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入浴施設の管理について

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入浴施設の管理について
入浴施設の管理について
入浴施設の設備、水質等を適切に管理し、衛生の向上及び確保を図りましょう。
レジオネラ症発生防止のためにも、徹底した衛生管理を行ないましょう。近年、入浴施設
等を発生源とした感染事例が報告されており、死亡者も出ています。
レジオネラ症とは?
レジオネラ属菌の感染によって起こる感染症で、病状の進行が早く、死亡することもある
「レジオネラ肺炎」と、数日で自然に治る場合が多い「ポンティアック熱」に分けられます。「レジオネラ肺炎」は、
乳幼児や高齢者、病人など抵抗力が低下している人や健康な人でも疲労などで体力が落ちている人などが発
病しやすいといわれています。
レジオネラ症防止のためには?
①菌 を増 やさない ②生 物 膜 をつけない ③エアロゾルを吸 い込 ませない
といった3点を基本とし、管理することが重要です。
レジオネラ属菌は、生物膜に生息する微生物等の中で繁殖し、消毒剤から保護されてい
るため、浴槽の清掃や浴槽水の消毒では十分ではありません。ろ過器及び浴槽水が循環す
る配管内等に付着する生物膜の生成を抑制し、その除去を行なうことが必要です。また、
浴室におけるエアロゾル(目に見えないぐらいの水滴)の発生をできるだけ抑制すること
により、汚染された湯水による感染の機会を減らすことも必要です。
条例等の規定を遵守し、また厚生労働省が示した要領等も参考に構造設備上の措置、維
持管理上の措置を講じましょう。
具体的な管理方法は?
1 貯湯槽、貯水槽
(1) 貯湯槽内の湯温を常に 60℃以上に保つこと
ただし、60℃未満でも槽内の湯水を塩素系薬剤により消毒した場合を除く
(2) 槽内に生物膜が生じないよう定期的に清掃すること
定期的な清掃、消毒は、1年に 1 回以上が望ましい
2 ろ過器、循環経路
(1) ろ過器は十分逆洗浄できるろ材で、1時間あたりのろ過能力は浴槽の容量以上とすること
(2) ろ過器は1週間に1回以上逆洗浄し、汚れを十分に排出すること
(3) ろ過器と循環配管に生ずる生物膜を適切な消毒方法で除去すること
水位計、連通管等の配管についても同様に管理することが望ましい
3 集毛器
(1) 浴槽水をろ過器に送るための配管の途中に設けること
(2) 毎日清掃すること
4 消毒設備
(1) 塩素系薬剤の注入口又は投入口は、浴槽水がろ過器に流入する直前とすること
(2) 維持管理を適切に行なうこと
消毒剤が注入されているか毎日確認しましょう
5 回収槽、調整箱
(1)
回収槽内の湯水を浴用に再利用しないこと
ただし、回収槽について、清掃が容易な構造かつ消毒設備があり、清掃及び消毒を1週間に1回以上実
施し、かつ、回収槽内の湯水を塩素系薬剤により消毒している場合は、浴用に利用することができます。
(2) 調整箱は定期的に清掃を行なうこと
6 気泡発生装置等
(1)
気泡発生装置、ジェット噴射装置その他の空気中に微小な水粒を発生させることとなる装置は、空気取
込口から土ぼこりが入らないこと
(2)
浴槽水は毎日全換水すること
7 シャワー
(1)
シャワーの湯は原水とすること
(2)
週に 1 回程度、定期的な点検、清掃に努め、シャワーヘッドに生物膜(ヌメリ)がないようにしましょう
8 浴槽水
(1) 屋内の浴槽水と屋外の浴槽水と混じらないようにすること
(2) 浴槽の浴槽水は常にあふれ出る状態にすること
(3) 毎日、完全に入れ換えること
ただし、ろ過器による循環水で、気泡発生装置、ジェット噴射装置等を使用していない浴槽の場合、1週間に 1
回以上、完全に入れ換えること
(4) 遊離残留塩素濃度は 0.2~0.4 ㎎/L に維持するよう努め、かつ 1.0 ㎎/L を超えないようにすること
(5) 遊離残留塩素濃度を頻繁に測定し、測定結果を 3 年間保存すること
(6) 原水及び浴槽水は、水質基準を遵守すること
項
色
目
検査方法
原
基
水
準
浴 槽 水
比色法、透過光測定法
5 度以下
―
比濁法、透過光測定法、積分球式光電光
濁
度 ※
2 度以下
5 度以下
度法、散乱光測定法、透過散乱法
水素イオン濃度 ※
ガラス電極法、比色法
5.8 以上 8.6 以下
―
有機物等(KMnO4 消費量)※
滴定法
10mg/L 以下
25mg/L 以下
原 水
浴槽水
乳糖ブイヨン-ブリリアントグ
50mL 中に
下水の水質の検定方
大 腸 菌 群
1 個/mL 以下
リーン乳糖胆汁ブイヨン培
法等に関する省令第
検出されない
地法、特定酵素基質
6条に規定する方法
培地法
検出されない
レジオネラ属菌
冷却遠心濃縮法、ろ過濃縮法
(10CFU/100mL 未満)
注1)旅館業の個人用浴室の原水並びに循環水を用いない構造の個人用浴室の浴槽水は除く。
注2)※印の項目は、湯水の性質により基準に適合させることができない場合で、かつ衛生上危害を加えるおそれ
がないときは、基準によらないことができる。
(7)
度 ※
系統毎に決められた頻度で水質検査を実施すること
ア 原水の水質検査…色度、濁度、水素イオン濃度、過マンガン酸消費量、大腸菌群、レジオネラ属菌の6項目
(ア) 原水が水道水以外の温泉水、井戸水等を使用している場合は、1年に 1 回以上
イ 浴槽水の水質検査…濁度、過マンガン酸消費量、大腸菌群、レジオネラ属菌の4項目
(ア) 塩素系薬剤による消毒をしていない浴槽水は、1年に4回以上
(イ) 塩素系薬剤による消毒をし、毎日全換水している浴槽水は、1年に1回以上
(ウ) 塩素系薬剤による消毒をし、毎日全換水していない浴槽水(連日使用循環水)は、1年に2回以上
(8) 水質検査結果は3年間保管すること
(9) 水質検査結果が水質基準に適合していない場合、直ちに保健所長に報告すること
9 その他
厚生労働省のホームページに「レジオネラ対策のページ」が掲載されています。施設管理の参考にし、施
設利用者が安心して利用できるよう衛生等の向上及び確保を図りましょう。
(厚生労働省のHP)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei25/
高松市保健所 生活衛生課 環境衛生係
〒760-0074 高 松 市 桜 町 1-10-27
(TEL)087-839-2865/(FAX)087-839-2879
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