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体育科,保健体育科における研究
―体育科,保健体育科― 体育科,保健体育科における研究 1 指導主事 平江 公一 研究協力員 菊池市立隈府小学校 教諭 片峯 孝一郎 指導主事 霍口 京子 研究協力員 阿蘇市立阿蘇中学校 教諭 髙宮 さつき 指導主事 渡辺 泰生 研究協力校 山鹿市立山鹿小学校 域においては,「運動についての思考・判断」を運 研究のねらい 体育科,保健体育科においては,この3年間長期 的な展望を持ち,学習指導要領改訂により,従来の 動実践に活用するために次の4点がポイントとなる。 ①ゲーム成立に必要な運動の知識・技能が身に付い ていること。 種目表示から,種目類型による「ゴール型」 「ネット 型」 「ベースボール型」で示された「ゲーム・ボール ②ゲームを通したチームの課題に気付き情報を共有 すること。 運動・球技」領域に焦点を絞って研究に取り組んで きた。過去の研究成果も踏まえて,三つの型に共通 ③自分のチームや相手チームに応じた作戦を立てゲ ームを行うこと。 する授業づくりのポイントを検証していきたい。 (1) 視点1について ④チームや個人でゲームを振り返ること。 様々な身体能力を身に付け,体力の向上をねらい 本研究では,図2に示すように,チームの課題や とする体育学習においても,他者との学び合いは不 作戦を基に,個人の動き(役割分担)をどう思考・判 可欠であり, 「技能ポイントの発見」「チームの作戦 断したかを評価し指導の改善につなげていく。 決め」 「ルールの工夫」等,児童生徒が考えたことや 気付いたことを言語化し,表現する場面が意図的に 設定されてきた。すべての教科等で基礎的・基本的 な知識・技能の習得という基盤の上に,思考力・判 断力・表現力等の育成が求められる中で,体育学習 において,思考力・判断力・表現力等は,図1に示 すように一連の流れで一体的に,学習課題の解決に 向けた児童生徒の知識・技能の活用によって高まる と考える。 図2 「ゲーム・ボール運動・球技」における「思 考・判断」の評価 (3) 視点3について 得点を競い合う集団種目では,味方や対戦相手の 様々な情報を児童生徒が主体的に収集・分析・判断 することが勝敗を左右することとなり,それらの力 は,生涯にわたり運動に親しむ上で必要な能力であ 図1 体育学習における思考力・判断力・表現力等 る。また,本研究では,ゲーム成立のために必要な (2) 視点2について 情報(ルールやコート,動き方等)を,絵や写真,数 「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力」を育 値などで示すことで,児童生徒の主体的な情報活用 成する体育学習では,運動の知識や技能を運動実践 を促す授業づくりを目指す。短時間で効果的に情報 に活用できる思考力・判断力・表現力等が求められ を伝えるために,視覚的な資料としてデジタルコン ている。本研究の「ゲーム・ボール運動・球技」領 テンツの工夫を行っていく。 - 51 - ―体育科,保健体育科― 2 研究の実際 (2) 指導の実際 ① 検証1 小学校第5学年 単元名 「ティーボール」 (ベースボール型) 視点1について 「ベースボール型」の経験が少ない児童の実態か ら,単元前半と後半の学習課題を分けて設定した。 (1) 本単元の授業設計 児童の実態を基に,三つの視点を位置付けた授業 設計を以下のように行った。 表1 本単元の授業設計 時 1 2 ~ 4 5 ~ 7 学習活動 ○学習のねらいや進め 方を知る。 ○学習のルールやチー ムを決める。 ○試しのゲームをする。 ○集合,場づくり。 ○準備運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする [基礎技能向上タイム] ・ベースランニング ・キャッチボール ・フリーバッティング ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・攻撃はフィールド外ベ ースで得点する。 ・守備は移動式サークル に集まりアウトをと る。 ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 ○集合,場づくり。 ○準備運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする [基礎技能向上タイム] ・ベースランニング ・キャッチボール ・フリーバッティング ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・攻撃はフィールド外ベ ースで得点する。 ・守備は固定式サークル に送球しアウトをと る。 ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 ○まとめのティーボー ル大会をする。 8 【三つの視点から】 【視点3】最初のルールや 場づくりを図で説明する。 【視点2】試しのゲームで の課題をチームで共有す る。 【視点1】基礎的・基本的 技能(打撃)を重視した学習 課題を設定する。 【視点2】作戦や動き方を 工夫できるように作戦タイ ムを設定する。 【視点3】作戦ボードを活 用し,コートや相手チーム の守備位置を視覚的につか ませる。 図3 単元前半と後半の学習課題 【視点1】基礎的・基本的 な技能(守備)を重視した学 習課題を設定する。 ② 視点2・視点3について 単元前半では,ゲームの始めとイニングの間に「作 戦タイム」を設定し, 「作戦ボード」を活用しながら, 【視点2】作戦や動き方を 確認できるようコーチング タイムを設定する。 チームの作戦やポジションを確認できるようにした。 単元後半では,キャプテンのタイムコールにより, ポジションの変更やアドバイスができる「コーチン グタイム」を設定して,個人の動き方(役割分担)が 明確にできるようにした。 磁石を操作してポジションの確認 【視点3】スコアボードを 活用し,相手チームの特徴 を視覚的につかませる。 【視点1】自分たちが考え た攻撃や守備の工夫を伝え 合わせる。 【視点2】攻撃や守備での 自分のねらいと意図を書く 活動を設定する。 - 52 - 作戦ボードを活用した作戦タイムの様子 ―体育科,保健体育科― 検証2 中学校第2学年 単元名 「ソフトボール」 (ベースボール型) (2) 指導の実際 ① (1) 本単元の授業設計 視点1について 「ベースボール型」の経験が少ない生徒の実態か 生徒の実態を基に,三つの視点を位置付けた授業 設計を以下のように行った。 ら,以下のようなルールによる条件付けを行い,生 徒の思考・判断を生み出す学習課題を設定した。 表2 本単元の授業設計 時 1 2 ~ 3 4 ~ 学習活動 ○学習のねらいや進め 方,シートや用具の使い 方を知る。 ○簡易ゲームをして,特 性やルールを知る。 ○集合,場づくり。 ○準備運動・補強運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする。 [基礎技能向上タイム] ・ベースランニング ・1分間キャッチボール ・遠投キャッチボール ・素振り ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 攻 撃 【三つの視点から】 【視点3】最初のルールや 場づくりを図で説明する。 【視点2】簡易ゲームでの 課題をチームで共有する。 【視点1】運動技能のポイ ントを言葉で指摘し合い練 習活動に生かしていく。 単 元 前 半 単 元 後 半 ② 【視点2】運動技能のポイ ントへの気付きを図に書き 込ませる。 ○集合,場づくり。 【視点1】基礎的・基本的 ○準備運動・補強運動。 な技能(攻撃)を重視した学 ○めあてを確認する。 習課題を設定する。 ○学習1の活動をする [基礎技能向上タイム] 【視点2】作戦や動き方を ・塁間キャッチボール 確認できるよう作戦タイム ・手投げゴロノック を設定する。 ・フリーバッティング ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・走者満塁ゲーム 守 ルール 思考・判断 ルール 思考・判断 ・走者満塁か らのバッテ ィング ・ピッチャー は味方 ・相手チーム の守備隊形 を考えたバ ッティング ・走者1・2 塁からのバ ッティング ・ピッチャー は味方 ・味方走者の 位置を考え たバッティ ング ・走者の進塁 かストップ バックホー ムによるフ ォースアウ ト又は近い 塁でのフォ ースアウト ベースカバ ーによるフ ォースアウ ト又はバッ クホームに よるタッチ アウト ・相手打者を 考えた守備 隊形 ・バックホー ムが間に合 うかの判断 ・相手打者を 考えた守備 隊形 ・送球ベース の判断とベ ースカバー 視点2について 毎時間の始めに技能ポイントの確認を行い,単元 中盤ではポイントが理解できているか学習シートに よる評価を行い,基礎・基本の習得につなげた。 確技 認能 ポ イ ン ト の バッティングのポイント確認 7 8 ~ 10 ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 ○集合,場づくり。 ○準備運動・補強運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする [基礎技能向上タイム] ・塁間キャッチボール ・手投げゴロノック ・フリーバッティング ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・走者1・2塁ゲーム ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 よ る 評 価 【視点3】作戦ボードを活 用し,コートや相手チーム の守備位置を視覚的につか ませる。 【視点1】基礎的・基本的 な技能(守備)を重視した学 習課題を設定する。 備 打つ・捕る・投げるポイントを記入 ③ 学 習 シ ー ト に 視点3について 作戦ボードの活用と併せて,図式のルールブック を作成し,生徒が確認できるようにした。 【視点2】作戦や動き方を 確認できるよう作戦タイム を設定する。 - 53 - 図 式 の ル ー ル ブ ッ ク ―体育科,保健体育科― (2) 指導の実際 検証3 小学校第5学年 単元名 「フラッグフットボール」 (ゴール型) ① 視点1について 初めて「陣取り型ゲーム」フラッグフットボール (1) 本単元の授業設計 児童の実態を基に,三つの視点を位置付けた授業 を学習する児童の実態及び試しのゲームの課題から, 設計を以下のように行った。 単元前半ではランプレー,後半ではパスプレーを指 表3 本単元の授業設計 導内容とした。また,基礎技能向上タイムを単元を 時 1 2 ~ 4 学習活動 ○学習のねらいや進め 方を知る。 ○学習のルールやチー ムを決める。 ○試しのゲームをする。 ○集合,場づくり。 ○準備運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする。 [基礎技能向上タイム] ・フラッグ取り ・三角パス ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・2対1ランプレーゲーム ○学習3の活動をする。 [メインゲーム] ・3対2ランプレーゲーム ○学習の振り返り。 【三つの視点から】 【視点3】最初のルールや 場づくりを図で説明する。 【視点2】試しのゲームで の課題をチームで共有す る。 【視点1】基礎的・基本的 技能(ラン)を重視した学 習課題を設定する。 【視点2】作戦や動き方を 工夫できるように作戦タイ ムを設定する。 通じて設定し,作戦の基盤となる「走る動き」 「かわ す動き」「渡す動き」の習得を図った。 ② 視点2について ゲームの始めと攻守交代時に「作戦タイム」を設 定し, 「作戦ボード」を活用しながら,チームの作戦 やポジションを確認できるようにした。また,4分 間の攻撃時間内には「ハドル」を行い,個人の動き 方(役割分担)やポジションの修正を行った。 次は作戦B でいこう。 私がフェイクの 役をするね! 【視点3】作戦の基となる 動き方を図や写真を活用 し,視覚的につかませる。 作戦を確認する「ハドル」の様子 ③ ○整理運動,後片付け。 5 ~ 7 8 ○集合,場づくり。 ○準備運動。 ○めあてを確認する。 ○学習1の活動をする [基礎技能向上タイム] ・1対1フラッグ取り ・サインパス ○学習2の活動をする。 [課題設定ゲーム] ・3対1パスプレーゲーム ○学習3の活動をする。 [メインゲーム] ・3対2ラン&パスゲーム ○学習の振り返り。 ○整理運動,後片付け。 視点3について よい作戦をすべてのチームで実践できるようにす 【視点1】基礎的・基本的 な技能(パス)を重視した 学習課題を設定する。 るために,各チームが作成した作戦シートを掲示し て情報の共有化を図った。また,ビデオ等によるゲ ーム記録を基に,個人の動き方(役割分担)をデジタル コンテンツで図式化し,教師からのアドバイスも加 えながら,児童に提示した。 【視点2】作戦や動き方を 確認できるよう作戦タイム を設定する。 【視点3】作戦ボードを活 用し,最初の位置や動き方 を視覚的につかませる。 ○まとめのフラッグフ 【視点1】自分たちが考え ットボール大会をする。 た攻撃や守備の工夫を伝え 合わせる。 【視点2】攻撃や守備での 自分のねらいと意図を書く 活動を設定する。 図4 第4時のゲーム記録 - 54 - ―体育科,保健体育科― 3 検証結果と考察 図5~7に示すように,児童生徒ともに課題設定 (1) 運動量の確保 の条件付けが高まった場合に運動の達成が下がり, 思考力等の育成に向けて,作戦タイム等の言語活 小学校では,作戦の工夫及び友達との協力,中学校 動を設定した今回の実践で,運動力確保が保障され では課題の意識と相関関係が見られる。 ていたか,万歩計測定による数値で示す。 (3) 診断・総括的評価 表4 「ティーボール」実践での運動量(N=36) 第2時 第4時 第6時 第8時 最小値 999 歩 714 歩 1000 歩 1182 歩 最大値 2602 歩 2086 歩 2875 歩 3005 歩 平 均 1749 歩 1506 歩 1719 歩 2122 歩 表5 「フラッグフットボール」実践での運動量(N=31) 第3時 第4時 第5時 第6時 最小値 1078 歩 1372 歩 1248 歩 1444 歩 最大値 3517 歩 3565 歩 4563 歩 4786 歩 平 均 2087 歩 2243 歩 2501 歩 2655 歩 単元が進むにつれ,どちらも十分な運動量が確保 されていた。フラッグフットボールでは,最小値と 最大値の差が大きかった。 表6に示す児童の診断的・総括的授業評価から, 運動目標と認識目標で高まりが見える。作戦を工夫 するという思考・判断の活動で,運動に対する有能 感も高まったと考えられる。 表6 因子 情 意 目 標 運 動 目 標 認 識 目 標 (2) 形成的授業評価 行 動 目 標 児童の診断的・総括的評価(4件法 質 問 項 目 体育では,みんなが楽しく勉 強できる 体育では,いっぱい体を動か すことができる 体育では,いろいろな運動が 上手にできるようになる 体育が始まる前は,いつもは りきっている 体育で,他の人が運動してい るとき,応援する 体育をしているとき,どうし たらうまくできるか考える 体育では,約束やルールを守 る 体育では,先生の話をきちん と聞いている 単元前平均 N=67) 単元後平均 3.00 3.28 2.94 3.55 2.74 3.51 2.75 2.97 2.50 3.81 2.47 3.64 3.34 3.45 2.91 3.08 図8に示す生徒の診断的・総括的授業評価では, 意欲・感情の高まりとともに,運動に対する自信や 理解でも向上が見られる。課題解決に向けた学習を 通して,基礎的な技能や知識が習得できたと考察で 図5 ティーボール実践の形成的評価(4件法 N=36) きる。 図6 フラッグフットボール実践の形成的評価(4件法 N=31) 図7 ソフトボール実践の形成的評価(4件法 N=67) 図8 - 55 - 生徒の診断的・総括的評価(4件法 N=67) ―体育科,保健体育科― ル運動・球技」の研究を継続して行ってきた。 (4) 体育における言語活動の意識 単元事前・事後の言語活動に関する児童生徒の意 識調査を比較すると,小学校では, 「まねをする」 「聞 く」などの情報収集に関する意識が高まっている。 図や写真,動画などを活用した授業者の意図的な情 報発信の成果と考えられる。中学校では, 「伝える」 意識に高まりが見られる。作戦ボードの活用やキャ プテンがリードして行う作戦タイムにより, 「チーム で協力して勝利を目指す」という「目的意識」と「仲 間意識(相手意識)」が明確にされたグループ学習が 進められた結果と考えられる。 三つの校種で, 「ゴール型」 「ネット型」 「ベースボ 表7 児童の言語活動に関する意識調査(N=67) 質問項目 体育では,どう したらうまく できるか考え ますか 体育の時,上手 な友達をまね しますか 体育の時,分か らないことを 友達や先生に 聞きますか 体育の時,上手 なやり方を友 達に教えてい ますか 回答項目 よく考える 少し考える あまり考えない 考えない よくまねする 少しまねする あまりまねしない まねしない よく聞く 少し聞く あまり聞かない 聞かない よく教える 少し教える あまり教えない 教えない 表9 これまでの研究の経過 年度 校種・学年 単 元 H21 中学校第2学年 バスケットボール H22 高等学校第1学年 バドミントン 小学校第1学年 鬼遊び H23 高等学校第2学年 バレーボール 小学校第3学年 ハンドボール型ゲーム H24 中学校第2学年 サッカー 小学校第5学年 ティーボール H25 小学校第5学年 フラッグフットボール 中学校第2学年 ソフトボール 事前(%) 70.3% 16.2% 10.8% 2.7% 46.0% 32.4% 10.8% 10.8% 37.9% 29.7% 24.3% 8.1% 43.3% 29.7% 13.5% 13.5% 事後(%) 76.3% 20.8% 2.9% 0% 51.2% 45.9% 2.9% 0% 40.1% 55.5% 2.9% 1.5% 48.8% 35.7% 12.6% 2.9% ール型」の実践を通した,児童生徒の思考力等の育 成を研究してきた。そこで明らかになった点として, 児童生徒はチームで作戦を考える場面で,図9に示 す「思考の順序性」で共通していたことが挙げられ る。 児童生徒の作戦の工夫 思 考 の 順 序 性 友 達 の動 き や 他 の チー ム の 動 き 方を 見 て いますか 話 合 いで は 自 分 の 意見 や 考 え を 伝え て い ますか 友 達 にア ド バ イ ス や気 付 き を 伝 えて い ま すか 友 達 や先 生 の ア ド バイ ス を 学 習 に役 立 て ていますか 4 回答項目 よく考える 少し考える あまり考えない 考えない よく見る 少し見る あまり見ない 見ない よく伝える 少し伝える あまり伝えない 伝えない よく伝える 少し伝える あまり伝えない 伝えない よく役立てている 少し役立てている あまり役立てていない 役立てていない 事前(%) 9.1% 81.8% 9.1% 0.0% 31.2% 54.1% 11.8% 2.9% 15.3% 54.5% 27.3% 2.9% 2.9% 52.2% 42.0% 2.9% 26.9% 61.3% 11.8% 0.0% 事後(%) 11.8% 85.3% 2.9% 0% 44.5% 46.8% 5.8% 2.9% 34.5% 50.8% 11.8% 2.9% 34.5% 23.7% 38.9% 2.9% 38.9% 50.8% 10.3% 0% 研究のまとめ ② 空間の活用 ③ 時間の活用 運動感覚のズレへの手だて 動 相互フィードバックの必要性 作 タイミング の 運動感覚の 言 「ズレ」 語 化 スピード パワー 表8 生徒の言語活動に関する意識調査(N=67) 質問項目 運 動 がう ま く で き るか 考 え て 学 習し て い ますか ① 個人の能力の活用 言 語 の 動 作 化 空間認知のズレへの手だて 場づくりの必要性 広がれ! 前へ 走れ! どこまで広 がるの? 空間認知の 「ズレ」 どこが前? ゲーム・ボール運動・球技での児童生徒の思考の 順序性を教師が理解した上で,課題の設定と学習評 価を行っていくことが授業づくりのポイントと考え る。また,運動感覚と空間認知のズレに対しては, 教師からの情報発信が必要であり,視覚的な情報を 与えることが児童生徒の主体的な情報活用にもつな げるポイントととらえる。今後は,今回の成果が他 の領域でも汎用性があるかを検証し,体育学習にお ける確かな学力をはぐくむ授業づくりを深めていき たい。 《参考文献》 ・高田俊也 他(2000)『態度測定による体育授業評価法の作成』,ス ポーツ教育学研究,20 ・高橋健夫 他(2003)『体育授業を観察評価する-授業改善のための オーセンティック・アセスメント-』 ・文部科学省(2008)『小学校学習指導要領解説体育編』 ・文部科学省(2008)『中学校学習指導要領解説保健体育編』 体育科,保健体育科では,以下の「ゲーム・ボー - 56 -