...

ディズニーの空間について 経営情報学部 寺島 和寿

by user

on
Category: Documents
27

views

Report

Comments

Transcript

ディズニーの空間について 経営情報学部 寺島 和寿
ディズニーの空間について
経営情報学部 寺島 和寿
☆バーム
事前学習である程度予習はしていたバームという外から中、中から外が見えないようにし
ている手法であるが、ここまですごいとは実際に目にして改めて感じました。まず夜行バ
スが止まった駐車場からは夜行バスの中からはもちろんどの角度から見ても園内の周りを
木で囲っており、さらに中にある建物や外にある建物が中の様子を見えないようにするな
どの工夫が凝らされていました。
しかも、それが露骨にわかるのではなく、ディズニーの空間にマッチした形で木が植えて
あったり、建物が配置されていたりするため、見ている側を不快にさせることなく、むし
ろ入園する前からもうディズニーの空間に入っているのではないかという気持ちになりま
した。
☆パークの外の建物
パークの外の建物はあまり高さがないことを軽く本では学んでいたが、ホテルや駅などは
ディズニーの中が見えないようにある程度一定の高さになっていました。
またディズニーから駅に向かうまでの道に歩道橋があるが、そこからもディズニーの中が
見えることがありませんでした。
昔個人的にディズニーに旅行に行ったとき、駅近くのホテルに泊まったことがあるが、ホ
テルの窓からは基本的にメインシンボルのお城と入場ゲートしか見えませんでした。
※赤線はホテルの高さです
帰りにも気が付いたことがありました。入場ゲートを出たときの照明の明るさがそこまで
明るくなかった点です。個人的な考えを述べると、パークを出たときに明るすぎると余興
を壊してしまうからではないか。すぐに明るいところに出ると少なからず周りの建物や何
らかのものに目が行ってしまいます。出たところを暗くすることによりまだパーク内にい
る感覚を維持しやすいからではないだろうか。しかしながら暗いことによる弊害もあると
感じました。ディズニーランドは駅前だということで明るさはあったがディズニーシーの
場合暗すぎて周りが把握しにくいと感じました。
スケール感
☆遠近法
ディズニーの建物は様々なところに遠近法が使われており全体的に下は大きく上は小さく
見せることにより迫力のあるように見せることができます。
たとえば本にもあったレンガの話と似ているが、ディズニーシーのインディージョーンズ
のピラミッドに使われていた。拡大するとわかりやすいのだが、下のほうはとても大きい
石を積んでおり、上のほうは小さい石を積み上げ、傾斜を急にしているのがわかります。
真下に立つとすごく迫力が伝わってきました。
またエイジングという建
物を古く見せる技法も用
いられていたことに気が
付きました。
アトラクションに並んで
いる祭に石段に近づくこ
とがありよく見てみると
黒くくすみがかった部分
を見つけました。その際に
触ってみると劣化して黒
くなったというわけでは
ないということがわかり、
この黒味で建物に迫力を
もたせているんだなと感
心しました。
☆BGM
各アトラクション付近で
は様々なBGMが流れて
いました。本にも書いてあった園内に入園するまでの曲はスローテンポで、入場してから
の曲はアップテンポな曲になることは確認することができました。
ディズニーランドは各区間ごとで音が変わるようになっていてアトラクションなどに応じ
ても曲が変わるのだが、一定の区間を移動するとその音は耳に入ってこなくなりました。
具体的な例を挙げるとカリブの海賊からジャングルクルーズへ向かう途中驚くことに音楽
が4回も変わっていました。しかし音が交わって不快な思いになることはありませんでし
た。場所に応じて音をけして場所に来園者がディズニーのキャラクターになっていると錯
覚できるようになっていました。また音の消えかたもすごかったので紹介しようと思いま
す。
この写真はウエスタンラン
ドとアドベンチャーランド
の境目ですが、
赤い部分で聞こえてくる音
と、緑の部分で聞こえてくる
音は違っており、緑のゾーン
に入ると赤のゾーンで聞こ
えてくる音は確実に消えま
した。
スピーカーの向きや、音を遮
る建物などを利用している
ことが分かりました。
またこれは私が見た中での
ことだが、音が移り変わる場
所の近くではポップコーン
やチュロスなどが売ってお
り、いい匂いが漂ってきます。
音の移り変わる場所では匂
いに意識を持っていかせて
いるのではないでしょうか。
☆ディズニーキャラクターは絶対に一人
ディズニーランドにいるキャラクターは絶対に一人ということが書かれていたかどうだっ
たかを調べてみました。タイミングよく、ちょうどトゥーンタウンにいたときにパレード
をやっていたらしく、ミッキーの家の前にいくと、ミッキーは留守ですみたいな看板が置
いてあったので本当ではないだろうかという結論に至りました。こういったストーリー性
を重視していることは大切であると思いました。
バリアフリー
今回私がディズニーランドで最も力を入れて調べたのがバリアフリーです。
まずこの画像を見てもら
いたい。
この画像に写っている木
の模型はスケールモデル
といい、アトラクション
個々の乗り物の形状を表
しています。
なぜこんなものがあるの
かというと、視覚障がい
者の方が乗り物に乗る際
にある程度の乗り物の知
識を知ってもらうことに
より安心して乗ってもらえるように用意しているそうです。実際に目の見えない方の立場
にたって考えてみると自分が座る乗り物の形を理解したほうが乗りやすいだろうし、ある
程度の不安も解消されるだろうと思った。しかしながら、ディズニーのスタッフの方に話
を聞いてみると、普段この模型を使われる方は1日に1人いるかいないかだそうです。こ
の点に関して言えば認知度が低いのではないだろうかと感じました。
次に見てもらう写真は音声案内システムです。
これも視覚障がい者向けに用意されて
いるもので今いる場所やアトラクショ
ン情報(ストーリー)などを聞くことが
できる。大体1日に3台ほど貸し出され
ています。
機械を覆っているカバーには点字が施
されており、使いやすいよううになって
います。
次に紹介したいのがインフォメーションブックとインフォメーションCDです。
インフォメーションCD(図左)はディズニーができるまでの話から施設紹介、食事場
所、スケールモデルの説明などが収録されており、これを聞けば大体のディズニーランド
の地図がわかるようになっています。また、障害のある方がわかりやすいように、黄色い
紙(CD左)には点字処理も施されており、素晴らしい気配りだなと感じました。
このCDは事前にディズニーに連絡すれば送ってもらえます。当日でも東京ディズニーリ
ゾート・ウェルカムセンターとディズニーシーゲストリレーションでもらえることを確認
したほか、ディズニーランドメインストリートハウスでももらえるそうです。
右のインフォメーションブックは、車いすが利用できるトイレの位置やAEDの設置場
所、アレルギー情報そして障害を持つ方がアトラクションに乗る際に車いすのまま利用で
きるかそれとも同伴者がいれば乗れるのかなど様々なことが細かく書かれており、どのア
トラクションに乗れるかなどをあらかじめ知ることのできるようになっています。
実際に読んでみると、パレードの際に車いすの方用の場所や、補助ベッドのサイズなどが
書いており、どん
な来場者でも楽し
みやすい仕組みが
確立されていまし
た。
最後に紹介したい
のがゲストアシス
タンスカードです。
このカードはファストパス同様一定の時間がこれば優先的にアトラクションが乗れるカ
ードです。しかしファストパスと違う点があり、時間になり、このカードを見せること
により特別なゲートから入ることができます。車いすの方や妊娠されている方がファス
トパスのゲートで並ぶことにより何かしらの問題が起こるのを回避するためだと思われ
ます。
たまたまではあるが、車い
すに乗った方とお話をで
きる機会がありいくつか
お話を聞かせてもらった
とこと、「このゲストアシ
スタントカードがすごく
役に立った」という話を聞
くことができた。ファスト
パスの場合早く入れると
はいうものの、ファストパ
スゲートから並ぶ際に急
な坂道などがあると、車い
すでは上り辛かったりす
るのでこういう仕組みが
確立されていることによ
りありがたいそうです。
また、ディズニーからアン
バサダーホテルに行く際
のバスにも心遣いが見え
たとおっしゃっており、普
段乗るようなバスだと、車
いすが乗る際バス停ぎりぎりにバスを付けるためどうしても車いすが乗るときに急な坂に
なることが多いらしいのだが、ディズニーのバスは、適度な間隔をあけており、乗りやす
かったそうです。
今回の研修を受け、ディズニーはバリアフリーにすごく力を入れていると改めて感じさせ
られました。特に車いすに乗っている方の話を聞いたときに、知っている話が多く出てき
たが、それでも実際に困っている人からしてみたら、感じ方が全然違うということを知り、
そしてなによりも何一つ不便なことを感じなかったという言葉を聞き、驚愕しました。
Fly UP