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株式会社日本ボンコート(茨城県)
関東地域 株式会社日本ボンコート(茨城県) ∼潜在ニーズ=客も気が付かないニーズの発見から特許取得∼ 1.「はんだこて」専門メーカーとして業界で高い評価 (株)日本ボンコートは、青木社長が電子メーカーを退職後、1968(昭和43)年、旅 行中に水戸の地が気に入り創業。以来、一貫して「はんだこて」専門メーカーとして、 世界に先駆けセラミックヒーター式の電気はんだこての開発など、最先端技術ユーザー 市場でのシェアは30%を超え、業界での高い評価を得ている。 何でも作れば売れたのは昭和30年代までで、その後は自動化、合理化が進み、14社 あったはんだこてメーカーも今や4∼5社となっている。しかし、ここ15年ほど日本企 業の海外進出により人手による作業が増え、東南アジアを中心に需要が増えている。国 内ユーザーが持ち出すものを含めると70%が海外で使われている。 2.誰もがやらなかった技術を開発 はんだ付け作業は、一見単純な作業であり、誰がやっても簡単にできることから軽視 されやすい。しかし、現実には、この作業の技能・技術レベルが、製品の品質(全体製 品)の優劣を決定づける。どんなに電子部品の信頼性が高くても、接合でのはんだ付け が悪くては製品としての信頼性は低い。それ程、電子機器でのはんだ付けは重要な鍵と なる。近年、電子部品の超小型化に伴い、益々接合技術でのはんだ付けは重要になって きている。 はんだこてと一口に言っても、一本600円程度から、15万円もする高付加価値商品ま で幅広い。DVD、コンピューターの心臓部、ロケット部品、制御装置などのはんだ付 けは、宮大工級の一級技能者レベルの技が必要とされる感性技能の結集である。 営業で顧客回りをしていて、大企業でさえ技能者不足であることに気が付いた。それ は使用しているはんだこての性能と、実装作業中の温度変化を作業者の熟練感性にゆだ ねていること。いわゆる作業中のこて先・先端表面部の温度変化を科学的な方法で捉え ることができないことが「手はんだ付け」の最大の欠点であった。 そこで、こて先に温度センサーをつけた「自動温調セラミック式はんだこて」を開発 して特許を取得。センサーをつければ良いと誰でも思うが誰もやらなかった(出来なか った)技術を権利化し、保護しようと考え、特許権+技能で独創性を強めた。目に見え ない「温度」をデータとして見えるようにしたということである。さらに、近い将来デ ィファクト・スタンダード化が可能とされる「負荷温度管理方式はんだこて」を開発し、 国内外で特許を取得した。現在、市場への積極的販売に力を入れると共に、手はんだ付 けの「3次元システムパッケージの通信システム化」を到達目標としている。 3.小さな組織で大きなネットワーク展開を目指す 経営戦略としては、国内外で特許を取得することにより、小さな組織で、大きなネッ トワーク展開を目指し、製造ノウハウを持つ企業体にして行く方針。なお、特許に関す る先行技術調査は全世界をチェックしているので、警告を受けたことはないが、権利侵 害に警告を行った例がある。 − 128 − 株式会社日本ボンコート 県異業種交流同好会の発起人、水戸市発明クラブ後援会長の傍ら、国内各地のみなら ず、米国、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、香港などでのセミナーや研究会、 品質会議などの講師に引っ張りだこで、世界を駆けめぐっている青木社長である。 【特許活用製品】 ボンコート ●会社概要 代表者:代表取締役 青木 征雄 所在地:茨城県水戸市笠原町600−14 創 業:1968(昭和43)年 資本金:1000万円 従業員:14人 主要製品:①工業用電気はんだこて、②手はんだ付システムツール、③はんだ付ツール、 ④はんだ付用計測器 − 129 −