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地域連携と製薬メーカーの役割
~認知症連携について~
国際医療福祉大学大学院教授
武藤正樹
国際医療福祉大学三田病院
2012年2月新装オープン!
目次
• パート1
– 社会保障・税の一体改革
• パート2
– 医療計画見直しと報告制度
• パート3
– 大きく変わる認知症施策
• パート4
– 地域連携と製薬メーカーの役割
パート1
社会保障・税の一体改革
2025年へ向けて、医療・介護のグランドデザインの議論
社会保障制度改革国民会議(会長 清家慶応義塾大学学長)
で始まった(2012年11月30日)
社会保障・税一体改革(8月10日)
消費税関連法案国会通過
• 8月10日に社会保障と税
の一体改革関連法案が参
院本会議で賛成多数で可
決さた。
• 現在5%の消費税率を14年
に8%、15年に10%に引き
上げることなどを盛り込ん
だ。
• その背景は・・・
団塊世代の高齢化と、激増
する社会保障給付費問題
2012年8月10日、参議院を通過
団塊の世代の少年時代は「3丁目の夕日」
2025年
140兆円
GDP対比
30%
社会保障関係費だけで国の
一般歳出の53%を占めている
一般会計税収の推移
税収は
たったの40兆!
そしてついに増税!
しかし、
その前になすべきことは?
医療・介護の徹底した効率化
社会保障・税の一体改革
医療・介護サービス提供体制の見直し
2011年度
2025年度
一般病床
107万床
機能分化し
て103万床
居住系施
設や外来・
在宅医療
は大幅増
薬
局
薬
剤
師
2012年は地域包括ケア元年
報
酬
改
定
2013年
医
療
計
画
医療計画
介護
保険
事業
計画
介護
保険
事業
計画
2018年
2023年
医療計画
介護
保険
事業
計画
介護
保険
事業
計画
医療計画
介護
保険
事業
計画
医療計画
介護
保険
事業
計画
介護
保険
事業
計画
医
療
介
護
の
あ
る
べ
き
姿
16
入院病床の機能分化
中医協調査専門組織
入院医療等調査・評価分科会(2012年8月1日)
診療報酬による機能分化
~杯型から砲弾型へ~
高度急性期に
残れるのは18万床
7対1、10対1
一般病棟の
一部は亜急性期へ
療養病床から
亜急性期へ
中医協で議論されている
入院基本料の見直し
• 算定要件
– ①看護配置数
入院基本料
– 入院サービスの基本料
金、病院のホテルサー
ビス料金
• 看護師の配置数だけでよ
いのか?多職種配置?
– ②重症度・看護必要度
• 評価票はこのままでよい
のか?
– ③平均在院日数
• 平均在院日数のみでよ
いのか?
①
多職種配置
②
厚生科学研究で
検討
③ 平均在院日数と在宅復帰率?
在宅復帰率?
パート2
医療計画見直しと報告制度
2006年6月第5次医療法改正
地域医療計画の見直し
医療計画は医療提供体制の基本計画
地域医療計画の見直し(2006年医療法改正)
疾病別・事業別の診療ネットワーク構想
これまでの医療計画の
考え方
日常医療圏と診療ネットワーク構想
日常医療圏
二次医療圏に近いが
疾患や地域に
よっては異なる
医療機関
3次医療
介護施設
2次医療
移行
1次医療
医療機関
医療機関
現在の医療計画の問題点
①患者の実際の受療行動と異なる
②疾病動向を勘案していない
③地域の医療機能に関係なく
結果として大病院重視の階層構造
医療機関
患者・住民
介護施設
かかりつけ医
核となる
医療機関
医療機関
保健所
特殊な医療は都道
府県を越えた
対応が必要
医療機関
疾病別、事業別(がん、脳卒中、糖尿病、小児救急など)
4疾患5事業
• 4疾病
– ①がん
– ②脳卒中
– ③急性心筋梗塞
– ④糖尿病
• 5事業
– ①救急医療
– ②災害医療
– ③へき地医療
– ④周産期医療
– ⑤小児医療
第5次医療法改正で
保険薬局も大きく役割が変わった!
「医療提供施設」としての保険薬局
改正医療法の第1条の2
「病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施す
る薬局その他医療を提供する施設」とし、「調剤を実
施する薬局」を、初めて「医療提供施設」と明記した
●これまでの経緯
●
前回97年の第4次医療法改正時は、薬局に関しては、
「医薬分業の推進」が地域医療計画の「任意記載事項」とし
て盛り込まれただけにとどまっていた。
ー
– 今回の医療法改正は保険薬局の機能にとっては画期的
ともいえる改正
医療計画作成指針(07年7月通知)
• 「薬局の役割」
– 医療計画の「4疾病・5事業にかかる医療連携体制の中
で、調剤を中心とした医薬品や医療・衛生
材料の供給拠点としての役割を担うことが求められ
る」
– 「都道府県においては、医療機関と薬局の機能分担およ
び業務の連携によって、時間外においても対応できること
などを計画に記載することにより、患者や住民に対し分か
りやすい情報提供の推進を図る」
– 医療計画の案の作成の段階から、都道府県は「調剤に関
する学識経験者の団体」すなわち都道府県の薬剤師会
の意見を聞かなければならないと規定された。
医療計画と保険薬局
• 日本薬剤師会 山本信夫前副会長
– 「これまでの医療計画には、薬局は医薬分業としての機能しか含ま
れていなかった。しかし医療法改正で、薬局が医療提供施設となった
ことによって、医療計画の中の医療提供施設といえば全てに薬局が
含まれるものと認識している」
– 「4疾病・5事業への参加については 、急性期医療に関しては難しい
が、それ以外の癌、糖尿病、脳卒中などすべての疾病に対して、医
薬品の供給という面で関与できるだろう」
– 「また5事業 については、災害時における医療には既に取り組んで
いる 。さらにへき地医療は今後検討すべき課題になる」
– 「在宅医療の観点では、薬剤師の出番はた
くさんある 」。
2013年新たな医療計画がスタートする
2010年
2011年
2012年
2013年
2008年~2012年(医療計画の5年間)
厚
生
労
働
省
都
道
府
県
(10月~)
社会保障審議会医療部会
における議論
(12月~)
医療計画の見直し等に関する検討会
医療計画作成指針の改正案等について
議論
改正指針
等を都道府
県へ提示
医療計画
の策定
医療計画
の実施
医療計画見直し等検討会
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
伊藤
尾形
神野
齋藤
末永
鈴木
池主
中沢
長瀬
伏見
布施
伸一
裕也
正博
訓子
裕之
邦彦
憲夫
明紀
輝諠
清秀
光彦
日本医療法人協会副会長
九州大学大学院医学研究院教授
全日本病院協会副会長
日本看護協会常任理事
日本病院会副会長
日本医師会常任理事
日本歯科医師会常務理事
神奈川県保健福祉局保健医療部長
日本精神科病院協会副会長
東京医科歯科大学大学院教授
健康保険組合連合会副会長
• ○武藤 正樹 国際医療福祉大学大学
院教授
•
•
山本 信夫 日本薬剤師会副会長
吉田 茂昭 青森県立中央病院長
第1回検討会
2010年12月17日
4疾患5事業の見直しの方向性
• 4疾病
– ①がん
– ②脳卒中
– ③急性心筋梗塞
– ④糖尿病
– ⑤精神疾患
2次医療圏見直し
• 5事業
– ①救急医療
– ②災害医療
– ③へき地医療
– ④周産期医療
– ⑤小児医療
– *在宅医療構築
に係わる指針を
別途通知する
在宅医療に係わる医療体制の
充実・強化
「在宅医療指針」
• 国立長寿医療研究センターが中心になって
取りまとめた「在宅医療体制構築に係る指針
案」を参考にする方針。
– 24時間365日、患者の生活の視点に立った多職
種連携医療の確保
– 看取りまで行える医療のための連携体制
– 認知症の在宅医療の推進
– 介護との連携―などの観点から、各都道府県が
地域の実情に合わせて計画を策定すべき
精神科疾患を5疾患に追加
日本の精神医療の特殊性
OECD加盟国の人口1000人あたりの精神科病床数
精神疾患が地域医療計画の
5疾患に加えられると・・・
• 精神科医療施設の診療機能の明示
• 地域医療計画における数値目標の
明示
• 精神疾患における地域連携体制の
構築
• 地域連携クリテイカルパスの作成
病床機能情報報告制度と
次期医療計画見直し
「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」
(座長 学習院大学遠藤久夫教授)
病床機能情報報告制度
• 2014年度から以下の病床機能類型について病
棟ごとに都道府県に報告する
• 病床機能の6種類(種類名は仮称)
– (1)急性期
– (2)亜急性期
– (3)回復期
– (4)長期療養
– (5)障害者・特殊疾患
– (6)そのほか(病棟内に機能が混在しているケース)
病床機能情報の報告・提供制度
2025年へのロードマップ
報
酬
改
定
2013年
医
療
計
画
病床
機能
情報
報告
制度
2018年
2023年
医療計画
医療計画
病床機能情報
報告制度
医療計画
医療計画
病床機能情報
報告制度
病床機能情
報報告制度
医
療
介
護
の
あ
る
べ
き
姿
50
病床機能情報報告制度では
医療連携情報も報告する
急性期→回復期→在宅等の
患者の流れを報告する
パート3
大きく変わる認知症施策
藤田厚生労働前政務官
軽度認知障害
(MCI)は300
万人
認知症の人の精神科病院への
長期入院の解消
• 「認知症の人」の不適切な「ケアの流れ」の結
果として、認知症のために精神病床に入院し
ている患者数は、5.2万人(平成20年患者調
査)に増加し、長い期間入院し続けるという事
態を招いている。 (厚生労働省認知症施策検
討プロジェクトチーム )
「今後の認知症施策の
方向性について 」
厚生労働省認知症施策検討プロジェクトチーム
2012年6月18日
厚生労働省認知症施策
検討プロジェクトチーム
• 主査
– 藤田厚生労働大臣政務官
• 副主査
– 医政局長
– 社会・援護局長
– 障害保健福祉部長
○ 老健局長
– 保険局長
• メンバー
– 医政局指導課長
– 障害保健福祉部精神・障害保健課
長
– 老健局介護保険計画課長
– 老健局高齢者支援課長
– 老健局高齢者支援課認知症・虐待
防止対策推進室長
– 老健局振興課長
– 老健局老人保健課長
– 保険局医療課長
• 事務局
– 老健局高齢者支援課認知症・虐待
防止対策推進室
– 障害保健福祉部精神・障害保健課
今後目指すべき基本目標
• 検討プロジェクトの目指すところ
– 「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得な
い」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思
が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮
らし続けることができる社会」の実現を目指している。
• これまでのケアの流れを変える
– 「自宅→グループホーム→施設、あるいは一般病院・精神
科病院」というような不適切な「ケアの流れ」を変え、むし
ろ逆の流れとする
– 標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス
提供の流れ)を構築する。
認知症、
5つの問題点、7つの視点、
5つの重点施策
5つの問題点(1)
• ①早期診断から早期の適切なケアへ
– 早期の診断に基づき、早期の適切なケアに結びつける
仕組みが不十分である。このため、早期の適切なアセス
メントによるケアの提供、家族への支援があれば、自宅で
生活を送り続けることができる認知症の人でも、施設や精
神科病院を利用せざるを得なくなっている。
• ② 不適切な薬物使用
– 不適切な薬物使用などにより、精神科病院に入院するケ
ースが見受けられる。
5つの問題点(2)
• ③ 一般病院・施設での受け入れ拒否
– 一般病院で、身体疾患の合併等により手術や処置等が必要な認知
症の人の入院を拒否したり、行動・心理症状に対応できないので精
神科病院で対応してもらう等のケースがある。
– 施設でも、行動・心理症状に対応できないので、精神科病院に入院し
てもらうケースがある。
• ④ 精神科病院の入院適応
– 認知症の人の精神科病院への入院基準がないこともあり、必ずしも
精神科病院への入院がふさわしいとは考えられない認知症の人の
長期入院が見られる。
• ⑤退院支援と地域連携
– 退院支援や地域連携が不十分であり、精神科病院から退院してもら
おうと思っても地域の受入れ体制が十分でない。
7つの視点からの取り組み
•
•
•
•
•
•
•
1.標準的な認知症ケアパスの作成・普及
2.早期診断・早期対応
3.地域での生活を支える医療サービスの構築
4.地域での生活を支える介護サービスの構築
5.地域での日常生活・家族の支援の強化
6.若年性認知症施策の強化
7.医療・介護サービスを担う人材の育成
1.標準的な認知症ケアパスの作成・普及
2.早期診断・早期対応
•
•
•
•
① かかりつけ医の認知症対応力の向上
② 「認知症初期集中支援チーム」の設置
③ アセスメントのための簡便なツールの検討・普及
④ 早期診断等を担う「身近型認知症疾患医療センター」
の整備
• ⑤ 認知症の人の適切なケアプラン作成のための体制の
整備
3.地域での生活を支える
医療サービスの構築
• ① 「認知症の薬物治療に関するガイドライン」の策定
• ② 一般病院での認知症の人の手術、処置等の実施の
確保
• ③ 一般病院での認知症対応力の向上
• ④ 精神科病院に入院が必要な状態像の明確化
• ⑤ 精神科病院からの円滑な退院・在宅復帰の支援
4.地域での生活を支える
介護サービスの構築
• ① 医療・介護サービスの円滑な連携と認知症施策
の推進
• ② 認知症にふさわしい介護サービスの整備
• ③ 地域の認知症ケアの拠点としての「グループホー
ム」の活用の推進
• ④ 行動・心理症状等が原因で在宅生活が困難とな
った場合の介護保険施設等での対応
• ⑤ 介護保険施設等での認知症対応力の向上
5.地域での日常生活・家族の
支援の強化
• ① 認知症に関する介護予防の推進
• ② 「認知症地域支援推進員」の設置の推進
• ③ 地域で認知症の人を支える互助組織等の活動へ
の支援
• ④ 「認知症サポーターキャラバン」の継続的な実施
• ⑤ 高齢者の虐待防止などの権利擁護の取組の推進
• ⑥ 市民後見人の育成と活動支援
• ⑦ 家族に対する支援
6.若年性認知症施策の強化
• ① 若年性認知症支援のハンドブック作成
• ② 若年性認知症の人の居場所づくり
• ③ 若年性認知症の人のニーズ把握等の取
組の推進
• ④ 若年性認知症の人の就労等の支援
7.医療・介護サービスを担う
人材の育成
• ① 「認知症ライフサポートモデル」の策定
• ② 認知症ケアに携わる医療、介護従事者に
対する研修の充実
• ③ 介護従事者への研修の実施
• ④ 医療従事者への研修の実施
5つの重点施策
• ① 早期診断と「認知症初期集中支援チーム」による
早期ケアの導入
• ② 「認知症の薬物治療に関するガイドライン」の策定
• ③ 一般病院入院中の身体合併症を持つ認知症の人
や施設入所中の行動・心理症状発症者に対する外
部からの専門家によるケアの確保
• ④ 精神科病院に入院が必要な状態像の明確化につ
いて、有識者等による調査、研究の実施
• ⑤ 「退院支援・地域連携クリティカルパス(退院に向
けての診療計画)」の作成と地域での受入れの体制
づくりの推進
「認知症の薬物治療に関する
ガイドライン」の策定
• 認知症の症状は、不適切な薬物使用などにより悪
影響を受けやすい。
• また、認知症の精神症状に対する抗精神病薬の投
与が世界的に議論されている中、日本では、臨床現
場で利用されている事例があり、保険診療の中での
使用が認められている現状がある。
• 認知症に対する薬物の影響や行動・心理症状に対
する適切な薬物治療と非薬物治療についての検証
、ならびに実践的なガイドラインを策定し、普及を図
る。
認知症と薬物治療の課題
厚労省 安心と希望の介護ビジョン
第3回 2008・9 こだまクリニック 木之下徹 先生の報告
77
【認知機能障害の報告がある薬剤例】
BPSDの悪化ハイリスクに「薬剤」がある
• ①ベンゾジアゼピン(BZ)系
– 一過性健忘、急性せん妄、長期服用による認知機能障害
• ②抗コリン薬・抗コリン作用のある薬剤
– 記憶力、記銘力低下、せん妄出現
• ③抗うつ薬
– 三環系抗うつ薬(TCA):抗コリン作用による認知機能障害)
– SSRIおよびSNRIによる焦燥、興奮
• ④抗精神病薬
– 過鎮静、抗コリン作用による認知機能低下
• ⑤抗パーキンソン病薬(アマンタジンなど)
– 幻覚・幻視、被害妄想、認知機能低下
• ⑥その他
– リチウム(腎機能低下時、利尿時・NSAIDs服用時特に注意)、 抗てんかん
薬、 NSAIDs、H2ブロッカー、抗菌薬(βラクタム系:とくにカルバペネム、 ニ
ューキノロン系:NSAIDs併用時)、抗ウイルス薬、抗腫瘍薬、循環器用薬(ジ
ギタリス、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、β遮断薬など)、ステロイドなど
社団法人東京都薬剤師会 会長 山本信夫氏資料より
78
例:副作用による興奮・粗暴行為の悪化
• 薬剤副作用に着目せず・・
薬剤副作用と考えなけれ
ば・・・
– 認知症の悪化と誤解
– 原因薬はそのまま投与
– BPSD症状は悪化
• 悪化原因が副作用だと 、
考えれば
– 薬の中止、減量、変更
– 副作用評価
• 予想される結果
– 家族・介護者負担増
– 入院・施設入所
– 向精神薬・抗不安薬投与
– BPSDの更なる悪化
– 病態の評価が複雑化
• 予想される結果
– BPSD悪化の原因検討
– 適切な処置
– QOL,ADLの維持、向上期待
両者の差は、QOLに極めて大きな影響
社団法人東京都薬剤師会 会長 山本信夫氏資料より
79
副作用のリスクを検討、改善する重要性。
薬剤師の関与が、QOLの差に直結
80
社団法人東京都薬剤師会 会長 山本信夫氏資料より
認知症の地域連携パス
認知症患者の外来診療の評価
早期診断をより一層推進するため、認知症専門診断管理料の評価を引き上げる。
認知症の症状が増悪(BPSD)した患者の紹介を受けた専門医療機関の評価を新
設する。
認知症専門診断管理料
500点(1人につき1回)
(改)認知症専門診断管理料1
700点(1人につき1回)
(新)認知症専門診断管理料2
300点(3月に1回)
専門医療機関において、認知症と診断された患者について、かかりつけ医がその
後の管理を行うことの評価を新設する。
(新) 認知症療養指導料
紹介元
かかりつけ医
認 認知症専門医
の知
紹介加算
患症
100点
者疑
い
認知症療養
指導料
350点
症
状
増
悪
時
350点(月1回、6月まで)
専門医療機関
改 認知症専門
診断管理料1
500点 → 700点
認知症専門医療
機関連携加算
50点
新 認知症専門
診断管理料2
300点
認知症疾患医療センター
(厚生労働省資料より)
認知症患者の入院診療の評価
改定前
30日以内
認知症治療病棟
入院料1※
認知症
治療病棟
入院料
31日~60
日
61日超
30日以内
認知症治療病棟
入院料2※
31日~60
日
61日超
改定後
1,450点/
日
1,180点/
日
1,070点/
日
970点/日
⇒
1,761点/日 透析は
出来高
1,461点/日
⇒
1,171点/日
⇒
1,281点/日
⇒
1,081点/日
⇒
961点/日
⇒
認知症夜間対応加算(夜勤の看護要員3人以上、入院から30日以
認知症
内)
治療病棟
入院料の 退院調整加算(退院支援部署の設
加算
置、PSW及び専従者1人以上配置)
100点
⇒
透析は
出来高
84点/日
300点
83
東京都内の認知症連携パス事例
東京都内の認知症連携
• 世田谷区もの忘れ連携パス
• http://www.setagayamed.or.jp/ninchishindan.
html
• 大田区認知症連携パス
• http://amity.typepad.jp/blog/2011/02/ninnchi
-renkei.html
• 目黒区認知症連携パス
• http://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/kore
i_fukushi/ninchisho_shien/ninchisho_renkeip
asu/index.html
世田谷区もの忘れ連携パス
大田区認知症連携パス
大津市認知症連携パス
認知症施策推進5か年計画
(オレンジプラン)
(2013年度から2017年度)
パート5
地域連携と製薬メーカーの役割
連携パスと製薬企業
地域連携パス活動はMR活動と重なるところが多い
連携パスと製薬企業
地域連携
クリテイカルパス
製薬企業の
マーケティング活動
疾病単位
大腿骨頸部骨折、脳卒中
がん、糖尿病、心筋梗塞
ぜんそく、COPD、骨粗しょう症
認知症
疾患に関連する医薬品の製品マーケ
テイング活動
地域単位
区市町村、二次医療圏
営業エリア単位の活動
病診連携を支援
病院の専門医と診療所医師の
連携がポイント
病院担当MR
診療所担当MR
ガイドラインに基
づいて作成
診療方針の標準
化
連携パスはガイドラインに基づい
て作ることで、標準的な診療方針
の地域への普及が図れる
ガイドラインには医薬品の適正使用ガ
イドラインが多いことから当該医薬品
の標準的なレジュメンを地域に普及す
ることができる
多職種連携と
コーデイネターの
必要性
地域の看護師、薬剤師、栄養士
などとの連携が図れる
病院の地域連携室がコーデイネ
ターを務めることが多い
病院では地域連携室、保険薬局との
関係構築がこれから重要となる
企業内に地域連携担当セクションが
必要となる
T社は連携パスの作成において
医療機関と共同で取り組んでいる
がん診療連携拠点病院等
連携パス案
作成
地域連携の
ネットワーク作り
連携パス
適正使用
地域医療
ひながた
アンケート
機関との
提案
提案
研究会協力
T社
連携パス
決定
地域連携
開始
地域医療
機関への
適正使用
情報提供
T社は全社をあげて
取り組み成果発表会を行った
• がん対策基本法、がん診療連携拠点病院の指針等に
ついて
– 社内講師
• がんの医療連携について
– 社内講師
• 連携パス事例の報告会およびディスカッション
– 全国の営業所から担当者のがん連携パスの取り組み成果の
発表会
• 特別講演:「医療行政からのがん対策」
– 国際医療福祉大学大学院 教授 武藤正樹
T社はがん連携パスの
情報提供を行っている
•
T社は医薬品メーカーとして、連携先の医師
に対しても医薬品の情報提供や適正使用推
進のための資材の提供を行っている。
•
情報提供の方法としては拠点病院の勉強会
で適正使用情報を説明、適正使用基準表、
服薬方法と副作用の説明ツール、患者日誌
などの資材をMRが配布
•
地域連携クリティカルパスの解説やひなが
たの提供を「Clinicalpath.jp」
(http://clinicalpath.jp/)というインターネットサ
イトを通して情報提供を行っている(図) 。
港区連携PEGパス研究会とO社
PEG(経皮内視鏡的胃ろう造設術)
国際医療福祉大学三田病院
東京都済生会中央病院
慈恵大学病院
虎の門病院
北里研究所病院
せんぽ東京高輪病院
港区医師会
港区薬剤師会
港区訪問看護ステーション連絡協議会
NPO法人PEGドクターズネットワーク
港区連携PEGパス研究会への
O社の取り組み
• 第一回港区連携PEGパス研究会
– 2007年11月に港区連携PEGパス研究会を実施
– 済生会中央病院と三田病院の外科でスタート
– 当初、O社は単発研究会で協力を予定していた
– その後、ワーキンググループが発足
• 連携パスの運用のため港区内のPEG造設基幹6病院が集まった、年4
回のワーキンググループ開催
• 第二回連携PEGパス研究会の開催(2008年9月)
– 年1回の継続開催となった
• 第三回連携PEGパス研究会は09年9月
港区連携PEGパス研究会は
港区内で拡大中
• 港区基幹6病院
–
–
–
–
–
–
国際医療福祉大学三田病院
東京都済生会中央病院
慈恵大学病院
虎の門病院
北里研究所病院
せんぽ東京高輪病院
• 当初は三田病院と済生会中央病院(慶応大学系列)→港区
全域に拡大
• PEGドクターネットワークの協力
• 訪問看護ステーション、保険薬局へ拡大
• 港区医師会、港区薬剤師会、港区歯科医師会へ拡大
連携PEGパス研究会
ワーキンググループ
2007年9月22日 第1回連携PEGパス研究会
2007年11月29日~ ワーキンググループ開始(4回)
(メンバー)港区内200床以上6病院の
PEG施行Dr及び連携室、港区医師会、
港区薬剤師会、訪問看護ST、
NPO法人PEGドクターズネットワーク
(活動内容)港区内PEGに関わる問題
の抽出、ホームページ・管理マニュアル
作成検討、PEG当番、パス作成等
2008年9月27日 第2回連携PEGパス研究会
実態調査アンケートを元に作成したPEG地域連携ク
リティカルパス・PEG依頼用紙等を検討
内視鏡的胃ろう造設術(PEG)
患者氏名
地域連携クリティカルパス
造設年月日:
栄養剤投与方法(種類:
6時
9時
12時 15時
製品名:
型名:
( ボタン
PEG
パ
ス
PEG造設医
必要栄養量:
18時
kcal)
21時
交換予定日:
24時
造設病院連絡先:
( バンパー or バルーン )
サイズ:
最新交換日:
連
携
病棟主治医
長さ
or チューブ )
cm×太さ
経過
項目
Fr
*休診・夜間等緊急の場合
退院時
/
2週間
/
1ヶ月
/
交換予定日1ヶ月前
/
#PEGの仕組み・管理について患者・家族が理解でき実施できる。
達成目標
栄養
#合併症の早期発見・対処ができる
□摂食状況(有・無)
□摂食状況(有・無)
(摂食量:
□栄養剤投与量
(朝:
保清
トラブル
観察
説明
□摂食状況(有・無)
) (摂食量:
昼:
)
□栄養剤投与量
夜:
) (朝:
昼:
□摂食状況(有・無)
(摂食量:
)
□栄養剤投与量
夜:
)
(朝:
昼:
記入者
)
□栄養剤投与量
夜:
)
(朝:
昼:
夜:
)
□栄養評価
〔良好・普通・問題有〕
問題有:
□栄養評価
〔良好・普通・問題有〕
問題有:
□栄養評価
〔良好・普通・問題有〕
問題有:
□栄養評価
〔良好・普通・問題有〕
問題有:
□口腔内の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□口腔内の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□口腔内の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□口腔内の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□胃瘻部の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□胃瘻部の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□胃瘻部の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
□胃瘻部の清潔の状態
[良好・普通・問題有]
問題有:
1.嘔吐(有・無)
2.下痢(有・無)
3.便秘(有・無)
4.皮膚障害と漏れ(有・無)
5.胃ろうのつまり(有・無)
6.胃ろうが抜けた(有・無)
1.嘔吐(有・無)
2.下痢(有・無)
3.便秘(有・無)
4.皮膚障害と漏れ(有・無)
5.胃ろうのつまり(有・無)
6.胃ろうが抜けた(有・無)
1.嘔吐(有・無)
2.下痢(有・無)
3.便秘(有・無)
4.皮膚障害と漏れ(有・無)
5.胃ろうのつまり(有・無)
6.胃ろうが抜けた(有・無)
1.嘔吐(有・無)
2.下痢(有・無)
3.便秘(有・無)
4.皮膚障害と漏れ(有・無)
5.胃ろうのつまり(有・無)
6.胃ろうが抜けた(有・無)
7.胃ろうの浮き上がり(有・無)
7.胃ろうの浮き上がり(有・無)
7.胃ろうの浮き上がり(有・無)
7.胃ろうの浮き上がり(有・無)
8.誤嚥・胃食道逆流(有・無)
8.誤嚥・胃食道逆流(有・無)
8.誤嚥・胃食道逆流(有・無)
8.誤嚥・胃食道逆流(有・無)
9.発熱・感染(有・無)
対応
9.発熱・感染(有・無)
対応
9.発熱・感染(有・無)
対応
9.発熱・感染(有・無)
対応
□栄養剤投与方法
□トラブル対処法
説明実施相手:
患者との続柄:
□次回カテーテル交換説明
□交換当日の食事について説明
朝7時までに注入を終了
□内服は7時までに終わらせる
□交換依頼
備考
バリアンス
(摂食量:
有(逸脱・変動)・無
有(逸脱・変動)・無
有(逸脱・変動)・無
有(逸脱・変動)・無
みなとe連携パス
見て下さいね!
http://medicalnetminato.jp/peg/
臼井 一郎先生 港区医師会理事
O社の役割
• 製薬企業担当者の活躍
– 研究会やワーキンググループの設営支援
– 事務局支援(日程調整、開催案内等)
– 情報支援(地域の医療機関情報の提供、人材情
報等)
• 製薬企業メリット
– 企業イメージの向上
– 基幹病院の影響力のある医師との情報交換
– 研究会やその媒体を通じて製品拡販
O社MRさんの貢献
• 連携PEGパス研究
会ではO社のKくんが
大活躍した
• 営業活動ぬきで連携
パス研究会に貢献
• 「売上にすぐに影響
はないかもしれない
けれど、みなさんの
役に立てるのがうれ
いしい」
O社のMRのKさん
「宇宙人」と呼ばれている
緩和ケア連携パスとJ社
東東京緩和ケアネットワーク
緩和ケア連携パス作成部会
• 第1回作成部会(09年2
月19日)
• 作成部会長 太田惠一
朗(国際医療福祉大学
三田病院)、顧問 武藤
正樹
• 症状別パス作成
– 疼痛管理、嘔気・嘔吐、
不眠、呼吸苦など
• 済生会若草病院外科佐
藤靖郎先生の講演
– フェンタニル・パッチの連
携パス
東東京緩和ケアネットワーク
連携パス作成部会
緩和ケア連携パス
• 緩和ケアの症状別に
使用薬剤のアルゴリ
ズムを作成する
– 症状項目
• ①疼痛、②不穏、③
気道分泌、④嘔気嘔
吐の4領域で、それぞ
れにアウトカム設定と
薬剤アルゴリズムを
薬剤ガイドラインに基
づいて作成
• 病院と診療所で共有
する薬剤連携パスを
作成する
• J社が協力
疼痛緩和の薬剤アルゴリズム
– 作成部会を支援
オピオイド連携パス
製薬企業の連携パス支援
• 連携パス研究会支援
• 研究会立ち上げ支援
• 地域アンケート調査支援
• 連携パスと運用マニュアル作成支援
• 医師への情報支援
– 診療ガイドラインの普及
• 患者への情報支援
– 患者教育資材
製薬企業の役割
• 製薬企業担当者の活躍
– 研究会やワーキンググループの設営支援
– 事務局支援(日程調整、開催案内等)
– 情報支援(地域の医療機関情報の提供、人材情
報等)
• 製薬企業メリット
– 企業イメージの向上
– 基幹病院の影響力のある医師との情報交換
– 研究会やその媒体を通じて製品拡販
地域連携と製薬メーカーの役割
地域に診療ガイドラインに基づく
医薬品の適正使用を普及させること
2025年へのロードマップ
~医療計画と医療連携最前線~
• 武藤正樹著
• 医学通信社
• A5判 220頁、2600円
• 地域包括ケア、医療計画
、診療報酬改定と連携、2
025年へ向けての医療・
介護トピックスetc
• 4月発売
• http://www.igakutushin.co.jp/index1
.php?contenturl=book1.php?id=615
まとめと提言
・社会保障と税の一体改革は、
2025年へ向けての医療と介護のグランドデザイン
・医療計画と診療報酬・介護報酬が一体改革の推進エンジン
・認知症施策がこれから大きく変わる
・認知症に関する医薬品ガイドラインの普及促進が大きな課題
・医薬品の適正使用ガイドラインの地域への普及が
製薬企業の役割
・・
ご清聴ありがとうございました
フェースブックで、
お友達募集をし
ています
国際医療福祉大学クリニックhttp://www.iuhw.ac.jp/clinic/
で月・木外来をしております。患者さんをご紹介ください
本日の講演資料は武藤正樹のウェブサイ
トに公開しております。ご覧ください。
武藤正樹
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