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第50号 2016年10・11月号

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第50号 2016年10・11月号
函館
ハリストス正教会
2016年10・11月 第50号
発行者:函館ハリストス正教会 長司祭ニコライ・ドミートリエフ
〒040-0054 函館市元町3-13
TEL(0138)23-7387/FAX (0138)23-7939
URL http://orthodox-hakodate.jp
編集者:会報編集委員会
郵便振替 02660-5-1721
「最後の審判」について
イパチェフスキー修道院のフレスコ画より
【イパチェフスキー修道院】
堂は、前述の聖三者聖堂です。その壁面を
埋め尽くすフレスコ画は、17世紀のロシア
正教会芸術を代表するものであり、中でも
特に人々の心を捕えるものは、聖堂西側壁
面に書かれた「最後の審判」であると言えま
す(画像は次頁)。
「最後の審判」のフレスコ画は、この聖堂
限らず、聖堂の西側壁
面に書かれるのが普通
です。なぜならば「平安
にして出ずべし」の発放
を受けて聖体礼儀を去
る 信 徒 た ち は、祈 祷 の
間、聖堂東側の王門に
モスクワから北東300㎞の場所に、コストロ
マという古都があります。イパチェフスキー
修道院は、ここにある男子修道院です。
イパチェフスキー修道院がロシア史に名を
遺す出来事として、この修道院の聖三者聖
堂 に お い て、1613 年 に
行われたミハイル・ロマノ
フの皇帝選立式がありま
す。ここからロマノフ王朝
の歴史が始まっ たので
す。
【聖堂の西側壁面】
向っていた状態から、聖
堂を出るために西に向
きを変えます。聖堂を一
歩出ると、そこには街の喧騒が待っていま
す。それまで平安だった心の中に、この
▲ イパチェフスキー修道院
(ロシア/コストロマ州)
イパチェフスキー修道
院は1330年頃に礎石さ
れたと考えられますが、その修道院を構成
する建物の中で、最も古く、最も重要な聖
↗
-1-
啓 蒙 記 事
▲ 聖堂西側壁面に書かれた「最後の審判」全体
▲ 左写真「最後の審判」の中央上部分
↘
それでは、その「最後の審判」を絵で表し
た聖像は、どれほど恐ろしいものでしょう
か。このページの上部にあるフレスコ画を見
てみましょう。
世の煩いや慮りが入り込みます。そのような
状況になる前、つまり聖堂を出る一歩前に
「最後の審判」を心の目に焼き付けることに
よっ て、信徒たちはこの世での自分の想
い、言葉、行動を正しく守る力を得ることが
できます。
聖堂に入る時に見るよりも、出る時に見る
ことにより意味がある聖像、そのために聖堂
西側壁面に書かれている聖像、それが「最
後の審判」です。
【「最後の審判」への希望】
確かに、天国と地獄が書かれています。
壁面の上のほうが天国で、下のほうが地獄
です。罪人を呑みこもうとして口を開けてい
る蛇もいますし、真っ逆さまに落ちていく人
たちも見えます。
しかし、聖像の構図は、曲線に縁どられた
聖像の頂点の部分(中央上部)に視線が向
けられるようになっています。
そこには主ハリストスが光栄の宝座に座
し、宝座の左右で生神女マリヤと前駆授洗
イオアンが祈っています。主ハリストスの足
下には、かつて自らがその上に掛けられ、
三日目に復活して勝利の印となった十字架
があります。十字架の左右では、アダムとエ
ヴァが祈っています。アダムとエヴァは、私
たちの原祖です。私たちは皆、彼らの子孫
です。十字架の前には「生命の書」が開け
られています。もし、この書の中に私の名前
が消されていたら…。この書に名前を残す
のも、消すのも、それを決めるのは私自
【「最後の審判」というテーマ】
「最後の審判」の聖像を目の前にして、無
関心でいられる信徒は一人もいないでしょ
う。なぜならば、いつか必ず各自が、一人
ひとり、自分の身に受けなければならない
できごとだからです。
「最後の審判」は恐ろしいものでしょうか?
経験した人は、誰もいません。主・神の前に
一人でその審判にあづかるということ、その
主・神は、自分の行ないばかりか、心の中
の想いまで知る神であるということ、その結
果は「生命の復活(天国)」と「定罪の復活
(地獄)」の二通りのみで中間は無いというこ
と、などを考えただけで足がすくみ、血の気
が失せます。
↗
-2-
啓蒙記事/できごと
↘
身の生き方です。
どれだけ祈り、どれだけ斎を守ったか…、それも明らかにされます。それと同時に病の床に
ある者を見舞い、飢える者に食べさせ、旅人をもてなしたか、という隣人に施した愛も明らか
にされます。「生命の書」に名を残すために何をしなければならないか。そのためになすべき
ことは、多くはありません。主ハリストスを神として恃み、隣人を愛すること。それで充分である
と聖書は教えています。
イパチェフスキー修道院の「最後の審判」の聖像は、私たちに痛悔と信仰への道をダイナ
ミックに示しています。そして主・神ご自身が、また諸神使、諸聖人が「あなたは独りぼっちで
はない。あなたにはそれができる」と私たちに語りかけています。
(S.Y.)
北海道ブロック「キャンプだホイ! 2016 in 上武佐ハリストス正教会」
▲ 上武佐正教会にて
▲ 斜里正教会にて
7月26日(火)~28日(木)、北海道ブロックの「キャンプ
だホイ! 2016 in 上武佐ハリストス正教会」が行なわれ
た。今回は子供たちの参加人数が少ないため、急遽大
人向けの“道東巡礼・観光”的なプログラムとなったが、こ
れが結構好評だった。
▲ 旧網走監獄庁舎(重文)
特に日本最北の正教会聖堂である斜里正教会に参堂
し、全員で聖ニコライへのトロパリを歌った感動は、キャン
プに参加した者たちの心を一つにした。
旧網走監獄庁舎(国の重文)見学や、ウトロから霧の山
道を羅臼に抜け、知床八景のひとつオシンコシンの滝の絶
景に感嘆するなど、普段では体験できない旅行ルートを
神父さんや信徒たちと旅する楽しさ、充実感は心に残る
▲ オシンコシンの滝(知床八景)
ものだった。内田神父様、勝又執事長さん、道東の信徒
のみなさん、お世話になりました。ありがとうございました。
-3-
で き ご と
▲聖堂にて
主日聖体礼儀
研修会
講義の様子
▲
北海道ブロック聖歌研修会
8月26日(金)~28日(主日及び生神女就寝祭)、函館正教会において2016年度北海道ブ
ロック聖歌研修会が行なわれた。釧路、帯広、札幌、小樽、苫小牧、上磯、函館の各教会か
ら聖歌リーダー及びオブザーバー約20名が集まり、二泊三日の日程で学びと懇親を深め
た。聖歌実技練習の他、講義が五回行なわれた(26日:「十二大祭より生神女の祭日」(イアコ
フ篠永神父様)、「長調と短調の音階」(エレナ笠原姉)、「明治期の正教会聖歌」(スヴェトラーナ山
崎)/27日:「婚配機密の奉神礼と聖歌」(スヴェトラーナ山崎)/28日:「リティヤとロシアの生神
女就寝祭」(ニコライ神父)。
研修会の円滑な運営のために奉仕・協力した函館正教会の婦人会、役員、信徒に道内各
地からの参加者より感謝の言葉が寄せられた。
▲ 記念全体写真(8月28日/主日昼食会の後で)
ロシア語講座
▲ 授業の様子(8月30日)
8月30日(火)よりニコライ神父によるロシア語講座が行なわれて
いる。アンナ入間川恵美子姉と友人の浅田昌子さんの二人のグ
ループで、今までに3回行なわれた講座では、アルファベットの発
音、ロシア民謡(「カチューシャ」、「細いぐみの木」)を学んだ。ま
た、3回目の講座では、ロシア語で聖書(イオアン伝第8章12節)を読
んだ。以前からロシア語講座実施の試みは執事会においても何
回か議題に上がったが、教会の行事日程などとの関係で、なかな
か実現できずにいた。
◎ ロシア語学習を希望する信徒は、日程・内容についてニコライ神父と相談して下さい。
-4-
で
き
ご
と
敬老会
〔2016年敬老会〕 (前列左より)エレナ吉川君枝姉、ワシイリイ中田哲雄兄、エレナ薄井サチ子姉、ワルワラ大
村スミ姉、イリヤ吉川征悦兄、アンヴロシイ花野英昭兄、タイシヤ高井醇子姉、ソフィヤ村井幸枝姉、(後列左よ
り)エカテリーナ門間郁子姉、マリヤ大谷孝子姉、リディヤ中居寿子姉、ニコライ神父、セルギイ下田行孝兄、ナデ
ジダ高島昭子姉
9月18日(日)主日聖体礼儀の後、函館正教会敬老会感謝祈祷が行なわれた。
その後、信徒会館に場所を移し、アキラ松原章兄の乾杯の発声で祝賀会が開かれた。参加者たちは
マトロナ藤村春恵姉の司会により会食、遊技、歌などを楽しんだ。今年も敬老会メンバー一人ひとりより
スピーチがあったが、特に感じられたのは、敬老会の方々が皆、「感謝」の気持ちをもって参祷されて
いるということであった。また、「若い時よりも感謝の気持ちが深く感じられる」というお話もあり、若い世
代としては人生の先輩の言葉の重さ、美しさに胸を打たれるひと時であった。
函館正教会敬老会のメンバーは、名簿(2016年12月31日で70歳になる信徒)で52名であるが、教会
から出されている出欠伺いの往復はがきは殆ど全員の方々から返信が戻ってきている。祝賀会の中
では、返信の通信欄に書かれた近況報告が読み上げられた。体調がすぐれないことについて書かれ
ている文面が多かったが、元気で参祷されていた頃の姿が目に浮かび、歳月の流れを感じさせられ
た。最後に教会からのお祝いのプレゼントとして、紅白のおまんじゅうと紅茶が管轄司祭より一人ひと
りに手渡された。
今年は昨年より2名多い、13名の敬老会メンバーが参祷した。来年はさらに一人でも多くの方が参
祝賀会
お楽しみタイム
▲聖堂にて
感謝祈祷
▲
祷できることを願っている。幾年もお元気で過ごされますよう!
-5-
消
息
消 息
〔パニヒダ〕
▲フェオドラ中田良子姉一年祭
(8月11日)
〔パニヒダ〕
▲ ソフィヤ近藤道子姉10年祭
(8月5日)
〔パニヒダ〕
▲ 笠原家
(9月11日)
〔来 客〕
▲米国アリゾナ州より
アントニイ修道士
(9月5日)
〔洗 礼〕
▲ マトフェイ・ベプリク兄(2歳)
(8月11日)
〔婚 配〕
〔洗 礼〕
▲ エフレム祢津圭蔵兄
フェオドシヤ祢津良子姉
(8月29日)
〔来 客〕
▲ ティト横瀬富一兄
アドリアン林健二兄
リュボフ林愛子姉
(9月9日)
-6-
▲ エフレム祢津圭蔵兄
フェオドシヤ祢津良子姉
(9月10日)
お知らせ/上磯
函館ハリストス正教会バザー
日時:2016年10月10日(月・祝)
午前10時~午後2時(雨天決行)
場所:函館ハリストス正教会境内地
【聖堂】 ニコライ神父による聖堂拝観(午前11時及び午後1時の2回)
【信徒会館内】 雑貨、手芸品、教会頒布品
【信徒会館前】 ボルシチ(函館正教会特製)\300、ピロシキ(函館正教会特製)\150、
焼きそ ば\300、焼き鳥\300、うどん \250、お しるこ\200、赤飯(上磯正教会特製)
¥300、フランクフルト\150、コーヒー\150、上磯の野菜、菓子など
★雑貨(衣類、食器、インテリアグッズなど)を募集しています★
いづれも汚れや損傷の無い状態のものを受け付けております。あらかじめ函館
正教会(電話0138-23-7387)までご連絡のうえ、信徒会館へお持ち下さ
い。
上
磯
▲
上磯ハリストス正教会だより
▲
8月13日(土)、夏恒例の墓地祈
祷を行なった。午前10時より聖堂
においてパニヒダを行ない、続い
て野崎墓地に移動し、各家の墓を
周り、「永遠の記憶」を祈念した。
8月13日(土)、室蘭の岡田愛子姉が野崎墓地
にておいて新たに建て替えた立花家の墓石二基
(写真手前)の成聖が行なわれた。
- 10 -
10月の奉事・行事予定
10月の奉事・行事予定
1(土)、2日(日) ニコライ神父、上磯正教会出張
1(土)
上磯
19:00
主日晩課式
2(日)
上磯
10:00
主日聖体礼儀
函館
10:00
五旬祭後第15主日 代式祈祷 第6調 代祷:下田兄
使徒経;コリンフ後176端4:6-15/福音経;マトフェイ92端22:35-46
8日(土)、9日(日) ニコライ神父、上武佐正教会出張(100年記念行事)
9(日)
函館
10:00
五旬祭後第16主日 代式祈祷 第7調 代祷:下田兄
使徒経;コリンフ後181端6:1-10/福音経;ルカ17端5:1-11
代式終了後
バザー準備 (※昼食の準備があります)
10(月・祝)
函館
10:00
函館ハリストス正教会バザー
15(土)
函館
17:00
主日徹夜祷 福音経;ルカ114端24:36-53
16(日)
函館
10:00
五旬祭後第17主日聖体礼儀 第8調 誦経:下田兄
使徒経;コリンフ182半端6:16-7:1/福音経;ルカ26端6:31-36
※聖体礼儀後、10月の聖名祭モレーベンを行ないます
13:00
大掃除/執事会
22(土)
函館
17:00
主日徹夜祷 福音経;イオアン63端20:1-10
23(日)
函館
10:00
五旬祭後第18主日聖体礼儀 第1調 誦経:下田兄
使徒経;コリンフ後188端9:6-11/福音経;ルカ30端7:11-16
13:00
聖歌練習
29(土)
函館
17:00
主日徹夜祷 福音経;イオアン64端20:11-18
30(日)
函館
10:00
五旬祭後第19主日聖体礼儀 第2調 誦経:下田兄
使徒経;コリンフ後194端11:31-12:9/福音経;ルカ35端8:5-15
【お知らせ】
10月の上磯正教会への司祭巡回は、第一主日(10月1日、2日)となります。
10月第二主日(10月8日、9日)は、上武佐正教会において「上武佐正教会100年記念行
事」が行なわれます。セラフィム大主教座下の祝福に依り、管轄司祭は上武佐正教会に出
張します。ご理解とご協力をお願い致します。
- 11 -
11月の奉事・行事予定
11月の奉事・行事予定
5(土)
函館
17:00
主日徹夜祷 福音経;イオアン65端20:19-31
6(日)
函館
10:00
五旬祭後第20主日聖体礼儀 第3調 誦経:下田兄
使徒経;ガラティヤ200端1:11-19/福音経;ルカ83端16:19-31
※聖体礼儀の後、11月の聖名祭モレーベンを行います
13:00
信徒学びの会/婦人会
12日(土)、13日(日) ニコライ神父、上磯正教会出張
12(土)
上磯
19:00
主日晩課
13(日)
上磯
10:00
主日聖体礼儀
函館
10:00
五旬祭後第21主日 代式祈祷 第4調 代祷:下田兄
使徒経;ガラティヤ203端2:16-20/福音経;ルカ38端8:26-39
19日(土)、20日(日) ニコライ神父、小樽正教会出張(北海道ブロック宣教会議)
20(日)
函館
10:00
五旬祭後第22主日 代式祈祷 第5調 代祷:大谷姉
使徒経;ガラティヤ215端6:11-18/福音経;ルカ39端8:41-56
26(土)
函館
17:00
主日徹夜祷 福音経;マトフェイ116端28:16-20
27(日)
函館
10:00
五旬祭後第23主日聖体礼儀 第6調 誦経:下田兄
使徒経;エフェス220端2:4-10/福音経;ルカ53端10:25-37
13:00
執事会/聖歌練習
11月28日(月)から降誕祭まで 「降誕祭の斎(聖フィリップの斎)」
【函館正教会聖歌隊からのお知らせ】
例年通り11月から、「市民クリスマス」のための夜の合同練習を始める予定ですが、これ
から日程調整に入ります。後日、信徒会館のボードなどにて練習日程を連絡致します。
【ご家族の洗礼を考えている方へ】
家族や親戚でまだ正教会の洗礼を受けていない方がいましたら、降誕祭前の洗礼を勧
めてみて下さい。洗礼はいつでも受けることができますが、タイミングとして降誕祭は良
いきっかけとなります。
- 12 -
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