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素粒子検出器

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素粒子検出器
素粒子検出器
~液体希ガス(TPC)検出器の魅力~
丸山 和純 (KEK)
素粒子検出器とは
• 電荷を帯びた粒子が物質を通過する際に起こす反応を用
いて、粒子の通過時間や粒子が損失した位置、エネル
ギーを測定する機器。
• まずは、電気信号の源で区別すると:
– 物質中で生成される光を使うもの。(一般的に時間分解能が高
い)
•
•
•
•
シンチレーション光検出器
チェレンコフ光検出器
遷移放射光検出器
PMT・MPPC 等 (光自身を捕まえる検出器)
– 固体、液体、気体で作られた電離電子を使うもの。(一般に位
置分解能が高い)
• シリコン、ピクセル、ゲルマニウム (固体) 半導体の場合、電離電
子というよりは、電子・正孔対。
• 液体希ガス(LXe, LAr等)
• ガスチェンバー等 (気体)
• 人類は現在電磁気しか制御できないので、検出器の信号
は全て最後は電気信号として読み込まれる。
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
2
検出器への動機(1)
• 検出器について知ること、働くことは非常に楽し
い。また、実験家である以上、マストアイテム。
• しかし、それに付随する物理を考えるのが先で、
本来物理側からどのような検出器が必要か考え
るべき。(物理と検出器のイメージがタイトに結び
つく環境が重要)
– 固定標的・宇宙線実験では、検出器の性能自身が
物理の最終結果を決めることが多い。(例;K実験、
ニュートリノ実験、暗黒物質直接探索、等々)
– 一方コライダーでは、できるだけ汎用な検出器を作
成・インストールするのが良いように思えるが、やは
りフラッグシップの物理に合わせた検出器を作成・イ
ンストールすべきだと思う。 (例;Tevatronでのトップ
クォーク探索)
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
3
検出器で差が付いたトップクォーク発見
• CDFイタリアGがハドロンコライ
ダーに初めてシリコン検出器を
持ち込んだ。
– 画期的 (当時放射線耐性、飛跡
多重性で使えないと言われてい
た)
– bクォークから生成されるジェット
をタグできるようになった。
• Tevatronでのトップクォーク発見時の信号
の一つのチェンネル。
• Tevatronは重心系2TeVの陽子・反陽子
衝突型加速器。汎用型検出器CDFとD0
2つがある。
2011/5/13
• 一方当時、D0検出器はシリコ
ンなし(Kinematicな解析のみ)
• 結果;
– CDF(19.6pb-1)
信号有意度>3σ (p-value; 0.0026)
– D0 (15.0pb-1)
信号有意度<2σ (p-value; 0.072)
高エネルギー 春の学校
4
検出器への動機(2)
• まず、自分のやる物理を思い浮かべ、検出器のオプティマイ
ズを行う。
• まずは、信号数と背景事象数、その比
– ビーム輝度や、宇宙線のフラックス、標的の数
– 信号の検出効率 (たくさん信号を拾い)
– 背景事象のリジェクション因子(背景事象を減らす)
• 以下、オプティマイズに際に考えなければならない事柄の例
–
–
–
–
–
–
–
–
2011/5/13
飛跡の位置、方向、バーテックス分解能 (含;磁場の必要性)
エネルギー分解能
時間分解能
粒子識別能力
データ取得レート (+トリガー)
放射線耐性、磁場耐性
宇宙、上空、地下、海中などの特殊な環境
値段
高エネルギー 春の学校
5
さて、ニュートリノをやっている私
は何に気を付けるべきでしょう?
• 信号; 主にνμ→νeの加速器ニュートリノの振
動を探しています。(加速器から生成されるニ
ュートリノはνμが支配的) 振動は生成から検
出まで数100kmの地点で最大になります。
• 背景事象;
– 宇宙線ミューオン
– 大気ニュートリノ
– 加速器ビームにもともと入っているνe
– ニュートリノ反応生成π0からくる偽電子
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
6
T2K (Tokai to Kamioka) experiment
• High intensity (750kW design) nm beam from J-PARC MR
• Narrow band off-axis beam tuned at osc. max.
• World largest detector Super-Kamiokande @ 295km
• Discovery of ne app.  Determine q13
• Precise meas. of n m disapp.  q23, Dm232
詳細は明日の横山氏のトークで
7
ニュートリノ振動
νe
νμ
ντ
ニュートリノ振動
• ニュートリノに「質量」があるときのみ起こる (1998年までニュートリノは質量
がないと信じられ、実験も人々をコンビンスするレベルでなかった。)
• ニュートリノ振動があると、他の世代のニュートリノと混合をするようになる。
• ミュー型―タウ型、電子型―ミュー型の振動はこの12年間で良く研究されて
きた。しかし、電子型-タウ型の混合は小さくて良く分かっていない。
• 更に、電子-タウ型の混合には「物質-反物質」非対称性の謎が絡む。
信号数を最大に
• ニュートリノの散乱断面積は弱い相互作用し
かしないので非常に小さく(10-37cm2@1GeV)、
事象数を増やすには、標的(核子)数を増や
すのがてっとり早い。 → 巨大検出器
(事象数=散乱断面積×フラックス×標的数)
• フラックスは数100km先に打ち込むので、
限界がある。(しかし、できるだけ大強度でな
ければならない。)
• もちろん、検出器の検出効率も良くなければ
ならない。
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
9
背景事象数を最小に
• 宇宙線ミューオン → 地下にもぐって、ミュー
オンを減らす。
• 大気で生成されるニュートリノ → ビームの
時間と、検出器の検出時間のコインシデンス
によって、他の事象をリジェクト。
• ビームにもともと含まれるνe → 減らせない
ので、できるだけ性質を振動前に測定してお
く。
• π0は再構成した不変質量やdE/dxでリジェク
トするが、検出器の能力による
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
10
他に考えること
– 飛跡の位置、方向、バーテックス分解能;
– 有効体積、ニュートリノが点源から来る場合等、方向も重要。
– エネルギー分解能
– ニュートリノ振動は、ニュートリノエネルギーの関数なので、重要。
– 時間分解能
– 時間(GPS)によって、背景事象と分けるので、非常に重要。
– 粒子識別能力
– ニュートリノ振動後のフレーバーを探るために重要。
– データ取得レート (+トリガー)
– 加速器ニュートリノの場合、DAQレートは高くない。
– 放射線耐性、磁場耐性; なし。
– 宇宙、上空、地下、海中などの特殊な環境
– 地下
– 値段
2011/5/13
高エネルギー 春の学校
11
核子崩壊探索検出器の場合
• 検出器兼希崩壊現象の源
– 核子崩壊は、大統一理論(強い相
互作用と電弱相互作用がGUTス
ケールで統一するという理論)が
存在すると起こり得る現象。現在
まで見つかっていない。
– 核子数がたくさんある方が良い。
(感度があがる)
– ニュートリノ用の巨大検出器は良
く核子崩壊の実験にも使われる。
核子数は多く、地下にあって、背
景事象も尐ないから。
• 今までのニュートリノ検出の議論と似
たような検出器への要求がある。
• ただし、時間による事象の区別はでき
ない。
荷電粒子1
核
子
荷電粒子2
Y.Takeuchi
(INSS2010)
チェレンコフ光について
1
cos q 
n
• qは荷電粒子の方向とチェレンコフが出る向きの角度
• nは物質(媒質)の屈折率
• βは荷電粒子の速度(β=v/c)
dN
1
2
2  1
 2Z sin q   
dL
 1 2 
• qは荷電粒子の方向とチェレンコフが
出る向きの角度
• λはチェレンコフ光の波長
• αは微細構造定数、1/137
• 荷電粒子の電荷。
• 荷電粒子が媒質中を光速以上で通過する場合に発生する。
• エネルギー分解能 (PMTの受ける光電子数でほぼ決定す
る。~6 p.e./MeV)
– 10MeV 電子: s(E)/E = 14%
– 1GeV 電子; s(E)/E = 3%
– 1GeV μ;
s(E)/E = 2%
検出器性能
• バーテックス分解能; 10MeVくらいの電子でも
PMTのタイミング情報からまあまあの精度で相互作
用ポイントを推測できる。
– 10MeV 電子; 55cm
– 水中で事象が起こり、止まったもの(~1GeV);~30cm
• 角度分解能; チェレンコフリングのパターンで測定
することができる。
– 10MeV 電子; ~23度 (クーロン多重散乱による)
– >1GeVくらいの事象; 1°~3°
Electron-like and muon-like
e-like
events
m-like
e
m
16
T2K Super-K(Far detector) neutrino events
LE: Low energy triggered events
OD: Outer detector events
FC: Fully contained events
FC
OD
LE
FC
• Clean beam timing structure confirmed in FC events
– ビームの時間とニュートリノの検出時間をGPSで同期。(1ms
のTOFは既に差し引いてある。) GPS精度は100ns以下。
– J-PARC MRビームのバンチは560ns毎に50ns幅。2010年夏ま
では6バンチ。 3-4秒おき。
17
– Non-beam BG estimated to be <10-3evts (実質ラン約数か月)
液体アルゴンTPC
提案中のν次世代計画の一つ
• 100kt (=105トン=108kg)の液体アルゴン飛跡(TPC)検出器を作り、
ニュートリノ等の物理に役立てたい。
• 例えば、東海村J-PARC施設で作られたニュートリノを658km離れた
隠岐の島で測定するというような案が話し合われている。
• 神岡へニュートリノを
飛ばすT2K実験、の
次期計画。
• 658kmのような
長距離をニュートリノを
飛ばすと、ニュートリノ
振動現象から、
宇宙物質創成期の
隠岐の島
謎にも踏み込める
東海村から
可能性がある。
~658km
A.Bueno et al
検出器設置場所があるか?
• 陽子崩壊などの稀な事象を観測するには、大気から降ってくる宇宙線をでき
るだけ無くす必要がある。 → 最低限、200m高さくらいの丘の下にある必
要がある。
• 視察したところでは、200mの土被りは取れそう。
電離電子を使う検出器
荷電粒子
(素粒子)
- - - - - - - - -
+ + + + + + + + +
検出器=コンデンサ
コンデンサの中に電離
を起こし易い物質を充填
電離電子を使う検出器
- - - - - - - - -
荷電粒子
(素粒子)
+ + + + + + + + +
電離電子はコンデンサの+側
電離イオンはコンデンサの-側 へ移動。 (ガス等では、イオン移動は非常にゆっくり)
電離電子を使う検出器
オシロ
エレキ
- - - - - - - - -
荷電粒子
(素粒子)
+ + + + + + + + +
電離電子はコンデンサの+側
通常+側の信号をオシロスコープやエレクトロニクスを使って読み出す。
液体アルゴン検出器概念図

GEM
Gas Argon
2相式
5kV/cm
Liquid Ar
1 kV/cm
電離電子
電離電子信号




1相式
電場
チェレンコフ光

~50000e/cm MIP
~kV/cmの電場により ~mm/μsで
ドリフト
高純度(~0.01ppb)の液体アルゴ
ンでは10m以上のドリフトが可能
液体中では増幅無し
ドリフト電子のディフュージョン



20 mドリフト後で<3 mm
TPCとして三次元飛跡再構成
C.Rubbiaが1980年代に提案
ν
μ
荷電カレント事象
e
荷電カレント事象
荷電粒子
シンチレーション光
ν
A. Bueno, et.al.,, hep-ph/0701101
読み出し
ワイヤ
TPCって?
電場
• 荷電粒子が陽極(+を帯び
た電極)に到達する時間を
使って、電場方向の位置を
再構成できる検出器。
– 上図の例なら、荷電粒子が
作った電離電子は、矢印の
先の方からできたものの方
が、早く読み出しワイヤに到
達する。
– 荷電粒子が通過する時間は
電離電子が動いていく時間
に対して、十分早い。
– ワイヤ部分を2次元的に張っ
ておけば、読み出し位置の情
報と、荷電粒子の到達時間
から3次元的な位置が再構
成できる。
電離電子
荷電粒子
+
荷電粒子1
ニュートリノ
衝
突
荷電粒子2
-
読み出し
ワイヤ
何か難しい点はありますか?
• 電離電子は液体アルゴン中に
酸素等があると、+電極へ移
動の際、電気的に捕獲されて
しまう。
– 酸素、もしくは、水分が電離電子
移動の邪魔と言われているが、こ
れらを極力尐なくする必要がある。
– 一般的に、電離電子寿命と不純
物濃度(ppb)の間には、
t(ms) ~ 300/不純物濃度[ppb]
という関係があると言われている。
– tは電離電子数がドリフト中に約
2.7分の1になる目安
– ppbはparts per billionの意味
で、液体アルゴン中に(液体アル
ゴンとの比で)10-9の混入率が
あるという意味。
電場
電離電子
荷電粒子
+
荷電粒子1
ニュートリノ
衝
突
荷電粒子2
-
読み出し
ワイヤ
何か難しい点はありますか(2)
• つまり、、、、
– 1トン(103kg = 106g)に1mgの
酸素があると、1ppb
– t(ms) = 300/ppb
1ppbのとき、寿命(2.7分の1)が3
00μs
– 2mm/μs くらいのスピードで電離
電子が進むことを考えると、60cmで
2.7分の1になってしまう。
電場
電離電子
荷電粒子
+
荷電粒子1
• これは、陰極ー陽極間が10cm程
度の検出器があると、最低でも10
ppbくらいの純度がないと、測定器
として、あまり働かないということ。
ニュートリノ
衝
突
荷電粒子2
-
Comparison Water - liquid Argon
Water
Liquid Argon
1
1.4
Radiation length (cm)
36.1
14.0
Interaction length (cm)
83.6
83.6
dE/dx (MeV/cm)
1.9
2.1
Refractive index (visible)
1.33
1.24
Cerenkov angle
42°
36
≈160 eV1 cm1
≈130 eV1 cm1
Muon Cerenkov
threshold (p in MeV/c)
120
140
Scintillation
No
Yes
(≈50000 g/MeV @ =128nm)
100yen/liter
(Evian)
100yen/liter
Density (g/cm3)
Cerenkov d2N/dEdx (=1)
Cost
LAr thermodynamical properties
P
(bar)
Solid
phase
T
(K)
Density
(g/cm3)
83.0
1.625
Liquid
phase
1.00
87.2
1.396
Boiling
point
1.013
87.3
1.395
Triple
point
0.689
83.8
Critical
point
48.63
150.7
0.553
At the boiling point:
 Heat capacity (Cp) 1.117 kJ/kg K
 Thermal conductivity 1.26×10-1 J/s m K
 Latent heat of vaporization 161 kJ/kg
29
何故液体アルゴン飛跡検出器は有望か
• 現代版の“泡箱検出器”
• 飛跡検出器であるから(3mmピッチワイヤで~
1mm分解能)
– 正確な事象形態を測定できる。
– 低い運動量の粒子から測定可能
65 cm
e50 cm
• 局所的なエネルギー損失を測定可能
– dE/dxと飛跡レンジ(距離)による粒子識別
– 電子とπ0中間子事象の区別
p
MC νe CC, Eν=0.730 GeV
• フルサンプリングで、全方位均一物質によるカロ
リーメータ
– エネルギー再構成能力が優れている。
pion
40 cm
MC single π0, E=0.5 GeV
positron
proton
Test-Beam
0.8 GeV/c
76 cm
data
今や低温技術はPCと同じくらい一般的
な常識となりつつある。(KEK 山本氏)
次世代ニュートリノ検出器として有望な検出器
Comparison Water - liquid Argon
Particle
Cerenkov Threshold Corresponding Range
in H2O (MeV/c)
in LAr
(cm)
e
0.6
0.07
μ
120
12
π
159
16
K
568
59
p
1070
105
 LAr allows lower thresholds than Water Cerenkov for most particles
 Comparable performance for low energy electrons
 見て分かるとおり、重い粒子ほど、液体アルゴンの方が得をする。
31
陽子崩壊の感度
• K+ +νモード: LAr(100kt×10年)=~7×WC(500kt×10年)
LAr100KtならKνで現在のSUSY GUT(NNN’07 P.Nath) のほぼ全てをカバー
WCは陽子崩壊時の水素原子からの低エネルギー光子の発行・検出効率でリミット。
陽子寿命 (年)
1036
1035
1036
p → K + +ν (90%CL)
SUSY GUT予想範囲
SUSY GUT予想範囲
1035
液体アルゴン
100kt×10年
1034
陽子寿命 (年)
• e+π0モード: LAr(100kt×10年)=~1/2×WC(500kt×10年)
水チェレンコフ
500kt×10年
Super-K limit
1033
水チェレンコフ
500kt×10年
液体アルゴン
100kt×10年
1034
1033
Super-K (91.6kt-year)
Super-K (91.6kt-year)
100
1000
10000 (kt×年)
p → e+π0 (90%CL)
100
1000
10000(kt×年)
A. Rubbia hep-ph/0407297, M.Shiozawa 28th ICRC conf. proc., K.Kobayashi, PRD 72 052007(2005)
電子とπ0の識別
• νμ→νe の振動探索が
主となりつつある最近
の実験傾向で重い意味
を持つ。
• 電子の検出効率を9
0%に保ちつつ、0リ
ジェクション能力は10-3。
– バーテックスからγのコ
ンバージョン
– π0再構成質量
– dE/dx
• エネルギー分解能;
ICARUS
MODULAR
LANNDD
A LINE OF LIQUID ARGON TPC DETECTORS
SCALABLE IN MASS FROM 200 TONS TO 100 KTONS
David B. Cline 1, Fabrizio Raffaelli 2 and Franco
Sergiampietri 1,2
1 UCLA
2
Pisa,
FLARE
GLACIER
Bartoszek Eng. - Duke - Indiana - Fermilab LSU - M SU -Osaka - Pisa - Pittsburgh - Princeton –
Silesia – South Carolina - Texas A&M Tufts - UCLA - Warsaw University INS Warsaw - Washington - York-Toronto
ETHZ, Bern U., Granada U., INP Krakow, INR
Moscow, IPN Lyon, Sheffield U., Southampton U.,
US Katowice, UPS Warszawa, UW Warszawa, UW
Wroclaw
G.Alberto’s slide
In neutrino 2010
ICARUS T300 Prototype
HV feedthrough
View of the inner detector
Field shaping
electrodes
Readout electronics
G.Alberto’s slide
In neutrino 2010
Argon purification in ICARUS
25 GAr m3/h/unit
Recirculate gaseous and liquid
Argon through standard
Oxysorb/Hydrosorb filters
It was verified that LAr
recirculation system does
not induce any microphonic
noise to the wires, so it
can be active during the
operation of the detector
2.5 LAr m3/h
A tracking calorimeter
 High granularity: readout pitch ≈3 mm, local energy
deposition measurement, particle type identification
 Fully homogenous, full sampling calorimeter
 Low energy electrons:
 Electromagnetic shower:
 Hadronic shower:
ICARUSでの物理
• CNGS(CERN)から来るニュートリノを使って
– 480トンの有効体積があるとすれば、年間~12
00事象のニュートリノ事象が検出される(90%
検出効率で)
– 振動で出現するντの検出ができる(と主張してい
る)
• セルフトリガーにて
– 100事象/年の大気ニュートリノ荷電カレント
事象。
– 太陽ニュートリノも8MeV以上でトリガー可能。
– 0背景事象で3×1032の寿命の核子崩壊下限。
Towards large LAr TPCs
Starting from ICARUS (1985), several proposals
towards large LAr TPCs:
 LANNDD 2001
 GLACIER 2003
 FLARE 2004
 MODULAR 2007
…with different approaches:
• a modular or a scalable detector for a total LAr mass
of 50-100 kton
• evacuable or non-evacuable dewar
• detect ionization charge in LAr without amplification or
with amplification
Recently Proposed Strategy @
Fermilab
0.5x0.5x1.0 m3
Spring 2008
0.3 ton
Data: ~2011-2012
170 ton
1-5 kton
100>M>5
1<N<20
Data: ~2015-2016
R. Rameika, Project X Workshop, January 2008
Cryogenic storage tanks for LNG
 Many large LNG tanks in service
• Vessel volumes up to 200000 m3
 Excellent safety record
• Last serious accident in 1944, Cleveland, Ohio,
due to tank with low nickel content (3.5%)
GLACIER
A scalable detector with a non-evacuable dewar and ionization
charge detection with amplification
Giant Liquid Argon Charge Imaging ExpeRiment
Electronic crates possibly up to 100 kton A. Rubbia hep-ph/0402110
Venice, Nov 2003
≈70 m
Drift length
h =20 m max
Passive perlite insulation
Single module cryo-tank based on
industrial LNG technology
GLACIER concepts for a scalable
design
 LNG tank, as developed for many years by petrochemical industry
• Certified LNG tank with standard aspect ratio
• Smaller than largest existing tanks for methane, but





underground
• Vertical electron drift for full active volume
A new method of readout (Double-phase with LEM)
• to allow for very long drift paths and cheaper electronics
• to allow for low detection threshold (≈50 keV)
• to avoid use of readout wires
• A path towards pixelized readout for 3D images.
Cockroft-Walton (Greinacher) Voltage Multiplier to extend drift
distance
• High drift field of 1 kV/cm by increasing number of stages,
w/o VHV feed-through
Very long drift path
• Minimize channels by increasing active volume with longer
drift path
Light readout on surface of tank
Possibly immersed superconducting solenoid for B-field
大型化へ向けた世界情勢
• 日本; 最近0.4トンクラスのプロトタイプを用いて、世界で
初めての荷電粒子ビームテストを行った。MCだけではなく、
実際のデータでdE/dxでどこまでPIDができるのか解析中。
(年齢2歳半)
• 米国; 日本と似たサイズの検出器で既にニュートリノを測定
している。現在、数10トンクラスのLAPD(LAr Purity
Demonstrator)で純度のテストを行いながら、140トンの
MicroBooNE実験を行おうとしている。その後は、20kトンの
検出器で地下実験を行おうという計画がある。(20kトンは
来年CD2決定) 年齢5歳くらい
• 欧州; ICARUSが稼動中。他にもA.Rubbiaなどが、一体物
のLNGタンクを使って行うGLACIER実験などを提案。
LAGUNNAという枠組みで、水チェレンコフ、LArTPC、液体
シンチの検出器技術とサイトについてスタディを進めている。
(A.Rubbiaは日本とも協力体制) ICARUS年齢20歳以上
日本のアクティビティ
J-PARC T32実験
研究動機
• 核子崩壊
– 核子の寿命は新しい物理に対して重要なパラメーター
LAr検出器はp→K+νのK+の信号を直接検出可能(SUSY GUTで大きな分岐比)
シミュレーション
K+340MeV/c
Ar中の飛程~ 20 cm
停止直前のK+のdE/dxは大きい!
Simulation Study(JHEP 0704:041,2007)
Background reduction ~105
Kaon efficiency ~97%
T32実験では
LAr検出器のdE/dxによるK/π分離能力を実験的に検証する
05/13/2011
49
(できれば2相式読み出しで)
Hadron Hall
Brand-new
K1.1BR
beamline
LAr
250L
Drawings of 250L cryostat
•
•
•
•
Borrow MEG prototype
heat load ~ 30W
75cm f x 100cm (inner)
0.16X0 for beam window
use
bellows
Beam
use
GFRP
Setup of Oct-2010 test-beam
drift
PMT
Fiducial mass
170kg
Total LAr mass
~400kg
Field cage dimension
42cm x 42cm x 78cm
Fiducial volume
40cm x 40cm x 76cm
Typical Drift Field
~225V / cm
Maximum drift voltage
12kV (same feedthrough as 10L)
Readout method
single phase (temporary)
Number of readout
channels
76 strips (1cm)
• Double phase component is
under production at CERN.
(Unfortunately, not in time for
test-beam.)
76 strips (1cm) anode
純化システム
•
Purification for initial filling
– Purify LAr (from tanks) directly
– Filters made by ourselves are used (CuO+MS)
•
•
Keep or improve of the purity after filling
– Gas-to-gas recirculation system using a gas pump
(max. ~80L/min in 1 bar Ar)
– Commercial Filter (SAES Microtorr (MC3000-903-V);
<0.1ppb for O 2, H2O but cannot remove N2)
Evacuation
– Turbo + getter pump (~350L/sec)
– Achieved vacuum level is ~1x10-3 Pa
Purity is one of most crucial items
for LAr TPC system.
(1ppb provides 1/e attenuation for
300ms drift electrons)
Charged particle test-beam
@J-PARC (Oct/23-31)
View from cathode side
(see 1cm strip anode at far side)
Beam Line Setup
Fitch Cherenkov
(π-ring,K-ring)
250LArTPC
LArBDC
BDC=Beam Defining Counter
…Beam’s Final Focus (FF)
Gas Cherenkov
TOF2
particle
TOF1
Degrader
K,π,p,e
空気
• K1.1BRのビーム
– 運動量:800MeV/c (+degrader)
– K/π~1/4、3K/1 beam bunch(6s)
• 粒子同定
– TOF1、TOF2
– Fitch Cherenkov(K/π)
– Gas Cherenkov
• トリガー条件
BDC & TOF1 & TOF2 & LArBDC
55
The “text-book” event
Vertical direction (40cm)
次の三谷氏のトークも参照。
pionpion
positron
positron
proton
proton
Beam direction (cm)
• purity is better than 1ppb
• trigger positrons, and there is an additional pion and proton by chance.
• All are 0.8GeV/c
• PID by local dE/dx and range (even by eye)
ノイズ除去について
(2)FFTによる周波数強度 @ ch8
(1)生データ例
信号
ノイズ
200kHz以上に
大きなノイズ成分
(3)FFTフィルター前後 @ ch8
(4)FFTフィルタ後
- フィルタ前
- フィルタ後
高周波ノイズが大幅に改善
飛跡がクリアに
57
Scintillation light readout
• Coated by the wave length shifter
– LAr emits 128nm scintillation lights
– In order to detect it,
TPB(tetraphenyl-butadiene) is used
as the WLS
• Two PMTs are set at the bottom of
the cryostat
– Trigger for the cosmic ray events
58
Processes induced by charged
particles in liquid argon
When a charged particle traverses medium:
• Ionization process
• Scintillation (luminescence)
– UV spectrum (=128 nm)
– Not energetic enough to
further ionize, hence, argon
is transparent
– Rayleigh-scattering
• Cerenkov light (if fast particle)
UV light
τ1 = 6 ns
τ2 = 1.6 μs
Charge
Cerenkov light (if >1/n)
M. Suzuki et al., NIM 192 (1982) 565
59
Scintillation light from LAr
• Coincidence of the two PMTs are
used for cosmic ray trigger.
• There are two components
– Fast component is ~10ns
– Slow component is ~μs
• Lifetime constant of the slow
component depends on the purity
– Sensitive down to ~100ppb O2
– Stable at ~1.2μs during a week (i.e.
purity is better than 100ppb) at
KEK.
60
宇宙線μを用いた純度測定
早稲田 長坂
ICEPPシンポジウム
75ch
0ch
e
e
e
ドリフト距離が長いと
信号は小さくなる
このτから
アルゴンの純度を測定する
300μs ⇔1ppb
宇宙線μ
クラスタリング
電荷量の減衰曲線
宇宙線μによる純度測定
500event足し合わせ
Fit
τ= 560μs
実験開始時 : τ≒660μs
( 約 0.45ppb )
実験終了時 : τ≒370μs
( 約 0.80ppb )
純度変化  ・アウトガス?
・リーク?
…要調査。だが1ppbは維持
早稲田 長坂
ICEPPシンポジウムで発表
他の液体希ガス検出器
カロリーメータとして
• D0やATLASでは、液体アルゴンをカロリーメ
ータとして使っている。
– 電離電子を使う。
– PMTを使うカロリメータに比べて放射線に強い。
– PMTのゲインのばらつきのような効果を減らすこ
とができる。
• MEG(μ→eγ希崩壊探索実験)では、液体キ
セノンカロリーメータを使っている。
– シンチレーション光のみを使うスキーム
– たくさんの発光量を得ることができる。
暗黒物質探索にも
• 液体Xe、液体Arともに、直接暗黒物質探索
に最近使われている。
• どちらも、光を使っているが、電離電子が液
面から取り出されるときの光を使うという複合
型。
• いろいろな暗黒物質探索がある中で、直接探
索の中で最も将来性が高いと言っても過言で
はない。
まとめ
• 自分が狙う物理に対してどのような検出器が最も適
しているのか、常日頃から考えるべし。
• ニュートリノ・核子崩壊をやるなら、地下で巨大な検
出器を置くとゲインする。
– 水チェレンコフ・液体アルゴンTPC等が検出器として良い
– 日本ではSuper-Kamiokandeという水チェレンコフ検出器
22.5ktの成功例。
– イタリア、グランサッソで0.6ktの液体アルゴンTPCの検出
器の成功例
• 日本でも最近液体アルゴンTPCの開発研究を行っ
ていて、0.4トンレベルまで成功。(開始から2年)
• 液体希ガスの検出器は他にも使われており、低温
検出器という分野が切り開かれている。
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