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子どもたちに教えるキルト指導要綱

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子どもたちに教えるキルト指導要綱
子どもたちに教えるキルト指導要綱
実施報告書
実施期間
:2004 年∼2006 年
潮風のキルト展にて
潮風のキルト展の審査員をして下さっている小林恵さんが、子どもたちの創造力と地域意識
を伸ばし、将来に役立つようにとこの企画を作ってくださいました。また、製作の過程では
いろいろな方・企業に声がけをし、協力を呼びかけて下さいました。
特定非営利活動法人NPO砂浜美術館
潮風のキルト展にこんな人たち 参加しました
2004 年 11 月 12 日(金)∼14 日(日)7校
大方町教職員低学年部会(高知県大方町)/馬荷小学校(高知県大方町)/環の会(高知県大方町)/
浜松解放子ども会(高知県大方町)/南郷小学校(高知県大方町)/上田の口保育園(高知県大方町)/
一宮保育園(高知県高知市)
2005 年
11 月 11 日(金)∼13 日(日)
8校
中央保育園(高知県大方町)/上田の口保育園(高知県大方町)/馬荷小学校(高知県大方町)/環の会(高知県大方町)
中村幼稚園(高知県四万十市)/大方くじら保育園(高知県大方町)/早咲保育園(高知県大方町)/南部保育園(高知県大
方町)
2006 年 11 月 10 日(金)∼12 日(日)
11 校
※2006.3 より大方町はし町村合併で黒潮町になる
中央保育園(高知県黒潮町)/上田の口保育園(高知県黒潮町)/中村幼稚園(高知県四万十市)/大方くじら保育園(高知
県黒潮町)/早咲保育園(高知県黒潮町)/浜松保育園(高知県黒潮町)/南郷小学校(高知県黒潮町)/佐賀小学校(高
知県黒潮町)/上川口小学校(高知県黒潮町)/大方高校(高知県黒潮町)/浜松解放子ども会(高知県黒潮町)
合計 26 校で取組が行われました。
潮風のキルト展の実行委員会メンバーである、地元のパッチワークキルトサークルあずさ、自然工房のメンバーが中心
になって、身近な人から声がけを行っていきました。徐々にではありますが、呼びかけに対して賛同し取り組みを始め
てくれる方が増え、人から人へと口コミで輪が広がっています。
こんな取組が行われました
Case1
大方町教職員低学年部会
小学校低学年の先生方の研修で、本指導要綱やペンテルクレヨンを活用して、キルト作り
に取り組んだ。今後各学校に持ち帰り子どもたちと取り組むために、まず自分たちが体験し
ようということで始まった。葉や貝など自然のものを拾い集め、その模様をクレヨンで布の
上から写しデザインを作った
【参加者の感想】洗ってもきれいな絵が残るのはいいですね。/使いやすくて色もきれいで
した。/混色もきれいにできた。色が美しく、発色が良かった。/アイロンをあてると油が取
れるのがいいです。/アイロンをかけると水で落ちないので便利だと思います。/絵をかい
てアイロンをあて、その後洗濯してもおちないということは、とてもいいのではないかと感
じました。/自由に好きな絵がかけ、アイロンで染めることができるので広く活用できると
思います。/今日は楽しんで布に絵を描くことができました。時間的な余裕ができたらいろい
仮縫いをみてみました
ろ工夫して使っていきたいと思いました。自分で考え空想し、ものを作るのは楽しいことで
すね。ペンテルクレヨンはとても便利だと思いました。
キルトサークルの方も来て指導です
それぞれの作品を並べてみました
葉や貝をクレヨンで布に写し取っています。
こんな取組が行われました
Case2 馬荷小学校
全校生徒 7 名の小学校で、地元でものづくりをされている方にアドバイザーをお願い
し、先生と子どもたちの共同製作で行った。
・ はじめは家庭科のイメージがあったが、それだけでなく、地域のことを学ぶ総合的学
習の時間に取り組んだり、図工の要素があったり、様々な角度からキルト作りに取り
組める可能性を感じた。
・ はじめは、パッチワークキルトはものすごく難しいイメージがあり、子どもたちでは
できないと思ったが、クレヨンを使用して作品を作ることもできるし、他にもいろい
製作風景です
ろなアイデアをもらうなかで、「難しさ」という固定観念のしばりが解けた。そこか
ら子供たちのいろいろなアイデアが出てきた。
・ 針を使う作業が難しい低学年生徒の部分を、高学年生徒が手伝うなど、お互い協力して作品が
出来上がった。
・ 作品のテーマを決める中で、自分たちの地域で大切なものは何か話し合った。馬荷の特産品で
ある「七立栗」をテーマにしようと言う意見がでて、地域に対する思い入れも広がった。
・ クレヨンで布に絵を描けることがすごいと思った。これまで、こうしたクレヨンがあることを
知らなかった。栗の顔を描いたり、紅葉を描くのにクレヨンを使用した。子供たちから、この
クレヨンを使って T シャツなどにも絵をかきたいという意見が出た。
・ 地元でものづくりをされている方が、アドバイザーとして製作に関わってくれた。その方から
いろんなヒントをもらい、製作がスムーズに進んだ。子どもたち、先生、外部のアドバイザー、
3 者が連携を取れた結果である。
実行委員会のメンバーがアドバイザーです
こんな取組が行われました
Case3 環の会
輪の会のメンバーは、身体に障がいをもっており、月に何回か集まり様々な
活動をしている。今回、その活動の中でキルト作りに取り組んだ。クレヨン
や布を使って思い思いの自然を描いた。
砂浜美術館館長のニタリクジラです
布を切り貼りしています
みんなの作品を並べてみました
クレヨンでひまわりを描いています。
(担当スタッフの感想)
・ 自分の作品が野外で展示されるとのことで、普段あまり外に出ることのない人たちも外に出るきっかけがもてた。潮風のキルト展会期中は、
みんなで会場へ出かけた。自分の作品が展示されていることにみなはしゃいでいた。
・ 「この人にこんな才能があるのか」と、キルト作りを通して改めて発見できたことがあった。
・ 針で縫う作業は、障がいを持っている方の中には困難な場合もあったので、ボランティアの方の協力ももらって、完成させることができた。
・ クレヨンをうまく持つことのできない人は、クレヨンをもつことのできる人に絵のイメージを伝えて完成させるなど、役割分担をしながら
製作できた。
(参加者の感想)
・ 今回初めてこのキルト展に僕たち「環の会」として参加させていただきましたが、とにかく楽しかったです!メンバーがワイワイ言いなが
ら、みんなで協力してそれぞれの表現とアイデアで作っていくうちに、環の会みんなの考えや想いを伝えることのできるキルト作品になっ
たこと、素晴らしいと思います。絵やデザインを描いたことも何年かぶりでしたが、自分としてはイメージしていたものと出来上がりの差
が面白くて、意外な自分が出てきたような気がしました。このイベントに参加することによって、またいろんな人と知り合うきっかけにも
なって楽しかったです。潮風のキルト展は、素晴らしいイベントだと思いました。ありがとうございました。
・ 作品の原画を作成しているときは、正直言って恥をさらすだけじゃないかと思ったりしましたが、多くのサポーターの方々に支えられて、
ああいう立派な作品が出来た事に感謝いたしてます。それとメンバーのみんなが「一人では無理な事でも、みんなでやればできるんだ!!」
と言うある種の自信がもてたのが一番の収穫だと思います。
こんな取組が行われました
Case4 浜松解放子ども会
子ども会での活動時間を利用して、低学年(1・2 年生)、中学年(3・4 年
生)、高学年(5・6 年生)がそれぞれ一枚ずつキルト作りに取り組んだ。低
学年は、思い思いのクジラをクレヨンで描き、中・高学年は染めの技法を用
いて花火を表現し、そこに観客や周りの風景をクレヨンで描いた。
一人一人のイメージするクジラです
取り組みの前にまずはキルトについてお話
みんなのクジラが気になります
完成した後、感想を書いています
【1・2 年生の感想】
・ 絵を書くのを頑張った。きれいになってもらいたいな。協力し合いながらいくかな。次は、猿を作ってみたいな。また今度も作ってみたいな。
一生懸命頑張って作ってみたいな。
・ 作る時に、れなちゃんと私とまゆみちゃんとちなみちゃんとで作りました。最初は、どんなクジラにしようかなと思ったけど、はづきも上手に
クジラの絵を書けました。難しかったのは、クジラを塗るのが難しかったけど、だんだんクジラを塗ったり書いたりするのがおもしろくなりま
した。模様をいっぱい書きました。みんなも上手にクジラの絵を書いていました。みんな、模様もきれいに書いていました。虹も書いていまし
た。最後に上から見てみたらみんなのクジラがきれいでした。みんなはかわいいクジラを書いていました。私のクジラは亀がちょっと青くなっ
ていました。おもしろかったです。
・ みんなと一緒に合わせて作ったから楽しかった。風船もかわいく書けたからうれしかったよ。みんなと協力して作ったよ。今度は、もう少しカ
ラフル、きれいに作ってみたいです。仲良く、楽しく、みんなと作りたいような気持ちになります。難しかったのは、クジラのマークを書くの
と、何色にしようかな?と迷いました。虹も難しかった。ハートの色分けするのも難しかったです。クジラの字を太くするのが難しかったです。
さっちゃんがいなかったので残念でした。潮吹きも、楽しそうにしているとこを書いていたので、どういうふうにすれば分からなかったです。
ハート色分けしようかなと思ったけど時間がなかったので、色分けできませんでした。楽しいところがいっぱいでした。みんな合わせるとは思
いませんでした。学校でキルト小のをつくった時が、本番だと思ったから必死に書いていたけど、練習みたいでした。がっかり、残念と思った
けど、本番で上手に書けたからうれしかったです!
・ タコを書く時が難しかった。頑張って作った。おとなりに一回もはみ出さなかった。スライムを作ってみたい。
・ クジラは、いっぱいおるけん。絵を書くときに難しかったよ。最初は、難しいと思うたけんどおもしろかったよ。ヘタにもなったことがあった
けどうれしかったよ。もうちょっと上手になりたいよ、2年生みたいに。
・ 僕の苦労したとこは、布なので書きにくかったです。あと島を書くところが難しかったです。クジラの赤ちゃんを書くのが難しかったので手が
疲れました。何回も書いたのでとっても疲れたけど楽しかったです。とても、時間がかかったけど楽しかったです。いろいろ、先生が工夫して
くれました。僕は先生の言うことに従いました。疲れたけどとっても楽しかったです。初めての先生もいろいろ工夫してくれました。僕も書い
た。
・ 僕は苦労しました。船の塗るところが難しかったけどおもしろかったよ。島を書くのも難しかったよ。僕もクジラの島に行きたいなー。僕はク
ジラの掴んじょうところがおもしろかったよ。
・ 絵を書いて、塗るところが楽しかったよ。かわいいのを書くぞ。仲良く、クレヨンを使ったよ。犬とクローバーを書きたいと思います。みんな
すごくきれいな絵だなあと思ったし、絵が上手でいいなあと思いました。書くところ上手にできるかな。前休んでいたから1年生2人と作った。
女の子また、みんなで作りたいし、かわいく書きたいです。すごく楽しかったよ。もっとしたいし、またしたいです。本当に楽しかった。
・ クジラの体を作るとこが難しかった。カニのところも難しかった。あと海のイルカの体も難しかった。クジラの潮を吹くところが難しかった。
・ 人形を作ってみたいよ。書くところも塗るところもおもしろかった。うなぎもサメも書いたよ。今度はみんなでメダカ釣りをしよう絵を書きた
いよ。
・ 色を塗るところが難しかった。きれいにクジラを書こうと思いながら書いた。
・ 図書室にあるのを真似しようと思ったよ。みんなと協力しながら作ったよ。今度はみんなと釣りをしているところを書きたいです。
・ 迷ったけんどきれいに書けてきれいな魚が出来ました。魚がすごいきれいでした。しょうごと僕とみずき君とみんなで出来ました。
・ クジラがちょっと長かった。クジラをきれいに書こうかなと思うて作ろうかな。仲良しに作った。
・ のぞみちゃんと私で力を合わせて作りました。虹をつなげたり星をいっぱい書きました。クジラが思っていたよりかわいく書けました。今度は
違う絵のキルトを作りたいです。またキルトを作れたらいいなと思っています。
・ クジラの絵がおもしろかった。そのわけ、クジラがかわいいから絵も上手になったよ。
・ クジラの作るのが難しかった。でも絵を書くのが楽しかった。クジラがかわいかった。でも絵は頑張ったよ。
・ 作るときに、クジラの模様を書くときに楽しかった!でもクジラの絵を書くときが難しかったよ!上手にできるかなぁと思いながら作ったよ!
みんなでいろんな人のがをバラでやったよ。今度は動物を書きたいよ!波を書くのが難しかったよ!でも、友達が手伝ってくれてできたよ。キ
レイにできるかなあ。仲良く作れたけど、自分ではヘタと思ったよ。でも、友達からは上手と言われたよ。だから、おもしろかったよ。次は、
イルカの絵を書きたいよ。クジラを作るときは、ちょっと難しかったけど、虹を作るときも難しかったよ。早く、キレイにできるかな?みんな
で仲良く楽しく作ったよ。今度は、果物の絵を書きたいよ。作るときに早くキレイに、丁寧に書けるかなあと思いました。みんなで協力して出
来たよ。次には、島を作ってみたいよ。作るときにキレイ、早く、丁寧、いろいろな絵を書けたよ。
・ 塗るのが、難しかった。次はまたクジラがいいね。みんなと一緒に作ったとき、教えてくれる先生が「虹も書いたらきれいな絵になるで。」と
言いました。虹を書いたら「次はシャチも書いたらっと言って、シャチを書いたら「イルカも書いたらえいで。」と言いました。
・ みんな力を合わせて作ったよ。シャチを書くときに教えてくれた先生が、
「たくさん書いたらきれいな、かわいいよ。」と言ってくれたよ。次は、
またクジラがいいよ。
【3・4 年生の感想】
・ 作る時にぎやかな感じをイメージして人を書きました。苦労した事は、人をたくさん書くことです。
・ みんなが一生懸命協力し合って仲良くして作り上げました。最初、何もないただの布だったのに、みんなが協力し合って絵をクレヨンで塗って、
その絵を輪ゴムを使って、みんなでとめてきれいなキルトを作りました。
・ 入野の自然豊かな松原、きれいな夜空に上がる花火をイメージして最初、何もないただの布だったところからみんなが、一生懸命協力して作り
ました。いつまでもきれいな松原、きれいな空、きれいな砂浜、自然豊かな大方町を大切にしようというメッセージも込めています。
・ 輪ゴムで結ぶところが難しかった。いいのが作れるかなぁーと思いました。みんなが協力して出来ました。とても楽しかったです。
・ 人の絵を書くのが楽しかった。優勝する事を思いながら作ったよ。協力して絵を書いたよ。次は海の風景を書きたいな。大きい花火が好き。
・ 輪ゴムでくくるのがおもしろかった。クレヨンで人を書くのも楽しかった。いろいろな人を書いたのが楽しかったよ。キルトの出来上がりがき
れいだった。
・ 作るときは休んだけど、見てみたら、花火が打ち上がっているとこがきれいで、見ている人たちがいっぱいでなんか「うわー」って言いようみ
たいですごかったです。特に一番大きな花火が太陽に見えてきれいでした。
・ 輪ゴムでくくるときは、すっごい時間かかったし、クレパスは楽しかった。わたしは、ラブラブなことか、カップルとかを書いたよ。楽しかっ
たよ。巨人に人がいたので、書きにくかった。花火に色がすっごくきれいでした。
・ 小さい丸を輪ゴムでとめる時、あんまりできんかったけん、大きい丸だけとめた。きれいなとこは、丸の中にしましまみたいになっているとこ
がきれい。
・ 作るときは休んだけど出来たのを見たらすごかった。人の絵がすごかった。
・ 一番大きい花火が太陽みたい。あと小さい花火が花みたい。そして来ようお客さんがいろんな服とか着いちょうけん本物みたい。わたしはこの
中で一番大きい花火が好き。
・ 輪ゴムをとめたり絵を書いたり、けいた君と一緒にしておもしろかった。一生懸命みんなと童夢館に来てした。今度はみんなと遊びようところ
を書きたい。
・ 花火がきれいだし、散りようみたいなけんこの名前にしました。作っているときは巻くのがおもしろかった。
【5・6 年生の感想】
・ 最初、布に輪ゴムを巻くのが大変でした。染めた後にまた輪ゴムを取るのが大変でした。輪ゴムをのけた後の花火のがに絵を書いたり、人の絵
と松原の絵を書くがが大変やったけんどけっこう楽しかった。なんかの賞に入れたらええな。
・ キルト作りをみんなで頑張りました。特に、布に人を書く所がおもしろかった。他は花火の下書きを輪ゴムでとめる所とかみんなで協力できま
した。キルト作り、おもしろかったです。
・ 楽しかったとこは、みんなで絵を書いたこと。難しかったことは、布を輪ゴムでとめること。何重にもとめることが難しかった。花火がパーン
と打ち上がった感じがよく出来てたと思いました。花火の美しさと、それを見ている人の風景を感じて作りました。
・ 工夫した所は、人の服や花火を書く時に、頭を使って書きました。例えば人の服を書く時に服の模様が重ならないようにした事や、花火がきれ
いに見えるように頭を使った。みんなに見てほしい所は、全部です。それは花火や人達です。人々の様々な服です。その中にはちょっと笑える
のもあるから見て下さい。
・ 最初布にゴムを巻くのが大変やった。染めた後ゴムをのけるがが、大変やった。いろいろな形の花火みたいな模様ができちょった。クレヨンで
人の絵を書くのががおもしろかった。
・ 布に人を書いたのが楽しかった。あと、花火もきれいに染めれてよかった。大変やったことは、輪ゴムを花火の「がら」のために巻くのが大変
やった。けんど、大変やった分できあがりがうれしかった。
・ 一回解放子ども会を休んだけん、輪ゴムとめしかできんかった。でも出来上がりを見てきれいやなぁと思うた。最初に決められちょった花火に
ぴったりやなぁと思いました。輪ゴムを何回もくぐらなあかんかったけん、大変やった。とてもきれいにできちょった。
・ 一回しかキルトはできんかったけど、今日できちょうがを見て、きれいにできていたし、すごく上手だったし、出来たがを初めて見てびっくり
した。輪ゴムをつけて、あんな模様になるとは思わんかってかなりびっくりした。
・ 工夫した所は、服の模様や、色などです。同じ色が重ならないように気をつけて書きました。見てもらいたい所は、大勢の人たちです。こんな
に大勢の人が同じ場所で同じ物を見るということは、あまりないのでそんなところがいいなと思いました。
・ 工夫したとこは、人間の服装とか、髪の色とかを工夫しました。同じ人を書かないように注意してやりました。見てもらいたい所は、人間と花
火です。このキルトは、みんなで協力して作ったものです。
・ 輪ゴムをつける時はどうなるかと思いよった。出来上がってみると、けっこうきれいでした。みんなで一つの作品を作るのは楽しかった。砂浜
の絵をキルトにしてみたいです。
こんな取組が行われました
Case5 南郷小学校
5 年生の子ども達が、毎週の家庭科の時間を利用して取り組みました。自分
たちの町の自然でどんなものが好きかを考えながら、一人が 2∼3 枚の作品
を作り、つなぎあわせました。
縫っていくと作品が浮かびあがってきます
男の子も必死で縫っています
完成しました
・ 地元の美術館のイベントに子どもたちが目を向けることができた。
・ みんなで平等に取り組めた。一人一人の存在感を 1 枚のキルトに表現することができた。
・ 生徒のおばあちゃんがキルトをしており、ゲストティーチャーとしてお招きし作業の指導をしてもらった。子どもたちも地元でこうした技
術を持っている人と触れ合うことができ、またそのおばあちゃんも、子どもたちに教える場を持てたことを喜んでいた。
・ 制作していく中で、子どもたちそれぞれの個が発現してきた。
・ 自分たちの作品が展示されるので会場に見に行った。その中で他の人たちの作品を鑑賞することで刺激を受け、発想の転換ができた。次回
作品へのアイデアがわいた。
・ 今まで絵を書くのは画用紙に書くことが多かったが、今回布に表現しキルトにするという新しい分野を経験することができた。
こんな取組が行われました
Case6 上田の口保育園
子どもたちがクレヨンで布に絵を書き、保育園の先生、また保護者の方々が子どもたち
を迎えに来た時に、絵のまわりを縫込み作品を完成させました。
・ 子どもたちはクレヨンで絵を書くのを大変楽しんでいた。
・ 保護者と先生の接点が今まではあまりなかった。今回、子どもたちを迎えに来る保護者が早めに
園に訪れ、先生と共に縫う作業を行いながら、ゆっくりと子どもたちの話や、それ以外にもい
ろいろな話をする機会が持てた。コミュニケーションをとる貴重な時間だった。
・ クレヨンを使って、ハンカチやお弁当ふろしきなどにも絵を書いてみたい。
・ 子どもたちは自分たちの書いた作品が展示されることがすごくうれしかったようだ。
絵が完成です
・ 秋はいろいろなイベントが立て込んでいて時間をとるのが難しい。1 学期、夏休みを利用して
取り組みたい。
一枚の布にみんなで絵を描きました
テーマは自然です
思い思いの絵を描きます
こんな取組が行われました
Case7 南部保育園
今まで、保育園ではクレヨンを使うことはありませんでした。絵を描く時
には一色のマジックで色をつけていました。今回クレヨンを使うにあたっ
て、初めはいろんな色を塗るということにあまり慣れていませんでしたの
で、練習で大きめの紙に絵を描きました。そのうちにだんだんと色を使うこ
とが楽しくなってきたようです。
先生に布をおさえてもらいます
となりの友達の絵が気になります
お母さんたちが縫い合わせます
色をつけることが楽しくなってきました。
こんな取組が行われました
Case8 中央保育園
子ども達が絵を描いたら今度は親の出番です。いつもより少し早く保育園に子
ども達を迎えにきて、自分の子どもが描いた絵のまわりを縫いました。仕事を持
っている方も多いので、家に持ち帰って、お父さんお母さんが縫い上げた作品も
ありました。保育園で作品を縫う作業や空間が、親と先生と子どもがコミュニケ
ーションを図る場として活用されたり、普段あまり会うことのないお母さん同士
が楽しくお話をするきっかけにもなったようです。
放課後の風景
お母さんも一生懸命です
こんな取組が行われました
Case9 上川口小学校
3、4 年生の複式学級で、みんなで協力して一つのものを作り上げるという
目標から、キルト作りが始まりました。
最初の授業では、小さい布を使って、「自然」をテーマに実際にクレヨンで絵を描
き、つなぎ合わせてイメージ作りを行いました。それをもとに、展示する作品サイ
ズで絵をかき、縫い合わせる作業では、保護者が参加して行いました。
授業参観日にみんなでキルト
キルトってどんなもの?
完成しました
〔保護者の方からの学校によせられた感想です〕
・ 親子で苦労しながら初めて挑戦したキルトづくり。ひとはり、ひとはり縫うのが大変でした。自然をテーマにまねかれた、子どもたちの素直
な心が絵に表現されていて、大きな1枚になったとき、すごく感動しました。みんなの心の中に、ずっと残る素敵なキルトに仕上がってよかっ
たです。
・ 昨年はくじら保育園で一つのキルトの作品を作り、子どもの描いた絵がこんな素敵なキルトになるんだと・・・、感動しました。今年は 3,4 年
生でキルトをすると先生から聞いてとても楽しみにしていました。思ったとおり、みんなの作品が一つになってとてもかわいらしい、すてきな
作品ができあがりました。一人ではなかなかあのような、大きな作品は作れませんが、みんなの力が集まれば出来るんですね。少し手伝って、
キルトの楽しさを味わうことも出来てよかったです。
・ キルトをして一番思ったことは、みんなの作品がつなぎ合わさって、一枚の絵になるなんて素敵と言うことです。みんなが大方の自然や人をの
びのび描いていて、縫っていく前からいいなあと思っていました。参観日では少しの時間でしたが、子ども達と一緒に縫えて楽しかったです。
裁縫なんて上級生になってからと思っていましたが、結構上手に縫っている娘を見て、感動したことです。夏休みにはおばあちゃんと私と娘と
3 人がかりでの裁縫になりました。縫っていくうちに、その部分が盛り上がって立体的になっていくのや、布の何ともいえないぬくもりがとっ
てもよかったです。最後のかがりをして下さった保護者の方、本当に有難うございました。忙しいのはみんな一緒なのにすみませんでした。今
後のこのキルトのように親も子もよりつなぎあっていきたいですね。こうゆう機会を作って下さった先生、ありがとうございました。そして、
お疲れ様でした。
・ すごく楽しかった。難しかったところは、最後の仕上げでバイアステープで縫って仕上げるところが苦労しました。簡単だったところは、絵を
描いたところを縫うところです。最初は、これは大変だと思いましたが、やっていくうちにとても楽しくはまってしまいました。最後の仕上げ
のところは難しかったですが、出来上がりを見て感激しました。
・ 最初絵を見たときに、小さな魚がたくさん書かれていたので、えっこんなにせなあいかんがやろうかと思って、吃驚しました。一つ一つ勧めて
いくうちに、だんだんキルトらしくなってきて、少し楽しくなりました。でも、細かく縫わないといけないので、少しかなり疲れました(はあ
∼)。みんなの出来上がったキルトをつなぎ合わせたのを見て、想像以上の作品ができていたので、吃驚しました。子ども達の一人一人の個性
あふれる作品でした。いろいろ大変だったけど、子どもと一緒にできて、楽しかったです。いい思い出になりました。有難うございました。
・ キルトというものは、今まで知りませんでした。孫の作品をみたら、こころが落ち着きます。初めてキルトをつくりました。写真でみんなの作
品を見ると、すごいなと思いました。大変な作業を他のお母さんや先生、濱崎さんにしていただき申し訳ありませんでした。そして、ありがと
うございました。とても素晴らしい出来上がりでした。一学期からとりかかった作品作り。我が家でもそれぞれに頑張りました。夏休みは父が
一番頑張ったかしら。(笑)ぎりぎりになって先生からだめだしをくらった母は、覚悟を決めて大嫌いな針と糸を持ち、かなり頑張りました。
久しぶりの努力でございました。
「やればできるじゃーん」(と我が家の男どもに褒められた母です。笑い)頭を抱えつつも協力して頑張れたキ
ルトづくりでした。子どもとも仲良くできました。楽しかったです。色々な行事があって忙しい中でのキルトの作業、先生方もお疲れ様でした。
キルト展お疲れ様でした。
・ 初めてのキルト作りだったので、どのように仕上がるのか全く想像できませんでした。縫い始めると子どもにもやらせる宿題のはずが、親の私
がはまってしまい、ほとんどやってしまいました。(笑い)最後のかがりをして完成したときは、キルト作りをやってよかったと思いました。
・ 玉結びと、針に糸を通すのに苦戦した子どもでしたが、夏休み中はおばあちゃんに見てもらいながら、根気よく頑張っていました。一つ一つス
テッチをいれて作業、なかなか根気のいる作業でした。子どもたちは本当によくがんばったなあ。あらためて感心したことでした。
・
こんな取組が行われました
Case10 浜松解放子ども会(中学生)
放課後、みんなが集まってキルトづくりを行いました。
担当の町の職員さんが、製作の過程で行き詰ったとき、潮風のキルト展実行委員会のメンバーが出張指導に出向きました。
こうした地域内でのつながりが、素敵だと思います。
実行委員会のメンバーが出張指導です
未来のキルターです
作品集
2004 年度
馬荷小学校(高知県大方町)
ぼくは七立栗。馬荷に残る由緒ある珍しい栗です。いつも馬荷小学校の庭で元気な 7 人の子ども達を見守って
います。この作品は、子ども達がぼくを中心にして考えて作ってくれました。野草で染めた布や、お年寄りとの
作業で使った古い軍手、運動会で使っていた布で学校の周りに住む動物達や、草花を表現しました。もちろん真
ん中の七個の栗は 7 人の児童です。馬荷の宝物は「七立栗」と「自然」、そしてこの「子ども達」です。
「ふるさとのたから」をいつまでも大切にしたいと思います。
環の会(高知県大方町)
私たちのグループ(環の会)は個性的なメンバーの集団です。メンバー一人ひとり何らかの障害をもっ
ています。だからといって暗くはなく、前向きなメンバーばかりです!!この作品を作成しているときも、
笑い声が絶えませんでした・・・(^^♪。∼メンバー個々の感性と自然に対する熱い熱い思いが込められてい
ます∼。
浜松解放子ども会 1・2 年生(高知県大方町)
きれいな海の中でみんなでなかよく泳ぐクジラをイメージしてつくりました。
いろいろなクジラがいて、
楽しく、なかよく大方の海を泳いでいます。 これからも、きれいな海でいっぱいのクジラが泳げるように自然
を大切にしたいです。
キルトをみんなと一緒に協力しあいながらつくったから楽しかったです。
浜松解放子ども会 3・4 年生(高知県大方町)
この題にした理由は、入野の花火を実際、浜に見に行ったら、ドッカーンと言う音がするから、花火がドッカー
ンと言う題にしました。つくる時、にぎやかな感じをイメージして人をかきました。苦労したところは、人をた
くさんかくことです。
浜松解放子ども会 5・6 年生(高知県大方町)
入野の自然豊かな松ばら、きれいな夜空に上がる花火をイメージして、最初、何も無い布だったところから、み
んなが、いっしょうけんめい協力して作りました。いつまでもきれいな、松ばら、空、砂浜、自然豊かな大方町
を大切にしようというメッセージもこめています。
南郷小学校(高知県大方町)
「パッチワークって何?」最初はそんな感じでした。
夏休み、1 人 5 枚のデニムの布に「大方の自然」をテ
ーマに絵を創っていきました。5 年生になって初めて家庭科で針をつかい、やっと玉むすび、玉留めができるよ
うになった私たち。描きたい絵は心の中に広がっているけれど、うまく作れません。針で指を何度もつきました。
痛かったです。お母さんや、お父さん、おばあちゃんたちも手伝ってくれました。
みんなのパーツはそれぞれ違って、どれも素敵です。組み合わさったらどんなになるだろうと、わくわくしな
がら縫い合わせました。この作業もとても大変でしたが、睦美ちゃんのおばあちゃん明神さんが、何回も学校に
来てくれて教えて下さいました。そして、やっと最後の一枚を縫い合わせたとき、おもわず「やったあ!」と歓
声と拍手が教室中響きました。 初めてのパッチワーク。みんなで力を一つにして完成させたパッチワーク。み
んな違ってみんな素敵なパッチワーク。気持ちいい風が心の中にすーっと入ってきたような、さわやかな気持ち
でいっぱいです。
上田の口保育園(高知県大方町)
川でカニやエビを捕まえ、魚をすくい、7 月 8 月は思い切りプールを楽しみました。園庭では、セミやちょうち
ょを網を持って追いかけ、かぶと虫をはわしては遊びました。運動会が近づくと、竹馬や縄とびの練習。そんな
保育園の生活を 4・5 才 25 人が描きました。
ステッチは、お母さんたちが、お迎えの時や、土曜日に少しずつ縫いあげました。親子共同作品の暖かいもの
が伝わってきます。
赤組 2 才児7名、黄組 3 才児 5 名の子どもたちの手型と足型をキルトにしてみました。元気にパッとひろげた手
や、足の形から、ひとりひとりのかわいらしい笑顔や仕草が目に浮かんでくるようです。
このキルトを作るにあたっては、保護者の方々も協力をしてくれ、手や足のまわりをステッチしてくれました。
ひと針ひと針に子どもたちへのおもいが込められていることでしょう。
一宮保育園(高知県高知市)
高知市内のここ一宮保育園にも自然がいっぱい!うしろは山、前は田んぼ。
この夏、子どもたちは「花がきれい」と感動し、「虫も生きている」と感動し、一宮の風を体中でうけました。
生きているって幸せです
高知市内のここ一宮保育園にも自然がいっぱい!うしろは山、前は田んぼ。
この夏、子どもたちは「花がきれい」と感動し、「虫も生きている」と感動し、一宮の風を体中でうけました。
生きているって幸せです
2005 年度
中央保育園(高知県大方町)
テーマの“自然”について子どもたちにわかり易いよう説明したところ、どろんこ遊びをしたことや、お散歩
で野苺を食べたこと、田んぼで見たカエル、プランクトンを見つけた潮だまり、園でとったセミ、飼っている亀
やカブトムシなどなど、楽しい絵が次々に出来ました。お家の人のステッチで(お母さんだけでなく、お父さん
も協力してくれました)より素敵なキルトに仕上がったと思います。布は草木染めで自然の色に染めました。
上田の口保育園(高知県大方町)
「命の事について子ども達と考えたいな」と今年度は、自分の命もまわりの命も大事にする子どもに育ってほ
しいとの願いを込めて、私達はささやかな取り組みを進めています。
初めて自分の心臓の音を聞いた日「速
い!」
「すごい大きな音!」
「汽車の音みたい」と目を丸くして驚いていた子ども達です。ひとりひとりの鼓動が
違うことも初めての発見でした。みんなの命が未来へ向けて輝くようにとの思いでキルトを作ってみました。
13 人のとびっきりの笑顔がつまっています。
大きな筆に染め液をふくませて好きなように描いたら、滲んで色塗りしたようになりました。その上に大好き
な友達や家族をワクワクしながら描いた赤組の子ども達です。
黄組の子ども達は、初めて使う布描きクレヨンに興味津々で「これはおとうさん、これはおかあさん・・・」
と思い思いに描きました。 子ども達が描いた絵をおかあさん達が縫って仕上げてくれると、子ども達は完成し
たキルトを見て、それはもう嬉しそうな表情を見せてくれました。 このキルトのように、暖かい家族や友達の
馬荷小学校(高知県大方町)
今年の運動会は、馬荷小学校の最後の運動会です。
全校 8 人で龍神太鼓の演奏を披露しました。8 人で力いっぱいたたきました。太鼓の音が馬荷中に響きわたり
ました。その光景をキルトにしました。一人ひとりが軍手で自分の人形を作りました。先生達にも手伝ってもら
い仕上げました。
今年で私たちの馬荷小学校がなくなるのはさみしいけど、このキルトに思い出をいっぱい詰め込みました。楽
環の会(高知県大方町)
去年に引き続き出展しました。
今年は、メンバーひとりひとりが『海』に対する自分なりのイマジネーションをわいわいがやがや出し合って
一枚の作品になりました。「サイズがもう少し大きかったら、もっといっぱい詰め込めるに!」と、笑顔がいっ
ぱい!!
浮津地区のボランティアの皆様、ご支援、ご協力ほんとにありがとうございました。
中村幼稚園(高知県四万十市)
幼児期にしか描けない子ども達の絵を保護者も一緒にかかわってもらって作品に仕上げようと呼びかけたが、
「キルト」という言葉のイメージから難しさや不安感を持ったのか思ったより参加が少なかった。しかし、一緒
に作業する中で子どもの絵から様々なものを感じとってくれたり、作品を仕上げる喜びや親同士のコミュニケー
ションの場にもなった。手間仕事は、かけた分だけ心の豊かさや暖かさを伝えてくれる。それは、まさに子育て
と同じだと思う。その大切さを少しずつでも、広めて行きたい。
大方くじら保育園(高知県大方町)
この絵は、虫が大好きな子どもたちが、森や川のほとりを探検しているところです。
「虫を描こうよ!」
「木
もいっぱい、はえちょうが。」
「森?」
「そう、森!」
「森の所に川も流れようが。」
「川には橋もあるで。」
「お魚も
泳ぎよう!」・・・と、どんどんイメージが膨らんでいき、クレパスを持つと嬉しそうに描きはじめた子どもたち
でした。お母さん、お父さんたちの力も借りて(刺しゅう)、楽しいキルトが出来上がりました。
開園して 2 年目の大方くじら保育園です。4 歳児は自分を描き、3 歳児は手形(波)足形(くじらの潮)で
参加しました。子どもたちが大好きな海で、くじらと遊んでいるところです。保護者のみなさんや職員で力を合
わせて一針一針、心をこめて縫いました。子ども同士、保護者同士、また子どもたちのまわりの地域のみなさん
と仲良くなりたいなあ・・・と願いをこめて一枚の作品に仕上げました。
早咲保育園(高知県大方町)
赤ちゃんの頃に使っていた肌着や服、家にある布を使い、幼児組は子どもの描いた絵をステッチし、乳児組
は手型、足型を花にみたてて作りました。裏布には、4 月に共同製作した鯉のぼりの布を使っています。お母さ
んたちが愛情をこめ工夫をこらして、個性あふれる作品“ONLY ONE”ができました。大好きなお母さんに作って
もらったキルト、子どもたちも大喜びで家に飾ることも楽しみにしています。
南部保育園(高知県大方町)
南部保育園のうさぎ・きりん組の子ども達とその保護者で作品を作りました。
日々の生活の中で、友だちにやさしくしたり、お家でお手伝いをしたり、又、目的を持って最後まで頑張った
時などに、子ども達はきらりと輝きます。
何よりも子ども達の笑顔は生き生きとしています。そんな 18 人の笑顔をキルトで表現しました。
子ども達が生まれ育っている地域には、山があり、クジラのいる大きな海があり、そして、ハウス栽培でてっ
ぽうゆりも育てています。地域のぬくもりの中で、友だちのいる大好きな保育園で仲よく育っています。
2006 年度
中央保育園(高知県黒潮町)
子どもたちは、虫が大好きで「先生、網貸して!」と言うと、サッと網を片手に持ちトンボやセミをつかまえよ
うと庭を走りまわっていました。自然の中であそぶ子どもたちは、いつも元気いっぱいです。そこで「自分の好
きなものを作ってみよう!」と話しをすると、男の子たちは、
「ボクはカブトムシ」
「トンボにする」と大好きな
虫を絵にし、女の子たちは「お花のがにする」と散歩で楽しかったことを絵にしたり、自分の顔を描いたりしま
した。家庭で使わなくなったハギレも利用し、お父さん、お母さんたちも刺しゅうをしてくれて楽しい作品に仕
上がりました。
上田の口保育園(高知県黒潮町)
上田の口保育所の赤ぐみ 黄ぐみ 16 人の子ども達は友達や保育所のことが大好きです。保育所の庭では、毎日
元気な声がひびいています。たのしい笑い声、たのしく話をする声、たのしく遊ぶ声、時には友達とケンカをす
る声も聞こえてくるけれど、色々な事を経験しながら大きくなる子ども達です。今からも友達大好き!!保育所大
好き!!でいてくれますように・・・友達と一緒に伸び伸びと元気いっぱい大きくなりますように・・・との願いをこ
めて作品を作りました。
子ども達が保育所の窓から顔を出して手を振っている姿を表現して作りました。自分が描いた絵に、大好きなお
母さんが 1 つ 1 つ丁寧にステッチしてくれ、あったかい作品となりました。お友達の作品をつなげ 1 つの大きな
キルトになると「かわいー!」と大歓声をあげていました。おしゃべり大好きな元気一杯の子ども達。12 人の
友達がそろうと楽しい声が保育所に響きます。けんかをしたりくじをくったり涙が出たりする時もあるけれど、
友達がいるからやっぱり保育所が大好きです。このキルトの笑顔のように、笑顔いっぱい 笑い声いっぱいの上
田の口保育所でありたいです。
中村幼稚園(高知県四万十市)
身近な自然がテーマなので、いつも散歩に行ってる「四万十川」を描くことにした。子ども達の発想はおもし
ろく、色々な生き物をとても楽しそうに描いていた。一つの物に、みんなで取り組め、とても満足した様子だっ
た。その後、お母さん方の協力で、子ども達の絵に手が加わり、より一層生き生きとした作品となった。日に日
に協力してくださるお母さん方も増え、作品に対する気持ちの高まりと共に、親子のつながりを確信できた。
子ども達が大好きな絵本「にじいろのさかな」シリーズからテーマが海になり、「海の中」という作品ができ
ました。
「このカニは石に隠れちょうが」
「魚、飛びようがで」と、一匹一匹に子ども達一人一人の物語がつまっ
ています。その思いをお母さん達が受け取り、さらに、その世界が広がるように、波や渦を加えながら一針一針、
丁寧に思いを込めて縫ってくれました。素敵な共同作品に、子ども達が喜んでいます。
大方くじら保育園(高知県黒潮町)
保育所では、子どもたちが毎日、水をあげてきゅうりを育てました。「昨日より大きくなっちょう」と、きゅ
うりの成長を喜んでいました。収穫できだした頃、カラスがきゅうりを狙って来ました。そこで、送迎に来るお
じいちゃんたちの知恵を借り、“おどし”をしたり網を張って守りました。採れたてのきゅうりのトゲは痛いこ
とや、新鮮な味やにおいを知った子どもたち。収穫できたきゅうりは、なんと 74 本。保護者の方と一緒に作っ
た一枚のキルトです。
早咲保育園(高知県黒潮町)
古いシーツの上に子どもたちが描いた絵を、お母さんたちが縫って仕上げてくれました。裏布と絵のわくは 4
月に、青・黄組が古いシーツを染めて共同製作した鯉のぼりの布を使いました。やさしい松原の風にゆれ、きっ
と子どもたちを見ながらおよいだ、早咲の庭を思い出し、笑顔いっぱいの子どもたちをやさしくつつんでくれる
でしょう。
浜松保育園(高知県黒潮町)
春は、どろんこあそびやおたまじゃくしをつかまえに散歩に行ったよ。夏のプールも思い切り泳いで飛び込み
やクロールもできて楽しかったね。秋にはみんなで遊んで心も身体も大きくなぁ∼れ、の願いを込めてお母さん
達の波縫いで仕上げました。
グルグル グルグル 歩いて行こう!素敵なものがみつかるといいな。楽しいこともたくさんあるといいな。
小さかったボクたちだけど、こんなに大きくなったんだよ。もっと
なるからね。
もっと 歩いてボクたちはいっぱい大きく
南郷小学校(高知県黒潮町)
1 年前、子ども達の夢を鶴に託してタイムカプセルを埋め、このキルトを作成しました。今現在、子ども達は
中学校 1 年生。それぞれが自分の夢を持ち続け、世間の荒波にも負けず成長してくれることを願い出品しました。
いつまでも笑顔を忘れず元気で頑張ってね。10 年後に会いましょう。
佐賀小学校(高知県黒潮町)
夏休み、家族に手伝ってもらって、または自力でそれぞれの夏を一枚の布に表現してきました。
2006 年の夏は、たくさんの思い出と共に過ぎてしまったけれど、ぼくたちの夢はこれから開いていく。夜明
けです。
大方高校(高知県黒潮町)
最初にキルトのデザインを考る時に『砂浜美術館』の授業でくじらについて学んだことを思い出し、クジラの
キルトを作ろうかな?と思いました。虹の部分は、夜間部の一、二年生に協力してもらって手がたを取りました。
一番苦労したのは、手がたのまわりを細かくぬう所です。始めは、ぬうのが遅かったけどなれてきたら早くぬえ
るようになりました。皆で協力して楽しくできてよかったです。
上川口小学校(高知県黒潮町)
本学級は 3 年生男子 2 名、女子 2 名、4 年生男子 5 名、女子 5 名、計 14 名の複式学級です。今年の学級のス
タートにあたって、
「心を一つに、みんなで協力して、全力でがんばりきろう」という目標の下に出発しました。
異学年が同じ教室の中で学習するという事は、大変な時もあるけれど、楽しいことやうれしいことが 2 倍にもな
るんです。3 年生も 4 年生も仲良く助け合って、4 年生は 3 年生の先輩としての力を発揮し、3 年生は 4 年生を
見習いながら頑張ろうとしています。また、たまには逆転するときもあるけれど、お互いに良い所を出し合って
います。
この潮風のキルト展に参加することでさらに、スクラム組んで頑張ってきました。
また、この作品作りには、お母さんを中心に家族のみなさんや地域の皆さんのお世話になりながらの活動でし
た。本当にありがとうございました。
浜松解放子ども会(高知県黒潮町)
解放運動のシンボルである荊冠旗をもとにして、激しい想いや悲しみを表した赤色の炎で周りを囲みま
した。
また、白い星は、夜空に輝く星が何億年もかけて光を届けるように、私たちも平和への願いを持ち続け
たいという想いをこめています。
世界中にある差別や争いごとがなくなって、みんなが心から笑える世界がくるように願っています。。
今後の展望について
「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です」。
この美術館の作品は、砂浜であり、松原であり、そこで遊ぶ子どもたちです。作品は 24 時間 365 日展示されています。そして作品は、日々
見つけていくものでもあります。
「子供たちに教えるキルト指導要綱」によって取り組まれたキルトづくりは、町の人たちが、地域の身近な
自然に目を向けて表現し、見つめなおす大きなきっかけになったと思います。何か特別なものでなくていい。今日、学校の周りを歩いて見つ
けた花や虫、川に水の冷たさ、それがキルトにこめられるメッセージの題材になるのです。
そして、形の違った何頭ものクジラが並ぶデザインの面白さ、逆に同じ形のクジラが並ぶデザインの面白さ。自分が思いついたままに表現
し、それが地域の美術館に大人たちの作品と一緒に展示されるうれしさ。地域の人たちの参加が少なかった砂浜美術館のイベントにおいて、
この取り組みによる地域参加は我々にとっても大きなきっかけでした。
3 年間の取り組みの中で、少しずつではありますが、キルト作りを通じた地域内のコミュニケーションが生まれています。「保護者の方と
一緒に縫う作業をする中で、普段は話すことのなかった子どもたちのこと、保護者の方たちが今考えていることを話す場がもてた」と学校の
先生はいいます。
「自分たちでは出来ない分は、地域のおばあちゃんうに手伝ってもらってすごく助かった」と話していた先生もおりました。
子どもたち、先生、保護者、学校をとりまく地域の人々、地域の自然が、キルトをつくることを通して、学校に集まり、それぞれができるこ
とを共有していく。この過程で生まれたつながりは、それぞれにとって大事なつながりになることを願っています。
キルトは一つの作品の中に、いろいろな思いやメッセージ、人の力が込められています。一枚ずつ布と布をつなぎ合わせる糸のように、い
ろいろなものがつなぎ合わされ、町内外に、取り組みの輪を広げていきたいと思います。
この取り組みを通じて、それぞれの地域の子どもたちが、
「自分たちの生まれた町ってこんなにすごいんだよ」と胸を張っていえるように、
そして潮風のキルト展の時期になったら、「今年はどんな作品を作っているんですか?」なんていう会話が、町のあちらこちらで聞く事がで
きるように。
[企画]
日米草の根文化交流協会・ケイコバヤシコ
ンセプト
[協力]
凸版印刷株式会社
株式会社資生堂
横浜増田窯
ぺんてる株式会社
株式会社アットアームズ
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