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石油連盟プレゼン資料(PDF形式:1431KB)
石油業界の 改正省エネ法ベンチマークについて 2009年8月19日 石油連盟 1 1.石油連盟とは ・石油精製・元売16社(2009年8月現在)で構成される業界団体 出光興産株式会社、東燃ゼネラル石油株式会社、東亜石油株式会社、 鹿島石油株式会社、太陽石油株式会社、富士石油株式会社、コスモ石油株式会社、 極東石油工業株式会社、三井石油株式会社、昭和四日市石油株式会社、 昭和シェル石油株式会社、新日本石油株式会社、新日本石油精製株式会社、 株式会社ジャパンエナジー、エクソンモービル有限会社、西部石油株式会社 ・事業内容 石油に関する知識の啓発及び普及宣伝に関すること 石油業に関する意見の発表及び建議に関すること 内外石油事情の調査研究及び統計に関すること 大規模石油災害対応体制整備事業等補助事業に関すること 会員会社相互の連絡、融和及び親睦に関すること ・機構概要 流通委員会 専門委員会群 環境安全委員会 技術委員会 理事会 常務会 税制・財務委員会 製造技術専門委員会 ・・・石油精製技術を管掌 運輸委員会 政策委員会 広報委員会 備蓄委員会 2 2.石油産業におけるエネルギー効率指標の特徴(1) 【特徴1】需要量に応じた製品生産を求められる 国民生活・産業活動の基礎物 資である石油製品を需要に応 じて安定的に供給する責務 国内燃料油需要量(百万kl) 国内燃料油需要量(百万kl) 260 250 240 230 需要動向、景気、気候条件、 自然災害、国民のライフスタイ ルの変化等、による需要変化 に対応する必要がある 220 210 200 190 年 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 180 1990 国内燃料油需要量(百万kl) 270 度 出典:資源・エネルギー統計 石油製品需要量は毎年変化する 生産量・構成に応じて エネルギー使用量が増減する 自らの省エネ努力を評価可能なベンチマークとしては 「エネルギー効率指標」が望ましい 3 2.石油産業におけるエネルギー効率指標の特徴(2) 【特徴2】需要構成に応じた製品生産を求められる エネルギー効率指標の分母としては「製品生産量」が単純かつ明快だが、 石油産業特有の事情から、生産量原単位ではエネルギー効率を適切に反映できない 軽質油 ■我が 国の石油製 品別(燃料 油)需要の推 移 グラフ内:需要 量構成 比 グラフ外:需要 量(千 kl) ジェット燃 料油 2% ガソリン 1990年度 21% 3 5% ナフサ 灯油 軽油 A重 油 14% 12% 17% 13% B・C重油 21% 合 計 210,812千kl 軽質化 率(79%) 3% 27% 2007年度 4 9% 10% 22% 16% 10% 1 2% 合 計 218,478千kl 軽質化 率(88%) 分解装置 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 重質油 ※ 軽質化率 =(ガソリン∼A重油の需 要量)/合計需 要量 出典:資源・エネルギー統計 製品の軽質化:重油の需要は減少し、ガソリン・ナフサ等の軽質製品の需要が増加する 重質油を分解して軽質製品原料を得るための、 分解装置等のエネルギー使用量が増加する。 4 2 .石油産業におけるエネルギー効率指標の特徴(3) 【特徴3】製油所間で処理原油・生産構成に相違があり、各々の条件に最適化された 装置構成をとっている 【処理原油】 軽質 (アフリカ・ 北海産等) 【装置構成】 【製品】 直留型 比較的軽質な原油を処理している製油所に多い ナフサ ガソリン 灯油 ジェット燃料油 軽油 重油 アスファルト ・・・等 製品基材 重質軽油 脱硫装置 重質 (中東・南方系等) 分解型 比較的重質な原油を処理している製油所では 熱分解装置等を用いて重質油を分解している 重質軽油 重質油 製品基材 脱硫装置 熱分解装置 製油所間の装置構成の相違を補正して、相互比較を可能にする必要がある 5 2 .石油産業におけるエネルギー効率指標の特徴(4) 指標設計にあたっての基本的考え方 (1)全体需要量に応じた生産を求められる (2)需要構成に応じた生産を求められる (3)製油所間で装置構成に相違がある 考慮 エネルギー効率指標が望ましい 6 3 .石油業界のベンチマーク(1) 実際に使用されたエネルギー量 石油業界のベンチマーク = 当該装置構成・通油量で標準的に使用されるエネルギー量 (仮称:BM) (標準エネルギー使用量) 標準エネルギー使用量 = (装置毎のBM係数×装置毎の通油量) 「標準エネルギー」とは「ある装置構成において、与えられた稼働率で標準的に使用 されるエネルギー量」である。 標準エネルギーに基づくエネルギー効率指標は、石油業界では世界的に使用されて いる実績がある。 7 3.石油業界のベンチマーク(2) BM係数とは 通油量当たりの エネルギー使用量 通油量当たりのエネルギー使用量の 平均値をBM係数とする BM係数は装置毎の通油量当たりのエネルギー使用量の 世界平均値から導出されている。 装置ごとのデータプロット (全世界の製油所データベース) 装置能力 米ソロモン社の保有する世界約340製油所(全世界の原油精製能力の約85%を網羅) のデータベースに基づいて算定されており、その統計学的精度は非常に高いと考えられる。 日本国内30製油所のデータからの係数算定も技術的には可能であるが、標本数の少なさ から、統計学的精度が極めて低くなる。 (例) 常圧蒸留装置・・・ソロモン:557/国内:44 接触分解装置:ソロモン211/国内:28 8 3.石油業界のベンチマーク(3) BM計算の例 実際のエネルギー使用量:500,000 ナフサ等 ガソリン 常圧蒸留装置 通油量:10,000千kl BM係数:A 接触改質装置 通油量:2,000千kl BM係数:C 軽油 減圧蒸留装置 通油量:2,500千kl BM係数:B 間接脱硫装置 通油量:2,000千kl BM係数:D 接触分解装置 通油量:1,500千kl BM係数:E 重油等 上記のような装置構成の製油所のBMは下記のように計算される BM = 各装置の 標準エネルギー の和 実際の エネルギー使用量 500,000 10,000×A + 2,500×B + 2,000×C + 2,000×D + 1,500×E 常圧蒸留装置 減圧蒸留装置 接触改質装置 間接脱硫装置 接触分解装置 9 3.石油業界のベンチマーク(4) バウンダリーについて 「製油所」の範囲 石油製品 製造工程 原油精製 潤滑油製造 脱硫 化学製品製造 改質 ベンチマークのバウンダリーは、 全製油所が共通して保有する 「石油製品製造工程」とする。 分解 製品 ガソリン・ナフサ・灯油・軽油・ 重油・アスファルト 等 10 終 ご清聴有難うございました 11 参考 製品 【石油精製フローの一例】 原油 常 圧 蒸 留 装 置 ナフサ 脱硫装置 燃料ガス LPG ナフサ BTX 接触改質 装置 蒸留装置 ガソリン ガソリン 脱硫装置 灯油 脱硫装置 灯油 軽油 脱硫装置 重油間接 脱硫装置 減圧蒸留 装置 軽油 流動接触 分解装置 A・C重油 重質油 熱分解装置 石油コ ークス 重油直接 脱硫装置 アスファルト 12