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文化財,文化関係施設
文 化 (文化財,文化関係施設) 文 化 1 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 文化財とその保護・・・・・・・・・・・ 3 埋蔵文化財の保護・・・・・・・・・・・ 4 鴻臚館跡の調査・・・・・・・・・・・・ 5 国史跡福岡城跡の整備と修復工事・・・・ 6 美術館・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 福岡アジア美術館・・・・・・・・・・・ 8 博物館・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 埋蔵文化財センター・・・・・・・・・・ 58 58 59 60 61 62 64 66 68 文 化 (文化財,文化関係施設) 1 概要 えます。平成7年度に整備を終え,環濠・竪穴住居・水 田など当時のムラを完全な形で復元しています。ガイダ 福岡市は,玄界灘を挟んで大陸と接し,古くから対外交流 ンス施設「板付遺跡弥生館」では当時の生活が体感でき の門戸,拠点として発展してきました。このため市内に残る る展示を行い,また土器作りなどの公開講座,田植えや 多数の遺跡の中には,日本の稲作農耕の始まりを示す板付遺 稲刈りなどを通して「日本最古の米作りのムラ」の再現 跡,大宰府の前身とみられる那津官家跡,古代の迎賓館であ に努めています。 った鴻臚館跡,蒙古襲来を防いだ元寇防塁など,ほかには見 のかた 野方遺跡(昭和 50 年国指定史跡) ② られない遺跡があります。 また古代以来,外交・貿易により発展を遂げてきた博多に 早良平野西側の山麓にある弥生時代後期から古墳時代に は,奈良時代から江戸時代までの都市の遺構が埋もれ,聖福 かけての環濠集落と墓地跡。調査された地区だけで 93 棟の 寺,承天寺,櫛田神社,筥崎宮など古代・中世初期にさかの 竪穴住居跡が発見されており,邪馬台国時代の社会を考え ぼる寺社が多くあります。博多山笠も鎌倉時代に始まったと る上で極めて重要な遺跡の一つです。平成3年度に整備を 伝えられます。 終え,環濠を復元しています。またガイダンス施設「住居 跡展示館」では,発掘調査時の状態のままで竪穴住居跡を 室町時代後期に博多商人の町として栄えた博多は,江戸時 展示しています。 代には福岡藩の城下町福岡と双子都市を形成しました。博多 ・福岡とその周囲の古くからの漁村・農村には,それぞれに かねのくま 金 隈 遺跡(昭和 47 年国指定史跡) ③ 特有の民俗が形成され,現在に至っています。 こうした歴史を背景に,市内には多数の文化財(建造物, 福岡平野東側の丘陵にある弥生時代の共同墓地跡で,甕 美術工芸品,無形文化財,民俗文化財,記念物,埋蔵文化財 棺墓 348 基,土壙墓 119 基などが発見されました。棺内か など)が残され,国・県・市の文化財に指定されたものも多 らはゴホウラ製貝輪や石剣などとともに残存状態の良い弥 くあります。文化財は国民共有の財産として,将来に守り伝 生人骨が多数出土しました。北部九州独自の墓制である甕 えられるべきものであり,また福岡の歴史文化を理解し,市 棺墓の変遷,社会構成,また人種の問題など弥生時代研究 民生活の充実に欠くことのできないものとして,その調査, に重要な意義を持っています。現在遺跡は整備され,ガイ 保存,整備を積極的に進めるとともに,文化財保護思想の普 ダンス施設「甕棺展示館」では 125 基の甕棺・土壙墓と人 及にも努めています。 骨が,出土したままの状態で見学できます。 文化事業としては,博物館が歴史資料,民俗資料,古美術 ふ く お か し あか れ ん が ぶ ん か か ん 福岡市赤煉瓦文化館(昭和 44 年国指定重要文化財) ④ 資料,考古資料の収集保管と研究に基づき,展示や講座等の 国指定重要文化財「旧日本生命保険株式会社九州支店」 普及活動を進め,美術館は美術文化の振興を図るため,美術 品の収集と研究,展示活動などを行い,福岡アジア美術館は, を保存整備し,貸会議室や文学・文化財関連の展示を設け アジアの近現代美術作品の系統的な収集,展示やアジアの美 て,市民の文化交流の場として活用しています。 術作家等との交流事業を行っています。 2 よしたけ た か ぎ い せ き ⑤ 吉武高木遺跡(平成5年国指定史跡) 早良平野西側山麓に位置し,弥生時代中期初頭の特定集 文化財とその保護 団墓や中期後半の大型建物の存在などから,弥生時代にお 福岡市周辺は,地理的条件から古代日本における最先進地 ける「クニ」の成立と展開を知るうえで重要な遺跡として 域として,また,文化の発祥地として位置付けられています。 知られています。平成 24 年度より史跡地の一部について早 このため,豊富な文化財が残されており,これらの貴重な文 期公開を目的とした整備事業を実施しています。 化財の保存整備を図っています。 (2) 無形文化財・無形民俗文化財の公開事業 (1) 文化財保存整備・活用事業 無形文化財や無形民俗文化財の公開事業に補助金の交付 を行い助成しています。 いたづけ ① 板付遺跡(昭和 51 年国指定史跡) ① 無形文化財 福岡平野の中央に位置する弥生時代初頭の集落・墓地 玄清法流盲僧琵琶,一朝軒伝法竹 ・水田跡。台地上の集落は二重の環濠に囲まれ,その周 ② 無形民俗文化財 りの低地では水田が営まれていました。弥生文化形成期 はやま行事,飯盛神社のかゆ占,香椎宮奉納獅子楽,今 における農耕村落の一典型を示す極めて貴重な遺跡とい 宿青木獅子舞,宇田川原豊年獅子舞,元岡獅子舞,元岡祇 58 園ばやし,能古島白鬚神社おくんち行事,筥崎宮神幸行事, (5) 市内の登録文化財 飯盛神社流鏑馬行事,草場の盆綱引き,田隈の盆押し・盆 (平成 28 年4月1日現在) 綱引き,西浦のかずら引き,田島神楽,城の原の盆踊り, 区 分 志賀島の盆踊り,金隈の鳶の水,石釜のトビトビ,今津十 一日祭り,今宿上町天満宮の鬼すべ行事,志賀海神社歩射 有 形 文 化 財 祭,今津人形芝居 (3) 文化財資料調査 ① 国登録 件数 市登録 件数 員数 件数 員数 建造物 28 28 18 18 46 46 美術工芸品 0 0 0 0 0 0 小 計 28 28 18 18 46 46 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 無形文化財 文化財の指定・登録 民 俗 文 化 財 福岡市文化財の指定・登録に関して,平成 27 年度は下 記文化財の調査を行いました。 合 計 員数 有 形 0 0 無 形 小 計 0 0 0 0 0 0 ・紙本墨画 梅に鳩・東坡風水洞図 六曲屏風 遺 跡 0 0 0 0 0 0 ・木造阿弥陀如来立像 名勝地 1 1 0 0 1 1 動物, 植物 及び 地質鉱物 関係 0 0 0 0 0 0 小計 1 1 0 0 1 1 合 計 29 29 18 18 47 47 ・萬行寺資料 ② 記 念 物 博多松ばやし調査 国によって記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文 化財に選択された博多松ばやしの調査記録を目的として, 平成 27 年度より博多松ばやし調査事業を実施していま す。 平成 27 年度は博多松ばやし行事の予備調査,その他史 料調査や聞き取り調査等を行いました。 3 埋蔵文化財の保護 (4) 市内の指定文化財 福岡市は大陸に近く,古来より先進文化受容の窓口として, (平成 28 年4月1日現在) 国指定 県指定 市指定 我が国の歴史上重要な位置を占めてきました。このような歴 合 計 区 分 件数 員数 件数 員数 件数 史的役割を背景に,市域内には約 1,000 か所の遺跡(埋蔵文 員数 化財包蔵地)が存在し,貴重な資料を提供しています。 9 9 11 12 15 15 35 36 絵 画 13 18 6 27 16 43 35 88 彫 刻 10 31 12 12 23 42 45 85 24 16 23 21 21 59 68 31 6 47 29 1,250 46 1,328 653 16 37 57 1,150 81 1,840 事業地内における埋蔵文化財の有無を文化財分布地図,現地 2 4,806 6 1,054 8 5,860 踏査,試掘調査等によって確認しています。 69 4,964 167 3,575 309 9,305 平成 27 年度の事前審査件数は公共事業 155 件,民間事業 1,147 件,計 1,302 件です。窓口,FAX による包蔵地の照会 考古資料 (1) 8 小 計 (5) 73 無形文化財 1 これらの埋蔵文化財は国民共有の財産であり,将来的にわ たって守り伝えていくことが文化財保護の理念であり,行政 の責務です。本市では以下の事業を行っています。 (1) 各種事業に係る事前審査 公共事業,民間事業に伴う事前の届出・通知を受け付け, 歴史資料 記 念 物 員数 建造物 有 工芸品 (3) 22 形 文 書跡・ 化 典籍・ (1) 11 財 古文書 民 俗 文 化 財 件数 766 15 有 形 4 6 4 4 9 25 17 116 14 246 31 362 件数は 21,800 件で,微増となっています。試掘件数は公共 37 件,民間 250 件,計 287 件で 15%減少しています。 無 形 1 1 8 8 19 19 28 28 小 計 1 1 25 124 33 265 59 390 史 跡 13 19 5 5 14 20 32 44 土木工事などによってやむを得ず破壊される遺跡につい 2 2 2 2 ては,工事に先立って発掘調査を行い,記録保存の措置を講 3 864 8 869 名 勝 天然 記念物 2 小計 15 21 8 8 19 886 合 計 (5) 90 803 106 5,102 223 4,730 2 3 3 42 (2) 緊急発掘調査 じている,平成 27 年度には下記の 25 遺跡で 52 件の緊急発 掘調査を行いました。 915 419 10,635 ()内は国宝(国指定の内数) 59 有田遺跡群(259~263 次) 飯倉B遺跡(3 次) 井相田A遺跡(2 次) 顕孝寺遺跡(1 次) 雀居遺跡(15~17 次) 雑餉隈遺跡(20・21 次) 山王遺跡(9・10 次) 下山門遺跡(2 次) 住吉神社遺跡(4 次) 都地遺跡(9 次) 那珂遺跡群(156~160 次) 野方平原遺跡(3 次) 専門家 12 人からなる「鴻臚館跡整備検討委員会」を開催し、 野多目C遺跡(6 次) 博多遺跡群(203・204 次) 素案の検討を行いました。検討委員会は、平成 27 年8月6 箱崎遺跡(72~78 次) 原遺跡(34 次) 日に第1回を、平成 27 年 12 月 16 日に第2回を開催しまし 比恵遺跡群(136~141 次) 福岡城下町遺跡(1 次) た。 藤崎遺跡(38 次) 麦野A遺跡(25 次) 席田青木遺跡(9 次) 元岡・桑原遺跡群(66 次) 弥永原遺跡(11・12 次) 吉塚遺跡(14 次) (2) 発掘調査 これまでの発掘調査の調査期間及び調査場所は下記の通 立花寺遺跡(9~11 次) りであり,平成 11~17 年度の調査により,東西方向の堀を 上記の中で特筆すべきものとして、以下のものがあげられ 隔てて南北に鴻臚館の施設が存在したことなどが判明しま ます。中央区の福岡城下町遺跡では福岡藩大身屋敷や郡役所 した。 の跡を検出しました。南区の弥永原遺跡では弥生時代の貯蔵 平成 18 年度からは第Ⅴ期調査として,平和台野球場跡地 穴群を検出しました。 北側部分の調査を行い,北館の北側の地形などを確認しまし (3) 資料整理 館跡北館の部分の調査報告書を作成しました。 た。第Ⅴ期調査は平成 25 年度で終了し,平成 27 年度は鴻臚 発掘調査を実施して得られた図面・写真などの各種記録類, 出土遺物は整理・図化・編集などの作業を経て,発掘調査報 調査区分 調査期間 告書として公刊されます。平成 27 年度は巻末の一覧の通り, 第Ⅰ期調査 昭和 63 年度 平和台野球場南側の旧テニ ~平成4年度 スコート 平成5年度 舞鶴公園西広場 報告書 26 冊,年報1冊を刊行しました。これらの報告書は関 係各機関や図書館などに配布し,市民や研究者の閲覧に供し 第Ⅱ期調査 ています。整理した記録・資料類は埋蔵文化財センターに収 調査場所 ~平成6年度 蔵保管し,調査研究や公開普及に活用しています。 第Ⅲ期調査 平成7年度 福岡城土塁(7~9年度) ~平成 10 年度 平和台野球場跡地(10 年度) (4) 周知化と普及活動 第Ⅳ期調査 調査成果を広く市民に知っていただくため,現地説明会や 平成 11 年度 平和台野球場跡地南側部分 ~平成 17 年度 報道機関への公開(記者発表)を行っています。平成 27 年 第Ⅴ期調査 度は博多遺跡群の現地説明会, 箱崎遺跡の記者発表を行いま 平成 18 年度 平和台野球場跡地北側部分 ~平成 25 年度 した。 (3) 公開事業 (5) 韓国釜山広域市との交流事業 ① 平成7年度から開始した釜山広域市との職員交流事業は 鴻臚館跡展示館 鴻臚館跡の整備は,第Ⅰ期調査地点である平和台野球場 平成 23 年度から第Ⅲ期に入っています。平成 27 年度は釜山 南側の旧テニスコート約 7,000 ㎡を対象として,平成 5 広域市から3名の職員を招聘し,同市や周辺の文化財関連施 ~7年度の3か年計画で実施し,平成7年8月 10 日から公 設・発掘調査現場等の視察案内を行いました。また、市民を 開しています。 対象とした記念講演会「韓国の関羽信仰について」を埋蔵文 展示館では,平安時代の遺構と遺物を調査が終了したまま 化財センターで開催しました。 の状態で見学でき,また当時の建物の大きさや様式を実感 しながら理解できるように原寸大の建物模型を展示してい 4 鴻臚館跡の調査 ます。館外は芝生広場として整備し,奈良時代から平安時 代の鴻臚館の施設の移り変わりをわかりやすく平面的に表 鴻臚館跡の発掘調査は,昭和 62 年末の平和台野球場外野席 示しています。 での遺構の発見をきっかけとして,昭和 63 年度から「鴻臚館 ② 跡調査研究指導委員会」(平成 25 年度より「鴻臚館跡整備検 展示館の入館者 平成 27 年度の入館者は,28,575 人(昨年度比 8,375 人 討委員会」に統廃合)の助言を受けながら,全容解明のため 減)となっています。 の本格的調査を計画的に行っています。 ③ (1) 整備 分について「遺構表示」などの暫定的な整備を行い,あわ 平和台球場跡(鴻臚館広場) 平和台球場跡地は,平成 17 年度に調査が終了した南半部 平成 27 年3月に鴻臚館跡整備の基本的な考え方となる せて鴻臚館跡調査事務所の一画に小展示室を設置し,平成 「国史跡鴻臚館跡整備基本構想」を策定しました。それを受 23 年7月 19 日から公開しています。 けて、平成 27 年6月より、整備の具体的な内容やスケジュ また、平成 25 年度に調査が終了した北半部分について ールを示す「国史跡鴻臚館跡整備基本計画」の策定に着手し も、「遺構表示」などの暫定整備を行い、平成 28 年 3 月 ました。策定にあたっては、考古学・国史学・建築史学等の 25 日から公開しています。公開を通して,鴻臚館跡の建物 60 の大きさを実感してもらうとともに,市民の憩いの場や各 種イベントの会場として利用の促進し、鴻臚館跡への理解 と愛着の醸成を図っていきます。 5 国史跡福岡城跡の整備と修復工事 (1) 整備 福岡城跡の整備については,平成 17 年度に今後の整備の 理念と方向性を定めた「福岡城跡保存整備基本構想」を策定 しました。 24 年度から「国史跡福岡城跡整備基本計画」の策定作業 に着手し,想定期間 15 年間(中期)における櫓等の建造物 や石垣等の整備計画を,26 年6月に策定しました。今後, 同計画に基づき,福岡城跡の整備を進めていく予定です。 (2) 調査 福岡城跡整備基本計画に基づき復元整備を予定している 潮見櫓(県指定文化財崇福寺仏殿)について,現在解体され ている部材の調査を行いました。 61 ① 常設展示室 6 美術館 ○近現代美術室 20 世紀以降の国内外の近現代美術の流れを展 望できるすぐれた作品を系統的に展示 青木繁「秋声」 ,黒田清輝「婦人像」, 坂本繁二郎「大島の一部」,児島善三郎「鏡」, ラファエル・コラン 「海辺にて」 サルヴァドール・ダリ「ポルト・リガトの聖母」 アンディ・ウォーホル 「エルヴィス」 マルク・シャガール 「空飛ぶアトラージュ」 ○所在地 中央区大濠公園1番6号 ジョアン・ミロ 「ゴシック聖堂でオルガン演 ○建物構造 鉄筋コンクリート造 2 階建 奏を聞いている踊り子」 ○延床面積 14,526 ㎡ ポール・デルヴォー「夜の通り」 レオナール・フジタ 「仰臥裸婦」 ○設置年月日 昭和 54 年 11 月 3 日 ○主要施設 三岸好太郎 「海と射光」 ほか 常設展示室(近現代美術室,企画展示室, ○日本画工芸室 松永記念館室,東光院仏教美術室ほか), 郷土出身作家を中心に,近代日本画,近代彫刻 特別展示室 A・B,市民ギャラリーA・B・C・D などを展示 福岡市美術館は,本市の美術文化の振興を図るため, 冨田溪仙,吉村忠夫,小早川清,水上泰生ほか ○小作品室 水と緑豊かな市民の憩いの場,大濠公園内に,昭和 54 年 11 月3日に開館し,今日まで多くの市民に親しまれて 素描,写真や版画などの小作品を展示 います。 ○企画展示室 (1) したタイムリーな小企画展や所蔵作品によるテー 「21 世紀の作家-福岡」など美術の流れに呼応 基本性格 ① 文化生活を豊かにはぐくみ,市民に愛される美術館 マ展を年数回開催 ② 美術センターとして内外の情報サービスを行う美 ○古美術企画展示室 古美術の小企画展や旧福岡藩主黒田家に代々伝 術館 ③ 歴史と伝統を生かし,新しい未来を育てる美術館 承された絵画・工芸をはじめとした寄贈コレクシ ョンを中心に,日本・東洋の古美術作品を展示 (2) 重要文化財「泰西風俗図屏風」 事業概要 唐物茶入 銘「博多文琳」 ほか ① 美術作品その他の美術資料の収集展示 ② 常設展示,特別展示,講演会等の開催 ③ 特別展示室,市民ギャラリー等の貸与 ④ 内外の美術情報資料の収集と提供 安左ェ門氏のコレクションで重要文化財を含む茶 ⑤ 美術に関する調査及び研究 道具,仏教美術を中心に展示 ⑥ 教育普及事業 重要文化財 こどもアートアドベンチャー,夏休みこども美術 重要文化財 尾形乾山「花籠図」 ほか ○松永記念館室 小田原の(財)松永記念館から寄贈された故松永 館,つきなみ講座,その他講座・講演会,博物館実習, ※ 野々村仁清「色絵吉野山図茶壷」 ○東光院仏教美術室 ボランティア活動 東光院旧蔵の重要文化財「薬師如来立像」およ 美術資料収集方針 び「十二神将像」を中心に,同寺の仏教美術資料 を常時展示 ○近代の西日本出身者や関係の深い作家の作品 ○近現代美術の流れを展望できる国内外の優れた ② 特別展示室 A・B 美術館主催の特別企画展のほか,美術団体等が主 作品 ○西日本に関係の深い近世以前の作品 催する大規模展覧会,巡回展などを常時開催 ○寄贈された一括コレクションに深いかかわりの ③ 市民ギャラリーA・B・C・D 市民の創作活動の発表の場として個展やグループ ある作品 ○アジア美術(東洋美術)の独自性を示す古代から 展などを常時開催 ④ その他 の(近代以降を除く)優れた作品 教養講座室,実技講座室,版画印刷工房,講堂,読 (3) 書室,喫茶・レストラン,ブックショップなど 施設内容 62 (4) 特別展示 ① 物・語(ものがたり) ―近代日本の静物画― 会期 平成28年5月14日~7月3日 ② ゴジラ展 ―大怪獣,創造の軌跡(あしあと) 会期 平成28年7月15日~8月31日 (5)入館者の状況 ○展覧会 展 覧 会 名 常 設 展 示 アンコールワットへのみち 神々の彫像 主 催 事 業 肉筆浮世絵の世界 特別 美人画,風俗画,そして春画 展示 藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美 マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展 「印象,日の出」から「睡蓮」まで 公募展 第50回福岡市美術展 その他の貸会場展覧会 会 期 通 年 (平成27年度) 観覧者数 90,896 平成27年4月28日~ 平成27年6月14日 22,151 平成27年8月8日~ 平成27年9月20日 48,242 平成27年10月6日~ 平成27年11月23日 32,072 平成27年12月22日~ 平成28年2月21日 208,994 平成28年3月8日~ 平成28年3月21日 4,499 (169展) 202,622 合 計 609,476 (平成27年度) ○講座等 講 座 名 ミニミニワークショップ 人 参加者延人数 実施日数 4 2 1 1 1 3 2 1 12 54 299 建築ツアー 講演会 大仏師松本明慶が語る仏像彫刻 ワークショップ「美術館制服をつくろう!」 ワークショップ「かぶるものをつくろう」 主催 事業 ファミリーDAY 美Zoo術館ワークショップ いきヨウヨウ講座 つきなみ講座 ギャラリーツアーforキッズ ギャラリーツアー(個人) 合 計 63 日 112 68 162 12 23 821 379 18 363 88 670 2,716 人 7 福岡アジア美術館 シンガポールのアンジー・シアが西南学院小学校5年生 71 人と行ったワークショップ「毎日の音」。身近なものを 使って制作した楽器をもつ子どもたち。 ○所在地 福岡市博多区下川端町3番1号 リバレインセンタービル7・8階 ○建物構造 ② 鉄骨鉄筋コンクリート造 展示 ア 企画展示 ○延床面積 9,101㎡ ○開館年月日 平成11年3月6日 ・アジア美術の最新動向を3年毎に紹介する「福 ○主要施設 アジアギャラリー,企画ギャラリー, 岡トリエンナーレ」を開催します。 交流ギャラリー,交流スタジオ, ・特徴的なアジア近現代美術をシリーズで紹介し あじびホール ます。 イ 図書閲覧室,招待者研究室等 コレクション展示 ・収蔵品を展示し,アジア近現代美術の流れを示 すほか,ジャンル別やテーマ別にアジア美術を紹介 アジア美術の独自の創造を目指し,アジア近現代美術を します。 通じて人々が集い,互いに理解し,創造,発信する,アジ ア美術の国際的な交流の場として開館しました。 ③ 収集 美術作品,その他美術資料の収集 方針:アジア美術の独自性を示す優れた作品を収集 (1) 基本性格 対象範囲地域:パキスタン以東,モンゴル以南,イン 世界的に類をみないアジア近現代美術作品のコレクシ ドネシア以北・以西 ョンを生かした展示のみならず,日常的なアジアとの交 時代:19 世紀から現在までの近現代を中心 流,調査研究活動を積極的に展開します。また,アジアの 美術作家や研究者等と日本・福岡の美術作家,研究者,市 民が互いに創り,学びあうことにより,新たな創造と相互 理解を促す機会を提供します。 (2) 事業概要 ① 美術交流 アジアの美術作家や研究者を招へいし,市民との共同 創作,研究,ワークショップ,講座等を行う美術交流事 業。 平成 27 年度は,4名の美術作家(アンジー・シェ/シ ンガポール,ファンコグラフィック/モルディブ,チュ キリ・ダレナ (フィリピン) ンリン・ジョリーン・モク/中国,ジュジュ・ユ/韓国) 「トゥンクン・ランギット」2013 年 と 1 名の研究者(ダイアナ・キャンベル・ベタンコート ④ /アメリカ[インド在住])を招へいしました。 64 教育普及 ア 講演会・シンポジウム等の開催 イ 美術教育プログラムの実施 ウ (6) 入館者の状況 美術をはじめとするアジアの文化に関する情報 の収集と提供 展 名 会 期 通 年 主 特 おいでよ!絵本ミュー 27.7.24 ~27.8.20 催 別 ジアム2015 事 企 日韓近代美術家のまな 27.12.17 アジアギャラリー コレクションにより,アジア近現代美術の流れを系統 的に展示し,また,ジャンルやテーマ別にアジア美術作 観覧者数 49,477 50,351 3,766 業 画 ざし─『朝鮮』で描く ~28.2.2 品を紹介する小規模企画展を開催します。 ② 会 コレクション展 (3) 施設内容 ① 覧 (平成 27 年度) 展 企画ギャラリー アジア美術の最新動向を紹介する「福岡アジア美術ト リエンナーレ」を開催する。また,アジアのみならず, 幅広い分野の特別企画展を主催・共催します。 ③ 計 交流ギャラリー アジアの美術作家が福岡滞在中に創作した美術作品の 展示や,市民に創作活動の発表の機会を提供します。 ④ あじびホール 美術交流事業や展覧会にあわせて,美術教育プログラ ム,講演会やシンポジウム等を開催する。また,ミニコ ンサートや小演劇,上映会など,文化・芸術活動を楽し む機会を提供します。 その他 図書閲覧室,招待者研究室,彫刻ラウンジ,文化芸術 情報館アートリエ,ミュージアムショップ,カフェなど があります。 (4) 特別企画展 ① 百花繚乱─中国リアリズムの煌めき 会期 ② 平成 28 年 4 月 16 日~5 月 22 日 おいでよ! 絵本ミュージアム 2016 会期 平成 28 年 7 月 26 日~8 月 21 日 (5) 企画展 ① アート横断シリーズⅤ―アートラウンジ(仮称) 会期 75件 186,158 あじびホール利用 135件 11,361 合 アジアの美術作家が滞在制作する過程を公開します。 ⑥ その他の貸会場展覧会 E 交流スタジオ ⑤ 54,117 平成 29 年 2 月 18 日~3 月 21 日 65 計 301,113 8 平成 25 年 11 月3日,「FUKUOKA アジア に生きた都市と人びと」をテーマにリニューアルオ ープン。福岡の歴史や人びとのくらしを独自の時代 区分で紹介。また,すべての人にやさしく使い勝手 の良い施設を目指し「ユニバーサル・ミュージアム」 理念を掲げ,体感型の展示方法も取り入れています。 ② 企画展示室 4つの展示室に分かれており,博物館の収蔵品を 中心に,歴史,美術工芸,考古,民俗の各部門の展 示を定期的に行い,主に福岡市内及び近郊の様々な 資料や文化財を,テーマを決めて紹介しています。 博物館 ○所在地 早良区百道浜三丁目1番1号 ○敷地面積 50,648.80 ㎡ ○延床面積 16,728.82 ㎡ ○建物構造 鉄骨鉄筋コンクリート造2階建 ○開館 平成2年 10 月 18 日 ○種別 歴史民俗博物館 ○主要施設 常設展示室, 企画展示室, 特別展示室,情報検索コーナー,講堂 講座室,体験学習室,授乳室,多目的研 修室,オープンテラス,読書室 福岡市博物館は,福岡が古くから大陸との交流拠点 として重要な役割を果たしてきたことを踏まえ,対外 交流の歴史を基本テーマに,郷土の貴重な文化遺産を 保存,継承するとともに,新たな市民文化の創造に寄 与することを目的としています。 ▲黒漆塗桃形大水牛脇立兜〔重要文化財〕 ③ 特別展示室 博物館主催の自主企画展や,各種実行委員会等の 主催による特別展を順次開催します。 ④ 体験学習室「みたいけんラボ」 アジアの遊戯をテーマとして,アジア各国の芸能・ 玩具資料に直接触れることにより,アジアの人々の 生活や文化を疑似体験できるようにしています。 ⑤ 情報サービスコーナー 博物館の館内施設案内・展示・収蔵資料,市内の 文化財や歴史に関する情報をパソコン情報システム 「博物館探検」,ビデオライブラリー古文書画像デ ータベース等各種情報機器により提供し,利用者の 学習や興味の対象に応じて知識を深めることができ ます。 ⑥ 講堂・講座室 博物館や各種団体等の主催により,歴史・民俗に 関する講演会,各種講座を開催します。 (1) 基本性格 ① 先人の残した文化遺産を保存,継承し,東アジ アにおける福岡の歴史と民俗を学ぶ博物館 ② 文化遺産を通して市民とのコミュニケーション をすすめ,新しい市民文化を育む博物館 ③ 調査研究機能とともに高度の情報サービス機能 をもち,市民の生涯学習の場としての博物館 (2) 事業内容 ① 博物館資料の収集と展示 ② 博物館資料に関する調査研究 ③ 博物館資料に関する企画展,講演会等の開催 ④ 博物館資料に関する情報の収集と提供 ⑤ その他必要な事業 (3) 博物館資料の収集 博物館の諸事業を効果的に行うため,昭和 58 年度 から福岡の歴史と民俗に関係の深い資料の収集を積 極的に行ってきました。平成 28 年 3 月末現在の収蔵 資料は,累計で 148,377 件になります。 (4) 施設内容 ① 常設展示室 (5) 特別展示室 ① 「魔女の秘密展」 会期 平成 28 年4月 8 日~5月 29 日 ② 「大アマゾン展」 会期 平成 28 年6月 25 日~ 9 月4日 ③ 「釣道楽の世界-多彩なる水の趣味文化」 会期 平成 28 年9月 17 日~11 月6日 66 ④ 「第 28 回新収蔵品展 ふくおかの歴史とくらし」 会期 平成 28 年 11 月 19 日~12 月 25 日 ⑤ 「大正・昭和の福岡市-アロー号とその時代-」 会期 平成 28 年 11 月 19 日~12 月 25 日 ⑥ 「フィンランド・デザイン展」 会期 平成 29 年1月 14 日~3月 20 日 (6) 企画展示室 室 展 覧 会 名 称 黒田斉清という殿様 1 会 期 ~ 4/17 福岡藩筆頭家老三奈木黒田氏 展3 4/19~ 6/12 戦争とわたしたちのくらし 25 6/14~ 8/21 福岡藩の殿様と武士と動物た 8/23~10/23 10/25~12/18 見えないものを見る 12/20~ 2/19 西中島橋界隈 山水図 2 黒 田 記 念 室 直筆の手紙 6/ 7~ 8/ 7 ごちそう日本美術 福岡藩主の絵画と書跡・文芸 8/ 9~10/10 10/12~12/27 鳥・酉・鶏 1/ 5~ 2/12 福岡藩・武家の女性たち 2/14~ 4/16 4/26~ 7/ 3 九州能面紀行 7/ 5~ 9/11 古代瓦 9/13~10/30 時代を映す銅鏡2 ふくおか発掘図鑑6 11/ 1~ 1/15 1/17~ 4/ 2 ~ 4/ 3 「あかりの館」灯火具コレク ション展 4/ 5~ 6/19 ふくおか発掘図鑑7 6/21~ 9/19 経塚フロンティア 2016 9/21~11/13 異国と福岡 「たくさん残っているもの」 の民具学 (10) 福岡市史の編さん事業 21 世紀という歴史の節目の時にあたり,市民の郷 土に対する誇りと愛着を醸成するとともに,重要な 歴史資(史)料を市民の財産として後世に継承する ため,総合的で体系化された「福岡市史」を編さん し,新たな世紀への本市発展の指針とする。 ① 『新修 福岡市史』の作成(特別編 活字メディ アの時代) ② 編さん委員会の開催 ③ 編集委員会・専門部会等の開催,資(史)料調査・ 収集・整理 ④ 講演会の開催(年1回) ⑤ 広報誌(年2回),研究誌(年1回)の発行 ~ 4/24 発掘された「いのり」のカタ チ 時代を映す銅鏡 4 ~ 4/10 4/12~ 6/ 5 三国時代の器 3 2/21~ 4/23 福岡藩筆頭家老三奈木黒田氏 展2 (8) 夏休み事業 ① 大アマゾン展生体展示 7月 22 日~8月 28 日(月曜日から木曜日を除く) ② 夏休みこども博物館 8月6,7日(金印封泥体験) ③ 博物館・親と子のワークショップ 8月 20 日,21 日 (9) 学習事業 ①博物館体験学習事業 市立中学校,特別支援学校(中等部),市立小学 校の生徒を対象に,博物館で体験学習を実施。 中学校・特別支援学校 実施予定学校数 10 校(969 人) 小学校実施予定数 9 校(809 人) ②出前学習事業 市立小学校,特別支援学校(小学部)の児童を対 象に,博物館から講師を派遣し,出前学習を実施。 7メニュー 実施予定学校数 80 校(7,134 人) ち 幻のやきもの「宗七焼」 バックヤードツアー 7月 22 日 福岡西陵高校トワイライトコンサート 8月 3日 「不思議なアマゾン生物」 8月 20 日 トワイライトミュージアムコンサート (11) 入館者の状況 11/15~ 1/22 展 1/24~ 4/ 9 覧 (平成 27 年度) 会 名 常 設 展・企 画 展 (7) 講演会・講座 4月 9日 「あなたを変える魔女の生き方」 4月 16 日 「逆説の世界史~ヨーロッパ魔女裁判編 ~」 4月 30 日 「現代に生きる魔女たちと魔法の世界」 5月 14 日 ワークショップ①博多織のしおり②香包 み 5月 15 日 特別展「釣道楽の世界-多彩なる水の趣 味文化」プレイベント「「アート魚拓にチ ャレンジ」 5月 21 日 ミュージアムウィーク関連イベント 67 特 別 展 藤城清治展・愛の贈りもの 開館 25 周年記念 世界記憶遺産・山本作兵衛の世界 大関ヶ原展 開館 25 周年記念 新・奴国展 第 27 回新収蔵品展 ふくおかの歴史とくらし アール・ヌーヴォーのガラス 特 別 展 計 合 計 観覧者数 120,314 人 55,319 人 23,199 人 76,900 人 19,127 人 8,984 人 25,136 人 208,665 人 328,979 人 (3) 普及活動 9 埋蔵文化財センター 郷土の歴史を遺跡や遺物を通して学び,文化財保護思想 の育成を目的に下記の講座・展示を開催しました。 ① 考古学講座・発掘調査速報講座 (1)考古学講座は「伝来・伝播の考古学」を年間テーマ とし,第一線で活躍する研究者が現在の研究状況を 明らかにする講座を8回開催しました。考古学講座 の受講者総数は計 1,122 名。 講座名 開催日 受講者数 2015. 5.16 138 名 コメ作りの伝来と日本の水稲 1 耕作文化 日本・世界の水中考古学の現 ○所 在 地 博多区井相田二丁目 1 番 94 号 ○建物構造 鉄骨鉄筋コンクリート造3階建(一部 2 階) ○延床面積 10,713 ㎡ 釜山広域市文化財交流事業講 ○設置年月日 昭和 57 年2月 22 日 演会 2015. 6.20 132 名 ○主要施設 展示室(第1・第2・第3),研修室,図 3 福岡市内の古代道路 2015. 7.25 154 名 書室,資料閲覧室,収蔵庫・特別収蔵庫・ 4 正倉院宝物 2015. 9.19 156 名 記録類収蔵庫,木器処理室・金属器処理室 5 中世のガラス生産 2015.10.17 105 名 ・光学機器室,資料整理室 6 日本の文字文化と朝鮮 2015.11.21 174 名 その変遷 2015.12.26 146 名 暦と九州 2016.1.23 117 名 状と課題 2 福岡市埋蔵文化財センターは,市域から出土した遺物や 官職・官僚システムの導入と 7 調査記録類を一括収蔵・保管し,また科学的な保存処理を 8 施すとともに,市民が郷土の歴史をより身近なものとして 学ぶために,これらを広く公開・展示し,市民文化の向上 (2)発掘調査速報講座は当センターにおける出土遺物の に資するために設置されました。 保存処理の成果の紹介とその年度における市内の発 掘調査の報告として 2 回開催した。速報講座受講者 (1) 展示施設 ① 総数は 163 名。 第1展示室 埋蔵文化財の保護と保存をテーマに,市域で年間 50 講座名 件程度実施される発掘調査で出土する遺物と記録類が, 1 調査現場から当センターに収蔵され,管理・活用される までの一連の流れを解説しています。 平成 26 年度保存処理成果から 受講者数 2016.2.20 74 名 2016.3.19 89 名 発掘調査総まくり 2 ② 第2展示室 開催日 甦る出土遺物 平成 27 年度市内遺跡調査から 福岡市域が日本史のなかで最も脚光を浴びた『奴国の 時代』である弥生時代と,国内最大の国際貿易港であっ ② 展示 た『中世都市博多』の時代に焦点をあて,テーマ展示を 第1展示室、第2展示室は常設展示室として、それぞ 行っています。 れ、発掘調査から資料の保存活用までの流れ、弥生時代 ③ の奴国と中世都市としての博多を紹介する展示を行って 第3展示室 市域で最近実施された調査の中で特に重要とおもわれ います。 る遺跡の速報展や,考古学講座に合わせたテーマ展等、 第3展示室では、考古学講座「メイド・イン・ジャパン」 部門展示室として短期展示を行っています。 に連動したテ-マ展示を前後期に分けて行ったほか、注 目すべき発掘調査があった際の速報展示や、前年度に行 (2) 保存処理と調査研究 ① った木器、金属器などの保存処理成果を紹介する展示を 保存処理 行いました。 平成 27 年度は木製品 550 点,金属製品やガラス製など 475 点について科学的保存処理を行いました。 ② ③ 調査研究 館外展示 当センタ-では、出土品の活用の一環として、地域学校 調査研究成果を年報(第 34 号)にまとめ,1,200 部を 等の身近なところで出土品と接する機会を積極的に設 発刊、公共団体や研究機関へ寄贈しました。 け、市民の文化財保護に対する理解が深まるように努め ています。 68 (4) 教育活動 ③ 学芸員実習 博物館相当施設として,学芸員資格取得を希望する県 ① 出前授業 出前授業は福岡市内から出土した豊富な歴史遺産を収 内の大学・短期大学から6名が2週間の博物館実習を行 蔵庫に眠らせたまま後世に伝えるのではなく、新たな資 いました。実習ではセンター職員の指導のもと,出土品 料活用法として出土品を学校へ持ち込み、文化財専門職 の科学的保存処理作業,収蔵品の取り扱い,図書整理実 (センター職員)が授業を行うものです。 務,展示実習を行いました。 「ふるさと福岡」を誇りに思う子供たちを育てることを (5) 資料の収蔵と活用 目的に、授業は①校区内遺跡からの出土品に直接触れて 市域内の発掘調査による出土品や調査記録類を一定の 歴史を身近に感じること②大昔の生活体験を行い歴史認 識を深めること、の2本の柱から構成されています。平 収蔵方法によって整理・収蔵し,また必要なものについて 成 27 年度は延べ 43 校の小学校・中学校・特別支援学校 は科学的処理を行い,調査研究や貸出など各種の利用に役 等において 106 回の授業を行い、3,421 人が学習体験を 立てています。 行いました。 ・平成27年度 ① 授業メニュー 収 蔵 平成 27 年度は,博多遺跡群など市内 191 遺跡の出土遺 出前授業主要メニュー 物(コンテナ 1,952 箱、甕棺 18 個)と記録類(写真 18,618 サブタイトル 大昔の暮らしと国の統一 福岡は歴史の大舞台 点、図面 2,545 枚等)を本収蔵しました。これにより延 チャレンジ考古学 考古学者になろう ベ 2,315 遺跡について検索,公開できるようになりまし 火起こし体験 生活を豊かにした火 た。 勾玉つくり 古代人の飾りと祈り 銅鏡の鋳造製作 卑弥呼と鏡 古代の服装 布を大事にする日本人 木簡を書く ② 博物館などの展示資料や出版物の掲載資料,また小学 校の補助教材として考古資料や写真の貸出し,さらには 大陸から学んだ文化 ・平成 27 年度 資料の利用・活用 資料の撮影,閲覧申請への対応なども行っています。平 出前授業実施状況 成 27 年度の資料利用・活用は 417 件、25,774 点でした。 学校数 授業回数 受講生徒数 市立小学校 43 106 3,421 市立中学校 0 0 0 特別支援学校(小学部) 0 0 0 る図書室の蔵書数は平成 27 年度末で 94,437 冊を数えま す。一般者の利用は 267 件でした。 特別支援学校(中学部) 合 計 0 0 0 43 106 3,421 ③ 考古学関連書籍や全国の遺跡調査報告書を収蔵してい (6) (出前授業風景) ② 図書の整備と利用 職場体験 中学生に将来の職業や進路に対する関心や理解を深め てもらうことを目的として、埋蔵文化財センター業務を 体験する職場体験実習を受け入れています。 平成 26 年度は中学校、特別支援学校から計6名が実習 を行い、収蔵している出土品の補修作業や保存処理作業 に従事しました。(平成 27 年度は受入れ実績なし) 69 入館者の状況 区 分 学 生 一 合 (平成 27 年度) 個 人 団 体 合 計 428 416 844 般 2,454 1,908 4,362 計 2,882 2,324 5,206