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ミクニ環境報告書2014

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ミクニ環境報告書2014
M
I
K
U
N
I
ENVIRONMENTAL
ミクニ環境報告書 2014
R E P O R T 2 014
共存していくために そして次世代を守るために
Making Dreams Exciting Reality
2014年も様々な出来事がありました。
昨年の富士山に続き群馬県の富岡製糸場と絹産業遺産群が世界文化遺産に登録され、再
び日本人がノーベル物理学賞を受賞するなど日本が世界に誇れるニュースに沸きました。
急遽12月に行われた衆院選では与党が再び大勝し、今後最長4年間安倍自公政権に
日本のかじ取りを付託することになりました。
政治の安定が最大の経済政策との見方もありますが、経済面では4月から国内消費税
が8%に引き上げられ、1年を通じて急激に円安が進み、足元では原油価格が急落、新
興国の成長鈍化や欧州経済不安が株式市場や世界経済に不安定な要素となって、先行
き見通しが効きづらい状況が続いています。
自然環境に関連した話題では、今年も国内各地で記録的猛暑と局地的なゲリラ豪雨に
よる災害が発生、この冬も既に大雪や爆弾低気圧による突風被害が記録され、甚大な被
害が予測される気象現象に対しては、気象庁が警戒を呼び掛ける「特別警報」の運用も
スタートしました。
また、戦後最悪の惨事となった御嶽山の噴火や阿蘇山の噴火によって、日本は110もの
活火山を有する火山大国であることを改めて認識させられました。
引き続き巨大地震を含む自然災害リスクとは真正面から向き合い、ハード・ソフト両面か
らの地道な備えと耐力強化に取り組んで参ります。
国内に限らず地球規模での気候変動は世界各地の自然災害や生態系の変化を確実
にもたらしており、環境を意識しての事業活動は企業価値を高める上で益々重要になる
と考えています。
今年も国内各地で電力料金の値上げが実施されましたが、生産活動では引き続き省エ
ネ活動に取り組み、コスト吸収において一定の成果を挙げました。
新興国における大気汚染問題には環境対応技術で応え、各国生産拠点では当該地域に
おける環境先進企業を目指して活動を進めております。
100周年となる2023年をマイルストーンにものづくりをベースとした持続可能な高収
益企業として存続し続ける為には環境への配慮は必要不可欠と考えます。
私たちの活動に対しまして、皆様からの率直なご意見をお待ちしております。
2014年12月
2014
編集方針
目 次
本報告書は、株式会社ミクニの環境への取
り組みにおきまして成果をご紹介し、ステー
クホルダの方々とコミュニケーションを図
り、環境への貢献活動をさらに向上させるた
めに発行いたしました。
本報告書の対象範囲
本報告書では、原則として以下に示します
対象組織での2013年度(2013年4月
1日~2014年3月31日)のデータ及び
活動を対象としています。ただし、一部の
データと活動内容については、2014年度
のものも含みます。
本報告書の対象組織
2013年度の環境保全活動実績について
は、主として以下の組織を対象とし、一部海
外でのグループ会社における環境活動の報告
も含みます。
・小田原事業所
・菊川事業所
・盛岡事業所
(滝沢工場、大釜工場)
■
社長挨拶
1
■
編集方針と目次
2
報告組織の概要
3
■
・企業理念と環境配慮製品
・会社概要と事業セグメント
■
環境マネジメントシステム概況
5
・環境方針と環境マネジメント体制
・ISO14001認証取得状況と
内部監査・外部審査について
■
環境負荷について
7
・マテリアルバランス
環境負荷及びその削減状況
■
目標及び実績
8
■
持続可能な社会のために
9
・グリーン設計とエコ加湿器
・グリーン調達と環境会計
・環境に配慮した取り組み
参考文献
本報告書は環境省が定める「環境報告ガイ
ドライン(2012年版)」を参考に作成し
ています。
■
省エネ活動
12
■
環境コミュニケーションと
社会貢献
13
■
環境教育・順守評価
14
次回発行予定
2015年 10月
末日
この報告書に関するお問い合わせ先
株式会社ミクニ
生産本部 グローバルものづくりセンター
〒439-0019 静岡県菊川市半済2828
TEL : 0537-36-2181
FAX : 0537-36-4192
ミクニホームページからも
ご覧になれます。
http://www.mikuni.co.jp/
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 |2
企業理念
私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし
豊かな社会づくりに貢献します。
経営方針
行動指針
Vital
Making Dreams
Exciting
Reality
&
Technology
バイタル・テクノロジー
ミクニ
夢をかたちにときめきに
"お客様第一"を心がけたマーケットから学ぶ経営
つねにお客様の満足を考えよう
安全と環境に配慮した品質第一の
ものづくりとサービスをする経営
つねに改善・改革・創造しよう
「生きがいのある企業」を目指す経営
つねにプラス思考で考えよう
法を遵守し自主性と相互信頼を重んじ、
相手を尊重する経営
つねに高い倫理観を持ち
相手の立場でものを考えよう
夢を持ち、自己変革にはげみ、
目標に対しチャレンジする経営
つねに目標は明確に高くかかげよう
環境に配慮した製品
● 軽4輪車用樹脂
インテークマニホールド
吸気系全体のレイアウトを最適
化すると共にインテークマニホー
ルド等の樹脂化により軽量化、コ
ストダウンを実現しています。
● 電動バキュームポンプ
電気自動車・ハイブリッド車用バ
キュームポンプで、ブレーキ倍力装
置などの負圧供給を行います。
3 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
●アクセルペダルモジュール
アクチュエータ駆動によって、ア
クセルペダルを押し戻す(アクティ
ブ)機能を備えたコントローラ一体
式ペダルモジュールです。
会社概要と事業セグメント
【 事業セグメント別連結売上高と構成比 】
【 会社の概要 】
その他事業
商号
株式会社 ミクニ
本社
東京都千代田区外神田6-13-11
設立
1948年 10月 1日
代表者
代表取締役社長 生田久貴
資本金
22億1,530万円
従業員数
66
航空機部婚輸入
販売事業 197
売上高
965億円
生活機器関
連品事業 74
1,626名
■ 自動車関連部品事業
■ 生活機器関連品事業
■ 航空機部品輸入販売事業
■ その他事業
単位:億円
自動車関連品事業
628
【 ミクニ主要拠点 】
盛岡事業所(岩手)
菊川事業所(静岡)
滝沢工場
小田原事業所(神奈川)
大釜工場
環境に配慮した製品
● 電子スロットルボデー
● 自然気化式パーソナル加湿器
● 燃料電池システム用流量制御弁
ガス制御弁
電子制御による高度な空気量制
御により、排気ガス浄化、燃費改
善に貢献しています。また多連で
一本シャフトを採用することで、
部品点数を削減し軽量化も実現し
ています。
電気や火を使わないエコなアロ
マディフューザーです。香りと加
湿の2つの機能で癒します。
© TOMY「のほほん族」は株式会社タカラトミーの登録商標です。
水遮断弁
家庭用燃料電池システム内の
都市ガス、水を高精度に制御す
るアクチュエーターで、これか
らのエコライフに貢献します。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 |4
環境方針
私たちは企業理念に基づき、自動車関連部品、環境機器並びに
家庭用ガス機器関連部品の設計・開発から製造・販売、そして廃棄に
至るまで全過程を“ものづくり”と考え、以下の活動に取り組みます。
1. 環境に配慮した活動を推進するため、環境マネジメントシステムを構築し、
運用し、定期的に見直し、継続的な改善を図ります。
2. 環境関連法規・規制・条例及びその他の要求事項の順守はもとより、
自主管理基準を定め、環境管理レベルの向上と汚染の予防に努めます。
3. 事業活動について毎年環境に対する影響度合いの評価を実施し、
抽出された中での重要な項目に対しては目的と目標を設定して推進します。
4. 地域とのコミュニケーションを図り、利害関係者との良好な協調関係を
維持し、地域社会に貢献します。
5. 環境教育や広報活動を通して当社で働く全ての人がこの環境方針を
共通認識とし、環境保全に関する意識を向上させます。
環境マネジメント体制
当社は下図のような環境マネジメント体制を構築し、環境保全活動に取り組んでいます。各事業所の環境活動を
統率すると同時に横展開を掛けるため、統括環境管理責任者を配置する環境マネジメント体制を構築しています。
右図に示しますように、経営者の下に統括環境管理責任者
を配置しています。この体制にすることで、各環境管理責任
者が統括環境管理責任者に各種報告(各事業所での環境目標
に対する四半期ごとの実績や監査の結果など)を行います。
それらに対し修正点があれば具体的指示が統括環境管理責任
者から出され、全体として良い活動へと導かれます。
経営者
統括環境管理責任者
法規制責任者
統括事務局
各事業所環境管理責任者
監査事務局
事務局
監査チーム
分科会
法定管理者
各部署
5 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
当社では、各事業所において年2回の内部監査と年1回の外部機関による審査を実施し、環境マネジメントシステ
ムを客観的に評価すると共に、活動に対する継続的改善を図っています。ここでは各事業所並びに海外グループ会社
がISO14001認証登録した歩みと、内部監査及び外部審査結果についてご報告します。
ISO14001認証取得状況
ミクニと海外グループの環境マネジメントへの取組み
I S O 14001 認 証 取 得 の 動 き
海 外
/
年 月
国 内
2001年 3月 相良事業所 : ISO14001の審査登録準備を開始
2002年 7月
相良事業所 : ISO14001の審査登録
2003年 4月
滝沢工場 : ISO14001の審査登録準備を開始
2003年 7月
相良事業所 の審査登録範囲に菊川事業所を拡大登録
2004年 3月
滝沢工場 : ISO14001の審査登録
2004年 7月
相良事業所・菊川事業所登録範囲に小田原事業所を拡大登録
2004年 9月
2005年 3月
2005年 8月
2006年 3月
MIKUNI (THAILAND) CO.,LTD : ISO14001 の審査登録 滝沢工場の審査登録範囲に大釜工場拡大登録
三國R・K株式会社 : ISO14001 の審査登録 滝沢工場・大釜工場の審査登録範囲に玉山工場拡大登録
2006年 12月
浙江三国精密機電有限公司 : ISO14001 の審査登録 2007年 6月
天津三国有限公司 : ISO14001 の審査登録 2009年 7月
相良事業所・菊川事業所・小田原事業所の審査登録範囲に盛岡事業所(滝沢工場・大釜工場を統合登録)
2010年 3月
2010年 7月
上海三国精密機械有限公司 : ISO14001 の審査登録 生産再配置に伴い相良事業所及び玉山工場を適用範囲から除外
2012年 3月
成都三国機械電子有限公司 : ISO14001 の審査登録 2012年 4月
MIKUNI INDIA PRIVATE LIMITED : ISO14001 の審査登録 内部監査
内部監査は「環境マネジメントシステム」を見ることが規格の要求であるが、このシステムを運用した成果(パ
フォーマンス)を追求すべく、09年度より監査目的を掲げ適切に実施されており、維持されているかどうかという
監査の目的を広くとらえ「環境パフォーマンス」の監査を取り入れました。その目的には、ISOの規格での重点課
題や社会的責任に関する事項が含まれます。実施した結果は下記のとおりです。
監査目的に対し
優れている 53%
ほぼ良い
39%
遅れ気味
3%
出来ていない 5%
上期監査時の結果
監査目的に対し
優れている 60%
ほぼ良い
38%
遅れ気味
1%
出来ていない 1%
優れている
ほぼ良い
遅れ気味
できていない
下期監査時の結果
外部審査
事業所
13年度審査では菊川、小田原、盛岡事業所の定期審査を行いま
した。その結果は右のとおりです。これらの指摘は事業所を問わず 菊川事業所
共有財産として水平展開によるフォローアップされ、当社の環境保 小田原事業所
全活動がより有効な活動になるように、また、社会的責任を果たす 盛岡事業所
ために役立てられます。
外部審査での
指摘数
・重大な不適合 : なし
・軽微な不適合 : 1件
・改善要求事項 : 6件
(2013年度審査での指摘数)
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 |6
マテリアルバランス
資源エ ネルギーの投入量
環境負荷物質排出量
製造・研究試作
エネルギー
30,088
432.3
283.9
325.4
●電力
●灯油
●A重油
●LPG
事業所/工場+社有車
温室効果ガス
MWh
kL
kL
t
●CO2
14,311.7 t
事業所/工場
大気への排出ガス
22.86 t
●化学物質
0.38 t
5.94 t
0.27 t
●SOx
●NOx
●煤塵
加 工
化学物質
組 立
化学物質
洗 浄
●トルエン
●キシレン
●ジクロロメタン
水
塗 装
●水道水・井戸水
255,115 t
0.974 t
0.335 t
0.00 t
8.28 t
など
●その他
原材料
水系への排水
(水道水・井戸水)
●排水
154,939 t
●アルミダイカスト材
2,347 t
●亜鉛ダイカスト材
58 t
水系への排出
●その他金属 (鉄・真鍮・銅etc.)
3,061 t
●樹脂類
9 9 .999%
1,175 t
0.67 t
1.13 t
●BOD
●COD
再資源化率
廃棄物
事務系資材
●総排出量
12.1
●コピー紙
t
708.6 t
●最終処分量 ※
0.1 t
※ 最終処分量とは埋立処分に出す量を表示しています。
環境負荷及びその削減活動
CO2排出量
(排出係数:0.378使用)
廃棄物の埋立処分と
再資源化率の推移
排出量合計(t)
売上原単位(t/百万円)
廃棄物(埋立処分)排出量(t)
再資源化率(%)
コピー紙使用重量
使用重量(t)
t
t/百万円
t
20000
0.3
1.0
100 15
16000
0.25
0.8
98
0.6
96
0.4
94
0.05
0.2
92
0
0.0
t-CO2
0.2
12000
%
10
0.15
8000
0.1
4000
0
2011
2012
2013
90
2011
2013
年度
年度
13年度は12年度に比較し、C
O2総排出量は減少しました。売り
上げ原単位で前年度と比較すると
▲0.0311t/百万円(▲17.3%)と大
幅に減少し、効率的な生産活動が図
れたことが確認できました。
2012
ゼロエミッションに向け、分別
の徹底を推進した結果、全事業所
でゼロエミッションの達成が図ら
れています。
7 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
5
0
2011
2012
2013
年度
目標を掲げ長期の活動の成果に
より、コピー紙の効率的使用の意
識が定着しました。
各事業所における環境負荷の削減活動は下記のとおりです。目標に対し実績が未達成の項目については、次年度
へ繰越し更なる改善を加えた活動を展開します。
小田原事業所
環境目的 ・ 目標項目
1 省エネ活動
内 容
CO2排出量削減(原単位)
製品・部品の軽量化
▲5%以上
2 グリーン設計の推進
2R配慮設計/通年
(リデュース・リサイクル)
目 標
0.189t/
(㎡×万人)以下
抽出数:17アイテム
実 績
0.179t/(㎡×万人)
17アイテム達成
(▲5%以上に対し100
~429%の達成)
推進と監視
開発基本計画書での
環境配慮事項記載実
施化と定着
監視アイテム3件の
重量変動監視
設計初期での重量考慮
が重要との見解判明
菊川事業所
環境目的 ・ 目標項目
1 省エネ活動
2
ピーク電力デマンド削減
(7、8、9月)
3 憩いの場とビオトープ
内 容
目 標
実 績
CO2排出量削減(原単位)
0.286t/百万円以下
0.286t/百万円
使用電力のピークカット
2,600kw以下
最大2,815kw
遊歩道の完成
歩道部分完成
憩いの場内の小川を横断
するための橋を作成着手
したが未完成
池の浸透低減
調査進めたが原因の
特定に至らず対策未
憩いの場製作と水位安定化
盛岡事業所
環境目的 ・ 目標項目
1 省エネ活動
2 グリーン設計の推進
内 容
CO2排出量削減(原単位)
製品・部品の軽量化
▲5%以上
2R配慮設計/通年
(リデュース・リサイクル)
目 標
実 績
0.418t/百万円以下
0.413t/百万円
抽出数:6アイテム
5アイテム
推進と監視
新規7件
開発基本計画書の環境影響欄記載内容監視
問題なし
3
設備設計における
グリーン設計
環境配慮した生産設備設計
の導入
環境配慮型設備設計
の手順化
対象手順書作成、
運用開始
4
ピーク電力デマンド削減
(7、8、9月)
使用電力のピークカット
2,509kw以下
最大2,433kw
5 環境配慮対応
環境影響物質削減
危険物対象物質
600L削減
集中購買
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 |8
グリーン設計
【 方針 】
当社は自動車・二輪車の排気ガス浄化や燃費改善などに対し、キャブレター(気化器)で培った技術を基に制御
の高度化、高機能化、軽量化等を通して環境に配慮しています。また、製品に含まれる環境負荷物質の管理・削
減(汚染予防)に向けても積極的に取り組み、高性能で高品質な製品により環境へ及ぼす影響を最小化し、最適な
耐用年数を保証する製品を生産しています。
【 内容 】
燃費向上・軽量化等、原材料利用の生産性向上と資源保護の可能性を探るべく2R(リデュース・リサイク
ル)を、並びに別途グリーン調達委員会を設置し、製品に使用されている環境負荷物質の削減・全廃を目標設定
し取り組んでいます。
【 推進計画 】
№
項目
1
製品・部品の
軽量化5%以上
(統一課題)
2R配慮設計
2
(リデュース・
リサイクル)
14年度 活動目標
13年度 ま とめ
22/23アイテム完了
(達成率 : 96%)
新規開発製品は
環境影響分析監視
(新規 : 10件)
製
品
ア
セ
ス
メ
ン
ト
●製品アセスメントの評価項目には、省エネや
省資源化設計及び、資源循環や製品に含有す
る環境負荷物質対応等、部署製品に適応する
課題を抽出する。
●目的、目標の内容は各技術部門により扱う
製品が異なることから各々が設定する。
13年度までのグリーン設計での主たる活動として、上記のとおり軽量化を掲げ活動してきました。これは資
源的保護や燃費向上等に貢献するのはいうまでもありませんが、我々の製品はそのほかにも環境に貢献できる可
能性は大きいとして、開発段階からどの過程で負荷を与え、それがどれほどの影響を与えているかを評価する手
法(製品アセスメント)を取り入れるべく準備を始めました。14年度はこれを活用すべく関係部署へ教育し、
手順の周知徹底を図り、より環境への配慮を可能としていきます。
注) 13年度まとめの値は小田原と盛岡の合算値です。
製品アセスメント : 製品開発段階で環境への負荷を予め評価し、その軽減措置を製品の中に作り込むこと。
エコ加湿器
Eco HUMIDIFIER
- ネイチャー
フォレスト -
- 製品紹介 -
・容器に水を注ぐだけの電気を使用しない自然気化式
のエコ加湿器です。
・草花や鳥や鹿など自然をモチーフにしました。
フィルターには抗菌、防カビの加工を施しています。
・加湿量(=自然蒸発量)は、コップ1杯の自然蒸発量
の30倍以上です。
※室温20℃ 湿度30%の条件下にてコップ1杯(径52mm)
との比較です。
自然気化式加湿器「エコ加湿」シリーズの特徴
●電気不要で経済的
●繰り返し使用可能
●無音
●熱を使わず安全
9 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
●抗菌・防カビ加工フィルタ使用
●過度に加湿せず結露ナシ
グリーン調達
当社の製品は、世界各地で多岐にわたり使用されています。それらの製品に使用する材料及び生産時に使用する
副資材、並びに出荷時の梱包材は仕入先様から調達しています。これらをグリーン設計及び調達活動を通じて環境
負荷物質を低減し、お客様に満足していただける製品を提供すべく努力しています。
【 考え方 】
「環境配慮型製品をお客様に提供するため、法的に規制されている化学物質(環境負荷物質)に対し、削減と管
理を定め、全世界対応を行うものとする。」をグリーン調達の基本方針としています。
【 体制 】
当社の製品は先にも述べましたとおり多岐にわたっており、海外でも多く使われています。グリーン調達を確実
なものとし、お客様にご満足いただけるよう組織横断的に監視・推進する組織が必要と考え、委員会を発足し活動
しています。また、お客様からの調査依頼に対してもスピーディーにお答えできるよう、海外の動向をいち早く知
るためのWEBサイトを利用した運用を開始しています。
【 具体的活動 】
製品環境情報管理システム図
● 物質データの収集・管理
製品環境情報管理システム(通称“グ
リーンDB”)を構築し、お客様からの
データ提出のご要求に対応しています。
※IMDS:自動車業界向け材料に関する
共有データシステム
製品構成・
部品属性
管理システム
仕
入
先
各
社
生産管理
システム
グリーンDB
I ※ 管顧
理客
M
シの
D
スデ
S
テー
ムタ
個
別
シ
ー
ト
編集
● 管理の仕組みの標準化
製品の開発・設計業務における環境負荷物質の不使用あるいは規制値以下とする活動の仕組みは、技術標準及
び環境マネジメントシステム標準などの社内標準に落とし込んでいます。また工場の生産工程・作業環境におけ
る環境負荷物質の低減の仕組みも、同様に社内標準に落とし込んでいます。
環境会計
当社では、環境維持・対策のための環境保全コストを把握して、環境保全活動を効率的・効果的に維持推進し
ています。
分 類
(1)事業エリア内コスト
主な取組み内容
①公害防止コスト 生産・サービス活動により事業エ ②地球環境保全活動
リア内で生じる環境負荷を抑制す
るための環境保全コスト
③資源循環コスト 大気汚染・水質汚濁防止活動(定期分析含む)
騒音・振動防止活動
公害防止設備の保守・点検(浄化槽関連含む)
地球温暖化防止
省エネルギー活動
オゾン層破壊防止
廃棄物再資源化リサイクル活動
投資額(千円)
6,522
6,496
24,596
廃棄物処理施設の保守・点検、エネルギーの
発生抑制
(2)上・下流コスト
生産・サービス活動により上・下流で生じる
再商品化、グリーン購入活動
環境負荷を抑制するためのコスト
①環境マネジメントシステム
(3)管理活動コスト
の整備、運用のためのコスト
②環境改善対策コスト
③環境負荷監視のための
コスト
(4)社会活動コスト
(5)環境損傷対応コスト
179
環境マネジメントシステムの維持
従業員への環境教育
17,763
事業所工場敷地内、自然保護緑化・維持清掃
水質、大気、騒音振動、土壌、PRTR等監視
34,736
2,429
地域環境美化
地域環境支援・寄付
自然破壊修復、損害保険
合 計
479
200
93,400
(環境省「環境会計ガイドライン2005年版」に準拠しています)
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 | 10
環境に配慮した取り組み
樹脂製品の射出成型において、材料削減及び成形時間短縮の改善活動をご紹介いたします。
【 テーマ 】
樹脂成型品のホットランナー金型による、ランナーレス化と成型サイクルタイム短縮によるCO2排出量の削減
製品
ランナー(成形不要)
《ホットランナー金型の概要》
従来の金型では、製品形状に関わりの無いランナーを離型のため必要としていました。一方、製品にのみ樹脂を
供給する事が可能となるホットランナー金型は、ランナーが不要となります。樹脂体積を最小にするこの方式を利用
することにより、資源の削減とともに廃棄物の削減にもつながりました。又、ランナーが不要になったことから冷却時
間が短かくなり、サイクルタイムの短縮が可能となりました。
【 削減効果 】
上記改善を加えた金型にすることにより、以下に示すような効果を得られました。
サイクルタイム
工程
型締め
射出・保圧
冷却
型開き
取り出し
サイクル時間
従来比
-56 %
-60 %
-20 %
-49 %
-17 %
-35 %
従来比-35%のサイクルタイム短縮
CO2排出量
従来比
1個当たりのCO2排出量
上記ホットランナー金型への移行を12
月にスタートし、3月までの4ヶ月間の生
産でCO2削減量は右のとおりとなり、累
積で37t削減となりました。今後は他機種
にもこの方法を用いた金型に水平展開を推
進していきます。
-15
%
t
CO2削減推移
CO2削減量
CO2累積
40
30
20
10
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月
11 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
節電の活動について
夏期の電力不足に直面した11年度から継続して、13年度においても改善を行ってきました。実施した改善が
夏期にとどまらず年間を通じて継続して節電に繋がるように考慮し、活動を行っています。また、電力に限らず灯
油やLPG(プロパンガス)に対する省エネにも取り組んでいます。
【 「省エネ活動」 一部紹介 】
№
活動内容
活動実績
製造現場でユニットエアコンを止められる
1
箇所のOFF化
2 パーツフィーダの補助エアー稼働時のみ吐出
OFF台数、第1生産棟16/96台、第2生産棟
28/84台 OFF化▲24%
OFF化によりエアー吐出時間約▲20%
3 集塵機電源の自動化ON・OFF化
OFF化による電力料金削減額▲15,777円/年
4 エア漏れ削減
エア漏れ299/461箇所の64.9%の進捗率
5 最大電力監視システム導入(自家発設備)
2,600KWデマンド管理実施
6 「エアゼロの日」の実施
公出出勤計画を統一しエアゼロの日を継続実施
7 折板灯(外灯)LED化
4月~11月に掛け18/20基交換、2基撤去
8 3事業所省エネ協議会(横展開活動)の発足
初回7月実施し、以降2~3ヶ月で1度情報交換
9 省エネ改善強化月間を設定し意識高揚を図る
7~9月期間。優秀賞、最多提案賞各1名表彰
10 M/Cのクーラントポンプの1つ使い化
M/Cラインでトライし、問題ないため切り替え中
11 省エネ委員会での場内巡視
12月から4回実施53件指摘、フォロー24件
上記活動の№1~3の事例をご紹介します。
≪ユニットエアコンのOFF化≫
菊川事業所の生産棟には数多くのユニットエアコンが
設置されています。夏及び冬の冷暖房では全ユニット
が稼働していました。
【 効果 】
レイアウト変更や季節等に応じてON・OFFの設
定を行えるようにしました。これにより不必要なエ
リアは停止させることで、ファンの電力削減ができ
たと共に、冷温水が通る往路管と復路管での温度差
が少なくなることから、冷温水発生器での水温調整
用の灯油量が削減できました。
下図は、13年度冬季暖房時の運転状況を表してお
り電力量は17.6kwh(0.4kwh/台)の削減に繋が
りました。
ユニットエアコン設置図
≪パーツフィーダーの補助エアー稼働時のみ吐出≫
形状及びサイズ等により、ワーク整列・排出が辛いも
のに対して、ノズルよりエアーを常時吹きつけてアシ
ストしていました。
【 効果 】
吹つけをパーツフィーダー振動時のみに変更した結
果、エア吹きつけ時間は約20%削減ができました。
パーツフィーダー
≪集塵機電源の自動化ON・OFF化≫
ワークに付着している異物除去を目的に“静電”エア
ブローをおこない集塵機で常時吸引していました。
【 効果 】
ワークが作動していない時は、集塵機の電源をカット
するようにした結果15,777円/年の電気料金の削減が
できました。
第1生産棟
● 運転
第2生産棟
● 停止
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
| 12
外部コミュニケーション
2013年11月、盛岡事業所において環境対話集会と題し、滝沢市役所職員及び近隣住民の方々総勢21名の参
加者を対象に開催しました。環境活動の一連の話しに加え、大震災を踏まえた防災対策についても説明しました。
質疑応答では、修正すべき点も挙げられましたが、総評として「環境に十分配慮していることが判りました。」、
「事業所からの排水がきれいで感心し、安心しました。」、「地域住民として環境活動に積極的に動いていること
に安心しました。」などのご意見を頂きました。来年は大釜工場を計画します。
工場見学
活動説明
社会貢献活動
ペットボトルのキャップを収集し、発展途上国の子供たちにポリオワクチンを届けようという運動(エコキャッ
プ運動)に参加しています。ペットボトルとキャップを分別することで、ペットボトル本体の再資源化率を向上さ
せることはもちろんですが、分別するという行為で、やがてはまた資源になりその結果人の役に立つという教育の
一環とも考えています。菊川事業所では2011年10月から、盛岡事業所では2012年10月から全従業員に
協力を呼びかけスタートし、今後も活動を継続していきます。2013年度実績は、105人分のポリオワクチンを寄
付でき、スタートからでは213人分となりました。
エコキャップ活動
累計
ペットボトルキャップによるワクチン寄付人数
120
100
80
60
40
20
0
人数
14
12
10
8
6
4
2
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
ワクチン寄付換算(人数)
13 | MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014
累積人数
環境教育
当社は「環境方針」に則り、より良い環境を目指す為、働く全ての人々に対し力量・自覚の教育を実施し、個々
のレベルアップを図りつつ各分野での環境活動の取り組みに活かしています。
分類
一
般
教
育
教 育 項 目
教 育 内 容
教 育 風 景
方針の周知と本年度の活動(都度)
・方針展開と活動内容
新入社員教育(高卒者、大卒者)
・環境一般(役割、責任及び手順の適合の必要性)
・ISO14001の概要
中途・派遣社員環境教育
・自覚教育を中心に環境教育実施
環境教育
・地球温暖化防止 他
・ISO14001の仕組み、要求事項
環境教育
専
門
教
育
外
部
セ
ミ
ナ
ー
水質公害防止について
・水質公害防止の基礎知識
大気公害防止について
・大気汚染防止知識の習得
危険物の取り扱いについて
・危険物取扱時の注意事項
グリーン調達について
・環境負荷物質の動向や要求、仕組みに付いて
エネルギーの使用の合理化に関する
法律(省エネルギー法)
・法規及び温暖化の説明と省エネのアドバイス
内部監査員教育
・内部監査前教育(監査目的説明 他)
電気設備の安全と火災予防対策
・電気を安全に正しく使う基礎知識習得
内部監査員養成教育
・ISO14001の仕組みと、規定の要求事項を理解
しスムースなプロセス監査手法の習得
環境コミュニケーションセミナー
・新しい地域パートナーシップによる公害防止取組み
指針に付いて
危険物スクランブルトレーニング
・災害発生時に於ける基礎対応
電気設備の安全と
火災予防対策
危険物スクランブル
トレーニング
順守評価
各事業所における水質及び排ガスを測定した平均値での結果を以下に示します。
【 水質 】
【 大気 】
水質汚濁防止法に基づく最終排水口での水質測定結果
測定業者からの計量証明書より
大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設での測定結果
測定業者からの計量証明書より
pH
小田原事業所
菊川事業所
滝沢工場
大釜工場
BOD
COD
(mg/L)
(mg/L)
基準値
6.0~8.2
54以下
54以下
測定結果
7.6
1.23
1.35
基準値
6.0~8.2
18以下
18以下
測定結果
7.3
1.33
5.14
基準値
6.1~8.3
24以下
24以下
測定結果
6.9
6.4
9.8
基準値
6.1~8.3
16以下
24以下
測定結果
6.9
9.1
12.3
評価
○
○
菊川事業所
○
○
注)測定結果が「0.5未満」の場合、“0.5”を使用しています。
- 特記事項 -
1.上記データは年間平均値を表します。
2.基準値は各事業所における自主管理基準値を
使用しています。
小田原事業所
滝沢工場
大釜工場
SOx
NOx
ばいじん
(N㎥/h)
(ppm)
(g/N㎥)
評価
大気汚染防止法に基づく特定施設を設置
しておりません。
―
基準値
0.2以下
180以下
0.3以下
ボイラー
0.01未満
59.5
0.01未満
基準値
0.2以下
950以下
0.1以下
コージェネ
0.03
731.7
0.03
基準値
2.55以下
猶予
猶予
ボイラー
0.018
66.5
0.01
基準値
0.21以下
144以下
0.24以下
冷温水発生機
0.04
71
0.02
基準値
0.46以下
猶予
猶予
ボイラー
0.03
84
0.01
○
○
○
○
○
・滝沢工場、大釜工場におきましては小型ボイラーに該当
するため、総理府令に基づき基準が猶予されています。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2014 | 14
MIKUNI
ENVIRONMENTAL
R E P O R T 2 014
世界的な異常気象や平均気温の上昇などにより、昨今は四季の移り変わりや夏と
冬以外の季節を感じにくくなってきています。我々ミクニは企業理念にあるように、
地球的視野にたち、技術開発を継続して進めています。
表紙は、その技術を活かし、四季の中で次世代も安心・安全な生活を送るための
未来づくりという実現すべき夢を表現しています。
本報告書に関するご意見やご質問は下記までご連絡ください。
〒101- 0021 東京都千代田区外神田 6-13-11
お問い合わせ TEL.0537-36-2181
ホームページアドレス http://www.mikuni.co.jp
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