをど 迅 ルのスタートポロジで検証されました れだけ迅 が、デバイスレベルのリニアまたはリン 速に実行できるかを判断するために役 グトポロジにも対応しています。 立ちます。 テストの間に、モーション制御がネット 独立8軸のスタートポロジ、独立4軸 ワークトラフィックや、マネージドもしく のスタートポロジ、および独立4軸のリ はアンマネージドスイッチの選択による ニア/リングトポロジを使用したシステ 影響を受けないことを実証するために、 ム設計のその他の結果については、 白書 モーション中枢のさまざまな測定値が 『Scalability‒the Best Approach 保存され、評価されました。測定値の中 to Change』(英語)を参照してくださ には、位置エラー(追従誤差)、位相エラ い。この白書では、ネットワークトポロ ー(登録入力エラー)、マスタとのオフセ ジ、マネージド、およびアンマネージドス ット、その他が含まれます。 イッチの選択、 ネットワーク負荷、 イーサ 実際のネットワークトラフィックを想定 ネット配線の提言などのトピックを取り する際に、モーションシステムはモーショ 上げています。 ン以外のトラフィックに影響されていまし ロックウェル・オートメーションのミッ た。 トラフィックのパターンは、20%がマ ドレンジのアーキテクチャシステムは、 ルチキャスト、80%がユニキャストで構 機械・装置メーカに共通の開発環境と、 成され、 パケットは最大1,500バイトまで 完全に統合された軸のポートフォリオ でランダム化さていました。 を提供します。ミッドレンジのアーキテ 帯域幅利用率が最大80%のネットワ クチャシステムで、設計の柔軟性を向 ークで、モーション関連の測定値が一連 上させ、幅広いオートメーションの要 のヒストグラムデータ収集配列に記録 件に合わせて制御システムを迅速に縮 されました。その結果を評価して、モー 小、または拡大したり、複数のアプリケ ションのパフォーマンスにネットワーク ーション用に調整したりすることができ トラフィックが影響するかどうかを判断 ます。 AT しました。最大トラフィック(80%)では、 ネットワークに高負荷が認められました が、通常、現実的なネットワーク負荷がこ れを越えることはほとんどありません。 独立したネットワークトポロ ジの実証結果 このテストで、高度なモーションロジ ックとディスクリートI/Oロジックの両方 を実行するための、ミッドレンジのアー キテクチャシステムの妥当性が確認さ れました。独立した16軸のスタートポロ ジを使用したシステム設計の結果とし て、マネージドおよびアンマネージドス イッチの両方を使用して、ネットワーク 帯域幅の使用率を最大80%でテストし た場合、 システムは位置設定済みの16 軸を、8msのコースアップデート速度( おおよその更新時間) で管理しました。 連続タスクは750ラングで、周期的 タスクは8ms周期で40ラングでした。 連続タスクのサイズを入力することに より、モーションタスク、システムタス ク、および周期的タスクをすべて実行し た後、実行時間を見積もることができま す。定期的タスクのサイズおよび実行 WEB さらに詳しい情報については、次の Webページをご覧ください。 www.scalabletechnology.asia/ ATAPJA41 ロ ックウェル・オートメー ション の 統 合 ア ー キ テクチャビルダ(IAB) は、Logixコントローラ、I/O、ネット ワーク、PowerFlex®ドライブ、OnMachine™接続および配線、モーシ ョン制御、およびその他のデバイスに 関連したハードウェアの選択や部品表 (BOM)の生成を容易にするツールで す。この中には、ネットワークトラフィッ クを評価するための先進的プロセス制 御(APC)と、プロセッサと通信モジュ ールに関する重要なパフォーマンス基 準を決定するために役立つ追加のア ルゴリズムが含まれます。 先進的なモーションロジックおよ びディスクリートI/Oロジックを実行 するための、ミッドレンジのアーキテ クチャシステムの設計検証では、ネッ トワークのレイアウト、デバイス、およ び構成がIABソフトウェアに組み込ま れ、APCを使用してモーションシステ ム全体の予想されるパフォーマンス を判断します。同様の分析が、さまざ まなネットワークトポロジに対して実 行されました。 上記の分析では、 イーサネットメデ ィア、通信コントローラ、およびLogix コントローラの使用状況が表示され、 モーションシステムを知る上での手 がかりになりました。このような測定 値は、設計工程のサイズ設定および 選択の段階で、モーションシステム全 体の潜在的なボトルネックや限界を 識別するために役立ちます。 測定値は、3段階の評価体系を使用 して定義され、緑、黄、赤のインジケー タで表されます。通常、望ましい結果 は、 レベル0(緑)から中間レベル1(黄 色)までの範囲の値です。結果がレベ ル2の場合、システムは許容範囲を超 えており、 リソースに対する要求を削 減するための修正が必要になります。 WEB さらに詳しい情報については、次の Webページをご覧ください(英語)。 www.rockwellautomation.com/ en/e-tools/configuration.html AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 9 TECHNOLOGY WATCH 自動化への ハードルを取り除く、 EtherNet/IP上の 統合CIPモーション 製造メーカは、 オートメーション、 ディスクリート、 プロセス、安全、およびモーションを共通のネット た。 ワーク上で制御することができるようになりました。 E therNet/IP™の広範な機能に 統合CIPモーション™が加わった ことで、世界中の多くの先進的な 加工業者、機械メーカ、および製造メー カにとって、業界が認めるこの通信プロ トコルは、確実に最善の選択肢になり つつあります。さらに、EtherNet/IP上 の統合CIPモーションがロックウェル・オ ートメーションの新しいミッドレンジ(中・ 小規模)のアーキテクチャシステムで使 用可能になったことで、幅広い産業でこ れらの先進機能を利用できるようにな りました。 約40年前に発表されて以来、 イーサ ネットは継続的な発展を遂げてきまし た。その勢いは衰えるどころか、より速 く、 より強固になり、幅広いアプリケーシ ョンに完全に適合するようになってきま した。また、 より幅広い分野でその能力 を発揮できるように目的に合わせたプ ロトコルが多数開発されています。 そ の 成 果 の ひ と つ で あ る EtherNet/IPがこの業界をリードして いる主な理由は、標準のイーサネット を使用していることにあります。これ は、特定のパフォーマンス目標を達成 するために、イーサネットの一部の機 能を回避している他の産業用イーサネ ットとは大きく異なります。リアルタイ ム制御が必要なアプリケーションに対 応するためにこのように修正を加える と、専用のハードウェア、ファームウェ ア、およびソフトウェアが必要となりま す。EtherNet/IPの実装にはそれらの いずれも必要ありません。 EtherNet/IPは、標準のイーサネッ トを土台にすることで、コアプロトコル の急速な進歩や拡張に対応してきまし た。その結果、EtherNet/IPがオフィス 環境で使用されるのと同じイーサネット プロトコルを使用しているために、今で 10 10 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC November 2012 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC は製造またはプロセスの全行程を共通 のスケーラブルなネットワーク上で実 行できるようになりました。生産現場か ら企業レベルへのシームレスなデータ 変換を可能にすることで、エンジニアリ ング作業と実装、および立上げコストを 大幅に節約することができます。 EtherNet/IPの大きな利点は、共通 のネットワークによる簡略化と機能性で す。過去、現在、未来を問わず、修正が 加えられていない標準のプロトコルを 土台としたEtherNet/IPへの投資は、 長期的に有効であり、幅広い事業と効 果的に統合できます。 将来を保証する資産 決定論的制御 最近のEtherNet/IPに関する最大 の進展は、統合CIPモーションの追加で す。統合CIPモーションにより、 オートメ ーション、ディスクリート、プロセス、安 全、およびモーションを共通のネットワ ーク上で処理できるようになります。さ らに、これらの主要な制御分野のすべ てを、共通のスケーラブルなソフトウェ ア環境であるRSLogix™ 5000を使 用してプログラムできるということが、 さらに魅力を高めています。ロックウェ ル・オートメーションは、新しいミッドレン ジのポートフォリオにこれらの機能を組 み込むことで、従来は大規模な設備で 採用されていた統合制御ソリューショ ンを、中・小規模のマシンまたはセルレ ベルに適用できるようにしました。 共通のアーキテクチャによるモーシ ョン制御が産業の市場にとって魅力的 である理由は多数あります。全体的な 見方をすると、多くの機械メーカおよび 製造メーカは、統合、安全、情報、診断、 およびサステナビリティなど複数の状 況に対応する必要があります。多くの 場合、 これには複数のプロトコルとそれ に使用する複数のベンダーの装置が必 要になり、そこから成果を上げるには、 相互に「通信」する必要があります。動 作の実現、および最終的な成果という 観点では可能ですが、 コストや必要にな るエンジニアリング作業を考えると不 可能な場合もあります。 よく聞かれる疑問は、 「他の制御機器 サプライヤが、モーション制御のために イーサネットを修正しているのに、なぜ 修正が必要ないのですか」というもの です。多くの競合他社は、EtherNet/ IPがモーションアプリケーションに相 応しくないと判断した理由としてスピ ードを挙げるでしょう。しかし、実際に は、EtherNet/IPでモーションコマンド を処理できることから、 この議論は誤り であることを証明できます。 CIP™ (Common Industrial Protocol: コモン・インダストリアル・ プロトコル)に基 づくD e v i c e N e t ™ 、EtherNet/IP、CompoNet™、およ びControlNet™などのネットワーク技 術をサポートする組織である、ODVA (Open DeviceNet Vendor Association)がうまく結論づけてい ます。通常、多軸モーション制御には、 イベントベ ースの 同 期が使 用されま す。この場合、ネットワーク上で、時間が 重視される周期的データをスケジュー ル通りに正確に配信することが必要に なります。速度や位置を正確に制御す るには、周期的データのジッタを1μs (マイクロ秒)未満にする必要がありま す。 しかし、イーサネットのCSMA/CD データ層では、ジッタを1μs未満に抑 えてデータを配信することはできませ ん。 この決定論の問題により、モーショ ン制御に関しては標準の修正を加えて いないイーサネットが除外されるよう に思われますが、ODVAでは、 イーサネ ットの4つの下位層を変更することな く、標準の修正を加えていないイーサ ネットおよびTCP/UDP/IPを使用し て、EtherNet/IPのこの制約を克服し ました。 EtherNet/IP上のCIPモーションは、 決定論のための戦略を変更することに より、問題を解決します。ネットワーク基 盤から厳格な決定論に関する要件を取 り除き、 アプリケーションのリアルタイム 制御のニーズを処理するために必要な タイミング情報はエンドデバイスに任せ ます。 このようにして、EtherNet/IP上の C I Pモーションは、クローズドループ のドライブ操 作に必 要な高 性 能 の 決 定論的制御を標準の修正を加えてい ないイーサネットを使用して実現しま す。200ns (ナノ秒)より優れた時刻同 期を簡単に実現でき、最も要求の厳し いモーション制御アプリケーションのニ ーズにも対応できるようになります。エ ンドデバイス内の時刻が正確に同期さ れ、 メッセージの情報にタイムスタンプ が含まれるため、 メッセージ受信時刻に 関するわずかなジッタは重要ではなく なります。EtherNet/IP上のCIPモー ションを使用すると、1msのネットワー クのアップデートで100軸すべての軸 を協調させることができます。 競合他社は1msでは彼らのソリュー ションよりも遅いと反論するかもしれま せんが、実際のアプリケーションでは、 モーションソリューションによって付与 される機械的拘束や慣性によりこの論 点は意味を持たなくなります。例えば、 最終的なアプリケーションをパッケージ ングまたはラベリングアプリケーション とした場合、 このような事例では1ms の速度で十分対応でき、その他主要な モーションアプリケーションに対しても 同様です。 EtherNet/IP上のモーションソリュ ーションに移行するメリットは多数あり ますが、 より幅広いシステムおよび企業 のニーズと共に考慮する必要がありま す。スケーラビリティ、柔軟性、 シームレ スな統合、共通の動作環境、および統 合アーキテクチャがすべて一緒になっ て機能することで、モーションだけでは なく、広範囲での機械およびプロセス 制御にとっても、非常に利点のある提 案になります。 さらに、将来性を保証されていること も大きく、ユーザにとってもデバイスの サプライヤにとっても、避けられないギ ガビットイーサネットへの移行は、市販 されている既成の技術を最大限に利用 することで容易に行えます。 決 定 論 的なリアルタイムのクロー ズド・ル ー プ・モ ー ション 制 御 の 要 件 を標 準 のイー サ ネットと組 み 合 わ せ て、IEEE 802.3およびTCP/IPを含 めた標準イーサネットへの完全な遵守 を可能にするのは、EtherNet/IP上の CIPモーション技術だけです。 AT www.powerohm.com Powerohm タイプPWブレーキモジュール PowerFlex® ACドライブ用 AC電圧: 208 - 720V 対称電流(A RMS): 50 - 1200A Powerohm タイプPKシリーズのブレーキキット 旧型ドライブおよび Kinetix®サーボ用 Powerohm タイプPWシリーズのモジュール 旧型ドライブ用 Powerohm パート番号 MFGパート番号 Powerohm パート番号 MFGパート番号 PKA005 1336-MOD-KA005 PWA018 WA018 PKA010 1336-MOD-KA010 PWA070 WA070 PKB005 1336-MOD-KB005 PWA115 WA115 PKB010 1336-MOD-KB010 PWB009 WB009 PKB050 1336-MOD-KB050 PWB035 WB035 PWB110 WB110 PKC005 1336-MOD-KC005 PWC009 WC009 PKC010 1336-MOD-KC010 PWC035 WC035 PKC050 1336-MOD-KC050 PWC085 WC085 Powerohm タイプPFブレーキレジスタ PowerFlex®および 旧型ドライブ用 圧延亜鉛めっきされたエンクロージャ N.C.温度スイッチ 2点端子台 お問い合わせ先 Ph.: +01-859-384-8088 Ext. 1 Fax: +01-859-384-8099 Email: [email protected] AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 11 TECHNOLOGY WATCH 変わり続ける市場のニーズに応える、 スケーラブルなオートメーションソリューション ロックウェル・オートメーションの新しいミッドレンジ(中・小規模)の製品ラインが、 最小 限のエンジニアリング作業で、 コントローラ間のプログラムの移行を可能にします。 敏 しょう性と柔軟性は、今日の製 造環境の重要な側面です。迅速 な変更、スループットの向上、極 めて短期間で様々な製品形態に対応可 能な企業は、ほぼ間違いなく機械・装置メ ーカや製造メーカにより最初に選ばれる 問い合わせ先になります。 このような敏しょう性を求め、 ますます 多くの企業が、彼らのニーズを理解し、変 化し続ける市場ニーズへ対応できる、ス ケーラブルな自動化ソリューションを提 供できるオートメーションサプライヤと協 業するようになっています。 ロックウェル・オートメーションが提供す る、機能強化されたミッドレンジのアーキ テクチャシステムは、処理能力の向上、先 進のモーション機能、EtherNet/IP™ネッ トワーク接続、幅広いプログラマブル・オ ートメーション・コントローラ(PAC)のシ ームレスなスケーラビリティにより、機械・ 装置メーカがこのようなニーズの多くに 対応できるように支援します。 スケーラビリティの力 したL2およびL3モデルは、 より広範なオ プションと、詳細なニーズに合ったパフォ ーマンス特性を提供します。 新しいCompactLogix製品の主要な 長所のひとつがスケーラビリティです。シ ンプルな機械では、L1 PACを使用した アプリケーションの開発が可能です。後に I/Oの追加やより多くの軸数が必要にな った場合は、L2またはL3 PACに移行す るだけで対応できます。新しいミッドレン ジの製品ラインのすべてのPACは、共通 の開発環境およびプログラミング言語を 使用しているため、 プログラム作成者は、 最小限のエンジニアリング作業で別のコ ントローラに簡単に移行することができ ます。 より複雑な機械のためにさらに強力 なソリューションが必要になった場合も、 このスケーラビリティが大きく貢献しま す。共通の開発環境とプログラミング言 語を使用することで、CompactLogix 製 品 間 で の 移 行 と 同 じくら い 簡 単 に、ControlLogix PACに移行すること ができます。この場合も、時間、エンジニ アリング作業、立上げ、およびトレーニン グを大幅に節約できます。 ControlLogix® L7エンジンを C o m p a c t L o g i x ™フォームファクタ に 組 み 込 む ことで 、か なりの 低 価 格 で、EtherNet/IP上の統合CIPモーショ 生産性拡大のためのツール ミッドレンジのPACで統合CIPモーシ ン機能を提供できるようになりました。ロ ックウェル・オートメーションのアーキテク ョンが使用可能になったことで、L1の最 チャおよびソフトウェア担当部長であるリ 低2軸からL3の最大16軸まで、高度な ー・レインは、 これによって、共通のネット モーションソリューションの開発も可能に ワークと開発環境、および完全に統合さ なりました。新しいKinetix® 350サー れた軸のポートフォリオを提供できるよう ボドライブと組み合わせることで、軸数の 少ないスタンドアロンアプリケーションに になると説明しています。 ミッド レ ン ジ の ハ ード ウェ ア とし 最適なソリューションが実現できます。 リー・レインによると、Logix5000™ て、CompactLogix L1 PACを、 シンプ ロックウェル・ ルなオートメーションアプリケーション用 開発環境を使用することで、 の堅実で信頼できる出発点にすることが オートメーションのMotion Analyzerも できます。以前のバージョンと比較する 同時に活用できるようになります。エンジ と、L1は他の先進機能に加え、より高速 ニアは、設備投資を実施する前に、設計を なプロセッサとより大きなメモリを備えて 評価するための強力なツールセットを使 います。これは、オートメーション業界の 用して、分析、最適化、シミュレーション、 他の企業が提供する高価な装置の実用 およびモーション制御システムの選択を 的な代替品になります。L1の機能を拡張 迅速かつ容易に行えるようになります。 12 12 June 2013 2012 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC November AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC EtherNet/IP通信がミッドレンジの 製品ラインの中心的要素になっている 状況にあわせて、ロックウェル・オート メーションは、ミッドレンジのアプリケ ーション用のイーサネットスイッチも 開発し、Cisco®テクノロジを採用した Stratix 5700™産業用イーサネット・ マネージド・スイッチを発売しました。 ITおよび製造の専門家のために、構成 や監視用のツールも開発されました。これ らのツールは、基幹ネットワークとの安全 な統合を可能にするだけでなく、ロックウ ェル・オートメーションの統合アーキテクチ ャ内からの簡単にセットアップと診断を可 能にします。 スケーラビリティは、急速に多くの機械 メーカと製造メーカにとっての最大の目 標になってきており、彼らが必要としてい るのは、移行が簡単で追加のエンジニア リング作業をほとんど必要としないスケ ーラブルなソリューションです。ロックウェ ル・オートメーションの新しいミッドレンジ の製品ラインは、 これらの明確なニーズ に応えて、短期的な目標を達成すると同 時に、市場の中期および長期的要求へも 対応できるよう開発されました。 AT WEB ロックウェル・オートメーションのミッドレンジの製品に 関する詳細は、次のWebページをご覧ください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/ Programmable-Controllers/CompactLogix VALUE PROPOSITION モーション設計を シンプルにする EtherNet/IP上の 統合モーション 機械メーカはロックウェル・オートメーションのソリュー ションを利用して、柔軟なロボット制御によるボトル処理 用パレタイズシステムを開発しました。 ア ラ バ マ 州 モ ント ゴ メ リ に 拠 点 を 置く、P r o d u c t i o n Automation Inc.(PAI)は、 飲料産業向けパレタイザの製造を専門 とする米国の機械メーカです。技術の 進歩により生産者が、ボトルに使用され るプラスチックの調整、パッケージのサ イズ変更、および幅広い販売店や消費 者への対応を実現できるようになるな ど、PAI社は長年にわたる進歩的な変化 を見てきました。 従来ではパレタイザは、物理的ダイバ ータを使用して、特定のパッケージング パターンに製品を分類していました。新 しいパッケージのサイズ、または構成ご とに、新しいパターンが必要になるため、 EtherNet/IP上の統合モーションが、共通のプ ログラミング環境と共に、 ガントリー・ハイブリッ ド・パレタイザの設計、制御、および統合を簡略 化します。 ダイバータの追加、削除、 または再配置 が必要になります。この変更により、通 常、テストも含めると3日間のダウンタ イムが発生してしまいます。その上、新 しいダイバータ、回転デバイス、または その他の構成要素に数万ドルの総コス トがかかります。 さらに、 ダイバータベースのパレタイ ザでは、製品の損傷および損失を出さず に、高速で薄いボトルを分類および包装 することは困難です。へこみ、蓋飛び、製 品の流出によっても、瓶詰め業者は経済 ーク接続にEtherNet/IPを選択しまし 的損失を被る可能性があります。 た。パレタイザのロボットアームに対す 一方で、ロボットアームを使用したパ る動作命令は、ControlLogix®プログ レタイザがダイバータの代替として開 ラマブル・オートメーション・コントローラ 発されてきましたが、一般的に運用費お (PAC)からEtherNet/IPネットワーク よび保守費が高くなります。また、 ロボッ を介して送られます。EtherNet/IPは、 トアームには、通常、高速で正確なモー 標準の基盤コンポーネントを使用する ションを実現するために、専用の制御プ ため、ゲートウェイやルータを必要とす ラットフォーム、 さらには専用の通信ネッ ることなく工場全体のイーサネットネッ トワークが必要になります。 トワークへ統合できます。 これらの問題を解決するために、PAI P A I 社 の 設 計 チ ー ム は 、M P シリ 社は、薄いボトルだけでなく、さまざま ー ズ ™ 低 イ ナ ー シャモ ー タ の 制 御 な構成やサイズの充填および封入を処 に、EtherNet/IP対応のKinetix® 理できる機械を開発することにしまし 6 5 0 0 サ ー ボドライブを 使 用しまし た。PAI社は、システム設計と実装に関 た。Stratix 6000™マネージドスイッ して、 ロックウェル・オートメーションの代 チでネットワークトラフィックを管理し、 理店であり、アラバマ州モントゴメリに ネットワーク上のデータ量を減らしま 拠点を置くKendall Electric Inc.社と す。モータとサーボドライブは共に、ロ 協業しました。 ックウェル・ソフトウェアのRSLogix™ 5000設計および構成ソフトウェアを使 統合システム 用して構成されています。 このチームの協業の成果が「ガントリ ー・ハイブリッド・パレタイザ」です。この 設計時間の短縮 PAI社では、Motion Analyzer設計 機械は、EtherNet/IP™上で統合モー ションを使用することで、 スピードと操作 ソフトウェアと共に、無料で提供されるド 性を犠牲にすることなく、PAI社のお客 ライブおよびモーション用アクセラレー 様が求めていた柔軟性と使いやすさを タツールキット(DMAT)を使用すること で設計時間を短縮しました。このツール 実現しました。 ガントリー・ハイブリッド・パレタイ この機械には、絶え間なく続くボトル により、 へのパッケージングを運搬するコンベア ザの実働物理モデルを、通常の開発時 ベルトの上にデュアルヘッドのガントリ 間の半分以下となるわずか3か月で設 ークレーンが取り付けられています。各 計し製作しました。 EtherNet/IP上での統合モーション クレーンからロボットアームが延びて横 方向に移動しながら、 ケースを掴み、 パレ を選択し、無料の設計ツールを利用する ット積載用に設定されたパターンで配置 ことにより、PAI社は、お客様が大幅な します。ケースを適切な位置で掴めるよ 機械的、またはソフトウェアの変更を必 パレットの積み上げパ うに、コンベアに沿った複数のポイント 要とすることなく、 でガードが上がります。コンベアの終端 ターンを変更できるシステムを開発しま で、配置済みのケースは注文依頼に基 した。その結果、ダウンタイムの削減と づいて、船積み用に重ねられたパレット 機械保守の簡略化を提供できるように なりました。 AT 上に下ろされます。 PAI社は、大量のデータを高速で処 理できることから、機械全体のネットワ AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 13 PRODUCT FOCUS 統合ドライブモータが パネルスペースを削減 耐荷重性に優れた直 線運動を簡単に実現 機械メーカは、 アレン・ブラドリーの 統合リニアスラスタで、耐荷重性に優 れた高速直線運動を簡単に実現できま す。LDATシリーズの統合リニアスラス タは、荷重を押す、引く、運ぶ動作を可 能にします。 このリニアスラスタでは、高速(最大 5m/s)、 ハイレベルの加速、および広 範囲のピーク推力(168∼4,305 N) を組み合わせることで最高の性能を発 揮します。本製品は、 カスタム設計され たベルトアクチュエータや連係装置を 使用して回転運動を直線運動に変換す るアプリケーションに最適です。例とし て、箱詰め機、 スタッカー、梱包機、 ケー スやトレイの成形機、搬送機、 ダイバー タ、排出装置、 ゲート昇降機、水平コン ベアなどがあります。 ダイレクトドライブ技術を使用する ことで、回転から直線運動変換に関連 する摩耗部品が減り、信頼性が向上し ます。統合リニアベアリングで荷重を 運ぶことができるため、外部ベアリン グを取り付けて調整する必要がありま せん。 Motion Analyzerソフトウェア(バ ージョン6.0以上)を使用することで、 性能を最適化してエネルギー消費を最 小限に抑えることができる、最も効率 的なドライブとアクチュエータの組み 合わせを選択してシミュレーションで きます。 統合リニアスラスタは、取付け時間 を最小限に抑え、 アレン・ブラドリーのど のサーボドライブとも使用できます。ま た、 アレン・ブラドリーのサーボモータ製 品と同じSpeedTEC® DINコネクタ を使用して、素早く確実に組み立てるこ とができます。 詳細は、次のWebページをご覧ください (英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/ motion-control/actuator/ integrated-linear-thrusters 14 June 2013 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC 新しいKinetix® 6000M統合ドライブモータ システムを使用することで、制御システムの筐体サ イズの削減、配線にかかる時間の短縮、および配線 の簡素化を実現することができます。このドライブ モータは、高パフォーマンスのMPシリーズ食品用 サーボモータとKinetix 6000多軸サーボドライブ技術を兼ね備えた、 コンパクトなオン マシンパッケージです。 Kinetix 6000Mドライブモータは、Kinetix 6000およびKinetix 6200多軸サー ボドライブシステムと統合できるように設計されています。また、標準のKinetix 6000 のパワーレールに直接取り付けられる、統合ドライブモータ用パワー・インターフェイス・ モジュールを備えています。取付けフランジとシャフトの寸法は、同じフレームサイズの MPシリーズモータと等しいため、統合ドライブモータ技術の利用の際に必要な機械の変 更は最小限になります。 このシステムは、包装、加工、印刷、織物用機械などのモータを多用するアプリケーション で使用できます。また、強化されたシーリング技術、食品の生産環境に適した耐食性材料の使 用と塗装により、食品飲料の包装や処理アプリケーションに特有のニーズにも対応します。 新しいドライブモータは、3種類の異なるフレームサイズから選択でき、保持ブレーキ およびSIL2/PLdの安全トルクオフ機能がオプションで提供されています。 詳細は、 次のWebページをご覧ください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/motion-control/kinetix-6000m-servo-drive-motor 産業用マネージドスイッチがネットワーク基盤を 簡素化 Stratix 5700™は、Cisco®社のテクノロジを採用した、 コンパクトでスケーラブルな レイヤ2のマネージドスイッチです。このスイッチは、小規模な独立したネットワークから複 雑なネットワークまで幅広いアプリケーションで使用できるように設計されています。これ により、分散デバイスのモニタと制御を行い、工場フロアと基幹システムの統合を実現で きます。 Stratix 5700シリーズのスイッチは、基本的な6、10、 または20ポートの3種類の 構成を用意しています。いずれの基本モデルにも、 デュアル電源、入力および出力アラ ーム、 コンソールポート、 ファイバー対応SFPスロット、DINレールマウントが含まれてお り、動作温度範囲は-40∼60° Cです。オプションには、2基のギガビットポート、SDカー ド、IEEE1588準拠、絶縁保護コーティング、および2種類のソフトウェア構成があります。 このスイッチを使用して、ITおよび制御の両方の環境から管理と診断を行うことができ ます。簡単に置き換えができるような構成になっているSDカードを使用して、 デバイス交 換を簡素化しています。さらに、 セキュリティ機能を使用すると、認証済みのデバイス、ユー ザ、 トラフィックだけにネットワークへのアクセスと利用を許可することができます。 ステータスのモニタおよびアラーム用のFactoryTalk® Viewフェイスプレートが、 シ ステムに組み込まれています。また、 このスイッチには、 ロックウェル・オートメーションの統 合アーキテクチャに統合するためのStudio 5000™ Logix Designerアドオンプロファ イルも含まれています。 詳細は、 次のWebページをご覧ください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/Networks-and-Communications/Stratix-5700-Ethernet-Switches PRODUCT FOCUS 新しい機械のコンセ プトの設計と検証 Motion Analyzer 6.00ソフトウェ Kinetix®モーション制御システ アは、 ムの分析、最適化、選択、 および検証に 使用できる、 モーションアプリケーショ ンのサイズ決定ツールです。 このソフトウェアを使用すると、 機械 設計のプロセスが簡単になり、 実際に 装置を購入または設置せずに、新しい 機械のコンセプトの設計と検証を行う ことができます。 このソフトウェアは無料でダウンロ ードでき、簡体字中国語も含めた簡 単な言語切換えをサポートしていま す。Motion Analyzer 6.0を使用する と、以下のことが可能になります。 • アプリケーションの需要に最適な ソリューションを決定するために、 複数セグメントのサイクルプロフ ァイルを作成してシミュレーション • SolidWorks 3D CADの3D機 械設計をRSLogix™ 5000ソフ トウェアで制御プログラムを生成 するためにリンク • RSLogix 5000ソフトウェアに モーションプロファイルを直接エ クスポートして、 スタートアップや 立上げを促進 • 比率分析およびシステム効率分 析ツールを使用して、機械のサス テナビリティを最適化 • システム性能を検証し、長期にわ たるマシンの信頼性を最大化 • 機械設計を完成させるため、幅広 いKinetixモーション制御製品お よび機能から選択 • 部品表(BOM)の生成 詳細は、次のWebサイトを参照してください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/ Motion-Control/Motion-AnalyzerSoftware RSLogix 5000の更新 バージョン20.01.00のRSLogix™ ogix™ 5000設計 語版と海外版があります このソフトウ および構成ソフトウェアには、英語版と海外版があります。 ェアは、共通の制御基盤を求めている機械メーカ、 システムインテグレータ、および製 造メーカに、高性能な統合制御システムを提供します。共通の開発環境で、 プロセス、 バッチ、 ディスクリート、 ドライブ、安全、およびモーション分野のアプリケーションの開 発ができます。 このリリースでは、 コントローラファームウェアが更新され、CompactLogix™ L2コントローラファームウェアが追加されています。 バージョン20で拡張された機能には、広範囲に及ぶコントローラ、I/O、およびドラ イブ(Kinetix® 350単軸サーボドライブを含む)のサポート、幅広いデバイスの統 合、安全機能の強化、およびEtherNet/IP™上の統合CIPモーションが含まれます。 詳細は、 次のWebサイトを参照してください(英語)。 http://www.rockwellautomation.com/rockwellsoftware/design/ rslogix5000/whatsnew.html 制御室や工場フロア用の、 ディスプレイなし のコンピュータ ディスプレイなしの産業用コンピュータがアプリケーションの性能を向上させます。 アレン・ブラドリーの産業用コンピュータは、 ロックウェル・ソフトウェアの一連のソリ ューションをさらに強化します。制御室または工場フロアのいずれで使用する場合で あっても、 この産業用コンピュータは、 スペース制限、取付け制限、およびその他の要 件に対するソリューションを提供します。 マシン取付けおよび4Uラック取付け構成のディスプレイを持たないモデルでは、 「パフォーマンス」 と 「サーバ」のレベルが特徴的で、現在のモデルと同じハウジング と寸法で提供されます。コンピュータにはあらかじめ、Windows® Server 2008 RS/Windows 7 64ビットまたはWindows XP Pro SP3がインストールされて います。性能は、CPU Markのスコアで10倍まで向上しました。 このコンピュータには、 オペレーティングシステムの起動と起動前アプリケーション の実行のための統合診断と、 UEFI (Unified Extensible Firmware Interface)を 備えています。また、 リモートからのデバイスの問い合わせ、回復、 アップグレード、 およ び保護を可能にするIntel® AMT (Active Management Technology)が組み込 まれています。 サーババージョンにはRAID 1機能が付属しており、2つのハードディスクを使用す ることで、1つが故障した場合でも、 もう1つが稼働します。 詳細は、 次のWebサイトを参照してください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/Computers/Non-Display-Computers/Bulletin-6177 AUTOMATION TODAY ASIA PACIFIC June 2013 15 PRODUCT FOCUS ControlLogix 冗長モジュール ControlLogix® 1756-RM2 冗長モジュールは、冗長コントロー ラアーキテクチャに対応しており、 追加のプログラミングは必要あり ません。 プログラムは、 プライマリコント ローラからセカンダリコントローラ に自動的にクロスロードされます。 プライマリは、 コントローラの同期 を維持するために、変更のあったデ ータをセカンダリに自動的に送信 します。プライマリに障害が発生すると、自動的にセカンダリに 制御が切り換わります。コントローラの冗長性は、EtherNet/ IP™またはControlNet™ネットワーク上に接続されているデ バイスに対して透過的です。 1756-RM2には、高速データスループット、1GBのファイ バスピード、冗長ファイバチャネル、および拡張診断の表示など の特長があります。1756-RMおよび同じ通信モジュールに使 用されているファームウェアのバージョンに対応しています。 1756-RMとは通信しないため、既存のシステムでは、 プラ イマリとセカンダリの2つ1組でアップグレードする必要があ り、両方のシャーシに1756-RM2が必要です。 詳細は、 次のWebページをご覧ください(英語)。 http://ab.rockwellautomation.com/ProgrammableControllers/ControlLogix-Redundancy-Modules モデル予測制御を簡単にする Pavilion8ソフトウェア 新しいツールが追 加されたロックウェ ル・オートメーション のPavilion8®モデ ル予測制御(MPC)ソ フトウェアを使用する と、 シンプルなものか ら複雑なものまで、 独自のプロセスモデ ルを作成することが できます。 Pavillion8バージョン4.0は、 方程式、実験的データ、 お よび経験則を含む施設内のデータを収集し、 プロセスモデ ルを開発するのを支援します。 このソフトウェアは、継続的に現在と予測の運転データを 評価し、望ましい結果値との比較を行い、新たな制御目標を 算定します。これにより、 プロセス内のばらつきを抑制し、 プ ロセスにおけるパフォーマンスを向上させます。 ソフトウェ アは、外部のサポートに頼る必要なく、独自に多数のモデル を構築、維持、 および調整できるソリューション・ビルダ・ツー ルと、 Googleの最新のWebツールを利用してカスタマイ ズ可能な、 ブラウザベースのユーザエクスペリエンスを提 供するウェブベースのダッシュボードと、 プロセス状態の変 更時にステップテストの工程を簡単に、迅速に、 そして柔軟 に変更できる自動ステップテスタを備えています。 詳細は、次のWebページをご覧ください(英語)。 http://www.rockwellautomation.com/rockwellautomation/solutionsservices/capabilities/process-solutions/process-optimization.page 1616 November June 20132012 AUTOMATION AUTOMATION TODAY TODAY ASIAASIA PACIFIC PACIFIC ロックウェル・ ソフトウェアの PharmaSuite が生命科学産 業の開発期間短縮を支援 最新のロックウェル・ソフトウェアPharmaSuite™バージョンは、 規制産業を対象に、規制要件に対応しながら、 リスクとコストの低 減、および開発期間の短縮のための新しい基準を設定しました。 このソフトウェアには、調剤、品質管理、および電子バッチ記録な ど、最も一般的なアプリケーションに対応する包括的な機能が含ま れています。規制を受ける製造業者は、持続的かつ予測可能な方法 で運用目標と生産性の要件を達成できるようになります。また、 この ソフトウェアは、製造プロセスに関わる材料、機器、人材を追跡し、完 全な電子バッチ記録を維持します。 ロックウェル・ソフトウェアのPharmaSuiteは、S88およびS95 規格に準拠しているため、製造作業に関わる他の基幹システムとも 確実に統合できます。このソフトウェアの基盤は、FactoryTalk® ProductionCentreプラットフォームです。 リリース4.0から、 レシ ピ生成にIntelligent Migration and Modeling Support(イン テリジェントマイグレーション&モデリングサポート)が採用されてい ます。 詳細は、次のWebページをご覧ください(英語)。 www.rockwellautomation.com/rockwellsoftware/ lifesciences 価格と性能のバランスが非常によく、 ポテンショメータから置き換える ことができます。 ついに、位置センサにおいて完全な 電子ソリューションを提供できるよう になりました。新しい955 eBrikは 磁歪技術を採用しているために接点 や可動部品が存在しないため、磨耗 がなくなり、不規則な位置センサ信号 もありません。25∼1,825mmの ストローク長と、経済的かつ多用 途向けの構成により、多くのア プリケーションに対応できます。 現場でもプログラムも可能で、 旧式のポテンショメータの最適 な代替品となります。詳細は、当 社のウェブサイトをご覧いただくか、 [email protected]までお問い 合わせください。 ametekapt.com 統合アーキテクチャツール: Accelerator Toolkits ロックウェル·オートメーションのAccelerator Toolkits (アクセラレータツールキット)を使用 すると、設計、ソフトウェア開発やプロジェクトの立上げをスピードアップできます。ツール キットには、ハードウェア製図用テンプレート、コントローラとHMIのためのサンプルコード の他に、それらをまとめる 方法を説明するために クイック・スタート・マニュアルが付属して います。ダウンロードするか、ロックウェル· オートメーションからこれらのDVDを注文し て、これらのツールがプロジェクトを「促進」 する方法を体験してください。ツールキット は、以下のサイトからダウンロードできます。 www.ab.com/go/iatools Copyright © 2012 Rockwell Automation, Inc. All Rights Reserved IASIMP-AD003A-EN-E 孵卵器 HVAC (冷暖房空調)システム 自動販売機 離れた場所から 重要な情報を入手 アレン・ブラドリーのMicro830用の ProSoft Technology製のILX800-SMSGテキスト 化モジュールを使用すると、企業内の機械から 携帯電話に重要な情報をメールで送信できます。 以下のお役に立ちます: 自動化システムの構築 機械メーカ 給水システム 装置製造メーカ ...などなど インドや オーストラリア で利用可能 ce – Malaysia Tel: +603.7724.2080 Email: [email protected] Where Automation Connects™ ASIA PAC I F I C | AFRICA www.prosoft-technology.com/ILX800_SMSG | EUROPE | MIDDLE EAST | L AT I N AMERICA | NORTH AMERICA