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さけの成長の仕方をさぐる ~つたえよう!
第2学年 1.単元名 (学習材) 国語科学習指導案 さけの成長の仕方をさぐる ~つたえよう!さけが大きくなるまで~ 「さけが大きくなるまで」 (教育出版 2年下) 2.単元について (1)子どもの実態 子どもたちは,1年生の時に,「なにがかくれているのでしょう」や「はたらくじどう車」 を,「問い→答え」の問答法の形を基に説明文を読んだり,説明文の構成を活かして文章を 書いたりしてきた。また,調べたことを分かりやすく説明し,発表も行った。そこでは,自 分の説明文と相手の説明文を比較・分析することで,共通点や相違点などについても明らか にすることができた。 1 学期の「すみれとあり」の学習において,視点を変えてリライトすることや,すみれと ありについてのパンフレットを書くことを通して,順序よく内容を読み取ることができるよ うに,支援してきた。パンフレットを作る学習では,大切だと思う必要な情報を書いて伝え ることで,内容に対する理解が深まり,自分の考えを書く(表現する)力を付けることがで きるようになってきた。 そこで本単元では,大事な言葉や文章を抜き出して説明することや,理解したことを基に 自分の考えを書く力をさらに高めていくために,以下のような単元を設定する。 (2)単元の特色 学習材「さけが大きくなるまで」は,さけが数多くの困難に出会いながら成魚となり,も との川へと産卵のために帰る一連の成長過程を記述したもので,時間的順序,事柄の順序に 気を付けながら,読んだり書いたりする力を付けることをねらいとしている。このため,時 や場所,大きさや様子を表す言葉に着目しながら,さけの成長過程を順序よく読み取ってい くことが大切であると言える。 文章構成としては,十の形式段落,七つの大段落からなる課題解答型の文章である。冒頭 の問いかけの文「どこで生まれ,どのようにして大きくなったのでしょう。」に常に立ち返 りながら,全体を通して順序に気を付けながら読んでいきたい。この課題提示を受けて,二 段落以降が解答部になっているが,「どこで生まれたか」の解答として,親ざけの産卵から 赤ちゃんが誕生するまでの行動や様子について述べられている。「どのようにして大きくな ったのか」の解答としては,小魚が成魚になり,自分が生まれた川へ帰ってくるまでの行動 を通してさけを取り巻く環境や成長の様子などが述べられている。 日頃,よく目にしている「さけ」は,子どもたちにとってなじみのある魚の一つである。 しかし,それは食材として切り身となっている姿であり,生きている姿の想像や成長に関す る知識については乏しいと考えられる。そこで,さけの様子や成長過程について本文の文章 だけでなく,写真等の具体物を用意し,興味関心を高めさせることで,驚きをもち,その生 態について詳しく知りたいという気持ちになるのではないかと思われる。 本単元では,問題文に対し,教科書から読み取った大事な言葉(いつ・どこで・大きさ) を選び出し,それを使って段落ごとのさけの様子について説明する。問題文に対応して説明 できているかどうかについても考えさせることで,内容をより深く理解できると考える。さ らに,驚いたことや疑問,予想をノートに書き,発表する。疑問や予想をノートに書くこと 2年- 1 で,内容に対して想像を広げながら読んだり,内容に対する自分の思いをもったりすること ができると考える。また,「なぜ」「どうして」という思いから「知りたい」という気持ち が生まれ,読書に対する興味関心が高まると考えられる。文献資料を基に調べる活動を通し て,子どもたちの探求心を満たしていきたい。そのために,常時資料を用意しておく。そし て,読み取りの学習を活かした発展学習として,全体の順序を意識しながら,グループで一 つの紙芝居を作っていく。教科書の文章だけでなく,自分たちで調べたことも入れてまとめ ていくことで,新たな発見や気付きが得られる活動にしていきたい。発表原稿は一人一人が, 自分が全体の中のどこを書くのかを意識しながら書かせたい。そのために,教師が場面を六 つに区切り,それがどういう根拠で分けられているのかを考えさせる。また,書いた原稿を グループで見合い,検討する時間も設ける。単元の最後に,学級内での交流や他のクラスと の交流をすることで,自分たちが取り組んできたことに対する自信や満足感,達成感が得ら れるようにする。学習した内容を再構成する活動を通して,内容をより深く理解することが できると考える。 3.研究仮説に対する具体的な手立て 〈仮説1〉 言語活動の場において,話型を習得したり,豊かに活用したりするような場を設定すれば,論 理的な思考力と表現力を育むことができるだろう。 ○大事な言葉を書き抜き,さけの様子について説明する場を設定する。 学習材「さけが大きくなるまで」を読み,段落ごとに大事な言葉(時・場所・大きさや様 子)を書き抜く。時間や事柄の順序に関わって,文章の中で大事になる言葉を適切に書き抜 くことは,理解を深めたり,自分の考えをまとめたりする時に役立つ。 そして,書き抜いた大事な言葉や写真を用いながら,さけの様子についてどのようなこと が述べられているか説明する。聞き手に分かりやすく伝えるためには,主述の関係や,順序 に気を付けるなど,筋道立てて話す必要がある。順序を表す言葉や,理由を表す言葉,反対 の意味を表す言葉などを使った話型を習得したり,活用したりすることで,論理的な思考力 や表現力を育むことができると考える。 ○学習材の文章を,視点を変えて紙芝居の発表原稿に書き換える場を設定する。 学習材を順序を考えながら読んだ後に,読み取ったことや調べたことを活かして,内容を 再構成したり,自分の考えをまとめたりして,紙芝居に書き換え,整理する活動を行う。 読み取りの学習後,さけについて疑問に思ったことや予想したこと,調べたいことなどに ついて文献資料を基に調べる。学習材の文章に調べたことを付け加えたり,学習材の文章を 書き換えたりして,発表原稿を書いていく。 発表原稿を書く時には,①さけになったつもりで,②順序に沿って,③大事な言葉を入れ て,④調べたことや思ったことを入れて書くようにする。①視点を変えることで,分析的で 多面的なものの見方を育むことができると考える。②季節や時を表す言葉に着目しながら書 くことで,順序を考えながら読む力を高めることができると考える。③学習材の文章や調べ たことをそのまま書くのではなく,大事な言葉や文を書き抜くことは,学習材の内容の理解 を深めたり,自分の考えをまとめたりすることに有効であると考える。④学習材の内容と調 べたことを結び付けて感想をもつことができると考える。 この言語活動を通して,学習材の文章や調べた事柄をどのように書き換えるか考える力や, 筋道が通り,分かりやすく表現した文章を書く力といった,論理的な思考力や表現力を育む 2年- 2 ことができると考える。 〈仮説2〉 話型を豊かに活用した言語活動の中で,適切な評価を取り入れれば,論理的な思考力と表現力 を育むことができるだろう。 ○発表する紙芝居の発表原稿をグループの中で読み合い,助言を受けたことを基に,加筆・修 正を行う場を設定する。 グループの中で,一人一場面を担当し,場面ごとの発表原稿を作成している。その後,グ ループ全体で発表原稿を照らし合わせて読み,場面ごとの内容(順序に沿って書いているか, 大事な言葉が入っているか,思ったことが入っているか)や場面と場面のつながりなどにつ いて話し合う。友だちの発表原稿を読んで助言したり,自分の発表原稿を読んでもらい,そ の助言を基に,加筆・修正したりすることで,新たな発見や深まりが見られると考える。そ こに,比較,分析する姿があり,論理的な思考力と表現力を育むことができると考える。 ○発表する紙芝居を見合い,助言を受けたことを基に,加筆・修正を行う場を設定する。 グループごとに作成した紙芝居を,他のグループと見合い,アドバイスをし合う。発表を 見る時には,①順序に沿った説明になっているか,②大事な言葉が入っているか,③調べた ことや思ったことが入っているか,という観点を与える。観点を与えることで,話し合いを 焦点化することができ,加筆・修正が取り組みやすくなると考える。また,与えられた観点 以外にも,声の大きさや話し方,紙芝居の見せ方など,発表の仕方に関することで気が付い たことも,アドバイスさせる。そして,友だちからもらった助言を基に,グループで話し合 いをする。他の学級に向けて発表するという目的に向けて,助言を受けたところを確認し, 必要な箇所を修正・加筆・練習するようにさせる。子どもたちが,話し合いをしたり,加筆 ・修正したりするところに,比較・分析する姿があり,論理的な思考力と表現力を育むこと ができると考える。 〈仮説3〉 日常生活において,基本的な言葉の力を身に付ければ,言語活動の質が高まり,論理的な思考 力と表現力を育むことができるだろう。 ○短文作り 学習材には,「そして」や「やがて」といった順序や時の流れを表す接続詞や,「けれど も」といった反対の意味を表す接続詞が使われている。筋道立てて話したり書いたりするた めに,このような言葉を習得し,正しく活用していく必要がある。そのため,短文作りを通 して,基本的な言葉の力を付けていきたいと考える。また,これらの言葉を使ってものにつ いて表現すると,わかりやすく,相手に正確に伝わるということも理解させていきたい。前 後の文脈に気を付けながら,正確に活用できるようになれば,言語活動の質も高まり,論理 的な思考力と表現力を育むことができると考える。 短文作りを積み重ねることで,子どもたちが,言葉に興味をもち,話したり,書いたり, 生活の中で活用できるようにさせたい。 ○読書指導 複数の文献資料を基に情報を収集し,内容を再構成できるように,「さけ文庫」を設置す 2年- 3 る。単元の初めから常時置いておくことで,疑問をもったことや知りたいことをいつでも 調べられるようにする。さけの生態や成長の仕方について書かれている科学的な読み物な どを読むことを通して,語彙や知識を増やしていきたい。 文献資料を読む際には,知識を得るために,調べたい事柄を題名や目次などから選ばせ たり,図や写真にも着目させたりしながら読ませていく。そして,調べた事柄やページに 付箋を貼らせていく。そうすることで,調べた事柄を書き出したり,まとめたりする時に, 見返すことが容易になる。また,積み重ねが目に見えるため,子どもたちの意欲にもつな がると考える。読書指導は,読書指導員の協力を得ながら行っていく。本の探し方,選び 方,調べ方など,基本的な読書方法を身に付けさせ,活用できるようにしていきたい。 語彙や知識を増やすことで,言語活動の質も高まり,論理的な思考力と表現力を育むこと ができると考える。 4.単元の目標と評価規準 (1)単元の目標 ○時間的な順序や場所的な推移を考えながら,文章を読んだり書いたりする ことができる。 ○さけの生命の不思議さ興味をもちながら,本を読んだり,自分の考えをま とめたりすることができる。 (2)単元の観点別評価規準 (国語への関心・意欲・態度) (一)知りたいことや興味をもったことに関する情報を得 るために,さけの成長の仕方について説明した本を 選んで読もうとしている。 (二)さけの成長について書いた本を読んで,強く興味を もったところや疑問に思ったところ,もっと読んで (読む能力) 知りたいところなど,大事な言葉や文を書き抜いて いる。(エ) (三)時間的な順序や事柄の順序が分かるように,紙芝居 を演じている。(オ) (言語についての知識・理解・技能) (四)言葉には事物の内容を表す働きがあることに気付い て文や文章を読んでいる。(イ-ア) 5 単元の学習過程及び評価計画(14時間扱い 時間 1 常時 目 標 ○ 「さけが大きく なるまで」 を読 んで, さけの成 長に興味をもつ ことができる。 他図工2時間) 主たる学習活動 支援(○)と評価(◎)・評価規準(●) ・さけについて知っていること ○興味をもって考えることができ を発表する。 るようにするために,生活経験 ・全文を読み,初めて知ったこや から想起させる。 と興味をもったこと(おもしろ ●(一)知りたいことや興味をもっ いなあ,ふしぎだなあ)をノー たことに関する情報を得るため トに書いて発表し合う。 に,さけの成長の仕方について 説明した本を選んで読もうとし ている。 (発言・ノート) さけに関する本に ・さけの成長についての本を読 興味をもち, 進んで む。 読むことができる。 2年- 4 ○さけの本のコーナーを作り,気 軽に読んだり,疑問に思ったこ とを調べたりできるようにする。 2 ○大人のさけにつ ・第一段落(形式段落①)を音読 ○実物大の絵を用意し,児童のイ いて読み取り, 読みのめあてを する。 ・大人のさけについて,大事な言 メージがより明確になるように する。 もつことができ る。 葉(いつ□,どこで=,大きさ- ○大事な言葉は,種類別にサイド )を書き抜き,発表する。 ラインの引き方を変えて書き込 ・問いをおさえ,読みのめあてを ませるようにする。 確認する。 ○「思ったこと」と「疑問」とは ・第一段落について,思ったこと 分けて書かせ,疑問については や疑問をまとめる。 後で調べさせるようにする。 ●(二)大人のさけについて,強く 興味をもったところや疑問に思 ったところ,もっと読んで知り たいところなど,大事な言葉や 文を書き抜いている。 (発言・ノート) 3 ○大人のさけが川 ・第二段落(形式段落②③)を音 ○写真を活用したり,身体表現さ で卵を産むまで 読する。 せたりして,さけの様子を具体 の様子を, 読み ・大人のさけがどのように川を 的に想像しながら,細部を読み 取ることができ 上り,卵を産むのかについて 取れるようにする。 る。 大事な言葉(いつ□,どこで=,○「やがて」に着目させ,時間的 大きさ-)を書き抜き,発表す な順序を読み取らせる。 る。 ○3メートルの滝など,教師が具 ・さけの様子について説明する。 ・第二段落について,思ったこと や疑問をまとめる。 体的な長さを示し,さけの苦労 や頑張りが実感できるようにす る。 ●(二)大人のさけがどのように川 を上り,卵を産むのかについて, 強く興味をもったところや疑問 に思ったところ,もっと読んで 知りたいところなど,大事な言 葉や文を書き抜いている。 (発言・ノート) 4 ○卵からかえった さけの様子につ いて読み取るこ とができる。 ・第三段落(形式段落④)を音読 ○写真と文を照応させ,さけの様 する。 子が具体的に読み取れるように ・卵からかえり,小魚になるさけ する。 の様子について大事な言葉 ○「やがて」などの言葉に着目さ (いつ□,どこで=,大きさ-) せ,時間的な順序を読み取らせ を書き抜き,発表する。 る。 ・さけの様子について説明する。 ●(二)卵からかえり,小魚になる ・第三段落について,思ったこと さけの様子について,強く興味 や疑問をまとめる。 をもったところや疑問に思った ところ,もっと読んで知りたい ところなど,大事な言葉や文を 2年- 5 書き抜いている。(ノート・発言) 5 ○川を下り, 川口 ・第四段落(形式段落⑤)と第五 ○「いく日もいく日も」という言 で暮らすさけの 様子について, 段落(形式段落⑥)を音読する。 ・川を下り,川口で暮らすさけの 読み取ることが できる。 様子について大事な言葉(い つ□,どこで=,大きさ-)を 書き抜き,発表する。 ・さけの様子について説明する。 ・第四・五段落について,思った ことや疑問をまとめる。 葉や,水草の動きとは逆向きに 泳いでいるさけの様子などを, 絵や模型を使って具体的に読み 取れるようにする。 ○川口で1ヶ月間過ごすのはなぜ かなど疑問をもった子には,予 想を書かせ,次時の学習につな げる。 ●(二)川を下り,川口で暮らすさ けの様子について,強く興味を もったところや疑問に思ったと ころ,もっと読んで知りたいと ころなど,大事な言葉や文を書 き抜いている。(ノート・発言) 6 ○海での生活をは じめ,成長して いくさけの様子 について, 読み 取ることができ る。 ・第六段落(形式段落⑦⑧)と第 ○前時に学習した川口での暮らし 七段落(形式段落⑨⑩)を音読す を想起させ,なぜそうしていた る。 のか,本時のさけの様子と関連 ・海での生活をはじめ,成長して 付けて読ませ,自然界の厳しさ いくさけの様子について大事な を感じ取れるようにする。 言葉(いつ□,どこで=,大きさ ○「大きくなって川へ帰る」とい -)を書き抜き,発表する。 う文から,②段落へつながって ・さけの様子について説明する。 いくことに気づかせ,さけの回 ・第七・八段落について,思った 帰性についても理解させる。 ことや疑問をまとめる。 ●(二)海での生活をはじめ,成長 していくさけの様子について, 強く興味をもったところや疑問 に思ったところ,もっと読んで 知りたいところなど,大事な言 葉や文を書き抜いている。 (ノート・発言) 7 ○さけの成長につ いて振り返り, 感じたことを書 ・さけの成長をふり返りながら 全文を音読する。 ・感想を書き,交流し合う。 くことができる 8 ○さけに興味をも ちながら進んで 本を読み, 疑問 について調べる ことができる。 ○これまでの学習をまとめたもの を掲示しておき,さけの成長を 振り返るときの手立になるよう にする。 ◎さけに対して,自分の感想をま とめている。 (観察・ノート) ・さけについての本を読み,自分 ○本の中から調べたいことの答え のもった疑問について調べる。 が見つけられない子は,教師が ・調べたことや新たに発見した 一緒に探す。 ことをノートに書き加える。 ○疑問についてだけでなく,新し く知ったことは,メモするよう にさせる。 2年- 6 ●(一)知りたいことや興味をもっ たことに関する情報を得るため に,さけの成長の仕方について 説明した本を選んで読もうとし ・「さけが大きくなるまで」を紙 芝居に表し,発表することを ている。 (観察・ノート) 知る。 9 ○紙芝居の場面が どんな根拠で分 けられているか を考えることが できる。 ・紙芝居を作るときに,六つの場 ○場面分けの根拠を考えさせるこ 面に分けることを知り,その分 とで,原稿を書くときに,自分 け方の根拠を考える。 が全体の中のどの部分を書くの ・グループで話し合い,場面を分 かを意識できるようにする。 担する。(第1回編集会議) ● (三)時間的な順序や事柄の順序 を根拠に,紙芝居の場面の分け 方を考えている。 10 11 (発表) ○時間的な順序や 事柄の順序が分 ・教師の見本を見て作品の作り方 ○グループごとに一人1場面を分 を知り,活動の見通しをもつ。 担し,責任をもって作れるよう かるように,紙 芝居の原稿を書 くことができる ・さけが大きくなるまでを,調べ にする。 たことや思ったことを付け加え ○教師が作った見本を見せ,紙芝 ながら,さけが主人公のお話に 居のイメージをつかませる。 再構成し,発表原稿を書く。 ○ノートを見直し,参考にさせる ようにする。 ●(三)時間的な順序や事柄の順序 が分かるように,紙芝居の原稿 ・原稿を持ち寄り,グループで話 し合いながら修正する。(第2回 編集会議) 図工 ・絵を描く。 (2) ・絵の裏に原稿を貼る。 を書いている。 (発表原稿) ○学習材から読み取ったことや本 で調べたことを基に,大きさや 季節に気を付けて描かせる。 12 ○紙芝居の発表の 準備をすること ができる。 ・出来上がった絵や原稿を使っ て,グループごとに発表の練 習をする。 13 ○紙芝居を学級の 友達に発表し, 次の発表に活か そうとすること ができる。 ・他の学級に見せる前に,学級内 ○よいところを認めた上で,直し で発表し合う。 た方がいいところをを指摘させ るようにする。 ・アドバイスされたところにつ ○発表後,グループで話し合い, いて話し合ったり練習したり 修正した方がいいところを共通 して,次の発表の準備をする。 理解させる。 (第3回編集会議) ●(三)時間的な順序や事柄を修正 している。(発表原稿) 14 ○他の学級の発表 を見て, 感想を ・紙芝居を発表し合う。 ○自分たちの発表と比べて同じと ・観点に沿って感想を交流する。 ころや違うところを考えさせる。 2年- 7 ○聞いている人がよく分かるよう にはっきりとした声で読めるよ うに練習させる。 ◎相手を意識しながら,紙芝居の 発表の準備をしている。(観察) 交流することが ①順序に沿ってかいているか。 ○時間的な順序や事柄の順序に沿 できる。 ②大事な言葉が入っているか。 ってかけているかを大事な観点 ③付け加えられている情報が にさせる。 あるか。 ●(三)時間的な順序や事柄の順序 が分かるように,紙芝居を演じ ている。 (観察・感想カード) 6.本時の指導(5/14) (1)本時の学習 本時では,水に流されながらいく日もいく日もかかって,川を下るさけの様子や川を下り始め てから川口で暮らすさけの様子について,その順序に気を付けて正しく読み取る力を育てること をねらいとする。 前時までの学習では,大人のさけが卵を産む様子やさけの赤ちゃんの様子に着目して内容を進 めてきたが,本時の学習では,卵からかえった赤ちゃんが海に向かって川を下り始めるところに 焦点をあてる。前時と同様に,大事な言葉や場所を表す言葉にも着目し,読み進めていきたい。 まず本時のめあてを確認したあと,第四・五段落を全員に音読させる。そして,大事な言葉 (いつ・どこで・大きさ)にサイドラインを引かせる。サイドラインについては,見分けがす ぐにつくように,いつ(□),どこで(=),大きさ(-)と引き方を変えて引くようにさせ る。次に,写真・絵等の具体物を見て,大事な言葉を用いながらどのようなことが述べられて いるか説明させる。この時に,まず,ノートにさけが川を下る様子の絵を描き,説明できるよ うにさせ,そして,二人組で説明させる。このことで,一人一人が説明する機会をもつことが できたり,全体の場で発表する自信にもつなげたりすることができる。説明する時は,聞き手 に分かりやすく伝えることができるように,順序や理由を表す言葉にも着目させ,筋道立てて 話すようにさせる。子どもたちは次に,第四・五段落のさけの様子ついて,思ったこと,考え たこと,疑問をノートに書かせる。その際,一人一人の理解度を確認していく中で,ノートに なかなか書けない子については,再度本文を読み直し大事な言葉について一緒に確認するなど して支援していきたいと考える。活動を通して,子どもたちが第四・五段落の話の順序を理解 し,内容を正確に読み取る力をつけさせていきたい。 (2)本時の目標 ○川を下り,川口で暮らすさけの様子について,一つ一つの言葉を丁寧に読み取ることができ る。 (3)本時の観点別評価項目 ●川を下り,川口で暮らすさけの様子について,強く興味をもったところや疑問に思ったとこ ろ,もっと読んで知りたいところなど,大事な言葉や文を書き抜いている。 (4)展開 学習活動 時配 支援(○)留意点(・)と評価規準(●) 学 習 形 態 2 1. 本時のめあてを知る。 3 2.第四・五段落を全員で音読する。 全体 全体 ・さけの赤ちゃんが海に向かって川を下り始め ることに気付かせる。 ・時や場所を表す言葉について着目して読むよ うにさせる。 2年- 8 さけはどのように川を下り,どこでくらすのだろう。 10 3.大事な言葉(いつ・どこで・大 きさ)についてサイドラインを 引き,ノートに書く。 ・春になるころ,五センチメート ルぐらいになったさけの子ども たちは,海に向かって川を下りは じめます。 ・川を下ってきたさけの子どもたち は,一か月ぐらいの間,川の水と 海の水がまじった川口のところ でくらしています。 ・八センチメートルぐらい 個人 15 4.大事な言葉や写真から,第四・ 個人 五段落のさけの様子について 二人組 絵でまとめる。そして,隣同士 全体 で順序よく説明し合い,発表す る。 ○川を下り始めてから川口で暮らすまでの子 どもたちの様子について順序に気を付けて 読み取るようにさせる。 ○写真を使い,大きさを理解させる。 ・大事な言葉のサイドラインの引き方を変えて 引くようにさせる。(いつ□,どこで=,大 きさ-) ○大事な言葉は,板書しておき,説明する手が かりとさせる。 ●川を下り,川口で暮らすさけの様子につい て,強く興味をもったところや疑問に思っ たところ,もっと読んで知りたいところな ど,大事な言葉や文を書き抜いている。 (ノート・発 言) ○「いく日もいく日も」という言葉や,水草の 動きとは逆向きに泳いでいるさけの写真な どから,さけの苦労に気付かせる。 10 5. 第四・五段落のさけの様子につ いて,思ったこと,考えたこと, 疑問をノートに書く。 個人 5 6. 本時のまとめと次時の学習の 内容を知る。 全体 ・大事な言葉や写真を見て,相手に分かりやす く説明するようにさせる。 ○順序を表す言葉を使って説明できた子を褒 め,他の子に知らせる。 ○書いた絵を見せながら説明し合い,相手と違 うところがあればなぜそのように説明した のか,聞かせる。 ○ノートになかなか書けない子については,再 度本文を読み直し大事な言葉について一緒 に確認していく。 ○川口で一ヶ月間過ごすのはなぜかなど,疑問 をもった子には,自分なりの予想を書かせ, 次時の学習につなげる。 ・さけの広い海での生活が始まることや,最後 の段落まで読み進めていくことを告げる。 2年- 9 (5)板書計画 絵 う を ノ ー ト に か い て み ま し ょ う 。 ◎ お ど ろ い た こ と や 、 ぎ も ん 、 よ そ い 写 真 八 セ ン チ メ ー ト ル ぐ ら い 写 真 る 川 口 の と こ ろ で く ら す 。 一 か 月 ぐ ら い の 間 、 ○ 海 に む か っ て 川 を 下 五 セ ン チ メ ー ト ル ぐ ら 春 に な る こ ろ く ら す の だ ろ う 。 さ け は ど の よ う に 川 を 下 り 、 ど こ で さ け が 大 き く な る ま で 6.本時の指導(10/14) (1)本時の学習 学習材の内容の理解をより深めるため,読み取りの後の学習として,紙芝居作りを行う。前 時までに,紙芝居の場面の分け方の根拠について考え,どのような構成で書くか学んでいる。 そして,グループで,誰がどの場面を担当するか,主人公の名前は何にするかなど,紙芝居作 りの全体に関わることを話し合っている。 本時は,学習材の文章を視点を変えて書き換えたり,学習材で読み取ったことに調べたこと を付け加えたりして,紙芝居の発表原稿を書く学習である。学習材の文章を整理させることで, 理解をより深めることや,自分の思いをまとめられるようにすることがねらいである。 本時では,まず,発表原稿作りの意欲や見通しをもてるようにするために,教師の見本を提 示する。学習材の文章との共通点や相違点を見つけさせ,発表原稿の特徴について考えさせる。 さけの視点でさけが大きくなるまでについて書かれていること,大事な言葉を使って順序に沿 って書かれていること,調べたことが付け加えられていて詳しく書かれていることに気付かせ ることで,本文と発表原稿の違いを明確にさせ,見通しをもたせる。 発表原稿を書く際には,まず,付け足す内容を選ばせる。文献資料を基に調べたことの中か ら,教科書だけでは分からないことや驚きをもって聞いてもらえることを選ばせる。次に,学 習材の文章やノートの記述を活かしながら,発表原稿を書かせていく。教師の見本から,①さ けになったつもりで,②順序に沿って,③大事な言葉を入れて,④調べたことや思ったことを 入れて,というポイントを示し,書かせるようにする。①視点を変えて書き換えることで,分 析的で多面的なものの見方を育むことができ,②季節や時を表す言葉に着目することで,順序 を考えながら読む力を高めることができ,③学習材の文章や調べたことをそのまま書くのでは なく,大事な言葉や文を書き抜くことは,学習材の内容の理解を深めたり,自分の考えをまと めたりすることに有効であると考える。④学習材の内容と調べたことを結び付けて感想をもつ ことができると考える。 (2)本時の目標 ○時間的な順序や事柄の順序が分かるように,紙芝居の原稿を書くことができる。 2年- 10 (3)本時の観点別評価項目評価 ●時間的な順序や事柄の順序が分かるように,紙芝居の原稿を書いている。 (4)展開 時配 学 習 活 動 5 1.本時のめあてを知る。 学習形態 支援(○)留意点(・)と評価規準(●) 「さけが大きくなるまで紙しばい」 のお話を書こう。 13 2.発表原稿の見本を見て,学習材との 違いや,書かれている内容について 話し合う。 (共通点) ・大事な言葉が書いてある。 ・教科書の言葉を使っている。 ・大きくなるまでの順序は同じ。 (相違点) ・調べたことが書いてある。 ・言葉を言い換えている。 ・詳しく説明してあるから分かり やすい。 ・「ぼく」で始まっている。 ・さけの気持ちが書いてある。 全体 ・紙芝居の原稿を書くことを伝える。 ・他のクラスに発表することを伝え,意欲 をもたせる。 全体 ○教師の作った見本を見せ,発表原稿が どのようなものかイメージをもたせる。 ○教科書の文章と見本を比較し,共通点 や相違点を見つけるようにさせ,説明 文をどのように書き換えて発表原稿を 書くのか,活動の見通しをもたせる。 ・他の場面も,同じように書き換えていく ことを伝える。 5 3.調べたことの中から,発表原稿に書 きたい事柄を選ぶ。 ・川をのぼっている時は,何も食べ ない。 ・一度に約3000個の卵を産む。 個人 ○前時までの学習でまとめたノートの記 述から,発表原稿に書き加える内容を 選ばせ,印を付けさせる。 20 4.発表原稿を書く。 ・さけになったつもりで ・順序に沿って ・大事な言葉を入れて ・調べたこと,思ったことを入れて 個人 ・自分の担当になっている段落の発表原 グループ 稿を書くようにさせる。 ○教科書の文章やノートの記述内容を参 考に,書くようにさせる。 ○書き出すことができない子は,大事な 言葉を使って,さけの様子を説明させ, その内容を書かせるようにする。 ○グループのみんなが書けるようにする ために,グループの中で教え合いをし ながら活動してもよいことを告げる。 ・活動の参考になるように,発表原稿を 数 名発表させる。 ①第一段落 ②第二段落 ③第三段落 ④第四,五段落 ⑤第六段落 ⑥第七段落 ●時間的な順序や事柄の順序が分かる 2年- 11 ように,紙芝居の原稿を書いている。 (発表原稿の文章) 2 5.次時の活動を知る。 全体 ・発表原稿の続きを書くことを告げる。 (5)板書計画 思 っ た こ と ④ し ら べ た こ と ③ 大 じ な こ と ば ② じ ゅ ん じ ょ に 合 わ せ て ① さ け に な っ た つ も り で 〃 や く そ く 〄 ・ さ け の 気 も ち ・ さ け → 「 ぼ く は 」 ・ し ら べ た こ と 、 せ つ 明 【 ち が う と こ ろ 】 ・ さ け が 大 き く な る じ ゅ ん じ ょ ・ 教 科 書 の こ と ば ・ 大 じ な こ と ば 【 お な じ と こ ろ 】 学 習 材 の 文 章 教 師 の 見 本 6.本時の指導(13/14) (1)本時の学習 子どもたちは前時までに,「さけが大きくなるまで」を紙芝居に再構成している。本時は, それをまず学級の友達に向けて発表する。そこでアドバイスをもらい,他の学級での発表に向 け,原稿を修正したり練習をしたりしていく時間(第3回 編集会議)として設定した。 発表を見る観点は,①順序に沿った説明になっているか ②大事な言葉が入っているか ③調べたことや思ったことが入っているか とする。これは原稿を作るときから伝えておき, 発表までを通しての大事な観点としたい。子どもたちには,他のグループの良いところを認め た上で,直した方がいいところを指摘させるようにする。そうすることで子どもたちは,褒め られたことについては自信をもち,アドバイスされたことについては直していこう,という前 向きな気持ちで次の発表に取り組めると考える。発表や話し合いがスムーズに行えるよう,教 師が各グループを回り,うまく言えない子の手助けをしたり,話し合いの仕方について助言を したりしていきたい。 この発表を受けて,もう一度グループで話し合い,原稿を修正したり再度練習したりして, 他の学級の友達によりよい発表ができるようにしていきたい。 (2)本時の目標 ○紙芝居を学級の友達に発表し,次の発表に活かそうとすることができる。 (3)本時の観点別評価項目 ●時間的な順序や事柄の順序が分かるように,紙芝居を修正している。 2年- 12 (4)展開 時配 学 習 活 動 2 1.本時のめあてを知る。 学習形態 支援(○)留意点(・)と評価基準(●) 全体 ・次回は他の学級の友達に見せること,今日は 「さけが大きくなるまで アドバイスをもらって修正したり練習をした 」 りすることが目的であることを伝える。 のミニ発表会をしよう。 5 2.発表の仕方や見方を知る。 全体 ・観点については,原稿を書いたときと同じ三 つの観点であることを伝える。 ・教師の見本を見る。 ○発表会の進め方がイメージしやすくなるよう <発表の観点> 教師が見本を見せる。 ○順序が合っているか。 ・評価シートを用意し,3つの観点についてシ ○大事な言葉(いつ,どこで,大 ールを貼って評価することを伝える。 きさ)が入っているか。 ・場面ごと(一人分ずつ)に評価をする。 ○調べたことや思ったことが入っ ているか。 15 3.発表し合い,アドバイスをする。 複数グル ○良くできていたところにシールを貼るという ープ 形で肯定的に評価をさせ,次の発表に向けて ・順序が正しかった。 意欲がもてるようにする。 ・大事な言葉がちゃんと入ってい ○読書指導員にもグループを回ってもらい,ア た。 ドバイスをしてもらう。 ・思ったことがたくさん付け足し てあった。 3 4.アドバイスされたことを発表し 全体 ○アドバイスしてもらったことをほかのグルー プにも広めることで,どのような発表がよい 合う。 のかを共通理解させる。 15 5.次回の発表に向けて,準備をす グループ ○直した方がいいところだけでなく,良かった る。 点も確認するようにさせるようにし,自分た ・アドバイスしてもらったことに ちの発表に自信をもたせる。 ○言われたことをすべて直すのではなく,グル ついて確認する。 ・原稿の修正が必要なところを直 ープで話し合って,必要だと思う点を修正し す。 ていくよう助言する。 ○ほかのグループのいいところは,参考にして ・発表の練習をする。 もいいことを伝える。 ●時間的な順序や事柄の順序が分かるよう に,紙芝居を修正している。(観察・原稿 ) 5 6.本時の学習を振り返り,感想を 発表する。 全体 ○自信を付けたことや,アドバイスを取り入れ ・友だちにほめてもらえてうれし て練習し,良くなったことなど,前向きな気 かった。 持ちで取り組めた感想を取り上げて,全体に ・大事な言葉が抜けていたので, 広める。 そこを付け足して練習した。 ○読書指導員からの感想ももらい,次の発表に 2年- 13 向けて励みにさせる。 7.次時の学習内容を知る。 全体 ・次時は,他の学級の友達に発表を見せること を伝える。 (5)板書計画 2年- 14