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淡水魚①(分類と生態)
8月の講座 8月 6日(月)「淡水魚①(分類と生態)」 NPO プラザ 10:00~16:00 滋賀県立琵琶湖博物館 研究部生態系研究領域・総括学芸員 桑原 雅之 先生 8月20日(月)「淡水魚①(採取と同定)」 大津市黒津大戸川河川敷 10:00~16:00 滋賀県立琵琶湖博物館 研究部生態系研究領域・総括学芸員 桑原 雅之 先生他 8月27日(月)ランドスケープ(風景)と里山 NPO プラザ 10:00~16:00 大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科 緑地環境科学専攻教授 上甫木 昭春 先生 講座記録アルバム8月号-1 淡水魚①(分類と生態) 年月日:2012年 8月6日(月) 場所 :NPOプラザ 講師 :滋賀県琵琶湖博物館 桑原 雅之 先生 記録 :花組4班 レジメに沿って午前2時間、午後2時間の講義、(魚の歴史から分類まで) 講義の要旨 さかなの進化 � 魚類は人間と同じ脊索動物の祖先を持ち 5 億年前に出現した � 3億年~4億年前には現在の魚の原型が現れた 魚類の進化 無顎上綱 (ヤツメウナギ) 大戸川河川敷での 桑原 雅之 先生 顎口上綱 (鮎・・・・) さかなの形 � 背鰭、尻鰭、尾鰭、胸鰭、腹鰭の 5 種類の鰭をもつ � 体を保護し水の流れをスムーズにする鱗を持つ � 麟紋という筋は年齢を調べる年輪として使うこともできる 淡水魚と海水魚 琵琶湖とさかな � 古代湖 � 湖は川からの土砂が流れ込み干上がって湖の一生を終える � 数万年以上の永らえた湖を古代湖と言うことがある � 古代湖は世界にバイカル湖、タンガニーカ湖と琵琶湖の3湖のみ � 固有種 � 魚は川を通してしか生息地を広げることはできない � 琵琶湖は40万年の歴史がありこの湖で進化した多数の固有の魚がいる 古代湖の琵琶湖 琵琶湖の漁業 沖すくい えり 講座の感想:一口メモから 講義のスライドレジメ 古代湖「琵琶湖」にロマンを感じる。調査実習が楽しみだ。 琵琶湖と魚に情熱を持って語る先生に惹かれて聞き入りました。 講座記録アルバム8月号-2 淡水魚の採取と同定 桑原先生の説明を熱心に聴く受講生 魚を求めて琵琶湖の方へ 桑原先生の華麗なる投網姿 この辺におらんかな 年月日:2012年8月20日(月) 場所 :大津市黒津大戸川堤防・浅瀬 講師 :琵琶湖博物館総括学芸員 桑原雅之 先生 および助手・講師の方 2名 記録 :花組 1班 大野 達男 魚はどこにいるのかなあ~ 追い込んだ魚捕れたぞ 河口干潟 この下に隠れた魚を一網打尽 1班(ブルーギルの同定に苦労した) 3班(基本情報も入れてうまくまとめた) 4班(スナヤツメに初対面) 2班(トウヨシノボリの特徴を説明した) ○網で採取するときの留意点 目の前で泳いでいる魚を網ですくおうと しても魚の逃げ足が速いのでムリ。 魚の下流に網を置き、上流から追い込 んですくい上げると採取できる。 ○同定(分類学上の名称を決定する こと)するときの留意点 魚は環境により色を変えるので色だけ でなく背びれや尾びれの形や特徴を捉 えて見ないと判断を間違える。 採取と同定のまとめ 淡水魚図鑑と採取した魚を見比べても同定が難しく、桑原先生からヒントを貰いながら同定作業を行いました。 花組全体で採取した魚等は次のとおりです。 コイ科:カマツカ、ムギツク、ヌマムツ、カワムツ、ニゴイ、ギギ科:ギギ、ハゲギギ、ハゼ科:トウヨシノボリ、ドンコ、 ドジョウ科:ドジョウ、ヤツメウナギ科:スナヤツメ、サンフィッシュ科:ブルーギル、ヌマエビ科:ヌマエビ、ミナミヌマエビ、 テナガエビ科:スジエビ、水棲昆虫:ギンヤンマ、コオニヤンマ、コシボリヤンマ、ほか 水量が増えていて、採取できた魚の種類はあまり多くなかったが、童心に返り楽しく採取と同定作業を行いました。 講座記録アルバム8月号-3 ランドスケープと里山 年月日:2012年8月27日(月) 場所 :NPOプラザ 講師 :大阪府大大学院生命環境科学研究科 教授 上甫木昭春先生 記録 :花組1班 兵頭 博子 1.ランドスケープとは (という耳慣れない 言葉で講義は始まったが) 土地の上に繰り広げられる風景・景観 であり、①人工的な物(建物など)、 ②自然的な物(気候・植生など)、 ③歴史的 ・人文的な物(歴史的行事、 風俗習慣など)などで構成される・・・ 要は、広い意味での「風景」とのこと。 (それなら理解できます。) 日本の風景には、「里山」はかかせない。 里山は、長年に亘り利用され維持されて きた。農村では、灰小屋を作り、有機質の 肥料を畑に利用し、ため池から田んぼに 水を循環利用してきた。 里山の変化:緑地が大正期に46.8%あったものが、昭和60年に は38.0%に減少。それに伴い、トンボやホタルなどの生物が減少 している。孤立林が増え、生物の多様性が減少してきた。 里山と人との係わり方においては、管理形態により里山の 植生は変化する。緑地(自然空間)の減少により、自然遊びの 対象となる動植物が減少した。 緑地の質的変化:砂防ダムの建設、燃料革命による里山の 放置、荒廃は自然遊びの場所を奪い、人と自然の係わり方が 変化してきた。 里山を守るため:公的な事業によるものや、市民が参加する ことにより、里山保全を進めていく必要がある。 自然任せでは里山は荒れてしまう! 里山などの緑地の役割:防災機能、環境保全機能、景観形 成機能、レクレーション機能など色々とあり、大事だ。 ビオトープの役割:1970年代に西独から伝わった。 山、河川、海・干潟、社寺林、都市公園などはお互いに関連して いる。生きものは移動している。夫々の所で十分な面積がとれ ないなら、ネットワーク化してもよい。 ランドスケープと里山を勉強し、特に印象深かったのは、自然 との共生のスライドを見た時。生態系のピラミッドの一部に家 を建てるだけでも、生態系のシステムは崩れる。まして、森の 中央に道路を一本通すということは、そこに棲んでいる動植 物が住めなくなるという事。ドイツにおける実践例を通し、私達 は生きものと共生できる街づくりをめざしていく必要を痛感し た。