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これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント

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これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
これだけは知っておきたい
主治医意見書記入のポイント
主治医意見書
“意見書の完成日”を記入してください。
記入日 平成 年 月 日
施設に入院・入所している場合
(ふりがな)
〒 −
は、施設名・所在地・電話番号
男
申請者
・
を記入してください。
女
明・大・昭 年 月 日生( 歳)
連絡先 ( )
上記の申請者に関する意見は以下の通りです。
主治医として、本意見書が介護サービス計画作成に利用されることに □同意する。 □同意しない。
医師から介護支援専門員に医療情報を積極
的に提供するという観点から、同意を原則
としてください。申請者本人の同意は申請
段階で確認されており、主治医には「守秘
義務」に関する問題は生じません。
パソコンやゴム印を使用した
場合も、医師名は自署してく
ださい。印鑑は不要です。
医師氏名 医療機関名
電話
( )
医療機関所在地
FAX
( )
(1)最 終 診 察 日
平成 年 月 日
(2)意見書作成回数
□初回 □2回目以上
(3)他科受診の有無
Point 2
p.399
主治医(医療機関)から申請者に対する回数
で記入します。作成料の区分に使われます。
□有 □無
(有の場合)→□内科 □精神科 □外科 □整形外科 □脳神経外科 □皮膚科 □泌尿器科
□婦人科 □眼科 □耳鼻咽喉科 □リハビリテーション科 □歯科 □その他( )
不明の場合は「無」とし、「有」の場合は必ず
その診療科を記入してください。
同一医療機関でも同様です。他科受診の必要
性に関するチェックではありません。
1. 傷病に関する意見
p.395
最後に診察した日を記入します。でき
るだけ直近の情報を提供してください。
(1)診断名(特定疾病または生活機能低下の直接の原因となっている傷病名については 1.に記入)及び発症年月日
1.
発症年月日
(昭和・平成 年 月 日頃)
2.
発症年月日
(昭和・平成 年 月 日頃)
3.
発症年月日
(昭和・平成 年 月 日頃)
(2)症状としての安定性
□安定 □不安定 □不明
(
「不安定」とした場合、具体的な状況を記入)
(3)生活機能低下の直接の原因となっている傷病または特定疾病の経過及び投薬内容を含む治療内容
(最近(概ね 6 ヶ月以内)介護に影響のあったもの 及び 特定疾病についてはその診断の根拠等について記入)
①日常生活活動の低下、外出や社会参加の機会の減少、家庭内での役割の喪
失等、生活機能低下を引き起こしている要因を具体的に記載してください。
②投薬については、睡眠、排泄、疼痛の改善等、生活の安定や介護に影響す
る薬がある場合は、服薬方法、見守りの必要性など介護上、特に留意すべき
点を記入してください。③医学的な専門用語は、できるだけ避けてください。
392
2. 特別な医療(過去 14 日間以内に受けた医療のすべてにチェック)
□点滴の管理
□中心静脈栄養
□透析
□ストーマの処置
□レスピレーター □気管切開の処置
□疼痛の看護
□経管栄養
特別な対応
□モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等) □褥瘡の処置
失禁への対応 □カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル 等)
処置内容
□酸素療法
作成日から起算して、過去 14 日間に看護職員等が行った診療補助行為(医
師が同様の診療行為として行った場合を含む)について判断してください。
看護の度合いの把握であり、「医師でなければ行えない行為」「家族または本
人が行った類似行為」は含まれません。
Point 3
3. 心身の状態に関する意見
(1)日常生活の自立度等について
p.399 ・障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)□自立 □ J1 □ J2 □ A1 □ A2 □ B1 □ B2 □ C1 □ C2
・認知症高齢者の日常生活自立度
Point 4
□自立 □Ⅰ □Ⅱ a □Ⅱ b □Ⅲ a □Ⅲ b □Ⅳ
□M
(2)認知症の中核症状(認知症以外の疾患で同様の症状を認める場合を含む)
・短期記憶
□問題なし
□問題あり
・日常の意思決定を行うための認知能力 □自立
□いくらか困難 □見守りが必要
□判断できない
・自分の意思の伝達能力
□伝えられる
□いくらか困難 □具体的要求に限られる
□伝えられない
(3)認知症の周辺症状(該当する項目全てチェック:認知症以外の疾患で同様の症状を認める場合を含む)
□昼夜逆転 □暴言
□暴行 □介護への抵抗 □徘徊
□火の不始末 □不潔行為 □異食行動 □性的問題行動 □その他( )
p.400 □無 □有 □幻視・幻聴 □妄想
Point 5
平成 21 年度より調査員による調査項目から、幻視・幻聴、暴言、
暴行、火の不始末、不潔行為、異食行動が除外されました。
主治医の意見が重要になります。
(4)その他の精神・神経症状
p.400 □有 〔症状名:
利き腕
介護の手間を考える上で、
必ず記入してください。
Point 6
p.401
専門医受診の有無 □有( ) □無〕 □無
身長・体重
移乗、入浴介護等、介護の手間を考え
る上で必要となります。
体重の変化は、栄養状態の把握の目安
となります。
(5)身体の状態
利き腕(□右 □左) 身長 =
cm 体重 =
kg(過去 6 ヶ月の体重の変化 □増加 □維持 □減少)
□四肢欠損
(部位: )
□麻痺
□左上肢(程度:□軽 □中 □重) □右上肢(程度:□軽 □中 □重)
□左下肢(程度:□軽 □中 □重) □右下肢(程度:□軽 □中 □重)
□その他(部位: 程度:□軽 □中 □重)
□筋力の低下
(部位: 程度:□軽 □中 □重)
□関節の拘縮
(部位: 程度:□軽 □中 □重)
□関節の痛み
(部位: 程度:□軽 □中 □重)
□失調・不随意運動・上肢 □右 □左 ・下肢 □右 □左 ・体幹 □右 □左
□褥瘡
(部位: 程度:□軽 □中 □重)
□その他皮膚疾患 (部位: 程度:□軽 □中 □重)
平成 21 年度より、調査員による調査項目から拘縮(肘・足関節)、 褥瘡、皮
膚疾患、飲水が除外されたため、主治医の意見が重要になります( 参照)。
393
Point 7
p.402
Point 8
p.403
4.生活機能とサービスに関する意見
(1)移動
屋外歩行
□自立
□介助があればしている
□していない
車いすの使用
□用いていない □主に自分で操作している □主に他人が操作している
歩行補助具・装具の使用(複数選択可)
□用いていない □屋外で使用
□屋内で使用
(2)栄養・食生活
食事行為
現在の栄養状態
□自立ないし何とか自分で食べられる □全面介助
□良好 □不良
→栄養・食生活上の留意点( )
p.404
p.404
p.405
p.405
Point 13
p.405
(3)現在あるかまたは今後発生の高い病態とその対処方針
□尿失禁 □転倒・骨折 □移動能力の低下 □褥瘡 □心肺機能の低下 □閉じこもり □意欲低下
□徘徊 □低栄養 □摂食・嚥下機能低下 □脱水 □易感染性 □がん等による疼痛 □その他( )
平成 21 年度以降、新たに追加されま
→ 対処方針 ( )
(4)サービス利用による生活機能の維持・改善の見通し
□期待できる
□期待できない
□不明
した。主治医がサービスの必要性を判
断して記入してください。
(5)医学的管理の必要性(特に必要性の高いものには下線を引いて下さい。予防給付により提供されるサービスを含みます。)
□訪問診療
□訪問看護
□看護職員の訪問による相談・支援
□訪問歯科診療
□訪問薬剤管理指導
□訪問リハビリテーション
□短期入所療養介護
□訪問歯科衛生指導
□訪問栄養食事指導
□通所リハビリテーション
□その他の医療系サービス( )
(6)サービス提供時における医学的観点からの留意事項
・血圧 □特になし □あり( )
・移動 □特になし □あり( )
・摂食 □特になし □あり( )
・運動 □特になし □あり( )
・嚥下 □特になし □あり( )
・その他( )
(7)感染症の有無 (有の場合は具体的に記入して下さい)
□無 □有(
)
□不明
Point 14 5.その他特記すべき事項
p.406
要介護認定及び介護サービス計画作成時に必要な医学的なご意見等を記載して下さい。なお、専門医等に別途意見を求め
た場合はその内容、結果も記載して下さい。
(情報提供書や身体障害者申請診断書の写し等を添付して頂いても結構です。
)
一次判定ソフトが改定され、統計的な推定による判定がより重視されるよう
になりました。二次判定での変更には、統計的な推定になじまない申請者固
有の「介護の手間」があることが、固有の情報に基づいて、具体的に記載さ
れている必要があります。例えば「徘徊あり」だけでなく「昼夜にかかわら
ず外出しようとするため、常に家人が見守ったり、付き添う必要がある」と
いうような記載が望まれます。他の項目で記入しきれなかったことや選択式
では表現できないことを簡潔に記入してください。
生活機能の状態、生活や家族環境、療養の様子、栄養の問題、口腔内の状況、
予防給付の適否、リハビリテーションの目標等々、要介護度の判定やケアプ
ラン作成、サービスを受ける上で重要と考えられる事項があれば、具体的に
情報を提供してください。
394
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
1. 傷病に関する意見
(1)診断名
①特定疾病または生活機能低下の直接の原因である傷病名を優先し、記
入してください。
②診療開始日ではなく発症日を記入し、不明確な場合はおおよその年月
を、全く不明の場合は「不詳」としてください。
③多数ある場合は、
「5. その他特記すべき事項」等に記入してください。
④第2号被保険者(満 40 歳以上 65 歳未満)では、要介護状態を来た
した疾病が「特定疾病」に該当する必要があります。
※生活機能とは、身体・精神の働きである「心身機能」、ADL(日常生
活行為)
・外出・家事・職業等に関する生活行為全般である「活動」、
家庭や社会での役割を果たすことである「参加」から成る機能を指し
ます。
※特定疾病に、治癒困難な状態にある「がん」が追加されました。組織
診断または細胞診、あるいは臨床的に進行性の腫瘍性病変の存在など
の診断根拠の記載が求められます。特定疾病の表を参照してください。
1. 傷病に関する意見
特定疾病の症候・所見のポイント
疾病名
がん
(がん末期)
症候 ・ 所見
以下のいずれかにより悪性新生物であると診断され、かつ、治癒
を目的とした治療に反応せず、進行性かつ治癒困難な状態にある
もの。
①組織診断または細胞診により悪性新生物であることが証明され
ているもの
②組織診断または細胞診により悪性新生物であることが証明され
ていない場合は、臨床的に腫瘍性病変があり、かつ、一定の時
間的間隔を置いた同一の検査(画像診査など)等で進行性の性
質を示すもの
注)ここでいう治癒困難な状態とは、概ね 6 月間程度で死が訪
れると判断される場合を指す。なお、現に抗がん剤等による治療
が行われている場合であっても、症状緩和等、直接治癒を目的と
していない治療の場合は治癒困難な状態にあるものとする。
395
関節リウマチ
指の小関節から股・膝のような大関節まで、あらゆる関節に炎症
が起こり、疼痛・機能障害が出現する。特に未明から早朝に、痛
みとこわばりが強い。筋・腱にも影響し、筋力低下や動作緩慢が
顕著になる。頚椎、肺病変を伴うこともあり、症状に日差がある。
筋萎縮性側索
筋萎縮・筋力低下、球麻痺、筋肉の線維束性収縮、錐体路症状を
硬化症
認める。それに反して感覚障害、眼球運動障害、膀胱直腸障害、
褥瘡は原則として末期まで認めない。
後縦靭帯骨化症
靭帯の骨化は頚椎に最も多く、頚髄の圧迫では手足のしびれ感、
運動障害、腱反射亢進、病的反射出現等の痙性四肢麻痺となる。
胸髄圧迫では上肢は異常なく、下肢の痙性対麻痺となる。
骨折を伴う
骨粗鬆症
脊椎圧迫骨折 … 腰背部痛を伴う脊柱の変形が特徴である。軽微
な外傷後、もしくは誘因なく急性の腰痛を生じ、寝たきりにな
ることが多い。
大腿骨頚部骨折・転子部骨折 … 転倒等の後に大転子部の痛みを
訴え、起立不能となる。膝の痛みを訴える場合もある。転位の
少ない頚部骨折の場合、歩行可能な場合もある。
初老期の認知症
(アルツハイマー
アルツハイマー病 … 初期の主症状は記憶障害である。また意欲
の低下、物事の整理整頓が困難となり、時間に関する見当識障
病、
害がみられる。中期には記憶の保持が短くなり、薬を飲んだこ
レビー小体病、
とを忘れたり、同じ物を何回も買ってきたりするようになる。
血管性認知症等)
後期には自分の名前を忘れたり、トイレが分からなくなったり、
部屋に放尿するようになる。また失禁状態に陥る。薬物治療で
進行の遅延効果が得られる場合がある。
レビー小体病 … 進行性の認知症。リアルな幻視体験が特徴。パ
ーキンソン症状が先行することもあり、薬物治療で効果が得ら
れる場合がある。
血管性認知症 … 初発症状として、物忘れで始まることが多い。
深部腱反射の亢進、足底反射、仮性球麻痺、歩行異常等の局所
神経徴候を伴いやすい。一般に記憶障害はかなりあっても、判
断力は保持されており、人格の崩壊は顕著でないことが多い。
脊髄小脳変性症
初発症状は歩行のふらつき(歩行失調)が多い。非常にゆっくり
と進行。病型により筋萎縮や不随意運動、自律神経症状等で始ま
る。最終的には能動的座位が不可能となり、寝たきり状態となる。
396
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症 … 腰痛、下肢痛、間欠性跛行を主訴とする。
頚部脊柱管狭窄症 … 両側の手足のしびれで発症するものが多
い。手足のしびれ感、腱反射亢進、病的反射出現等の痙性四肢
麻痺を呈する。
早老症
(ウェルナー症候
群等)
若年者で老人性顔貌、白髪、毛髪の脱落とともに、肥満の割に四
肢が細い。若年性白内障、皮膚の萎縮と角化、足部皮膚潰瘍、四
肢の筋肉・脂肪組織・骨の萎縮、血管・軟部組織の石炭化、性腺
機能低下症、糖尿病、髄膜腫等を認める。
多系統萎縮症
以下の特徴を有する疾患で、自律神経症状が強いものを「シャイ
・ドレーガー症候群」
、パーキンソン症状が強いものを「線条体黒
質変性症」
、小脳症状が強いものを「オリーブ橋小脳萎縮症」と
する。
①起立性低血圧、排尿障害、発汗低下といった自律神経症状
②筋肉のこわばり、ふるえ、動作緩慢、小刻み歩行といったパー
キンソン症状
③立位や歩行時のふらつき、呂律が回らない、字がうまく書けな
いといった小脳症状
現在、根本的な治療法はなく、症状の進行は緩徐であるが、進行
性で、発症からの余命はおよそ10年程度の場合が多い。
糖尿病性腎症、
糖尿病性腎症 … 糖尿病の罹病期間が長い。糖尿病に伴う蛋白尿
糖尿病性網膜症、
を呈する。また、高血圧と浮腫を伴う腎機能障害を認める。
糖尿病性神経障害
糖尿病性網膜症 … 主な症候は視力低下。末期まで視力が保たれ
ることもあり、自覚症によると手遅れになりやすい。
糖尿病性神経障害 … 下肢のしびれ、痛み等を認める。
脳血管疾患
(脳出血、脳梗塞
等)
脳出血 … 発症状況と経過は、一般に頭痛、悪心、嘔吐をもって
始まり、しだいに意識障害が進み、昏睡状態になる。半身の片
麻痺を起こすことが多く、感覚障害、失語症、失認、失行、視
野障害等がみられる。
脳梗塞 … 発症状況と経過は、アテローム血栓症脳梗塞やラクナ
梗塞では夜間安静時に発症し、起床時に気が付かれ、症状が徐々
に完成することが多く、心原性脳塞栓症では日中活動時に突発
的に発症して、症状が完成することが多い。
高次脳機能障害 …言語・思考・記憶・行為・学習・注意障害等
が生じるが、外見からは分かりにくく、社会生活を妨げること
が多い。
397
パーキンソン病、
いずれも筋肉のこわばり、ふるえ、動作緩慢、小刻み歩行といっ
進行性核上性麻
た、パーキンソン症状を主な症状とする疾患であるが、
痺、大脳皮質基底
①パーキンソン病は、パーキンソン症状を中心とし、薬剤などの
核変性症
(パーキンソン病
関連疾患)
治療効果が高いものが多い
②進行性核上性麻痺は、異常な姿勢(頚部を後屈させ、顎が上が
る)や、垂直方向の眼球運動障害(下方を見にくい)といった
多彩な症状を示し、根本的な治療法がなく、発病後、寝たきり
になるまでの期間の多くは 5 ∼ 10 年程度である
③大脳皮質基底核変性症は、
パーキンソン症状と大脳皮質症状(手
が思うように使えないなど)が同時にみられ、根本的な治療法
や症状を改善する特効薬がなく、発病後、寝たきりになるまで
の期間の多くは 5 ∼ 10 年である
など、症状や病状の進行に差がみられる。
閉塞性動脈硬化症
問診で閉塞病変に由来する症状(下肢冷感、しびれ感、安静時痛、
壊死など)があるかどうか聞く。視診により、下肢の皮膚色調、
潰瘍、壊死の有無をチェックする。触診で、すべての下肢動脈の
拍動の有無を調べる。
慢性閉塞性肺疾患
肺気腫 … ほとんどが喫煙者で、男性に多い。体動時呼吸困難が
(肺気腫、慢性気
特徴的であるが、出現するのは、ある程度病変が進行してから
管支炎、気管支喘
息、びまん性汎細
気管支炎)
である。咳、痰を訴えることもある。
慢性気管支炎 … 喫煙者に多く、慢性の咳、痰を認める。体動時
呼吸困難は、感染による急性増悪時には認めるが、通常は軽度
である。身体所見では、やや肥満傾向を示す人が多いといわれ
る。
気管支喘息 … 発作性の呼吸困難、喘鳴、咳(特に夜間・早朝)が、
症状がない時期を挟んで反復する。気道閉塞が自然に、または
治療により改善し、気流制限は可逆的である。その他、気道過
敏症を示す。
びまん性汎細気管支炎 … 呼吸細気管支領域に、びまん性炎症に
より強い呼吸障害をきたす。初期には肺炎球菌、インフルエン
ザ桿菌等が感染菌となりやすく、痰、咳、喘鳴を呈し、長引く
と菌交代現象を起こし、緑膿菌感染になり重症化しやすい。
両側の膝関節また
初期の場合は歩行し始めの痛みのみであるが、次第に荷重時痛が
は股関節の著しい
増え、関節可動域制限が出現してくる。
変形を伴う変形性
関節症
398
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
1. 傷病に関する意見
(2)症状としての安定性
急性期であったり、急激な変化が見込まれ、積極的な医学的管理を必
要とすることが予想されたりする場合は「不安定」を選択し、具体的な
内容を記載してください。症状に日内変動や日差変動がある疾病につい
ては、介護者からの情報にも十分に留意してください。
3. 心身の状態に関する意見
(1)日常生活の自立度等について
・障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定基準
生活機能に着目して能力に応じて判定し、補装具・車椅子等を使用し
ている場合は、使用している状態で判定してください。
J
何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており、独力で外出する
1.交通機関等を利用して外出 2.隣近所へなら外出
屋内の生活はおおむね自立しているが、介助なしには外出しない
A
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活 屋内の生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体だが、座
B
位を保つ
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗
C
1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替えにおいて介助を要する
1.自力で寝返りをうつ 2.自力では寝返りもうたない
・認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準
意思疎通の程度、症状・行動に着目し、評価にあたっては家族など、
介護者からの情報も参考にしてください。
※遷延性の意識障害等で判断ができない場合は、「□M」にチェックし
た上で、
「3.(4)その他の精神・神経症状」の欄に遷延性の意識障
害等と記入し、
「1.(3)生活機能低下の直接の原因となっている傷
病または特定疾病の経過…」に具体的な状態を記入してください。
399
Ⅰ
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立して
いる
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られ
Ⅱ
ても、誰かが注意していれば自立できる
Ⅱ a 家庭外で上記Ⅱの状態がみられる
Ⅱ b 家庭内でも上記Ⅱの状態がみられる
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介
Ⅲ
護を必要とする
Ⅲ a 日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる Ⅲ b 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる
Ⅳ
M
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見ら
れ、常に介護を必要とする
著しい精神症状や周辺症状、あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を
必要とする
3. 心身の状態に関する意見
認知症の周辺症状
せん妄
妄想
幻覚
不安
多動
多弁
依存
認知症の中核症状
心気
焦燥
暴言・暴力
抑うつ
睡眠障害
●
記憶障害 ● 判断力の障害 ●
問題解決能力の障害 ●
仮性作業
実行機能障害
徘徊
異食
過食
不潔行為
介護への抵抗
3. 心身の状態に関する意見
(4)その他の精神・神経症状
認知症以外の精神・神経症状がある場合は「有」にチェックし、その
症状名、専門医受診の有無も記入してください。
400
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
失語
大脳の器質的病変により、言語・表象の理解・表出に障害をきた
した状態。
構音障害
俗に“呂律が回らない”という状態。構音器官(咽頭・軟口蓋・舌・
口唇など)の麻痺によるものと、筋相互の協調運動障害によるも
のがある。
せん妄
意識変容に妄想、錯覚、幻覚、不安、恐怖、精神運動性の興奮を
伴う。夜間に起こりやすい。
傾眠傾向
意識混濁は軽度で、反復して強い刺激を与えれば、やや覚醒状態
に回復するが、放置すれば直ちに入眠してしまうような状態。
失見当識
見当識の機能が失われた状態。意識障害がある場合(意識障害性)
や、高齢者性認知症等で記銘力障害のある場合(健忘性)、妄想
によって周囲を正しく判断していない場合(妄想性)等に認めら
れる。
失認
局在性の大脳病変によって起こる、後天性の知覚と認知の障害で、
ある感覚を介する対象認知が障害されている状態。
失行
局在性の大脳病変で起こる後天性の行為障害で、随意的、合目的、
象徴的な熟練を要する運動行為を行うことができない状態。
3. 心身の状態に関する意見
(5)身体の状態
・四肢欠損∼その他皮膚疾患
あれば部位を記入してください。程度は医学的重症度ではなく、介護
の手間がどの程度必要かの観点で判断してください。
四肢欠損
腕・肢・指等について、欠損が生じている状態。
麻痺
主に神経系の異常によって起こった筋力低下、あるいは随意運動
の障害。
筋力の低下
麻痺以外の原因による、随意運動に支障のある筋力の低下。
関節の拘縮
皮膚・筋肉等の関節構成体以外の軟部組織の変化による、関節の
可動域制限。
関節の痛み
日常生活に支障をきたす程度の関節の痛みがある状態。
401
失調・
運動の遂行に必要な筋肉の協調が失われた状態。個々の筋力は正
不随意運動
常でありながら、運動が稚拙であることが特徴。意思や反射によ
らずに出現する、目的に添わない運動。
褥瘡
持続的圧迫等による局所の循環障害によって生じる阻血性壊死。
その他
褥瘡以外で身体介助、入浴等に支障のある皮膚疾患がある状態。
皮膚疾患
※凡例の方法以外で表現できない内容は、必要に応じて欄外等に記入して
ください。
※平成 21 年度より、調査員による調査項目から拘縮(肘・足関節)、褥瘡、
皮膚疾患、飲水が除外されたため、主治医の意見が重要になります。
4. 生活機能とサービスに関する意見
要介護者が少しでも自立した生活や心身の安定を取り戻せるよう、生
活機能の維持・改善に着目し、栄養の改善、リハビリ目標の設定、疼痛
の緩和、医学的管理の必要性、予防給付の適否等、適切なケアプランの
作成に役立つ情報を提供してください。
(1)移動
・屋外歩行
自立
自分だけで屋外を歩いている状態。歩行補助具や装具・義足を用
いている場合も含みます。外出するようには促しが必要でも、屋
外は1人で歩いている場合も含みます。
介護があれば
介護者と一緒に屋外を歩いている状態。直接介助されている場合
している
だけでなく、そばで見守っている場合も含みます。
していない
屋外歩行をしていない状態。歩こうとすれば歩けるが、実際は歩
いていない場合や、訓練の時だけ屋外歩行をしている場合を含み
ます。また、車いすで屋外を移動している場合等を含みます。
・車椅子の使用
車椅子を常時使っている場合だけでなく、例えば外出時だけの使用や、
病院や通所施設等だけで使用している場合も含みます。
402
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
用いていない
全く使用していない状態。
主に自分で操作
車いすを用いることがあり、その場合は主に自分だけで操作(駆
動)している状態。主に室内での状態で判断し、例えば室内は自
分で操作しているが、屋外は後ろから押してもらっている場合な
ども含みます。
主に他人が操作
車いすを用いていることがあり、その場合は主に他人に操作(押
してもらう等)してもらっている状態。操作時に見守りを必要と
する場合を含みます。
・歩行補助具(杖等)
・装具の使用
室内・屋外の両方で使用している場合は、両方の□にチェックしてく
ださい。義足の使用は含めません。
使用していない
日常生活では、歩行補助具も装具も全く使用していない状態。訓
練歩行の時だけは使っている場合も含みます。
屋外で使用
日頃の屋外歩行の時に使用している状態。例えば遠出の時だけの
使用のように、時々使用している場合も含みます。
室内で使用
日頃の屋外歩行の時に使用している状態。例えば家事の時だけの
使用のように、特定の生活行為を行う時のみ使用している場合も
含みます。
4. 生活機能とサービスに関する意見
(2)栄養・食生活
高齢者では、慢性的なエネルギー・たんぱく質等の補給不足による「低
栄養」が、筋力や身体機能の低下、感染症や褥瘡等を誘発し、生活機能
の低下をきたします。要介護状態の改善および重度化の予防の観点から、
情報を提供してください。
・食事行為
自立 ないし
自分1人で、ないし、見守りや励まし、身体的援助によって、自
何とか自分で
分で食べることができる。
食べられる
全面介助
他の者の全面的な介助が必要である。
403
・現在の栄養状態
下記を目安に判断し、医学的観点から、改善に向けた留意点について、
( )内に記入してください。
①過去 6 か月程度の体重の維持(概ね 3%未満)、②BMI<体
2
重(kg)/身長(m)
> 18.5 以上、③血清アルブミン値が明
らかである場合には 3.5g / dl を上回る̶̶の 3 項目全てが該
良 好
当する状態。
上記指標が入手できない場合には、食事行為、食事摂取量、食欲、
顔色や全身状態(浮腫、脱水、褥瘡などがない状態)から、総合
的に栄養状態が良いと判断される状態。
①過去 6 か月程度の体重の減少(概ね 3%以上)、②BMI<体
2
重(kg)/身長(m)
> 18.5 未満、③血清アルブミン値があ
る場合には 3.5g / dl 以下̶̶の 3 項目のうち、1つでも該当
不 良
する状態。
上記指標が入手できない場合には、食事行為、食事摂取量、食欲、
顔色や全身状態(浮腫、脱水、褥瘡などがある状態)から、総合
的に栄養が不良と判断される状態。
4. 生活機能とサービスに関する意見
(3)現在あるかまたは今後発生の可能性が高い病態とその対処方針
介護支援専門員がケアプランを作成するにあたって参考にすることを
考慮し、対処方針、緊急時の対応等の注意点を記入してください。尿失
禁の有無は、本欄の記載がおむつ代の医療費控除の資料として用いられ
ますので、現時点で発生している場合もチェックしてください。
4. 生活機能とサービスに関する意見
(4)サービス利用による生活機能の維持・改善の見通し
現在の状態から勘案して、概ね 3 か月から 6 か月間、予防給付を利
用した場合の生活機能の維持改善が、どの程度期待できるかを判断して
ください。傷病の病状としての見通しではありません。心身の状態が不
安定であったり、認知症等により理解が得られず、予防給付の利用に適
さないと判断されたりする場合においては、本欄の意見等が重要となり
ます。
404
資料編 3 これだけは知っておきたい 主治医意見書記入のポイント
4. 生活機能とサービスに関する意見
(5)医学的管理の必要性
医学的観点からみて、必要と思われるサービスを選択してください。
各サービスには、予防給付で提供されるものも含みます。
特に必要性が高いと判断されるサービスについては、項目に下線を引
いてください。なお、この欄は、サービスに関する指示書に代わるもの
ではありません。
訪問歯科診療・訪問歯科衛生指導については、口腔内の状態(歯の崩
壊や喪失状態、歯の動揺や歯肉からの出血の有無、義歯の不適合など)
をもとに判断してください。
「その他の医療系サービス」には、通院や入院による治療、保健所に
よる保健指導等も含まれます。
現在、申請者が利用していなかったり、地域に該当するサービスが無
かったりする場合でも、必要と思われればチェックしてください。
4. 生活機能とサービスに関する意見
(6)サービス提供時における医学的観点からの留意事項
血圧管理、
摂食、
嚥下機能(咀嚼、
嚥下から食塊が胃に至るまでの機能)、
運動負荷を伴うサービスについての留意事項を、具体的に記入してくだ
さい。
移動については歩行に限らず、居室とトイレの移動、ベッドから車椅
子、便座への移乗等も含めて、留意事項があれば具体的に記入してくだ
さい。
介護サービスが、医療職のいない状況で提供される場合が多いことを
考慮し、不安感を助長させないよう、適切な助言を( )内に記載
してください。
4. 生活機能とサービスに関する意見
(7)感染症の有無
介護の現場における二次感染を予防する観点から、日常の診療から知
り得た、感染症に関する情報を記入してください。必ずしも、新たな検
405
査を求めるものではありません。
通所サービスや施設入所などに際し、事業者側が各種感染症の予防管
理のため、申請者に健康診断書の提出を求め、その検査費用が高額で申
請者に過重な負担をかける場合があります。ここでの感染症情報を活用
することが推奨されます。
5. その他特記すべき事項
一次判定ソフトが改定され、統計的な推定による判定がより重視され
るようになりました。二次判定での変更には、統計的な推定になじまな
い申請者固有の「介護の手間」があることが、固有の情報に基づいて、
具体的に記載されている必要があります。例えば「徘徊あり」だけでな
く「昼夜にかかわらず外出しようとするため、常に家人が見守ったり、
付き添う必要がある」というような記載が望まれます。他の項目で記入
しきれなかったことや選択式では表現できないことを簡潔に記入してく
ださい。
生活機能の状態、生活や家族環境、療養の様子、栄養の問題、口腔内
の状況、予防給付の適否、リハビリテーションの目標等々、要介護度の
判定やケアプラン作成、サービスを受ける上で重要と考えられる事項が
あれば、具体的に情報を提供してください。
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