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神戸市燃料電池自動車(FCV) 普及促進ロードマップ 平成 27 年 3 月

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神戸市燃料電池自動車(FCV) 普及促進ロードマップ 平成 27 年 3 月
神戸市燃料電池自動車(FCV)
普及促進ロードマップ
平成 27 年 3 月
神戸市
<目
■概
次>
要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1
策定の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2
FCVの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3
水素ステーションの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4
FCVの普及による環境・エネルギー面の効果・・・・・・・・・・・・・・・・・2
5
政府の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
6
兵庫県の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
7
産業界の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
8
今後の取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
<参考資料>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
神戸市燃料電池自動車(FCV)普及促進ロードマップの概要
1
策定の目的
神戸市FCV導入促進協議会での検討を踏まえ、公民連携のもと、神戸市域にお
けるFCVの普及とその両輪となる水素ステーションの整備を着実に図るために
策定する。
2.FCVの普及目標
政府目標(FCVの新車販売割合:2030 年 3%)及び神戸市の乗用車保有台数等
からの推計値に導入促進施策による効果を見込み目標値を設定。
○2030 年の神戸市域のFCV普及目標台数:約 10,000 台
3.水素ステーションの整備目標
地域別のFCV普及台数の想定、水素ST1基あたりの対応台数目安、道路交通
量の状況等から整備目標基数を設定。(隣接市への設置も想定)
○2030 年の神戸市域の水素ステーション整備目標基数:7基
■神戸市FCV導入促進協議会について
(1)設置目的
水素エネルギー導入促進に資するため、神戸市内における水素ステーションの設置、FCV 導
入促進、市民・事業者への普及啓発に取組む。
(2)構成
委員:トヨタ自動車㈱、日産自動車㈱、本田技研工業㈱、岩谷産業㈱、大阪ガス㈱、
関西電力㈱、川崎重工業㈱、㈱神戸製鋼所、神戸商工会議所、兵庫県、神戸市
オブザーバー:経済産業省資源エネルギー庁
(3)活動状況
平成26年3月20日
神戸市FCV導入促進協議会 発足式
5月17日、18日 神戸カーライフフェスタ 2014 へ出展
7月15日
第1回神戸市FCV導入促進協議会 開催
シンポジウム「水素社会の実現に向けて」開催
11月19日
第2回神戸市FCV導入促進協議会 開催
平成27年3月
神戸市燃料電池自動車(FCV)ロードマップ 発表
水素エネルギー実用車セミナー 開催
-1-
1
策定の目的
水素エネルギーは、平成 26 年 4 月に策定された国のエネルギー基本計画において「水素社会
の実現」が掲げられ、同年 6 月には水素・燃料電池戦略会議において「水素・燃料電池ロード
マップ」が発表されるなど、新たなエネルギーとしての利活用が期待されている。
神戸市においても、水素社会の実現に貢献するため、①家庭用燃料電池システム(エネファ
ーム)の普及促進、②燃料電池自動車(FCV)の普及促進、③水素発電の実証事業、を柱と
する「水素スマートシティ神戸構想」の推進に取り組んでいるところである。
FCVは、ガソリン車と同等の実用性(走行距離約 650km、充填時間約3分、ハイブリッド
車(HV)並みの燃費性)に加え、①走行時にCO2や大気汚染物資を排出しない、②走行時の
騒音が低い、③災害時に非常用電源となりうる、などの優れた特長を有している。
本ロードマップは、民間事業者等 11 団体で構成する神戸市 FCV 導入促進協議会での検討を踏
まえ、公民連携のもと、神戸市域におけるFCVの普及とその両輪となる水素ステーションの
整備を着実に図るために策定する。
2
FCVの概要
FCVは、水素を燃料とし空気中の酸素と化学反応させて発電して、電気エネルギーでモー
ターを回して走る自動車である。
走行時にCO2や大気汚染物資を全く排出しないので、究極のエコカーと呼ばれている。
ガソリン車と同様に、燃料の充填が短時間で済む(約3分程度)
、1回の充填による航続距離
が長い(約 650km)といった優れた特長がある。
燃料電池自動車に活用される燃料電池の用途は、乗用車やバスを始め、フォークリフトなど
の産業用車両、船舶などにも広がっていくことが期待される。中でも燃料電池バスについては、
水素ステーション安定運営や市民への見える化効果の観点から、着実な市場導入が期待される。
3
水素ステーションの概要
ガソリンスタンドがガソリン自動車に燃料となるガソリンを補給するように、水素ステーシ
ョンがFCVに燃料となる水素を補給する。FCVを普及させるためには、水素ステーション
もあわせて普及させる必要がある。
水素ステーションには、工場で製造した水素をステーションに輸送する方式(オフサイト型)
と、水素ステーション内で原料(灯油、LPG、天然ガスなど)を改質して水素を製造する方式(オ
ンサイト型)がある。
4
FCVの普及による環境・エネルギー面での効果
(1) 大気汚染の防止
FCVは、走行時に大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)
、炭化水素(HC)
、一酸化
炭素(CO)
、粒子状物質(PM)などの有害物質を排出しない。
(2) 騒音の防止
FCVは、モーターで動くのでガソリン自動車と比べて騒音が低い。車内の快適さはもちろ
ん、都市全体の騒音対策にも効果がある。
-2-
(3) 災害時の電力供給
FCVは、災害時に移動する電源として活用することができる。
(4) 地球温暖化の防止
FCVは、走行時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しない。水素は、太陽光など再生
可能エネルギーを使って製造することもできるが、この方法で製造した水素をFCVの燃料と
すれば、CO2を削減することができる。
(5) エネルギーの安定性の向上
水素は、太陽光などの再生可能エネルギーを使って無尽蔵にある水から製造することができ
る。また、石炭、天然ガスなど、多様な化石燃料から製造することができるため、エネルギー
の安定性の向上につなげることができる。
5
政府の動き
(1) エネルギー基本計画
平成 26 年 4 月に策定された「エネルギー基本計画」において、水素社会の実現に向けて取
組を加速するとしている。
FCVの導入加速に向けては、FCVの導入を円滑に進めるための支援を積極的に行うとと
もに、四大都市圏を中心に 2015 年内に 100 ヶ所程度の水素ステーションの整備をするとして
いる。このため、ガソリンスタンドなど既存のインフラを水素供給も担うインフラとして活用
していくことなどを検討しつつ、移動式や小型のステーションの利用も含めた戦略的な展開を
進めるとしている。さらに、燃料電池バスや燃料電池フォークリフト等の早期の実用化に向け
た技術開発などを着実に進めるとしている。
(2) 水素・燃料電池戦略ロードマップ
「エネルギー基本計画」では、水素の製造から貯蔵・輸送、利用に関わる様々な要素を包含
している全体を俯瞰した総合的・長期的なロードマップが必要であり、関係する様々な主体が
これに参画することが重要であるとした。
これを踏まえ、
「水素・燃料電池戦略ロードマップ~水素社会の実現に向けた取組の加速~」
が平成 26 年6月に策定された。
ここではFCVについて、次のような目標が掲げられている。
①
燃料電池自動車について、2015 年までに市場投入する。また、2016 年には燃料電池バ
スを市場投入する。
さらに、
燃料電池の適用分野を、
フォークリフトや船舶等に拡大する。
②
燃料電池自動車の車両価格については、2025 年頃に、同車格のハイブリッド車同等の
価格競争力を有する車両価格の実現を目指す。
③
2015 年度内に四大都市圏を中心に 100 箇所程度の水素供給場所を確保する。
④
水素価格については、2015 年の燃料電池自動車の市場投入当初からガソリン車の燃料
代と同等以下となることを、2020 年頃にハイブリッド車の燃料代と同等以下となること
を、それぞれ実現することを目指す。
以上の目標達成に向けて、以下のような取組を進めるとしている。
①
初期段階においては、FCVの量産効果を下支えする導入補助や税制優遇を行う。
② 車両の低コスト化・高耐久化・燃費性能向上等の技術開発を進める。
-3-
③
広報活動や安全・安心の確保に向けた取組により、FCVの認知度や理解度の向上を進
める。
④
技術開発や規制緩和等により水素ステーションの整備・運営コストの低減を進める。
⑤
初期段階においては、パッケージ型や移動式水素ステーション等を活用する。
(3) 日本再興戦略改訂 2014
平成 25 年 6 月に策定された「日本再興戦略」
改訂 2014 においては、
「次世代自動車戦略 2010」
を踏まえて「2030 年までに次世代自動車の新車販売に占める割合を5割から7割とすること
を目指し、初期需要の創出、性能向上のための研究開発支援、効率的なインフラ整備等を進め
る。
」としている。
「次世代自動車戦略 2010」において、政府が目指すべき車種別普及目標を設定し、2030 年
における燃料電池車の普及目標は、新車販売台数の3%とすることを目標としている。
図 乗用車車種別普及目標(政府目標) ※次世代自動車戦略 2010
(4) 主な支援制度
①
FCV
経済産業省は、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の対象にFCVを追
加することとしている。
たとえばトヨタ自動車㈱(以下「トヨタ」
)
「MIRAI」で購入価格が 723.6 万円の場
合、補助金額は最大で 202 万円となるほか、平成 27 年3月現在でエコカー減税で約 21 万
円、自動車グリーン税制で約 2.2 万円の減税措置がある。
②
水素ステーション
経済産業省は、平成 27 年度中までに四大都市圏を中心とした地域において累計 100 箇所
の水素供給場所の確保を目指し、水素供給設備整備事業費補助金を交付している。平成 27
年2月現在の補助金額は、1か所あたり最大で2億8千万円であるが、平成 26 年度補正予
算により、上限額を2億9千万円に引き上げるとともに、需要創出活動費について3分の
2を補助する制度を創設する予定である。
また、環境省は、再生可能エネルギーを活用して製造した水素をFCVに供給する水素
ステーションの整備に対し、費用の4分の3を補助する制度を創設する予定である。
6
兵庫県の動き
兵庫県は、平成 26 年 3 月に策定した「第3次兵庫県地球温暖化防止計画」において、自動車
からの温室効果ガス排出を削減するため、環境負荷の少ない低公害車の普及に向け購入支援を
-4-
行うとともに、次世代自動車のためのインフラ整備を拡大することとしている。
また、平成 26 年 7 月、FCVの普及を産学官連携して促進するため、
「兵庫県燃料電池自動
車普及促進ビジョン」を策定した。
兵庫県におけるFCVの普及目標台数は、政府目標の 2030 年における新車販売台数に占める
FCVの割合 3%及び兵庫県内の現在の乗用車保有台数等から推計して以下のとおりとしてい
る。
2020 年(中間目標)
2030 年(目標)
全国
85,000 台
654,000 台
兵庫県
3,000 台
25,000 台
※数値については、兵庫県推計による。
また、水素ステーションの整備見込み基数として、FCVの普及目標台数の水素消費量から
推計して、以下のとおりとしている。
表 水素ステーション整備見込み基数
地域
市町
神戸・阪神
神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、
三田市、猪名川町
明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町、西脇市、三木市、
小野市、加西市、加東市、多可町
姫路市、市川町、福崎町、神河町、相生市、赤穂市、宍粟市、
たつの市、太子町、上郡町、佐用町
播磨東部
播磨西部
但馬・丹波
淡路
7
2020 年
2030 年
3
7
2
4
1
4
豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町、篠山市、丹波市
1
3
洲本市、南あわじ市、淡路市
1
2
合計
8
20
産業界の動き
(1) FCV
平成 26 年 12 月、トヨタは、世界初の量産型FCV「MIRAI」の販売を開始した。
メーカー希望小売価格は、723.6 万円で、一回あたり水素充填時間は 3 分程度で、一充填走
行距離(参考値)は約 650km である。また、約 60kWh の大容量かつ最大9kW の電力供給能力
を持ち、給電器に接続することにより、災害などの停電時に住宅や家電の電源としての利用が
可能となる。
本田技研工業㈱(以下「ホンダ」
)は平成 27 年度中に、日産自動車㈱(以下「日産」)は早
ければ平成 29 年に、それぞれ量産型FCVの販売を予定している。
なお、トヨタは、平成 27 年1月、FCVの普及に向けた取り組みの一環として、トヨタが
単独で保有している世界で約 5,680 件の燃料電池関連の特許の実施権を無償で提供すると発
表した。
-5-
(2) 水素ステーション
①
日本初の商用水素ステーションの開設
平成 26 年 7 月、岩谷産業㈱(以下「岩谷」)は、日本初の商用水素ステーションを尼崎市
に開設した。このステーションは、堺市にある同社の液化水素製造拠点からローリーで輸
送した液化水素を利用し、FCVに供給するオフサイト方式を採用している。
同社は平成 27 年度までに四大都市圏を中心に 20 ヶ所の商用水素ステーションを自社設
置することを表明し、順次建設を進めている。
このほか、JX 日鉱日石エネルギー㈱は、23 ヶ所の商用水素ステーションの開設に向けた
準備を進めている。
これらを含め、商用水素ステーションは、平成 27 年2月現在、41 か所が開設・開設予
定となっている。
全国:59箇所 ※整備予定含む (H26.6.30現在)
※移動式を含む(移動式は代表地点で記載)
・技術実証実験用:18箇所(運用中のみ)
・H25補助事業※:18箇所
・H26補助事業※ (第1次・第2次・3次):23箇所
赤字:補助事業、青字:実証実験(運用中のみ)
※燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業
首都圏:33箇所
関西圏:6箇所
兵庫県
尼崎市
大阪府
大阪市
茨木市
泉佐野市、泉佐野市(関西国際空港)
滋賀県
大津市
北部九州圏:7箇所
福岡県
②
福岡市、
福岡市
北九州市(2)
北九州市
山口県
周南市
佐賀県
鳥栖市
東京都
江東区
港区
荒川区
杉並区、杉並区
千代田区、千代田区
大田区、大田区(2)
練馬区
板橋区
八王子市
埼玉県
さいたま市(3)
狭山市
戸田市
春日部市
越谷市
千葉市
成田市
中京圏:14箇所
愛知県 名古屋市(3)、名古屋市
みよし市、清須市
岡崎市(2)
刈谷市
常滑市(中部国際空港)
東海市
日進市
豊田市、豊田市
千葉県
神奈川県
山梨県
横浜市(3)、横浜市
藤沢市、相模原市
海老名市、海老名市
甲府市
昭和町
水素の販売価格の決定
平成 26 年 11 月、岩谷は水素ステーションで販売する水素の販売価格を 1,100 円/kg と
することを発表した。
「水素・燃料電池戦略ロードマップ」において、水素ステーションで販売される水素の
価格については、2015 年は「ガソリン車の燃料代と同等以下」の実現を目指すという目標
が設定されているが、上記の価格は、ロードマップに掲げられている「2020 年にはハイブ
リッド車の燃料代と同等以下を実現する」という目標を、5年前倒しして販売当初より実
現するものである。
③
スマート水素ステーションの開発
平成 26 年 12 月、岩谷、ホンダと北九州市は共同で、独自に開発した高圧水電解システ
ムを採用したパッケージ型「スマート水素ステーション」を北九州市に設置したと発表し
-6-
た。
このステーションは、高圧水電解システム、蓄圧器、ディスペンサーなどをパッケージ
化することで、設置工事期間を約 1 日と短縮し、設置面積も大きく削減したほか、太陽光
パネルによる電力の供給を受け、水素を製造するものである。
この「簡便で(Simple)、小さく(Small)、持続可能な(Sustainable)」という特長を兼ね
備えたスマート水素ステーションの平成 27 年度からの活用を目指し、実証実験を重ねてい
くとしている。
④
自動車メーカーによる運営支援
平成 27 年2月、トヨタ、日産、ホンダの3社は、水素ステーションの整備促進に向けた
支援策を検討し、共同で取り組むことを発表した。今後、水素ステーションの運営に係る
費用の一部負担等の具体的活動の検討を進めていくとしている。
8
今後の取組み
(1) 水素の安全性・利用価値についての周知
水素エネルギーは、他のエネルギーと同じく適切に管理・利用すれば安全であるが、一方
で危険なイメージが持たれることが多いのも事実である。このため、水素エネルギーの導入
促進にあたっては、市民・事業者に水素の安全性や利用価値について理解いただくことが第
一であり、引き続き普及啓発に取組んでいく必要がある。
本市では、これまで、平成 26 年 3 月に設置した神戸市 FCV 導入促進協議会において、水素
ステーションの整備検討、市民・事業者への普及啓発に取り組んできた。
さらに、平成 27 年 3 月には、世界初の量産型燃料電池自動車「MIRAI」を公用車として率
先導入し、今後、各種イベントに活用してその特長をアピールするとともに、平成 27 年度に
は、再生可能エネルギーから水素をつくり、FCVに供給するスマート水素ステーションを
整備し、市民・事業者に対する水素利用への理解促進に取組んでいく。
(2) FCV等の需要拡大と価格低減
一般的に消費財は、需要が増えれば、量産効果や技術開発により価格が低下し、その低下
により更に社会で活用されるという好循環になる。
FCVについて、環境性能を特に重視する消費者だけではなく、一般的な消費者の需要を
巻き起こすためには、価格を低減させていくことが重要であり、FCVの量産効果の呼び水
となる導入補助策に取り組む必要がある。本市では、平成 27 年度から、FCV導入推進施策
として、兵庫県と協調し、市内事業者に対するFCV購入費の助成を行う。
また、水素ステーションについても、一般のガソリンステーションと比べると、整備費が
非常に高額となっていることが普及のための課題となっている。現在、国において規制の合
理化が順次実施されるとともに、財政支援制度が強化(補助上限額の引き上げ等)されてい
るところであるが、用地に対する情報提供、地元調整等の支援策に取り組む必要がある。
本市においても、商用水素ステーションの整備着工を目指し、設置候補地の調査・検討を
進めるとともに、国に対して国家予算要望等を通じて、高圧ガス保安法等の規制緩和の更な
る推進等を求めていく。また、関西広域連合においても、FCVの普及促進に向けての取り
組みが進められており、関西圏での水素エネルギーの導入推進に向けて兵庫県を始めとする
-7-
近隣都市とも連携を図っていく。
さらに、水素の価格を低減させていく観点から、国のロードマップで掲げられているとお
り、水素の大量需要につながる水素発電の実現が重要である。神戸市には、水素発電に活用
できる先進技術を有する企業が立地しており、技術開発等への支援策に取り組むことが期待
される。
-8-
【参考資料】
1.FCVの普及目標
(1) 目標台数の設定方法
FCVの普及目標台数の算定にあたっては、本市では「兵庫県燃料電池自動車普及ビジョ
ン」との整合性を踏まえて、
「次世代自動車普及目標(政府目標)に基づく推計」をベースと
して算定した。
・下記の算定フローにより算定した。
・なお、基本的には、
「兵庫県燃料電池自動車普及ビジョン」の算定方法を踏襲しているが、
以下の点について、見直しを行っている。
ⅰ)将来の乗用車新車販売台数の推計にあたっては主たる自動車利用者となる兵庫県の
20~69 歳までの将来人口に基づき推計した(兵庫県推計では全国の全年齢の将来人
口により推計)
ⅱ)兵庫県内の新車販売台数を母数として算定した(兵庫県算定では全国の新車販売台
数を母数として算定)
兵庫県の現在の乗用車(普通+小型)新車販売台数
人口減少率(神戸市 20-69 歳)に応じた販売台数の変動
兵庫県の将来の乗用車(普通+小型)新車販売台数
FCVの販売割合目標値(政府目標3%)
兵庫県のFCV累計販売台数
現在の神戸市/兵庫県の乗用車(普通+小型)保有車両数のシェア【24.9%】
神戸市のFCV累計販売台数
現在の HV+EV+PHV の神戸市各区保有車両数のシェア
神戸市各区のFCV累計販売台数
(2) 目標台数の算定
兵庫県新車販売台数
人口減少率(20-69歳)
兵 FCV販売シェア
庫 FCV販売台数
県 FCV累積台数
神戸市灘区
神戸市兵庫区
神戸市長田区
F 神戸市須磨区
C 神戸市垂水区
V 神戸市東灘区
累 神戸市北区
積 神戸市中央区
販 神戸市西区
売 神戸市合計
台 明石市
数 西宮市
芦屋市
三田市
神戸市及び周辺市合計
2015年
117,000
100.0%
2020年
110,000
94.1%
2025年
106,000
90.4%
2030年
102,000
87.5%
2015年
0.0%
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2020年
1.0%
1,100
3,354
54
36
35
82
106
108
148
81
184
834
170
264
57
79
1,403
2025年
2.0%
2,120
11,932
193
126
125
293
377
383
528
288
655
2,968
604
938
202
281
4,992
2030年
3.0%
3,060
25,386
410
269
267
623
802
815
1,122
613
1,393
6,315
1,284
1,996
429
598
10,622
-9-
2030 年の神戸市及び周辺市の推計FCV普及台数:約 10,600 台
(うち、神戸市内推計普及台数:約 6,300 台)
□参考:2030 年の全国・兵庫県の FCV 普及台数
全国:FCV 普及台数推計
兵庫県:FCV 普及目標台数
654,000 台
25,000 台
※全国・兵庫県台数は「兵庫県燃料電池自動車普及ビジョン」に基づく
2.水素ステーションの整備目標
水素ステーションの整備目標については、下記の要素を勘案して配置イメージを描くことを
通じて算定した。2030 年に市内で7基整備することを目標とする。
ⅰ)水素ステーションへの許容到達時間(15 分到達圏域)
⇒DID:約 5km 圏域、その他:約 6km 圏域
ⅱ)水素ステーション 1 基あたりの対応台数目安(1200 台/基~2000 台/基)
ⅲ)人口分布状況等の地理的特性
ⅳ)事業所の分布状況
ⅴ)道路交通量の状況(交通量が多い路線、高速道路等 IC 付近等の広域的幹線道路の分布)
ⅵ)地域別のFCVの普及台数の想定
ⅰ)居住地から水素ステーションの許容時間はおよそ 15 分
出典:水素インフラ整備等の技術開発シナリオに関する調査、H22、NEDO
到達時間
DID(27.5km/h)
その他地域(30.1km/h)
15 分
約5km 圏域
約6km 圏域
※ステーションの誘致圏域は、H22 道路交通センサスの神戸市の平均旅行速度より設定
- 10 -
ⅱ)水素ステーション 1 基あたりの対応台数目安
ⅰ)FCCJ シナリオの場合:2,000 台/1基⇒市内及び周辺地区設置目安:3基~6基
ⅱ)採算性コストの場合:1,200~1,500 台/1基 ⇒市内及び周辺地区設置目安:4基~9基
ⅲ)水素供給能力の場合:1,300 台/1基⇒市内及び周辺地区設置目安:4基~8基
ⅲ)人口分布状況
市平均:世帯あたり
自動車保有台数:0.77 台/世帯
・東灘区~垂水区の沿岸部
は、比較的人口が密集し
ているが、西区及び北区
北区:1.13 台/世帯
については、人口分布の
バラつきがみられる。
・世帯あたり自動車保有台
数は、西区、北区の保有
西区:1.21 台/世帯
垂水区:0.77 台/世帯
東灘区:0.61 台/世帯
率が高くなっている。
灘区:0.49 台/世帯
長田区:0.61 台/世帯
須磨区:0.74 台/世帯
ⅳ)事業所の分布状況
・全事業所で見た場合に
は人口分布と同様の分
布となっているが、一
定規模(30 名)以上の
事業者に限定した場合
には、中央区(1,378 社)
が圧倒的に多くなって
おり、次いで、西区(578
社)
、東灘区(559 社)
が多くなっている。
- 11 -
中央区:0.52 台/世帯
兵庫区:0.50 台/世帯
ⅴ)道路交通量の状況
・道路交通量の状況は、沿岸部の 2 号線・43 号線等の東西方向の交通量が多くなっている。
西区については三宮方面からの山麓バイパスから西神方面の交通量が多い。北区について
は主に阪神高速や山陽自動車道等の高速道路の交通量は多いが、一般道は他と比べると相
対的に少なくなっている。
- 12 -
ⅵ)地域別のFCVの普及台数の想定
区
人口
(全年齢)
人口
密度
(人/ha)
将来(2030 年)
人口減少率
(20-69 歳)
事業所数
(30 人以
上)
世帯あた
り自動車
保有台数
東灘
灘
212,743(④)
134,707(⑥)
89.7(⑤)
105.6(①)
92.7%(⑦)
95.3%(⑨)
559(③)
251(⑦)
0.61(⑤)
0.49(⑨)
820(④)
410(⑦)
(+芦屋 430)
1基
中央
兵庫
129,330(⑦)
106,736(⑧)
58.2(⑦)
103.3(②)
94.3%(⑧)
89.5%(⑥)
1,378(①)
400(④)
0.52(⑦)
0.50(⑧)
610(⑥)
270(⑨)
880
1基
北
224,348(②)
22.8(⑨)
86.0%(④)
318(⑤)
1.13(②)
1,120(②)
(+三田西宮 2,590)
2基
長田
98,745(⑨)
96.2(③)
83.9%(②)
197(⑨)
0.61(⑤)
270(⑧)
須磨
164,269(⑤)
76.1(⑥)
81.0%(①)
256(⑥)
0.74(④)
620(⑤)
890
1基
垂水
220,173(③)
90.9(④)
85.9%(③)
227(⑧)
0.77(③)
800(③)
西
248,700(①)
24.1(⑧)
87.0%(⑤)
578(②)
1.21(①)
1,390(①)
47.1
88.3%
4,164
0.77
市計
1,539,751
2030 年
FCV 普及台数推計
1,230
1,120
800
水素
ステーション
整備目標
(+明石 1,280)
1基
1,390
1基
6,310
7基
※表中数字横のカッコ内数字は、9 区中の区別順位を示す
配置イメージ
北神・(三田・西宮・高速 IC)エリア:1基
北区エリア:1基
西区エリア:1基
灘・東灘・(芦屋)エリア:1基
中央・兵庫エリア:1基
垂水・(明石)エリア:1基
長田・須磨エリア:1基
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