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ホンノタナ2011
2011年度 NO.1 ~ 国語科の先生 推薦本 ~ 京都聖母学院中学校高等学校 図書館 中学生にオススメ! 国語科 畑中佳月代先生 推薦本 2011年5月18日発行 国語科 和田雅裕先生 推薦本 【文学分野】 * 茨木のり子『詩のこころを読む』 (岩波ジュニア新書) 本校の中学国語の教科書では、最初に詩作品が載ってい て、そこから授業を始めることが多いですね。今年の中2の教科 書も「虹の足」という吉野弘さんの詩から始めました。その授業 の最初に「去年、中1で最初に読んだ詩を覚えてる?」と尋ね てみたら、何と多くの人が「ふしぎ!」「金子みすゞ」「わたしはふ しぎでたまらない、やろ?」と答えてくれました。詩の力のすごさが みんなの答えや反応から強く伝わってきて、そんなみなさんにぜひ読んでほしいと 思ったのがこの本です。 著者の茨木のり子さんはすばらしい詩人のお一人です。人の人生の節目にこ んな詩はどうですか?というスタイルで、たくさんの心に響く詩が紹介、解説されて います。難しく考えず、私の好きな詩を探しながら、好きな章から読むのがおすす めです。 あなたの心に響く詩と出会ってみませんか? 【文学分野】 *恩田陸 『夜のピクニック』(新潮文庫) 学生生活を彩るものに「学校行事」がある。本校で言え ば「学院祭」「体育祭」「合唱コンクール」などである。残念 ながら本校独自といわれるようなものはないが、どの行事に 対しても、なぜかしら熱中してしまうのはどうしてだろうか。 恩田陸『夜のピクニック』は進学校・北高の伝統行事 「歩行祭」が舞台だ。「歩行祭」は丸一昼夜で 80 ㎞を歩き通すという、いってみ れば何の生産性もない行事である。高3となった甲田貴子は最後の「歩行祭」 でひとつの誓いを立てる。それは異母兄弟の西脇融に声をかけると言うことだった。 貴子と融、それを取り巻く友人達が、それぞれを気遣い支え合い、最後の「歩 行祭」を満喫している様子はとてもまぶしい。それは学生の時にしか味わえない ものである。学生時代はまだ長いと思っている中学生の皆さんに、ぜひとも「学 生時代だけの楽しみ」を感じてもらいたい。 国語科 佐藤由佳先生 推薦本 【文学分野】 星新一 『ねらわれた星』 (理論社) 星新一さんは、私が小学校高学年から中学生の間に読み続けたショートシ ョートという新分野を作り出した人です。特に、この中の「おーい でてこい」は当 時の私には強い衝撃を与えた作品です。今でも忘れられないし、時々読んでし まいます。本当に面白いですよ。ぜひ、読んでみてくださいね。 南野忠晴 『正しいパンツのたたみ方 新しい家庭科勉強法』 (岩波ジュニア新書) 貴女はどんな風にパンツを たたんでいますか?隣の席 のお友達はどうでしょう?こ の本の題名のように、「正し いたたみ方」なんてあるの? とすら思ってしまいますよね。 生活するってことは、こんな些細なことですら知らな いことが多いのです。でも、実際、学校を出て、社 会に出たら、その一員として何でも知っている風に 過ごしていかなきゃならないのです。この本では、生 活力をアップさせる鍵は家庭科にありということで、 現役の家庭科の先生が、10 代の貴女たちが知っ ておくべきスキルをいろいろ教えてくれています。 高橋一雄『つまずき克服!数学学習法』 (ちくまプリマー新書) 数学の勉強で自信を失って しまった人へのアドバイス満載で す。どこでつまづいたかを見直す 所からはじめましょう。とにかく、 あきらめてしまう前に、ぜひこの 本を開いてみましょう。 戻る勇気も必要です! こんな新書 入りました! 山口仲美『日本語の古典』(岩波新書) 奈良時代の『古事記』 から江戸末期の『春色梅 児誉美』まで、歴代の名 作 30 を取り上げ、言葉と 表現を切り口にその面白 さを解き明かしていきます。 著者の山口仲美さんは言 語学者で、『犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬 音語・擬態語が面白い』(光文社新書)を書かれ た方です。かつてNHKの「爆笑学問」という番組で、 あの太田光をタジタジにさせた方でもあります。エッ セイストとしても定評のある著者の元気な語り口を 楽しみつつ、古典の底力、日本語の魅力を再発 見できる、斬新な古典文学入門です マハートマ・ガンディ 『ガンディーの言葉』 (岩波ジュニア新書) 「インド独立の父」・ガンデ ィーの考えた理想の社会と は?彼の言葉からそれを考えてみましょう。 坂口孝則 『レシートを捨てるバカ、ポイントを貯めるアホ』 (朝日新書) 思わず題名にドキッとさせられる 1冊!私って、バカ?アホ・確かに、 なぜ、お金が貯まらないのかを考え てみると、この本が指摘しているよう にお金を何に使っているのか、支出 の把握がまったくできていないからかも!それなら、 レシートを集めて眺めようかという気になる。お店で 貯まるポイントの有効な使い方も教えてくれる!こ の本を読んで、賢くお金と向き合ってみませんか? 齊藤孝 『からだ上手こころ上手』 (ちくまプリマー新書) 今、巷で注目されているのがコミ ュニケーション能力!略してコミュ力!それを高める ために、この本では、「こころ」を「からだ」から整えて いくというスキルを身につけることを教えてくれます。 凝り固まったカラダからは緊張感を生むだけ、決して 他人との関係も上手に築くことはできません。相手 が感じとる「対人体温」を上げることが、コミュ力を高 めることになるのです。貴女も、「対人温度」をアップ させてみませんか? 2011年度 NO.2 2011年5月18日発行 京都聖母学院中学校高等学校 図書館 国 語 科 【文学分野】 ~ 国語科の先生 推薦本 ~ 和 田 雅 裕 先 生 オ ス ス メ 本 高校生にオススメ! (中央公論新社) 小説というものは人の心を対象として描かれると思っている。そして人の 心というものは形もなければ目に見えるものでなく、更にはそれを宿す本 人にも捉えどころのないものである。しかし、その得体の知れないものが私たちを 惹きつけて止まない。 宮部みゆき『あんじゅう』は、恋人の死により心を閉ざした娘「おちか」が黒白の 間という座敷で、胸に「不思議」を抱えた人の話を聞くという構成をとっている。 時代は江戸時代の設定ではあるけれども、そこに描かれる心は現代人の我々 と変わらない。「不思議」を語る人の優しさにほっとする話もあれば、人の心の浄 化できない闇を見せ付けるものもあり、なかなかに面白い。そこには一筋縄では 捉えることのできない心を有した「人間」が息づいている。人の心の機微を感じ 取らねばならない年代に入ってきた高校生の皆さんにおススメの一冊である。 こころが美しくなると 母をおもふ けしきが 【文学分野】 八木重吉 『信仰詩集 貧しき信徒』(新教出版社) 『八木重吉全詩集2』(ちくま文庫) 詩がとても好きです。貴女たちは、八木重 吉という詩人をご存知ですか?誰もが知ると いうものではないが、誰かの心には深く刻み込まれている― 宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語変調』 不思議 国語科 五十嶺真理子先生 オススメ本 ―。そんな詩人の一人だと思います。29歳で結核で亡くな った彼の生涯は、敬虔なキリスト者であったがゆえ、求道者 としての厳しさもあるけれど、人を愛し、自然と語り、病苦を 訴え、妻子の行く末を案じるという、当たり前の「暮らし」も描 かれています。短い言葉に込められた、彼の生きることへの 想いを感じてください。 仕事 キリストの名を呼ぶこと 人をゆるし出来るかぎり愛すること かなしみと それを私の一番よい仕事としたい わたしと そこいらが あかるくなつてきた 明るく かるげになってくる 母をつれて どんな不思議がうまれても てくてくあるきたくなつた おどろかないとおもえてくる 母はきつと はやく 重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだらう 不思議がうまれればいいなあとおもえてくる 信ずること 悲しみ 足をからませて たどたどとゆく 掲載した詩は 八木重吉「信仰詩集 貧しき信徒」より 高校生にオススメ! 国語科 佐藤由佳先生 オススメ本 【生物分野】 本川達雄『ゾウの時間 ネズミの時間』(中公新書) これは、仕事の帰りに本屋さんをウインドウショッピングし ていたときにたまたま見つけたものでした。この題名有名だ なぁと思いながら中をあけたら、表やグラフがあって、こりゃ 無理だ!と思ったけれど、一応読んでみると、文章自体は 難しくなく、しかも、どうやら時間はみんなに共通であるわけ ではないらしい……ということになって、ついつい買ってしまいました。 数学苦手、理科苦手でも読めますよ。ぜひ、読んでみてください。 国語科 小仲透先生 おススメ本 【言語分野】 山下景子『美人の日本語』(幻冬舎文庫) 日本語には、美しい言葉がたくさんあります。言葉には、 言霊といって、魂があると信じられていました。美しい言葉 の切れ端を、たくさん心に集めるだけで、魂が輝きだすか もしれませんね。 (あとがきより) 美しい日本語を、日めくりカレンダーのように一日一 語366日分を紹介してくれている素敵な1冊です。 3月29日 夜明けはきっとくる 日本の夜明けの表情は、とっても豊かです。 まず、暁。 昔は、夜明け直前の、まだ暗いころのことをいいました。 そして、東雲。東の空に、明るさが、わずかに動くころですね。 しだいに、明けゆく空を朝ぼらけ。 朝 で、すっかり夜が明けます。 だいぶ前に買って読んでいたのですが、最後まで読 めずに置いてあります。誰か読んで、最後はどうなった か、教えてください。 あした を駆使し、太宰治の自殺、遺書の謎を猪瀬直樹氏が描き切る。(小学館HPより) 突然、災害や災難に襲われることがあるかもしれません。 いやしい慾張りばかり。井伏さんは悪人です」――。関係者から得た新事実と精緻な推理 真っ暗な闇の中に、 こには、文学の師・井伏鱒ニに向けた言葉が綴られていた。「みんな、 突き落されるような思いをすることもあるかもしれません。 た。数日後、太宰による遺書の下書きが見つかったと新聞は報じる。そ でも信じてください。きっと、東雲の光が差し込む日が来ます。 流行作家の太宰治が東京・三鷹の玉川上水で心中事件を起こし いつまでこの闇が続くのかと思ってしまうかもしれませんが、 作家・太宰治の「遺書」の謎に迫る本格評伝ミステリー 必ず、夜明けは来るのです。 猪瀬直樹 『ピカレスク 太宰治伝』(小学館) 東雲 しののめ 国語科 石川典子先生 オススメ本 【文学分野】 2011 年7月4日 発行 京都聖母学院中学校・高等学校 図書館 数学科 田中寛先生 推薦本 【中学生向き】 ~数学科の先生方推薦本~ *黒田俊郎 『平面幾何のは・な・し 新編バイパス別巻』(三省堂) 数学科 清水温奈先生 推薦本 【中学生向き】 図形を研究する数学の分野を「幾何」とい います。この本では,直線や三角形,円などに ついておもしろそうな話題が紹介されています。 それらを工作や実験をしながら考えているうち に,自然に幾何の楽しさや素晴らしさを感じら れると思います。 例えば、ビリヤードで遊ぶにも、 数学は大切なのです。中高図書館にもこの本 はあるので興味のある人は、ぜひ手にとってみてください。 *逢沢明 『「数」と「図形」のおもしろクイズ』 (PHP研究所) 数学の問題を解いていて、“ひらめき”が大事なときって ありますよね。 「そんなん思いつかへん~~」って言葉、 みなさんからよく聞きます。 そこで、紹介したいのがこの本です。この本で特に注目 してほしいのは図形の問題です。数の問題もひらめきが 必要ですが、図形の問題はそれ以上です。 「あぁ、その手があったか」と感心させられます。この本の中で特に印象深かったの はマッチ棒の問題です。“ひらめき”が試されますよ。 柔軟な発想を鍛え、もう一度、「数」や「図形」の楽しさを味わってみてください。 脳力アップすれば、それをきっかけとして、数学もおもしろく感じ、未来の夢が開 けてくるかもしれません。友達と問題を出し合ったりして、楽しんでみてください。 1 数学科 吉岡満寿世先生 推薦本 数学科 天濃由美先生 推薦本 【中学生向き】 【中学生向き】 *富永裕久 『図解雑学 パラドクス』(ナツメ社) *中村亨 『インド式計算ドリル』 (晋遊舎) パラドクス…辞書を引くと「相互に矛盾する命題がとも に帰結し得ること。また、その命題」と説明されています。 だから、ちょっとしたトリックやパズルのようなものは本来パ ラドクスではありません。しかし、この本は専門の論理学 の本ではないので、「直感的には正しく思えるが実は誤 りである論理」や「直感的には誤りに思えるが実は正し い論理」などおもしろそうな話がたくさん取り上げられています。 インドに行かずとも、インド式の計算法が身に つくという素晴らしい計算ドリルです。私も持っ ていますが、なかなか最後まで目を通すところま で行き着かなかったのですが、これを機会にとう とう最後まで読みまして、インド式計算法の修行 第1ラウンド終了です。『計算のくふう』 は 18 こ紹介されています。マニッシュさん というインドの方と中村先生という数学の先生が『計算のくふう』 と数についての 雑学を紹介してくださいます。計算力をアップさせられるようなヒントがいくつも出 赤ちゃんを抱いた母親が散歩していたときのこと。突然ワニが現れて赤ちゃんを 取り上げてしまった。ワニの言うことには、この赤ちゃんを食べてしまおう。ただし、 おまえがこれからおれのすることを正しく言い当てたら赤ちゃんは返してやる。そこ で母親は答えた。・・・あなたは私の赤ちゃんを食べてしまいます・・と。 もしもワニが赤ちゃんを食べてしまうと母親の言った事は正しくなる→赤ちゃんを 返さなければならない→返すと母親の言った事は誤りになる→赤ちゃんを食べて もいい→食べてしまうと母親の言った事は正しくなる→赤ちゃんを返さなければな らない・・ワニの頭の中はごちゃごちゃ・・悩んでいるうち父親が駆けつけ、ワニを仕 留めてしまった。 てきますよ。 *吉田 和男監修 どりむ社編 『中学入試に挑戦!この算数が解けます か?』(PHP研究所) 中学入試?! 算数?! 挑戦したくなんかない!って 思うかもしれませんが、頭の体操と思って、ちょっと軽 い気持ちででも何問か挑戦してみてください。分野 別に分かれているので、自分の得意な分野だけでも見てみるとおもしろいかもし れません。各問題には難易度もついているので、パズルを解くみたいな感覚でや ってみたり、解答を読んで理解するだけでも発想力や推理力が身につきますよ。 私もちょっと挑戦してみましたが、なんだかちょっと賢くなったような?気がしま す・・・・・・。 というような感じです。他にも確率と統計のパラドクス、図形と計算のパラドク ス、無限と分割のパラドクスなど意外性に驚きを感じるような話がたくさん載って いるので、十分に楽しんでもらえると思います。 2 数学科 小泉千香子先生 推薦本 数学科 樋上泰弘先生 推薦本 【中学3年生以上向】 * 芳沢光雄 *プラトン 『テアイテトス』 (岩波文庫) 知識とは何か,真にものを知るとはどういう場合 を言うのか.当時行われていた三つの知識説をと りあげて批判しつつ,プラトンは哲学というものが, さまざまな角度と立場からの吟味や思考を要求する所以を我々に示している. 有名な無理数論やソクラテスの産婆術などのエピソードを交えたこの対話編の 面白さは尽きるところがない。【「岩波文庫解説総目録」より】 『人はなぜ数学が嫌いになるのか 好きと嫌いは紙一重』 (PHPサイエンス・ワールド新書) 日本は他国に比べて数学嫌いが多いんだそうです。 この本の著者が、数学嫌いの大学生にアンケートをとった ところ、数学が嫌いになった理由が、「公式をいきなり暗記 させられた」「ワンパターンの単純な計算ばかりやらされた」 「悪い点をとって先生や親に怒られた」etc、etc…。10 個以上の項目があげら 解説文を引用してしまうと、なんだか妙に難しい本のように思えますが、ソクラ れたそうです。皆さんの中にも、数学が苦手な人で、この項目が当てはまる人が いるかも知れません。でも、数学を嫌いにならないで!この本にもあるように、ちょ っとしたことをきっかけに、数学が好きになって「考える力」がつく可能性を持ってい るのです!数学は面白くて役立つ教科なのです。ぜひ、あきらめないで、チャレ ンジしてみてくださいね。 テスは、幾何学の天才であった若者テアイテトスを相手に、人間の経験のあらゆ る領域に及んで、知識とは何かを問いかける。「知識とは何であるか」の答えとし て、「知識とは、感覚である」「知識とは、真実の思いなしに言論を加えたもの」 「知識とは、正しい思いなしに差別性の知識を加えたもの」… というように、 徐々に深化していきますが、決定的な答えは出ません。 約 2500 年前の西洋 哲学草創期にあらわれたこの論考は、今を生きる私達にも哲学的思考を促し、 考えるための刺激となる数々の議論と、挑戦しがいのある難問に満ちているので す。会話形式になっているため、意外と読みやすいので、ぜひ挑戦してみてくださ い。 【図書館には、他にも著者・芹沢光雄の本があります!】 芳沢光雄 『数学で遊ぼう』 (岩波ジュニア新書) 芳沢光雄 『算数・数学が得意になる本』 (講談社現代新書) 3 【図書館からのオススメ】 小須田健・監修 『燃える☆哲学入門 古代ギリシア哲学から現代思想まで』(大和書房) プラトンを始め、偉大な哲学者の生涯、思想、名言を イラストと図解でわかりやすく紹介している本です。哲学 史の流れが一気にわかります。 数学科 清水温奈先生 推薦本 *ハンス・マグヌス エンツェンスベルガー (著) 数学科 田中寛先生 推薦本 【高校生向き】 丘沢 静也(訳) * 久我勝利 『図解雑学 数論とフェルマーの最終定理』 『数の悪魔―算数・数学が楽しくなる 12 夜』 (ナツメ社) 「フェルマーの最終定理」とは、今から約360年も前に、 フランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが残した超難 問である。 (晶文社) 数学が嫌い!!!という高校生。これは、あなたに向けて書 かれた数学の本です。 内容は、数学嫌いの少年ロバート の前に現れた数の悪魔が、毎晩夢の中で数学の魅力を 教えるというストーリー。 ここで登場するのは素数と無理 「 数、フィボナッチ数、パスカルの三角形、無限と収束、ウソつきのパラドックスなど で、いずれも数学の楽しさを味わうのにぴったりの題材です。実生活から離れた ものとして数学を捉えていた人に、数学が身近なものだということを教えてくれま す。数って不思議で奥が深いんだなあと感じることができるかも。それに、この本 は会話形式のストーリー仕立てなので、すんなり読めると思います。今まで数学 アレルギーに悩んでいた人でも、無理なく読めますよ。 「数学には興味がない」という人にはおすすめの 1 冊です。 【図書館からのオススメ】 寄藤文平 『数字のモノサシ 絵で見る数字の感じ方』 (大和書房) 私達の身の回りのありとあらゆるところには数字があ ります。毎日出逢う数字に少しだけ敏感になりそうな 1 冊です。 【高校生向き】 xn + yn = zn (n≧3)を満たす 自然数 x、y、z は存在しない」 数学が苦手な人が、この記号だらけの式を見たら拒否反応が起こるかもしれ ないが、要するにここに書いてある条件をみたすような x、y、z という自然数が 「存在しない」ことを証明すればいいだけだ。だが、一見、簡単に証明できそうな この問題には、無限、という底知れない罠が仕掛けてあった。天才と呼ばれた数 学者たちがこの問題に挑戦し、証明されるまでには 360 年かかったというこの超 難問。だが、この長い年月がまったく無駄ではあったわけではない。この問題の 証明の過程で、数多くの数学上の発見もあった。フェルマーの最終定理とその 定理に深く関わる数論について、様々なエピソードを交えてわかりやすく解説し てくれているこの本を読んで、数学の奥深い面白さにぜひ触れてほしい。 (本校図書館にもあります。) 4 数学科 天濃由美先生 推薦本 数学科 四方和貴子先生 推薦本 【高校生向き】 *町田彰一郎 『なぜ、その人は「計算」が「速い」のか?』 * イアン・スチュアート 『数学の秘密の本棚』 (東洋館出版社) (ソフトバンククリエイティブ) 実は、この本はまだ最後まで読めていません。でも、少し読 み始めたら、これは賢くなりそうな空気が流れて、なんだか自 分が賢くなってきた気がしてきてしまいますね。あんまり読んだら、 どんどんその気になってしまいそうなので、ちょっとずつ読んでい ます。高校生になっても、やっぱり計算が速く正確にできるようになりたいですよ ね。べつに知らなくても生きていけるけど、知っていたらなんだかちょっと得した気 数学が大好きな人にも,数学はちょっと苦手 …という人にも一度手にとってほしい一冊です。 マッチ棒パズルや一筆書きといった易しい話からリー マン予想やフェルマーの定理といった難しい問題まで、いろ んなお話が盛りだくさんです。お話だけではなくて、クイズありマジックありの一冊で す。短編になっているのでどこから読みすすめてもらってもOKです。あなたの数 分になるような雑学ってありますよね。自分でつかえそうな部分からできるだけ使 うようにして、身につけていってはどうでしょうか?“暗算の達人”になれるって書い てあります。全部読んだら、「読んで賢くなったみたい」って報告にきてくださいね。 学の見方が変わるかも!?ぜひ一度手にとってみて下さいね。 【図書館からのオススメ】 *ジョン・D・バロウ 『数学でわかる100のこと いつも隣の列のほうが早く進むわけ』 (青土社) なぜ空港や郵便局で列に並ぶと、決まってほかの列のほうが早く進むように感じ るのか?三角関係で悩むのは何故?ありふれた日常の出来事について、数学で 考えてみる。「よくあること」には必ず、数学の「よくある仕組み」が組み込まれてい た!世界のすべてを数字で語ってみよう! 【図書館からのオススメ】 *栗田哲也 『暗算力を身につける』 (PHP サイエンス・ワールド新書) 53×57 を暗算する方法知ってますか?10 の位は同 じで、1 の位を足すと 10 になる 2 桁の掛け算は、3 秒ほ どで答えが出るんですよ。華麗なる暗算の技術をみにつ ければ…もしかしたら、数学の点数も up↑するかも(^_^.) 5 図書館からのオススメ 数学に関する本 * 高橋誠『かけ算には順序があるのか』(岩波科学ライブラリー) いま小学校の算数で「6 人に 4 個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要です か」という問題に、6×4=24 という式を書くとバツにされる。かける順序は本来 どちらでもよいはず。今から、35 年以上前にも、このかけ算の順番に関しての 討論が新聞紙上を賑わしたこともあったほどでした。今も、学校の先生は順序 には意味があり大切だと言います。逆に、数学専門の研究者は順序にこだわ るのは意味がないと主張します.今も、ネット上で、話題に上ることが多いこの かけ算の順序問題、あなたも一度考えてみませんか? *仲田紀夫 『数学トリック=だまされまいぞ!数学発想クイズ』 (講談社ブルーバックス) 数学トリックに挑戦!平安時代、絶世の美女とい われていた小野小町。彼女に求婚した男は多数い たが、最も熱心だったのが深草の少将。小町から「百 夜続けて通ったら結婚しよう」と言われた彼は、九九 夜熱心に通ったものの、あと一夜というときに急死し てしまったという。後に老いて友人のいなくなった彼女 は、「1 2 3 4 5 6 7 8 9」の数列の間に「+、-、×、 ÷」を入れ、「99」や「100」を作って少将を思い出すことに熱中したという。さて、 どうやったのでしょうか? * 畑村洋太郎『直感でわかる数学』(岩波書店) この本はこんな人に最適です。数学なんてキライだという人・ラク して数学がわかりたい人・問題は解けるのになんかモヤモヤする 人・・・。数式でなく、絵で理解する、世にも不思議な数学の本。 驚きの直感的説明が、あなたの苦手意識をきれいさっぱり吹き飛 ばします。「わからない」を「わかる」に変え、「わかる」を「使える」へ と変えるのです。数学は、わかったら使わなければモッタイナイ。「失敗学」のハタ ムラ式数学、本質がズバリわかる。1 巻目でスッキリしなかった人の為に、続刊も 出ています。 【著者の畑村氏は、政府の東京電力福島原子力発電所における事故調 査・検証委員会委員長任命され、今注目度 up の人です。】 * 吉永良正『アキレスとカメ パラドックスの考察』(講談社) もうこれは、哲学の領分かもしれません。アリストテレスの 『自然学』のなかにあるゼノンの四つのパラドックス=おかし な話の一つが、有名な「アキレスとカメ」。「走ることの最も 遅いもの(カメ)ですら、最も速いもの(アキレス)によって決 して追いつかれないであろう」というのです。「アキレスがカメ に追いつけないなんて、ありえな~い」と秘かに思っているあなた、このパラドックス のトリックを見抜けますか?イラスト満載でわかりやすいです。ぜひ、手にとってペ ージをめくってみてください。 6 2011年度 NO.3 ~社会科の先生方 松井順太郎先生 オススメ ★飯塚信雄 『フリードリヒ大王 推薦本~ 【世界史分野】 ~啓蒙君主のペンと剣~ 』 (1993 年刊・中公新書) フリードリヒ大王は、18 世紀プロイセン(現在のドイツの一 部)の国王です。フリードリヒⅡ世とも呼ばれ世界に知られる名君 主です。大王が面白いのは、学問や芸術に実に造詣が深い点 です。幼少~青年期は、軍事が最優先であるという父親フリー ドリヒⅠ世の考え方とやや対立することがありました。皇太子時 代に、飢えに苦しむ農民を救うために、当時南米から上陸したば かりのジャガイモとその栽培方法を自らの手で得ようとしました。 フランスへ出発しようとした当日、父Ⅰ世とトラブルになります。 Ⅱ世が国王に即位すると、哲学者ヴォルテール、音楽家 J.J.クヴァンツや J.S.バ ッハの次男である C.P.E.バッハなどを宮廷に召し抱えます。学芸には僅かにお金 を使ったようですが、それ以外の大王の生活は実に質素なものでした。隣国フラ ンスやオーストリアの王室の食事が 1 食 1 人 100 皿以上 出されていたのに対して、フリードリヒ大王の食卓はせいぜ い数皿という倹約に徹したものでした。なぜか尊敬して憧 れてしまうフリードリヒⅡ世、一度読んでみてください。 2011年10月31日発行 京都聖母学院中学校高等学校 図書館 社会科 大迫孝士先生オススメ 【世界史分野・高校生向き】 ★鈴木紘司 『イスラームの常識がわかる小事典』 (PHP新書) 仏教・キリスト教と並ぶ世界三大宗教のひとつでありながら、 日本でのイスラーム(イスラム教)に対する理解はまだまだという よりも、かえって誤解をされて伝わっているのでは?と思うシー ンがテレビ番組の中に、日常の授業の中にもあるように、地 理を専門にするものにとっては感じています。決してテロは 宗教の個々の性格のせいでもなく「過激な原理主義者」(これ はどの宗教にもありうる)のせいなのにね。この世界で一番信者数 が多いとされる宗教を、授業でもバランス感覚をもって伝えられるよ うにと紐解いたのが、この本でした。どちらかというと世界史や現代社会を学ぶ高校 生向けのレベルですが、日本人でもめずらしいイスラーム圏の大学を卒業し、現地 生活も長い「ムスリム」(男性信者のことをいいます)の手による、イスラームの立場 から教義や歴史、中東情勢に至るまでをわかりやすく説いた入門書です。 森本真紀子先生オススメ 【日本史分野・高校生向き】 ★美川圭 『院政 ~もうひとつの天皇制 』(中公新書 2006 年) 院政とはすでに譲位した上皇(院)による執政をいう。平安 後期には白河・鳥羽・後白河の三上皇が百年余りに渡って 専権を振るい,鎌倉初期には幕府と対峙した。承久の乱の敗 北後,朝廷の地位は低下したが,院政自体は,変質しなが らも江戸時代まで存続する。退位した天皇が権力を握れたの はなぜか。その権力構造はどのようなものであったか。律令成立期から南北朝期ま で,壮大なスケールで日本政治史を活写する。 (出版社/著者からの内容紹介) 日本史の専門的な本なので,少し難しいかもしれませんが是非手にとってみてく ださい。後三条天皇の子である白河は何故院政を始めたのか。どうしてこの時期だ ったのか。そして彼の孫にあたる崇徳と後白河は何故保元の乱で争うことになった のか。その全てがここにあります。摂関政治や平清盛に焦点が当てられがちな平安 時代ですが,この本を読めばきっと教科書の中の「院政」が色鮮やかに見えるはず です。 樋口拓先生 オススメ本 【世界史分野】 ★塩野七生 『コンスタンティノープルの陥落』 (新潮文庫) 一都市の陥落が一国家の滅亡につながる例は、歴史上、 さほど珍しいことではない。だが、一都市の陥落が、長い 年月にわたって周辺の世界に影響をあたえつづけてきた 一文明の終焉につながる例となると、幾例を数えることが できるであろうか。…(中略)…コンスタンティノープルは、滅 亡の日が明らかであるだけでなく、誕生の日もはっきりしてい ることでも、珍しい都なのであった。 (本文より抜粋。) ローマ帝国興亡の歴史を描く『ローマ人の物語』の作者である塩野七生さんの 著書。この本は、地中海の覇権争いを描いた3部作の第1作目。東ローマ帝国の 首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、 しかし次第に衰え、15 世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃 の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。シリーズは、『ロードス島攻防 記』『レパントの海戦』へと続く。あわせてこちらもぜひ。 池上浩之先生オススメ本 ★長谷川英祐 『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書) アリといえば、働き者の代名詞。しかし、著者の長谷川氏らの 研究によると、実は働いているアリは、たったの 2 割。7 割のアリ は、ただうろちょろしていたり、ボーっとしていて、残り 1 割のア リは一生働かないらしい。この割合が巣を守るのだという。 アリやハチなどの集団社会の研究から動物行動学と進化生 物学の最新知見を紹介。人間が思わず身につまされてしまうエピソードを中心に、 楽しみながら最新生物学がわかる科学読み物。【Bookデーターより】 後半は難しいですが、題名に惹かれて手に取った人、ぜひ前半だけでも読んで ほしいです。 2011年度 NO.4 ~理科の先生方推薦本~ 熊坂恵美先生 オススメ 【科学(物理)分野】 ★柳田理科雄 『空想科学読本 10』 (メディアファクトリー) 「アルプスの少女ハイジ」のオープニングでハイ ジが乗っているブランコの速さは?とか、アンパン マンの顔の重さは?など素朴な疑問について科 学的に考え、ユーモアをまじえて書かれた本のシ リーズです。南館 2 階の公衆電話の前に貼って ある図書館通信を本にまとめたものなので、内 容的には見たことのある人もいると思います。 (先日は、2 階から目薬が可能か?という内容で した。)「おもしろそうだけど、読んでもよくわからないかも…」と思うあなたに!!! この 10 巻には DVD がついていて、柳田理科雄さんと関根勤さんが上記のような内容で楽 しく対談しています。短い DVD ですが、小学校 5 年生の娘も楽しんで観ることがで きました。この本で興味を持った人は他の巻についても読んでみてください。「きたろ うの目玉の親父は頭(?)が重すぎて、茶碗風呂に入ると支えきれなくて頭からお湯 に入ってしまって危険!!!」といった内容が掲載されている本(巻)もあります。 毎週が届いている「空想科 学図書館通信」は、南館 2 階 公衆電話付近に掲示、図書館 にもファイリングしています。 ぜひ読んでくださいね。 (図書館より) 2011年11月11日発行 京都聖母学院中学校高等学校 図書館 理科 栗栖弘昌先生オススメ 【高校生向き】 ★マイケル・ファラデー・著/竹内敬人 ・訳『ロウソクの科学』(岩波文庫) 私が高等学校の時、予備校の帰りに書店で偶 然に手にした一冊です。それまで、私は文系大学 進学希望でしたが、理系大学に進路変更する(自 分も理系の勉強が出来るかも!と感じた)きっかけ になった書物です。一本のロウソクの燃焼を題材と して、少年少女に語りかけ、実験をくりひろげる名 講義の文面で化学の基本的な視点や観察方法、考察過程を実演しています。 偉大な科学者になったファラデー(1791-1867)が、もっとも愛した本書は、今なお 科学の精神を生き生きと伝えています。現代の読者のために詳細な訳注を引用し ておきます。150 年以前の時代では常識であったことでも、今日では想像しにくいこ とがらがあるので、1860 年代にタイムスリップできるように種々の工夫が加えられてい ます。現代の若人だけでなく、中年・熟年の世代も楽しめるような翻訳です。 理科 川端善仁先生 オススメ ★川口淳一郎『はやぶさ、そうまでして君は ~生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話~』(宝島社) 探査機「はやぶさ」の功績はいろいろと報道されていますが、 「はやぶさプロジェクト」のプロジェクトリーダーが著しただけあって、裏話などが知れて 面白いです。特に、「はやぶさ」を打ち上げるまでの話や困難続きだった「はやぶさ」 を支えた技術者たちの想いに感動しました。この本を読んで、あらためて、日本人 の技術と知恵のすごさを知ることができました。 理科 振本弓子先生 オススメ ★湯浅浩史・文/矢野勇・写真 『花おりおり』(朝日新聞社) 朝日新聞に掲載されていたコラムを数冊の本にまとめたもの です。身の回りでよく目にする植物が取り上げられていて、短 い文章の中に植物的な説明と共に、古来日本人はどれほど 密接に植物と関わってきたかとか、日本の自然はどれほど豊か であったかなど、民俗学的な見地から、ときには文学的な見 地から、やさしい言葉で説明されています。目的の植物も見つ けやすく、植物図鑑によくありがちな「なかなか見つけられない!」というイライラもあ りません。美しい写真を見ながら想像を膨らませて、時間と場所を一気にワープし て、夢の楽園を旅してください。豊かな気分に浸れる、ちょっとお得な 1 冊です。 理科 岩山知依先生 オススメ 【科学分野】 ★赤星たみこ 『もったいないぞ!エコの国ニッポンの知恵』 (毎日新聞) この本は地球を守るためにできる簡単な一歩について、マンガ とエッセイをおり混ぜながら書かれていて、とても読みやすいです。 4章に分かれていて、第1章には「リデュ-ス ごみを減らす」、第 2 章には「限りある資源 水」、第 3 章には「エネルギーを無駄遣 いしない」、第 4 章「エコジカルな洗い方」について、いろいろな実践 例を挙げてわかりやすく書かれています。特に私が興味をもったのは、 第1章にあった「罪のごみ」についてです。「罪のごみ」というのは手つ かずのまま捨てられる食品のことで、食品廃棄物の 1~3割が罪のごみだそうです。 罪のごみを減らすには、まず買い物に行く前に冷蔵庫をチェックすることが大切です。 そして食べられるものを捨てるのは罪だという意識をもつことが大切です。気がつくと 賞味期限が切れていた・・・ついついやってしまいがちです。これを未然に防ぐために 著者がしていることは、レシートを冷蔵庫に張っておき、在庫の食材が一目でわか るようにすることです。確かにわかりやすい!でもレシートが何枚にもなったら見にく い?何かいい方法はないかな?といろいろ考えさせられる本でした。他にもいろいろ な実践例があります。是非、読んでみてください。 理科 野津手文先生 オススメ 【天文分野】 ★星座天文萌研究会編著 渡部潤一監修 『星座・天文 萌えて覚える宇宙の基本』 (PHP 研究所) 貴女は星を見るのは好きですか?秋の夜長。ふと夜空 を見上げて、宇宙に想いを馳せてみては・・・?この本は、 天文を楽しんでもらうために作られた 1 冊です。星座を知る 上での基本の「星座編」、さらに「太陽系編」、「星雲・星団 編」、「宇宙の謎編」から構成され、ページをめくる毎に次々に現れる萌えキ ャラクターに誘われて、楽しく天文の基礎を学ぶことができます。宇宙の基本 的な解説や興味深い事柄を解説してくれるコラムも満載です。専門書を苦手 とする人や初心者にもおすすめです。 ぜひ・・・。 理科 藤田江身先生 オススメ ★埴沙萌(写真・文) 『きのこ ふわり胞子の舞』 (ポプラ社) 「きのこからけむりが出ています。 森のきのこからも、よく知っているシイタケやナメコからも。 このけむり、一体…?」 秋です。きのこの季節です。図書館で素敵な写真集をみつけ ました。きのこが胞子を飛ばす瞬間をとらえた貴重な写真絵本で す。きのこがなぜあんな不思議な形をしているのかという謎もこの 本で解明できます。肉眼ではなかなか見れない決定的瞬間 ぜひあなたも体験してみてください。 追伸:ちょうど、図書館でも「きのこの本 特設コーナー」がつくられています。ぜひ そこに並んでいる「きのこの本」にも手を伸ばしてみてくださいね。ただし、野山に生え ている「きのこ」には決してむやみに手を伸ばさないこと!毒キノコに注意です! 2011年度 NO.5 ~家庭科・宗教科の先生方推薦本~ 2012年3月5日発行 京都聖母学院中学校高等学校 図書館 家庭科 宮本広子先生 推薦本 家庭科 高平操先生 推薦本 【文学分野】 【家庭科,食物,栄養学分野】 梨木香歩 『からくりからくさ』 (新潮文庫) 生田 哲 『食べ物を変えれば脳が変わる』 (PHP 新書) 各種ビタミン・ミネラル・DHAなどがどれだけ脳にとって大切なのか・・・ 白砂糖・カフェインの取り過ぎがいかに危険なのか・・・ 亜鉛・セレン・アルギン酸の解毒剤としての効き目は・・・ などが、多数の実験結果とともにも紹介されており、分かりやすく解説されています。 皆さんもよく知っていることもあると思いますが、食べることはお腹を満たすだけでなく、 体に影響を及ぼすもの。自分のために、体や脳に良いものを選んで食べ、学校生 活を頑張ってみませんか?? 体の器官の中で、脳は一番大食漢 大食漢(食いしん坊)だそうです。 大食漢 脳に良い栄養素をどんどん取り入れ、自分の脳を変身させて みませんか?現在は、脳にとって有害な食生活をしている子 ども達が沢山いると危惧されています。自分の生活を見直す 時に、食生活の改善ということも考えてみませんか? 祖母が残した古い一軒家にその孫を含めた若い女性4人 が共同生活を始めることになるところからこの話は始まります。 『りかさん』という不思議な人形を介して、その4人の不思議 な繋がりが少しずつ見えてくる。染織に携わる人や機織をする 美大生が登場するので、随所に散りばめられた染織や機織に関す る独特な内容も興味深く読むことができるし、それがまた物語とうまく絡み合ってい て・・・『りかさん』という人形がこの物語の鍵を握っていますが、この人形のとらえ方、 存在の仕方がとてもユニークで私にとってはとても新鮮でした。異次元的ででちょっと 不気味なところもありますが、先が気になってサラサラと読んでしまった1冊でした。 宗教科 梶山満夫先生 推薦本 山浦玄嗣『ガリラヤのイェシュー』(イー・ピックス出版) 聖母の生徒ならみんな持っている聖書。授業で出会った新 約聖書の文書を見たとき、なんとなく説教されているみたいな感 じ、しませんか? ナ、ナント! この聖書は、今も日本のどこかで話されている 方言で書かれているのです。もう ビックリ、そして ワッハッハ! 【宗教分野】 図書館で 特設コーナー 開設中! 中央公論新社が主催する「新書大賞」は、1年間に刊行されたすべて の新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。 第1回 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 (講談社現代新書) 第2回 堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ』 (岩波新書) 第3回 内田樹『日本辺境論』 (新潮新書) 第4回 村山斉『宇宙は何でできているのか』 (幻冬舎新書) を大賞に選出し、読書界に大きな反響を呼びました。 山下道明校長先生 お勧めの新書 山下道明校長先生が、「先日読んで面白かった」と 「SEIBO LIFE」の中で紹介されている福岡伸一 福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は、この 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書) 「新書大賞」の第1回目の受賞作でした。2009年度 の図書館からの新書案内で、理科の先生方がこの本 を紹介されていました。やはり良いものは良いようです。ぜひ、この機会に手にとって みませんか? *内容は非常に高度で、文系の生徒にとっては難しい内容です…。ただ、分子生 物学を知らない読者を想定して分かりやすく書いてありますし、学問の内容だけで はなくて著名な学者の裏話まで書かれていますので興味を持ってもらえるのではな いかと思います。「生命とは何か」という問いには今の科学では答えることができませ んが、生徒たちが生命について考えるきっかけになるのではないでしょうか。この本を 読めば、きっと分子生物学を勉強してみたくなります。新書大賞とサントリー学芸 賞をダブルで受賞されています。著名な作家の方々からの推薦も相次いでいます。 (理科 野津手文先生) 第5回にあたる今年の「新書大賞2012」は、橋爪大三郎・大澤真 幸『ふしぎなキリスト教』 (講談社現代新書)が大賞に輝きました。 新書大賞 2012 ベスト5 1 位 橋爪大三郎『ふしぎなキリスト教 ( 講談社現代新書 ) 橋爪大三郎『ふしぎなキリスト教』 ふしぎなキリスト教』 2 位 古川隆久『昭和天皇』 (中公新書) 3 位 中野剛志『TPP (集英社新書) 中野剛志『TPP 亡国論』 4 位 瀧本哲史『武器としての決断思考』 (星海社新書) 5 位 辛酸なめ子『女子校育ち』 (ちくまプリマー新書) *生物Ⅰを履修した人なら楽しめるはず !!生物とは?という内容よりも「ワトソンと クリックは悪い人だった!」とか、「エイブリーとはどんな人?」とか生物の教科書に出 てくる偉人について、その舞台裏がまるでドラマのように描かれています。是非、読ん でみてください。 (理科 熊坂恵美先生)