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図書館おおいた226号(2004年3月発行)(PDF:1.56MB)

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図書館おおいた226号(2004年3月発行)(PDF:1.56MB)
ISSN 1344-5685
図書館
大分県立図書館報
特集 第1回読書感想文コンクール「大分県先覚者に学ぶ」
平成16年3月
「図書館の役割」
最近の若者の書籍離れが指摘されはじめて久しい。大学で日頃学生
に接している私にとっては他人事としてすますわけにはいかなくなっ
ている。教科書を「講義概要(シラバス)」に指定しても、これを購
入しない学生も少なくないことから、やむを得ず一回ごとの講義資料
を作成しているが、これが学生にとって好評であるのは書籍代の出費
が助かるからに違いない。「教科書を購入させない、いい先生」と言
われても悲しいだけであるが。
問題は書籍を読むことが少ないと、文章的表現ができなくなり、ひ
いては論理的思考ができなくなることである。しかしながら、今まで
読書体験の少ない学生に、急に専門的書籍を読めと言っても即効的な
改善は難しそうである。
大 羽 宏 一
そこで私のゼミナールでは、3年生の学生に工場見学などの企業見
学やインターンシップ制度を利用した実務経験をさせるようにしてい
る。このような経験を踏まえた上で、日本の経営的特長などを専門的書籍により理解し、さらにそれを文
章化させるように指導している。
昔、高校の英語のテキストにラフカディオ・ハーンの「怪談(原題はKwaidan)」があったことを記憶し
ている。怖い話、あやしい話のはずの怪談が英語で読んだことで、まったく恐ろしくも、面白くもなかっ
たという思い出である。つまりは、十分な読解力のない者に対して、専門的書籍を読めと言っても、しょ
せん無理なのかもしれないということである。
そこで、これからの図書館の役割のひとつは、若者に対する書物アレルギーを解消することにあると思
われる。その意味で大分県立図書館の *「子ども夢ライブラリー」などの施策は望ましいものであるといえ
るだろう。日本の文化の多くは文字によって継承されているのだから。
*子ども夢ライブラリー…子どもがあらゆる機会・場所で本に親しむことができるようにするため、「大
分県子ども読書活動推進計画」に基づき、県立図書館が平成16年度から実施す
る各種の事業
(おおば・ひろかず 大分大学附属図書館長(経済学部教授)
)
ぺんち
ちゃ
ゃん
んの県立
の県立図書館ウォッチング
の県立図書館ウォッチン
図書 館ウォッ チン グ
「新聞コーナーの巻」
(ゴ)ペンちゃん、今日はいったい何を探しているの? (ゴ)例えば今日の新聞といった最新号でなければ
(ペ)先生から、去年どんな大きなニュースがあっ
できるよ。ただ、昭和49年以前のものや、保
たのか調べてくる宿題が出たの。
存状態の悪いものは無理だけど。
(ゴ)それなら、新聞コーナーに行ってみるといい (ペ)探したい記事があった時、いつの新聞をさが
よ。40紙もの新聞を過去1年間分見られるよ
せばいいのかわかるといいのに…。
(ゴ)そうだね。郷土資料室には、過去20年ぐらい
うにしてあるんだ。
(ペ)へえー、すごいな。それじゃ自分が生まれた
の地元新聞のデータベースがあるから、見出
日の新聞も見られるの?
しに出てくるキーワードを言えば、いつの新
(ゴ)そのうち地元の1紙は、過去20年間の新聞が
聞にのっているか、探してもらえるよ。
見られるようにしてあるからね。大丈夫だと (ペ)県立図書館が、新しくできた時のこともわか
思うよ。
る?
(ペ)他の新聞は、もっと前のは見られないの? (ゴ)そりゃ、当然わかるよ。ところでペンちゃん、
(ゴ)そんなことないよ。職員に言えば、書庫から
宿題の大きなニュースって政治や社会のニュー
とってくるよ。それに、全国紙の4紙は縮刷
スがいいのかな?
版をおいてあるからね。それで調べてもいい (ペ)ちがうよ。ぼくは芸能界の10大ニュースをさ
と思うよ。
がそうと思っているの。
(ゴ)……
(ペ)コピーもできるの?
−1−
特 集
平成15年度(第一回)読書感想文コンクール
「大分県先覚者に学ぶ」
大分県先覚者に学ぶ」結果発表
平成15年度(第一回)読書感想文コンクール「大分県先覚者に学ぶ」の入賞者が、平成16年2月6日(金)
に発表された。第一回目となった本年度の応募状況、審査経過、入賞者は次のとおりです。多数の作品応募、
誠にありがとうございました。
応募状況について
(1) 応募数は、小学生の部264編、中学生の部155編、高校生の部219編、合計638編であった。
(2) 対象となった先覚者を見ると、福沢諭吉159点、滝廉太郎104点と全国的に著名な先覚者を選んだ児童・
生徒が小・中・高校を通して多く、また特に自分たちの地域出身の先覚者について取り組んだ学校も多く
あった。
審査経過について
(1) 応募締め切り
平成15年11月30日(日)
(2) 第一次審査
12月8日(月)・1月13日(火) 県内の専門家20名により審査が行われ、第二次審査に送付する各部
10編ずつ計30編と学校表彰校が決定された。
(3) 第二次審査
2月6日(金) 審査委員5名により各部の入賞者が決定された。
(4) 表彰式並びに記念講話
2月20日(金) 県立図書館2階視聴覚ホールにおいて、関係者約
50名が出席した。県立図書館 神繁司館長のあいさつの後、各部の最
優秀賞、優秀賞、佳作の各入賞者に賞状、楯と副賞が手渡された。審
査委員長の後藤惣一氏の講評の後、受賞者を代表して、高校の部最優
秀賞の陶山竜規君が謝辞を述べた。
表彰式の後、竹本弘文氏(元県立高校教諭 先哲叢書「大友宗麟」
執筆)が「大友宗麟について」と題しての講話が行われた。
最優秀賞を受賞されたみなさん
入賞者について
【小学生の部】
賞
先 覚 者 名
氏 名
学 校 名
学 年
最優秀賞
三浦 梅園
橋 本 由 李
安岐町立安岐小学校
6 年
優 秀 賞
三浦 梅園
滝 廉太郎
尾 桐 優 萌
安 本 英理子
安岐町立安岐小学校
臼杵市立福良ケ丘小学校
5 年
5 年
佳 作
三浦 梅園
滝 廉太郎
滝 廉太郎
福沢 諭吉
朝倉 文夫
神 田 志 保
佐 藤 樹
篠 原 奈 実
田 原 蓮 華
小 林 春 菜
安岐町立安岐小学校
九重町立南山田小学校
九重町立南山田小学校
安心院町立深見小学校
中津市立小楠小学校
6 年
5 年
5 年
6 年
5 年
【中学生の部】
賞
先 覚 者 名
氏 名
学 校 名
学 年
最優秀賞
麻田 剛立
日 吉 将 太
岩田学園岩田中学校
2 年
優 秀 賞
福沢 諭吉
矢野 竜渓
﨑
山 朋 子
二 色 友 美
大分市立東陽中学校
臼杵市立南中学校
3 年
3 年
佳 作
ペトロ岐部カスイ
滝 廉太郎
滝 廉太郎
矢野 竜渓
ペトロ岐部カスイ
浅 野 裕 美
山 下 成 美
宿 利 萌
加 納 明日香
長 尾 亜希穂
大分市立大分西中学校
大分市立判田中学校
玖珠町立八幡中学校
弥生町立昭和中学校
日田市立北部中学校
3 年
1 年
3 年
3 年
3 年
−2−
【高校生の部】
賞
先 覚 者 名
氏 名
学 校 名
学 年
最優秀賞
久留島武彦
陶 山 竜 規
大分県立大分舞鶴高等学校
1 年
優 秀 賞
ペトロ岐部カスイ
福沢 諭吉
佐 藤 優
山 由貴子
﨑
大分県立大分西高等学校
大分県立大分南高等学校
1 年
1 年
佳 作
滝 廉太郎
小 野 梨 紗
2 年
久留島武彦
帆足 万里
広瀬 淡窓
滝 廉太郎
望 月 佳 子
宮 碧 子
﨑
平 山 由 衣
村 上 まどか
大分県立芸術文化短期大学附属
緑丘高等学校
大分県立大分舞鶴高等学校
大分県立大分舞鶴高等学校
大分県立大分舞鶴高等学校
大分県立竹田高等学校
3 年
1 年
1 年
3 年
【学校表彰】
◇安岐町立安岐小学校 ◇安岐町立南安岐小学校
◇安心院町立深見小学校 ◇日出町立日出小学校
◇竹田市立豊岡小学校
◇大分市立判田中学校 ◇玖珠町立八幡中学校
◇大分県立大分舞鶴高等学校
表彰式での記念撮影
選考を終えて 後藤 惣一(審査委員長 大分子どもの本研究会会長)
新しい企画による第1回読書感想文コンクール「大分県先覚者に学ぶ」は、テキストの入手困難な中での
スタートであったが、予想以上の応募と多くの優秀作品が寄せられた。指導に当たられた先生方や応募した
児童生徒諸君の熱意の現れを感じる。それに答えるべく選考会では、活発な意見が交わされ慎重に審議した。
小学生の部では、取り分け適したテキストが少ない中で、意欲的な取り組みを感じることができた。また
小学生らしい見方や考え方もよく表現されていた。気をつけたいことは、先覚者に対する驚きや感動を、自
分の生活経験や社会状況との対比の中でもっと掘り下げ、具体的に表現する努力が望まれる。短絡的に「す
ごい」
「すばらしい」といった表現で収めたり、あらすじ感想のように皮相的な表現に陥らないことである。
中学生の部では、自己のしっかりした考え方のもとに作品と対峙した読み方をしている。中には内容をな
ぞった要約による希薄な感想に陥りがちな作品もいくぶん見られたのは、今後の課題。自己の体験(授業経
験、クリスチャン等)を踏まえ、それを作品の内容に引き付けながら読んだ感想文もあり、単なる追体験的
な読みに終わらない深い読みが見られたのは、感想文の一つの方向として考えられる。
高校生の部では、テキストをよく読んで理解し、しっかりした文章表現になっているのが審査員の共通し
た意見。また感想として的確な先覚者の事績や思想性等の取り上げ方にも光るものがあった。しかし、中に
は事例との整合性が弱い作品も見られた。
今後の課題としては、誤字・脱字などの表記上の問題や不必要な誇張表現などもあり徹底した推敲が必要。
また基本的に、丸ごと一冊の本を読破して感想を書くべきところ、中にはダイジェスト版の本やそれに近い
資料で感想を書くという問題点もある。現況では感想を書くに足る十分なテキストが少ない事も確かで、先
覚者のテキストの充実と同時に、執筆者各人が主体的に適書を求める努力も必要であろう。
県立図書館では、今後も県内で学ぶ児童生徒の郷土愛の育成を図るとともに、読書活動の推進を目
的として本コンクールを実施していきます。詳細につきましては、5月以降にお知らせできると思い
ます。今年度以上にたくさんの応募をお待ちしています。
−3−
図書館は生涯学習のキーステーション 県立図書館公開講座
県立図書館では、生涯学習のキーステーションとして、県民のみなさまの学習要求にこたえるために、公
開講座をおこなっています。本年度は、6講座を開催いたしました。
㈰ 「気ままに楽しむ西洋美術史」(6/10∼7/15)
㈪ 「日本古典文学の世界 〜平家物語をあじわう〜」(6/18∼7/30)
㈫ 「夏休み親子リサイクル工作教室」(8/9・8/17)
㈬ 「ストーリーテリング〜だれにでもできるお話入門〜」(10/16∼1/15)
⑤ 「絵本の読み聞かせ入門」(2/19∼3/11)
子どもや孫に絵本の読み聞かせをしたい人、地域や学校で読み
聞かせのボランティアをやってみたい人などを対象に、本年度新
たに開催いたしました。
講師には、「別府おじいさんのもり児童図書館」で知られる松
本記念児童図書館司書 高橋伸子さんをはじめ、県立図書館司書
も加わり、計4回シリーズで行いました。
まず第1回目に、高橋さんから「子どもの読書の意義」、「絵本
の役割や見方」、「読み聞かせの意義」についての講義があり、参
加者の皆さんからも「とてもいいお話だった」「なるほどと、う
なずかされることばかりでした」といった声が多く聞かれました。
絵本の大切さについて話す高橋氏
2回目・3回目は、グループに分かれての「読み聞かせの仕方」
の実習がありました。絵本の持ち方をはじめじょうずな読み方などの説明を受けた後、一人一冊5分以内で
各自が選んだ絵本を読み、講師からアドバイスを受けました。最終日の4回目には、高橋さんから、「絵本
の選び方や推薦できる本」について、また今回の講座のまとめや講評をしていただきました。
受講者の声(Aさん)
子どもの学校から頼まれて何回か読み聞かせに行っていますが、自己流なので、はたしてこれでいい
のか不安で、今回の講座を申し込みました。講義の内容はもちろん、実習で講師の方からアドバイスし
てもらったり、他の受講生のみなさんの読み聞かせを聞かせていただいて、大変勉強になりました。
⑥ 「県立図書館パソコン講座」(2/18∼3/12)
熱心にパソコンに向かう受講生
昨年度のパソコン講座に引き続き、本年度は「初心者のための
パソコン入門」「ワードを使って文書作成」の2コースを開催し
ました。「初心者のためのパソコン入門」では、電源の入れ方か
らマウスの使い方、ウインドウズの操作、かんたんな文書の作成
やインターネットの仕方等について、
「ワードを使って文書作成」
では、ワードを使ってビジネス文書の作成や住所録、はがき作成
の仕方等について学習しました。講師のパソコン教室インストラ
クターの指導のもと、参加者のみなさんは真剣にパソコン画面と
にらめっこしながら、一生懸命キーボードを叩く姿が見られまし
た。
受講者の声(入門コース受講のBさん)
子どもたちとメールで会話したくて受講しました。教科書にそって講師の指示通りカーソルを動かす
と、文字が現れて文章が打てた途端、もうラッキーという感じです。心はすでに孫との会話です。講座
は全部で4日間ですが、1回の3時間はアッという間にすぎてしまい、もっと教えて∼という感じです。
親切に手取り足取り状態で教えていただいたので、中高年の私にも動かせたという喜びで一杯です。
県立図書館では、来年度(平成16年度)もますます充実した講座を企画し、県民のみなさまの生涯学習の
お手伝いをしていきたいと考えております。どうかご期待ください。
−4−
県立図書館レファレンスサービス ご存じですか。
レファレンス(調査相談)って……?
“レファレンス”というと難しく聞こえるかもしれませんが、仕事や日常生活、研究のうえで何か
調べものをするときに、必要な資料や情報を入手するお手伝いをするサービスです。一般的な質問は
調査相談カウンターで、大分県に関する事柄については郷土資料室で受付しています。また、図書館
には、法規集、白書、統計集、雑誌など政策の立案や事業の企画に役立つ資料を幅広く備えています
ので、どうぞお仕事にもご利用ください。宿題、クイズの解答、法律相談などにはお答えできません
が、調べもので困ったときには、お気軽にご相談ください。電話、FAX、手紙、メール(当館ホー
ムページから)でも結構です。
こんな質問がありました
Q: 日本人の平均寿命の推移を調べたい。
Q: 社会福祉法人を設立するための手続き等について知りたい。
Q: 赤ちゃんの名前をつけるのに参考になる本はありますか。
Q: 自分の家の家紋について調べたい。
Q: 国連の「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」を見たいのですが。
Q: 昭和16年の1,200円は現在ではどれぐらいになるのでしょうか。
Q: 竹を商品化したいので、いろいろな染料について調べたい。
Q: 大分はなぜ「オオイタ」と読むのですか。
Q: 宮崎県綾町の町おこしに関する資料はありませんか。
Q: 労働時間が週40時間と定められたのはいつですか。
Q: 岡倉天心の言葉「アジアはひとつ」の出典はなんでしょうか。
Q: 文部科学省の「読書教育に関する調査」の最新結果を知りたい。
Q: 年金制度を簡単に表にしたものはないでしょうか。
Q: 英・仏・独・伊の地方自治制度について調べたい。
Q: 昭和30∼40年代の大分県内の毒ガス関連の新聞記事を探しています。
こんなときは……
Q 探している本が、ここにはないようなのですが。
A 所蔵していない本はリクエスト(購入希望)ができますが、購入できないときや急ぐときは、大分大
学附属図書館や全国の図書館から借り受けることができます。また、本や雑誌の論文のコピーを取り
寄せることもできます。
(一部有料)
−5−
Q 雑誌記事を探しています。
A 学術雑誌の記事検索には、インターネットで公開されている国立国会図書館の雑誌記事索引が便利で
す。NDL−OPAC(http://opac.ndl.go.jp/) 大衆誌の検索には「大宅壮一文庫雑誌記事索引CD−ROM」
(1988年∼)があります。
Q 新聞記事を探しています。
A 過去の新聞のほか、主要紙については月毎の記事索引のついた縮刷版も所蔵しています。
日付がはっきりしない場合は、次の三紙はCD−ROMやオンラインでの検索ができます。
朝 日 新 聞:1984年∼ (見出し・本文)
日本経済新聞:1992年∼ (見出し・本文)
大分合同新聞:1986年8月∼(見出しのみ)
Q 過去の判例を調べたいのですが。
A 「判例大系CD−ROM」で、明治23年以降の各裁判所の判例要旨を、キーワードや法令名から検索が
できます。法律雑誌「最高裁判所判例集」「判例時報」「判例タイムズ」「ジュリスト」「法律時報」な
ども所蔵しています。
Q 官報はありますか?
A 明治16年発行の第1号から所蔵しています(一部欠号あり)。
検索するには『官報目次総覧』や年刊の『官報総索引』があります。
ホームページ政府刊行物(http://www.gov-book.or.jp/index.html)では、1996年6月3日以降の目次
検索ができて便利です。また、インターネット版官報(http://kanpou.npb.go.jp/)では、最近1週間
分の官報を見ることができます。
Q 法律を調べたいのですが。
A 現在効力を有する全法令を体系的に分類した『現行日本法規』を所蔵しています。主要旧法令も収録。
総務省の「法令データ提供システム」(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)でも、法令(憲
法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索できます。
Q 白書はありますか?
A 各省庁発行の白書を所蔵しています。調査相談コーナーに集めて置いています。
Q 地図はありますか?
A 各都道府県別道路地図のほか、2万5千分の1地形図(全国)、5万分の1地形図(九州)があります。
ゼンリン住宅地図は大分県分のみ所蔵しています。
県立図書館BOOKS
県立図書館
県立図書館BOOKSガイド刊行のお知らせ
BOOKSガイド刊行のお知らせ
ガイド刊行のお知らせ
県立図書館では、平成15年3月の「調べ物BOOKSガイド」の刊行に続き、今回は、最近利用の多い
ビジネス関係資料を、利用者層別に紹介する「ビジネス支援BOOKSガイド」を作成しました。これか
ら就職する方に向けては、職業紹介、資格取得、履歴書の書き方等の資料をリストで、現在仕事をして
いる方に向けては、ビジネス文書の書き方、法規・判例の調べ方、新聞記事の探し方等の資料を解説を
つけて紹介しています。
⃝「ビジネス支援BOOKSガイド∼これから就職する方に∼」
⃝「ビジネス支援BOOKSガイド∼仕事に必要な情報をあなたに∼」
BOOKSガイドは県立図書館にて配布いたしております。ぜひご活用ください。
なお、各BOOKSガイドは、当館ホームページにも載せていますので、ご覧ください。
−6−
緒方町立緒方図書館
県内で最も占有面積の小さい公立図書館、緒方町立図書
館。歴史民俗資料館との併設であり、その一室を図書館と
して利用しているが、面積はわずか80㎡と小中学校の教室
サイズである。最近は壁を通り抜けて廊下周辺にまで図書
館スペースが膨張している。専用の学習室も、閉架書庫も、
十分な閲覧席もなく、恵まれた施設環境とは言い難い。し
かし、歴史・民俗に関する問い合わせに対応しやすいとい
緒方町立図書館
う利点もある。
歴史民俗資料館の資料や展示が、そのまま図書館の郷土
資料になる。もともと郷土資料に関する問い合わせは多かっ
たが、昨年度より小中学校で総合学習が始まり、わが緒方
町の歴史や文化財、民俗行事についての問い合わせが倍増
した。双方の相乗効果と言ってよいのか、図書館・資料館
の枠組みを越えて資料提示や学習支援を行うことが可能と
なっている。
読み聞かせにあわせて、「花まつり」「お月見」などの子
ども向け年中行事を年に数度実施していることもまた、資
図書館内の様子
料館あってこその特色だろう。
開館から19年、昨年11月にようやく蔵書管理システムが
導入され、少しだけ「イマドキの図書館」らしくなった。
システム稼動にあわせ木の手作り家具を並べ、模様替えを
したこともあり、こじんまりしたあたたかい空間になった
ようだ。利用者数も以前より増加し、改善された検索・予
約サービス等のサービスを活用していただいている。
タッチパネルによる蔵書検索は調べ学習の貴重なツール
として活躍し
ているが、ま
だ読み書きの
春の年中行事「花まつり」
できない小さな子どもまで、来館するたび小さな指で画面
に触れるのが習慣となっている。
利用者と会話し、リクエストや調査相談に対応する。で
きないことは多々あるが、小さな町の図書館だからこそ行
き届く細やかなサービスもまた重要だと思う。
タッチパネルで調べ学習
緒方図書館は、1年後には町村合併によって町の図書館
から市の図書館へと移行する。他館と連携をとりながら、広く大きくすばやく細やかな利用者サービス
を目指したい。 (緒方図書館 衛藤)
−7−
レファレンス担当者の日記
Q スポーツの試合などでいう「初戦」と「緒戦」はどう違うのか。
回答:おおむね次のように使い分けされている。
初戦……第一戦
(例)シリーズ初戦に勝つ 初戦から強豪どうしの組み合わせになる
緒戦……戦いの始まったころ。序盤戦。
「ちょせん」は慣用読み
(例)緒戦の優勢が後半に逆転 これはほんの緒戦にすぎない
① 明解国語辞典 三省堂
② 日本国語大辞典 小学館
③ 三省堂国語辞典 三省堂
④ 記者ハンドブック新聞用字用語辞典 共同通信社
⑤ まちがいやすい同音語の漢字使い分け辞典 旺文社
ある町立図書館からのレファレンス。国語辞典には「緒戦」しか出ていないが、新聞では「初戦」も使わ
れているので、違いを知りたいとのことでした。
まず、国語辞典を確認したところ、『広辞苑』や①など、確かに見出し語に「緒戦」しか挙げていない辞
典が多く、①によると、意味は「①戦い・(試合)の初め。②最初の戦闘・(試合)。第一戦」となっていま
す。
しかし、②を見ると、初版(1972年)には「緒戦」しか載っていませんが、第二版(2000年)では「初戦
…何回か行われる戦闘や試合の最初の戦い」「緒戦…はじめの戦闘。いくさの発端となる戦い。また、試合
や勝負などのはじめ。ちょせん」と分かれています。
また③は、
「読みが同じで書き分けに注意する語」にマークが付されていて、相互に参照できるようになっ
ているのですが、二語とも見出し語に挙がっています。やはり使い分けが難しいのか、と思いきや、
「初戦」
の第二義に「緒戦」とあり、どちらの意味で使っても間違いではないようです。
こうしていくつかの辞典を比べてみると、もともとは「緒戦」が広く使われていたのが、だんだん第一戦
の意味では「初戦」も使われるようになったようです。
さて、実際に新聞ではどう使われているのでしょうか。④など記者用の用字辞典によると、回答のような
文例があり使い分けをしています。また⑤には法令用語、新聞用語の書き方も参照して標準的使い方を示し
てあり、「新聞用語では『初戦』を第一戦、『緒戦』を序盤戦の意味に区別する。」という説明は、見てきた
なかでは一番わかりやすいと思いました。
みなさんも、日頃疑問に思っている言葉を調べてみませんか?
・当館では、平成16年度に「大分県立図書館100年史」(仮称)の刊
行を予定し、その編集作業を行っています。昔の県立図書館に関
する写真等の資料をお持ちの方は、ぜひお知らせください。
大分県立図書館 ☎ 097−546−9972(代)
・また、当館郷土資料室では、県内で発行された出版物や大分県に
関する資料を収集し、県民共有の財産として保存しております。
本や雑誌を出版された方はぜひお知らせください。
大分県立図書館郷土資料室 ☎ 097−546−9984(直通)
−8−
大分県立図書館報第226号発行日 平成16年3月30日
発行者 大分県立図書館
大分市大字駄原587番地の1
電話 (546) 9972㈹
印 刷 ㈲ 大分プリント社
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