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特殊報第1号(クロメンガタスズメの初確認)(PDF形式 191
平成25年度新潟県病害虫発生予察情報・特殊報第1号 (クロメンガタスズメの初確認) 平成26年 1月21日 新潟県病害虫防除所 1 病害虫名 クロメンガタスズメ Acherontia lachesis ( Fabricius ) 2 発生作物 なす・トマト 3 発生経過 (1)平成 22 年 11 月に胎内市の家庭菜園トマト(ナス科)で老齢幼虫を確認した。その 後、平成 24 年 10 月に聖籠町の新潟県農業総合研究所園芸研究センターのなす(ナス 科)で老齢幼虫 10 頭が確認された。また、同月には新発田市松岡でもケープタウン ブルー(ヒルガオ科)で老齢幼虫 1 頭が確認された。 (2)本種は静岡県以西の西南暖地では以前から少数の発生が確認されていたが、近年、 関東以北でも確認事例が増加している。平成 22 年、茨城県(タバコ)、平成 23 年、 埼玉県(トマト・なす等)、同年、東京都(シカクマメ)、平成 24 年、栃木県(なす・ トマト) 、平成 25 年、福島県(トマト)で発生が報告されている。 4 形態および生態 (1)形態 大型のスズメガ科の一種で、幼虫は老熟すると体長約 100mm に達する(写真1)。 体色は緑色、黄緑色、褐色など変化に富む。尾角はS字状に湾曲し、まばらに小突 起を有する。 成虫は開張 100~125mm になり、胸部背面に人面に似た灰色の模様を帯び、名 前の由来になっている(写真2)。 (2)生態と被害 本種の生態についての詳細は不明である。西南暖地では蛹越冬で年1~2回発生 すると考えられている。長距離移動する可能性がある。寄主植物はナス科、マメ科、 ゴマ科、ヒルガオ科、ノウゼンカズラ科、キリ科、アサ科、クマツヅラ科など広範 である。 幼虫は葉を食害する。齢期が進むと食害量も多くなり、太い葉脈だけ残して食べ 尽くす等、被害が大きくなる。 5 防除対応 (1) 平成 25 年 12 月末現在、本種に適用のある農薬はない。 (2) これまでの確認事例における発生密度は低く、多発生は問題となっていない。幼虫 を確認した場合は捕殺する。 写真 1 クロメンガタスズメ老齢幼虫 左:緑色型、右:褐色型 写真 2 クロメンガタスズメ 成虫