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3月号 H27.3.17発行

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3月号 H27.3.17発行
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せっかち 園長の
今年度最後の、「ひとりごと」。まず
子どもたちの
2015、3、17
ひとりごと
認定こども園あかみ幼稚園 園長 中山昌樹
お伝えしたいのは、
卒園、進級・・・おめでとうございます!
ということです。
どの学年の子どもたちも、1 年間で大きくなりましたね。
先日 2 歳児エリアを歩いていたら、そのクラスのほぼ全員が、私に向かって「えんちょうせんせい―」と言って手を振って
くれました。子どもたちはもちろん、
「あの おじさんは、えんちょうせんせい って ひとだな」とわかっていたでしょう。
でも、大きな声で直接私に向かって「えんちょうせんせい―」と言えるようになるには、心が大きく育つプロセスが必要だった
と思います。中には、
「あの おとこのひと(園長のこと)、なんかこわいな」と感じていた子もいるでしょう。 それでも、
クラスの中に気心の知れた友だちが増えてきて、みんなと一緒だったから「えんちょうせんせい―」と手を振れた子もいたのでは
ないでしょうか。
2 歳児であっても、友だちの存在を頼りに、自分の知らない外の世界(例えば、園長という存在)に自分から勇気をもって
踏み出していく・・・。子どもたちの心は、身体と同じように、大きく育ちました。
そしてそれは、保護者の皆さんと私たち保育者の、気持ちと力が 合わせられたから
なのだと、実感しています。これは決して、お世辞で言っているのではありません。
たとえば下に(↓)エピソードを一つ紹介しますが、皆さんと私たちが、子どもたちの
成長を一緒に喜び合えるって、本当にすばらしい!
以前にもお伝えしましたが、私は、あかみ幼稚園の園長で
【エピソード
先日の、最後の保護者会・理事会で
よかったと思います。
私が言ったこと】
もり 2 組(5 歳児)のキッズフェスティバル(劇)が、インフルエンザによる学級閉鎖で一週間延期された。私がうれしかったのは、
2 月 21 日、もり 2 組の劇を観るために他クラスの保護者の方が たくさん来てくれたこと。
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さて、これから広い世界で活躍する子どもたち・・・彼らに
何が必要か?
皆さんご存知でしょうか?
2020 年から、予定ですが、センター試験が廃止され、大学入試制度が変わります。
今の小学 6 年生が、新しい大学入試を受ける最初の子どもたちになります。
では、どのように変わるのでしょうか?
☆暗記中心だった試験が変わる・・・今までは、一つの問いに一つだけ正解とされる答えがあって、それをどれだけ暗記したかがテストされた。
→これが、このように変わります。
知識をどのように得て、その知識をどう使ったらいいか、自分で考える力がどれだけ身についているかをテストする。
☆以前からこの「ひとりごと」などでお伝えしている通り、これは OECD(経済協力開発機構)が PISA という調査で調べている、
21 世紀型の学力(生きる力)です。
☆これからの子どもたちは、地球上のいろいろな国・地域の人たちと付き合わなければならなくなるので、多様な価値や暮らし方を
受け入れ合うことが大切になります
→要するに、いろいろな国・地域の人たちと、正解が一つではない(答えがいくつもある)問題解決をしなければならなくなるのです。
これをアクティブラーニングと言います。
以下、文部科学省・中央教育審議会(平成 26 年 11 月 20 日)
新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関連して,これまでも,例えば,OECD が提唱するキー・コンピテンシーの育成に関する取組や,
論理的思考力や表現力,探究心等を備えた人間育成を目指す国際バカロレアのカリキュラム,ユネスコが提唱する持続可能な開発のための
教育(ESD)などの取組が実施されています。
さらに,未曾有(みぞう)の大災害となった東日本大震災における困難を克服する中で,
様々な現実的課題と関わりながら,被災地の復興と安全で安心な地域づくりを図るとともに,日本の未来を考えていこうとする新しい教育の
取組も芽生えています。
これらの取組に共通しているのは,ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず,学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い,
続く↓
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子供たちがそうした教育のプロセスを通じて,基礎的な知識・技能を習得するとともに,実社会や実生活の中でそれらを活用しながら,自ら
課題を発見し,その解決に向けて主体的・協働的に探究し,学びの成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにすることが重要である
という視点です。
そのために必要な力を子供たちに育むためには,「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という,
学びの質や深まりを重視することが必要であり,課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」
)や,
そのための指導の方法等を充実させていく必要があります。こうした学習・指導方法は,知識・技能を定着させる上でも,また,子供たちの
学習意欲を高める上でも効果的であることが,これまでの実践の成果から指摘されています。
では、幼児期の子どもたちには、何が必要か・・・
それは、皆さん
もうお分かりですよね!?・・・それは、「遊び」です。遊びは、アクティブラーニングの土台です。
☆今、OECD(経済協力開発機構)の最新の提案は、『社会情動的スキル』を育むことの重要性です。
☆『社会情動的スキル』とは、難しい言葉ですが、簡単に言うと、遊んだ結果育つ、目に見えない大切な力です。
→例えば、自分を表現したり、友だちの気持ちを察したり、意見が違う時に折り合いをつけたり(合意の形成をしたり)・・・。
→「大切なものは目に見えない」・・・星の王子さまも
言っていますね。
☆先日、ベネッセホールディングスから保育現場の立場として協力を要請され、私(中山)は機関誌の編集会議に出席してきました。
→機関誌の次のテーマが『社会情動的スキル』
。この会議では、研究者の立場として玉川大学の大豆生田啓友先生が参加。
大豆生田先生は、NHK の E テレ「すくすく子育て」でも活躍されているので、お顔はわかる方も
多いのではないでしょうか。見た目は芸能人(? オシャレという意味)みたいな感じなのですが、
発言される内容には、保育や子どものことを大切にしている感じがにじみ出ていて、こういう研究者が
もっともっと発言してくれたらいいなと思いました。
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☆その会議で、大豆生田先生と意気投合したこと・・・。
→ベネッセの編集長からの、『社会情動的スキル』
(遊び)を大切にしている園と そうでない園の違いが、簡単にわかるポイントは
何ですか? の質問に、
・・・それはたとえば、保育者の子どもへの言葉がけで、「~しちゃダメ」
「なんで~するの?」「~すると~しちゃうよ」 が
多い園は、『社会情動的スキル』を大切にしていない。要するに、子どもに「禁止」「尋問」「脅迫」をしているからです。
・・・それから、廊下や保育室に飾ってある子どもの絵(たとえば芋掘りの絵)が
どれを見ても同じ園も、『社会情動的スキル』を
大切にしていないのではないか。子どもの表現を制限している(絵を描かせている)からです。
・・・さらに、園庭が小学校のよう(遊具がフェンスにそった外周にありグラウンドみたい)だったり、保育室がガランと広くなって
いて、物に関わったり物で何か作ったりする環境がない園も、『社会情動的スキル』を大切にしていないと感じる。それは、
そのような環境では、子どもは遊べない(遊びたくならない)からです。
私が一人でこのようなことを言うと、他園を否定して我が園が良いと言っているみたいで、感じ悪いですよね。ですが、大豆生田先生は、
どっちが良い・悪いではなく、それは園の方針の違い
・・・保護者には「あなたはどちらを選びますか?」と言う、と
おっしゃっていました。さすが!です。
卒園する子どもたち、進級する子どもたち・・・
いずれにしても私は、いっぱい遊んで、結果的に『社会情動的スキル』をしっかり育む子どもたちの姿に、未来に対する希望を感じます。
そして、そのような子どもたちの前で、私は、どのような大人であったらいいか、ときどき考えます。皆さんは、どうですか?
子どもたちは、いろいろと質問してきますね。私は、その質問に向き合うことで、子どもって面白いな・・・子どもって素敵だな・・・
子どもって尊敬できるなと素直に感じたいし、その質問によって、大人である自分の考えを柔軟で賢いものにしたいと考えます。
当たり前のことを当たり前と思わない・・・子どもたちは、私たちにそう思わせてくれるのではないでしょうか。私は、そのような大人でいたい。
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