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授 業 科 目 C52刑事裁判実務 2単位 担 当 教 員 川島 利夫 科 目 分 類

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授 業 科 目 C52刑事裁判実務 2単位 担 当 教 員 川島 利夫 科 目 分 類
授
業
科
目 C52刑事裁判実務 2単位
担
当
教
員 川島 利夫
科
目
分
類 実務基礎科目 選択必修科目
対
象
学
年 3年次
講 義 の 目 的
実務上の素材・事件記録教材(殺人,窃盗,傷害,業務上過失致死など典型的な事件の捜査
記録,公判記録,その他の記録,事例集―故意,共犯,正当防衛,訴因変更など多様な論点を
出来るだけ盛り込んだ事件記録を利用する)を検討しながら事実及び法的論点の整理,争点の
把握,検察官,弁護人それぞれの立場での立証活動,事実認定,裁判手続の流れを理解する。
起訴状,冒頭陳述,保釈請求書,違法収集証拠などの証拠能力に関する意見書,論告・求刑,
弁論要旨などの刑事裁判に関する基本的な法文書について,使用する事件記録に即して適切な
法文書を選択し起案するなどして実務との架橋をはかる。
また,裁判員制度,公判前整理手続,量刑,外国人の事件,交通事件,少年事件等の実務に
ついても学ぶ。
講義の位置づけ
刑事実体法,刑事訴訟法,刑事裁判実務の基礎の応用科目と位置づける。検察官,弁護士,
裁判官の刑事裁判実務における立場,役割の違いを理解し,それぞれの立場を踏まえた事実認
定,法的判断能力,分析力を養う講座とする。
履修上の注意
刑事実体法,刑事訴訟法,刑事裁判実務の基礎,基本的人権の基礎の各単位を取得している
ことが望ましい。
講義に使用する事件記録教材,関連する判例や教科書(実体法,手続法)は各回該当する部
分を事前に予習しておくことが必要である。
また,課題となる法文書をあらかじめ起案してもらうことがある。
成績評価の方法
成績は,①科目修了試験,②小テスト,③課題,④授業中の質疑応答の内容を総合して行う
。それぞれの比率は①50%,②ないし④は,②15%,③25%,④10%を原則とする。変更の場合は
初回の授業において知らせる。
教
科
書 法務総合研究所の事件記録教材等のうち利用可能なものを配付する。
刑事弁護実務(司法研修所編・日本弁護士連合会発行・最新版)
,刑事弁護実務(別冊書式編
)
(司法研修所編・日本弁護士連合会発行・最新版)
,教員が配付するレジメ・資料
参
考
書
等 刑事訴訟法判例百選 刑事訴訟法の争点(有斐閣,いずれも最新版)
検察講義案(最新版・法曹会)
刑事第1審公判手続の概要(最新版・法曹会)
講 義 の 内 容
第1回 捜査実務における諸問題
各 回 の 主 題
・講義の目的,内容,進め方,資料,参考書の説明
・任意捜査の許容範囲(職務質問,所持品検査,任意同行など)
・強制捜査(逮捕・勾留,差押,強制採尿など)の諸問題
・上記に関する重要判例の検討
第2回 起訴前の弁護活動
・接見の実務上の諸問題
・黙秘権など被疑者の権利についての説明
・接見制限等に関する重要判例の検討
・被疑者側の証拠収集(証拠保全など)
・起訴前弁護活動の重要性について
第3回 公判請求,勾留,保釈の実務
・起訴状及び起訴状に対する釈明
授
業
科
目 C52刑事裁判実務 2単位
担
当
教
員 川島 利夫
・勾留に関する実務上の諸問題
・保釈の実務(保釈請求の時期,手続,保釈の要件,保釈保証金)
・保釈却下決定に対する抗告または準抗告
第4回 訴因,冒頭陳述
・第1回公判から判決までの刑事裁判の流れ
・訴因制度,訴因変更制度と実務
・被告人・弁護人の被告事件に対する陳述(争点の把握・検討)
・冒頭陳述(検察官,弁護人)
第5回 証拠能力に関する諸問題
・使用する事件記録教材に関し,違法収集証拠の証拠能力,自白の任意性,信用性などに関
する意見書の作成を試み検討する場合がある
・証拠能力に関する実務上の諸問題について事例・判例を検討する
第6回 論告求刑,弁論,事実認定
・公判記録を利用し,証拠の評価と事実認定を検討する
・公判記録を基に論告・求刑ないし弁論要旨を起案し検討する
第7回 刑事裁判傍聴
・日程調整ができない場合は,ビデオを活用し,あるいは著明事件を担当した先輩弁護士か
ら刑事裁判の実情について講話を受ける
・適任者がいない場合は,教員の経験に基づく事実認定の難しさ,刑事裁判の重要性などに
ついて講義をする
第8回 情状弁護,求刑,量刑
・殺人,窃盗,傷害,覚せい剤取締法違反,業務上過失致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪
)などよくある事件について,求刑と情状に関する実務を学ぶ
・情状弁護の重要性と弁護のポイントを検討する(動機,被害者との身分関係・人間関係,
被害者に対する謝罪・被害弁償・被害者の宥恕,前科・前歴関係,監督者の有無,更生の
可能性,その他)
・量刑の実務
第9回 刑事弁護人の地位・責務,弁護人の倫理
・刑事弁護人の地位と責務
・刑事弁護人の倫理について事例をもとに学ぶ
第10回 上訴,再審
・控訴の意義と構造,控訴の手続,控訴理由
・控訴趣意書,答弁書
・上告審の意義と構造,上告の手続,上告理由
・上訴審における弁護人の選任
授
業
科
目 C52刑事裁判実務 2単位
担
当
教
員 川島 利夫
・再審制度の概要と事例
第11回 外国人事件と弁護活動
・通訳を受ける権利,通訳の費用
・起訴状と翻訳の添付
・通訳の正確性
・出入国管理及び難民認定法と外国人被疑者・被告人
第12回 少年事件と付添・弁護活動
・少年法の概要(少年法の特徴,手続,少年に対する処遇など)
・少年保護事件における付添人活動
・少年審判の手続,検察官関与
・検察官送致(逆送)後の弁護活動
第13回 交通事件と弁護活動
・交通事故の多発,被害者の権利擁護と自動車運転過失致死傷罪,危険運転致死 傷罪の新
設と内容
・事故現場の確認,実況見分調書の検討
・事故の態様と被害者側の過失
・自賠責保険,任意保険,被害弁償
第14回 裁判員裁判と弁護人の役割
・刑事司法への市民参加
・陪審と裁判員制度の概要
・裁判員制度の下での弁護活動
第15回 公判前整理手続
・公判前整理手続の意義
・公判前整理手続の実務
・前回までの補足
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