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第三セクター点検評価報告書
第三セクター点検評価報告書 平成23年8月 三春町第三セクター経営検討委員会 三春町第三セクター経営検討委員会 委員長(公認会計士) 委 員 上石 三好 菊田 真司 渡部 一博 佐久間 茂 平成23年度点検評価報告書 1 要 旨 町は、平成12年9月に第三セクター管理条例(以下、 「条例」という。)を制定し、第三セク ターの経営状況を点検・評価し、毎年議会に報告している。 また、平成21年度には、平成22年度から26年度までの5カ年計画である「三春町第三セ クター改革プラン(以下、「プラン」という。)」を策定したが、このプランの点検及び評価につ いては、三春町第三セクター経営検討委員会が行うこととしている。 このほど、町内の二つの第三セクターから平成22年度の決算状況が報告され、町は条例に基 づき点検・評価を行ったことから、それを受け、本委員会が客観的で専門的な視点から点検評価 を行ったものである。 2 対象とした第三セクター 名 3 称 設立年 資本金(千円) 町出資額(千円) 出資比率 (株)三春の里振興公社 平成3年 26,000 19,200 73.84% (株)三春まちづくり公社 平成5年 80,000 40,500 50.63% 本委員会の点検評価について (1) 点検評価の方法 ○ 「平成22年度の財務諸表や収支計算書」 、 「条例に基づき町が行った点検・評価結果」等 に基づき検証する。 ○ 条例に基づく町の評価の視点は「行政課題の達成度」 、 「経営の採算性」、 「公的支援の妥当 性」、 「財務内容及び資金調達方法の妥当性」であるが、本委員会は、第三セクターの経営状 況、業務執行状況等について関係者からのヒアリングを行い、専門的な立場から財務諸表等 の書類を用い、プランに基づき独自の点検評価を行う。その視点は、以下のとおりである。 (2) 4 ① 事業の必要性、公共性等からみたその存在意義 ② 社会経済情勢の変化に対応した事業内容等の見直し ③ 事業が効率的に実施されているか ④ 公的支援は妥当であるか ⑤ 各種経営指標の分析(経常損益、資金流動性、負債比率等) ⑥ 経営の改善等 点検評価のまとめ ○ 評価結果は、「概ね良好」、 「改善の余地あり」、「事業継続に問題あり」の3段階とした。 ○ 評価の結果、改善すべき事項を明らかにして課題等について協議、検討を行った。 法人別の評価結果の内容 別紙1、別紙2のとおり 1 ■ 条例に基づき町が行った点検結果 区分 (1)行政課題の 達成度 (2)経営の採算 性 (3)公的支援の 妥当性 (4)財務内容及 び資金調達 方法の妥当 性 (株)三春の里振興公社 地域農業の振興策の一環として、地元農 産物の加工・販売・食材への提供などによ り地産地消を推進している。特に、農産物 直売所「かご市」は、農家・消費者双方に とって利点があり、農業振興に大きく貢献 している。 「かご市」を含む町内からの仕入れ・取 引額は約 1 億 2,940 万円(全取引額の 70%) に及んでいることから、雇用創出を含めて、 地域への経済効果は大きい。 また、三春町堆肥センター、さくら湖自 然観察ステーション等の指定管理者とな り、公共施設管理の経費削減など町の行財 政改革にも寄与している。 売上高は東日本大震災に伴う福島原発事 故の影響による宿泊予約のキャンセル、農 畜産物出荷制限による「かご市」の売上減 少などにより、対前年比 4.1%減の 3 億 5 百万円に留まった。 この対応として経営方針の転換をせざる を得ない状況となり、当面被災者の受け入 れ施設として位置付けるとともに、事業縮 小により希望退職者を募るなど徹底した経 費削減に取り組んだ結果、厳しい経営環境 のもかかわらず経常利益が約 296 万円と昨 年に引き続き黒字を計上できたことは評価 できる。 町の課題である都市と農村の交流、地産 地消の推進等を通じた地域の活性化を図る ためには、今後とも官民との連携が必要で あり、公的支援については妥当と判断する。 懸案の取締役の従業員からの登用について は、主体的な経営を図る観点から必要であ ることから人選が進められている。 継続して経費削減等の経営改善の取り組 みを行っているが、設備の故障など水道光 熱費の増加により販売費及び一般管理費の 削減が思うように進まなかった。3 期継続 して単年度収支黒字を達成しているが、長 期借入金の償還額が大きく、資金繰りにつ いて苦慮する月次が続いていることから、 今後とも財務内容を改善するため、経営改 善の取り組みが求められる。 2 (株)三春まちづくり公社 商業基盤施設(みはる壱番館、北町館) を整備し、賃貸住宅・店舗を管理し、街な か居住、中心市街地空洞化の抑制、賑わい の創出に貢献している。街なかへの医療機 関の誘致等により街なか回遊性の向上のも 寄与し、都市機能集約の推進と歩いて暮ら せるコンパクトなまちづくり形成に向けて の貢献度は高いものと評価する。 また、ばんとうプラザにおいてはキオス ク撤退に伴い、速やかに「駅.com」を開 設し、通勤・通学・観光など駅利用者の利 便性向上に寄与している。 東日本大震災に伴う福島原発事故の影響 により販売部門の売上が若干減少し、売上 高は対前年度比 1%減の約 6,900 万円に留 まった。一方、修繕費、支払手数料など販 売費及び一般管理費の削減が図られた結 果、経常利益は対前年度比 25.4%増の約 809 万円と 2 年連続の単年度黒字を計上し た。経営改善に向け継続的な取り組みが必 要である。 設立の目的である商業振興対策や中心市 街地活性化を実現するためには、今後とも 官民の事業調整等、公益的事業の推進が不 可欠であり、公的支援は妥当である。 また、ばんとうプラザなどの管理受託業 務は、その運営が町の政策判断による部分 が大きいことから、損失部分を町が補てん するのは妥当である。 今後、中心市街地の空き店舗対策などの 課題に取り組むことになるが、社員の採用 など人的な充実も求められる。 2 年連続単年度黒字を計上したものの依 然として累積欠損金が生じており、役員報 酬無償化、経営改善に向けた取り組みなど、 引き続き経営体質の強化に努めるとともに 部門毎に収支の点検、見直しを厳しく行う など売上増、経費削減等について取り組ん でいく必要がある。 現預金と減価償却費で長期借入金の償還 額を賄うことが出来ているため、資金繰り については余裕がある。 別紙1 ㈱三春の里振興公社 3 ■ 経営の現状と委員会の点検評価 評価視点 1 事業の必 要性、公共 性等からみ たその存在 意義 現 状 □ 田園生活の提案という設立目的を踏ま え、地元農産物の加工・販売・食事への提 供など地産地消を推進し、イベントは地域 住民の交流や賑わいづくりに貢献してい る。 □ 農産物直売所「かご市」は、農家・消費 者双方にとって利便があり農業振興に大 きく寄与している。 □ 指定管理者として、三春町堆肥センタ ー、さくら湖自然観察ステーション、三春 ダム資料館等管理運営を行っている。 □ 「かご市」をはじめ、地元企業からの原 材料費の仕入れ、地元企業が生産した産品 の販売を行っている。 □ 雇用創出を含めて、地域への経済効果は 大きい。 評 価 内 容 □ 当社には「新しい田園生活文化の提案」 という役割が期待されている。引き続き、 農産物加工品の開発、販売先の開拓等に よって、地元農家を牽引できるような取 組を期待したい。 □ 町内業者から 5,750 万円、かご市会か ら 7,193 万円の仕入をしており、町内仕 入割合は 70%と高い。 □ 上記等を勘案すれば、事業内容は地域 振興に貢献しており、また、その役割を 果たしており存在意義がある。 □ 事業について町民の理解を得るため、 営業実績や財務状況等の公開が必要であ る。 2 社会経済 情勢の変化 に対応した 事業内容等 の見直し □ 平成 23 年 3 月に発生した東日本大震 □ 震災によって収益の見込みがたたない 災・原子力発電所事故により、桜シーズン 中で、避難所として一時転換したことは の予約が軒並みキャンセルとなった。 適切であった。 □ 県からの要請もあり、避難所として受入 □ 原発事故による風評被害によって、売 るべく当座の経営方針を転換し、3 月下旬 上の 3 分の 1 を占めている「かご市」の から本館及びコテージを 2 次避難所、新館 売上げがどうなるかは特に懸念材料であ 3 階及びみどり館を 1 次避難所とし、また、 る。 浴場を町内への避難者の入浴施設として □ 7 月から新館 3 階の再利用が始まり、2 提供すること等によって収入を確保した。 次避難者が 8 月を目途に退所することか □ ダム資料館フォーレは休館し、堆肥セン ら、その後どう収益を確保するかは課題 ターは建屋、侵入道路が被災し、一時稼働 である。営業努力に期待したい。 が停止したが、仮復旧により堆肥の製造、 配達を再開している。 3 事業が効 率的に実施 されている か □ 経費の削減…原子力事故による風評被 □ 春先の低温や東日本大震災というマイ 害等を考慮して事業縮小に踏み切った。そ ナス要因はあったが、経常利益は黒字を のため、希望退職者を募り、平成 23 年 3 計上できたことは評価できる。 月 31 日をもって正規職員 10 名、常勤パー □ 経費削減に取り組んでいるが、売上の ト職員 6 名の削減を行った。 向上が見込めないことから、23 年度下半 □ 売上の向上対策…… 期の経営状況によっては、抜本的見直し ・売上高は目標に対し約 1,900 万円、経常 に迫られる可能性がある。 利益は約 1,000 万円届かなかった。大震 □ 職員削減は断腸の思いに違いないが、 災後の売上減少がその要因である。 事態が早期に収束し従前同様の経営が展 ・グランドゴルフコースを公園内に設定す 開できるようになることを期待したい。 るなど顧客の確保に努め好評を得たが、 □ 堆肥センターは、搬入量の確保と利用 年間総利用客数は 28 万 4,465 人と前年 販売促進が引き続きの課題である。なお、 度比約 3 万人余、10%減少となった。し 放射能汚染に対する対策に万全を期す必 かし、販売額は 3 億 522 万円で約 4%の 要がある。 減少にとどまった。 ・宿泊は、シルバープラン、忘新年会、目 黒区・企業の合宿や各種催事で客数は 15%増加した。 ・食事・宴会は、利用客が約 25%減少し 4 (続き) たが、季節メニュー、企画メニュー、地 元野菜を取り入れたメニューの工夫など が好調で、客単価が上がり、売上高は前 年度並みとなった。 ・かご市は、上期は春の低温続きで売上が 低調であったが、下期は天候が安定し野 菜が順調に出荷され、売上回復の兆しが 見えたが、原発事故によって出荷制限が かかり売上目標に届かなかった。 4 公的支援 は妥当であ るか □ 町の財政負担……平成 22 年度に町が支 払った内訳は、次のとおりである。 委託料 10,958 千円 (前年度比△510 千 円) 農業公園管理 2,530 千円 三春ダム資料館管理 2,438 千円 自然観察ステーション 5,990 千円 補助金(前年度同額) 観光物産振興 1,386 千円 □ 施設管理では、里の茶屋の茅葺屋根の部 分葺き替え、電話設備改修を町の事業とし て実施した。 □ 損失補償……町は新館建設時の借入金 3 億円に損失補償をしているが、損失補償限 度額は償還元金と約定利子で 2 億 8,272 万 円まで減少している。 □ 町派遣職員……プランでは、町職員の派 遣を止めるか、人件費の一部を負担すべき としていたが、平成 23 年 3 月をもって町職 員の派遣が終了した。 5 各種経営 □ 売上目標を下回ったが、今期も売上高は 3 指標の分析 億円を超えた。 (経常損益、 □ 平成 22 年度の経常利益は 296 万円の黒 資金流動性、 字で、3 期連続して単年度黒字を計上でき 負債比率等) た。 その結果、未処分損失は△5,992 万円と 前年度比△296 万円減少した。 □ 年度末に借入金償還に伴い資金不足とな り、運転資金として 1,500 万円の借入を行 った。 6 経営の改 善等 □ □ 田園生活館の指定管理料と施設使用料 は相殺されているなどによって、売上高 に占める町からの収入依存度(割合)は 4.0%程である。 その収入は、自然観察ステーション、 ダム資料館、農業公園などの指定管理料 であり、町負担が妥当な施設である。 □ 派遣職員の終了によって、会社発足以 来、初めて町職員の派遣がなくなったが、 これまで給与は町が負担していたことが 改善されたことは一定の成果である。 □ 損失補償に関しては、単年度黒字が維 持できれば実際に補償することはない。 順調に借入金返済が継続されることを期 待する。 □ 経常損益は黒字であり、債務超過額は 損失補償付債務の 12%である。 □ 22 年度決算における自己資本比率は 8.8%、流動比率は 31.4%と低く短期的な 資金繰りに余裕がない。 □ 営業利益率は 1.5%、経常利益率は 1.0%と前年度より低下した。売上高が減 少し、販売費・一般管理費が前年度より 若干伸びていることに起因する。 □ 会計処理上では、平成 23 年 3 月期で 税務上の欠損金を使い切り、平成 23 年度 から当期利益がそのまま課税対象となる ため、毎年約 400 万円の法人税負担の増 となる。 □ 毎年、年度末に借入金償還のため資金 不足となるため短期借入を行っている が、公的支援を考慮すべきである。 プランでは、現職の町課長が兼務する取 □ 取締役へのプロパー職員登用は、自 締役には、プロパー職員等を登用すべきと 主・自立した運営を行うために提言して していた。平成 23 年 6 月の株主総会で町職 いたことであり、改善がみられた。 員に変わり従業員 1 名を取締役に選任した。 5 (続き) □ 自然観察ステーションは大震災により 1 □ 堆肥センターは、大震災・放射能汚染 次避難所として利用された。23 年夏以降は、 によって管理費を補う収益は望めない。 葛尾村の役場機能が置かれることとなるた よって、赤字分は町が補てんすべきであ め、指定管理業務の見直しが必須となる。 る。 □ 堆肥センターは大震災によって被災し、現 □ プランでは 28 年 3 月期から資金収支 在は仮復旧で運転しており、復旧工事の完了 がマイナスとなる予測。平成 22 年度当期 をもって本来業務に戻ることとなる。 利益が予測を下回り、かつ平成 23 年度の 収益はある程度減少すると予想されるこ とから、災害による事業縮小を踏まえ、 損益予測、資金収支予測を見直して経営 していく必要がある。 □ 当社を取り巻く状況を考慮すると き、中期財政計画の策定が必要である。 総括評価 概ね良好(但し、原子力災害により懸念材料がある) □ 包括的所見 大震災による影響があったにも関わらず、宿泊客数を伸ばすなどによって、単年度 収支の黒字を3期連続して達成した経営努力を評価する。 □ 原子力事故により、かご市、宿泊などの売上げの減少が予測されるなど、23年度 の経営は厳しい事態が想定されるが、委縮することなく、会社の発展が地域の振興に 繋がることを信じて経営し、まちづくり会社として飛躍することを期待したい。 □ 例年、借入金償還のため年度末に運転資金不足になっている。当社は極めて公共性 の高い事業を展開しているのであるから、資金調達に苦慮する場合、町が運転資金を 貸付ける制度を創設することの可否を検討されたい。 6 平成23年度 株式会社三春の里振興公社 基本情報 平成23年6月30日現在 Ⅰ.概要 電話番号 0247-62-8010 〒963-7722 福島県田村郡三春町大字西方字石畑487-1 ホームページ http://www.miharunosato. 深 谷 茂 常務取締役 佐 野 功 代表取締役社長 設立年月日 平成3年2月26日 形態 株式会社 JAたむら 800,000円 ( 16株) 3.08% 26,000,000円 資本金 町 出 以 資 出資割合 ㈱桜ファーム 6,000,000 円(120株) 23.08% 出資者 出資金 外 者 の 73.84% 三春町 19,200,000 円(384株) ◎沿革 平成3年 (株)三春の里振興公社設立(2/26)。資本金2,000万円(出資比率:町51%、JR東日本45%、JAたむら4%)。 平成4年 三春ダム周辺乱開発防止で、地権者対策に終始。カントリーライフ研究会発足。JR及び町から各種業務受託。 平成5年 過足地区田園集落(紙漉の里)基本デザイン業務を受託。三春の里整備構想実現のための事業調整業務。 平成6年 三春の里農業公園供用開始(4/8)。三春の里田園生活館の管理運営を受託。開発部・営業部の2部制に変更。本社移転。 平成7年 田園生活館運営軌道に乗る、創業以来単年度黒字達成。不動産仲介業務(新幹線沿いの残地売却処分代行)。かご市スタート。 平成8年 紙漉の里工事施工監理・確定測量業務受託。不動産仲介業務(同上用地)。売上2億突破。 平成9年 測量業務廃業。紙漉の里完成、販売業務受託(40区画中10区画成約)。入居者に対する生活相談業務受託。加工食品コーナー設置。鶏放し飼い開始。 平成10年 紙漉の里自治会発足。開発部門閉鎖。売上2億2千万円、当期利益900万円達成。 平成11年 地場農産物の商品化を目指し加工食品部門新設。 平成14年 新館(レストラン・浴室拡充、プール、宴会場新設)オープン(7/15)。 平成16年 東日本旅客鉄道㈱撤退。里の茶屋オープン。 平成17年 三春町堆肥センター・さくら湖自然観察ステーションの管理運営を受託。 平成21年 出資者(2社)より増資(120株)があり経営基盤の強化が図れる。 所在地 平成22年 ◎設立目的等 「地方の生活」の視点から地域開発を見直すことが、長期的に地域を発展させる唯一の方法であるとの考 設立当初の目的 えのもとに、単なるリゾート開発ではなく、『働くところ、住むところ、憩うところ』を総合的につくり (あいさつの中 あげるための事業主体のひとつとして、三春町の「まちづくり」に貢献し、町の産業、経済、文化等の発 から抜粋) 展に寄与する。 「田園生活館」 開設の目的及び 事業内容(開設 あいさつの中か ら抜粋) 「三春の里田園生活館」は、田園生活の楽しさ・豊かさを発掘し、普及するためにつくられました。 「都市生活者には田園への憧れを、農村人には生活に活力を」という願いをこめて、農芸・園芸などの新 しい田園生活文化を追求し、それに基づいた生活提案を行うための活動を続けていきます。 新しい田園生活文化を創造する可能性とそのための素材は、この地域の伝統的な「農」と「暮らし」の なかにあります。 三春の里田園生活館の運営を、地域に根ざし、地域の人々に支えられたものにしていくこと、従来の農 村的閉鎖性の殻を破って新しい可能性を引きだしていくこと、そして、都市生活と農村生活を隔てる壁を とりはらって交流を実現し、創造的な活動へと結びつけていきたいと思います。 地域の人たちも、遠隔地から来訪された人たちも、この恵まれた田園生活の中でゆとりある生活空間と 生活時間をともに楽しんでいただき、私たちの新しい生活提案に共鳴してくださることを心から願ってい ます。 【事業内容】 1.土づくり農業を基本とする農芸及び園芸・工芸の調査・研修・普及。 2.「質と安全性」を重視する多品種少量生産をいかした食文化の研究と普及。 3.都市と農村との「もの」と「こころ」の交流。 4.ゆたかな田園環境の形成とそのなかでの憩いの提供。 5.その他多様な「田園生活」の可能性についての情報提供。 1.地域開発、都市開発及び環境整備等のための調査、測量、企画、設計並びに管理 2.不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介 3.宅地、事業用地等の企画、開発、造成並びに販売 定款に記載され 4.ホテル、旅館その他宿泊施設の経営 ている目的 5.食料品、日用品雑貨の販売及び土産品店の経営並びに飲食店、遊技場の経営 6.テニス場、遊園地等のスポーツ・レクリエーション施設の経営及び管理並びにその受託業務 7.郷土資料館、美術館等の文化施設の経営及び管理並びにその受託業務 8.前各号に附帯関連する一切の事業 経営方針 「経営改善計画(H20~H22)」あり。 7 Ⅱ.組織等の状況 ①役員の状況(平成23年6月30日現在) 取締役 9名以内 任期 2年 定款上の役員数 監査役 2名以内 任期 4年 定款第19条及び第32条の規定により、当会社の取締役及び監査役は、株主総会において、発 役員の選任方法 行済株式総数の3分の1以上に当たる株式を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもっ て選任する。 取締役 役員数 常勤 (うち報酬支給人数) 監査役 2 (2) うち町OB ( ) うち町派遣 非常勤 ( ) (うち報酬支給人数) ( ) ( ) 役員平均年齢 歳 役員の報酬、退職金についての規程等の整備状況 うち町派遣 ②職員の状況(各年度末、23年度は6月30日現在) 区分 平成21年度 平成22年度 常勤管理職職員合計 4 4 法人採用正規職員 A 1 1 町派遣職員 その他 常勤一般職職員合計 15 15 法人採用正規職員 B 町派遣職員 その他 20 20 常勤職員数合計 常勤パート職員数 8 8 非常勤パート職員数 5 6 職員総数 33 34 常勤職員平均年齢 歳 非常勤 ( ) 役員平均年収 合計 2 (0) 千円 無 平成23年度 平均年齢 平均年収(千円) 3 5 8 2 6 16 常勤職員平均年収 千円 平成23年6月30日現在 取締役会 深谷 茂 佐野 功 志田善一 村上正義 新野徳秋 柳沼一男 松崎正夫 代表取締役社長 常務取締役 取締役・部長 監査役 深谷 茂 佐野 功 志田善一 サービス部門 料理部門 総務・施設管理部門 宿泊、レストランフロア、浴場、 宴会場、かご市、物販、フォー レ、豆・麦食房、食彩、森の食卓 四季菜、里の茶 屋、厨房 総務・経理・庶務、堆肥 セ、自然観察S、農園施 設管理 料理長 赤崎邦秀 課長 遠藤 毅 主任 坂上輝美 職員3名、非常 勤パート1名 ★四季菜 職員1名、非常勤パート1名 ★里の茶屋 職員-名、非常勤パート-名 職員1名、常勤 パート2名、非 常勤パート4名 ④計算書類等の適正化への対応 外部監査制度 専門家による経理指導 その他の対応 5 (2) 2 (0) ③組織体制及び事務分掌 組織体制 ○役員 代表取締役社長 常務取締役 取締役 取締役 取締役 監査役 監査役 合計 (0) 常勤 うち町OB 3 対応の有無 無 有 有の場合は、委託している職種等 税理士(毎月税理士に決算を提出) 8 Ⅲ.財務の状況 ①-1財務状況 第21期営業報告書より(単位:円) 貸借対照表(平成23年3月31日現在) 損益計算書 (自:平成22年4月1日、至:平成23年3月31日) 資産の部 負債の部 流動資産 13,878,892 流動負債 44,138,595 項目 金額 買掛金 20,779,833 現金 8,929,681 売上高 305,225,453 短期借入金 売掛金 984,760 15,000,000 売上原価 142,850,503 未払金 棚卸資産 3,931,465 4,800,080 売上利益 162,374,950 その他 32,986 宿泊券・商品券 1,095,040 販売費一般管理費 157,617,917 未払消費税 922,100 営業利益 4,757,033 固定資産 未払法人税他 1,541,542 281,536,531 営業外利益 -1,610,869 有形 280,941,027 固定負債 285,410,568 特別損失 0 長期借入金 無形 595,504 39,586,317 経常利益 3,146,164 集客事業借入金 245,824,251 諸税 185,000 繰延資産 208,333 資本金 26,000,000 当期利益 2,961,164 未処分利益 -59,925,407 当期末処分利益 -59,925,407 田園生活館事業 18,160,113 ◎棚卸資産の評価基準 (内、当期利益 2,961,164 1.実地棚卸 土地対策事業 -78,085,520 2.最終仕入原価法 合計 295,623,756 合計 295,623,756 ①-2財務諸表 ○貸借対照表から 項目 19年度 総資産 327,805 負債 387,139 資本 20,000 当期末未処 分利益 △ 79,333 20年度 311,222 360,872 26,000 21年度 302,799 339,686 26,000 単位:千円 22年度 295,624 329,549 26,000 △ 75,650 △ 62,887 △ 59,925 ②利用客・販売額の推移 区 分 部 門 20年度 本館 2,143 宿 コテージ 1,345 泊 計 3,488 入浴・休憩 52,617 食事・宴会 43,104 里の茶屋 14,353 物 販 149,270 かご市 森の食卓 8,736 食 彩 310 彩果食房 1,035 研修館 24 堆肥センター 12,403 イベント他 受託売上 7,967 フォーレ 293,307 合 計 ○損益計算書から 項目 19年度 317,982 売上高 営業利益 611 当期純利益 △ 3,566 減価償却前 当期利益 利用客(人) 21年度 A 22年度 B B/A(%) 2,498 2,739 109.6% 1,604 126.2% 1,271 4,343 115.2% 3,769 50,680 100.3% 50,505 75.8% 49,263 65,023 11,684 80.7% 14,471 150,008 142,937 95.3% 9,302 387 987 71 8,922 544 840 12 95.9% 140.6% 85.1% 16.9% 12,844 7,620 59.3% 8,641 316,008 7,620 284,465 88.2% 90.0% 10,688 20年度 311,813 6,218 3,683 21年度 318,241 14,786 12,764 単位:千円 22年度 305,225 4,757 2,961 16,662 24,997 15,454 販売額(千円) 20年度 21年度 A 22年度 B B/A(%) 8,694 - - 5,456 - - 14,150 14,207 14,669 103.3% 21,760 20,625 99.7% 20,559 79,787 82,975 81,646 98.4% 11,277 12,045 9,761 81.0% 40,092 42,607 38,125 89.5% 90,380 87,495 85,936 98.2% 10,627 12,385 11,194 90.4% 18,613 18,582 17,224 92.7% - - - - - - 2,928 2,374 81.1% 2,878 6,884 7,393 7,554 102.2% 11,225 12,242 11,757 96.0% 4,140 4,757 4,426 93.0% 318,241 305,225 95.9% 311,813 ③管理運営施設等 (管理受託分) ○ 三春の里農業公園{H22受託料:2,230千円+300千円(駐車場WC)、敷地面積7ha、建物、公園、駐車場等} (1) 三春の田園生活館 ①本館(木造2階建て1,157.16㎡、宿泊定員37名、和室7部屋)、②旧浴室棟(木造)、 ③食堂棟(木造かや葺き)、④処理加工施設(木造274.31㎡)、⑤コテージ(8棟、木造281.43㎡、定員24名)、 ⑥ふれあい広場(中庭2,935.83㎡) (2) 農場 ①研修館(木造85.85㎡)、②モデル菜園、③その他農場(果樹他) ○ さくら湖自然観察ステーション(H22受託料:5,990千円) (1) 建物(RC造3階建、549.22㎡) (2 )設備(展示室、研修室、事務室、天文台他) ○ 三春町堆肥センター(H22受託料:0円) (1) 建物(鉄骨造平屋建、1,979.21㎡) ○ 三春ダム資料館内「フォーレ」(H22受託料712千円、厨房) ④町の財政的関与の状況 年度 三春町からの事業受託料 19 10,675千円 20 10,340千円 21 11,468千円 22 内容等 10,958千円 三春の里農業公園他 補助金 3,290千円 750千円 1,386千円 1,386千円 観光物産振興補助金 町の財政支援 損失補償契約に係る債務残高(損失補償分※当初借入金3億5千万円) 9 282,720千円 損失補償限度額=償還元金+約 定利子及び遅延利子 ⑤借り入れの状況 借入先 たむら農業協同組合 たむら農業協同組合 日立キャピタル㈱ 合計 当期末残高 245,824,251 38,063,707 1,522,610 285,410,568 前期末残高 258,321,664 41,445,505 2,442,934 302,210,103 借入金額 350,000,000 42,000,000 6,154,000 398,154,000 返済期日等 平成40年3月 平成32年11月 平成24年10月 ▲ 16,799,535 借入内容 新館建設事業 経営改善事業 施設改修事業 Ⅳ.経営状況に関する指標 ①財政健全性の視点(財政状況の健全性) 指 標 計算式 (目安) 自己資本比率 自己資本/総資産×100 最低でも30%以上 流動比率 流動資産/流動負債×100 (90%以上) 固定比率 固定資産/自己資本×100 (120%以下) 利益剰余金 平成20年度 営業利益率 営業利益/売上高×100 売上高経常利益率 経常利益/営業収益(売上高)×100 (5%程度) 借入金依存度 (短期借入金+長期借入金)/資産 ×100 小売業平均5~6% 平成22年度 -15.95% -12.18% -11.47% 18.69% 25.53% 31.44% -611.71% -794.28% -829.87% -75,650,350 資本金に対する剰余 剰余金/資本金×100 金の割合 平成21年度 -62,886,571 -59,925,407 -290.96% -241.87% -230.48% 1.99% 4.65% 1.56% 1.24% 4.07% 1.03% 104.76% 101.46% 101.62% ②目的適合性の視点 指 標 内容 町内 仕入高 町外 平成20年度 (かご市会) (三春町) 上段仕入額(税込) 下段構成比 上段仕入額(税込) 下段構成比 72,826,073 62,171,467 134,997,540 71.59% 53,565,518 28.41% 188,563,058 100.00% 合計 職員の採用 平成21年度 73,146,072 59,230,420 132,376,492 69.91% 56,986,008 30.09% 189,362,500 100.00% 平成22年度 71,931,313 57,506,304 129,437,617 70.06% 55,323,099 29.94% 184,759,716 100.00% 町内出身(人) 町外出身(人) ③自立性の視点(町からの財務的な自立度) 指 標 計算式 (目安) (町からの補助金、指定管理料等 の合計)/営業収益(売上高)×100 町からの補助金・交付金 (町からの補助金等の合計)/営業 収入依存度 収益(売上高)×100 町からの指定管理 町からの指定管理料・委託料/営 料等収入依存度 業収益(売上高)×100 資産に対する町の損 町の損失補償契約に係る債務残高 失補償の割合 /資産×100 町からの収入依存度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 3.56% 4.04% 4.04% 0.24% 0.44% 0.45% 3.32% 3.60% 3.59% 101.37% 98.86% 95.64% ④マネジメント・業務管理の視点(業務改善、計画策定を行って、効率的に組織を運営しているか) 指 標 計算式 販売費・一般管理費 比率 職員1人当たりの販 売費・一般管理費 職員1人当たりの売 上高 営業収益(売上高) の対計画比率 営業費用の対計画比 率 販売費・一般管理費/営業収益(売 上高)×100 (目安) 平成20年度 50.66% 平成21年度 48.78% 平成22年度 51.64% 販売費・一般管理費/職員総数 4,786,590 4,703,946 4,635,821 営業収益(売上高)/職員総数 9,448,871 9,643,680 8,977,219 営業収益(売上高)/営業収益(売上 高)予算×100 営業費用/営業費用予算×100 10 97.22% 98.53% 94.36% 100.60% 96.12% 99.37% 別紙2 ㈱三春まちづくり公社 11 ■ 経営の現状と委員会の点検評価 評価視点 1 事業の必 要性、公共 性等からみ たその存在 意義 現 状 □ 商業基盤施設を整備し、賃貸住宅・店舗 を管理し、街なか居住、賑わいの創出に貢 献している。 □ 中心市街地空洞化の抑制、街なか居住空 間の創出、良好な街並み景観の形成、街な か回遊性の向上、街なかへの医療機関誘致 等都市機能集約等を推進し、歩いて暮らせ るコンパクトで機能的なまちづくり形成 に向けての貢献度は高い。 □ ばんとうプラザにおいては、「駅.com」 の開設によって、通勤・通学・観光など、 駅利用者の利便性向上に寄与している。 2 社会経済 情勢の変化 に対応した 事業内容等 の見直し □ 平成 23 年 4 月から定住促進住宅の指定 □ 定住促進住宅の管理受託は、利益の 2 管理者として管理運営を町から受託した。 割が収益となるため、当社の売上の向上 □ 中町駐車場賃貸業務は、ベニマルの移転 に繋がる。 計画に伴い、平成 23 年 3 月末をもって終 了した。 3 事業が効 率的に実施 されている か □ 経費の削減… ・販売費及び一般管理費は前年度比△97 万円の削減を図った。 ・中町駐車場の町への支払手数料を総台数 から使用実績に見直した。 ・役員は無報酬である。 □ 売上の向上対策… 売上は 6,900 万円で、前年度より△67 万円減少した。東日本大震災・原発事故に より 3 月の売上げが大幅に落ち込んだ。 □ みはる壱番館の店舗・住居とも満室であ る。 □ 北町館は設備面のトラブルはなく、テナ ントのしのはら眼科は質の高い医療を提 供している。 □ 花かごは、平成 21 年度に比べ△8,5% の 943 万円の売上げとなり、△31 万円の 経常損失となっている。 □ ばんとうプラザは、平成 21 年度に比べ 6.0%増の 674 万円の売上げとなり、53 万円の経常利益となっている。 □ 駅.com は、平成 21 年度に比べ△0.5%減 の 2,008 万円の売上げとなり、92 万円の 経常利益となっている。年末には、例年人 気のある気仙沼の海産物を取り揃えるな どの工夫を凝らしている。 □ 一昨年年 8 月にテナントを退去した者の 未収入金は、保証人が分割納入している。 12 評 価 内 容 □ 当社の具体的役割が単なる商業施設の 整備ではなく、商業基盤施設も併せて整 備しようとするものであり、良好な都市 環境の整備、即ち、三春町のまちづくり に大きく貢献するものであり、極めて公 共性が高い。 □ ばんとうプラザ、文化伝承館等の管理 を受託し、民間感覚で運営されている。 □ 町有の中町蔵の整備が図られるのを機 に、観光協会とタイアップし、新たに町 の賑いの創出を検討して欲しい。 □ 事業について町民の理解を得るため、 営業実績や財務状況等の公開が必要であ る。 □ 駅.com は、三春駅利用者の利便性向上 のため、新聞・雑誌等の販売、観光案内 などを行い、通勤・通学・観光など、駅 を利用する人たちに不可欠の「エキナカ 小売業」として、キオスクの担っていた 役割を十分に果たしている。 □ 過去に何度か発行したことのある『「ば んプラ」 ・ 「花かご」 』共通のお食事券につ いても、発行を検討して欲しい。 □ 例年 4 月の売上が各月の 2 倍以上とな ることから、観光客を対象に、品揃えを 豊富にし、販売促進を行うことも検討願 いたい。 □ 将来、築 10 年が経過した壱番館の修繕 費の上昇が想定される。繰越損失を解消 の後は、引当金の準備を考える必要があ る。 (続き) 4 公的支援 は妥当であ るか □ 町の財政負担 ・ばんとうプラザ 134 万円、ふれあいの蔵 40 万円の管理委託料を支払っている。 ・中心市街地活性化交付金 70 万円は 22 年度で廃止された。 □ 損失補償額の現在高は 2 億 97 万円であ る。 □ 売上高に占める町からの収入依存度 (割合)は 3.53%程である。 □ 設立の目的である商業振興対策や都 市環境形成を実現するためには、今後 とも官民の事業調整等、公益的事業の 推進が不可欠であり、公的支援は妥当 であると判断する。 □ ばんとうプラザなどの管理受託業務 については、その運営が町の政策判断 による部分が大きいこともあり、損失 部分を町が補てんするのは妥当であ る。 □ 現在の公社の事業展開を考えれば、中 心市街地活性化交付金の廃止は止むをえ ない。 □ 損失補償に関しては、単年度黒字を維 持できる状況にあり、実際に補償するこ とはないと思料される。 5 各種経営 指標の分析 (経常損 益、資金流 動性、負債 比率等) □ 3 期連続して黒字である。前期を 125 万 □ 経常損益が黒字、資産超過の 3 セクで 円上回る 751 万円の純利益を計上できた。 ある。 その要因は経費の削減を図ったこともあ □ 平成 22 年度決算における自己資本比 るが、修繕費の減少もある。 率は 26.7%である。 □ 未処分損失は 1,508 万円まで減少した。 □ 流動比率は 287.4%と安心の目安とさ れる 200%以上であり、短期的な資金繰 りには余裕があるといえる。 □ 営業利益率は 13.4%、経常利益率は 11.7%と平均的な数値より高く、効率的 な経営がなされている。 6 経営の改 善等 □ □ 総括評価 包括的所見 専従の事務主任を雇用した。 北町館に係る郡信からの借入残金 320 万円は、22 年 4 月繰上償還した。 □ 新たな事業に取り組むのであれば、責 任ある立場の役員(常勤取締役)の配置 が望ましい。 □ 経営目標の設定と評価による経営改善 を図るべきである。そのため、中長期財 政計画を作成し運営していくべきであ る。 概ね良好 □ 売上は、大震災による影響はあったが概ね前年度並みを確保し2期連続で黒字を計上 できた。経営努力を評価したい。今後もこの状況を維持できるよう経営努力を続けてほ しい。 □ 定住促進住宅の指定管理者になったことは、増収に結びつき、経営の安定化に寄与す ることとなるので、管理運営に万全を期してほしい。 □ 今期中に、中町にスーパーが出店する。これを機に、街中の賑いの再生を期待する町 民は多い。そのなかで、3セクはどのような役割を果たしていくのか、各方面での議論 を期待したい。 13 平成21年度 株式会社三春まちづくり公社 基本情報 平成23年6月30日現在 Ⅰ.概要 電話番号 0247-62-5911 〒963-7759 福島県田村郡三春町字大町29(事務所:大町82) ホームページ http://www5.ocn.ne.jp/~tmo/ 代表取締役社長 橋 本 孝 一 専務取締役 深 谷 茂 設立年月日 平成5年5月18日 形態 株式会社 資本金 80,000,000円 ㈱東邦銀行 2,000,000円( 40株) 2.50% 町 出 以 資 出資者 出資金 出資割合 郡山信用金庫 2,000,000円( 40株) 2.50% 外 者 の 三春町 40,500,000 円(810株) 50.63% JAたむら他46 35,500,000円(710株) 44.37% ◎沿革 平成5年 (株)三春まちづくり公社設立(5/18)。資本金2,000万円(授権資本8,000万円、株主数12名)。 平成6年 JR三春駅に軽食と郷土産品の店「ばんとうプラザ」開店。大町・中町駐車場管理業務受託。 平成10年 町文化伝承館の維持管理業務を受託。同地に事務所移転。 平成11年 町中心市街地活性化基本計画が策定され、TMO予定者として位置づけられた。TMO認可申請に向け常勤社員1名採用。 平成12年 町よりTMOとして認可され、みはる壱番館の計画・設計に着手。資本金を8,000万円まで増資(株主数50名)。 平成13年 通産省にTMO計画「みはる壱番館事業」を提出し、認可され、事業着手。 平成14年 みはる壱番館(店舗10、住戸9の商住複合施設)完成。同館に喫茶と土産品店「花かご」開店。 平成15年 みはる北町館の建設に着手。 平成16年 みはる北町館完成。同施設を「しのはら眼科」に賃貸。 平成17年 朝採り野菜の直売所「なか市」を中町に開店。 平成18年 JR三春駅内のKIOSK撤退に伴い、「駅.COM」を開店。 平成20年 常勤職員退職。 平成21年 「なか市」閉店。 所在地 平成22年 ◎設立目的等 設立当初の目的 1.「三春町市街地整備基本計画」等の実現を図っていくための町、民間との総合的な事業調整 (「設立の趣 2.「特定商業集積整備法」等の国・県等の支援施策活用による均衡ある商業振興、良好な都市 旨」の中から抜 環境形成のための事業推進主体 環境形成のための事業推進主体 粋) 三春町が21世紀に向け、活力と魅力ある町として一層発展していくためには、地域住民が助け合い、 理解し合い、生きがいのある暮らしを支援できるような“町の顔”としての商店街、都市環境の形成が不 可欠といえます。 このためには、単に経済効率性のみを追求するのではなく、事業を町全体の繁栄や向上に位置づけるこ とが可能であり、機能的、効果的な事業活動と町全体の指導、助言、資金等の協力と英知の集約ができ、 開設の目的及び しかも国・県等の施策上の支援を獲得し得る形態としての主体が不可欠であります。 事業内容(「設 当社の具体的役割が単なる商業施設の整備ではなく、商業基盤施設も併せて整備しようとするものであ 立の趣旨」の中 り、不特定多数の地域住民にも活用されるものであることから、良好な都市環境の整備、即ち、まちづく りに大きく貢献するものであり、極めて公共性が高いと言えます。 から抜粋等) ※沿革(追加項目) 町は、平成元年に「三春町市街地整備基本計画」を策定した。平成3年に「うるおい・緑・景観モデル都 市」に選定され、同年「街づくりを考える会」が設立された。翌年「うるおい・緑・景観モデル都市整備 計画」、「町商業振興ビジョン」が策定され、同年7月に商業者・町等からなる「街づくり会社設立準備 会」を発足した。その後、「事業協同組合三春浪漫設立準備会」を発足した。 1.地域開発事業及びこれに関するコンサルティング事業 2.会議場施設、スポーツ施設、文化施設、多目的広場、緑化施設、人工地盤等公益共用施設の 企画、建設、運営及びその受託事業 3.駐車場、駐輪場等利便施設の企画、建設、運営及びその受託事業 4.共同店舗等商業施設の企画、建設、運営事業 5.経営コンサルティング事業 定款に記載され 6.不動産の売買、賃貸借及び斡旋仲介事業 7.商店街情報化システムの開発及び運営事業 ている目的 8.まちづくり、商業、観光旅行等に関する情報の伝達事業 9.土産品店及び料理飲食店の経営並びにその受託事業 10.イベントの企画、運営事業 11.建物清掃受託事業 12.労働者派遣事業 13.前各号に附帯又は関連する一切の事業 経営方針 14 Ⅱ.組織等の状況 ①役員の状況(平成23年6月30日現在) 取締役 10名以内 任期 2年 定款上の役員数 監査役 3名以内 任期 4年 定款第18条の規定により、当会社の取締役及び監査役は、株主総会において、議決権のある 役員の選任方法 発行済株式総数の3分の1以上に当たる株式を有する株主が出席し、その議決権の過半数を もって選任する。 取締役 役員数 常勤 (うち報酬支給人数) 監査役 うち町OB ( ) ( ) うち町派遣 (うち報酬支給人数) ( ) ( ) 役員平均年齢 歳 役員の報酬、退職金についての規程等の整備状況 ③組織体制及び事務分掌 組織体制 ○役員 代表取締役社長 専務取締役 常務取締役 常務取締役 常務取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 監査役 監査役 監査役 合計 (0) 3 非常勤 うち町派遣 ( ) 役員平均年収 (0) 合計 (0) 3 (0) 千円 平成23年度 平均年齢 平均年収(千円) 1 1 1 12 13 常勤職員平均年収 千円 平成23年6月30日現在 橋本孝一 深谷 茂 内藤 忠 村田一雄 横山満夫 橋本徳男 橋本俊介 石橋克郎 新野徳秋 柳沼一男 橋本 稔 渡部一博 取締役会 監査役 代表取締役社長 常務会 事務主任 事務所 パート2名 みはる壱番館 字大町32-1 ■花かご、クラウン、みはる調 剤薬局、グランジヘアー、ベス ト学院、せんざき医院、さわ 市、ダイアナ・プートリー、の んちゃん居酒屋、(空き1) 北町館 字北町19 ■しのはら 眼科 ふれあいの蔵 字大町77-4 ■フローリアン、 (有)信和創建 駅コム ℡62-8087 7:00~18:30 平沢字担橋165-2 パート2名 (担当:内藤常務) 花かご ℡61-2661 9:30~17:30 字大町32-1 パート4名 (担当:横山常務) (担当:深谷専務) ④計算書類等の適正化への対応 外部監査制度 専門家による経理指導 その他の対応 9 無 ②職員の状況(各年度末、23年度は6月30日現在) 区分 平成21年度 平成22年度 常勤管理職職員合計 法人採用正規職員 A 町派遣職員 その他 常勤一般職職員合計 1 法人採用正規職員 B 1 町派遣職員 その他 常勤職員数合計 0 1 常勤パート職員数 12 12 非常勤パート職員数 職員総数 12 13 常勤職員平均年齢 歳 ばんとうプラザ ℡62-8080 8:30~19:15 平沢字担橋165-2 パート4名 (担当:村田常務) ( ) 常勤 うち町OB 9 非常勤 対応の有無 無 有 有の場合は、委託している職種等 税理士(毎月税理士に決算を提出) 15 Ⅲ.財務の状況 ①-1財務状況 第16期営業報告書より(単位:円) 貸借対照表(平成23年3月31日現在) 損益計算書(自:平成22年4月1日至:平成23年3月31日) 資産の部 負債の部 Ⅰ売上高 7,271,654 Ⅰ.流動資産 16,578,067 Ⅰ.流動負債 5,767,047 飲食部売上 27,761,674 買掛金 現金・預金 14,541,477 800,769 物販売上 3,538,118 未払金 棚卸資産 969,018 577,500 受託管理料 30,429,400 69,000,846 未払費用 前払費用 300,321 788,386 受取賃貸料 未払法人税等 未収入金 743,501 185,000 Ⅱ売上原価 未払消費税等 1,095,549 未収還付法人税 0 866,900 期首棚卸高 2,768,999 立替金 前受金 23,750 2,539,670 食材仕入高 21,717,266 預り金 8,822 商品仕入高 25,581,814 合計 -969,018 24,612,796 Ⅱ.固定資産 282,365,743 Ⅱ.固定負債 229,047,860 期末たな卸高 44,388,050 長期借入金 有形固定資産 281,625,743 204,768,860 売上総利益 長期未払金 176,101,044 756,000 Ⅲ販売費及び一般管理費 建 物 35,099,426 35,099,426 構 築 物 2,202,004 預り敷金・保証金 23,523,000 販売費・一般管理費 9,288,624 器具備品 120,430 負債の部合計 234,814,907 営業利益 純資産の部 Ⅳ営業外収益 建物附属設備 28,904,485 3,220 土 地 73,577,779 Ⅰ.株主資本 64,915,528 受取利息・配当金 1,976,828 1,980,048 1.資本金 リース資産 720,000 80,000,000 雑収入 2.資本剰余金 0 Ⅴ営業外費用 一括償却資産 1 3,107,867 3.利益剰余金 △ 15,084,472 支払利息 無形固定資産 130,000 72,651 水道加入金 130,000 (1)その他利益剰余金 △ 15,084,472 繰延資産償却 投資その他の資産 0 3,180,518 610,000 繰越利益剰余金 △ 15,084,472 雑損失 8,088,154 出 資 金 10,000 Ⅱ.評価・換算差額等 0 経常利益 0 差入保証金 600,000 Ⅵ特別利益 390,586 Ⅲ.繰延資産 786,625 Ⅲ.新株予約権 0 Ⅶ特別損失 税引前当期純損失 7,697,568 下水道負担金 786,625 185,639 純資産の部合計 64,915,528 法人税、住民税及び事業税 7,511,929 資産の部合計 当期純利益 299,730,435 負債・純資産の部合計 299,730,435 ①-2財務諸表 ○貸借対照表から 項目 19年度 316,595 総資産 264,396 負債 80,000 資本 当期末未処 分利益 △ 27,800 ②販売額の推移 部 門 花かご ばんとうプラザ 駅.COM なか市 住宅・店舗管理 北町館 中町駐車場 ふれあいの蔵 合計 ○損益計算書から 項目 19年度 68,075 売上高 単位:千円 20年度 21年度 22年度 309,092 257,953 80,000 305,607 248,203 80,000 299,730 234,815 80,000 △ 28,860 △ 22,596 △ 15,084 単位:千円 20年度 21年度 22年度 当期純利益 △ 5,929 △ 6,114 69,700 △ 874 △ 1,059 69,676 8,603 6,264 69,001 9,289 7,511 減価償却前 当期利益 6,330 10,549 16,931 17,521 営業利益 単位:千円 18年度 10,856 8,698 9,765 830 20,638 10,080 1,781 900 63,548 19年度 10,396 7,318 16,890 750 19,298 10,080 1,781 900 67,413 20年度 10,590 7,049 18,610 680 19,314 10,080 1,829 900 69,052 21年度 A 22年度 B 10,306 9,432 6,361 6,744 20,192 20,080 - - 19,508 20,422 10,080 10,080 1,838 2,242 1,074 69,359 69,000 B/A 91.52% 106.02% 99.45% 104.69% 100.00% 77.99% 99.48% ③管理運営施設等 施設及び設備等 (管理受託分) ○管理受託分(文化伝承館は使用料と相殺) ・ばんとうプラザ(H22受託料:1,340千円/鉄骨造平建て、290.69㎡) ・ふれあいの蔵(H22受託料:400千円/木造2階建、188.27㎡) ○自社所有分 ・みはる壱番館(住宅(9)及び店舗(10)の賃貸。土地:大町32番地1。建物RC造4階建。) ・みはる北町館(1か月@840,000円でしのはら眼科に賃貸。土地:北町19番地、474.36㎡。建物:RC造2階建、延床314.4㎡) ④町の財政的関与の状況 年度 19 20 21 三春町からの事業受託料 1,740千円 1,740千円 1,740千円 交付金 700千円 700千円 700千円 町の財政支援 損失補償契約に係る債務残高(壱番館に損失補償) 16 22 内容等 1,740千円 ばんプラ、ふれあいの蔵 700千円 中心市街地活性化交付金 200,968千円 損失補償限度額=1.85億円+約定利子 及び遅延利子 ⑤借り入れの状況 借入先 たむら農業協同組合 たむら農業協同組合 郡山信用金庫 合計 当期末残高 173,862,708 30,906,152 0 204,768,860 前期末残高 181,278,379 32,031,828 3,200,000 216,510,207 借入金額 返済期日等 235,000,000 平成43年3月 38,000,000 平成46年1月 5,000,000 平成27年7月/繰上償還 278,000,000 △ 11,741,347 借入内容 壱番館設備 北町館設備 北町館設備 Ⅳ.経営状況に関する指標 ①財政健全性の視点(財政状況の健全性) 指 標 計算式 (目安) 平成20年度 平成21年度 平成22年度 16.54% 18.73% 21.66% (90%以上) 115.91% 188.91% 287.46% (120%以下) 586.94% 508.97% 434.97% 自己資本比率 自己資本/総資産×100 最低でも30%以上 流動比率 流動資産/流動負債×100 固定比率 固定資産/自己資本×100 利益剰余金 -28,860,872 資本金に対する剰余 剰余金/資本金×100 金の割合 -22,596,401 -15,084,472 -36.08% -28.25% -18.86% 2.46% 12.35% 13.46% 営業利益率 営業利益/売上高×100 売上高経常利益率 経常利益/営業収益(売上高)×100 (5%程度) -1.26% 9.22% 11.72% 借入金依存度 (短期借入金+長期借入金)/資産 ×100 72.91% 70.85% 68.32% 小売業平均5~6% ②目的適合性の視点 指 標 内容 町内 町外 仕入高 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 上段仕入額(税込) 下段構成比 上段仕入額(税込) 下段構成比 合計 職員の採用 町内出身(人) 町外出身(人) ③自立性の視点(町からの財務的な自立度) 指 標 計算式 (目安) (町からの補助金、委託料等の合 計)/営業収益(売上高)×100 町からの補助金・交付金 (町からの交付金の合計)/営業収 収入依存度 益(売上高)×100 町からの委託料 町からの委託料/営業収益(売上 収入依存度 高)×100 資産に対する町の損 町の損失補償契約に係る債務残高 失補償の割合 /資産×100 町からの収入依存度 3.50% 3.50% 3.53% 1.00% 1.00% 1.01% 2.50% 2.50% 2.52% 72.16% 68.90% 67.05% ④マネジメント・業務管理の視点(業務改善、計画策定を行って、効率的に組織を運営しているか) 指 標 計算式 販売費・一般管理費 比率 職員1人当たりの販 売費・一般管理費 職員1人当たりの売 上高 営業収益(売上高) の対計画比率 営業費用の対計画比 率 販売費・一般管理費/営業収益(売 上高)×100 (目安) 平成20年度 62.13% 平成21年度 51.77% 平成22年度 50.87% 販売費・一般管理費/職員総数 3,608,610 3,005,788 2,699,956 営業収益(売上高)/職員総数 5,808,371 5,806,355 5,307,757 営業収益(売上高)/営業収益(売上 高)予算×100 営業費用/営業費用予算×100 17