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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
Title Author(s) Citation Issue Date URL <報告>マラヤの女性 : Kedah州における現地調査 梅田, 輝世 東南アジア研究 (1966), 3(5): 122-137 1966-03 http://hdl.handle.net/2433/55172 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University ラ マ - じ め の 女 性 Kedah 州 に お け る現 地 調 査梅 1 は ヤ 田 輝 世 べ る ことにす る。 に i) 婚姻相手 の選択 この報告は,昭和40年 7月 5日か ら 8月31日までマ マ レー人 の婚姻年 令は一般 に低いO適令期 は男性 が レーシア地域調査班 に加わ り特に マ レー女性 の生活 を 20- 21才,女性が 16- 18才頃 といわれ る。婚姻相手 の 中心に調査 した結果え られた ものであ る。なにぶ ん 2 選択は,普通両親 または親族が本人 の意志 を尊重 しな カ月た らず の短期間で満足 な調査はで きなか ったが, が ら行 な う。 しか しイス ラム社会 の通例で,婚姻前 の ここで まず調査経過 を,次にその結果を報告 したい。 若 い男女が 自由に交際す る機会 な どほ とん ど与え られ マ レーシアに到着後最初 の 2週間は,首都 クアラル ていない。そ の うえ婚姻年令が低い ことか ら,女性 の ンプール ( Kual aLumpur)に滞在 した。 ここでは マ 場合は特 に親 の意見 を尊重す るよ う強調 され る。 これ ラヤ女性 の 生活 を 知 る一方 , 国立言語教育局 Dewan は個人 としての若い女性 の意志が認め られ ていない と Bahas ada n Pus t akaに 日参 して マ ラヤのイス ラムに い うよ りはむ しろ,女性は 自分 の意志 を明示 しえ る立 ついて, また マ レー人 の 慣習につ い て の 概要 を学 ん 場におかれ ていない し, また t t 内気 だ。 美徳 と考 え られ てい るか らであ ろ う。 H 従順 "が女性 の tt そ の後す ぐ,マ ラヤ班 の基地 , ア p-/ i ,・ジャング さて,相手 の選択は 先ず 男性側か ら働 き か け られ ス ( Al orJ anggus )に入 ったが, ケダー州の 1州会議 るO この際女性側に求め られ る条件は, コ- ランを上 員 の好意に よ り州都 ア ロ-ル ・ス タ- ( Al orSt ar)に 手に読 む能力を必須 とす る。 これ は, khat an kur an あ るそ の家に住込む ことがで きたので, ここか らア ロ 又は s er ahkl l at an と言 う式 ( p.1 36参照)を済 ます こ ール ・ジ ャングスにバスで通 うことに した。 ア ロール とに よ り認め られ る条件で, このため婚姻決定以前 に ・ジ ャンブスは,『東南 ア ジア研究 』3巻 1号 ,2号に 形式だけで もこれ を 完 了 し て お く必要があ る。そ こ 記 され てい る よ うに,マ レー半 島北西部 ケダー州の稲 で,婚姻直前 に急 いで略式 に khat a nkur anを済 まし 作地帯に位置 し, ア ロール ・ス ターか らバスで約3 0 分 て しま う例 もかな りあ る らしい。 この条件以外 には, の ところにあ る田舎町 であ る。 ここでは,バスの終点 他 の社会 に於け るの と同様,家 の良 さ ( 社会的地位 ・ か ら最 も近 い クバ ン ・シアム村 ( Kampong Kubang 財 力があ ること),女性 の技能 ( 料理 ・編物 ・縫物 の) Si am)を中心に マ レー女性 の生活 と,女性に関す る慣 及び女性 自身 の人柄が問題 とな る。女性 の貞節は婚姻 習 ( adat )について可能な限 り調査 した。 後 も強調 され る。 これ と並行 して, ア ロ ー ル ・ス タ ー では折 よ く当 婚姻 の障害 として,中国人社会 でみ られ るよ うな同 地滞在中の 関西大学藤本教授について ム ス リム法廷 姓不 安の慣 習はないが, コー ランに規定 され るイス ラ MahkamaShar i aに行 き資料 を得 る一方 ,宿主た る州 ム法に よる制約が存在す る。つ ま り男性は 同時に 5人 会議 員の案 内で州内を広 く見学す ることがで きた。以 以上 の女性 との婚姻 ( Qur an 4;3),血族 ( 母 ,姉妹 下 , この結果報菅 であ る 娘,蘇,父方母方 の祖母 とおば,従おば,兄弟姉妹 の 。 , 娘,そ の孫等),婚族 ( 配偶者 の母 , 自分 の息子 の配 2 婚 姻 偶者等),義理 の関係 (義母,義母 の娘,異父母 の娘, 女性 の生活 の場 は家庭 であ る。 したが って,婚姻及 乳母,乳姉妹,配偶者 の連れ子 で 自分 が後見 してい る び これ に関す る問題に関心がむけ られ る。 この意味か 継子)にあた る女性 との婚姻 ,既婚女性 との婚姻,及 ら,先ず婚姻を と りあげ順次 マ ラヤの女性について述 び姉妹,おば と姪,母娘 ( 莱,義理 を問わず) の間柄 - 122- の 女 性 に あ る女 性 と同時 に婚姻 す る こ と を禁 じ られ て い る を うけ , これ に 自分 の意志 で直 接 承諾 で き るのは結 婚 (Q. 4;26, 27)0 andaだ け で あ る。 の経験 を もつ ,夫 と離死 別 した女性 j また 男性 は キ リス ト教 徒 や ユ ダヤ教徒 の女性 との婚 n 結 婚式 の 日ど り, 婚姻 契 約 金 mahar-maskahwi Q.5;7),女 性 は 非 イス ラム教 姻 を認 め られ るが ( の解 ,婚 日金 be l anj akahwi n の額 ,そ の他 の条 件は , 徒 との婚 姻 は絶対 に許 され ない (Q . 2;220,221)。 iと親族 に よ って 婚姻 申 し込 み の承諾 の時 双 方 の wal 州 の ム ス リム法 ( Gazet t e.Gover nmentof Kedah. n は,婚 姻契 約 の時 決定 され るo mahar-maskahwi 1 963,5. ) で も,この規 制違 反 者 に対 す る罰 則 が 男女共 妻 に な る女性 に必ず 支払 わ ね ば な らな い もので,そ の に規 定 され て い る ( Gazet t e.149,( 1 ) .( 2 ) ,151.152)、 iや親族 が これ を得 る 所 有権 は女性 自身 に あ るo wal と りわ け 女性 の場 合 , イ ス ラム教 徒 以外 の TJ i 生と親 し ことは許 され ない。 この支 払 は一 度 に全額 を現 金 で支 くす るだ け で も罰せ られ , この よ うな邦 を繰返 せ ば 州 edi tが可能 で あ る。普 通 は契 約 払わ な くと もよ く,cr l i sUgamlI s l am が 指定 した 家 に の イス ラム議 会 Maj 式 の とき現 金 で一 部 を支払 い ,残 りは夫 の死亡 か離 婚 Gazet t e・149,( 3 ) , 委託 され , 監視 され る こ とに な る ( Fyzee,A. A. ,Out li ne so f Muの ときに支払わ れ る ( ( 4) )。 hammada才 II , al l . ・London,1955.pp.110-122)。Kedal ュ 要 す るに , 適 令期をひ か えた息 子 を持 つ親 に よ り行 なわ れ る婚姻 相手 の選 択 は ,先 ず イス ラム法 の規制 に では この額 は 24M Sで あ る。 婚 資金 ber anj akahwi n も一 度 に 現 金 で 支払 う必 要 が な く cr edi tが 可 能 で あ an kuran を済 ませ た もの とい う 反 しない もの ,khat anda の場 合は dar a の場 合 よ りも安 くな って るが , j 限 定 の うえで,家 の 良 さ,本 人 の技能 , 人椿等 を考 慮 い る〕 しか も先 の mahar と異 な り これ が な くと も合 しなが ら進 め られ るので あ る。 法 的 婚姻 成立 が可能 で あ る。 i i ) 婚 姻 の調 整 と儀 礼 menyebut か ら普通 約 1カ月後 婚 約式 meng h ant ar 婚姻相手 の選 択 が済む と,先 ず 具旧二 側 の 男親 または bel anj a が行 なわれ , 婚資金 は 華やか な 行 列 とと もに 血族の最 も近 い親族 が 相 手 の女性 の ?l ] 親 に 指輪 を お 女 性 の家 に運 び こまれ る。 そ して婚 資金 ,maskahWi n く り,婿 綱 の可 能性 を打 診す る ( chi ncl l i n t anya or 及 び贈 物 har gap e mber i anが Kat hi(I m三m)と 2人 の menyebut ) iかそ の代理 証 人 の立 会 の下 に 男性 側か ら女性 の wal この打 診 が受 け 入れ られ ない場 合 は 3「 圧力知 こ指 輪 hi(I m去m)は , これ らの金 者 に渡 され るこ この時 Kat 瑚' F 1 7後, 男 が 返 却 され るが ,受け 入れ られ る と大 作 lj 箱 及びそ の支払 い方 法 ,贈 物 の内容 を 詳細 に書 き とめ 性側 で結 納 hant aI ・ an 1 ) el al l h を納 め る 口が 決 め られ , i , l I する るomenyebutの時 , 承諾 す るか杏 か を決 め 逗' a の場 合 のは , 未婚女 性 anak dar / /性自身 で な く彼 女 の wal i(後 見 て おかね ば な らない。 この ときの贈 物 に は ,宝 石 を 使 人) で あ る った指 輪 1つ Chi ncl l i ns abel l t Ol ( .衣 装 1組 s apasang wal iは て ラ十 では 父 か,父 な き時 は 父 方 の 兄 弟 が な る 浴 ,戯作 ・縁 者 が全 くい な い未 明女 i 性の場 合及び 正 当 な 理 由な く wal が婚≠ 抑t J J ] 意 を 頼 否す る場 合は ,そ c r j 女性が在住す る区, 城 主 こ こ l r主 ah(1ここlrtl- yこ l ) の Kこ t t hi(Kぐ( hh では 【 Ⅰ 一 一 釦i が 代行 す る こと もあ る)が Wこ I i iの 代理 とな る (( i az ( ∋ t t e. 11 6,( 4) ) l l nこ l k dl l r こ 1は り 律拍 ゝら, J j申L込 夫 を 直接 受 け られ な い し, また 直 掠 も表 示 し 得ない すべ て w ali 承諾 を通 し 写 真1 て行 なわ れ るC ,王 制. f i ・ . の 直損申 し込 右 - 123- 婚姻 の登 録書式 東 南 ア ジ ア 研 究 第 3巻 第 5号 pes al i nan( s ar ong と baj uか らな るマ レー人正装用 の 契約は新婦にな る女性 の wal iがそ の女性 の 在住す る もの),装飾品な どが よ く用い られ る。 地区 kar i a の Kat hi(I mam)に要請 し, この Kat hi 婚約破棄については, 男性側か らの破棄では mas ( I mam) と 2人 の証人の前で新郎 と,新婦 の wal iも kahwi n と hant ar an bel anj aのすべてを,女性側か ら lが宣誓を行な うだ け の もの し くはそ の代理者 waki の破棄では受取 った ものすべてをそれぞれ相手側に渡 で,Kat hi( I mam) が婚姻登録簿に 登 録 して 完 了す Gaze t t e.11 9), これ以 す よ う規定 され てい るだけで ( る。 この登録簿の写 しは登録料 と引 き換 えに新婦新郎 外に何 ら規定はない。 に 1部ずつ渡 され る。婚姻登録の書式は写真 1お よび 一 イス ラムで要求 され る婚姻に伴 う儀礼は ,akad ni kah( Ar abi c:àqdni kah), 婚姻契約だけであ る。婚姻 書式 1の通 りで,先 の婚約式での記録 も記入 され る。 時に よっては この akad ni kahの時に maskal l Wi nや 書式 1 ( Romani z ed) negeriKe dah nO.. ‥. ‥‥. ‥‥‥. ‥‥. ‥. $ 2. 00 bul an … … ‥‥ didaf t ar kan ni kahi t u pa da …‥……‥‥‥. kar uyah . ……. …. …… har i muki m ‥. …‥…‥‥… ‥ … ‥ . dai r ah ‥. ‥‥……… ‥ mamal akュl akidan t empatkedudokan mamaper empuan da nt empatke dudokan anak dar a at au j anda s er t a ket er angan j andanya mama wal idan t empatkedudokan apanas abahwal idengan per empua ni t u ber apama har nyat unaiat au ber hut ang ber apabel anJ anyat unaiat auber hut ang apa pember i an j i ka ada mengalaku t i nggalakan i s t er inaku r upat a' l i knyaj i kadi per buat bュ nt. …‥. ‥… l a manya ‥‥‥‥‥‥ bul a n ‥…‥‥… dan kemdi an dar i pa dai t u mengadu i a kapada haki m ni kah dan nyat ayangdi maki nyai t u padas i s i nyamak pa da kut ok i t ut er t al akl ahi adepan s at ut al ak dir unl ah ‥……‥‥. ‥ t empat ni kahdan t ar i khnyadan J amnya muki m …. ‥…‥‥‥‥. ka mpon g---da i r a . pada ‖‥… . . ‥‥…‥… ha ‥ ‖ ‥ …. ‥ ‥ r i bul an . …… ‥ .… .. - ‥ ‥‥‥‥ j am puku1, . . . . ". . . . . nanayangmeakadni kahi t u apaapahall i hatdibel akang i t u t andaKat hiat au l m去m - 12 4- ラ , V ) 十 女 性 書式 1 (日本訳) ケ 番 号 ダ 州 ー ⊂ 婚姻登録〕 $ 2. 00 . . . ‥……‥‥ 教 区 ‥=…‥‥‥‥ 区 13. …‥‥‥. ‥. l l 附 この婚姻 の登 録は・ --・ -----に よる 域 . ‥‥・ ‥‥‥‥. … 1 9‥‥‥‥…‥. 那 男性 の氏名 とそ の住所 女性 の氏名 とそ の住所 anak dar aか j anda か , j anda の証 明 と共にJ wal iの氏名 とそ の住所 wal iとそ の女性 との間柄 は どんな ものか 現金 ( 支払) の mahar の預 もし くは 負債 の篠 anj aの質 もし くは 負債 の符 現金 ( 支払) の bel もしあ るな ら どんな 贈物 pember i an か 私 の妻を構わず にお く理 由 ‥‥. . . . . . ‥. . の娘 もし行 な うな ら al̀ i k の型 その t し ; そ の其服与 ] 月 そ の後に婚姻 の裁 判官 に彼 を告 訴す る / }ラー クをかためてす るか また 第 1回の タラ- クの とき 3度 の / l J : 親 側の侮辱 が明 らかな とき彼 を告訴す る 婚姻 の場所 f ・ . 区. そ の Hとそ の時 閏 時 間 そ の婚姻式 を と りきめ る人 C ) j名 前 これ以 後, この書面 に よ りすべ て参 照す るこ Kat hi もし くは I m去m の署名 edah(Ar∴i ddat )の後 で合法的婚姉が成立す る。また, pember i a n が渡 され る こと もあ るO andaの証 明 とあ るのは , j anda 書式 1に おいて ⑦ j ④t al̀ i k とあ るのは ni kahbert al̀ i k の ことで, 婚姻契 で あ る ことを示す証 明書 で ,( 1 ) 夫 の死亡証明書 ,( 2 ) 施 約に際 して と りきめた条件を夫 が遺棄すれば 自動 的に 行 中の法 の下 に 発 行 され た 離婚証明書か そ の c opy, 婚姻解 消が成立す る仕組にな った結婚 の ことであ る。 . ( 3 ) そ の女性 が 4カ 月 以 上 在住す る 1 { ari a の Kat hi akad ni kal n の場所 に ついては , 州法 では 原則 とし anda であ る と の 証 明のいずれ ( I mam) が発行 した j aのモス クと指定 し,Kat hi(I m三m)の許可が て kari Gazet t e.11 7),j anda が再婚 の場合, 守 か の ことで ( あれば他 の場所 で も良い と規定 してい るが ( Gaz et l e・ , l t hi(I m三m) に j anda の証 明書 を提 出 してお く め K( 11 8), しか し よほ ど特殊な例でない限 り新婦 の家て行 必要 が あ る。勿論 この とき,後 で述べ る再 婚禁止期 間 なわれ る〔 -1 25- 第 3巻 ; r k南 ア L yア 研 究 ムス リムとして法的に 必要 なのは この aka d ni kah と maharだけであ る。 しか し実際に婚姻に際 して問 第 5号 け の もので あ るが, この時初めて新夫婦 が顔を合わ し, この後 名実共に夫婦 として公認 され ることにな る。つ 題 とな るのほ,慣 習 adatに基づいた 婚姻儀 礼で,村 ま り,ber s andi ng を行 な う までは,合法 的に 婚姻が 落地域 では特に この方が中心 とな る。 この儀礼が派手 成立 していて も夫婦 として公認 され ない し,お互に顔 にな り大 きな ものになれ ば な る ほ どそ の費用はか さ を合わす ことも禁 じられ てい るのであ る。都会 の高等 みリ bel anj akahWi n も pember i an も高価にな ってゆ 教 育を受けた人達 で も華やかな ber s andi ng を行 ない く。そ して kendur ikahwi n とい う披露宴 で は, 料 そ の盛大 さを競 いあ ってい ることか らして も,依然 と 理 のために殺 され た水牛の数がそ の宴 の,ひいては婚 して be r s andi ng が慣 習的に婚姻儀 礼の中心 であ ると 姻儀礼の盛大 さを象徴す る。 考 え られ よ う。そ して この式 の後に音楽入 りの賑 やか kendur ikahwi n は普通新 郎新婦両家で行 なわれ る な供宴 kendur iが続 く。 しか し, anak dar a以外 の が,先ず akadni kahの 日の夜,又は翌 日に新婦 の家で 女性, j anda の婚姻では ber s andi ng が省略 され るこ 行 なわれ る。ただ村では数 カ月後 ,ke ndur i( 供宴)を とも少 な くない。 行 な うために,収入があ り更に時期 的に も雨 の少 ない この ber s andi ng の際,新 郎新婦 共, マ ラヤの民族 収穫後 に行 な うのが多い。 また,新婦 の家だけで行 な 衣装を身につけ る。 図 1に示す よ うに伝統的 マ ラヤ正 うこともあ る。 さて,kendur ikahwi nは ber s andi ng 装で,慣 習 として続 いてい るきまった装飾 品がつ き, とい う儀礼で始 まる。 この儀礼は kendur iに 出席 した そ の 1つで も欠け ることは許 され ない。 人 々の前 で,新夫婦 が王座 の よ うに飾 りたて られた座 また, 現在 ほ とん ど行 なわ れ て いな いが, 新婦 が 席 ( pel ami n)に並 んで坐 り人 々か ら祝福 を うけ るだ akadni kahの前夜, イナイ ( Lau J s o ni ai ne r mi s )の葉 を利用 し手足 を赤 く染 めて飾 る慣 習 もあ る 。 これは, イナイの樹 の葉を石 でつ ぶ し, どろ どろに した ものを両手指 先 に塗布 して 1晩そ の ままに してお いて赤 く染 めつけ るもので,同様 に して,両手掌に丸 く,両足 のつ ま先 か らくるぶ しまで足裏 に平行 して 1 本 の線状に染めつけ る。 こ うして, per ami nに坐 る新婦 を よ り華やかに す るのであ る。 3 離婚 と再婚 マ レー人社会 の離婚率は驚 ろ くほ ど高 い。例 えば マ ラヤに於け るマ レ -人 の毎年 の婚姻件数 と離婚件数 と ,Mal a y を比較す ると ( Dj amour,J・ Ki ns hi p and Mar r wgei n Si nga・ po re .1959.pp.135-7),離婚件数は婚 姻件数 の半分 またはそれ以上 にな っ てい る。1 948-57年 の統 計でみ ると Mar r i age/Di vor ce ( Shi r l eCor don,H 図 1 Mal ay weddi ng cer e1 1 0ni aldr es s Rakai an adatber s andi ng Mel ayu -1 2 6- i nt he El even St at e s( ) f Ma一 aya ni i s ari .I I ,No.2. andSi ngapor eりI て ニ ー / ヤ uj 女 J H r 1 965.pp.24-32),Ke dahの場合離婚件数は婚姻件数 の 的に離婚 して edah を終 えた後 でなければ成立 しえな 61% 強 とな ってい る。 これ は Tr engganuや Kel ant a∩ い (Q.2;230)。 従 って この場合,婚姻に際 しては の 70-77% とい う数に 比べ ると少 し低 いが , Johor e, mahar が必要 とな る O Mal acca,Sel angorな どの30-40% とでは相 当差があ なお,妊娠中の t al ak の場合,前述 の ごと く, 出産 る。 更 に,表 1で示す Kedah 州の64年 の数字 を比べ と同時に離婚は成立す る。但 し子供 の授乳を終 らせた て も,507 / / bもの高率 であ る。 もちろん, この よ うな数 い場合は 2カ年以 内の享 受乳が許 され る。 この間母子共 字 だけでは如何 ともしがたいが ,Kedahでは,離婚率 に夫か ら扶養を受け る権利を もつ (Q.2;233)。 また が高い とい う点は疑えない事実であ る。 edah 中に 当事者 の 一方が 死亡 した場合,生存者 の方 イス ラム法で認め られ る婚姻解 消法は ,( 1 ) 配偶者 の 2 )t al ak ( Ar.t al aq), ( 3 )cherai 死に よるものか, ( は婚姻中に於け ると同等 の遺産相続権を有す ることに な ってい る. コ 第( 3 ) の Cher ait al a】 i k に よる婚姻解 消法は,婚姻契 t aàl i k( Ar.t al aqit a1̀ i q), ( 4)f as ah ( Ar .f as kh). f 5)khok orkhol o'(Ar. khul a) な る型 の離婚に よる hi 約 の時契約 した条件が遂行 され ない場合,妻 が Kat もし くは カーデ イ法廷 MahkamaKat hiに告訴 し, 認 ものがあ る。 第( 1 ) の場合,配偶者 の死 亡に よ り婚姻が 自動的に解 め られれば 成 立 す る離婚であ る。第 ( 4) の f as ahは 婚 消 され て男性は直 ちに再婚で きる。 しか し女性は夫 の 姻 の法的無効の ことで,配偶者 の一方 または双方 が婚 死亡 の 口か ら 4カ月 1 0日の再婚禁止期 間 eddah (Ar ° 姻生活 を続け ていけない身体にな った場合,激 しい環 i ddat ) を済 ませ た後 で なければ婚姻を結べない (Q, 境 の変動 に よ る夫婦 間の 危棟 の場 合 Kat hi もし くは 2;234)。ただ,夫が 長期間行方 不明で 死亡 した と信 カーテ ィ法廷に訴 えて 成 立 す る も のであ る( )この場 じられた場 合は,妻の申請 に よって妻が 4カ月以上在 合,法廷は ムス リム法に 従い 2人の調停人 hakam を a の Kat hiが夫 の死亡推定証 明書 を発行 住す る kari 指名 し,夫婦に 1人ずつつけてその解決を計 る義務が Ga一 す る。 この証 明書 を得た後は 自由に婚姻で きる ( ある ( Gazet t e.126,( 1 ) ,( 2) ,( 3 ) )。そ の他正 当な理 由が z et t e.129,( 1 ) ,( 2 ) )0 な く4カ月以上夫が家を空けて扶養 の義務 を果 さない 離婚の うち最 も一般的なのは 第 ( 2) のt al akに よる も のであ る。 これは夫が 妻に離婚の意志を吉げ ることに 時,また家にいて もこの義務 を果 さない時, 妻は Kat l l i か カ-デ イ法廷に菖訴 し婚姻 の解 消を申請 し うるr , 5) の khol o'に よる場 合 は, t t 双方が ア ッラ-の 第, よって成立す る。つ ま り男性 の一方的宣言で成立す る 離婚であ る。 この場 合 edah は 3カ月 1 0日 (l ooロ) 錠 を守 りえな くな った場 合,女性 の方 で 自分 の身 を 酔 で (Q.2;234), もし妊娠中の場合, 出産 と 同時 に い とって も両人 の落度にな らない" とい うコー ラン 2 e dah が終 る。 また正式に婚姻契約 を行 な っていて も, 重 229節か らきた 離婚で,普通宴が mahar の分与金 事実上婚姻生活を しないで 離婚す る場合 , edah を守 (mut ' ah) を放棄す るか,夫に報酬をす る 代償 として dah の期間中 あ る い は 妻 る必要はないO さて この e 同意を得て成立す る。 もち ろん女性 の親族か らの出費 の妊娠期間 ・ 巨 夫は妾を扶 養す る義務が あ り妻は これ で も夫が 同意すれば成立す ることにな る。ただ この場 i a の kat hi に申請 し夫か を 4カ月以上在 住す る Kar 合で も edah 中の妻 の扶養は夫 の義務 であ る。そ して t e.1 34,( 2 ) )。 しか し実際 ら受け る権利があ る (Gazet に こうした義務を果す 男性は僅かであ り, この ことが 女性 の立場 を よ り不安定な ものに してい る。 dah のあいだに再 婚す ること 離婚 した 当人同志が e は可能 であ る 】この よ うな再婚は r oj oh ( Ar.r uj uà) とよばれ る しか し r oj ohが許 され るのは 2度 の t al ak までで, 3度 日の t al ak と同時に 婚姻は 解 消 し女性 の edah 中の 取 消 r oj oh はで きない〕 この場合,当 】 の再度の婚姻は,離婚 した女性が 1度他 の男性 骨 鋸∼ ( chi nabut ( I0rmubal l i l )と婚姻 し更にそ の男性 と合法 - 127- 写真 2 離婚 の登録書式 王南 ア L >ア 研 究 第 J j この場合 当事者 同志 の再婚は,正式 に契約を もって行 3巻 第 51 , 3 ・ 書式 3の通 りで あ る。 なわねば な らない。 なお,離婚 しよ うとす る者はその意志 を決めてか ら 4カ月の猶 予をお くこ と が 求め られ (Q.2;226), 妻 の生理 中の t al akは非合法 ではないが良い ことでは ない。t al ak の場合, 夫 は 7日以 内に離婚 した 土地 の Kat hi( I mam)に報告 しなければな らない。報告を う けた Kat hi( I mam)は登録簿に記入 し,そ の証 明書を ) また e dah 中の再婚 r oj oh 発行す る。 ( Gaze t t e.121 の場合は直 ちに離婚を登録 した Kat hi( I mam)に 申 し 出なければな らない。 離婚 chur ai と再婚 r oj oh の 写真 3 再婚 の登録書式 登録書式 は,それ ぞれ 写真 2,書式 2お よび写真 3, 書式 2 ( Romani z ed) negeriKe dah daf t archur ai 00 bi r an $ 3. t ar i khdaf t arpada …. ‥…. ‥‥. … daf t arnumber. . ……‥…‥. ‥ numberus ai kah ni kah at au r oj oh ‥‥‥‥……‥‥ muki m . . . . . . . . . . . . . . . . . . kar uyah . . . . . . . . . . ". . . . . dai r a. . . . . . . . . . . . . ". . 1, mamal akil a kide ngan s ape noh …‥‥…‥‥‥‥ numberkar dpenge nal an . . …‥‥‥…. … 2. t empatdudokan 3. mamaper empuan dengans apenoh ‥‥…‥‥‥‥ numbe rkar d penge nal an ……‥‥…. ‥‥ 4. t empatdudokan 5. s aks is aks i: …. . ‥‥‥‥.number 女ard pengenal an ‥‥‥…‥ ‥……. ‥‥ (1 ) れama dengan s apenoh . t empatdudokan (2) mamadengan s ape noh t empatdudokan numberkar dpe nge nal an 6. j eni schur ai( t al ak khul af as ah t a' al i ki t uf as ah) 7. j i kat al ak ber a pa t al ak・ nya ‥‥…‥‥‥…. .dan ] uml ah t al ak 8. apa ket er angan t al ak i t u 9. j i kakhul aber apabayar an・ nya 1 0. j i ka f as ah t a' al i k/f as ah apa f as al nya ll . apa ket er angannya 1 2. t empatdan har i bul an dan wakt u chur ai …. …‥. . . …‥‥‥……‥ 1 3. kenekabe r chur aiper empuan me nyandong/hi dah/at au s uchi. : ::三a : ::…a: : a e k r i ela , k u i a:. ' . I : 二 二 二 . ' . ' I I . 二. 't anda t angan s aks is aks i 詰, '. ' 二 二. ' . I : 二 : 二 . I . ' . ' . ' I . I . ' 二 : . . t andaKat hiat au I m会m - 128- 、 ︰ / ラ マ 日 ′ . \ 2 式 書 登 婚 州 録 ダ ケ 離 金 $ 3.00 額 日‥…‥‥‥‥… 目に登 録 され た 登 録番 号 . ‥‥‥‥…. ‥ 破棄 され た婚姻 もし くは再婚 の番号 ‥‥………‥ 区 教 域 ‥. ‥‥. . . . …. 1.男性 の氏名 ,詳 細に 2.住 郡 ‥. ‥. ‥‥=… 区 身分証 明書 ( Ⅰ . D.Ca r d)番号 ‥‥‥‥. … . -. ‥‥‥. 所 3. 女性 の氏名,詳細 に 所 氏 証 吊 4.住 ‥ 身分 証 明書番号 人 2 囲 住 民住 身分証 明書番号 身分 証 明書番号 6.離婚 の種 類 ( t al ak,khul a,f a s a ht aàl i k即 ち f a s ah) al ak な ら幾度 の t al ak か ‥‥‥…‥. . ‥ t al ak の総計 7. も L t 8.そ の t a l ak の証拠は何 か 9. も L khul aな ら,そ の賠 償 (支払金)は い くらか 1 0. も L f as ah 離婚 な ら/ どんな 内容 で結 婚 を取 消すか ll.そ の証拠 は何 か 1 2. 離 婚 の場所 , 臼,時 刻 1 3.離 婚す る女性 の状 態,妊娠 中か/生理 か/ 清浄期 間か 証人署名 男性署名 ( 1 ) ( 2 ) 女性 署名 Kat hiか I mam の署名 表 以上,離婚の方法 とその処理を述べ たが, 女性側か らの正当 な 離婚 請 求 3ア O,婚姻数に比べ ると 1%にす ぎな いo これ は khol o'が女性側 の 出費を 伴 うため,家庭内の主導権を もてない 女性が多い この世界では当然の ことと 考え られ るが, この問題に対す る女性 側の処置 として,女性が家出 した り, いやが らせ作戦を と り男性に t al akと させ るようしむけ る方法が とられ ると 1 68 841 1,509 1 43 375 291 644 701 251 1 82 J aml a hc a s e 5,1 05 196 4年 K ed ah 州 2,589 671 86 Mah kama S har i a登 記 簿 腔 よ り 結 婚 - 1 29- be r khol ok r oj oh 1 04 0 074 08 2 aiで総括 してある)に比べて, ( chur Langka wi Kuba ngPa s u Kot aSt ar Pa dangTe r a p Ye n Si k Kual aMuda Ba l i ng Kul i m Banda rBa ha r u c hur a i 64 48196 15 7 298 5 1▲9 1 43 1 1 表 1で 明らかな よ うに,全体の離婚数 ni ka h 1 7555657 71 1 77 459 13 93 6 47 113 31 は khol o 'だけで あ る。 この 割 合 は mamada i r a h . …. . ‥‥. …. . . . . ‥ , 離 婚 の項 抜 葦 束 南 ア i 77 研 究 第 3巻 第 5号 書式 3 ( Romani z ed) neger iKe dah pendaf t ar an r oj oh bi r an $ 2. 00 t ar i khdidaf t ar kan pada ‥…. ‥. ‥. ‥….bi l angan pendaf t ar bi l angan us ai kah chur ai muki m …‥‥…‥‥…. dai r ah ……‥・ …. ‥‥. j aj ahnya ‥. ‥‥‥‥‥‥. ‥ 1. nanal akil akidengan s apenohnya ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ bi l angan kar d penge nal an ‥‥‥‥‥‥ 2. al amatt empat ke dudokan 3. nanaper empuandengans apenohnya . ……‥‥‥…. .bi l angankar dpenge nal an . . ‥‥. …‥ 4. al amatt empatke dudokan 5. mamas aks is aks i: (1 ) nanadengans apenohnya --- --- -- bi l angan kar d pengenal an ------al amatt empatke dudokan ( 2) nanadengan s apenohnya ‥… - ‥-‥・ - bi l angan kar d pe ngenal an …. . …‥‥‥‥‥ al amatt empatke dudokan 6. r oj ohdiat ast al ak kal iyang . . . . . 1 ・ . ・dan J uml aht al akyangt el ahdichur ai. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7. be r l af adzr oj oh be r hada pan 8. t empatdan har i bul an dan wakt ur oj oh 9. (t andat angan)l akil aki‥‥… … ‥‥- .( t andat angan)s aks is aks i‥…‥……‥…-‥. ‥(t andat angan) per empuan -‥‥‥- ----- t andaKat hiat au I m8m いう ん ど女性の仕事 とな り,刈入れの時に も女性が仕事 を 。 しか し何 とい って も離婚は女性に とって扶養者を失 して収入をえてい る。 このため女性 の発言権が強 い場 うことであ り,生活 の安定が崩れ ることである。 また 合 もあ るが,原則 として女性は家長た る男性の下にあ 女性 自身に何 らかの欠陥があると噂 され るもとに もな り,毎 日の食料です ら,男性の手で購入 され る家庭 も る。 このため離婚,再婚の数が多 くて も,大抵は離婚 少な くない。 された とい う事実を遠 ざけてお きたい との感情を少な か らず もってい るよ うであ る。 女性が家庭外に出て活動す るのは喜 こぼれない。 も ちろん,都会の女性や高等教育を うけた人 々の問では, 同性,異性を問わず握手を して挨拶を交 し,食事 を共 4 家庭内における女性 にす るが,普通は,町で も村で も初対面の異性客 の接 家族は親子か らな る核家族が多 く, この単純家族に 待は,すべて男性 ( 主人か長男)に まか され,女性は おけ る女性 の 日常生活は,家事全般,料理,掃除,洗 台所 で料理す るだけであ る。村 の旧家では食事 も男女 濯,子供 の世話 と,宗教的規制を除けば他の社会 と全 別に と り,外来客 も男性はその主人 と長男の接待で客 く変 らない。ただ村では, よほ ど裕福な家庭でない限 間で,女性客はそ の家の女主人 と共に奥の部屋で食事 り妻が仕事 を して家計を助けなければ経済的 自立は望 す る。女性 の活動す る場,台所や奥の部屋には ( p. 1 33 めない。そ こで稲作地帯では苗代作 りと田植 えはほ と 参照) よほ ど親 しい男性でない限 り入れない。 30-1 L , ) _ 7 女 性 書式 3 (日本訳) : r グ 州 Roj oh 登録 金 解 $ 2. 00 登録番号 ‥…‥‥…‥‥‥ Rに登録 された 破棄 され た離婚 の番号 区 那 ‥…. ‥…‥. …‥‖ 域 1.男性 の名前 , 詳細に . ‥… 教 区 . --…-. -‥・ . --‥‥‥-・ …・ ・ ‥. ‥‥‥‥‥‥…‥. ‥…‥. …‥‥ 身分証明書 ( Ⅰ . D.Car d)番号 …‥. ‥. ‥‥. 2.居住場所 3.女性 の名前,詳細に . ‥ 身分証明書番号 4.居 住場所 5. 証人たちの名前 身分証 明書番号 ( 1 ) 名前 を詳細に 屠佳場所 ( 2 ) 名前 を詳細に 身分証 明書番号 陪住場所 6.. ……‥… 回の t al ak に よる再婚 . . ‥‥ al ak の総計 離婚す るまで の t 7. ……‥‥‥‥‥‥… の前 で再婚を表 明す る 8. 再婚 の場所 と年 , 日附 9. ( 署名) 男 ( 署名) 女 性 . …‥. …‥ (署名) 証人 性 ‥‥‥. ‥‥. Kat hiか I mam の署名 以上 の よ うな男女間 の距離は,女性 の地位が非常 に 親 の家に住む のが普通で,複 婿か再婚でない限 り,期 低 く,女性は家長 の下 に家の中に入 りこんで しまって 間は ともあれ大抵親 と同居す る。即 ち bers andi ng の 個人的な 自由を持 てない とい うよ うに受取 られそ うだ 後,新夫婦はそれ ぞれ の実家に等分 に盾を移 し,そ の が,彼女達 もそれ な りの 自由を持 ってい る。男性が主 滞在期間を次第に長 くして どち らかに落着 くとい う習 婦 の仕事を甘 くみ てい るとか,男性が女性 よ りも優位 慣か ら親 との同展は余儀な くされ る。 この場 合女性 の にあ るとかい うことは認めてい るが, 百分運の立場 を 側か らす ると女性 の実家に落着 くのが歓迎 され る。TJ 卑下す ることはないOそれ どころか,家 庭内では家事 性 の実家に同冒す る場合,嫁 と姑 との対立がお こ りゃ 万端 の支配 者であ るが如 く振舞 ってい るO 1E 15回の すい。 この両者 の対立が夫婦 の危棟 を よぶ こともあ る 礼拝。 3度 の食事 とこれに付随す る仕事。 この間に 田 とい う。 この点か ら女性 の両親 と 同 居す る の が 良い に出て働 いた り,魚を釣 った り,家 の中で喋 りなが ら と, さる kampOng の女性 が心得顔に言 っていた。 編物 ,縫物 を した り,雑 用の繰返 しであ る単純な生活 i i) 育児 子供 の数は 4- 6人, 男女半 々か女子 を のなかで,彼女達は 彼女 らの 自 由 に な る範囲で満足 多 いめに もつの を 理 想 とす るO 子供が無 い 場合 また し,楽 しんで生活 してい る。 は,男児か女児が欲 しい場 合養子が と られ る。養子は ここで家庭生活でお きる問題をあげ,そ の内容 と彼 女たちの見解を明 らかに してみ よ う。 i)親 との同置 マ レー人だけに限 らず,中国人, イン ド人 の子供 も含 まれ,そ の取扱いは実子 と変 りない とい う. 新夫婦は婚姻後第 1子 の誕生 まで -1 31- 育児は 自然 の ままに行 なわれ人為的な工夫ほほ とん 束 南 ア L yア 研 究 第 3巻 第 5号 どされない。子供が泣けば授乳 し,授乳が不必要にな み下 して しま う方法があ る。 これには専門家がいて 1 れば離乳食 を与 え る。離乳期は 1- 2年 で離乳食には 人につ き30M Sの費用がかか る。普通村での最低生活 ミル ク,那,肉類,馬鈴薯 の他軟 らか く炊 いた粥状 の ご 費が 1カ月50M Sとい う点か らす るとこの30M Sは高 ほんを用い る。乳幼児の 口に t 乳首"をか ませてあ り いが,子供を一人前にす るまでに 行な う慣習 adatで 4才の子供で も就寝時に用い るとい う。 また歩行前 の 費す現金支払だけで も最低 28M Sは か か る故,生 ん 子供 の足首には 鈴 を つ けた金属製 の輪 (l ant aikaki で育て るよ りは 造かに安 い。 しか し大抵は 村 の呪医 ば orgul i ng kaki ) をはめてい る。 泣 く子をあやす時鈴 bomohとか,呪医 と産婆を兼ねた bi dan kampongの を鳴 らす のだ とか, よ く歩け るよ うにはめ るのだ とか ところで教 え て も らった薬 を服用す る。 bi dan kam- 言 うが特別な意味はない らしい。歩行は 13カ月頃か ら ,特に妊娠,出産に まつわ pongはマ レ-人の慣習 adat で歩行器な ど一切な く, 自然に歩 きだす のを待つ。排 る女性 の adatに重要な役割を果 し, 女子 の割礼 も行 便は 2才頃か ら朕け,それ迄は chawatとい う長方形 な う。呪医をかねた産婆で女性 の相談役に もな る。堕 のポ ロ布を腰にあて る。 3才をす ぎると 1人で便所に owas(明肇),kopor bor os( 樟 胎薬に用い るものは ,t 行 くことにな るが,おね し ょその他 の失敗については 脳),si nt ok ( 髪洗いに用い る,樹皮の粉末),そ れに あ ま りひ ど く叱 ることはないCマ レー人の家臣構造が mi s an とい う, ni pahヤシの実 の蜜の よ うな部分 とが 簡単であ り,処理 が容易に で き るか らであろ うか, あ る。 明磐は ココナ ツ水 に 溶か し, 樟脳 は アイス ク " Kot or l ah!' '(きたない. /) HBukan. 〟(駄 目よ) ぐら s an は 水 と共 に 飲 用 す リ- ム ・ソーダ と共 に, mi いで後はポ ロ布で拭 きとるだけであ る。女性が育児面 る。いずれ も生理が来 るべ き 目にない とき 1日に 2- で特に重視す るのは,上手に歩 き,走 り,話す ことで 3回飲用すれば効果があ るとい う。最 も効果的な堕胎 amor,J . ,op.°i t .p.1 00),Ke dahで あ るとい うが (Dj 薬は,s i nt ok と gul amer ah ( 赤砂糖)を水に入れ混 は特に考慮 していない。ただ万 国共通の母親の原臥 、 を ぜ合 し, これに樟脳 の粉末を加えた もの とい う。 もつだけであ る。 反対に子供が欲 し く と もで き な い 時, bomoh に 子供 の朕は普通母親が行な う。小言,打つ,つね る r eh 祈願を依頼 し,bomoh が祈 りを こめ て 作 った si とい う制裁 の外,納屋に閉込め ることもあ るが, よ り pi nang を細か く切 りきざんだ も の を食べ るといい と 重い制裁は父親が行な う。 6才か ら小学校に通 う子供 い う。 たちは,午後 を コーラン塾です ごす。学校で も週数時 i v) 複婚 イス ラムで男性 の妻帯を 4人 まで許 して 間, コー ランが教 え られ るが,塾では毎 日 ( 金曜 日以 い るため,複婿 の例は多い。複婿 の場合,男性はその 外)宗教先生 gur u ugama が コーランの 読みかたを 第 1夫人に同意を得て行 な うことにな ってい るが,実 教 え る。 この頃か ら女児は家庭 の雑事 の うち簡単な手 際に この同意を得 るのほむずか し く, うやむやの うち 伝を始め,母親が家事全般の こと,編物,料理な ど徐 に行なわれ る。 また女性側 も生活 の不安を恐れて これ 々に教 え こむ。 こ うして初潮の始 まる11-12才頃には を黙認す るのが現状であ る。複婿 の場合,男性は数 ヵ 母 親の立派な助手にな る。 月間新 し く迎 えた妻 と共に過す ことがで きるが,その i i i ) 避妊 と堕胎 子供が多 く (7- 8人,時には 13 後はすべ て平等に妻達を扱 う義務があ る。普通は,夫 人 もの子供をかかえてい る),裕福でない 人 々 は,避 人たちの家を順に泊 ってゆ くが,時 としては同一家屋 妊薬を用いた り,公認は されないが堕胎 も行な ってい 内に 2人 の夫人が同居す ることもあ る。 しか しこの例 る。 しか し期待に反 して生 まれ た子供で も, 子供 は は僅少であ る。同 じ夫を もつ女性問の対立は多 く,互 非常に可愛が る。避妊薬には コ コナ ツの水, それに に牽制 し合い反擬 し合 うが暴力沙汰にな る例はな く, ubil angke nang と称す る山芋 の類が もちい られ る。 その うちに男性が どち らか一方 に落着いて しま うこと ココナ ツの水は毎 日コップ 1杯飲用 しその水で腹部を にな る らしい。 さす るとの ことであ り, ubil angkenang は,切 って 複姫に対す る女性 の意見は様 々で,30代以上 の村 の 水に入れ加熱 した ものを毎 日飲用す るとい う。 これ ら 既婚女性は宗教で定め られた ことだか ら仕方 ない とあ の効果は当然望めない。 き らめ, 何 の反擬 もこないが ,20代 の女性は家を出 ると 堕胎法には,妊娠後 3カ月頃腹部を激 し く採み,操 か離婚 させ るとかい きま く。そ して 1 0代 の anakdar ah - 132- ラ ー て ' J r I ⊂=] Ke r b ea u ( 水 牛小尾 ) 」e l a pa n ・ : 納屋 ) [ =コ 図 〔 孟 図 註 2 〔諾 3 宗 1 〕 ;3 孟 竺 5人〕 Oは就寝場所, A :男性来客 との談話場所, B :女性来客 との談話場所 , 〔 コ 内は家族 の数 は全 くもって不合理 だ と嘆いていたO一般には, 棚 男性があ くまで平等に扱 うな ら仕方 ない,我慢 し よ うとい うのが女性側 の意見であ る。 Ⅴ) 家屋 と家財 一般に村 の 家屋 は 高床式 の ni pahヤシの葉でふいた 純 マ レ-家屋で, 家 具と い って も夫婦用ベ ッ ドと衣装戸棚 くらいであ る。 しか し,裕福 な家は, 2階建 ,木壁 トタン屋 根で, 調 1階は しっくいの床 で鏡台,帆 ,椅子 な ど多 くの 欄芸 家具を備 えてい る。次に見取 図をあげ てみ る。図 ロ 2は中流農家,図 3は下流農家,図 4は町 の上流 家庭であ る。 台所 daporは, 図 4の 家では 水道 があ り,炭 を燃料に近代的な設備を してい るが,図 2,図 3 な ど,村の家臣では,雨水を飲料水 としそ の他は 池の水を使 う。 このため台所 の入 口近 くの土間に 必ず水がめが 2, 3個 おいてあ る。 もちろん,図 4の よ うに土間のない家では床下にお く。町や村 で土間に カマ ドを据え,食器棚,戸棚をお き,更 に机,椅子 をおいて食堂 としてい る家 もあ るが, と くに図 3の如 き家が多い村 では,食器類,台所 用品は雑然 と台の上 に並べ られ,薪 を使 う必要か 千 ら戸外 で煮炊 きす る。調理は普通,土 間か床に坐 りこんです るっ まな板な ど村 では一 切用いず ,包 -1 33- 東 南 ア ジ ア 研 究 丁片手に器用に手に もって魚,野菜を切 ってゆ く。 第 3巻 n P J 5シ ナ して これ ら慣習に重要な役割を果すのが ,bi dankam無免許 の) で あ る彼女 が 出 pong で, 呪医兼産婆 ( 5 女性 と慣習 産に関す るあ らゆ る慣習,女子 の割礼そ して避妊及び マラヤ女性は,その誕生か ら死亡時に至 るまで,様 堕胎の世話 まで引 き うけてい る。 々な伝統的慣習を行な ってい る。都会の英語教育を受 さて, ア ロ-ル ・ジャングスでは国立の施薬所があ けた者に もまだ残 ってい るこの慣習は,村落において danker aj a an が無料 で出産 り,政府派遣の助産婦 bi は根強 く浸透 してい る。次に, こ うした慣習を列挙す を助け,村の女性たちを指導 してい る。 しか し免許の る。 ない bi dan kampong の力は強 く,現在 の ところ村の I.出生時乳児に対す る慣習 adat 女性は出産時に政府 の助産婦を利用 し,それ以外は全 ( 9 dema h の儀礼 (出生時) dankampong の教 える adatに従 って い るよう て bi chuchorr ambut及び baginamaの儀礼 ( 坐 ・ ② であ る。 後 7日目) 出産は第 1子の場合大抵産婦 の 実 家 で 行 な われ, bawaht ur un be dak の儀礼 ( 生後44日日) ⑧ 打' .幼児 ・少女期 be dr oom に近い清潔な部屋が用い られ る。 出産時準 備 され る品は ④ ber khat an orber s unat(2- 3才) ィ.小型 マ ッ ト ⑤ khat an kur an ( 15才頃) ロ.布 Ⅲ.成人 ハ 1枚 .S ar ong t anga n,S ar ong kaki( 蚊な どの虫にか ⑥ kahwi n まれない よ う,乳児が 自ら顔な どを傷つけない ⑦ 産前 ・産後の t aboo と慣習 よ うに手 と足にかぶせ る袋) ① ki r i m per utの儀礼 ( 産前妊娠 7ヵ月 目) ㊥ l e nggan per utの儀礼 ( O ber t e ngku (産後) ㊤ 44日間の t aboo (/ /) / y こ .k ai nl ampi n (4隅に紐を つけた 10×6 イ ンチ の長方形の布 と 2隅に紐をつけた 1辺 6イ ンチ ) の三角 巾とか らな る腹 まきセ ッ ト) ホ.be dong ( 裸線,お しめ) これ ら慣習は イス ラムに従 った もの と,土着の伝統 -.その他,子供用品,衣頼,ベ ッ ドな どで, さし 的慣 習 adat とに 区 別 され るが,先にみた よ うに ⑥ あた って,イ∼ホの品物が整 え られ る。出産時 ,bi dan kal wi n 婚姻儀礼では この両者が組合わ されてい る。 nol ongan と呼ぶ助 kampong が行な う場合, 必ず pe ④ khat an 割 礼, ⑨ khat an kur n コー ラン読み修 a ongan は大抵若い女性がな り, 手を 2人使 う。 penol 了式は,イス ラムに従 った もので,行な うのを奨励 さ 将来 の勉強を させ るとい う。彼女たちは産婦の頭,左 れ るが,その他は土着 の慣習 とな った ものであるOそ 足をたてて持ち押える役 目で,実際のお産は右手に陣 写真 4 か ま 写真 5 図 3の家の台所 ど - 13 4- ニ ノ 女 どった bi danがす る。ただ難産 の場 合 とか ,12-13カ 月す ぎて もお産 しない場合には病院にお くられ る 。 @ 町 他 bi dan kampong が持参 の剃 刀で 乳児の頚 を剃 る。 では産院に入 る人がかな り憤 るが村では まだない 。 双子,三 ツ子 の場 合 も特別視す ることはない。逆子 バ mandi(水浴)を させ る。 号 i katt angan,t al lpi nggan ( 手足 と腰に黒糸を 巻 く)をす る, の時は前 もって 手当をす る。政府 の助産婦は病院に送 りこみ, bi dan kampong は 腹部 を 押 え て 正 常 位 に き, bal ahamul ut( 金 の指輪 ,次いで青いバナナの す るとい う。 尚, 出産時に 支 払われ る暫用は , I ) i dan 輪切 F ),そ して ミル クを次 々に 口にあて る)を kal npOngがお産 を手伝 った場合 15M S, penol ongan す る。 には 50s entず つであ るか ら少 な くとも 16M S はか し き 乳児に be dong (お しめ)をあて る。 か るO一 切無料 の政府 の助産婦 の利用度が高 くな るの 上j bi dan kampong が この 日に作 った endoi ( 写 は当然の ことであ る。 真 6, 7参照)にのせ る 。 次に前述 した adatについて,順 次そ の 内容 をみ て ・ J: ) 女児には chuchur( 耳たぶに 穴 を あ け る)を す る。 い くことにす る 。 』 1.出産時 : D demah の儀 礼 gI kendur i( 供宴) 誕生後,暦 の緒を処理 した乳 oh l ahi rを使わせ る 児にお湯 ・石鹸 を用 いて初湯 bas baginal T l a (名付け) と続 く。 r eh の葉を火にか ざ が この後 で行 なわれ る儀 礼で , si ' i T j の endoiは buayan ともいい, S ar Ol l g( 布) と し腹部 に当て る行為 を 3度繰返す。 これ には無病息災 t al i( 紐),kayu ( 俸)で 1 1 = Jっ た 即 席揺 りか ごの こと な どの 祈 りが こめ られ るとい うD demah の後 は,布 で, 1人 の 子に 1つ, 必ず bi dan kampong が つ く を焼 きそ の灰を麿 の上 にお きそ の上 か ら kai nl ampi l l る。度′ の chuchur は耳飾 りを 通す穴 を耳 たぶにあけ をつけ,更に bedong を ま く。 そ して手足 に s ar ong ることで, 6- 7才で行 な うこともあ る。村 では まだ t angan,s arol l g kakiをつけて母親 の横 にお く。 この 大部分 の人が行な ってい るが,町 ではす でに幾分か廃 s ar on t angan,s ar ong kakiは 2カ月後 に取除 く。 れ てい る 。 号/ l chuChorr ambut及び baginama 誕生後 7 日 耳 の名付けに 際 しては, bi dan kampOng が あ らか 目に行な う乳 児の髪剃 りと名付け の儀 礼であ る。 この 儀 礼の腰 は ・ イ 〕 al i m (イス ラム教に明 るい人。 宗教識者)が来 て乳 児を 祝福す る, , 写真 6 endoi 誕生後 7 kampong が製作 l jF 封こ l ) i dan 写真 7 - 135- 班 南 ア ジア研 究 じめ 作 って きた 名前 と, 両親が 選 んだ名前 とが al i m 第3巻 であ る。割礼の順序は, の他親族一同で比較検討 され る。 この決定権は父親に 1.胡座を くみ坐 った母親が ひ ざ の 上 に 子供をお あ り,名前を決めた翌 日,村 の pol i ces t at i onに父親 く 。 が届け出 る。 2.bi dan kampong が 子供 の首に 白い木綿 糸のか この 7日目の儀礼は,マ ラヤ全域にあ るよ うだがそ せをかけ る。 の方法は地域に よって異な る。Si ngapor eでは この 日 3.ber as pul utkuni ng をひ とつ まみ切断個所に に床あげを し,bi dan に贈物 をす る。そ して髪 を剃 る 当て る 。 のは44日後だ とい う。( Dj amour .J . , op.°i t .pp. 89-91 ) ③ bawah t ur un be dak の儀礼 第 5号 4.pi nang の角を台に して剃 刀で切断。 5.綿 で切 り口をお さえ る。 出産後 44日間母 6.子供 の首にかけてあ った糸かせで,be r a spul ut 子共に一切外 出で きない t abooがあ るが, この t a boo kuni ngをつ まんで 3度子供 の頭に振 りかけ るo があけ る目,44日目に初めて乳児を外 に出す儀礼が こ れ であ る。 これは al i m が乳児を祝福 して外に連れ 出 以上 ,準備 の時間 も含めて約1 0分で完了す る。甘皮 し,子供 の足を大地につけ るだけの ものであ る。 この を切 りとるだけであ るため出血 もな く,子供 の恐怖心 とき地面に 1 0s e nt貨幣か金 の指輪をお きそ の上に足 さえな くしておけば,簡単に済 んで しま う。 この費用 をのせ て,直接子供 の足が地面につかない よ うにす る は,bi dan が出張 して行 な う場合は最低 1. 50M S と きま りがあ る。 なお この 日か ら乳児は endoiをお り, い うが, この時は紙 の上に pi nang,s i r eh少 々と共に be d に寝か され るとい う。 60s entのせてあ り, bi dan は少ない と渋い顔を して いた 。 廿.幼児 ・少女期 尚,割礼の時使 った pi nangと切取 った甘皮を s i r eh ④ be r hat an,ber s unat( 割礼)村 では男子が 9-ll 才, 女子が 2- 3才で割礼 ( hat an)を行な う。 男子 の葉にのせ, kopor( 石灰) をふ りかけた ものを紙に の場合 mudi n とい う専門家がい るのに対 し, 女子は くるみ持 ってい ると子供がで きない とい う。 bi dan kampong が 自分の家 か又は割礼 を受け る子供 ( 参 khat an kur an 5- 6才 か ら始 まった コー ラ の家で行 な う。 また男子 の割礼が成 人式を兼ねた華や ン読み方教育 の修 了 した時に行 な う儀礼で,普通は男 かな もので, kendur i( 供宴 )があ る のに対 し,女子 女共 1 5才頃に行 な う。勿論 これ よ り早 く行 な うことも の場合は義務的にひ っそ りとな され kendur iもない。 あ る。 但 しアロール ・ス ターでは女子は 7才で割礼 し,男子 Ser angorでは 1 0才頃に行な い, khat an kur an の の場 合 と同様 ke ndur iを行 な うと いい, クアラル ン 後す ぐ ber hat an ( 割礼) を し て子供 の成人を 祝い, プ-ルでは割礼年 令は ア ロール ・ジ ャソグス と同 じだ 盛大 な kendur iをす るのが普通だ といわれ る。Kedah が,割礼者は コ- ランを教 えた教師 gur u ugamaで, で も,khat an kur an と割礼を一緒 に 行 な う例 は 多 兄弟姉妹,同 じ年頃の者が 同 じ日に割礼 し,共に ken- い。 dur iをす るとい う。 8月1 0日,bi dan kampong の家 khat an kur an の 日, コー ランの読み方 を教 えた教 で立会 うことがで きた女児 の割礼 の模様を述べ ると, 師gur uugamaは じめ親族,友人たちの前 で子供は覚 先ず準備 され る品は, えた コー ランを唱 しそ の才能を披露す る。そ してそ の ① ㊥ ナ イフ ( 西洋剃 刀,刃先 を 2cm くらい残 し, 後 で kendur i( 供宴)があ り, gur u ugama は お礼 あ とは布を まきつけてお く。 ) として子供 の両親か ら1 0M S贈 られ る。 この式を済 ま pi nang ( ka chi n とい う pi nang 切 りで, 厚 さ す と,子供に対す る親 の義務は も う婚姻相手を選択す 2cm くらいに切 り,両端を切 りとってお く。) ることだけ とな る。 Ⅲ .成人 ㊥ 1個 be nang mant ah (自木綿 糸) 1紹 ⑥ ㊤ 綿 ① ki r i m pe r utの儀礼 ㊥ be r aspul utkuni ng( 黄色 く色づけ した もち米) bi dan kampong との契約儀礼 を ki r i m per ut とい 少量 う。 この儀礼は出産に際 し必ず行なわ るもので,父親 少々 -1 36- 産前産後 の t aboo と慣習 妊 娠 7カ月 目に 行 な う て ; i 1 I の 女 性 とな る人が 若 干の s i r eh の葉 と pi nang, p- ソク 1 行 なわれ , l enggan perutでは bi dan が 7色 の サ ロ 本,それ に 1 5-50s entの現 金を紙にのせ bi dan kam- ンの上に寝かせた妊婦を持上げ, これ を振 るとい う dan が これ を受取 る pong の ところに持 ってゆ き,bi しか し Keban Si am 村では, ki ri m per utはすべ て 。 と出産時 の手助けが確保 され るとい う仕組にな ってい の出産に対 し,l enggan per utは初産 の時 のみ行 ない, る。実際に 出産時 に頼む予定でな くて もこの儀礼は行 enggan perutの時 s ar ong を準備す るが用い 更に l なわ九 ,村に 2人 bi dan kampong が宿れば 2人に こ ず ,前述 の如 きものであ った。 の契約がな され る) ㊥ 巧 bert engku 出産後 3 日間, 産婦は お湯 で mandi ・ l enggan per ut これは ki r i m perutに引続 き, L,ubatparam (植物 の一種 で作 った塗薬)を全身に 妊婦 の家で bi dan kampong が行 な う儀 礼で,初産 の dan kampong が産婦 の つけ る。そ して通 い来 った bi 崎 のみ行なわれ る。 これ に先立ち準備 され る晶は, 全身を もみ ほ ぐす (berl ur ut )。 また, 出産 と同時に ィ.玄米 aboo期 を通 じて , 1日 2- 3回,正 始 まる44日間の t 1ガ ンタソ ロ.damar (ゴムの樹 皮を円筒状に まるめた もの, 0-60分行 な う 火で暖め, これ を腹部にあて る。 1回3 30cm ュ くらいの長 さ) -.熟 した ココナ ツ とい うが, これは腹部 の冷え るのを防 ぐとともに,鹿 3個 こ .b enang mant ah (自木綿 糸) 部 の皮を早 く引締 め る効果が あ るとい うO この暖めた 1紹 ホ .bakoh ( 寵, ココナ ツの実 が 余裕を もって 入る 石を t ungku といい,これ を腹部に当て ることを ber. t ungku とい うこ 程度 の大 きさを もつ もの) へ 式 には鉄 の棒 と言われ るが普通は手頃な大 きさの石を 専 s ar ong 2- 3枚 ( 枚数に制限 な し) 少量 ト ココナ ツ油 (または オ リ- ブ油 ) あ らか じめ 寵 に玄米, ココナ ツ 1個 44日間の t aboo(pant ang) 前述 の如 く出産後 44日間は母子共に外 出を禁 じられてい る。 この期問を damar を入れ , ココナ ツには benang mant ah をか pant ang とい うが, この間は , t ungku をす る こと, bar °s ( 木蘭科) とい う木 の 根 を 粉 末 に した も のを mandiの後 につけ ること,そ して胡座をかかず横終 り けてお く。 bi dan が妊婦 の家に着 くとす ぐ妊婦 に mandi (水浴 ) にす ることの他は食事 の制限 であ る。 を させ,床に寝かせ て左右足下 に皮をはいだ ココナ ツ 食べて良い もの と悪 い ものは,同 じ村で も人に よ り を 1つず つお く。妊婦の腹部に油をつけた bi danは, 非常に異 な る。例 えば bi dan kampong が卵 ・野菜類 静かに さす り,寵 に入 った万 の ココナ ツで腹部を 7回 r i n per utや は一切許可 して い な い のに,彼女に ki 撫 で下す 。 7回 目に ココナ ツを腰上に のせた まま手を l enggam per utを して も らい, 政府 の 助産婦 に 出産 放 し, ころが り落 ちた ココナ ツが上をむけば ( 実 の限 を頼 んだ婦人は,卵を食べ栄養をつけない と駄 目だか もとの方が上になれば)生 まれ る子は 男子,下 になれ らといい, また野菜 も広範囲に食べ てい る。 andi を して ば女子だ と信 じられ てい る。 このあ と nl 食用を禁 じ られ る も のは, i kan s embi l ang とか dan は このお 礼として bakoh 一式 終 るのであ るが bi gel ama とい う魚, そ の他多種 の魚, 野菜特に キ ャベ と s ar ong,それ に s i r eh,pi nang と共に紙 にのせた ツ,果物特に ブ ドウ, リンゴ, マ ンゴ,チ ュソプダ等 2. 50M S のお礼を受け る。 妊婦の足 もとにおい た コ で, そ れ に ビ- フ ソ (ミ-,中国風 ヤキ ソバ と汁 ソ コナ ツは 油を と り, 妊婦は 出 産 の 日まで 毎 日, この メ),紅茶があげ られ る。許可 され た食 品は,莱,水, 油を御飯にかけ て食べ る。 この儀 礼の後には kenduri マ レー式 コ- ヒ一, ビス ケ ッ ト, ご く限 られた種類 の ( 供宴 )が あ り,村人が招 待 され るとい 負,肉で,限 られた種 類の野菜,果物 も含 め る人 も多 う 。 AI wi bi n Shei kh Al hady,M al a y Cus t o ms and くいた。 こ うして44日間,家の中で子供 の世話や軽い家事を Tradi t i o n.Si ngapor e,1 962.pp.1 3-15.では ,ki r i m enggam per utは南部で perutは マ レ-半島北部で ,1 す るだけ の生活をお くるのであ る。 - 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