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2009年研修レポート

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2009年研修レポート
2009 年度イアエステ研修レポート
PARTⅠ:Assignment(レポート) 1. 研修の概要を A4 判用紙 1 枚以内にまとめよ。
私はスイスのバーゼルにある Waldhauser Haustechnik AG という会社にて、8 月 10 日から 10 月9
日まで研修を行った。この会社は①建築物に備え付ける冷暖房・換気システム(HVAC system)の設計、
また②建築物のエネルギーロス、温度・湿度等を計算し改善法を提案するといった業務を主に行って
いる。この会社で設計された HVAC system が備え付けられた建物の熱力学的挙動に関する計算、シ
ミュレートも②の部署が行い、時に①の部署にフィードバックを行う。私の上司 2 人は部署②に所属
していたので、私もその部署の仕事を行ったり、手伝ったりすることが多かった。勤務時間に関して
はフレックス制を導入しており出社・退社時間に決まりはなかったが、1 日 8.25 時間働くよう決め
られていた。
以下に私の行った仕事を挙げる。
・ IDA(建築物の形状・方角、部屋の位置、窓・ドアの配置、家具・人のスケジュール等を考慮し建築物のモ
デルを作ることで、その建物の温度や湿度、空気の流動量等を計算するソフト)を用いて建物の温度等の解
析。またそのソフトにおいて、上に挙げた様々な要因を様々に変えることで、計算結果がどの程度変わってく
るかを実際の計算結果から確認、自分の中で知識・経験としてデータベース化。
・ R-value、U-value、ψ-value、Thermal bridge 等、建築の分野で実際に用いられている用語の理解。また
flixo というソフトを用いて、窓と壁の繋ぎ目、壁と床の繋ぎ目等で起こる Thermal bridge をシミュレート、
U-value 等を計算。
・ 実際にバーゼルにあるアパートの図面から壁面積等を読み取る。Thermo4 というソフトに、壁面積、繋ぎ目
部分の U-value 等を入力することで、建物全体のエネルギーロスが計算される。バーゼルの定めたエネルギ
ーロスの基準よりエネルギーロスが高い場合、経済的かつ基準を満たす方法を提案。再度計算を行う。
・ 太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(EPT)、エネルギー収支費(EPR)の計算
・ HVAC system の 2 次元 CAD 図面の修正
1 日の流れ:7 時前に起床、8 時過ぎに出社。9 時半になるとコーヒーブレイク。そこでは日替わり
のスイスのパンを朝食代わりに楽しんだ。12 時から 13 時の間はランチタイム。コーヒータイムやラ
ンチタイムは同僚の方々とコミュニケーションをとる貴重な時間なので、出来るだけ自分から話かけ
ていくように心がけた。色々な事を話したが、こうすることで徐々にお互いの距離が縮まっていった
のではないかと思う。その後は大体 5 時半まで仕事を行った。仕事の後は、同僚や他の会社の方々と
サッカーをして楽しんだり、バーゼルの町をぶらぶらしてみたり、上司宅に晩御飯に呼ばれることや
同僚の方々とミュージカルを見に行ったりということもあった。また、たまに IAESTE BASEL の
開催する飲み会に参加して BASEL に住む他の研修生と交流を深めた。
初めの 1 ヶ月の週末は IAESTE のイベントに参加しスイスを堪能した。IAESTE Switzerland の旅行はスケジ
ューリングが大変上手くできており、また、内容も楽しいものばかりであった。私も現在 IAESTE Kyoto に所属
しており、来年度のイベント企画の際に参考になる事が多かったと思う。またその後も先輩や友達とイタリアや、
フランス、ドイツのオクトーバーフェストに行ったりと、2 ヶ月間、本当に週末家にいる時間がないほどアクティ
ブに動きまわっていた。
大学生活中、英語学習にも力を入れ、さらにその英語力と専門の知識を磨きをかけたいと思ってる私にとっ
て、今回の研修は大変充実したものであった。今回の研修で学んだものは英語だけに留まらない。社会に出
て働くとはどういうことか。日本とは全く異なる環境へどう適応するか。本当に様々な事を学び、成長もした。こ
れらを同時に身をもって体験出来たのは、IAESTE に参加出来たからこそである。この2ヶ月の体験は今後の
私の生き方に大きく影響を与えるものと確信している。
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2009 年度イアエステ研修レポート
2. まとめとして、研修内容・及び派遣国での生活全般について A4 判用紙 4 枚以内に具体的に記述せよ。
(研修日誌、テクニカルレポートや単位認定用のレポートの内容を含んだもの)
私はスイスのバーゼルにある Waldhauser Haustechnik AG という会社にて、8 月 10 日から 10 月9日
まで研修を行った。この会社は①建築物に備え付ける冷暖房・換気システム(HVAC system)の設計、
また②建築物のエネルギーロス、温度・湿度等を計算し改善法を提案するといった建築物に関するコ
ンサルタント業務を主に行っている。時には建築家・デザイナーも訪れる会社ということで、会社内
はきれいに整理整頓されていて、家具はシンプルかつファショナブルな物が置かれており、お洒落な
雰囲気の中、気持ち良く働くことが出来た。ちなみに過去にこの会社が仕事を協力して行った建築家
の中には、北京オリンピックの鳥の巣スタジアムをデザインした Herzog & de Meuron がいる。彼
らが東京・青山にあるプラダ・ブティックのデザインを手がけたとき、私の上司がそのエネルギー計
算を行ったとのことである。(余談になるが、Herzog & de Meuron の Office もバーゼルにあり、そ
こも IAESTE の研修生の受け入れをしているそうである。実際にこれからその Office で働くという
スペインから来た建築専攻の学生に会った。)
私が主に行った業務を以下に列挙する。
1. IDA,flixo,Thermo4 というソフト用いて、建物の温度やエネルギーロス等の熱力学的挙動を解析・計算
2. 太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(EPT)、エネルギー収支費(EPR)の計算
3. HVAC system の 2 次元 CAD 図面の修正
1. IDA,flixo,Thermo4 というソフト用いて、建物の温度やエネルギーロス等の熱力学的挙動を解析・計算
まず、この会社に着いて初めに行ったのが IDA というソフトに慣れる事であった。このソフトに建築物の形状・
方角、部屋の位置、窓・ドアの配置、家具・人のスケジュール、さらに、HVACsystem のスケジュール等を入力
することで、その建物の温度や湿度、空気の流動量といった熱力学的挙動を計算することが出来る。壁面の
材料を様々な種類に変更、外側の日よけの位置、窓のブラインドの閉め方、部屋の方角、断熱壁を内壁 or
外壁に貼るか、それぞれの場合がどう室内の熱力学的挙動に影響を与えるかを、単純なモデルを製作し 1
つ 1 つ確認していき、自分の中にデータベース化していった。単純な場合が一通り終わったところで、実際の
建物はどうなっているのか気になり、過去に行った計算例を幾つか見たいと上司に頼んだ。具体例を確認す
ることは、それまでに得た知識の援用法を知るだけではなく、今まで考えもつかなかった考え方も知ることが
出来、経験値を増やすのに非常に有意義であった。
ここで仕事として、実際にバーゼル建っているフラットの図面を与えられる。図面上の長さをものさしを用いて
測り、壁面、窓、屋根、床などの面積を計算した。これらの値に加えさらに必要なのが、Thermal Bridge の起こ
る部分の長さである。壁面や窓の端部などでは違う材質の物が接合されたり形状が一定ではない。これ
を’’inhomogeneous’’な状況と呼ぶ。Inhomogeneous の度合いが増せば増すほど、この部分で Thermal
Brige が起こる。つまりエネルギーロスが大きくなる。壁面、窓、屋根、床および Thermal Bridge の熱抵抗はそ
れらの材質の物性値を与えることで決まる。ただ、Inhomogeneous な Thermal Bridge の熱抵抗を計算するに
は、flixo というソフトを用いる必要があった。このソフトに Thermal Bridge 部分の形状や材質、また部屋の内外
部の温度を与えてやると、有限要素法を用いてその部分の温度分布が自動的に求まった。さらに温度分布
のコンター図を表示することで、視覚的にエネルギーの流れを確認することが出来た。材料や形状が変える
とエネルギーロスの様子が如実に変わることから、大変興味深かった。
壁面、窓、屋根、床などの面積や物性値、また、Thermal Bridge の周囲長と flixo で計算した熱抵抗値を
Thermo4 というソフトに入力する。(壁面、窓、屋根、床の端から遠い部分は Homogeneous なので熱抵抗は簡
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2009 年度イアエステ研修レポート
単に計算出来、これは Thermo4 が自動的にやってくれる。)そうすることで、その建築物全体のエネルギーロ
スが求まる。従来のままであるとエネルギーロスが大きく、バーゼルの定める基準を下回ることが出来ない。そ
こで壁面、窓、屋根、床などに断熱材を入れて基準を下回る方法を考え、提案するというのがこの部署の仕
事の 1 つである。そこで、上司のアドバイスももらいながら、今までに得た幾つかの知識を活かして改善案を
考えた。
再び IDA ソフトに戻り、この建物の構造を IDA に入力した。ところで、この建物には吹き抜けがあり、天窓があ
る。そこで、夏の暑い日には夜にその天窓を自動的に少し開けるシステムをモデル化し、夏のその建物の温
度を下げることに成功した。また、Thermo4 で計算したようにエネルギーロスが従来より少ないため、冬は保
温性に優れており、温度を高めることが出来た。これらから、夏は涼しく、冬は暖かい建物を提案した。
2. 太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(EPT)、エネルギー収支費(EPR)の計算
本業務では、太陽光発電市場の約 90%占めるシリコン系太陽電池(単結晶シリコン・多結晶シリコン)につい
て主に調査、エネルギーペイバックタイム・エネルギー収支費(EPT・EPR)の計算を行った。
ここで、多結晶シリコンは最も普及している太陽電池であることからメーカーのホームページで変換効率を調
べることが出来たが、単結晶シリコンに関しては変換効率のデータを知ることが出来なかった。そこで、過去
のデータを利用して、現在の変換効率を推定することにした。その方法を以下で簡単に述べる。
2001 年における単結晶シリコンモジュールの変換効率は 17.5%であった。変換効率の推移はある程度の規
則性をもって発展していくものと考えられるが、グラフの横軸を「2001 年」などと年代とするのはあまり適当で
はなさそうである。年代よりもより絶対的な指標を考えたとき、生産量はより絶対的な指標として用いることが
出来るのでは考えた。そこで、毎年の変換効率の推移、日本および世界における太陽光発電モジュールの
毎年の累積生産量から現在の変換効率を推定することにした。ところで、日本において各種類のモジュール
が累積生産量の中でどれだけのシェアを占めるかを示すデータは入手可能であったが、世界におけるその
データは手に入れることが出来なかった。そこで、得られた日本のデータから各種モジュールの占める割合
を求め、それを世界の累積生産量データに適用することで、各種モジュールの世界における累積生産量を
求めた。世界の累積生産量のうち、単結晶シリコン:20~30%,多結晶シリコン:50~60%を推移している。こう
して得られたデータを、x軸を単結晶シリコンモジュールの累積生産量、y 軸を変換効率としてグラフにまとめ
る。このままだと関数を決めるのが難しいが、このグラフを両対数グラフにしてみると直線になることが分かる。
得られた直線の式を用いて 2008 年の変換効率の推定を行うことで、太陽光発電の出力電力を求める
ことが出来た。
太陽光発電のモジュールを製作する際のプロセスは、
① The production of MG-silicon
② Purification of MG-silicon
③ Cz silicon(単結晶シリコンの場合)、Casting(多結晶シリコンの場合)
④ Wafer Sawing
⑤ Panels and laminate production
⑥ Solar cell production
と分かれている。さらに、モジュール以外の部分(Balance of System)も考慮し、これらのプロセス
に必要となる入力電力を求めた。得られた出力電力、入力電力から太陽光発電のエネルギーペイバッ
クタイム(EPT)、エネルギー収支費(EPR)の計算を求めた。
3. HVAC system の 2 次元 CAD 図面の修正
UKBB という小児病院の CAD 図面に、HVAC system の種類を表すレジェンドを加えていった。地下 2F から
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2009 年度イアエステ研修レポート
地上 3F の建物で、各階毎にレジェンドを加える部分が多く、全体では相当数あった。作業内容自体は頭を
使わない単純作業であった。しかし、各階の構造が似ており、違う階のレジェンド図面を流用していけば作業
が効率的に進むこと等に注目し、いかに作業の手数を減らし、迅速に行っていけるかということに注意しなが
ら作業を行った。
その他
3.で述べた UKBB という小児病院が現在バーゼルで建設中であり、その建設現場に連れて行ってもらった。
同僚がその病院全体の HVAC system の Heating と Cooling 部分の設計や配置を決め、実際にその
installaion が完了したから見に行くとのことだったので同行させてもらった。実際に行って見てみると何本もの
配管や巨大なタンク、Heat Exchanger が巧みに配置されていた。 プロジェクトを終えるまでに数年かかった
らしく、自分で設計した巨大なシステムが目の前に実際に作られるというのは本人にとってどれだけ嬉しいこ
とだろうと想像した。自分の考えた物が目の前に形となって現れ世の中の役に立つ、それこそがエンジニア
の醍醐味ではないだろうか。インターン先の会社の業務内容はシミュレーションが中心であるが、その先にあ
る実際の装置を見ることが出来、大変興味深かった。
1 日の流れ
7 時前に起床、ヨーグルトで軽く腹を満たし、8 時過ぎに出社。8 時を過ぎて来るのは遅いほうで、
私が出社する頃には 8 割ぐらいの人が既に出社しており、スイスの朝の早さには驚いた。しばらくし
て 9 時半になるとコーヒーブレイクがあり、秘書が日替わりでスイスのパンを買ってきてくれるので
そこで本格的に腹を満たすという感じであった。ちなみに、そのパンだけでなく、コーヒー、ボトル
の水(ガス抜き・ガス有)、盛ってあるリンゴやプラムといった果物が飲み放題・食べ放題であったの
で非常に恵まれていたと思う。12 時から 13 時の間はランチタイム。最初の頃は近くにあるテイクア
ウト可能な店にサンドイッチ等を買いに行っていたが、サンドイッチだけでも 7、8CHF もするので
途中からは電子レンジでチンするものをスーパーで買い貯めしてそれを食べていた。コーヒータイム
やランチタイムは同僚の方々とコミュニケーションをとる貴重な時間なので、出来るだけ自分から話
かけていくように心がけた。日本のことや近所のお店の話、ニュースで見たスイスの話題や週末にし
た旅行の話。色々な事を話したが、こうすることで徐々にお互いの心の距離が縮まっていったのでは
ないかと思う。その後は大体 5 時半まで仕事を行った。私より先に出社していた従業員の方々はもう
この頃には既に帰宅していた。外国人は Work Balance を大事にするというのを実感した。仕事の後
は、直に家に帰ることもあれば、同僚や他の会社の方々とサッカーをして楽しんだり、バーゼルの町
をぶらぶらしてみたり、上司宅に晩御飯に呼ばれることや同僚の方々とミュージカルを見に行ったり
ということもあった。バーゼルはドイツとフランスの国境に位置しており、自転車でその国境を越え
ることが出来る。ドイツに入るとすぐに Weil am Rhein という街がある。ここには家具メーカー
・ヴィトラの博物館あり、その中には安藤忠雄の設計したカンファレンスハウスや有名デザイナーに
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2009 年度イアエステ研修レポート
よってデザインされた建物、様々な奇抜な家具があり興味深かった。街の商店街もスイスの街の雰囲
気とは若干違っており、国境を越えるだけで一気に変わる雰囲気を楽しみに何度かここには足を運ん
だ。また、たまに IAESTE BASEL の開催する飲み会に参加し、バーゼルに住む他の研修生と交流を
深めた。
週末
初めの 1 ヶ月の週末は IAESTE のイベントに参加しスイスを堪能した。IAESTE Switzerland の主催するイベン
トは、内容、進行共に満足いくものであった。まず、IAESTE Switzerland のホームページはかなり整っており、
イベントへの参加登録もそこで行うことが出来る。日程、集合時刻だけでなく、幾つかの研修生が多くいる町
(バーゼルも入っていた)からその集合地・時間に間に合うためにはどの電車を乗り継げば良いかということも
示されており便利であった。さらに、イベント紹介の文が、ガイドブックに載っているような陳腐な内容ではなく、
ユニークでユーモアが利いたものであったのも面白かった。内容に関しては、マッターホルンのようなベタな
観光地を回ることもあったが、核シェルターに泊まったり、スイスでは数年前まで違法であったお酒 Absinthe
の蒸留工場を訪れるといった「地球の歩き方」には載っていないようなスイスのコアな部分を知るこ
とが出来、興味深かった。ちなみにではあるが、私は Absinthe の蒸留工場に行く途中に山道で自転
車から落車、左半身を強打し、救急車で病院に運ばれるというアクシデントに見舞われた。スイスで
は医療費は馬鹿にならないぐらい高く、救急車代がなんと 640CHF(6 万数千円)であった。そのあと
病院に3回行ったので、トータルで 20 万円ぐらいしたのではなかろうか。しかし、スイスは労働者
全員が事故保険に入ることが義務づけられており、給料から毎月その保険料が差し引かれていた。(も
ちろん私も)。そして、治療費はその保険で賄われたので、私は負担せずに済んだ。まさかスイスの
医療の現状を我が身をもって体感することになろうとは予想もしていなかったし、非常に痛かったが、
今となっては良い思い出である。そして、人生本当に何が起こるか分からないので、IAESTE で海外
に行く際の海外旅行保険加入義務は今後も是非とも徹底していただきたい。9 月中旬からは、先輩や友
達とイタリアや、フランス、ドイツのオクトーバーフェストに行ったりし、ヨーロッパを堪能した。2 ヶ月間、本当に
週末家にいる時間がないほどアクティブに動きまわっていた。
総括
上記したように、たった 2 ヶ月ではあったが大変多くの経験をした。さらに言えば、経験したことが多すぎてこ
こに書ききれていないというのが正直なところである。まず、日本を飛び出し日本語の通じない場所に身を置
くことで、英語によるコミュニケーション能力を鍛えることが出来た。と同時に日本の長所、短所を感じることが
出来たし、日本にいる両親や友人の大切さを心の底から再確認した。また、今回の研修先は建築にも関係
した部分もあり、今まで機械というカテゴリーしか頭になかった私にとって、建築という他の分野で
機械系の人間がどう働くかというのを知ることが出来、視野の広がりをもたらしてくれた。
このインターンシップは大成功であった。これは、1 日の大部分を過ごす仕事場の人々が、良い人達
ばかりで良好な人間関係を築くことが出来、毎日仕事に行くのが楽しかったからであると思っている。
仕事を選ぶ際はその業務内容ももちろん大事ではあるが、どんな人が働いているかということはもっ
と重要ではないだろうか。
最後になりましたが、この研修を通して異文化に触れることが出来、視野の幅を広げることが出来た
こと、また、世界中の素晴らしい人々と巡り会えたことはかけがえのない財産となりました。このよ
うな機会を与えて下さり、本当にありがとうございました。
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2009 年度イアエステ研修レポート
PARTⅡ:Questionnaire 以下の質問にお答えください。
A. TRAINING
1.
研修内容は、O-form に記載されていたとおりでしたか。(はい)
「いいえ」と答えた場合、どこが違っていたか具体的に記述してください。
2.
就業時間は、O-form に記載されていたとおりでしたか。(はい)
実際の就業時間:
全(371.25)時間
週(5)日間;( 月 )曜日から( 金 )曜日
3.
研修先から支払われた“滞在費”は、現地の通貨で週いくらでしたか。“滞在費”の内訳と日本円に換算し
た金額と併せて書いてください。
毎週 443CHF(およそ¥40000)
4.
研修先から支払われた“滞在費”は、生活するのに十分なものでしたか。(はい)
「いいえ」と答えた場合、何にいくらぐらい足りませんでしたか。
外食をすると高いですが、基本的にはサンドイッチを作ったり、電子レンジでチン出来るようなものを食べ
て、食費にはあまりお金をかけませんでした。家賃は 1 カ月に 480CHF でしたが、それを考慮に入れても賄
えるだけの給料であったと思います。
5.
“滞在費”はどのように支払われましたか。(現金手渡し)
6.
研修中の滞在先について(周辺地域の環境や治安、特徴など)詳しく記述してください。
生活において困ったことはほとんどなかったと思います。スーパー(MIGRO や COOP)に行けば何でも売
っています。家の近くのスーパーは夜 6 時半には閉まりましたが、家から 10 分ほどの所にあるドイツ国鉄駅
の中のスーパーは夜 11 時ぐらいまで開いており、便利でした。交通機関も十分発達しており、京都よりも公
共交通機関での移動は楽でした。治安もかなり良かったです。
7.
研修中の滞在先(宿舎)から研修地までの通勤について書いてください。(交通の便・手段・費用等)
アパートの大家さんから自転車を借りていたので、基本的には自転車で行っていました。(およそ 25 分)
公共交通機関を使う時には、トラムかバスで行っていました。どちらを使っても片道 2CHF です。(およそ 30
分)
8.
研修先での職場環境(人間関係)は良かったですか。(はい)
「いいえ」と答えた場合、不満だった点を書いてください。
気さくな人達ばかりで元気をもらえました。働いていて居心地の良い職場でした。
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2009 年度イアエステ研修レポート
9.
研修において、何か特別なプロジェクトに参加しましたか。(いいえ)
「はい」と答えた場合、参加したプロジェクトの内容を詳しく記述してください。
10. 研修において、あなたの語学力(O-form に記載されている Required Language)は客観的に見て十分だっ
たと思いますか。(仕事・はい、プライベート・足りない)
「いいえ」と答えた場合、反省点を書いてください。
上司の話す英語は非常にクリアで、仕事上でコミュニケーションの困難は比較的少なかったです。しかし、
週末のイベントにはイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア等からかなり多くの研修生が来ており、ネイテ
ィブ同士が会話を始めると聞き取れないことも結構あり、ショックを受けました。また、英語を使うときの私の
会話は説明調であり、面白いことや冗談を言いたいのに言えないのは残念でした。
B. SOCIAL LIFE
1.
研修以外の時間(余暇)はどのように過ごしていましたか。なるべく簡潔に書いてください。
平日はサッカー、散策、ちょっとしたパーティー、Facebook の更新等。週末は必ず旅行していました。
2.
研修地でイアエステ委員会主催の催しに参加しましたか。(はい)
「はい」と答えた場合、参加したプログラムの内容と併せて感想も書いてください。
Basel, Zermatt, Jura 等を週末を利用して旅行。また、Zurich で international party もありました。
タイムマネジメントやリーダーシップの取り方が非常に上手かったし、ガイドブックには載っていない場所
を訪れたり、アクティビティに参加でき、満足出来ました。来年日本の研修生を受け入れて、イベントを催す
際にとても参考になると思います。
3.
研修国で、その国の伝統文化に触れるような機会はありましたか。(はい)
「はい」と答えた場合、どのようなものに参加したか、感想も詳しく書いてください。
1 人で Luzern を旅する際に stadtkeller と言うレストランを予約し行ってきました。というのもこ
のレストランでは、ヨーデルやアルプホルンといった典型的なスイスの伝統音楽をステージで演奏
してくれるからです。また、実際にステージに上げてもらい、ヨーデルを歌ったり、アルプホルン
を吹かせてもらいました。普通に生活していてもなかなか伝統文化に触れる機会が無いので、自分
からアクションを起こす必要があると思います。
4.
研修国の印象を詳しく書いてください。
平和。この一言に尽きると思います。アルプスの少女ハイジのような平和な雰囲気もあながち嘘ではあり
ません。治安は日本と同じぐらい良いと思います。旅の途中で疲れたら道沿いにあるベンチの上で寝たりし
ていましたが、イタリアやスペイン等の国ではこんなことは危なくて出来ないでしょう。湖はどこも綺麗ですし、
スイスの至る所にある芝生は常に丁寧に刈られており、どこに行っても緑が映えていました。そしてその芝
生の上を、牛やヤギ達がのんびりと歩いています。日常の忙しさを忘れ、ボーっとするには最高の国だと思
います。
7
2009 年度イアエステ研修レポート
5.
研修国で、日本のことについて質問をされましたか。(はい・いいえ)
「はい」と答えた場合、特に印象に残った質問、面白かった質問、あなたが返答に困った質問などがあれ
ば、それにどう答えたかも含めて書いてください。
1.日本人は長時間働くのか?
日本人は働くのが好きと言うのは良く知られています。そしてこの質問はよく聞かれましたが、私自身が
日本の企業で働いたことがないのではっきりと答えることが出来ませんでした。なので、いつも「Maybe,
yes」と答えていました。実際に日本企業にもインターンシップに行き、その違いを比べるのは面白いかもし
れません。
2.日本の物価は高いの?
これもよく聞かれました。しかし、感覚としてはスイスのほうが幾分物価は高いです。これには原因がありま
す。スイスでは海が無く魚が取れません。そのため、スイスでは寿司を作ろうとすると非常に高くなり、それ
を見たスイス人は日本食が高いと勘違いしているからです。スーパーマーケットにある 1 人前の寿司パック
は約 2000 円であり、大変驚きました。文化が海外に伝わるときには、やや事実が歪曲されるのだなと言うの
を実感した面白い質問です。
C. IAESTE COMMITTEES
1.
研修出発前、手続き上何か問題はありましたか。(いいえ)
「はい」と答えた場合、問題点を詳しく書いてください。
2.
研修国入国時に何か問題はありましたか。(いいえ)
「はい」と答えた場合、問題点を詳しく書いてください。
3.
研修国到着後、研修地まで自分ひとりで行きましたか。(はい)
「いいえ」と答えた場合、誰と行きましたか。
4.
3の質問で、「研修国のイアエステ委員会」と答えた場合、イアエステ委員会はどのように関与していまし
たか。
5.
研修初日、研修先の受入準備体制は万全でしたか。(はい)
「いいえ」と答えた場合、何に不備があったか書いてください。
8
6.
2009 年度イアエステ研修レポート
研修期間中、研修国のイアエステ委員会のオフィスへ行く機会はありましたか。(いいえ)
7.
研修先でのイアエステ委員会のオフィスについて書いてください。
① 委員会は何人体制でしたか。
申し訳ありません、把握できていません。
② 研修期間中、委員会との連絡はスムーズに行われましたか。
メールマガジンに登録をしており、イベントに関する情報はそのメルマガを通して発信されていたの
で、情報不足で困ることはありませんでした。また、IAESTE SWITZERLAND の HP にも各イベント情報
が逐次掲載されたり、そこで登録出来たりと言うことで非常に便利でした。
③ 研修期間中、問題が起こったときに適切な対応もしくは助言をしてくれましたか。
自転車事故の後、怪我の保険を日本のものを使うか、それともスイスの会社のものを使うか、どちらが
適当かを質問したところ、素早く適当な回答を得ることが出来、とても助かりました。
D. OVER-ALL
1.
今回のイアエステ研修を通して、最も良かったと思うことを詳しく書いてください。
人脈が世界レベルで広がったこと、多くの人と出会えたこと。違う文化の人と話すこと自体が日本ではな
かなか機会がなく、彼らと話したり行動を共にすることは新たな発見の連続でした。また、その違いを認識
することは、改めて自分の文化や価値観を見つめ直すきっかけにもなりました。さらに、外国人の方々は基
本的に外向的な人が多く、彼らと一緒にいることで性格が前よりも外向的になったかなと思っています。も
ちろん、待っていても人脈が勝手に広がるわけではありません。人脈を広げるためにはある程度の積極性
や度胸も必要ですが、そういった面を鍛える良い機会でもありました。
2.
研修に関して事前に勉強をして行きましたか。(いいえ)
「はい」と答えた場合、何を勉強し、どう役立ったかを書いてください。
「いいえ」と答えた場合、事前に勉強をしなかった理由を記述してください。
修士 1 回の前期に授業を詰め込みすぎたせいで、英語すら勉強する時間が無い状況だったからです。
3.
日本出国前に準備しておいたほうが良いと思われることを書いてください。
・‘日本’を伝えられる物(扇子、箸、空手着、浴衣、etc)
プレゼントをすると向こうの方々のハートをがっちりつかむことが出来ます。とにかく、思いつく限り、そして
鞄に入る限り出来るだけ多くのものを日本から持って行ってください。漢字が書かれていれば、なお良し。
・恥じない心
僕は空手着を着てデモンストレーションをしたり、浴衣を着てイベントに行ったり、街に出かけたりしていま
した。ここまでやったことで人間関係を広げ、深めることが出来ました。初めは恥ずかしさがありましたが、最
後の方には注目されることが快感とさえ感じるようになっていました。
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2009 年度イアエステ研修レポート
4.
来年以降、あなたが派遣された国へ、研修生として派遣される候補生に向けての助言(研修のことだけで
なく、語学面や生活面など、気が付いたことはでくるだけ詳しく)を記述してください。
英語と欧米の若者文化(音楽や映画等…)、また、それに伴うスラング等。研修に行くと欧米から多くの研
修生が来ていますが、英語だけ出来ても彼らの話題について知らなければ、その理解力は半減するといっ
ても過言ではないでしょう。そして彼らはスラングや熟語を多用します。彼らの話題についていきたければ、
テキスト(例えば TOEIC 対策本)重視の英語学習は早くやめてください。テキストにはそのような場で役に立
つことは何一つ載っていません。お勧めなのは、やはり映画です。映画には、若者文化、スラング等、生の
英語に近いものが数多く含まれています。また映画の内容自体が話のネタになることもあります。是非映画
から英語を学び、実用的な英語力を身に付けた後で行って欲しいと思います。さらに言えば、英語が苦手
なら得意になってから行って下さい。残念なことに、ネイティブ同士の仲良しグループ(click と言うそうです)
が出来るのですが、彼ら曰く「英語の出来ない奴が来ても、笑える話・面白い話が出来ないから click に入
れてあげない」、つまり英語が出来なければ、仲間はずれにされるのです。そうならない為にも、英語力は
上げられるとこまで上げるのをおススメします。
また現地の言葉を知っておくと、やはり嬉しがられます。外国人が片言でも日本語を話すと、思わず顔が
ほころび、少し心を許してしまうのと同じです。
5.
研修終了時に、受入企業に研修レポート(Technical Report, Training Diary を含む)を提出しましたか。(は
い)
ご協力ありがとうございました!
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