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と う か 発 行:ユニオン東京合同 発行人:三角 忠

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と う か 発 行:ユニオン東京合同 発行人:三角 忠
ユニオン東京合同 機関紙
闘
と う
華
2016 年 3 月 10 日発行
No.104
発 行:ユニオン東京合同
発行人:三角 忠
か
闘 華
東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付
TEL&FAX 03-3262-4440
メール
[email protected]
ホームページ http://www.union-tg.org/utg/
郵便振替
00110-8ー120661
戦争と、労働者非正規職化の攻撃。
首切り自由と労働組合の絶滅を狙う金銭解決化。
不当解雇にあった労働者は、生きていくために闘わざ
昨年の国会で戦争法とともに労働者派遣法の改悪を押
るを得ない。闘うことには多くの困難が伴うこともあり
し通した安倍政権は、労働時間規制を撤廃するいわゆる
得る。そしてすべての闘いが勝利に帰する保証はない。
「残業代0法」の導入で労働基準法を改悪し、次には不
しかし、闘うことの大変さと大切さを踏まえ、労働組合
当解雇の金銭解決制度の導入を狙っている。
を軸とした団結で闘えば勝利できる。その勝利をもぎと
安倍政権が昨年6月30日に閣議決定で「予見可能性
るために強い組合を作ろう。
が高い紛争解決システムの構築」だの「労使双方が納得
2013年2月、安倍は施政方針演説で「日本を世界
する雇用終了の在り方」だのというごまかした表現で、
一企業が活躍できる国を目指す」と発言したが、この言
解雇の金銭解決制度の導入を打ち出したことを受け、厚
葉は「民衆を犠牲にする国になる」ことへシフトするこ
生労働省は10月29日、
「透明かつ公正な労働紛争解決
とを含んでいた。安倍政権の政策で法人税の減税、消費
システム等の在(あ)り方に関する検討会」と称する審
税増税、労働法制改悪、非正規・外注化が労働者の生活
議会を発足させ、不当解雇の金銭解決制度導入に向けて
に襲いかかっている。安倍は「アベノミクスで企業の利
の検討を開始した。
益が上がれば、労働者の賃金も上がる」などとデマを触
解雇の金銭解決制度とは、どんな不当な解雇でも資本
れまわったが、結果は、企業が肥太っても、労働者は非
が労働者にわずかな金銭を支払えば、解雇は合法になる
正規化、外注化が進み、労働者の暮らしは不安定、低賃
というものである。
金化、貧困化が進んでいる。非正規職人口は増大、派遣
その導入によって、安倍と資本は解雇撤回闘争を解体
法改悪で派遣労働となれば一生派遣となる可能性もあり、
し、労働組合を絶滅し、闘う労働者の一掃、闘える環境
若者は未来に希望を持てなくなっている。そして、この
の破壊を目論んでいるが、資本の肥太りを背景にしなが
ような低賃金化や労働条件の改悪で、介護者による子ど
ら、資本の意に染まぬ労働者・労働組合を少しだけの金
もや高齢者への虐待の増加として現れ、安心しては暮ら
銭で排除したい資本の、考え方からしてケチ臭い・品性
せない。
の欠けた攻撃である。こうした攻撃を打ち破ってやろう。
賃金は下がり、企業の内部留保は増大。
解雇撤回闘争の貫徹で、安倍を打倒しよう。
財務省の法人企業統計によると、2015年9月末の
不当解雇にあった場合、解雇撤回・原職(相当職)奪
全産業の利益剰余金は343兆円。2012年12月の
還の原則で闘い、不当な解雇を撤回させるのは勿論であ
274兆円から69兆円が増えている。一方、従業員給
るが、その解雇撤回までの期間中の(いわゆる)
「バック
与と賞与を合わせた額は、12年12月の35.1兆円
ペイ」
(+「慰謝料」
)も全額支払われるべきものである。
から33.5兆円へと1.6兆円減少した。この3年間
我々の闘いの根源と重心は、実際の解雇撤回闘争に勝
で資本は、労働者の収入をさらに押し下げつつ利益を膨
利することであり、その現場と乖離した制度改悪阻止闘
らませてきた。企業が稼ぐ利益自体が大きく増えたので
争であってはならないものと考える。現場・現実の闘争
ある。1 年間の純利益は41兆3101億円と10%も増
勝利を制度改悪阻止闘争につなげ、労働者の権利侵害と
えた。
「トリクルダウン」などという屁理屈は全く国家的
闘い、その力で戦争阻止闘争・戦争につながるすべての
おためごか
詐偽のような御為倒しであった。
立法に反対する闘争に取り組む。こうした闘いを作り出
すために労働組合を強化して闘おう。がんばろう。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
■■手をつなぐ育成会分会から■■
No.104
分会ニュースの配布も、研修大会参加者に次々と渡して
くれました。その姿には感じるものがありました。
情宣を終えて片付けをはじめたら、会場の中から出て
1.2月16日、解雇無効地位確認裁判 弁論準備。
きた男性が、会場入口の外側で案内係りとして立ってい
2014年9月に当該組合員が提訴した解雇無効・地
位確認裁判は、被告の「全日本手をつなぐ育成会」と「全
たスタッフジャンバーを着た男性に話しかけていました。
国手をつなぐ育成会連合会」を相手に1年半闘ってきま
よく見れば、
「田中統括じゃないですか?」
。思わず声を
した。被告両会は別団体であることを主張していますが、
かけると、本人が振り向いたのです。わざわざ組合の見
原告は証拠を集め実質的同一性がある団体であることを
えるところまで来たチャンスなので、
「ちゃんと解決して
明らかにしてきました。
くださいね!」と声を重ねると、そそくさと会場内に戻
ってしまいました。
2月16日には、裁判官から和解の打診がありました。
原告は「解雇の不当・不利益を認め解決できるのであれ
その後、田中統括から声をかけられていた案内係りの
ば、拒まない」とし、被告も和解のテーブルにつくこと
男性は、ずっとマイクでの訴えを聞いていたらしく「頑
を了解したため、次回(4月27日)から和解協議に入
張っているんだね」と言ってくれました。わかってくれ
ることになりました。
てうれしいです。訴え続けることは大変ですが、育成会
の会員さんたちに何が起きているか知っていただくため
2.2月20日 「全国手をつなぐ育成会連合会」主催
に今後も現地の労働者、労働組合と連帯して現場闘争を
事業所協議会研修大会 千葉市情宣
闘っていきます。
千葉市内での全国連合会事業所協議会研修大会の情宣
には、心強い応援がありました。
所用で千葉に来た動労水戸の辻川さんが立ち寄り、マ
イクでアピールしてくれました。
「川崎市で、老人施設でお年寄りが次々と施設から投
げ落とされる事件が起きた。青年労働者が極限まで酷使
され、自分も機械のように扱われ、自分が高齢者の命を
護るとか、暮らしを護るということがまったく喜びでは
ない。働くこと自身が喜びではない。そのような状況に
置かれてきました。介護労働者だけではありません。全
ての人が自分の労働を低く見られ、働くことに喜びも持
てません。このような社会を変えることなくして子供た
(2月20日 千葉市内 事業所協議会研修大会情宣にて)
ちがイキイキと生きていける世の中になるでしょうか。
私は、障がい者と共に生き、障がい者の家族を護るこ
闘って解雇撤回原職復帰に勝利した滝口さんの経験
とと同じように、そこで働く労働者がイキイキと働ける
滝口さんの姿勢に深い感銘を受けて、滝口さんのこと
ことが大切と思います。高齢者を護り、子どもを護るた
をネットで検索してみました。そうしたところ、次のよ
め、人間を護るために、労働組合を作り闘ってきました。
うな文を発見しました。滝口さんの受けたインタビュー
育成会は表面的には社会のために役立っているような
での発言です。
印象がありますが、しかし実際には偽装解散して、そこ
『68年10月、僕に対して懲戒免職・解雇攻撃がき
で働いている労働者の首を切った。全く正当な理由のな
ました。しかも”酒”を理由にすれば反撃できないだろ
い解雇だ。そんなことを許していたら、障がい者は生き
う、と。動労内の多数派だったカクマルは、もちろん「千
ていけません。育成会は、解雇を撤回することなく反省
葉地本が悪い」と投げ捨てます。動労内の犠牲者救済委
することなく、居直っています。これは国鉄からJRに
員会でも「12対11」で中野さんや僕たちは負けます。
なる時に、国鉄が行った解雇と同じです。日本の政府が
当時の中野さんの鬼のような顔は今でも忘れません。当
行ったことと、育成会までもが同じことをやっている。
時は民事裁判で解雇撤回闘争を闘う経験もイロハもあり
こんなことは許さず、闘っていきます」とアピールして
ませんでした。だから必死になって「滝口誠君を守る会」
くれました。全く、当該の言いたいことと同じです。
を現場からつくっていきます。僕たちの闘いに反対して
そして、解雇撤回原職復帰の大先輩、地元・動労千葉
いた人間も含めてオルグして「守る会」に入れさせて組
の滝口さんが情宣の応援をしてくれました。滝口さんは、
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
No.104
合全体の力関係をひっくり返した。解雇から2年余りの
会議が行われました。全国の都道府県政令指定都市育成
闘いで、ついに裁判闘争に完全勝利し、見事に解雇撤回
会の会長とは、
「全国手をつなぐ育成会連合会」の総会メ
をかちとり職場に復帰します。”負けて勝つ”――まさ
ンバーであり、2014年3月20日の評議員会の評議
に劣勢であっても団結の拡大でつかみとった勝利でした。
員であり、
「社会福祉法人格をなくした連合体になること
そしてこの2年間は、組合権力を完全に奪取して中野体
を前提に、事務所を閉鎖、職員の全員解雇、社会福祉法
制を確立する闘いと一体でした。この解雇撤回の勝利が
人格の返上」という流れであることを承知しながら、す
なければ、今の僕の闘いはありません。
』
・・なるほど、
でに形骸化していた「社会福祉事業の廃止」を決議した
滝口さんは、だから、育成会分会当該の解雇撤回闘争に
面々です。つまり「間接的に解雇に関与した当事者」と
対してあんなに熱心に協力・応援、いや団結してくれん
言えるのです。
だと 、謎が解けた気がします。当該は本当に勇気づけら
また、全国の都道府県政令指定都市育成会の事務局長
れました。
も都道府県政令指定都市育成会の実務を行っている人物
※滝口処分撤回闘争とは。
たちであり、長く続けている人もいれば、新しく着任し
1968年10月5日、国鉄当局は動力車労組千葉地本新小岩支
た人たちも来ており、全日本育成会の2014年の偽装
部青年部長の滝口さんに対し、何の根拠もなく「乗務仕業勤務時間
解散劇で労働者を解雇したことを知らない人もいるので、
中の飲酒」など4点をデッチあげ、懲戒免職を通告した。拠点支部
分会ニュースを是非読んで事実を知って欲しいとアピー
青年部長への解雇という当局の組織破壊攻撃に対し、ただちに新小
ルしました。
岩支部と千葉地本青年部を中心にして「守る会」が結成された。当
時の動労千葉地本執行部は不当処分であることを認めようとせず、
全国育成会連合会の会長さんたちは、あまり役員交代
闘いは困難を極めたが、独自の裁判闘争を闘い労組全体の力関係を
が進んでないのか、会長たちが変わっていないようでし
変えていった。70 年 10 月 28 日、東京地裁で地位保全の仮処分を認
た。通っていく人に声をかけながら都道府県政令指定都
め「懲戒免職は無効」とする判決を勝ち取り、滝口さんは復職を果
市育成会会長、事務局長に「偽装解散劇」を解決するよ
たした。
うに訴えました。
3.3月2日
松井美弥子さん(現在:全国手をつなぐ育成会連合会
育 成 会 フ ォ ー ラ ム で 情 宣。
権利擁護センター委員長)は2007年9月~11月ま
全国育成会の主催する「育成会フォーラム」が、品川
でに団交に3回出席しました。あの時の団交は労働委員
で開催されました。今回は、機関誌「手をつなぐ」にも
会でも団交拒否の不当労働行為と認定されています。
「不
インフォメーションが掲載されていたので、より幅広い
当労働行為を実行した松井さん。団交拒否の不当労働行
一般の会員の参加もあり、会場前でマイク情宣している
為をしていて、権利擁護はできないですよ。育成会は不
と各地域の育成会の会長さんや会員さんたちがたくさん
当労働行為して、労働者の権利侵害をしていたら、権利
通っていきました。
擁護など成り立たないでしょう。不当労働行為はやめな
情宣では、裁判・労働委員会で明らかにしてきた事実
さい」と訴えました。
を知らせました。そして、全日本育成会と全国育成会連
北海道育成会の奈須野益会長にも「理事会・評議員会
合会は会員、行政には「組織形態の変更」と言いながら、
議事録が開示されて、評議員が解雇に加担していること
裁判・労働委員会などでは「別団体」と主張している「2
がわかっています。全国手をつなぐ育成会連合会の正会
枚舌」であること、証拠から両会の実質的同一性を否定
員は不当解雇が行われることを織り込んだ、
『社会福祉法
できない以上、雇用の切断は許されないこと、を訴えま
人の解散』を決めたのだから、その正会員が『争議を解
した。
決する』と決めたら解決できます」と訴えました。
偽装解散劇のシナリオを描いたのは三役の「ブラック
5人組」だったことが、全日本育成会提出の証拠からわ
5.3月4日 中労委命令取消訴訟第2回期日。
かってきました。そのシナリオからすれば、不当解雇が
清算法人になった全日本育成会が、昨年11月に裁判
起きることを承知で評議員会、理事会で組織的な議決を
所に中労委命令の取り消しを求めた裁判。すでにこの裁
して、不当解雇に間接的に加担をした。したがって、
「こ
判の対象となっている不当労働行為事件は不当労働行為
の争議の解決も全国の都道府県・政令指定都市育成会の
と都労委で認定し、裁判所でも2014年12月には緊
意志で行える」ことを訴えました。
急命令を決定し、2015年5月26日に命令の掲示を
福祉新聞に掲載することで、中労委で争っている事件を
4.3月3日 全国育成会の正会員の会長・事務局長会議で情宣。
除き、和解することとなったものである。組合は、今回
前日と同じ、品川の会場で全国育成会会長・事務局長
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から補助参加した。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
No.104
全日本育成会の「誤解」で起こした取り消し訴訟だった?
の不利益変更に関するもので、非正規職組合員の雇い止
そもそも、全日本育成会事件の中労委命令は、都労委
め問題、賃金カットという労働条件の不利益変更に関す
命令の団交拒否事件部分に「誠実応諾命令」を追加した
るものである。これについては、労組法第7条2号が成
ものであったが、全日本育成会は「都労委命令が組合の
立し、あるいは成立すると評価できる可能性が高い対応
申立を棄却した部分を一部変更し」と誤解し、更に「団
が繰り返されているという事情が認められる。全日本育
交応諾命令」と誤解して、訴訟を起こしていたことがわ
成会においては、今後も組合員の労働条件に関する団交
かってきた。
について同種の不当労働行為を繰り返えす虞れが多分に
全日本育成会が裁判を起こした前提にしているのは
あるので、本件のように不当労働行為を防止する必要性
「誠実団交応諾命令」としているが、
「誠実対応命令」
(不
があるものである。
誠実な対応を禁止する)は、別の命令である。この点に
また、全日本育成会が「解散の決定後も、あっせんや
おいて「前提に誤りがある」と国(中労委)は指摘した。
外部の会議室での団交を提案したが組合が応じていな
※ 「団交応諾命令」とは、団交の議題を特定した上で、これにつ
い」ことを主張したとしても、2014年3月以降、組
いては必ず団交を開催しなければならない旨を命じると言う
合からの団交申し入れに対する回答書には、
「都労委や裁
命令のこと。やらなかったら過料がかかる。
判所とは評価を異なる原告[注:全日本育成会]独自の主
国(中労委)側は、本命令は、同命令の有無に関わら
張や要求[謝罪・反省・誓約の要求や開催の制限]が繰り
ず原告が当然に負うべき義務、すなわち義務的団交事項
返されていることに由来するというべきであって、組合
たる組合員の労働条件に関する団交申し入れがあった場
の対応はやむを得ない面があったことを看取でき、また
合に誠実に対応すべきこと、労組法第 7 条2号のすなわ
今後の不当労働行為を抑制する必要性も高いのである」
ち「団交申し入れに対する不誠実な対応をしてはならな
と判断していたのであった。
い」という不作為を命じるものと変わりないものである。
このように、3月4日の第2回期日までに提出された
この命令は、将来の不当労働行為を防止するために必
全日本育成会と、国(中労委)側の書面により、中労委
要が認められる場合においては最高裁判決でも認められ
命令の趣旨はより明確に示された。
ているというもの。
それは、第一義的には、全日本育成会が、本来使用者
に義務とされる「団交応諾義務」を長年蹂躙してきたこ
中労委もさすがにあきれる不当労働行為のくり返し。
とから、今後の将来に向けても不当労働行為を再び繰り
中労委が、
「誠実対応命令」を発出した理由の根拠は、
返す虞れが充分あるので、あえて命令の必要性があった
①最高裁判決の「先になされた不当労働行為が単なる 1
こと。
回性のものではなく、審問終結当時には、何らかの事情
第2には、誠実対応命令は「不誠実な対応を禁止する」
により解消されていたとしても、再び繰り返される虞れ
不作為命令であり、団交の申し入れに対して「不誠実な
が多分にある場合として認められる場合においては、不
対応をしてはいけない」ことを救済の方法として示した
当労働行為制度の目的に照らし、その予測される将来の
のであった。
不当労働行為が過去の不当労働行為と同種若しくは類似
それらが示すことは、全日本育成会は労働組合法を蹂
の物である限り、労働委員会は予めこれを禁止する不作
躙し、使用者の団交応諾義務をないがしろにして、団交
為命令を発することを妨げない」と判示するように、未
を開催していないことを逆に組合の責任になすり付けて
だ行われていない将来の不当労働行為を防止するための
きたなかで、労働者の労働条件=義務的団交事項を団交
命令の適法性は肯定されており、中労委が個別事案によ
開催しないで、一方的に不利益変更してきたことに対し
って決定するべきことである。
て、一定のストップをかけ、そして全日本育成会が現在
②また命令は、発出時において「侵害状態の現存性」だ
清算法人段階であっても、
「従来、協議が持たれていない
けではなく「将来の不当労働行為防止の必要性」という
組合員の労働条件が義務的団交事項に当たることは明ら
観点から検討されるべきであるとした。
かであることが、存在する可能性があることを考慮した
不当労働行為を繰り返す虞れ:全日本育成会が、都労
上で」
、命令主文に「誠実対応命令」を出したものであっ
委や東京地裁により、不当労働行為に該当すると評価さ
れた行為を長年にわたり継続していたことを加味すれば、
将来の不当労行為の防止は必要性も合理性もある。
組合としては、団交応諾命令を求めたので、物足りな
いところではありますが、現在闘っている解雇事件の裁
議題の関連性:そして、第8回団交までの団交議題と、
判、労働委員会への力、現場の力に転化させていきます。
第21回団交の議題の関連性ということでは、労働条件
-
た。
次回は、5月11日10:30~裁判所第527法廷
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闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
■■ブリタニカ分会から■■
◆
2月25日(木)午前11時30分より1時間の予定で、
闘いの報告
No.104
◆
国鉄分割・民営化で不当解雇から29年。
解雇撤回へ闘いはこれから!
JRは1047名を直ちに採用せよ!
戦争と労働法大改悪に立ち向かおう!
ブリタニカ・ジャパン奥井社長に対するビラまき、マイ
ク情宣を行った。
この日、早春とはいえ、寒さひとしおであった。12
時を過ぎて昼休み時になっても、人通りがいつもより少
2.14 国鉄集会
ない。道行く人はポケットに入れた手を出さず、ビラの
はけもよくない。しかし、こんなことにはへこたれない。
本日は、
「関係ない」と組合無視を続けるブリタニカ・
2月14日に、国鉄分割・民営化に反対し、1047
ジャパン奥井社長に対し、昨年12月の第15回定期大
名解雇撤回闘争を支援する全国運動が主催する2.14
会で執行委員長が三角忠になったことと、新執行部の体
国鉄集会が開催された。
制下で、今後ブリタニカ・ジャパン奥井社長宛に一本化
花輪不二男さんの開会挨拶でスタートした。「最高裁
して団交要求をし、団交で争議解決を迫る闘いを継続す
は昨年6月 30 日の上告棄却決定で不当労働行為を認めざ
ることを通知する目的があった。都労委、中労委では、
るを得なくなった。残っているのは1047名の解雇撤
矮小化した事業継承性を理由に組合の申し立ては却下さ
回だ。この集会を期に新たな運動を展開し、10万を上
れたが、組合はこれらの反動命令を認めない。あくまで
回る署名を集め、敵の最後の論拠を粉砕しよう。安倍は
もブリタニカ・ジャパン奥井社長に争議責任、使用者責
自衛隊を軍隊にしようとしている。戦争に向かう安倍を
任がある、という組合の見解を示し、ブリタニカ・ジャ
許さず闘おう」と訴えた。
動労千葉弁護団から、
『昨年6月30日の最高裁決定で
パン奥井社長宛の団交要求書を提出することであった。
ブリタニカ奥井社長が行った、日本ブリタニカの事業
不採用基準自体を不当労働行為と認めさせた。JR設立
閉鎖、340名全社員解雇の実態と、これまでの組合の
委員長が不採用規準の策定を指示していた決定的証拠を
闘いをひとしきりマイク情宣した後、会社の昼休み時間
突きつけた。国鉄改革法23条5項には、
「設立委員の行
前の12時ごろ、恒例の直接団交要求のため、2階の会
為は承継法人JRの行為であること」を明記しています。
社の正面入り口前に行った。インタホンで奥井社長に取
したがって、JR設立委員長が加担して策定された以上、
次ぎを依頼するも、女性の声で応答があり、
「いません」
不当労働行為の責任はJRにあり、JRは動労千葉9人
との決まり文句。労担の原尻氏も「いません」と、
「関係
だけでなく1047名を採用する法的義務を負ってい
ない」を忠実に実行している。団交要求書を受け取りに
る』と力説した。
出てきた女性事務員に、
「このままこのような状態を続け
動労千葉の田中康宏委員長は、
「不当解雇から29年。
るのであれば、我々は直接奥井社長宅に行かざるを得な
分割・民営化から35年。2003年の時にJRには法
くなるので、態度を改め、我々と団交をするよう伝えて
的責任はないとしたことを、ここまでこれると、誰が思
ください。
」と伝言を依頼して終了した。
っていたか。想像もつかないことだった。闘い続けて、
JRを直接相手に解雇撤回を求めるところまできた。こ
「関係ない」を続ける奥井社長を団交に引っ張り出す
こから新しい闘いが始まる。今からが勝負だ」と訴え、
「戦
ために、組合は闘う。
争法と労働者派遣法の大改悪で時代は大転換した。その
中で、新しい署名で無数の怒りを結集し、新しい労働運
動の芽をつくろう」と呼びかけた。
共謀罪を最終的に葬り、安倍を打倒するチャンス
2・20 共謀罪反対集会
昨年11月の「パリ大量殺傷事件」をきっかけに共謀
罪が4度目の国会上程必至という状況になったことは、
たびたび紹介してきた。2月20日、こうした緊迫した
治安弾圧の動きに反対して救援連絡センター主催で共謀
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闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
罪反対集会が、東京の千駄ヶ谷区民会館で開催された。
No.104
62 周年の今回は 3・11 直後、福島の首長として全町民
今日まで、共謀罪反対運動にかかわってきた日弁連刑
を県外に避難させた元双葉町町長井戸川克隆さんとビキ
事法部会事務局長の山下幸夫弁護士、長い間、アラブの
ニ事件の生き証人第五福竜丸元乗組員・大石又七さんを
地で欧米帝国主義・イスラエルのパレスチナ侵略に抗し
パネラーに迎え「あらためて問う! ビキニ事件―第五
て闘ってきた映画監督の足立正生さん、あらたに救援連
福竜丸とフクシマの現在」と題するパネルディスカッシ
絡センター代表に就任した関東学院大学の足立昌勝名誉
ョンがメイン企画であった。
教授の 3 人の講師が、あらためて共謀罪が今日浮上して
かねてから、大石さんとの対談を切望していた井戸川
くることの労働者・人民に対する弾圧の現状、テロ対策
さんは、なぜそのとき「全町民避難」を決断できたのか。
に便乗して法整備を急ぐ必要などないこと、といった各
今でも毎日鼻血が止まらないことを紹介しながら、
「子ど
論点が提起された。さらに、特定秘密保護法成立、マイ
もに将来説明が付かないようなことをできない」とその
ナンバー制度施行という「国の秘密は人民に隠し、人民
決断の理由を説明した。
の情報は残らず収集する」監視国家の具体的危険性にも
大石さんは定番の主役だが、いつも始めて参加した人
言及。会場からは、どんな場合に共謀罪が適用されるの
に語り聞かせる口調で、1954年3月1日の「死の灰」
か。
「憲法が認める内心の自由も侵害する」この共謀罪は、
をどのように受け止めたかを話す。
これを阻止することによって 7 月の参議院選で自民党の
2巡目、3巡目では、お二人の苦闘が具体的に語られ
改憲発議 3 分の 2 をくい止める力になるのではないか、
る。大石さんは被爆者ゆえに差別され、
「俺も死の灰を浴
安倍が高飛車に出てくれば、かえって広汎な労働者人民
びたら金がもらえたのにな」という地元焼津の心ない言
の闘いを生み出すことができるのではないか」という安
葉に耐えられず東京に出て来て、ビキニ被ばく者である
倍の改憲、戦争にストップをかける積極的な闘いにして
ことを知られないように、クリーニング店を大田区東嶺
いこう、ということが全体確認され、集会を終えた。反
町に開設したこと。井戸川さんは、埼玉県加須市に移転
治安弾圧戦線は考え方の違いはあっても「弾圧に反対す
した町役場で執務しながら、町民を放射線被害から守る
る」点で、多くの闘う労働者人民の共同行動として、こ
孤独の闘いを続ける。
れまでの廃案過程においても、実現してきた。
最後にパネラー同士の質問、会場からの質疑も織り交
わが組合も、微力ながら共謀罪新設の危険性をあらた
ぜ、上映されたマーシャル諸島の水爆被害と合わせ、世
めて直視し、上程必至の情勢に立ち向かって行こう。
界の「被ばく者」の連帯をこれから作っていこう、とパ
ネルのまとめをコーディネーターが集約した。
ひきつづく第二部では、
「核燃サイクル解体の道すじ」
として、まず青森から大間原発反対現地集会実行委事務
被ばく者の連帯を強固に!
局長の中道雅史さんから「ストップ! 再処理・フルM
2・27ビキニデー62周年東京集会
OX大間」と題し、青森が如何に核と戦争の集約地にな
っているかを下北半島の地図を紹介しながら話す。今、
2 月 27 日、東京・渋谷勤労福祉会館でビキニデー62 周
川内、高浜と再稼動が強行されているが、狙い目は、プ
年東京集会が開催された。
ルサーマル運転だ、と喝破し、とくにフルMOX運転の
主催は、8・6 広島―8・9 長崎反戦反核闘争全国統一実
大間の建設阻止を全国の人々と一緒に勝ち取ろうと力強
行委員会。1995 年に発足したこの全国統一実行委員会は、
く呼びかかけた。
広島・長崎への原爆投下がアジア侵略の帰結としてあっ
次に登場したのが西村トシ子さん。
「国策もんじゅの
たことを歴史的に反省することから出発した。その後戦
闇」と題し、福井県敦賀に1995年に建設された「夢
争をなくす闘いとしてオキナワを、原発が究極的には日
の原子炉・高速増殖炉もんじゅ」のナトリウム事故にか
本の核武装につながるものとしてとらえ、その出発点に
らんで、当時動燃の部長であった夫・西村成生(しげお)
なったビキニを、さらに 2011 年 3・11 を直視してフクシ
氏が謎の死をとげた事件の真相を求めて遺品返還訴訟を
マを加え「くり返すなアジア侵略―ヒロシマ・ナガサキ、
訴えたことを紹介しながら、その背景である「国策もん
オキナワ、ビキニ、フクシマを」というスローガンに結
じゅ」の正体に迫るものであった。
実させたのである。
集会参加者59名。初参加者の多いビキニデー集会は
この綱領的スローガンは、3・11 以降、とりわけ第二次
成功裡に終えた。
安倍政権の発足以来、
「内部被曝」と「安全保障」という
二つの問題に光を当てることで現実化させてきた。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
東芝過労うつ病労災・解雇裁判
高裁差し戻し審 和解協議は決裂!
コ
ラ
ム
No.104
会社にマイナンバー情報の提供を求められたら・・
マイナンバー制度は、本誌6ページにも「国が人民の
東芝深谷工場で液晶開発の技術者として働いていた重
情報は漏らさず収集するため」とありますが、その目的
光由美さんは、長時間労働や、きついノルマ、体調不良
は、いわば戦争に向う準備なのです。戦争動員というの
を訴えても仕事をさせられるという状況で、うつ病を発
は、戦争になるはるか前から既成事実的に始まるのです。
症し、休職に追い込まれました。重光さんと同じ業務に
名目は別のことでも、それが戦争の時に応用できるよう
従事した同僚が半年間に2名自殺しています(1 名労災認
になっています。
定)
。東芝は、重光さんが労災申請したにもかかわらず、
さて、現代のマイナンバーには個人情報が集約されて
休職期間満了を理由に 2004 年 9 月 9 日に解雇しました。
おり、個人情報が政府に管理されていると思うと気持ち
重光由美さんは最高裁で2014年3月に勝利し、2
悪いものです。しかし、会社に情報提供を求められたら
014年6月から高裁の差し戻し審で和解協議を2年近
どうしたらいいでしょうか。
く続けてきましたが、今回、和解協議は決裂!判決に向
そこで、今回は、
「会社に情報提供を求められた時」の
うことになりました。
対応の例をご紹介します。
組合は、重光さんを講師にお願いし、学習会を開催し
1.会社に求められたら、マイナンバーを提供しない「情
たことがありました。きっかけは、使用者側代理人弁護
報提供の不同意書」を提出する。個人の意志として、提
士が同じであることのご縁で、事件の概要と裁判などの
出しないことを明確に伝えます。黙っていたり、知らん
闘いでの悪辣な弁護士の陰険な手口など貴重な情報を教
顔しているのはダメです。
えていただいたという経緯でした。
2.会社は、労働者からマイナンバーを集めることがで
重光さんの事件は、是非下記のホームページで見てほ
きなくても、罰則はありません。
しいのですが、東芝と重光さんとの和解交渉は今回が2
関係する内閣府、国税庁、厚生労働省からも、マイナ
回目なのです。1回目(2008年8月~2010年3
ンバーの記載が無くても不利益に扱わないことが公表さ
月)も、1年8か月やって和解決裂となった経緯があり
れています。また、労働者もマイナンバーを提出しない
ます。最高裁まで闘い重光さんが勝利して、その高裁で
ことに対して、罰則はありません。
の差し戻し審での今回の和解交渉の席で、東芝は、和解
3.会社に対しては、労働者にマイナンバーの提出を促
交渉のことはブログやホームページに書かないこととし
すようにされています。したがって、マイナンバーが出
て口封じをして、2014年6月~2016年2月の1
来た経緯や、マイナンバーと組付けられた情報の行政機
年8か月もかけて決裂ですから、時間稼ぎと労働者に経
関における管理のされ方などを説明することや、その必
済的、精神的な負担をかけるものでしかありませんでし
要性を説明することになっています。
た。
会社が提出を求めるばかりで、情報の管理の方法な
どの説明などがない場合は、説明がなかったことを記
録しておくとよいと思います。
いまや東芝は、粉飾会計2248億円で、15年3月
期は378億円の赤字。旧経営者の責任の追及が始まる
ところという日本有数のブラック企業です。東芝は、そ
ところで、マイナンバー制度の関連システムを運用
のコンプライアンスのなさが会社の経営をも揺るがした
する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は「カー
とも見えます。労災療養している重光さんとの交渉です
ド管理システム」で断続的に障害が発生し、一部の自
ら真摯に対応することができなかった東芝は、足元の不
治体(市区町村)でカード交付などの業務が滞ったと
当解雇争議の解決から、コンプライアンスを取り戻し、
発表しました。危ういもので、信頼性はありません。
真摯に対応するべきです。
漏えい事故はいつ起こっても不思議ではありません。
「東芝過労うつ病労災・解雇裁判」のサイト
情報提供をしないことの孤立感やカードの利用性に惑
http://homepage2.nifty.com/tsbrousai/gaiyou.html
わされ情報提供したら、後で後悔することになります。
「非国民」化を恐れず、情報提供を拒否しましょう。
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ユニオン東京合同 機関紙
闘
華
2016 年 3 月 10 日発行
◆ ◆ ユニオン東京合同のお知らせ ◆ ◆
No.104
組合活動日誌
3・11反原発福島行動‘16
月 日 曜
活動内容
14 日 2・14国鉄集会
16 火 育成会分会解雇無効裁判弁論準備
■日時:3月11日(金)正午開場
午後1時開会、午後3時デモ出発
■場所:開成山・野外音楽堂
(郡山市開成 1-5 開成山公園内)
■主催:3・11反原発福島行動実行委員会
18 木 ふじせ企画労組本社抗議五反田デモ
共謀罪反対集会
2 20 土
育成会分会 事業所協議会研修大会千葉情宣
23 火 組合例会(全体会議)
25 木 ブリタニカ社前情宣
戦争と治安管理に反対するシンポⅧ
■日時:3月13日(日)13:00~19:00
■場所:南部労政会館
■分科会(13:30~16:00)
27 土 ビキニデー62 周年集会
1 火 3・1ビキニデー原発なくせ!戦争やめろ!東京集会
2 水 育成会分会‘15年度育成会フォーラム情宣
①戦争・治安・改憲 -安倍暴走の行方
3 3 木 育成会分会 全国育成会会長・事務局長会議情宣
育成会が訴えた中労委命令取消訴訟第2回期日
4 金
山田書院労組千葉鎌取社長宅団交要求行動
②共謀罪・盗聴法・秘密法 ー戦争・治安は一体
③国家主義と差別・排外の構造を撃つ
■全体集会(16:30~19:00)
9 水 定期執行委員会
パネル・ディスカッション、連帯挨拶・リレートーク
■主催:共謀罪反対!国際共同署名運動
スケジュール
阿佐ヶ谷市民講座
月 日 曜
「緊急事態条項」とは何か
活動内容
11 金 3・11反原発福島行動‘16 ★
13 日 戦争と治安管理に反対するシンポⅧ ★
15 火 アベ戦争政治を許さないためのリレー講演会 調布市たづくり8F
育成会分会都労委調査 10:00~
17 木
3
阿佐ヶ谷市民講座「緊急事態条項」とは何か★
19 土 戦争法廃止!安倍内閣退陣!3・19 集会&パレード★
21 月 動労水戸支援共闘結成1周年集会
26 土 つながろう福島!守ろう命!3・26全国大集会★
27 日 最高裁による強制収用許すな!3・27三里塚全国集会★
■日時:3月17日(木)18:30~
■場所:劇団展望
杉並区阿佐ヶ谷南 3-3-32
■講師:石川裕一郎さん(聖学院大学教授)
■主催:実行委
■参加費 1000 円
戦争法廃止へ!安倍内閣は退陣を!
3・19集会&パレード
■日時:3月19日(土)13:00~プレ企画
13:30~集会 14:30~銀座パレード
■場所:日比谷公園野外音楽堂
■主催:総がかり行動実行委
つながろう福島!守ろう命!
3・26全国大集会
■日時:3月26日(土)11:30~ライブ
12:30~大集会 14:40~デモ
■場所:渋谷代々木公園
■主催:さようなら原発 1000 万人アクション
3・27三里塚全国総決起集会
最高裁による強制収用許すな!
■日時:3月27日(日)正午~集会3時~デモ
■場所:赤坂公園(成田ニュータウン内)
成田駅西口2㎞(バス2番線)
■主催:三里塚芝山連合空港反対同盟
情宣やりきって、こぼれる笑顔。
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