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自動車排出ガスの規制は
第2章 環境への負荷の少ない循環型社会の構築 第2−2−3 5 図 辻交差点自動車排ガス測定局における大気汚染物質の推移(年平 値) 自動車排出ガスの規制は、 大気汚染防止法 及び 道路運送車両 法 により、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物及び粒子状物質(デ ィーゼル黒煙)について実施されている。 4 7年の一酸化炭素の排出濃度規制に始まる各物質に対する規制基 準の逐次強化や、規制対象車種の拡大により、自動車からの大気汚 染物質の排出量は大幅に削減されている。 また、自動車排出ガスによる大気汚染を防止するため、8年度か ら、 大気汚染防止法 に基づき、自動車燃料の品質の規制が実施さ れている。 知事は、大気汚染防止法に基づき、道路周辺の環境濃度測定を行 い、そのレベルが一定の限度を超えた場合には、県公安委員会に対 し、交通規制等の要請を行うとともに、必要に応じて道路管理者等 に道路構造の改善等についての意見を述べることができることとな っているが、本県においては、これまで、このレベルを超えたこと はない。 自動車排出ガス対策は、自動車単体の排出規制に加え、交通体系、 道路構造、沿道の土地利用等の総合的な施策を実施することによっ て、効果を高めることができるので、関係機関と連携して対策を行 っている。 特に、交通管制システムの高度化は、交通状況に応じた信号制御 やきめ細かな交通情報をリアルタイムに提供することにより、交通 流の分散・円滑化が図られることから、その推進を図っている。 ⑵ 低公害車の普 及促進 自動車排出ガスに起因する大気汚染対策として、電気自動車、ハ イブリッド自動車等の低公害車の普及が効果的であるとともに、地 球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素の排出削減にも有効であ 1 1 1 い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 第2部 環境の現況と対策 い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な ることから、国では、その導入促進を図るため、約7,0 0 0台の一般公 用車(乗用車4ドアセダンタイプ)について、16年度までに全て低 公害車とする方針を掲げるとともに、13年7月には 低公害車開発 普及アクションプラン を策定し、公的部門への率先導入や民間事 業者等に対する導入支援を積極的に推進することなどにより、2 2年 度までのできるだけ早い時期に、 全国で1, 000 万台の普及を目標とし て掲げているところである。 さらに、関係業界に対しては、低公害車の円滑な供給について要 請がなされたところであり、各自動車メーカーでは、技術開発や販 売への積極的な取組が進められている。 県では、1 0 年3月に策定した 山口県庁エコ・オフィス実践プラ ン において、低公害車の導入に努めることとし、13 年度末現在で、 電気自動車3台、ハイブリッド自動車5台を導入してきたところで ある。 本年度から、公用車の新規購入・更新に当たっては、国の取組等 も踏まえながら、乗用車については原則低公害車に切り替えるなど、 環境にやさしい車両の導入に取り組むこととし、1 4年度は、天然ガ ス自動車2台をはじめ、ハイブリッド自動車5台、低燃費・超低排 出ガス認定車21 台を新たに導入することとしている。また、低公害 車については、通常業務での使用のほか、イベントでの展示等によ り、その普及促進に努めている。 また、12年度からは、単県制度の 地球にやさしい環境づくり融 資事業 において、第2−2−3 3表のとおり、個人向けの低公害車 購入等に必要な資金の融資を開始しており、県民の方々への環境保 全への取組支援と低公害車の普及促進を図っている。 今後とも、国の対策、取組等も踏まえながら、低公害車について、 県自らの積極的な導入や全県的な普及・導入促進に努めていくこと としている。 第2−2−3 3 表 融 資 対 融資・償還条件 象 融 資 限 度 融 資 利 融 資 期 償 還 方 担 保 ・ 保 証 額 購入経費から他の公的補助金額及び公的融資金額を控除 した額 500万円 年1 . 9% 5年以内 元金 等月賦償還 取扱金融機関の方法による 額 率 間 法 人 対象車種:電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、 メタノール自動車、ディーゼル代替LPG自動車 1 1 2 第2章 環境への負荷の少ない循環型社会の構築 ⑶ 工場・事業場 対策 ア 大気汚染防止法による規制 ばい煙発生施設の設置状況 対象工場・事業場(以下 事業所 という)数は、第2−2−34 表、ばい煙発生施設の設置状況は、第2−2−36図のとおりである。 ばい煙発生施設の総施設数は3 ,2 31施設であり、種類別では、ボイ ラーが1 ,584 施設(内発電ボイラーが1 13施設)と最も多く、約5 0% を占めている。 粉じん発生施設の設置状況 粉じん発生施設の設置状況は、第2−2−37 図のとおりである。 一般粉じん発生施設の総施設数は1, 489 施設、 特定粉じん発生施設 の総施設数は25 施設となっている。その種類別の割合をみると、一 般粉じん発生施設ではコンベアが全施設の63 %と最も多く、特定粉 じん発生施設では切断機が全施設の60 %と最も多くを占めている。 い 循 第2−2−3 4表 対象事業所数 第2−2−3 6 図 ばい煙発生施設設置状況 ( 14 . 3. 3 1現在) 地 域 事業所数 岩国・和木 周 南 宇部・小野田 7 8 1 5 4 1 6 8 法に基づく硫黄 酸化物総量規制 地域 防 美 下 8 7 1 8 1 3 0 条例に基づく硫 黄酸化物総量規 制地域 そ 府 祢 関 の 計 他 備 3 8 6 1, 0 2 1 第2−2−37 図 粉じん発生施設設置状況 ア 一般粉じん発生施設 1 1 3 イ 特定粉じん発生施設 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 第2部 環境の現況と対策 ばい煙の規制 硫黄酸化物の規制については、第2−2−35 表のとおり、K値規 制、総量規制及び燃料使用規制により実施されている。 第2−2−3 5 表 硫黄酸化物の規制 規制の種類 い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 規 制 内 容 等 対象地域 K値規制 地域ごとに定められたK値とばい煙発生施設の排出口 の高さにより、1時間当たりの排出量の許容限度を定め たもの。 (対象事業所:全事業所) 総量規制 K値規制だけでは環境基準の確保が困難な地域( 事業 所が集中している地域等) において、一定規模の事業所に 岩国・ 和木地域 設置されるすべてのばい煙発生施設から排出される硫黄 周南地域 酸化物の総量について許容限度(総量排出基準)を定め 宇部・ 小野田地域 たもの。 (対象事業所:事業所全体の燃料使用量が1 / h以上) 燃料使用規制 総量規制の指定地域内において、総量規制の適用され ない一定規模の事業所に対し、硫黄含有量が一定濃度以 下( 1 . 2%)の燃料を使用するように定めたもの。 (対象事業所:事業所全体の燃料使用量が0. 1 / h以上 1 / h未満) 県内全域 〃 ばいじん及び窒素酸化物の排出基準は、ばい煙発生施設の種類及 び規模ごとに定められている。 また、カドミウム及びその化合物、塩素及び塩化水素、フッ素、 フッ化水素及びフッ化珪素、鉛及びその化合物については、有害物 質の種類ごとに特定のばい煙発生施設について排出基準が定められ ている。 粉じんの規制 a 一般粉じん 堆積場、コンベア等の一般粉じん発生施設について 構造並びに 使用及び管理に関する基準 が定められている。 b 特定粉じん 特定粉じん発生施設を設置する事業所の敷地境界線において、石 綿の大気中の許容濃度が10f /l以下と定められている。 有害大気汚染物質の規制 有害大気汚染物質のうち、指定物質について、その種類ごとに指 定物質排出施設が規定され、指定物質抑制基準が施設の種類及び規 模ごとに定められている。 立入検査 立入検査の実施状況は、第2−2−36表及び第2−2−37表のと おりであり、ばい煙発生施設等を設置している事業所について、排 1 1 4 第2章 環境への負荷の少ない循環型社会の構築 出基準の遵守状況等について検査し、指導を行っている。 第2−2−36 表 ばい煙発生施設の立入検査実施状況 (1 3 年度) 対象事業所数 実施事業所数 1, 0 2 5 1 34 実施施設数 SOx総量規制調査事業所数 ばい煙測定事業所数 3 0 5 38 重油抜き取り検体数 不適合事業所数 16 2 0 7 第2−2−37 表 粉じん発生施設の立入検査実施状況 (1 3 年度) 区 分 対象事業所数 実施事業所数 実施施設数 不適合事業所数 一般粉じん 1 9 0 0 0 0 特定粉じん 2 2 2 5 0 イ 山口県公害防止条例による規制 指定工場の規制 指定工場の設置状況については、第2−2−38表のとおりであり、 工場に設置しているばい煙を発生するすべての施設について、規制 している。 第2−2−3 8 表 指定工場数 ( 1 4. 3 .3 1 現在) 地 域 岩国・和木 周 南 防 府 宇部・小野田 美 祢 下 関 計 工 場 数 1 7 3 8 1 1 3 6 3 1 7 1 2 2 a 硫黄酸化物 大気汚染防止法の総量規制が適用されない防府市、美祢市、下関 市の3地域において、大気汚染防止法に準じた総量規制を実施して いる。 b ばいじん 汚染負荷量の大きなセメント焼成炉、石灰焼成炉に限り、工場か ら排出されるばいじんの総量規制を実施している。 c 有害物質 大気汚染防止法に規定するもの、シアン化水素及びその他のシア ン化合物、ホルムアルデヒド、硫化水素、二硫化炭素、ホスゲン、 臭素、六価クロム、タール状物質、水銀及びその化合物等14種類に ついて排出口及び敷地境界線における濃度を規制している。 d 粉じん 大気汚染防止法に定める粉じん発生施設以外のものについて、粉 1 1 5 い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 第2部 環境の現況と対策 じんを発生し、飛散させ又は発生する施設の構造並びに使用及び管 理の基準を定め、規制している。 特定施設の規制 特定工場以外の工場・事業場における大気汚染防止法の規制対象 外の施設について、ばい煙及び粉じんの規制を実施している。 立入検査 工場・事業場の規制基準の遵守状況を検査するため、指定工場、 有害物質排出工場等について立入調査を行うとともに、硫黄酸化物 総量規制調査を12 事業所、ばい煙測定調査を1事業所について実施 し、指導を行った。 ウ い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 緊急時における措置 大気中の硫黄酸化物又は光化学オキシダントの濃度が、ある一定 濃度以上になった場合には、 山口県大気汚染緊急時措置要綱 に基 づき、警報等を発令し、一般住民に周知するとともに、関係事業所 に対してばい煙量等の減少措置を求めている。 硫黄酸化物に係る警報等は、5 5年度以降発令していない。 光化学オキシダントについては、13 年度には情報を1 7回発令した が、健康被害の届出はない。 なお、光化学オキシダントに係る警報等の発令状況の推移は、第 2−2−39表のとおりである。 第2−2−3 9表 光化学オキシダントに係る警報等の発令状況の推移 年度 9 1 0 11 12 1 3 注意報 注意報 注意報 注意報 注意報 区分 情 報 地域 警 報 情 報 警 報 情 報 警 報 情 報 警 報 情 報 警 報 11 0 1 8 1 1 1 0 9 5 2 0 和木町及び岩国市北部 7 0 1 5 0 3 0 9 2 1 0 岩 国 市 南 部 1 1 0 2 4 0 1 4 0 1 0 0 0 光 市 1 5 0 1 0 0 4 0 0 0 0 0 下 松 市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 徳 山 市 4 0 2 3 0 1 5 0 2 0 2 0 新 南 陽 市 4 0 3 1 1 1 6 0 4 1 3 0 防 府 市 宇 部 市 11 0 1 7 1 7 0 0 0 1 0 小 野 田 市 2 0 4 0 0 0 0 0 3 0 山 口 市 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 美 祢 市 8 0 1 6 0 1 0 5 1 5 0 下 関 市 A 1 0 2 0 2 0 0 0 0 0 下 関 市 B 5 0 6 0 9 0 0 0 0 0 下 関 市 C 10 0 4 0 1 0 0 1 0 0 0 計 89 0 1 7 0 4 9 4 1 3 1 9 1 7 0 エ 大気汚染防止対策等 発生源の規制 大気汚染の防止を図るため、大気汚染防止法及び山口県公害防止 1 1 6 第2章 環境への負荷の少ない循環型社会の構築 条例の規定に基づく各種届出及び許可申請の審査を行うとともに、 事業所の立入検査を実施して硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん及 び特定粉じん等の物質の排出基準の遵守状況を監視し、適正な指導 を行っている。 光化学オキシダント対策 光化学オキシダント濃度の1時間値が0 .12 ppm以上で、気象条件 から見てその状態が継続すると認められるときは、山口県大気汚染 緊急時措置要綱 に基づき、光化学オキシダント注意報を発令し、 報道機関、関係市町等を通じて、住民に対して情報の周知を図ると ともに、工場等に対してばい煙排出量の削減の協力を求める緊急時 の措置を講じている。 有害大気汚染物質監視指導 有害大気汚染物質による環境汚染及び健康被害を未然に防止する ため、大気環境中の濃度測定を行うことにより、県内の大気環境状 況を把握し、県民への情報提供、事業者の自主管理の促進のための 指導を行っている。 ⑷ 監視測定体制 の整備 大気汚染状況の常時監視は、環境基準の達成状況の把握、短期高 濃度汚染の把握、大気汚染防止対策効果の確認等、大気環境管理の 推進のために不可欠である。 このため、44 年度から主要工場地域を中心に、計画的かつ効果的 に大気汚染監視測定体制の整備充実を図っている。 1 3年度において、常時監視測定局は、県設置28局(一般環境大気 測定局2 7局自動車排出ガス測定局1局)、下関市設置局7局 (一般環 境大気測定局)の計3 5局である。 一般環境大気測定局の測定データは、テレメータシステムにより、 環境保健研究センターに設置している中央監視局に毎時電送され、 刻々と変化する大気汚染状況を常時監視している。 また、中央監視局と関係健康福祉センター及び主要工場を有線で 結び、高濃度汚染等の状況に応じて、FAX一斉指令装置により警 報等の発令の伝達、ばい煙の減少措置の協力要請等を行う体制をと っている。 さらに、岩国・和木地域と広島県大竹地域とは、連続した工業地 域であることから、硫黄酸化物及び光化学オキシダントに係る緊急 時の措置等を両県で協力して行っており、測定データは交換システ ムにより、自動的に伝受送されている。 なお、大気汚染監視測定網は、第2−2−38 図のとおりである。 1 1 7 い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 第2部 環境の現況と対策 第2−2−3 8 図 山口県大気汚染監視測定網(1 4年3月現在) 広 島 県 庁 ( 大竹地区4局分) 中 央 監 視 局 (環境保健研究センター) データ送受信装置 デ ー タ 送 受 信 装 置 山 口 地区 ー タ 測 定 局 地区 和木コミュニティーセンター 和木 ・ 岩国 FAX一斉指令装置 テ レ メ ー タ ー 装 置 測定データ 県 テ レ メ 測定局名称 岩国市役所 防 防府市役所 岩国小学校 府 華浦小学校 愛宕小学校 測定データ 柳井 中関小学校 柳井市役所 山口 光高校 下関市環境保全課 情報・警報等の 発令(FAX) 宇 部 ・ 小 野 田 浅江中学校 豊井小学校 下関市測定局( 7局) 下松市役所 周南 ヶ浜支所 徳山工業高校 関係健康福祉センター い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 徳山市役所 美 浦山送水場 岩国健康福祉センター 祢 新南陽公民館 柳井健康福祉センター 測定局名称 国府中学校 環境保健研究センター 宇部市役所 宇部岬小学校 原小学校 厚南市民センター 竜王中学校 須恵運動公園 伊佐中学校 美祢市役所 徳山健康福祉センター 防府健康福祉センター 宇部健康福祉センター 県内主 要工場 ア 測定局の整備 測定局開設当初(4 4年度)から監視項目の増加に伴い各監視項目 に対応した測定機器の整備を進めるとともに、54年度にはテレメー タ化を行った。 既に設置した測定機器及びテレメータ装置のうち、老朽化した機 器等の更新計画を立て、順次、更新を進めている。 大気汚染測定局の設備の整備状況は、第2−2−40 表のとおりで ある。 第2−2−4 0 表 大気汚染測定局設備整備状況 (1 4 . 3. 3 1現在) 機器名 設置主体 浮二 遊酸 粒化 子硫 状黄 物・ 質 計 窒 素 酸 化 物 計 一 酸 化 炭 素 計 炭 化 水 素 計 オ キ シ ダ ン ト 計 風 温 向 度 日 風 湿 速 度 計 計 計 テ レ メ ー タ 装 置 射 県 2 8 2 3 3 7 1 4 28 1 2 12 2 8 下関市 7 4 1 4 4 7 2 2 7 計 3 5 2 7 4 11 1 8 35 1 4 14 3 5 イ 市町村における監視測定体制 県内の10の市町(和木、岩国、下松、徳山、新南陽、防府、宇部、 小野田、美祢、下関)においては、独自に大気汚染の状況を把握す 1 1 8 第2章 環境への負荷の少ない循環型社会の構築 るため、降下ばいじん等の測定を行っている。 3 悪臭の現状と対策 ⑴ 悪臭の現状 悪臭の発生源別苦情件数の推移は、第2−2−3 9図のとおりであ り、1 3 年度の苦情件数は1 67件で、典型7公害の総苦情件数の2 0. 6% を占めている。 苦情発生源別にみると、サービス業に関する苦情が3 7件と最も多 く、次いで個人住宅・アパート・寮、農業、食料品製造工場の順で あった。 第2−2−3 9 図 悪臭の発生源別苦情件数の推移 い 循 環 型 社 会 の 構 築 ⑵ 悪臭の規制及 び対策 ア 悪臭防止法による規制 悪臭防止法は、規制地域内の工場その他の事業場における事業活 動に伴って発生する悪臭物質の排出を規制しており、敷地境界線に おいて、アンモニア、メチルメルカプタン等22 物質、排出口におい てアンモニア等13 物質、排水中において硫化水素等4物質の規制基 準が定められている。 悪臭物質の排出を規制する地域の指定及び規制基準の設定に関し ては知事(1 4 年4月1日から下関市にあっては下関市長)が行って おり、測定、改善勧告、命令、立入検査等の規制に関しては、市町 村長が行っている。 イ 山口県公害防止条例による規制 悪臭防止法に基づく規制地域外の指定工場及び悪臭防止法に基づ く規制地域を有する市町以外の町村に所在する特定施設を設置する 事業場等について、悪臭の規制を行っている。 1 1 9 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 第2部 環境の現況と対策 条例の規制対象物質は、法と同様であり 規制基準は、法による B地域(準工業地域、工業地域)の基準に相当する基準を適用して いる。これにより、法の未規制地域に対する悪臭発生源の規制及び 監視指導を行っている。 ウ い 循 環 型 社 会 の 構 築 環 境 へ の 負 荷 の 少 な 山口県悪臭防止対策指導要綱による指導 悪臭防止法及び山口県公害防止条例では、悪臭を規制する方法と して悪臭物質を指定し、その濃度を機器分析法によって測定するこ とを規定している。 しかし、悪臭は、法や条例に規定されている物質以外の臭気物質 や低濃度の悪臭物質による複合臭に起因する場合が多く、法に基づ く悪臭物質濃度測定結果と住民の被害感とが必ずしも一致しないこ とが多いことから、 山口県悪臭防止対策指導要綱 により、三点比 較式臭袋法による臭気指数指導基準値を定め、官能試験を用いた行 政指導を行っている。 エ 悪臭防止対策 悪臭公害を防止し良好な生活環境を保全することが必要な地域に ついて、法に基づく規制地域の指定を行うとともに、既に規制地域 の指定を行っている市町においては、必要に応じ規制地域の見直し を行うこととしている。 悪臭苦情については、市町村と健康福祉センター(環境保健所) が協力して、現場調査や、問題解決のため管理者に発生源の除去、 施設や管理の方法等の必要な指導を行っている。 1 2 0