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平成21年度研究開発実施報告書(PDF:2692KB)

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平成21年度研究開発実施報告書(PDF:2692KB)
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
社会技術研究開発事業
平成21年度研究開発実施報告書
研究開発プログラム
「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
研究開発プロジェクト名
「滋賀をモデルとする自然共生社会の将来像とその実現手法」
研究代表者氏名
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
内藤 正明
1
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
1.研究開発プロジェクト名
滋賀をモデルとする自然共生社会の将来像とその実現手法
2.研究開発実施の要約
①研究開発目標
脱温暖化・環境共生を包含した持続可能社会を「2030年にCO2排出量半減(1990年比)
という制約下で、地域の豊かさを可能な限り達成する社会」と定義し、
・ 滋賀を対象に、持続可能な社会のビジョンを作成し、その実現シナリオを提示
・ 持続可能社会に繋がる地域実証モデルを構築し、それを解析・評価
・ これらの過程で得られた知恵と技法を体系化する
②実施項目
本年度の実施項目は以下の通りである。
【モデル地域による持続可能社会への実証実験】
・ 小舟木エコ村での電気自動車カーシェアリング設備の導入/居住とライフスタイ
ルの変化に関する調査/地産地消のためのシステムづくり/法制度面への提案
・ H市S集落での里山再生ワークショップの実施/里山バイオマス利用と電力供給に
よるCO2排出-50%シナリオの実践
・ 東近江市での市民参加型ワークショップによる、持続可能な2030年の将来社会像の
ためのストーリーラインの作成
【滋賀における持続可能社会のシナリオ作成】
・ 統合評価モデルの拡充
・ バックキャスティングツールを用いたビジョン実現のためのロードマップ作成手
法の確立
・ 地元ステイクホルダーの参加による県全体の将来ストーリーラインの作成(未来予
想絵図の作成,滋賀変革構想検討委員会の開催)
③実施内容
モデル地域による持続可能社会への実証実験として本年度は、地産地消やバイオマ
ス利用などの実践的な取り組みの開始と、地域に根付いた活動を展開している住民ら
による将来ビジョン(ストーリーライン+スナップショット)の作成をおこなった。
小舟木エコ村ではコミュニティ単位の適正技術として電気自動車シェアリングの発
電設備を導入と潜在的需要に関する調査、入居前後のライフスタイルの変化に関する
調査、1日マーケットの定期的開催による地産地消実践の場の提供、計画時に変更を余
儀なくされた取り組みからみた法制度面などの課題整理をおこなった。S集落では里山
と共生したライフスタイルに関する集落住民とのワークショップ、「エコ民家」に実
際に居住することによるバイオマス利用に関する作業量・収集量などに関する調査を
おこなった。東近江市では「ひがしおうみ環境円卓会議」との協働で2030年の持続可
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研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
能な東近江を考えるワークショップを開催し、将来社会の定性的ストーリーラインと
定量的スナップショットの作成をおこなった。
滋賀全域を視野に入れた持続可能社会のシナリオ作成に関しては、統合評価モデル
の拡充のために交通モデルの追加検討をおこない、さらに作成したビジョンを実現に
至らしめるための「ロードマップ」の作成手法についても検討をおこなった。
また、シナリオ作成の第一歩として、県内のさまざまな団体があつまる「びわ湖・
まるエコ・DAY」での将来社会の夢や希望を集約させた「未来予想絵図」の共同作成
と、有識者・企業経営者・行政担当者らをあつめた「滋賀変革構想検討委員会」によ
る滋賀の地域社会のあるべき方向性や新たな豊かさに関する議論をおこなった。
④主な結果
小舟木エコ村では電気自動車シェアリングの一定的な潜在的需要が確認できたとと
もに、入居前後のライフスタイルの変化や地産地消マーケットの参加状況などから、
当初の理念に即した形での意識向上と実践定着の傾向が見えはじめた。S集落では生活
実践者によるバイオマス利用に必要な作業量とそれに伴う収集量(利用可能量)を定
量的に把握することが可能となり、住民の協力を得ることで集落としての里山利用に
必要なコミュニケーションの形成も図られた。東近江市では、ワークショップ参加者
らの熱心な参加を得ることで、脱温暖化にとどまらない幅広い視点から地域全体を包
括した将来社会のイメージが作成・共有され、定量的な推計を伴った実現可能なビジ
ョンを作成することが可能となった。これら実際の地域を対象とした研究活動から、
地域における持続可能な社会の具体像をより鮮明にすることができたと共に、まだ僅
かではあるが、地域の住民や様々な活動団体による実践活動への波及の第一歩を見出
すことができた。
また、統合評価モデルの拡張として、サブモデルに交通モデルやバックキャスティ
ングモデルを適用することで、滋賀県全体としての自然共生的で持続可能な社会像を、
現在から目標年(2030年)に至るまでの道筋を含めて明らかにすることが可能となった。
さらに、「未来予想絵図」の作成や「滋賀変革構想検討委員会」での議論を通じて、
本研究が目的に掲げる「新たな豊かさ」の方向性として、滋賀の人々は「地域が自律
する」「人・モノがつながる」「琵琶湖と暮らす」ことを理想としていることが明ら
かになった。次年度以後、これらの要素を高めるような方向性で将来社会像とその実
現手法を構築していくことが求められる。
3.研究開発実施の具体的内容
(1)研究開発目標
脱温暖化・環境共生を包含した持続可能社会を、「2030年にCO2排出量半減(1990年
比)という制約下で、地域の豊かさを可能な限り達成する社会」と定義し、
滋賀を対象に持続可能社会のビジョンを描き、実現に至るまでのシナリオを提示
する。ここで描くビジョンは、自然共生的で生存可能であるという前提のもと、
“地域の伝統・文化の智恵と現代技術”を融合した脱石油型の社会である。
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県内の実地域で住居・集落・市レベルの実証モデルを構築、それを解析・評価し
て、滋賀全体として望むべき社会の姿と、地域での実践の在り方がひとつに繋が
ったものを提示する。
滋賀でのこれらの過程で得られた知恵と技法を体系化し、他の地域、他国でも活
用しうる手引書(マニュアル)を作成する。
(2)実施方法・実施内容
【モデル地域による持続可能社会への実証実験】
小舟木エコ村では、コミュニティの交流拠点として利用されている集会所の屋根に
太陽光発電パネルを搭載し、発電量のデータ収集を開始した。また次年度に実施する
コミュニティレベルでの電気自動車共同利用(本年度の秋からの開始を予定していた
ものを変更)に関し、参加希望調査をおこなうことで潜在的需要の確認をおこなった。
また昨年より引き続き、地産地消型ライフスタイル実践の土台作りとして「百菜市場」
を開催した。さらに、小舟木エコ村の計画策定経緯で実施にむけ検討を行ったが、最
終的に変更・中止に至った取り組みについて、変更・中止の理由を「法制度上の制約」
「意識的な要因」「経済的な要因」「浸透させにくい制度の存在」などの観点から整理
し、自然共生型社会の実現に向けた法制度面への提案を整理した。
H市S集落では、昨年度に試算した2030年CO2排出-50%へのシナリオや集落特性の
把握をふまえ、集落住民とエコ民家居住者の協働による里山利用のシステムを試案し、
集落におけるバイオマスの収集・利用可能性の確認をおこなった。また、エコ民家に
薪ボイラーを導入し「灯油フリー」ライフスタイルを実践するとともに、自立型電力
供給を開始し、その可能性・有用性を確認した。さらに、集落自治会に「まちづくり
委員会」の設置を促し、委員会へ参画することで集落のまちづくりとしてのCO2排出量
削減への礎を築いた。
東近江市では今年度「ひがしおうみ環境円卓会議」が組織された。同会議では、東
近江の環境まちづくりの到達目標実現のために、市民・事業者・行政が対等の立場で
議論し必要な目標と指標設定をすることを任務としている。このひがしおうみ環境円
卓会議との連携により、同会議のメインテーマとして「2030年 持続可能な東近江市将
来像」についてディスカッションをくりかえすことで、市民にとっての将来の地域社
会のあるべき姿、すなわち持続可能な将来社会のビジョンづくりを行った。
【滋賀における持続可能社会のシナリオ作成】
前年度は、滋賀県全域を対象とし自然共生的で持続可能な滋賀の将来ビジョンを描
くため、行政担当者、県内の企業経営者、有識者からなる「滋賀変革構想検討委員会
(委員22名)」を発足した。そこでは滋賀・近江の独自の文化や物語、文明論、科学
技術論、社会論などを踏まえて、2030年に二酸化炭素排出量を半減(1990年比)しつつ
豊かさを実感できる社会はどのようなものか(新たな豊かさの定義)、どのような価
値観の変革(脱石油文明の価値の定義)が必要か、また実現のためには何(対策や取
り組み)が必要なのかを議論した。その成果として“琵琶湖と共生する暮らし”、
“人々
のつながり”、“地域の自律”の観点から、2030年の滋賀の姿を叙述した“ストーリ
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ーライン”を作成した。
既存の統合評価モデルにおける「運輸部門」の需要予測および排出量の計算を空間
的な情報(土地利用の変化などによる交通量の変化など)も考慮して行うため、モデ
ルの構築を試みた。モデルの構築においては、平成12年国勢調査データと第4回京阪神
PT調査データを用い、JICA STRADA Ver3.5(株式会社インテルテック研究所)を用
いて構築した。これは、交通行動の発生集中、分布、分担、配分という4つの段階に応
じて交通量を予測するものである。
地域で活動しているさまざまな団体の想いをつなぎ、未来への橋渡しをテーマとし、
5m×5mの巨大なベース絵図の上に、参加したみんなが想像する「2030年滋賀の未来」
を絵で書いてもらい、一つの未来を完成させるワークショップを開催した。
琵琶湖博物館のアトリウムに広げた5m四方の大きな下絵に、開催期間中(9日間)
を通じて、85の出展団体のうち29の団体のメンバーがそれぞれ思い描いている未来の
暮らしを下絵の上に描き込んだ。
最終日には、参加したみんなが完成した未来予想絵図を取り囲み、担当スタッフが
参加団体の描き込みを紹介しながら、みんなで絵図に足りないものやもっとこうした
らいいのではないか、という意見を交換し合い、未来への想いを共有し合う時間を持
った。
図 1に、上記それぞれの研究活動の相互関係とプロジェクト全体における位置付け
を示す。
(本年度のおもな活動)
・統合評価モデルの拡充
・ロードマップ作成手法の確立
・県全体のストーリーラインの作成
(成果の次年度以降への展開)
・県全体ストーリーラインの拡充
・統合評価モデルによる定量化
・県全体将来ビジョンの作成
・ロードマップの作成
・豊かさの観点からビジョンの検証
・ビジョンの公表
県行政
社会的課題の整理
実践ノウハウ
東近江市
自然共生社会に
向けた実践
自然共生の
先行的な実践
S集落
(本年度のおもな活動)
・里山再生ワークショップ
・化石燃料フリー生活の実践
(成果の次年度以降への展開)
・ライフスタイル調査
・自然共生型社会の生活イメージ
の具現化
自然共生社会の
シナリオ作り
地元企業
統合評価モデル
シナリオ作り
に参加
脱温暖化・
環境共生の
科学的根拠
県民
ネットワーク
滋賀をモデルとした
自然共生社会
将来に向けた
実践の道筋
市民活動
小舟木エコ村
シナリオ作り
に参加
コミュニティ
ビジネス
(本年度のおもな活動)
・カーシェアリングの検討
・リサイクルの着手
・地産地消の体験イベント
(成果の次年度以降への展開)
・ライフスタイル調査
・自然共生型社会の生活イメージ
の具現化
(本年度のおもな活動)
・ひがしおうみ環境円卓会議の開催
によるストーリーラインの作成
・統合評価モデルによるストーリー
ラインの定量化
・地域将来ビジョンの作成(仮)
(成果の次年度以降への展開)
・地域将来ビジョンの補強・公表
・ビジョン実現のためのロードマッ
プの作成
図 1 本年度のおもな活動と成果の次年度以降の展開
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研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
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(3)研究開発結果・成果
【モデル地域による持続可能社会への実証実験】
◎ 小舟木エコ村での自然共生型コミュニティ形成の取り組み
・小舟木エコ村での適正技術の検討とリサイクルシステム整備の着手
図 2 エコ村集会所の様子
小舟木エコ村集会所の屋根に太陽光発電パネル (2.16kW) を搭載し、発電量データ
の収集を開始した。図 3に2010年3月の日別発電量のグラフを示す。1ヶ月の総発電量
は約200kWhであり、これは、電気自動車(REVA)の走行距離にして約1900km分に
相当する(カタログ値より)。このことから太陽で発電した電気を用いて走行する電
気自動車カーシェアリングの達成が十分可能であることが確認できた(太陽光発電で
100%充電したと仮定すると、CO2排出が0の交通手段。実際には系統連携し商用電力
も利用して充電を行なう)。
太陽光発電パネルによる発電量 / 2010年3月
14
12
発電量 ( kWh )
10
8
6
4
2
0
1
6
11
16
21
26
31
日
図 3 太陽光発電による発電量
また、来年度実施予定の電気自動車カーシェアリングへの参加希望調査(有効回答
数:62)では、「ぜひ行ないたい」(1人:1.6%)、「興味がある」(17人:27.4%)との
結果が得られた。需要の確認ができたため、翌年度に事業の説明会を開催し参加者の
募集と運用を開始する。
・エコ村での居住とライフスタイルの変化に関する調査
居住者に対して、小舟木エコ村入居前後で環境配慮行動にどのような変化が現れた
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かを、環境省の「環境にやさしいライフスタイル調査」を参考に調査した。表 1に設
問項目のなかで「いつも行なっている」「だいたい行っている」の割合が特に大きく
増加したものを示す。
表 1 小舟木エコ村への入居前後での環境配慮行動の実行率の変化
小舟木
エコ村
入居前
小舟木
エコ村
入居後
実行率の
変化
日常生活においてできるだけごみを出さないようにしている
19.4
58.1
38.7
日常生活において節電に努めている
58.1
93.5
35.5
適度な冷暖房温度に努めている
58.1
85.5
27.4
地域で取れる食材や建材などを利用
14.5
40.3
25.8
日常生活において節水に努めている
62.9
87.1
24.2
家電製品などを購入する際,省エネ性能も考慮
64.5
85.5
21.0
環境に対して良いと思うことを知人や友人に伝えたり広めている
14.5
30.6
16.1
ごみは地域のルールに従って分別して出す
87.1
100.0
12.9
設問項目
(n=62,単位:%)
・地産地消のためのシステムづくり
昨年度に引き続き、「百菜劇場」による1日マーケットを開催した。今年度の開催内
容は以下の通りである。
5月
(240人来場:10店舗出店 晴天)
BDFを作りながらBDFカーにて世界一周を成し遂げた山田周生氏の来村
に合わせ、廃食油の回収を行なった(17リットル)
7月 (100人来場:11店舗出店 雨天)
9月 (130人来場:8店舗出店 雨天)
12月 (200人来場:13店舗出店 晴天)
図 4 「百菜劇場」による1日マーケット
天候の影響による来場者数の減少などもあったが、年間を通じて100人規模での来場
をたもっており、地域で作られたものを自分たちが消費する、ということへの関心の
高さと、それを実践に移す行動の定着化がうかがわれた。
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・法制度面への提案
小舟木エコ村で環境共生コミュニティ推進にむけ計画を進めていたが、次の2つの現
行制度の問題によっていくつかの計画が変更された。
1)
規制緩和に該当しない、例外規定の取り扱いのあり方
・法およびそれに基づく条例の条文には、例外規定の記述があり、行政の解釈
により実現可能であることを理由に、規制緩和の対象にならない。
・例外規定は、協議窓口の前例主義的な運用の前で、実質機能しない。
2)
仕様に責任を求める代わりに、結果に責任を求めない制度設計
・ハードの仕様を規定される代わりに、環境負荷削減や達成状況は問われない。
・最適な仕様を案件ごとにソフトも含めて検討し、採用することができない。
・より環境負荷の低い暮らしを志向する事業者や住民に、経済的メリットが少な
い。
この2つの問題により、当初小舟木エコ村で計画されていたが変更を余儀なくされた
取り組みのうち、代表的な4つについて、「法制度上の制約」「浸透させにくい制度の
存在」「技術的・経済的な要因」「意識的な要因」という観点から要因整理をおこな
い、「法制度上の制約」「浸透させにくい制度の存在」については、改善希望点の整
理を行なった。なお、ここでの「意識的な要因」とは、事前協議の段階で一般的な懸
念事項としてあげられたものであり、現在の小舟木エコ村の住民意識ではないことを
注記しておく。
以下にそれぞれの取り組みに関する整理概要を記すと共に、表 2
案にその詳細を示す。
法制度面への提
取組1:地場農産物を使った地域農業連携型菓子工房や、事務所、店舗、研究施設
など、用途が複合する職住近接のまちづくり
〔ネックPoint〕
複数の用途が複合するまちづくりは現行の都市計画法においても例外規定にて対
応可能。しかし一度特別扱いをして例外を認めると、今後次々と例外を認めなけれ
ばならないという発想による行政指導が現状である。
〔改善Point〕
行政が実際に例外規定に基づき許可を与える体制(もともと法律上は対応可能)。
利用やインフラの仕様を個別に提案・審査する専門機関の設置。
取組2:20戸~30戸を住区単位とした小コミュニティの形成(区画割、コモンスペ
ース、道路などを住民参加で計画し、作り上げる街)
〔ネックPoint〕
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農地転用の許可と同時許可であるため、開発許可時に公共用地の計画を全て確定
させる必要がある。また、変更する場合に、地区計画の見直しの扱いとなる場合に
は、手続に関わる作業量が膨大である。
〔改善Point〕
主要道路網のみ確定させておき、農地転用の許可と同時の許可取得後、区画割、
コモンスペース、自歩道、私道を段階的に計画、整備することを、変更許可や地区
計画の変更ではなく軽微変更で対応可能として欲しい。そうすることで、農地転用
許可の整合性を確認するための行政の負担も無くなる。
取組3:琵琶湖集水域における生活モデルの確立
〔ネックPoint〕
新規の開発事業にてビオトープ、水田、菜園などを公共用地に取り入れようとす
ると、財政負担軽減・管理省力化のため認められない。住民による自主的管理につ
いては担保性が求められ、実現が難しい。また、管理費用を事業者に負担させる。
〔改善Point〕
緑地を確保する指導をして欲しい。あるいは、都市計画法32条の協議にて公共用
地の設計や仕様に基づく管理を事業者か住民がやることを条件に、その位置や仕様
などの自由度を確保する協定書を締結するなどして対応して欲しい(一部実施済)。
また、事業者が管理費用を負担する場合は、その納入先を行政ではなく自治会とし、
設計単価ではなく実際に発注する単価でおこなって欲しい。
取組4:宅地内汚水処理システムの導入(嫌気性醗酵漕、コンポストトイレ、新見
式など)
〔ネックPoint〕
現行法では、新規の開発事業の計画地が下水道計画区域に該当する場合は下水道
への合併浄化槽への接続が必要となる。例外規定はあるが、浄化性能や長期的な排
水基準値クリアの担保性から、採用が認められることは極めて難しい。併用する場
合は、コンポストトイレ+水洗トイレなど事業者・住民は二重投資を行う必要性が
出る。また、上水道使用料に基づき下水道料金が課金されるため、宅地内で浄化し
ても経済的なメリットがない。
〔改善Point〕
上水道の使用量だけでなく、下水道計画地ごとに幹線(流域下水道)への流入ポ
イントにて汚濁負荷を計測するなどして、計画区域ごとに料金が定められることが
望ましい。現状では下水道計画区域内で建築申請にて認められない、汲取扱いの雑
排水処理の方法の選択肢を、例外ではなく許可条件の選択肢として認めて欲しい。
新見式※のような手法を採用できるよう、処理空間の確保や使用可能な洗剤などを
建築確認申請時に確認するような仕組みを検討して欲しい。
※新見式・・・トレンチの底に敷かれた、両端に若干の立ち上がりをもつ不透水
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性の合成樹脂膜によって、汚水はそれ以上下降できずに底でたまる。そこから周辺
の自然土壌に毛管上昇を誘導毛管水が起こり、汚水が浸潤していく過程で、土壌微
生物により浄化作用を受け、汚水が処理される土壌浄化法の一種。
表 2 法制度面への提案
取組1
関連法規
用途が複合する職住近接のまちづくり。
・ 地域農産物を扱う菓子工房(工場)、エコライフスタイルに関する研究施設や事務所、住宅地が
共存するまちづくり。
都市計画法 29 条、34 条、農地法 5 条
要因
【法制度上の制約】
開発許可後の用途は、近隣の用途制限を準用する。そのため周辺が住宅地であれば、工房や店
舗は基本的に認められない。
【浸透させにくい制度の存在】
菓子工房(工場)、研究研修施設、事務所は 34 条 10 号イの取り扱い上、不可
例外規定はあるものの、基本的に用途は単純化される方向で指導される。Ex 住宅か、工場かのどち
らか一方。
改善希望点
一定規模以上の開発の場合は、用途の混在を認める行政手続の整備。
ex)現行の開発審査会や都市計画審議会とは別に、各地域に最適と考えられる土地利用やイン
フラの仕様を個別に提案・審査する専門機関の設置。
取組2
20 戸~30 戸を住区単位とした小コミュニティの形成
(区画割、コモンスペース、道路などを住民参加で計画、作り上げる街)
関連法規
都市計画法 29 条、34 条、農地法 5 条
要因
【法制度上の制約】
農地転用と開発は同時許可であり、許可時に公共用地の計画を全て確定させる必要がある。
【浸透させにくい制度の存在】
宅建業法上、開発許可前の土地の広告は不可
公園と集会所は一箇所、小コミュニティ単位のコモンスペースは公共地として設置不可、私有地に
共用空間の設置は管理担保性から不可との指導
【技術的・経済的な要因】
小舟木エコ村のように計画地が 15ha など大規模の場合、上記の取組(コーポラティブ方式)で土
地利用を決めることが大変難しい。
改善希望点
主要道路網のみ確定させて許可取得後、区画割、コモンスペース、自歩道、私道を段階的に計画、
整備することを、変更許可や地区計画の変更ではなく軽微変更で対応可能とする。
取組3
琵琶湖集水域における生活モデルの確立
・ 豊かな自然環境の創出(緑化、道路の浸透性舗装など)
井戸やビオトープなど、水を仲立ちとした人間関係の形成
関連法規
建築基準法 42 条
道路法 30 条、道路構造令 23 条、26 条
要因
【浸透させにくい制度の存在】
・ 協議での管理省力化の指導。調整池機能に純化。舗装仕様、親水利用、植栽、法面緑化、土
羽等の仕様は認められず。住民が自主的に管理できるスペースの確保も不可。
・ 河川法における雨水排水基準において、流出係数は宅地0.9が一律課せられる。
・ 個別貯留は維持管理担保性ないことから不可。
【技術的・経済的な要因】
・ 用排分離の農業水利行政により、水系分断されている
・ 住民維持管理部分に真砂土舗装など取り入れても、透水係数の緩和が無く、コスト削減に結び
つかない。
・ 行財政の逼迫を理由に、そもそも3%以上設けるべき緑地を、緑地と
・ して整備しないように指導がなされる。
・ 公共財産を自主管理しても市民税減免など無い税制
管理費用を事業者に負担させる。
緑地を確保する指導をして欲しい。あるいは、都市計画法 32 条の協議にて公共用地の設計や仕様
を基づく管理を事業者か住民がやることを条件に、その位置や仕様などの自由度を確保する協定
書を締結するなどして対応して欲しい。(一部実施済)
また、事業者が管理費用を負担する場合には、その納入先を行政とするのではなく自治会としたり、
改善希望点
10
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その積算にあたっては設計単価ではなく実際に発注する単価でおこなって欲しい。
取組4
宅地内汚水処理システムの導入
(嫌気性醗酵漕、コンポストトイレ、新見式など)
・ 大小分離型トイレの設置
・ 植物や微生物を用いた、し尿・雑排水の自己処理システムの整備
し尿と雑排水の分別処理
下水道法 10 条、11 条、浄化槽法 2 条
関連法規
要因
改善希望点
【法制度上の制約】
下水道計画区域内(県・市)では、開発許可の排水計画及び、建築確認申請時に下水道接続が指
導される
※滋賀県水すまし条例に基づき、下水道計画区域内においても合併浄化漕で代替することはでき
ることになっている
【浸透させにくい制度の存在】
・ 水すまし条例はあるが、コンポストトイレや雑排水を生物浄化するシステムの組合は汲取に該当
するため、開発か建築確認における個別協議が必要な状況は変わらない。(建築基準法上の取
扱の整理)
・ 機器の浄化性能及び長期的な排水基準クリアを担保する確認が必要。
【技術的・経済的な要因】
・ 合併浄化槽のように複数世帯で導入すればイニシャル・ランニングとも下水道より負担少ない。
・ 現状では、生態系の物質循環を応用した排水処理システムと下水道整備とは二重投資に。
・ 利用できる石鹸、洗剤や油、調味料の安全性確認必要。安全性の高い商品は割高。⇔下水道
に負荷をかける商品は割安になっている。
・ 下水道と併用しても、経済的メリットの無い下水道料金の課金システム。
・ 自己責任であるため、個別浄化システムの実態を把握する手続きが無い。
【意識的な要因】
・ 何でも水で洗って下水道に流すのではなく、食器に付着する油分を拭き取るなど、住人や来訪
者全員が改める必要。
・ 個人責任の取り組みのため、住民の自主的な決定が必要で、一般的な分譲方式や入居の流れ
では限界がある。
外部持込や年少者や高齢者の誤投入防止など、ハード設備に変わるライフスタイルの規定が必
要。
近江八幡市の汚水処理費用のコストは、上水道の使用量に比例して課金されるが、使用量だけで
なく、流された汚水雑排水の水質に応じて課金されるように変更することが望ましい。下水道計画地
ごとに幹線(流域下水道)への流入ポイントにて汚濁負荷を計測するなどして、計画区域ごとに料金
が定められることが望ましい
また、現状では下水道計画区域内で建築申請にて認められない、汲取扱いの雑排水処理の方法
の選択肢を、例外ではなく許可条件として認めて欲しい。新見式のような手法を採用できるよう、処
理空間の確保や使用可能な洗剤などを建築確認申請時に確認するような仕組みを検討して欲しい
◎ S集落に関する基礎調査と集落再生の可能性・課題の検討
集落におけるバイオマスの収集・利用にあたっては、昨年度提示したように「まち
づくり」のアクションとしての位置づけが大切である。そこで、集落のまちづくりの
課題として「里山整備=マツタケ山の再生」(以下里山再生)を切り口としてバイオ
マスの収集活動を展開した。
・里山再生ワークショップの実施
ワークショップの目的は、マツタケの産地であった当該総山において、「里山管理」
「薪炭利用」「マツタケ再生」の3点を融合し,現代的ライフスタイルに対応した持続
可能な里山管理・利用形態を検討することである。実施の概要は以下の通りである。
実施日
:2009年5月31日
11
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
実施時間
実施場所
参加者
実施方法
使用機器
:13時30分~15時30分
:滋賀県H市S集落総山
:計36人
:総社周辺約0.5aの低木伐採と地掻き作業.
:草刈機5台,チェーンソー1台,その他鎌,鉈
図 5 ワークショップ参加者
ワークショップを通じて得られた里山管理のポイントについて以下の通りである。
・ マツタケは痩せ地を好むため、富栄養化した土壌の場合は一度裸地にする必
要がある
・ 乾燥地を好むが、乾燥しすぎはよくない
・ 地表には65~75%の割合で影が落ちるよう樹木で調節する
・ 枯損したマツは焼却処分する
・CO2排出-50%シナリオの実践:集落におけるバイオマス利用と電力供給
前年度の調査から、S集落の家庭におけるCO2排出を50%削減するシナリオが提示さ
れた。この提示内容をもとに、同集落においてCO2排出を抑制した生活を実践し提示す
る場が「エコ民家」である。
エコ民家は現在「0号館」「1号館」「2号館」の三棟で居住が実践されており、その
うち1号館は昭和7年竣工、40年代に一部増築された民家であり母屋に3名の学生が生活
している。エコ民家では、自動車については自転車利用、車の相乗り、電気自動車利
用、灯油の利用については薪などのバイオマス利用、電気の利用については省エネ活
動や電灯の交換、太陽光発電パネルの設置がなされている。
バイオマス利用によるCO2削減の取り組みでネックとされているのはそれらの収集
である。集落ではかつて里山の柴や里地の籾殻などのバイオマス資源を活用してエネ
ルギーの自給を図っていた。CO2排出の抑制には、今一度ライフスタイルを里山・里地
のバイオマスに依拠したものに変化させることが必要となる。
本研究ではライフスタイル転換の実践内容としてエコ民家におけるバイオマスの利
用と収集について報告する。
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バイオマスの利用設備
導入した設備は以下の通りであり、これらの設備を使用して現在も生活を実践して
いる。使用感に関してはコツを覚えれば特に問題はないが、燃料としてのバイオマス
の収集は課題である。
<薪ボイラー>
型番:KS-120FW((株)イソライト住機)
出力:一次側 マキ 30,000kcal/h(34.8kw)
コイル マキ 26,000kcal/h(30.1kw)
<薪ストーブ>
型番:NESTOR MARTIN S33(ベルギー製)
最大出力:12,000Kcal/hr
暖房面積:130平方メートル
図 6 薪ボイラーと薪ストーブ
バイオマスの収集
集落内や近郊に存在するバイオマスの薪・チップとすることでどの程度の容量が得
られるのか、またどの程度手間がかかるのかを確認した。
(果樹園剪定枝)
H市I町にある周辺住民所有の柿園(約30a、120本の柿の木)1年間に剪定された柿
の枝のチップ化をおこなった。学生2名、柿園所有者、粉砕器販売者の4名で作業を行
った。作業時間は2時間であった。
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図 7 作業の様子とチップ化された柿の枝
2時間の作業で、柿の枝は35リットルの袋9つ、計約315リットルのチップが得られた。
チップの利用は薪ボイラーの焚きつけやコンポストトイレの基材としての利用が想定
される。その他にはオクドサンでの調理への利用も考えられる。チップ化と焚き付け
用の枝に分けることが必要であろう。
(里山残材)
集落では34haの里山を有しており、かつてはこの里山の柴は集落の燃料として利用
され、木々は住宅の木材として利用されていた。近年では、集落住民有志による草刈
りなどが行われ、平成16年度から滋賀県の里山整備事業で整備が行われた残材が放置
されている。
エコ民家居住者4名で搬出作業を行った。里山の入り口まで自動車で移動し、その後
チェーンソー1台、フートン袋(49cm×49cm×53cm)2袋、キャリーカート60kg用2台を
用意し里山に入り、50mほどのぼった場所の残材を搬出した。チェーンソーで40cm程
度に切断しフートン袋に4本詰め、一袋2人で作業道まで搬出した。作業道からはカー
トに載せ、ふもとまで運んだ。その後車にてエコ民家へ運んだ。帰宅は15時30分であ
り、約2時間の作業時間であった。
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図 8 搬出の様子と調達した薪
調達された薪は直径20cm長さ40cmほどの大きさの材が8本、これを斧で割った。要
した時間は1時間・人であった。収量はおよそ0.4m×0.9m×h0.3m=0.108立米、束数
にすると4束(乾燥状態でおよそ30kg)であり、これは薪ストーブユーザ使用量3.8束
/日とするとおよそ1日分である。
(里山の立木)
2009年11月15日に里山ワークショップを開催した際に立木の伐採(ナラ1本)を行
った。集落住民の協力を得ながら軽トラックで搬出した。チェーンソー2台を使用し、
切り倒し、玉切りを行った。所要時間は約30分(2人)であった。
図 9 立木の伐採と調達した薪
収量はおよそ0.4m×1.5m×h0.5m=0.300立米、束数にすると12束(乾燥状態でお
よそ70kg)であり、これは薪ストーブユーザ使用量3.8束/日とするとおよそ3日分で
ある。(要薪割り)
(その他)
その他の集落内のバイオマス資源としては、端材、廃材等がある。端材は集落内の
工務店や木材加工所から発生する切れ端である。廃材は建物改修時に発生する木材で
ある。その他に、農家が「はざかけ」に利用していた杭や竹がある。
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図 10 建物改修・建物解体時の廃材
エコ民家自体の改修工事において発生した材や隣家から提供された材があり、これ
を長いものは40cm程度にカットし、幅広の材は手斧で割って薪として使用した。薪材
としては十分乾燥しており火の着きはよいという利点がある。図 10の右の写真は柱材
であるが、これをカットするのにおよそ3時間を要した。
集落におけるバイオマス利用について、里地の剪定枝、里山、端材、廃材、その他
について検討した。どの手法も一長一短があるが、バイオマスを安定的に確保するた
めには特に果樹農家との連携、里山の定期的整備に取り組むことが欠かせない。これ
に集落内の樹木剪定枝の活用、端材の調達が付加されることで安定感が増すこと考え
られる。
表 3 集落内におけるバイオマス利用
里地剪定枝
里山
端材
廃材
安定度
高
高
低
低
量/手間
高
中
高
中
質
良
良
良
やや難
課題点
供給側手間
増
搬出方法
要検討
供給が
不確定
供給が
不確定
自立型電力供給
エコ民家においては、昨年度に試算した2030年CO2排出-50%へのシナリオや集落特
性の把握をふまえ、1kwの太陽光発電パネルの導入を目指して整備を進めている。
本年度はエコ民家0号館(納屋)の下屋に0.5kwの太陽光発電パネル(京セラ ソーラ
ーパネル KC125TJ×4)を設置し、コントローラー(SA-MPPT-15L)(バッテリー
(M27MF×2)接続)、インバーター(SK1000-124)を介して既存電線を活用しエコ
民家1号館へ電力を供給させた。母屋においては商用電源自動切替機(ZEP001B)を介
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して、冷蔵庫(パナソニックNRF473TM 年間消費電力390kWh/年(カタログ値)日
消費電力1.07kwh、月消費電力33kwh)に電力を供給した。
8月1日から送電を開始し現在稼働中であるが、使用電力量については「電力使用量
のおしらせ」によると8月7日~9月4日:51kwh 956円、9月5日~10月6日:88kwh
1658円、10月7日~11月7日:109kwh 2058円、11月8日~12月4日:83kwh 1563
円、1月9日~2月5日:87kwh 1710円、2月6日~3月5日:97kwh 1909円となって
おり、延べ211日で計515kw、日平均2.44kwh、年間電力使用量推定値は891kwh、月
間電力使用量は74kwhである。
発電量と消費電力量の関係は調査を継続中である。
図 11 太陽光発電パネル設置の様子
図 12 エコ民家1号館における電力料金の推移
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◎ 東近江市での地域ワークショップの開催と参加型将来シナリオ作成に関する調査
滋賀県東近江市をモデル地域とし、市民との協働を経ながら地域の将来ビジョンとそ
の実現シナリオを策定する。
具体的な手順は大きくわけて、
1. 東近江市を拠点として様々な活動を行っている市民や事業所、行政などが一同に
会するワークショップを開催。将来の東近江について議論を重ね、意見を集約す
ることで地域の将来像を描く。またその将来像に基づいて統合評価モデルのうち
“スナップショットモデル”により経済、財政、市民生活などと資源・エネルギ
ー消費、二酸化炭素排出量などを推計することで、将来像の実現可能性を定量的
に検証する。
2. 上記の社会を実現するために、東近江市が主体となり市民、市政のレベルで取り
組むべき対策や施策(例:エコライフスタイルへの転換、脱クルマ公共交通シス
テムなど)を検討し、制度施行、財政計画、管理体制、実現性などの観点からス
ケジュール化することでロードマップを作成する。その作成過程では統合評価モ
デルのうち“バックキャスティングモデル”を活用する。
の二段階からなり、本年度は前半部分の1.に係る研究作業を実施するものである。
「ひがしおうみ環境円卓会議」の委員については、市内外で活躍するキーパーソン
26名を事務局(東近江市生活環境課)が選定のうえ依頼を行った。選定にあたっては
環境関連の活動団体のリーダーに限らず、福祉や教育、産業、地域振興やまちづくり
などの広い分野から候補をあげ、各自の専門を中心としながらも社会のあり方につい
て幅広く考えられる人材であるかということを選考基準とした。分野ごとのメンバー
構成内訳は大まかに「環境活動系」7人、「農林業者」5人、「まちづくり活動」8人、
「教育者」3人、「地域福祉系」2人、「地域経済系」1人である。また東近江市は平成
17年度に、1市6町の自治体が合併してできた自治体であるという経緯を踏まえ、それ
ぞれの地域特性を考える上でバランスを考慮し、また市外から議論の経過を俯瞰的に
判断できる人材も配置した。その内訳は、八日市地区(旧市街)8人、蒲生地区(農村
部)3人、永源寺地区(山間部)3人、愛東地区(中山間部)2人、能登川地区(琵琶湖
岸部)2人、湖東地区(農村部)1人、五個荘地区(伝統的町並)1人、東近江市外6名
である。
円卓会議は計4回実施した。各回の位置づけとして、第1回円卓会議(平成22年2月8
日)では同会議の目的説明などにより目的共有を図った上で、委員らが思う将来の東
近江の「こうなっていて欲しい」という希望を自由に発表してもらい、委員らの考え
る将来への希望の根底にある価値観を整理した。
第2回円卓会議(平成22年2月20日)では、前回の会議での意見よりまとめた「自然
と生きる」「地元で生きる」「つながって生きる」という三つの視点に基づいて議論
をグループ分け(但し、時間交代制で参加者は会議を通じてすべての視点からの議論
をおこなうこととする)し、付箋紙に書き並べたこれまでの意見を委員ら自らが整理
や追加・修正などの作業をおこなうことで、将来社会に対するイメージの具体化なら
びに共有をおこなった。
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第3回円卓会議(平成22年3月7日)に際しては、事前にこれまでの議論で描かれてき
た将来社会のイメージを基にスナップショットモデルによる試算をおこない、その概
要を説明、計算上の設定事項に関する質疑を通じる形でこれまでの論点整理をおこな
った。その後、引き続き前回までの議論から具体像を構築するために「エネルギー」
「移動・物流」などの8分野に分かれての議論をおこない、前回同様にこれまでの意見
を委員らが再整理ならびに追加・修正をおこなった。
第4回円卓会議(平成22年3月19日)では、再度前回の指摘や追加の意見を反映させ
たスナップショットモデルの試算結果の概要について説明し、その後これまでブレイ
ンストーミング形式で整理してきた議論の文章化(素案は事務局にて事前作成)をお
こなうことで、持続可能な将来社会のストーリーラインの作成作業をおこなった。
ひがしおうみ環境円卓会議の本年度の流れを表 4に示す。詳細については「(4)
開催したワークショップ、シンポジウム、会議等の活動」に記す。
図 13 ひがしおうみ環境円卓会議の様子
計4回の「ひがしおうみ環境円卓会議」にて市民委員らの議論を集約したところ、そ
の内容は交通に関するもの、エネルギー消費に関するもの、教育・福祉のあり方に関
するものなど生活全般にわたる多岐な意見が聞かれた。しかし、これらの意見がどの
ような生き方を希望した上でのものであるか、という観点から整理、構造化をおこな
うと、以下の三点に集約された。
自律して生きる
地域での暮らしは可能な限り、地域に存在する資源(物的・人的ともに)を活用
する。そこで地元に新たな仕事の場が生まれるとともに、自給のための農業など、
地域に根付いた新しい働き方をすることで、地域内での経済循環もうまれる。
つながって生きる
教育や福祉を外部化するのではなく、地域内での相互扶助を基本とした形で地元
で完結させる。また地域で自律した生活にともない、地域の人々が地域の中で便利
に移動できるような仕組みが整備される。
自然と生きる
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生活に必要なもののうち、地域内の自然でまかなうことが可能なものは極力その
恵みをうけることで生活を送る。また市内に存在する山林、河川、琵琶湖などの豊
かな自然はただ保護するのではなく、子どもの遊び場や教育の場などの形で関わり
続ける。
図 14に、会議を通じての委員からの意見を整理した構造図を示す。三つのツリー構
造の最下段黒字の部分が、円卓会議での意見を要素化したものであり、青地部分は東
近江市内で現在進行中あるいは計画中の取り組みである。
表 4 ひがしおうみ環境円卓会議の流れ
会 議
表現方法
分野わけ
第1回 ひがしおうみ環境円卓会議
・・・といった形で将来をイメージ
●委員を中心に、ブレインストーミングで将来像にあたる
付せん
楽しく
暮らせる
太陽光が
普及
電気自動車
が普及
元気に
暮らせる
子育て
しやすい
項目を抽出した。
【事務局作業】
ブレインストーミングで出た個別の将来像を 3 分野に仕分け
第 2 回 ひがしおうみ環境円卓会議
地元で生きる
●1 回目で出された将来像を 3 分野にわけて、議論。
付せん
●委員全員がすべての分野について議論を行った。
リスト
自然と生きる
つながって生きる
【事務局作業】
追加された将来像を9分野に仕分け/ 2030 年の社会状況等の計算①
第3回 ひがしおうみ環境円卓会議
●将来像の細部をつめるため、全体を 9 分野にわけ、議論。
●
「自然」については、豊かな自然を残すという共通理解と
付せん
リスト
し、議論を行っていない。
1.エネルギー 2.生き方・コミュニティ 3.移動・物流
【事務局作業】
9分野の将来像の内容をストーリー仕立てに叙述
2030 年の社会状況等の計算②
4.医療・福祉
5.教育・子ども
6.雇用・就業
7.産業
8.食・消費・廃棄物
9.自然
第4回 ひがしおうみ環境円卓会議
ストーリー
●第 3 回で議論した将来像をもとに、9 分野のストーリー
を加筆・修正・書換を行った。
リスト
●
「自然」については、豊かな自然を残すという共通理解と
し、議論を行っていない。
【事務局作業】
9分野の将来像の加筆・修正・書換の清書
中間とりまとめ
2030 年の社会状況等の計算③
20
(商工業・農業・林業)
図 14 ひがしおうみ環境円卓会議の意見の整理
21
料理法を伝承
車の規制
森、多自然の川、
田んぼを活用
子ども親の
体験学習
自然
エネルギーの
活用
農林産物の
地産地消
地域材循環システム
(kikitoプロジェクト)
遊休地で木材、
野菜栽培会地の復活
クライネガルテン
ゴミの再利用、
循環有機物の
地域内循環
土づくりセンター
空家、仕事の
あっせん
移住者受け入れ
体制の整備
自給自足
の暮らし
船+電動自転車
で街へ
陸と湖をつなぐ
ネットワーク
環境と障碍のコラボとCSR
(エコラボハート事業、障碍者働き場ネット)
障碍者と健常者がともに暮らす
牛の放牧、障碍者によるレストラン
(茗荷村)
たくさんの
女性が参画
市民が作る学校
共助の充実
活動の拠点は図書館
駆け込み寺
障碍者と健常者がともに暮らす
牛の放牧、障碍者によるレストラン
(茗荷村)
障碍者による農業や牛の放牧、高齢者支援、
農家レストラン
(大樹会ネットワーク)
(心象絵図づくり)
退職者の地域参加(退職サラリーマン
地域デビュー支援)
市民事業の連携、立ち上げ支援
(東近江NPOセンター)
図書館を通した地域連携
(図書館ネット)
安心して暮らせる拠点作り
(福祉モール構想)
市民が医療福祉体制を守る活動
(地域から医療福祉を考える東近江懇談会)
ほんまもん体験、環境教育
地域連携クリティカルパスの仕組みづくり
(三方よし研究会)
農業学校、林業学校
認知症を地域で支える(認知症ケア)
子どもの遊び場作り、
地域で支援(冒険遊び場)
農業技術の伝承
放し飼い
職場保育所
地域で支える
みんなで
市民による
子育て、教育、
集まって
文化創造
医療、福祉
暮らす
子供と年寄り、
伝統祭り、イベント
障害者が
擬似ファミリー
結、講の復活
お互いを見合う
最低限の
3世代同居
三世代同居特典
面倒を共有
まちづくり
協議会活性
(惣村自治)
地域の営みの
復活
障碍者による農業や牛の放牧、高齢者支援、
エコ体験・農村体験
農家レストラン
プログラムの開発
(大樹会ネットワーク)
地元食の提供の場・
安心して暮らせる拠点作り
農家レストラン
(福祉モール構想)
農家民宿・空家活用
(東近江ハンドシェーク協議会)
環境先進都市(見学)
ほんまもん体験の場
暮らす体験ツアー
子供&年寄り&障害者
(地域密着ケアサービス)
福祉・ケアの
自立、自助、共助
つながって生きる
カーボンオフセット
放棄森林を私有林化
農機具の共有
後継者を支援
(エコラボハート事業、
障碍者働き場ネット)
生協の
まとめ配達
岡田、水口方式
(生ゴミ処理)
有機物の
地域内循環
入会地の復活
農地の保全
自然のめぐみを
活かした暮らし
近江鉄道の路線延長
カーシェアリング
レンタカー
ちょこっとバス
自転車サービス
産地と家庭を
つなぐ
ネットワーク
人・ものを動かす
ネットワーク
エネルギー、食べ物の
地域循環の仕組み、バイオマス
(菜の花エコプロジェクト)
地産地消型エネルギーの供給、
商品券活用
(ひがしおうみコミュニティビジネス協議会)
(東近江市SUN讃プロジェクト)
車の少ない都市(バス、LRT、
自転車、小型電気車、
電動自転車の利用)
緑の中の町
廃食油回収システム
減反は菜の花畑に
若者起業支援
産業創出、エコツアー(東近江次世代
エネルギーパーク構想)
不耕起栽培
肥料、農薬をゼロに
農機具は100%BDFで
木質バイオマス発電
熱利用
琵琶湖の森の健康診断キキダス実行委員会
琵琶湖の森の生き物研究会
松茸山の再生
イヌワシ、クマタカ
永源寺でビワマス、
愛知川にアユ
ダムがない
清流愛知川
生物の
すみかを保存
(豊かな生態系)
楽しい里山保全活動、
退職サラリーマンの
地域デビュー(遊林会)
森の幼稚園
体験、教育の場
づくり
自然とのかかわりの
復活
地もと産で給食
家、学校に薪ストーブ
遊休地を活用した
自給率向上
自然と生きる
エコ体験・農村体験プログラムの開発
地元食の提供の場・農家レストラン
農家民宿・空家活用 (東近江
ハンドシェーク協議会)
障碍者と健常者が
ともに暮らす牛の放牧、障碍者に
よるレストラン(茗荷村)
街灯は小水力で
太陽光発電
半農半x
環境学習で
エコツアー
教育・福祉・観光
の連携
新しい働き方
就農、就林
不要施設を開放
SOHO、NPO
起業
農家レストラン
1+2+3次産業
の連携
農機具を使わない
農業技術の伝承
伝統技術、
適正技術を活用
鈴鹿山脈に風車
エネルギー
地域で作って
地域で使う
クライネガルテン
地元商人、
商店街の復活
地域の木材、
伝統工法を
活かした家
滋賀産物(農林水工)
の地産地消
地域材循環システム
(kikitoプロジェクト)
太陽光発電から
地域内商品券へ
特産品鹿肉
給料の一部を
エコポイントで
地域ブランド
結、講の復活
地域通貨
遊べる原っぱ
の復活
子供の
遊び場づくり
もったいない市場
(レンタル、リース、
リユース)
地域でまわる経済
自律して生きる
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
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社会技術研究開発事業
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円卓会議での議論をもとに、スナップショットツールでは表 5ならびに表 6のよう
に地域社会経済に関するパラメータと導入技術を設定した。
表 5 社会経済に関する2030年の想定とその基となった意見
人 口・ 世帯 数
年 齢構 成
(カッ コは 全国 平均 )
就 業率
現 在(2000年 デー タよ り)
約 11万 4千 人, 35000世帯
世 帯あ たり 3.3人
15歳未 満: 16.8% (14.6%)
15~64歳 :65.4% (67.9%)
65歳以 上: 17.8% (17.3%)
15~64歳 男性: 81.4%
65歳以 上男 性: 33.3%
15~64歳 女性: 56.2%
65歳以 上女 性: 12.0%
将来 (2030年 )の想 定と その 基と なっ た意 見
⇒
⇒
⇒
約 12万 2千人 ,30400世帯
世 帯あ たり 4.0人
15歳未 満: 13.0% (9.7%)
15~64歳: 60.3% ( 58.5%)
65歳以 上: 26.7% (31.8%)
15~64歳男 性: 84.7%
65歳以 上男 性: 40.9%
15~64歳女 性: 70.1%
65歳以 上女 性: 21.9%
三 世代 家族 が増 える
子 育て のし やす い環 境が とと のう
若 年層 が帰 って くる ,移 住し てくる
子 育て のし やす い環 境が とと のう
女 性・ 高齢 者・ 障害 者の 社会 進出
⇒
約 83%
地元で仕事がある
職住近接
一 日あ たり の生 活時 間
男 性 ( 40歳 就業者 の場 合)
仕事 :7.4時間 ,家 事: 0.2時 間
交際 ・社 会参 加: 0.5時 間
女 性 ( 40歳 就業者 の場 合)
仕事 :4.6時間 ,家 事: 3.3時 間
交際 ・社 会参 加: 0.3時 間
⇒
男性
仕事 :2時 間減 (就 業者 のみ )
家事 :0.5時間増 (就 業者 のみ )
交際 ・社 会参 加: 1~1.5時間 増
女性
仕事 :0.5時間増 (就 業者 のみ )
家事 :0.5時間減 (就 業者 のみ )
交際 ・社 会参 加: 0.5~1時間 増
家 庭と 仕事 との バラ ンス
地 域の 人々 の交 流
仕 事( 労働 生産 性)
生 産額 100万円 換算 の労 働時 間
第1次産 業: 390時 間
第2次産 業: 60時 間
第3次産 業: 130時 間
⇒
農 業: 約20%低下 製造 業:約 23% 向上
サ ービ ス業 :現 状維 持
う ち市 内で 働く 人
約 66%
家 庭の 消費 の内 訳
(民間 消費 支出 )
市 内事 業者 の生 産構 造
(投入 係数 )
※ 市内の業者が何にお金を
つかっているのか
省略
輸出 ・移 出
総 額8430億円
第1次産 業: 163億 円
第2次産 業: 7430億円
第3次産 業: 832億 円
輸入 ・移 入
総 額6870億円
第1次産 業: 98億 円
第2次産 業: 4540億円
第3次産 業: 2240億円
市
外
の
と地
の域
経
済
関
係
財 政収 支
第 1次 産業 :1.3%
第 2次 産業 :22.1%
第 3次 産業 :76.5%
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
食 料品 :現 状維 持
木 製品 :50%増加 ,電 気機 械: 50%増 加
輸 送機 械: 75%減 少, 廃棄 物: 50%減 少
電 気・ ガス :75%減少 ,運 輸: 50%増 加
教 育・ 介護 福祉 :25%増加
そ の他 :製 造業 は全 般的に 減少
全 産業 :廃 棄物 処理 への支 出割 合が 半
減 し、 リサ イク ル(そ の他 製造 業) への
割 合が 増え る
農 林業 :石 油関 連の 支出割 合が 半減
し 、同 業間 での 支出 が増え る
建 築業 :窯 業(コ ンク リ)・金 属製 品の
支 出割 合が 半減 し、 木製品 への 支出 が
増 える
公 務・ 教育 :石 油関 連への 支出 割合 が
半 減し 、木 製品 への 支出が 増え る. 電
力 関連 への 支出 割合 が半減 し、 電気 機
械 への 支出 が増 える .運輸 への 支出 割
合 が増 える (公務 のみ )
総 額6760億 円
第1次 産業 :172億 円
(県 内向け の移 出が 増加 )
第2次 産業 :5610億 円
(食 料品と 木製 品は 20~ 40%増 加)
第3次 産業 :970億 円
(商 業と対 個人 サー ビス の県 外向 け
輸出 は20~30%増加 )
総 額4890億 円
第1次 産業 :44億円
(県 内から の移 入は 増え ,県 外か ら
はほ ぼ全量 削減 )
第2次 産業 :3120億 円
(食 料品の 県内 から の移 入は 増え ,
県外 からは ほぼ 半減 ,木 製品 は
県内 外あわ せて 約70%削減 )
第3次 産業 :1730億 円
(県 外から の商 業サ ービ ス約 80%減 )
家 庭と 仕事 のバ ラン ス
自 給自 足の 生活 を送 る人 が増 える
専 業農 業は 集約 化
(仕事としてではなく、自分が食べる分だけを作る人
が増え、結果として効率は下がるという解釈)
薪 スト ーブ ・太 陽光 発電 を使 う
生 ごみ を堆 肥に する
車 に頼 らな い町 ・カ ーシ ェア リング
ち ょこ っと バス が活 躍 など
ご みを 減ら す
農 機・ ハウ スの エネ ルギ ーに バイオ マ
ス
び わ湖 の森 の木 をつ かっ た家
薪 スト ーブ を学 校な どで
太 陽光 発電 を利 用し て夜 の明 かりを
ち ょこ っと バス が活 躍
など
旬 の名 産品 をア ピー ル
お 金が 少な くて も生 きて いけ る
観 光(エコ ツア ー)客 を惹 きつ ける 自然
遊 休地 で野 菜や 菜の 花を
地 元の 木材 を家 や燃 料に
自 給自 足の 生活 を送 る人 が増 える
半 農半 Xの くら し
地 元の 店を みん なで 守る
家 庭の 税・ 社会 保障 負担の 割合 が半 減 市 民税 のい らな い町
地 域の 力で 教育 ・福 祉・ 介護 をおこ な
公 的支 出(消 費・ 固定 資本 )が 25%減
う
22
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
表 6 技術導入に関する2030年の想定とその基となった意見
将来(2030年)の想定とその基となった意見
地域の交流・近所づきあいなどが活発化することで、各
家庭の省エネにつながる
地域の人々の交流
太陽光発電の積載率が50%
木質バイオマスで熱利用
家庭の暖房・給湯の2割が薪などのバイオマスでまかな 薪ストーブのある家
エコポイントが給料に反映される
われている
など
効率のよい機器類(家電・給湯・空調など)がほぼ全ての
家庭に普及し、住宅の断熱水準も向上している
戸建住宅の50%に太陽光発電が普及する
家庭での暮らしかた
生活のムダ使いを見直す省エネ行動が定着する(半数程
度の人が実践)
※ワークショップで関連する意見はなかった
が、将来は一般的に定着しているだろうと考え
られるもの
(滋賀県の持続可能社会ビジョンなどを参考)
給湯の2割が太陽熱給湯
1割の住宅がパッシブ設計
HEMS(家庭用エネルギーマネジメントシステム)が2割の
家庭に普及
暖房の1割がバイオマス
給湯の1割がバイオマス
公共用途の電力に太陽光が利用されている(家庭の発電
量と比べて1割程度)
薪ストーブを学校で使う
夜の明かり(防犯)に太陽光
など
給湯の1割が太陽熱給湯,1割がバイオマス
職場での働きかた
1割の事業所がパッシブ設計
※ワークショップで関連する意見はなかった
が、将来は一般的に定着しているだろうと考え
BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)が2割の職 られるもの
(滋賀県の持続可能社会ビジョンなどを参考)
場に普及
効率のよい機器類(家電・給湯・空調など)がほぼ全ての
事業所に普及し、次世代レベルの断熱水準
産業のエネルギー消費
食事に季節感(旬産旬消)
農業生産に必要なエネルギー消費を1/4に
自給自足型の農業(人の手作業が基本)
農業・食料品で使用する石油の15%をバイオマスに転換
温室はバイオマスで
風力発電をおこない、産業用の電力にあてる(物理的に
トラクターやコンバインをBDFで
可能な発電量の1割を想定)
鈴鹿山脈で風力発電
全業種を通じて、第1次・第2次産業の石油消費を40%が
※ワークショップで関連する意見はなかった
天然ガスに転換
が、将来は一般的に定着しているだろうと考え
られるもの
ヒトの移動
産業で用いる機械類の6割が高効率型に転換する(1~7割 (滋賀県の持続可能社会ビジョンなどを参考)
程度効率が改善)
職住近接
市内の移動の所要距離が平均25%短縮
こどもが走り回れる町
車の規制
市内での自動車による移動の20%が鉄道、20%がバス、 ちょこっとバスが活躍
50%が徒歩・自転車に転換
公共交通のネットワーク
自転車が走りやすい町
市外(県内外問わず)への自動車による移動の50%が鉄道 歩いて買い物
工場勤務にはバスを利用
に転換
電気自動車がたくさん走る
町
自家用車の75%が電気自動車に
など
省エネのためのエコドライブが浸透している(半数のド
※ワークショップで関連する意見はなかった
ライバーが実践)
が、将来は一般的に定着しているだろうと考え
られるもの
ガソリン・バイオマスで走る自動車はほぼすべてハイブ (滋賀県の持続可能社会ビジョンなどを参考)
リッドに
トラック輸送時のエネルギー消費を10%削減
宅配の統一化・ついで宅配
県内および近隣への輸送の25%を鉄道、10%を湖上船舶 近江鉄道の貨物の復活
で
モノの移動
トラックのうち半数はハイブリッドに
船舶輸送のうち1割は帆船
遠方への輸送の5%を海上輸送で
23
※ワークショップで関連する意見はなかった
が、将来は一般的に定着しているだろうと考え
られるもの
(滋賀県の持続可能社会ビジョンなどを参考)
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研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
以上の数値をもとにスナップショットツールを適用した結果の温室効果ガス排出量
と現状との比較を図 15に示す。
1,500
温室効果ガス排出量 (t-CO2/yr)
貨物部門
旅客部門
業務部門
1,000
家庭部門
産業部門
500
0
1990年
2000年
2030年
図 15 円卓会議による将来像をふまえた東近江市の温室効果ガス排出量※
これらの作業を通じて、東近江市において実際に市民参加のプロセスを経ながら、
2030年の持続可能な地域像を、市民が望む社会の方向性を明らかにしながら具体的な
ストーリーラインを作り出し、かつモデル推計による定量的なスナップショット作成
による裏付けをおこなうことが可能となった。ストーリーライン、スナップショット
ともに本年度の作業では完成には至っていないが、今後ワークショップ参加者以外の
一般市民の意見を反映させる、感覚的に内容を理解しやすい表現手法を模索するなど
のプロセスを経ることを次年度予定している。
東近江市という実地域を対象に、市民参加で社会像をほぼゼロの状態から描き出す
という作業は、参加者にとって少なからぬ負担をあたえるものであった。しかし東近
江市役所に設置した事務局があらかじめ、地域の事情を熟知し活躍しているキーパー
ソンに参加要請し、好意的に協力を得ることができたため、4回の円卓会議を通じて終
始熱心な議論を導き出すことができた。この点において、将来社会像を地元の視点か
ら築き上げるための「とりまとめ役」として、地方行政のもつべき役割が非常に大き
なものであることが示唆される。また行政側の動きとして、第3回目の円卓会議では東
近江市長も議論に参加し、市として平成24年度から施行する後期総合計画へ反映でき
るよう、円卓会議におけるビジョンとロードマップを精査していく方針を打ち出した。
本プロジェクトのような研究レベルでの動きが、市民参加という形で地域の協力を得
ることによって、行政の場からも地域社会を持続可能な方向に変えていこうという形
で波及効果があらわれたことも大きな成果といえる。
※
1990年の排出量については、2000年の値(昨年次の地域圏エネルギーバランス表より)から推計
24
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
【滋賀における持続可能社会のシナリオ作成】
滋賀全域、あるいは東近江市を対象とした自然共生社会のシナリオの作成手順とし
ては、まず地元ステイクホルダー(住民・コミュニティ・産業界・市・県など)から寄せ
られた地域の将来に関する夢や意見を基にライフスタイル・産業・交通・エネルギー
などに関する将来の希望を整理、集約し、2030年の姿を叙述した“ストーリーライン”
を作成しなければならない。そして、その将来社会の「ストーリーライン」をふまえ
て“統合評価モデル”を用いた定量推計を実施し、地域の各主体が語り合う、持続可
能な社会に向けた将来の夢が実現可能か否かを判断する、また結果をフィードバック
することで更に議論を深めるといったプロセスを経て「ビジョン」を作成する。最終
的に、そのビジョンを実現するため、いつ、誰が、何をしなければならないのか、そ
の道筋「ロードマップ」を作成する(シナリオ作成の全体概念図を図 16に示す)。
このように地元ステイクホルダーとの協働プロセスを経ることで、滋賀における持
続可能社会のシナリオの具体化に大きく近づく。
今年度は、その中から、“統合評価モデルの拡充”、“ロードマップ作成手法の確
立”、“地元ステイクホルダーの参加による滋賀全体を対象としたストーリーライン
の作成”を主に行った。詳細な内容については次節以降から述べる。
1. ストーリーライン
分配ブロック
就業者数
(就業地)
域内への需要
労働時間需要
マクロ経済・
産業ブロック
交易ブロック
移出入額
賃金
就業者数
(常住地)
労働ブロック
賃金
平均労働時間
人口
時間・消費
ブロック
消費支出
人口・世帯
数ブロック
世帯数
生産額
業務床面積推計
ブロック
交通需要推計
ブロック
旅客輸送需要量
貨物輸送需要量
業務物床面積
エネルギー需要量・
CO2排出量推計ブロック
CO2排出量
地域圏
2. ビジョン
2000
85 ~
80~ 84
75~ 79
70~ 74
65~ 69
60~ 64
55~ 59
50~ 54
45~ 49
40~ 44
35~ 39
30~ 34
25~ 29
20~ 24
15~ 19
10~ 14
5~ 9
0~ 4
80
60
40
20
W omen (1,00 0)
0
14000
12000
2030
20
40
60
Me n (1 ,0 00 )
80 80 60
16000
GHG排出量・削減量(千t-CO 2eq)
地元ステイクホルダーの参加
イメージしやすく社会を叙述
10000
8000
6000
13435
14000
11584
12000
4000
第一次産業
2000
10000
第二次産業
8000
第三次産業
0
1990年
6000
40
20
0
Wo men (1,00 0)
20
40
4000
60
2030BaU
2030対策
80
2000
3. ロードマップ
社会経済指標
単位
2000
人口
(千人)
1,359
世帯数
(千世帯)
431
GDP
(10億円)
6,246
一人あたりGDP (百万円)
4.59
産業生産額
(10億円)
11,629
30.3
業務床面積
(千m 2)
旅客輸送量
(百万人-km 10,175
貨物輸送量
(百万t-km) 3,690
CO2排出量
(kt-C)
3,182
Me n (1,00 0)
0
2000年
2030年
2000
人口
ストーリーラインに基づく持続可能社会
の定量的な裏づけ
環境負荷
対策・施策
大津
2030CM
/2000
2000
450
2030CM
/2000
2000
2030
BaU
450
0.95
153
147
177
2,634
5.85
4,416
18.7
3,263
685
987
177
2,634
5.85
4,416
18.7
3,260
658
439
1.05
1.33
1.40
1.28
1.52
0.83
0.85
0.46
45
710
4.63
1,351
3.2
1,075
407
359
40
885
6.02
1,631
4.5
949
393
401
2000
2030
BaU
2030
CM
2030CM
/2000
2000
2030
BaU
160
160
甲賀
123
1.05
172
33
907
7.38
1,766
3.0
791
555
170
0.96
1.47
1.40
1.47
1.32
1.01
1.34
0.49
51
905
5.26
1,747
3.4
1,237
798
595
2000
2030
BaU
2030
CM
2030CM
/2000
2000
114
彦根
2030
CM
475
168
1,978
4.17
3,458
12.3
3,947
778
954
123
世帯数
(千世帯)
36
GDP
(10億円)
599
一人あたりGDP (百万円)
5.24
産業生産額
(10億円)
1,130
2.6
業務床面積
(千m 2)
旅客輸送量
(百万人-km 741
貨物輸送量
(百万t-km)
419
CO2排出量
(kt-C)
284
2030
BaU
1.00
1.02
1.33
1.34
1.29
1.50
1.13
1.02
0.48
2030CM
/2000
33
907
7.38
1,766
3.0
846
580
392
(千人)
117
1,356
世帯数
(千世帯)
35
GDP
(10億円)
617
一人あたりGDP (百万円)
5.28
産業生産額
(10億円)
1,198
2.3
業務床面積
(千m 2)
旅客輸送量
(百万人-km 787
414
貨物輸送量
(百万t-km)
(kt-C)
347
CO2排出量
人口
(千人)
滋賀県計
2030
2030
BaU
CM
1,356
438
438
8,317
8,317
6.14
6.14
14,984
14,984
45.5
45.5
11,817
11,511
3,908
3,757
3,750
1,521
東近江
2030
2030
BaU
CM
守山
2030
CM
2030CM
/2000
147
0.96
40
885
6.02
1,631
4.5
959
379
172
0.87
1.25
1.30
1.21
1.39
0.89
0.93
0.48
2030
CM
2030CM
/2000
長浜
43
43
1,120
1,120
7.00
7.00
2,123
2,123
4.1
4.1
1,230
1,100
940
907
687
286
近江八幡
2030
2030
BaU
CM
0.93
176
208
208
1.18
0.84
1.24
1.33
1.22
1.19
0.89
1.14
0.48
50
784
4.46
1,526
3.4
1,245
539
365
54
1,027
4.95
1,879
6.0
3,023
471
541
54
1,027
4.95
1,879
6.0
2,960
453
179
1.07
1.31
1.11
1.23
1.76
2.38
0.84
0.49
2030CM
/2000
2000
2030
BaU
2030
CM
2030CM
/2000
高島
104
104
0.91
95
106
106
1.12
58
57
57
0.99
36
777
7.44
1,466
3.7
617
519
312
36
777
7.44
1,466
3.7
599
499
139
1.02
1.30
1.42
1.30
1.42
0.81
1.19
0.49
28
399
4.20
743
2.0
726
216
179
35
660
6.21
1,150
4.1
810
210
261
35
660
6.21
1,150
4.1
786
202
88
1.24
1.66
1.48
1.55
2.09
1.08
0.93
0.49
18
254
4.41
476
1.1
417
119
99
20
307
5.39
553
1.5
1,080
109
169
20
307
5.39
553
1.5
1,056
105
48
1.10
1.21
1.22
1.16
1.37
2.53
0.88
0.49
シナリオ作成を
定量的にサポート
2000
2030
行政担当者や専門家らが主体となり
ビジョン実現へのスケジュールをたてる
シナリオ作成
統合評価モデル
図 16 シナリオ作成のイメージ
◎ 統合評価モデルの拡充
既存の統合評価モデルにおける「運輸部門」の需要予測および排出量の計算を空間
的な情報(土地利用の変化などによる交通量の変化など)も考慮して行うため、モデ
ルの構築を試みた。
モデルの構築においては、平成12年国勢調査データと第4回京阪神PT調査データを
用い、JICA STRADA Ver3.5(株式会社インテルテック研究所)を用いて構築した。
これは、交通行動の発生集中、分布、分担、配分という4つの段階に応じて交通量を予
測するものである。
25
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
・対象ゾーンの設定と基礎データの整備
本研究では需要予測モデルの構築を滋賀県内36ゾーン、県外6ゾーンに分けて実施し
た。需要予測モデル構築の基本となるOD表は、平成12年第4回京阪神PT調査のデータ
を用いて作成した。OD表はゾーン別、平日・休日別、性別、年齢別、手段別、就業別、
目的別に作成した。
需要予測に用いる道路、鉄道、バス路線のネットワークデータをGISを用いて作成し
た。ネットワークは、「ノード」と「リンク」で構成されており、ノードは交差点、
リンクは道路そのものを表している。今回構築したネットワークは、6,123個のノード
と7,122個のリンクで構成されている。そして、すべてのリンクには、配分に必要な距
離、速度、容量などの道路特性と、車線数、沿道状況、道路種別などのリンク情報を
設定した。
また需要予測で用いるゾーン間インピーダンスは、構築するモデルに合わせて様々
な距離や時間が用いられる。本研究ではSTRADAの配分モデルの最短経路探索ロジッ
クを用いてネットワーク上で計測した距離や時間を使用した。配分モデルを適用する
際に必要となるデータは、ネットワークとOD表、そして配分パラメータであり、様々
な距離や時間はこれら3つのデータをモデル化することで算定した。
・交通需要予測モデルの構築
本研究での交通需要予測は、交通行動の発生集中、分布、分担、配分という4つの段
階に応じて交通量を予測する「4段階推計法」を使用した。本研究で用いた4段階推計
法の予測フローを図 17 4段階推定法の予測フローに示す。
また本研究での将来交通量推計では、滋賀県内(36ゾーン)、域外(6ゾーン)に分
けて推計した。滋賀県内は4段階推計法を用いて推計し、域外ゾーンは、将来フレーム
の伸び率を用いた方法で推計した。最後にその二つを合わせて将来OD表を作成した。
26
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
現在OD表
人口
(性別、年齢階層、
就業非就業別、
夜間昼間別、通学者)
M1
生成交通量
M1
生成原単位の推計
M2
発生集中モデル
M3
分布モデル
M4
機関分担モデル
M5
配分モデル
夜間人口
昼間人口
発生・集中交通量
最短経路に全OD交通量を配分
(N=0)(リンク交通量Xn)
通学者数
M2
n = n+1
就業人口
調整
No
リンク旅行時間の更新
生成量
=
発生集中量
Yes
旅行時間(渋滞考慮)
M3
最短経路に全OD交通量を配分
リンク交通量(Yn)を算定
目的関数の一次元探索
(最適ステップサイズζ算定)
内々率
分布交通量
リンク交通量の更新
ゾーン内々
ゾーン内外
Xn+1=X n+ ζ(Yn-X n)
no
最短経路距離、旅行費用、
旅行時間(渋滞考慮)
収束判定
M4
M4
yes
手段別OD表
おわり
手段別OD表
分担交通量
図 17
M5
配分交通量
4段階推定法の予測フロー
・モデルの検証
平成12年の人口指標と第4回京阪神PT調査データで構築したモデルを用いて、平成
17年の国勢調査人口データから道路別交通量(乗用車、バス)を推計し、実測値(平
成17年度道路交通センサス一般交通量調査)と比較検証した。
平成17年度の国勢調査人口データから推計した交通量の配分結果を図 18に、その推
計値と実測値を比較したものを図 19に示す。相関係数が0.47とやや低めであり、推計
値が実測値よりやや低めの傾向にあるが、主要な幹線道路(名神高速道路、国道1号線、
8号線、161号線)での再現性は概ね良好であると判断された。
27
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
図 18 平成17年度道路交通量の推計値(平日、24時間)
平日24時間交通量(台)
実測値(H17道路交通センサス(台))
50000
y = 1.0934x + 2467.1
R 2 = 0.4707
40000
30000
20000
10000
0
0
10000
20000
30000
40000
モデルを用いた推計値(台)
図 19 平日24時間交通量の推計値(モデル計算値)と実測値(H17道路交通センサス)の
比較
28
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
◎ ビジョン実現のためのロードマップ作成手法の確立
統合評価モデル作成グループ(グループ3)では、先行研究も含めて昨年度までに、
温室効果ガスを大幅に削減した社会像を、目指すべき「ビジョン」として定量的に描
く手法を開発してきた。多くの温室効果ガス削減に関する試算が、将来の社会情勢の
変化は所与として、どのような技術を取り入れるか、という部分に集中しているのに
対し、我々の手法では技術に加え、人々の暮らしや地域の経済はどのように変化して
いくのか、あるいはどう変えていくべきか、という部分もふくめて考えている。この
手法を用いることで、たとえば滋賀県で2030年に温室効果ガス排出量を半減(1990年
比)するために、①一人当たり年0.9%の緩やかな経済成長と現状レベルの人口のなかで、
②省エネ機器などが全国規模で普及することによる効率改善に加え、③クルマに頼ら
ない都市整備など地域レベルの取り組みでエネルギー消費構造を根本的に改善する、
など社会と技術の両側面の変革で目標の達成が可能、という姿を示すことができるよ
うになった。このような成果を参考として滋賀県では、2008年3月に「持続可能な滋賀
社会ビジョン」が策定された。
つぎに必要なのは、このようにして描いたビジョンをどうやって実現するのか、と
いう道筋を示すことである。通常ひとつの対策を実施するためには、計画作成やイン
フラ整備、支援制度など他にも実施すべきこと(ここでは施策と総称する)が多く発
生する。今年度の研究では、これらの施策を行程化した「ロードマップ」を作成する
手法を開発した。
以下に、今回の研究で開発した、描写した社会像に到達するための道筋(ロードマッ
プ)を構築する手法を説明する。
基本的な考え方は、「描写した社会における対策の普及率を達成するためには、ど
のような施策をいつ実施すればよいか」である。ここでは「ビジョン」の段階で同定
した対策を普及させるための施策を設定し、温室効果ガス削減目標を達成するための
各施策の実施時期を計算する。
・施策の設定
まず、ビジョンで同定した対策を普及させるために必要な施策を設定する。施策を
設定するには、まず、対策の普及の障害を考え、障害があればそれを除去する施策を
挙げる。次にその施策を実施するに当たって障害がないか考える。これを障害がなく
なるまで繰り返す。対象とする地域に既に短期の計画が存在する場合は、その計画で
挙げられている施策を参考にすることもできる。
・施策の要件設定
上のように設定した各施策について、以下のような要件を設定する。
GHG直接削減量: 施策の100%実施により得られるGHG削減量(ktCO2/年)、ビ
ジョンの段階で推計された値を用いる
施策実施労力量: 施策の100%実施に必要な労力投入量(初期投入量)
施策継続労力量: 実施後に施策を継続するのに必要な年間労力投入量
施策総合効果量: 施策の実施時における直接・間接のGHG排出削減以外の施
29
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
策効果量(相対値)
最短実施期間:
施策の実施にかかる最短の期間
必要先行施策:
ある施策を実施する前に実施完了することが必要な他の施
策(例えば、「歩道の拡幅工事」は「トランジットモールの
使用」の先行施策)
必要並行施策:
ある施策を実施するために必要な他の施策(例えば「エコカ
ー購入助成制度」は「エコカーの普及」の並行施策)
各年に投入可能な総労力量の上限
・施策の実施スケジュールの作成
設定した外生変数、パラメータの値を元に、各施策の実施時期がバックキャスティ
ングツール(BCT)により計算される。BCTは総合効果量と総労力量を勘案して目的関数
を定式化し混合整数計画法(MIP)として求解する。図 20にBCTの構造を示す。
目標年の施策 i の
効果量
他の施策の
効果量
目標年の施策 i によ る
GHG 排出削減量
t年
施策i の
効果量
施策i の開始
可能年
施策i の最短
実施期間
施策i の効果
維持労力量
施策i の効果
拡大労力量
施策i に投入する
労力量
外生変数・
パラ メ ータ
内生変数
施策i によ る
GHG 削減量
施策i の維持に
必要な 労力量
図 20
t 年に投入で き る
全労力量の上限
施策i の効果拡大
に必要な 労力量
BCTの構造
・ロードマップの提案
BCTは、限られた労力の下で、目標とする将来社会にたどり着くための施策の実施
時期を、想定した全ての施策について計算する。また、施策のGHG排出削減以外の効
果を取り入れることで、地方政府にとっての各施策の優先度も考慮することができる。
そのため、地方政府が実際に持続可能社会に向けた中長期計画を作成する際の、基礎
となるロードマップを提案できる。
この手法により、たとえば先ほどの滋賀県の「持続可能な滋賀社会ビジョン」の目
標である2030年温室効果ガス半減を実現するためには、①大きな社会基盤整備をとも
なう施策は後半に重点的に行う一方で、②日々の暮らしや仕事にとって身近な施策は
前半のうちに積極的に進めることで、目標年までにすべての施策が実施可能かつ、折
り返し点の2020年には目標の9割近い温室効果ガスの削減が達成される、という具体的
なロードマップを提案することが可能となった。(詳細内容については、「2030年持
続可能な滋賀へのロードマップ、滋賀県持続可能社会研究会ロードマップ部会発行、
2009」を参照されたい)
30
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
◎ 地元ステイクホルダーの参加による県全体の将来ストーリーラインの作成
・未来予想絵図の作成
滋賀県は、琵琶湖やそれを取り巻く山々を始めとする自然に恵まれ、自然との共生
の中で、豊かな生活文化が育まれてきた。びわ湖は、市民の「環境へのこだわり」の
原点であり、現在では、市民によるさまざまなエコ活動や地域再生につながるまちづ
くりが行われている。
滋賀県(環境学習支援センター主催)では、こうした自然と人が共生する持続可能
な社会に向けた取組みを行う多様な主体が出会い、それぞれの取組の魅力や工夫を発
信し、出会いを通じて新たな取り組みが生まれるきっかけづくりにつなげる機会とし
て、「びわ湖・まるエコ・DAY」を平成21年11月28日(土)から12月6日(日)にかけて開
催、本研究プロジェクトも共同参画した(今年度の参加団体:85団体、述べ約2,000人
が参加)。
今年度はその中のメインイベントとして、地域で活動しているさまざまな団体の想
いをつなぎ、未来への橋渡しをテーマとし、5m×5mの巨大なベース絵図の上に、参加
したみんなが想像する「2030年滋賀の未来」を絵で書いてもらい、一つの未来を完成
させるワークショップを、JST受託研究の一環として9日間行った(運営:特定非営利
活動法人五環生活、イベントの全体様子は図 21を参照)。
図 21 びわ湖・まるエコ・DAY2009の未来予想絵図作成の様子
31
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
琵琶湖博物館のアトリウムに広げた5m四方の大きな下絵に、開催期間中(9日間)
を通じて、85の出展団体のうち29の団体のメンバーそれぞれが思う未来の暮らしを、
下絵の上に描き込んだ。描き込みの場では研究メンバーらも立ち会い、参加者の自分
たちの取組へ思いを聞き出しながら、「たくさんの虫や鳥などの生き物がいる」「自
然の中で子どもたちが生き物を観察したり遊んだりしている」「太陽エネルギーで動
く未来の船」「景観にとけこむ昔ながらの木造建築」「宿場町の町並みが保存されて
いる」「路面電車に自転車を持ち込み可能!」「地元でとれた野菜を船で運び、琵琶
湖を生かした地産地消を実現!」など、自然豊かな滋賀の未来をさまざまな面から描
いてもらった(図 22)。開催期間中の毎日の様子はブログにて、未来予想絵図日記
(http://mirai09.shiga-saku.net/) として広く発信した。
図 22 びわ湖・まるエコ・DAY2009の未来予想絵図作成の様子(続き)
最終日には、参加したメンバーが完成した未来予想絵図を取り囲み、それぞれの描
き込みを紹介しながら、「湖岸にもっとヨシが必要」「みんなが買い物できる商店街」
「湖岸に水産物の市場」「伏流水を生かした生活」「お墓はどうなっているのか」な
ど、みんなで絵図に足りないものやもっとこうしたらいいのではないか、という意見
を交換し合い、未来への思いを共有し合う時間を設けた(図 23)。
32
社会技術研究開発事業
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平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
図 23
びわ湖・まるエコ・DAY2009の未来予想絵図作成の様子(続き)
今回の未来予想絵図作成の過程で出た意見を総括すると、琵琶湖やそれを取り巻く
山々を始めとする豊かな生態系に囲まれた生活や、自然の力を活用して地域内で完結
した(特に農林水産物やエネルギーなど)生活を望む意見が多く見受けられた(意見
の詳細は付録1を参照)。
参加者が描きこんだ絵図を統一したタッチで描き起こしたものを図 24
未来予想絵図(絵図作成:中村友子(滋賀県立大学近藤研究室)に示す。
完成した
参加者それぞれが未来の地元(滋賀)の姿について考え、夢を自ら絵で表現し、完
成した絵をみんなで囲んで意見を交換し合うことによって、県全体の将来シナリオづ
くりのイメージが共有された。この手法は今後の将来シナリオ作成におけるステイク
ホルダー間の合意形成の手法としても有効と考えられる。ここで出た意見は、本研究
の中で「滋賀全体の将来ストーリーライン」の作成に反映していく。
33
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図 24 完成した未来予想絵図(絵図作成:中村友子(滋賀県立大学近藤研究室)
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平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
・滋賀変革構想検討委員会の開催
持続可能な社会とは本来、脱温暖化のための技術対応だけで実現するものではなく、
社会システムから価値観までの総体的な変化を必要とするものである。そのために目
指すべき将来像の作成には関係主体(市民・事業者・行政)の参加と合意が必修であり、
滋賀に暮らす人々が将来の社会に魅力を感じ、“豊かさ”を実感しながら自らが実践
に移していくことが重要である。
そこで本研究では、滋賀の人々が“幸せ・豊かさを実感でき、かつ2030年に二酸化
炭素排出量を半減(1990年比)できる社会”はどのようなものか(新たな豊かさの定義)、
どのような価値観の変革(脱石油文明の価値の定義)が必要か、また実現のためには
何(対策や取り組み)が必要なのかを議論するため、有識者、県内の企業経営者、一
般市民、行政担当者からなる「滋賀変革構想検討委員会(委員22名)」を発足し、3回
の委員会を開催した(図 25)。そこでは、特に滋賀・近江の独自の文化や物語、文明
論、科学技術論、社会論などを踏まえた議論が行われた。
図 25 滋賀変革構想検討委員会の様子
・未来予想絵図作成と滋賀変革構想検討委員会を通した県全体のストーリーラインの
作成
3回の滋賀変革構想検討委員会で提案されたアイデア(アイディアの詳細は付録1を
参照)と未来予想絵図作成で市民から提案された意見を、どんな社会が幸せ、豊かさ
を感じる社会なのか(みんなが望む社会はどんなものなのか)、その実現のためには
どんな取り組みが必要なのかの観点から整理・体系化した(図 26)。
議論では約200の提案があり、人々が幸せ、豊かさを感じることのできる社会の要素
として、①経済活動を自分の住んでいる場所に近づけ、遠くにある大企業や国ではな
く、地元の経済や地域社会を支えて“地域が自律する”こと、②かつての地域の営み
の復活によって“人・物がつながる”こと、③琵琶湖で代表される自然と深い繋がり
を持って“自然と暮らすこと”の、3つに集約された(図 26)。
それぞれの具体的な中身を以下に述べる。
35
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
地域が自律する
過度な経済成長の優先は、気候変動をはじめとする環境問題だけではなく、地
域格差やコミュニティの崩壊、過度な競争によるストレスや不安など社会的混乱
の原因にもなっている。このような行き過ぎたグローバル経済成長への反省から、
2030年滋賀ではローカル経済への回帰を考える。
伝統技術や適正技術を活かして地域内で生産した産物(農・林・水・工・エネ
ルギー)を地域内で消費する。それによって新しい働き場(6次産業、福祉・教育・
観光の連携、ワークシェアなど)を産み出し、さらに、それらを円滑に回すため
の仕組み(地域通貨など)を考え、地域で回るローカル経済システムが形成され
ている。
人・モノがつながる
人の幸せや豊かさに関する意識調査の多くが「他の人とつながっていたいとい
う思いは根源的な人間のニーズである」ことを指摘( Helena Norberg-Hodge,
Resurgence No.245、2007)している。人と人との豊かな関係から得られる“心
の豊かさ”は社会の豊かさの基本的な要素であると考える。また、人とモノのつ
ながりはローカル経済と密接な関係を持っている。農産物販売所で野菜を買う人
たちは、大型スーパーの買い物客に比べて10倍も会話しているとのデータもあり、
ローカル化は生産者と消費者が身近な存在を意味する。つまり、社会の一体感が
より大きくなる。
2030年滋賀では家族の団らん、芸術や文化・伝統などの楽しみのほか、かつて
は地域で普通に営まれていたつながり(惣村、結、講、地域での子育て・医療・
福祉など)が復活されている。そして、それに必要な人とモノの移動を支えるネ
ットワーク(バス、LRT、自転車、琵琶湖の活用など)も整備されている。
琵琶湖と暮らす
自然との深いつながりも、人が幸せや豊かさを感じるにあたって欠かせない要
素である。古来より、滋賀の人々は琵琶湖を中心に生活してきた。湖の恵みは人々
の生活を支え、天然の水路となり、都へ人や貨物を船で運ぶ舟運が栄えてきた。
自然と人の生活文化が一体となった湖岸の景観は、「近江八景」としてその名を知
られてきた。また、琵琶湖は世界でも有数の古代から存在する湖であり、ここに
しかいない動植物が多く分布する貴重な生態系を保持している。近隣の府県に水
資源を提供する大事な役割も担っている。滋賀という地域にとっての「持続可能
性」を語るとき、この琵琶湖と流域生態系の恵みをどう位置付けるかは重要な問題
である。
2030年、滋賀の環境の象徴でもある琵琶湖は、昭和30年代前半レベルの健全な
水循環が回復し、すくって飲めるような理想的な水を湛えている。琵琶湖はその
歴史の古さから、世界でここにしかいない固有種を多く含む貴重な生態系を維持
してきた。自然湖岸の回復、外来種の管理などによって、独自の貴重な生態系も
安定的に保全され、世界に誇る学術的な価値が保持されている。そのことはまた、
36
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
かつての豊かな漁業(なりわい)を取り戻すことにもつながる。さらに豊かな生
態系が維持された琵琶湖は体験学習やレジャーの絶好の場を提供するとともに、
かつての天然水路としての役割も取り戻し、滋賀のメインストリートとして活躍
している。
また湖を取りまく街並みや里地・里山の風景も、琵琶湖や背景の山なみと調和
し、歴史と伝統を尊重する新たな街づくり、村づくりとあいまって、世界の誇る
都市・地域景観を作り出している。またそのときには、「近江八景」と謳われた湖
岸の景観が、自然と人間が真に共生する社会のシンボルとして再生されているだ
ろう。
さらに、琵琶湖の根源である周辺の森は生業として適切に管理・利用され、琵
琶湖はもちろん県民の暮らしを支えているとともに、憩いの場を提供している。
以上、市民による「未来予想絵図」の作成と「滋賀変革構想検討委員会」で提案さ
れたアイディアを整理体系化し、滋賀が目指す(望む)社会の姿をストーリーライン
として叙述してみた。東近江市が地域の生活者にきわめて近い視点から将来像を検討
するのに対し、ここでは滋賀県全域を対象とした自然共生的で持続可能な滋賀の将来
ビジョンを描くのが目的なため、県内各地域の特色や相互関係、県全体としての姿な
ど、社会の姿を広い視点で俯瞰的に見たストーリーラインを作成する必要がある。
今年度作成したストーリーラインの中身を総じていえば、
「滋賀の進むべき道としては、互いとかかわる時間を増やし、自然の中で過ごす時
間を増やし、地域社会の存在を感じられる共同体での時間を増やし、地域で作ったも
のを地域で使い、地域内の商店との関係をはぐくむことである。江戸時代や昭和30年
代にもどろうということではなく、つながりの根本に立ち返ろうというだけのことで
ある」に、要約できる。
来年度には、前年度の議論を継続する形で、新たな豊かさの価値観に基づけば2030
年の滋賀ではどのような産業構想をもつべきか、等について議論をおこない、ストー
リーラインのさらなる拡充をおこなう予定である。そして、これをふまえ、統合評価
モデルに必要なパラメータを決定し、環境目標をクリアしつつ、社会経済指標の整合
性が取れた状態を定量的に求め、提案されたアイディアがただの夢ではなく実現可能
なものであることを示す。次いで、この算出結果とストーリーラインをあわせて、滋
賀における自然共生的で持続可能な社会の“将来ビジョン”とする。
37
もったいない市場
(レンタル、リース、
リユース)
なりわい
としての
森づくり
自立型
中小企業
38
地域通貨
びわ湖を飲む
健全な水循環
なりわい
としての
びわ湖
バス、LRT、
自転車の
利用
陸と琵琶湖を
つなぐ
ネットワーク
人・ものを動かす
ネットワーク
エネルギー
の地産地消
地域で作って
地域で使う
1+2+3次産業
の連携
一家一業制
(家業、手作り)
生物の住みか
豊かな生態系
惣村(そうそん)
自治の現代版
地域にある
ローテクの活用
地域で支える
子育て、医療、福祉
みんなで
集まって
暮らす
ワークシェア
新しい働き方
体験教育の場
地域の営みの
復活
人、ものがつながる
伝統技術、
適正技術を
活用
びわ湖を
使って楽しむ
びわ湖とのかかわりの
復活
(湖)
地域が自律する
メインストリート
琵琶湖
滋賀産物(農林水工)
の地産地消
都市はコンパクト
農村は自立分散型
コミュニティ
ビジネス
(現場ビジネス)
緑の中のまち
びわ湖が見える
街並み
(里)
Made in Shiga
の
ブランド化
近江八景の復活
地域でまわる経済
憩い
体験教育の場
びわ湖と暮らしを
支える森づくり
(山)
びわ湖と暮らす
市民による
文化創造
福祉・ケアの
自立
教育・福祉・観光
の連携
自給自足の
暮らし
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
図 26 未来予想絵図および滋賀変革構想検討委員会意見の整理・体系化
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
(4)開催したワークショップ、シンポジウム、会議等の活動
年月日
名称
場所
概要
2010 年 1
月29日
第1回滋賀変革
構想検討委員会
滋賀県琵琶湖
環境科学研究
センター 2F
会議室
新たな豊かさとはどういうもの
か、どのような価値観の変革が必
要かなど、豊かさを感じることの
できる社会について広く議論し
た。そのうち特に変革の第一歩と
して 琵琶湖をメインストリート
とする“湖国社会・文化圏”に焦
点を当てて議論した。
2010 年 2
月8日
第 1回ひがしおう
み環境円卓会議
東近江市役所
本庁舎
会議の目的説明などにより目的共
有を図った上で、委員らが思う将
来の東近江の「こうなっていて欲
しい」という希望を自由に発表し
てもらい、委員らの考える将来へ
の希望の根底にある価値観を整理
した。
2010 年 2
月20日
第 2回ひがしおう
み環境円卓会議
湖東信用金庫
本店5階大ホ
ール
前回の会議での意見よりまとめた
「自然と生きる」「地元で生きる」
「つながって生きる」という三つ
の視点に基づいて議論をグループ
分けし、付箋紙に書き並べたこれ
までの意見を委員ら自らが整理や
追加・修正などの作業をおこなう
ことで、将来社会に対するイメー
ジの具体化ならびに共有をおこな
った。
2010 年 2
月23日
第 2回滋賀変革構
想検討委員会
滋賀県琵琶湖
環境科学研究
センター 2F
会議室
「滋賀らしく、夢を持って実現で
きる変革」を目指すためには、ど
うすればよいか。「農工商さらに4
次産業が連携する滋賀の新産業」
について議論した。
2010 年 3
月8日
第 3回滋賀変革構
想検討委員会
愛郷の森研修
室
事前にこれまでの議論で描かれて
きた将来社会のイメージを基に統
合評価モデルによる試算をおこな
い、その概要を説明、計算上の設
定事項に関する質疑を通じる形で
39
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
これまでの論点整理をおこなっ
た。その後、引き続き前回までの
議論から具体像を構築するために
「エネルギー」「移動・物流」な
どの 8 分野に分かれての議論をお
こない、前回同様にこれまでの意
見を委員らが再整理ならびに追
加・修正をおこなった。
2010 年 3
月19日
第 4回滋賀変革構
想検討委員会
東近江市役所
本庁舎3階
再度前回の指摘や追加の意見を反
映させたスナップショットモデル
の試算結果の概要について説明
し、その後これまでブレインスト
ーミング形式で整理してきた議論
の文章化(素案は事務局にて事前
作成)をおこなうことで、持続可
能な将来社会のストーリーライン
の作成作業をおこなった。
2010 年 3
月25日
第 2回滋賀変革構
想検討委員会
琵琶湖大津館
多目的ホール
滋賀持続可能な社会への変革にむ
け、倫理・価値観の転換が必要。
豊かさを実感・温室効果ガス排出
量の半減に、「滋賀らしさ」を盛
り込むために、どのような滋賀地
域経済圏をつくるのかを議論し
た。
2009年11
月 28 日~
12月6日
びわ湖・まるエ
コ・DAY2009
琵琶湖博物館
自然と人が共生する持続可能な社
会に向けた取組みを行う多様な主
体が出会い、それぞれの取組の魅
力や工夫を発信し、出会いを通じ
て新たな取り組みが生まれるきっ
かけづくりにつなげる機会とし
て、「びわ湖・まるエコ・DAY」
を開催した。
今年度はその中のメインイベント
として、地域で活動しているさま
ざまな団体の想いをつなぎ、未来
への橋渡しをテーマとし、5m×
5mの巨大なベース絵図の上に、
参加したみんなが想像する「2030
年滋賀の未来」を絵で書いてもら
い、一つの未来を完成させるワー
40
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
クショップを開催した。
2009年10
月26日、3
月23日
琵琶湖流域シナ
リオ研究会第4
回、5回市民ワー
クショップ
コラボしが21
滋賀の持続可能性を考えるとき琵
琶湖の位置づけは重要である。そ
こで、市民が望む「2020年・2050
年琵琶湖流域の将来像」を作成し
た。この成果は、琵琶湖総合保全
学術委員会の報告書「「マザーレ
イク21計画」第1期の評価と第
2期以後の計画改訂の提言」の中
で引用されると共に、特に「暮ら
しと湖の関わりの再生」に関する
目標像や手段・方法の部分に市民
ワークショップの意見が大きく採
用された。
2009 年 5
月9日、10
日、16日
瓦葺きワークシ
ョップ(石寺エコ
民家)
エコ民家
太陽光発電パネルを設置し、電力
自給生活を行うため、パネルを設
置する下屋のトタン葺き屋根を瓦
に葺き替えた。
2009 年 5
月31日
マツタケ山復活
を目指して!
荒神山
岩手県でマツタケ再生を実践され
た吉村先生に指導いただき、みん
なで里山の手入れ方法を学んだ。
里山再生ワーク
ショップ
2009年11
月15日
マツタケ山復活
を目指して! 里
山再生ワークシ
ョップ
荒神山
集落住民、マツタケの再生を実践
されている「マツタケ十字軍」活
動メンバー10数名とマツタケ山を
整備した。薪炭材を調達。
2009年11
月15日
石寺まちづくり
勉強会
公民館
『環境にやさしい暮らしの実践~
太陽光発電と薪ボイラー』など、
県立大学の調査研究と学生の取り
組みなどについて経過を報告し
た。
2009 年 3
月21日
石寺まちづくり
勉強会
公民館
『 CO2 排出- 50 %シナリオの実
践:集落におけるバイオマスの利
用と収集』の報告、県大生と集落
住民による意見交換フォーラム
「いつまでも安心して暮らせる集
落とは」を実施。
41
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
(5)研究開発実施におけるその他の活動
4.研究開発成果の活用・展開に向けた状況
5.研究開発実施体制
(1)研究代表者 及びその率いるグループ
① 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、センター長)
② 実施項目
・プロジェクト統括
・全体会議の開催
・事務局
(2)滋賀シナリオ作成グループ
① 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、センター長)
② 実施項目
・滋賀シナリオ作成のためのワークショップの開催
・滋賀ビジョン作成におけるストーリーラインの作成
・滋賀ビジョン作成における統合評価モデルの適用
(3)統合評価モデルグループ
① 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、センター長)
② 実施項目
・統合評価モデルの修正・追加作成
・統合評価モデルの東近江市への適用補助
・統合評価モデルの滋賀ビジョン作成への適用補助
・ロードマップ作成のための資料収集・分析、手法の検討
(4)モデル地域実証実験グループ
① 鵜飼 修(滋賀県立大学環境科学部、准教授)
② 実施項目
・小舟木エコ村:コミュニティ・エネルギー・エコ・ステーションの運用開始、省
エネルギーライフスタイル調査、および周辺農家と連携した農産物供給システム構
築検討
・彦根市S集落:エコ民家の整備とライフスタイルの実践を通じた、自然共生型モ
デル集落の形の試案
・東近江市:市内ステイクホルダーの参加による自然共生型将来ビジョンの作成
(5)マニュアル作成グループ
① 金 再奎(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、主任研究員)
42
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
② 実施項目
・当グループは平成23年度からの活動を予定しており、当該年度における実施項
目なし
6.研究開発実施者
① 研究代表者およびその率いるグループ
氏
内藤
名
正明
所
属
役
職
滋賀県琵琶湖環境科学研究 センター長
センター
金 再奎
滋賀県琵琶湖環境科学研究 主任研究員
センター
佐藤 祐一
滋賀県琵琶湖環境科学研究 研究員
センター
岩川 貴志
NPO法人 循環共生社会シ 研究員
ステム研究所
田中
②
孝佳
(株)地球の芽
社員
堤 幸一
NPO法人 カーボンシンク 事務局長
進 ひろこ
(有)とーく
宇野
アルバイト
和美
代表
滋賀シナリオ作成グループ
氏
内藤
名
正明
所
属
役
職
滋賀県琵琶湖環境科学研究 センター長
センター
島田 幸司
立命館大学
鵜飼 修
滋賀県立大学
金 再奎
滋賀県琵琶湖環境科学研究 主任研究員
センター
岩川 貴志
NPO法人 循環共生社会シ 研究員
ステム研究所
田中
(株)地球の芽
孝佳
経済学部
教授
環境科学部 准教授
社員
堤 幸一
NPO法人 カーボンシンク 事務局長
進 ひろこ
(有)とーく
代表
森田 清和
「農を変えたい!近江の
会」生産者懇話会
事務局
奥村 清和
東近江市 生活環境部 生活 係長
環境課
杉江 弘行
滋賀県 琵琶湖環境部 環境 室長
43
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
政策課 温暖化対策室
奥田
一臣
滋賀県 琵琶湖環境部 環境 主査
政策課 温暖化対策室
高田
徹
滋賀県 琵琶湖環境部 環境 主査
政策課
山口美知子
滋賀県 東近江地域振興局
環境農政部 森林整備課
主査
赤崎
好近
京都大学大学院
学舎
中藤
容子
滋賀県琵琶湖博物館
辻村
琴美
株式会社新江州
環境ジャーナリス
循環型社会システム研究所 ト
MOH通信編集局
西村
剛史
アルバイト
地球環境 修士2回生
主任学芸員
③ 統合評価モデルグループ
氏
内藤
名
正明
所
属
役
職
滋賀県琵琶湖環境科学研究 センター長
センター
島田 幸司
立命館大学
経済学部
教授
松岡 譲
京都大学 工学研究科
教授
藤原 健史
岡山大学 環境学研究科
教授
島田 洋子
摂南大学 工学部
准教授
倉田 学児
京都大学 工学研究科
准教授
金 再奎
滋賀県琵琶湖環境科学研究 主任研究員
センター
佐藤 祐一
滋賀県琵琶湖環境科学研究 研究員
センター
岩川 貴志
NPO法人 循環共生社会シ 研究員
ステム研究所
吉本 皓亮
京都大学 工学研究科
修士1回生
④ モデル地域実証実験グループ
氏
名
所
属
鵜飼 修
滋賀県立大学
田中
(株)地球の芽
孝佳
役
環境科学部 准教授
社員
奥村 清和
東近江市 生活環境部 生活 係長
環境課
山口美知子
滋賀県 東近江地域振興局
環境農政部 森林整備課
44
主査
職
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
金 再奎
滋賀県琵琶湖環境科学研究 主任研究員
センター
岩川 貴志
NPO法人 循環共生社会シ 研究員
ステム研究所
⑤ マニュアル作成グループ
氏
名
所
属
役
職
金 再奎
滋賀県琵琶湖環境科学研究 主任研究員
センター
田中
(株)地球の芽
孝佳
社員
鵜飼 修
滋賀県立大学
環境科学部 准教授
奥村 清和
東近江市 生活環境部 生活 係長
環境課
岩川 貴志
NPO法人 循環共生社会シ 研究員
ステム研究所
45
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
7.研究開発成果の発表・発信状況、アウトリーチ活動など
(1)
論文発表
(国内誌
(2)
件、国際誌
件)
口頭発表(国際学会発表及び主要な国内学会発表)
①招待講演
(国内会議
②口頭講演
(国内会議
③ポスター発表
(国内会議
件、国際会議
9 件、国際会議
件、国際会議
件)
件)
件)
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、地域からの持続可能社会づく
り-滋賀の実践例-、環境科学会2009年度通常総会講演会、東京、3月19日
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、広島、9月17日
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、低炭素・循環型社会に向けた
環境評価技術、環境システム、東京、9月18日
・ 市田 亘,鵜飼 修(2009)自然共生型社会形成に向けた自治体施策のあり方につ
いて-東近江市を対象として-,平成21年度日本計画行政学会関西支部研究大会
新しい文化・生活環境の形成-地域を元気にする政策を求めて- テーマ報告論
文集:25-30.
・ 鵜飼 修(2009)自然共生型社会を構築するまちづくり手法~エコ民家システムに
よる持続可能なコミュニティの再生~,平成21年度日本計画行政学会関西支部研
究大会 新しい文化・生活環境の形成-地域を元気にする政策を求めて- テー
マ報告論文集:31-36.
・ 鵜飼 修(2009)エコ民家システムによる持続可能なコミュニティの再生,日本計
画行政学会第32回全国大会「人口減少時代と共生社会」研究報告要旨集:33-36.
・ 高岡 彩美,児玉 悠子,鵜飼 修(2009)エコ民家居住によるCO2削減効果,日本
計画行政学会第32回全国大会「人口減少時代と共生社会」研究報告要旨集:37-39.
・ 村司 一成,鵜飼 修(2009)エコ民家システムによる集落のCO2削減の可能性,
日本計画行政学会第32回全国大会「人口減少時代と共生社会」研究報告要旨集:
41-44.
・ 大山 紗慶,三田 恵理子,鵜飼 修(2009)CSAを用いたコミュニティの持続可能
性の評価-滋賀県S集落を対象として-,日本計画行政学会第32回全国大会「人口
減少時代と共生社会」研究報告要旨集:45-48.
(3)
新聞報道・投稿、受賞
① 新聞報道・投稿
46
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
・ 内藤 正明、地方が持続可能な社会づくりを進める必然性、学会誌「EICA」No.14、
Vol4、2010
・ 内藤 正明、地域からの持続可能社会づくり-滋賀の実践例-、環境科学会総会特
集、2010
・ びわ湖・まるエコ・DAY2009 自然と共存―みんなの願い、読売新聞、2009年12
月25日
・ 温室ガス半減強い味方、産経新聞、2009年11月28日
・ 温室効果ガス半減へ県が行程表案、毎日新聞、2010年3月19日
・ 県の温暖化問題 知事、大臣に説明 県行程表に協力示唆、朝日新聞、2009年6
月6日
・ CO2半減計画 批判の注文 京都新聞 2009年12月15日
②受賞
(4)
その他の発表・発信状況、アウトリーチ活動など
① 書籍、DVDなど論文以外に発行したもの
・ パンフレット「2030年持続可能な滋賀へのロードマップ」、2,000部
・ パンフレット「未来予想絵図」、3,000部
② ウェブサイト構築
・ 未来予想絵図にっき、http://mirai09.shiga-saku.net/
③ 研究開発成果を発信するためのシンポジウム等の開催
・ 持続可能社会のバックキャスティング手法に関するセミナー、京都、8月
・ びわ湖・まるエコ・Day2009、草津、11月
・ 琵琶湖セミナー、大津、7月
④ 学会以外のシンポジウム等への招へいによる講演実施
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、全国市町村国際文化研修所講
演、4月16日
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、水環境創造機構講演、6月
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、環境文明社会ロードマップ作
り、環境文明21、東京、10月
・ 金 再奎(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、持続可能な滋賀へのロードマッ
プ、滋賀大学環境支援士会、大津、12月12日
・ 内藤 正明(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)、自然循環型社会と地域社会、
びわ湖・まるエコ・DAY2009、草津、12月6日
・ 岩川 貴志(循環共生社会システム研究所)、滋賀をモデルに持続可能な社会をえ
がく、環境生態工学研究所セミナー、仙台、7月11日
47
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
48
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
付録1
未来予想絵図および滋賀変革構想検討委員会の意見(アイディア)
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
倫理・価値観・
つながり
豊かさとは
小分類
1
・農のありようと、生きざまを、教育に取り入れる
2
他人
・食べものを変えると人が変わる・おいしいものを誰かとわかちあって
食べるのは幸せ
2
家族
・人々が大切にしているモノ/所得より家族、家族は人間の根本
1
・人間、家族、共生 > 自然保護よりも
1
協立社会
・改革は破壊と創造。協立社会がやってくる。手に職をつけることは必
要ではないか。農・大工・苦労をいとわない人の思想を大切に
2
次世代
・豊かさ指標はGDPのような短期的な指標ではなく、次世代や地域の
つながりといった、つながりを広くとらえた指標ができないか
1
思いやり
・思いやることや、世話をすることは、=care =つながりができる。
2
文化
・高齢者社会のいま、高齢者向けの医療と介護だけでなく、葬儀、大学
までがあるイメージ。
・文化は家業から生まれたのではないか。1次産業は家業の延長では
ないか。家業がビジネスモデル、文化が家業というイメージがある。
1
集落
・「豊かさ」を「滋賀らしさ」に変える
2
県民
・誇りを、勇気を持って、水や空気、美意識・価値観を固めることが必要
2
・家族、暮らし、生産の中で、自然を考えることが必要
1
・人口の5~6割が、農業をすれば全体に浸透する。車に乗らないも含
んで農的と考える。
3
・自律=善悪判断含めた(精神・思想含め)内容・目線で。律する価値
観を持つこと。
3
・生き方、暮らし、政策、あらゆるものに、自律。
3
・国家を語ると=農的自律国家を目指す、となる。
3
・おいしいものを食べると、人に優しくなる
2
・食べものを変えると人が変わる・おいしいものを誰かとわかちあって
食べるのは幸せ。
2
すべての生き物の生存
・固有種を生かしつつ、ブラックバスを食べる。うまい特産といえるよう
な発想の転換が必要
2
余暇・ゆとり
・時間、経済合理性を無視した、ゆったり、ゆっくりを提供することが、生
業になればよい。
1
物より心
・思想倫理/共生 > 所得もうけよりも
・人々が大切にしているモノ/所得より家族、家族は人間の根本。・個
人の多様性は尊いが、欲望の解放はいけない。
1
びわこと暮らしを支える森
なりわいとしての森づくり
づくり(山)
・森の中には木でできた家が建っています
M
・木で作った自作の椅子を紹介している男の子も!
M
・五感を使って森の中で子供たちが元気一杯に遊んでいます
M
・森に、金色の不思議なドングリがいっぱい!
M
・森の中で子供たちが遊んでいます
M
・森の中で子どもたちが虫取りをして遊んでいます
M
・美しい『風景』を残したい。
1
・原風景/自然 子供達の中に残る。子ども達が、何を見るかは、非常
に大切。
1
自然との共生
自律
おいしいものを食べる
びわ湖と暮らす
委員会
の回
・人と自然の豊かさは、命がつながっていくこと
地域の誇り
生命
具体的な内容
憩い体験教育の場
びわ湖が見える街並み
(里)
近江八景の復活
49
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
具体的な内容
委員会
の回
・ヨシ刈イベント 200人で1日仕事が半日で終わる。景観は維持される
1
・未来でも、古い街並みは守られています
M
・赤い欄干の瀬田の唐橋や瀬田川洗堰が健在
M
・土地を守り通せない。税金制度を考え直すことが必要。
3
・「長期的に、広範囲な土地を維持している人」が儲かる仕組みに
3
・打ち水や壁面緑化などで気温を下げる努力
M
小分類
緑の中のまち
都市はコンパクト農村は自
・メリハリのきいた都市計画
立分散型
びわ湖とのかかわりの復
メインストリート琵琶湖
活(湖)
びわ湖を飲む健全な水循
環
なりわいとしてのびわ湖
びわ湖を使って楽しむ
生物の住みか、豊かな生
態系
1
・びわ湖を向いて暮らす
1
・“人々の出会い”“交流する手段”、公共交通としてであれば、舟運は
よい。
1
・理屈抜きで“琵琶湖”思える県民性がある
1
・湖西地域 災害時に備え、使えるものを考えておくここで、舟運が活
躍できる
1
・「湖の駅」朝市
1
・宝船(長浜~浜大津でイベントを!)
1
・ソーラーパネルで航行する船や家庭菜園
M
・ボートで川を下って通勤する人も!
M
・地元でとれた野菜を船で運び、琵琶湖を生かした地産地消を実現!
M
・琵琶湖の水を飲めるようにまでいきたい
1
・琵琶湖の水を、信楽焼の容器に水を入れて飲めるようなイメージ
1
・惣村(そうそん)自治 = 結果として琵琶湖がきれいになる
1
・水産/動植物/ふなずしを大事に。
1
・湖のものが業(なりわい)となることが必要。
1
・景観よりも < 生活。 消費しなければ、食生活、根本ではないか
1
・琵琶湖は、対象やイメージではなく 暮らし、生産
1
・ゆっくりゆったりが生業(なりわい)となるようなことが必要
1
・エリという昔ながらの漁法で、漁がおこなわれています
M
・琵琶湖に入って泳ぐ、しじみをとる
1
・琵琶湖の葦
1
・琵琶湖を使う、見る、は必要だと感じている
1
・ゴイサギ・サギ・カイツブリ・コハクチョウがニコニコと幸せそうに暮らし
ています
M
・たくさんの鳥とそれを観察する人々の姿があります
M
・毎年コハクチョウが飛来できる環境が、守られています
M
・美しい琵琶湖でニコニコ笑顔で暮らしているビワコ大ナマズを守るた
め、水質調査を続けています
M
50
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
小分類
体験教育の場
地域が自立す
地域で回る経済
る
地域通貨
自立型中小企業
もったいない市場(レンタ
ル、リス、リユース)
具体的な内容
・大人になった現代の子どもが、未来の子供たちに自然の大切さを伝
えています
M
・宇宙に目を向けることによって、地球のことを考えていこうという想い
が込められています
M
・大人から子どもたちへ…ホタルの大切さが語り継がれていっています
M
・結、講、エコポイント
2
・つながり家づくりの推進(結)
2
・(地域通貨のような?) 融資し、作物で返してもらう、など。
3
・グラミン銀行…地域通貨、エコバンクではなく、講でなく、銀行。
3
・日本でも、出し合って顔が見える関係で「講」のしくみがあった。(あ
る。)
3
現在、地域ビジネス、地域モデルとして、今、環境を売りにしようにも
①ファイナンスがないことがネック。回す仕組みがない。
3
・顔の見える経済。情報含めて。
3
・もう一言言えば、「おすそわけ」経済を目指す。
3
・イタリアや、フランスのように、中小企業が地域の都市経営をし、経済
圏が成り立っているという国もある。
2
・中小企業が支える経済
3
・日本の中小企業は、大企業に連なっている。
もう一度つくり直さないと。
3
・古着をリメイクして新しく雑貨を作っています
M
Made in Shigaのブランド化 ・農業の滋賀らしいベストミックスを打ち出す
コミュニティビジネス
地域で作って地域で使う
委員会
の回
2
・うまい特産と言えるような発想の転換を打ち出す
2
・食べる <特産品> ビワマス
2
・ブラックバスの命をみつめて、冬に食べる。ブラックバスは、アユ、エ
ビをエサとしているから、おいしいというイメージを打ち出す
2
・地域経済を考えたときに、数値化しない指標ができないか、ゆるやか
で優しい滋賀流域にならないかというイメージを持ちたい。
3
・ブランド化と言うと、「外の人が評価する。」という印象があるので、「お
互い評価し、認め合う」ことを、何と表現したらよいか・・・。
3
・綿畑で栽培した綿花から糸紡ぎ・機織りをして、商品が完成!その商
品が大人気に!
M
・コミュニティビジネス、現場でできるビジネスづくりをする そこの目標が
6割農業
3
・必ずしも地域だけでなく、価値観を等しくする人との経済
3
滋賀産物(農林水工)の地
・「湖の駅」朝市
産地消(産直市場)
2
・琵琶湖と山の食博覧会
2
・地域の木材、伝統工法を活かした家
1
・景観の中に溶け込むような木造住宅が建っています
M
・水中乾燥した木材を使用した木造建築も!
M
・遡上するニゴロブナで水路はにぎわい、棚田ではおいしいお米がとれ
ます
M
・棚田では、機械を使わずに農作業をします
M
・雑穀「タカキビ」「アマランサス」が収穫されています
M
51
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
小分類
具体的な内容
・滋賀クローズドで、なのか
3
・淀川水系含めたマーケットで考えるのか (※範囲/淀川水系近畿)
3
・京都マーケット なのか (※範囲/京都)
3
・ガソリンが無くなってもつながれる範囲 人力で動かせる範囲か?
3
・栽培したエサ米で家畜にエサをやっています
M
・綿で赤ちゃんの肌着をつくっています
M
エネルギー(自然の恵みを ・M・O・Hタウンでその生活ができて、今の暮らしぶりを問うようなモデ
活かした暮らし)
ルを滋賀から発信したい
1
・自然の恵みを活かした暮らし
1
・間伐材を用いた森林バイオマスで、発電された電気が家庭へと!
M
・雨水を貯めたタンクで草花に水やりをします
M
・田畑に生ごみを利用した堆肥などを利用しています
M
・ソーラーパネルのついた住宅が建っています
M
・適正技術を産み出す産業団地
1
・日本は、技術を支える技術者、マイスターを大切にすべき。
3
・農業にまつわるフェアトレード、クリエイティブな農業を加える。
2
・滋賀の農業指標づくり
2
・滋賀に住むとおいしいものを食べることができる。というのは、力があ
る
2
・「文化とは家業」(から生まれた)のではないか、「1次産業は家業、家
業の延長」
2
・本当の意味での商店、MOHタウン、コンパクトな地域をつくる
2
・改めて特産づくりをして、これを中小企業に任せてはどうか
2
・食の米は滋賀県産100%!・食糧自給率を上げるには食べなくては
2
・お米を食べるとトンボが増える、メダカが増える、というような「つなが
る」イメージが「食べる」に必要
2
・一人でがんばらなくても助け合って、寄り集まって、手伝うもの。
3
・平和に豊かに笑って地域をつくる。
3
・つなぎ手、プロデューサーが必要
3
・家業がビジネスモデル、文化が家業、そういうイメージ
2
・家業を中心ベースの考え方をもてば、すべての答えが見えてくるので
はないか
2
・一家一業制の推進
2
ワークシェア
・
1
福祉・ケアの自立
・障害者が牛の放牧=里山保全、農業など
・農家レストラン
2
・モビリティ、リバースモ-ゲージ(持家を担保に融資を受けるシステム
のこと)をもっと積極的に考えてもよいのでは。
3
・市町村の権限と責任を積極的に与え(地域法をつくれるとか?)る べ
き
3
伝統技術、適正技術を活
用
新しい働き方
委員会
の回
1+2+3次産業の連携
一家一業制
52
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
小分類
教育・福祉・観光の連携
自給自足の暮らし
人、ものがつな 人・ものを動かすネット
がる
ワーク
地域の営みの復活
具体的な内容
委員会
の回
・ここでしかできない体験が、滋賀らしい
1
・その滋賀らしい地域資源を支えるものは、「滋賀の過疎地域、集落の
誇り」や、「子ども、滋賀県民が持つ誇り」、誇りを活かす手段を考える
必要
1
・自然がウリになる時代
1
・人の気持ちをかえるには、例えば、LRT湖南に入れるなどして、車に
乗らなくてもよい社会を、「見せていくこと」が必要で、そうすることで説
得ができると思う
1
・サービス業・教育業(農工商+何か)・福祉業 を柱にできるのではな
いか
2
・1次産業は、なんとかならんのか。がスタートではあるが、「教育」なくし
てそれはありえない
2
・思いやること、世話をすること。 もGDPに追加必要、教育も産業にな
りえる
2
・川端(かばた)を体験したり、Stayしていただいたり、暮らす体験をイ
メージしている
2
・高齢者向け「医療と介護」、「葬儀」、「大学」までもがあるイメージ。=
地域おこしができる。
2
・ローコストで働いていける働く場所づくりを始める⇒里山手入れが進
む→農作物ができる→レストランができる→観光のうりになる→ →
→どんどんつながっていく
2
・農のありようと、生きざまを、教育に取り入れる
2
・学校教育とは別の民主主義の基礎を学ぶ、農的暮らしを学ぶ場
2
・農的なとは、→命を生み出すこと、生み出すことのしんどさを経験する
こと、命を終わらす、絶つ経験すること。エコツーリズムにも農的要素
は、必ず入れて欲しい
2
・商店、MOHタウンなど作って見せて行動させる(観光になる)
2
・観光農園と同じにしては、いけない。観光農園は顔が見えない
3
・学校で子どもたちが綿繰り体験
M
・キャンドルの灯りでエコしながらロマンチックにディナーを楽しむ!屋
上では菜園が営まれている
M
バス、LRT、自転車の利用 ・人々が交流できるバス
1
・リキシャをつかって農具をお届け!ベロタクシーも郵便ベロや屋台ベ
ロなど勢ぞろい!
M
・路面電車に自転車を持ち込み可能!
M
・自転車を停められるおしゃれなバイクカフェも!
M
陸と湖をつなぐネットワーク ・湖の駅、湖上交通+電動自転車で街中へ
1
・船で陸をつなぐ、水・土・空気と人をつなぐ
1
・フェリー⇒ 車を運ぶ ・自転車を運ぶ
1
・「湖の駅」朝市ネットワーク
1
・宝船(長浜~浜大津でイベントを!)
1
・惣村(そうそん)自治 = 結果として琵琶湖がきれいになる
1
・地域の営みそのもの(常夜灯、回覧板、地蔵さんの花など)
2
・結、講の復活
2
・つながり家づくりの推進
2
惣村(そうそん)自治の現
代版
53
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
小分類
具体的な内容
委員会
の回
地域にあるローテクの活用
・つながっている」:無理のない形で、錦のようにおり重なり、よろこびの
ネズミ講のようなイメージ
2
・地域にあるローテクを使って、どんどんつながる
2
・思いやることや、世話をすることは、=care =つながりができる
2
・自分たちの地域を誇りに思える、学ぶ場が必要
2
・子どもとお年寄りがお互いを見合う+障がいある人(ケアし合う)
2
・三世代同居特典:CO2削減に役立つ、禁止はできないので、お金じゃ
なく、特典をつける
2
・三世代同居で生まれる、老い、死を見る、学べる、みんなが楽しめる。
2
・三世代家族は全部ある。恩があり、喜びがある。生き甲斐があり、つ
ながりがある。おいしい食につながる
2
・三世代同居が、インセンティブになる策が必要
2
・家のありようが様々なので、それに合わせた施策をいくつも考える必
要がある
2
・擬似familyづくり、.おひとりさま生活でも、さびしくない暮らし方、共同
墓→家のありよう、生きざまを提案する。いくつかの暮らしの形を提案
する。
2
・入会地の復活、環境価値の創出、コモンズの組織づくりをするには、「
自分達の地域をつくるために地域の人がやる。」 ここが大切。そういう
地域づくりが大切。
3
・工場で働く人と地域の人々の間には交流が!
M
・お年寄りに昔の集落の様子を聞いています
M
・学校内にビオトープがあり、生き物観察ができます
M
中分類
地域で支える子育て、医
療、福祉
みんなで集まって暮らす家 ・共に暮らす家、創り直す家
規制、制度、税
など
2
・余呉町の家。女性が共に暮らす。人間らしく暮らすのに多くのモノは
必要ない
2
・コミュニティマンションでは、住民同士の仲が良く、皆で旅行に出かけ
るなど交流が活発です
M
市民による文化創造
・日々の営みを文化としてどうやって評価するか
1
法・制度
・市町村の権限と責任を積極的に与え(地域法をつくれるとか?)る べ
き
3
・値段のついていない文化と自然に堂々と値段をつけてはどうか。
3
・自由に価値をつけると時間がない。だから行政制度として作っていく
必要がある。
3
・何かやろうと思うときは、障害があるなら、法をはずせる特区づくりが
できないか。
3
・規制は、何があるかと言われるといっぱいあるが、どれも責任逃れの
法律に見える。
3
・誓約書をつくって、責任を取るから、法をはずし、特区をつくってほし
い。
3
・共感づくりに税投入を
3
・地域住民の意識をていねいにつなげないとうまくいかない
県はそういうところに制度・お金を使わないといけない
3
・未来の規制・制度に必要なものは、自由と義務と責任と共感。
3
・自治・豊かさを考えるに、根源は地区の評議委員会制度ではないか。
行政はそこに口を出さない。(まちで議論をする制度(しくみ))
3
・まちづくりは有識者が集まってではなく、住民が議論していくもの。先
ほど言われたようにならないか。
まちの議論制度(しくみ)はいい。(愛着ある人による地区の委員会制
度)
3
54
社会技術研究開発事業
研究開発プログラム「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」
平成21年度 研究開発プロジェクト年次報告書
M:未来予想絵図の意見
大分類
中分類
具体的な内容
委員会
の回
・クオリティの高い人が集まってやっていけば、先に住んでいようがいま
いが…。あまりきにしなくていいのでは。どのような人が集まれるしくみ
にするかが、大切。
3
・環境税の導入を提案したい。
3
・環境税の導入を提案したい。CO2:コストとして認識できるよう提案し
たい=空気の価値を評価しよう。
3
・ただ土地を持っているだけでは、税がかかる、手入れをすると、税が
安くなるという提案をしたい。
3
・言葉だけではない、補助金ではない、インセンティブとなる考えを示す
ことは重要だ。
3
・現在、地域ビジネス、地域モデルとして、今、環境を売りにしようにも
①ファイナンスがないことがネック。回す仕組みがない
3
・県レベルでは、コモンズの再構築を、しなくてはいけない。
3
小分類
税
仕組み
55
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