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輸出支援に向けたEU圏における花植木の動向調査 農林水産部生産
輸出支援に向けたEU圏における花植木の動向調査 農林水産部生産販売振興課 副主査 大山康彦 農林総合研究センター 研究員 中島 拓 1 2 3 研修先 オランダ王国アムステルダム、フェンローほか 期 間 平成24年7月11日(水)~18日(水) 課題(目的) 本県は植木生産が盛んであり、その中心をなす造形樹については海外での評価が高く、主要な輸出 品目となっている。そこで今後も、マーケットとして期待されるEU圏を視察し、今後の輸出振興に つなげる。また、花王国オランダの園芸事情を調査することにより、今後の花植木全般の生産振興の 参考とする。 4 調査結果 (1)EU圏における植木の普及状況 1) 国際園芸博覧会で県内植木生産団体が出展しており、多くの観光客から注目をあびた。 特に刈り込みのデモンストレーションでは、一時入場制限がかけられるほどであった。 2) 同会場内では、EU圏の造園業者による植木を使った和洋折衷な庭園が展示されていた。 3) 視察した全てのガーデンセンターに、盆栽・植木のコーナーが設けられていた。 植木は、一時的なブームではなく、園芸花材の一つとして根づく可能性が高い 刈り込みの実演の様子 地元の造園会社の展示 植木の株元に洋花と和洋折衷的な組合せ ガーデンセンターの盆栽コーナー (2)オランダの園芸事情 1)景気低迷により、消費者の花にかける金額は減少傾向にある。 2)嗜好の変化により、カーネーション等のメジャーな品目の市場取扱いが激減している。 3)造花の利用が増えてきている(造花のフラワーデザイナーの出現) 4)対策として、花屋がインテリア・デザインを提案し、それに合った花をトータル的に販売する。 「こだわり」「コンセプト」のある商品の提案 5) 生産者も売るために、様々な販売活動を実施している 昔から「オランダの今の姿が5年後の日本の姿」と言われており、 日本でも他産業とのコラボ、コンセプト売りの傾向は強くなると思われる 造花専門店 ユニークな花瓶と合わせて売る花屋 花屋向けインテリアショップ 生産者による販売促進活動 (左:オリジナルロゴ 右:写真撮影セット) 5 考察・提案等 (1)植木については、EU圏での植木需要は継続すると思われるが、すでに安い中国産が出回っており、 価格面での対抗は難しいため、高品質を前面に打出し、差別化が必要になると思われる。 長期間輸送による日本産植木の品質の低下の話しもあり、輸送技術の開発も求められている。 (2)花屋と他分野のコラボによる「コンセプト売り」は、すでに日本でも見られるが、今後はより この傾向が強まると思われる。生産者にもコンセプトの提案が求められるようになってきており、 トータル的にサポートする人材の育成、商品開発の支援が必要である。